JP3745349B2 - 半導体記憶装置及びその駆動方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データを分極値として記憶する強誘電体メモリを有する半導体記憶装置、その製造方法及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の半導体記憶装置について、図22〜図25及び図26(a) 、(b) を参照しながら説明する。
【0003】
図22は、従来の半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周縁回路を示している。
【0004】
図22に示すように、メモリセルは、2つの強誘電体キャパシタC0、C1と2つのパストランジスタQ0、Q1とを有しており、いわゆる2T2C型のメモリセルである。強誘電体キャパシタC0の第1の電極はパストランジスタQ0のソースに接続され、強誘電体キャパシタC1の第1の電極はパストランジスタQ1のソースに接続され、強誘電体キャパシタC0及び強誘電体キャパシタC1の各第2の電極はセルプレート線CPに共通に接続されている。パストランジスタQ0のドレインはビット線BL0に接続され、パストランジスタQ1のドレインはビット線BL1に接続され、ビット線BL0のビット線容量はCBL0で表わされ、ビット線BL1のビット線容量はCBL1で表わされている。尚、ビット線容量CBL0とビット線容量CBL1とは互いに等しい。パストランジスタQ0のゲート及びパストランジスタQ1のゲートはワード線WLに共通に接続されている。また、ビット線BL0及びビット線BL1の一端部同士の間には、インバータINV0及びインバータINV1よりなるセンスアンプが接続されている。
【0005】
強誘電体キャパシタC0,C1は、第1の電極と第2の電極との間に電圧が印加されない状態においても分極を保持し、図23に示すようなヒステリシス曲線50を有している。図23においては、プレート線CPに正電圧を印加する場合に、電圧軸の方向を正とすると共に分極の方向が上向きを正にしている。
【0006】
<データの書き込み動作>
メモリセルにデータを書き込む場合には、ワード線WLにハイ電圧を印加してパストランジスタQ0,Q1をオンにした後、ビット線BL0,BL1をロー電圧にした状態でプレート線PLに正極性のパルス電圧を印加する。このようにすると、2つの強誘電体キャパシタC0,C1は図23における点51に分極値が書き込まれる。
【0007】
次に、データ“0”を書き込む場合には、ビット線BL1に正極性のパルス電圧を印加する。このようにすると、強誘電体キャパシタC1はヒステリシス曲線50の軌跡を描いて、点52に分極値が書き込まれる。
【0008】
一方、データ“1”を書き込む場合には、ビット線BL0に正極性のパルス電圧を印加する。このようにすると、強誘電体キャパシタC0はヒステリシス曲線50の軌跡を描いて、点52に分極値が書き込まれる。尚、書き込みパルス電圧を印加した後に、ワード線WLはロー電位にされる。
【0009】
この書き込み動作により、データ“0”の場合には、強誘電体キャパシタC0に正の分極値(点51)が記憶され且つ強誘電体キャパシタC1に負の分極値(点52)が記憶される一方、データ“1”の場合には、強誘電体キャパシタC0に負の分極値(点52)が記憶され且つ強誘電体キャパシタC1に正の分極値(点51)が記憶されるというように、2つの強誘電体キャパシタC0,C1には相補的に分極値が書き込まれる。
【0010】
<データの読み出し動作>
メモリセルからデータを読み出す場合には、ビット線BL0,BL1をロー電位にプリチャージした後、ワード線WLにハイ電圧を印加してパストランジスタQ0,Q1をオンにした状態で、プレート線CPにハイ電圧を印加する。このようにすると、点51の分極状態にあった強誘電体キャパシタは、図24における軌跡53を描いて、点54の分極状態に達する。一方、点52の分極状態にあった強誘電体キャパシタは、図25における軌跡55を描いて、点56の分極状態に達する。
【0011】
初期の分極状態51,52と新たな分極状態54,56との差に相当する電荷が、ビット線BL0,BL1のビット線容量CBL0,CBL1に発生する。この電荷がビット線容量CBL0,CBL1により電圧変換されたビット線電位をクロスカップルドインバータINV0,INV1よりなるセンスアンプにより増幅して出力する。すなわち、強誘電体キャパシタC0,C1に記憶された分極状態が点51,点52であった場合、ビット線BL0に発生する電荷(点54−点51)はビット線BL1に発生する電荷(点56−点52)よりも小さいので、ビット線BL0はロー電位を出力する。一方、強誘電体キャパシタC0,C1に記憶された分極状態が点52,点51であった場合、ビット線BL0に発生する電荷(点56−点52)はビット線BL1に発生する電荷(点54−点51)よりも大きいので、ビット線BL0はハイ電位を出力する。
【0012】
前者のように記憶された分極状態はデータ“0”に相当するので、ビット線BL0のロー電位出力をデータ“0”と判定し、後者のように記憶された分極状態はデータ“1”に相当するので、ビット線BL0のハイ電位出力をデータ“1”と判定することにより、データの読み出しが正しく行われる。
【0013】
データの読み出し後に、プレート線CPはロー電位に復帰される。このとき、2つの強誘電体キャパシタC0,C1の分極は、図24における軌跡57又は図25における軌跡55を描いて、点51又は点59に達する。
【0014】
読み出し動作の開始前には分極値が相補的に記憶されていたが、読み出し動作により同一極性の分極状態になる破壊方式の読出し動作となっている。
【0015】
従って、前述の書き込み動作を再び行なうことにより、強誘電体キャパシタC0,C1を読み出し動作開始前の相補的な分極状態に復帰させて、読み出し動作は完了する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、メモリセルを構成する強誘電体キャパシタに分極を記憶させた状態で高温下に放置すると、分極状態が焼き付いてしまい、分極反転し難くなるという問題がある。これはインプリントと称され、インプリントした強誘電体キャパシタにおいては、ヒステリシス特性が電圧軸方向にシフトして、データ読み出し動作における発生電荷量が減少するので、動作マージンが減少するという問題がある。以下、この問題について詳細に説明する。
【0017】
前述したように、従来の半導体記憶装置においては、2つの強誘電体キャパシタC0,C1は相補的に分極値を記憶しており、図26(a) は正の分極値(点51)に記憶した場合を示し、図26(b) は負の分極値(点52)に記憶した場合を示している。2つの強誘電体キャパシタC0,C1は、初期状態では破線で示すヒステリシス曲線60を有し、両者が一致した特性を示している。これを、高温下(例えば85℃)で長時間(例えば100時間)放置すると、ヒステリシス曲線60は電圧軸方向にシフトする。シフトする方向は記憶されていた分極に依存しており、図26(a) に示す場合には、正の分極値(点51)であるから負電圧方向にシフトしてヒステリシス曲線61となり、また、図26(b) に示す場合には、負の分極値(点52)であるから正電圧方向にシフトしてヒステリシス曲線62となる。
【0018】
その後、半導体記憶装置を通常の動作温度(例えば27℃)に戻しても、ヒステリシス曲線がシフトしてしまった強誘電体キャパシタは、もはや初期のヒステリシス曲線60に復帰することなく、シフトしたヒステリシス曲線61,62のままである。
【0019】
データの読み出し動作を行なったときに描く軌跡は初期状態から変化しており、図26(a) の場合には発生する電荷は(点63−点51)となり、図26(b) の場合には発生する電荷は(点64−点52)となる。負の分極値を記憶していた図26(b) の場合には、発生電荷量は破線で示した初期状態よりも減少することが分かる。これは、ビット線BL0,BL1の電位差を減少させ、クロスカップルドインバータINV0,INV1よりなるセンスアンプの増幅及び出力の動作マージンを低下させてしまう。
【0020】
また、インプリントした強誘電体キャパシタにおいては、データのデータ書き換え動作にも問題が発生する。すなわち、図26(a) における分極値(点51)及び図26(b) における分極値(点52)を逆極性に書き換えた場合、分極値は図26(a) における点65及び図26(b) における点66となる。このように、2つの強誘電体キャパシタC0,C1の分極値の差(点66−点65)は、初期状態における分極値の差(点51−点52)に比べて小さくなっており、データ保持特性(リテンション特性)は低下してしまう。
【0021】
前記に鑑み、本発明は、データを分極値として記憶している強誘電体キャパシタの両電極に読み出し電圧を印加して分極値を読み出す際の動作マージンの増加を図ることを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る半導体記憶装置は、データを分極値として記憶する第1の強誘電体キャパシタをそれぞれ有する複数のメモリセルと、複数のメモリセルのうちデータの読み出し対象となるメモリセルを構成する第1の強誘電体キャパシタの両電極間に第1の読み出し電圧を印加する第1の電圧印加手段と、第1の強誘電体キャパシタの両電極間に第1の読み出し電圧が印加されたときの第1の強誘電体キャパシタの分極値を検出することにより、第1の強誘電体キャパシタに記憶されているデータを読み出す読み出し手段とを備え、第1の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線は、第1の読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトしている。
【0023】
本発明に係る半導体記憶装置によると、第1の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線は、第1の読み出し電圧の極性と逆の電圧側に予めシフトしているため、第1の読み出し電圧を印加した後においてはヒステリシス曲線はシフトしない。この場合、ヒステリシス曲線は第1の読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトしているため、データを読み出す際のマージンが増加する。
【0024】
本発明に係る半導体記憶装置において、データは相補データであり、複数のメモリセルのそれぞれは、相補データを記憶する一対の第1の強誘電体キャパシタを有していてもよい。
【0025】
このようにすると、半導体記憶装置が、メモリセルが相補データを記憶する一対の第1の強誘電体キャパシタを有する、いわゆる2T2C型の半導体記憶装置である場合においても、データを読み出す際のマージンが増加する。
【0026】
この場合、一対の第1の強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込む手段を備えていることが好ましい。
【0027】
このようにすると、メモリセルが相補データを記憶する一対の第1の強誘電体キャパシタを有する、いわゆる2T2C型の半導体記憶装置に対して、製造工程においては、一対の第1の強誘電体キャパシタに同一のデータを書き込むことができる。
【0028】
本発明に係る半導体記憶装置において、データは二値データであり、複数のメモリセルのそれぞれは、二値データを記憶する1つの第1の強誘電体キャパシタを有し、二値データを分極値として記憶する第2の強誘電体キャパシタを有するリファレンスセルと、第2の強誘電体キャパシタの両電極間に第2の読み出し電圧を印加する第2の電圧印加手段とをさらに備え、読み出し手段は、第1の強誘電体キャパシタの両電極間に第1の読み出し電圧が印加されたときの第1の強誘電体キャパシタの分極値と、第2の強誘電体キャパシタの両電極間に第2の読み出し電圧が印加されたときの第2の強誘電体キャパシタの分極値とを比較して、第1の強誘電体キャパシタに記憶されている二値データを読み出し、第2の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線は、第2の読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトしていることが好ましい。
【0029】
このようにすると、半導体記憶装置が、保存するデータを記憶するためのメモリセルのほかに、リファレンスデータを記憶するリファレンスセルを有する、いわゆる1T1C型の半導体記憶装置である場合においても、データを読み出す際のマージンが増加する。
【0030】
この場合、リファレンスセルは、相補データの一方と対応する分極値を記憶する第2の強誘電体キャパシタを有する第1のリファレンスセルと、相補データの他方と対応する分極値を記憶する第2の強誘電体キャパシタを有する第2のリファレンスセルとからなり、第1の強誘電体キャパシタ及び第2の強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込む手段をさらに備えていることが好ましい。
【0031】
このようにすると、相補データの一方を記憶する第1のリファレンスセルと、相補データの他方を記憶する第2のリファレンスセルとを有する半導体記憶装置においても、製造工程において、第1のリファレンスセルを構成する第2の強誘電体キャパシタ及び第2のリファレンスセルを構成する第2の強誘電体強誘電体キャパシタに同一のデータを書き込むことができる。
【0032】
本発明に係る第1の半導体記憶装置の製造方法は、データを分極値として記憶する強誘電体キャパシタをそれぞれ有する複数のメモリセルと、複数のメモリセルのうちデータの読み出し対象となるメモリセルを構成する強誘電体キャパシタの両電極間に読み出し電圧を印加して強誘電体キャパシタの分極値を検出することにより、強誘電体キャパシタに記憶されているデータを読み出す読み出し手段とを備える半導体記憶装置を製造する方法を対象とし、強誘電体キャパシタに、読み出し電圧と同じ極性である第1の電圧の絶対値が読み出し電圧と異なる極性である第2の電圧の絶対値よりも大きいAC電圧を複数回印加する工程を備えていることを特徴とする。
【0033】
第1の半導体記憶装置の製造方法によると、強誘電体キャパシタに、読み出し電圧と同じ極性である第1の電圧の絶対値が読み出し電圧と異なる極性である第2の電圧の絶対値よりも大きいAC電圧を複数回印加する工程を備えているため、強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を、読み出し電圧の極性と逆の電圧側に確実にシフトさせることができる。この場合、前述のAC電圧を複数回印加するため、ヒステリシス曲線の小さなシフト量においても半導体記憶装置の信頼性が極めて高くなる。
【0034】
本発明に係る第2の半導体記憶装置の製造方法は、相補データを分極値として記憶する一対の強誘電体キャパシタをそれぞれ有する複数のメモリセルと、複数のメモリセルのうちデータの読み出しの対象となるメモリセルを構成する一対の強誘電体キャパシタの両電極間に読み出し電圧を印加する電圧印加手段と、一対の強誘電体キャパシタの両電極間に読み出し電圧が印加されたときの一対の強誘電体キャパシタの分極値を検出することにより、一対の強誘電体キャパシタに記憶されている相補データを読み出す読み出し手段とを備える半導体記憶装置を製造する方法を対象とし、一対の強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込んだ後、同一の分極値が書き込まれた一対の強誘電体キャパシタを加熱することにより、一対の強誘電体キャパシタの各ヒステリシス曲線を、読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトさせる工程を備えていることを特徴とする。
【0035】
第2の半導体記憶装置の製造方法によると、一対の強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込んだ後、該一対の強誘電体キャパシタを加熱することにより、該一対の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を、読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトさせる工程を備えているため、メモリセルが相補データを記憶する一対の強誘電体キャパシタを有する、いわゆる2T2C型の半導体記憶装置を製造する工程において、一対の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を読み出し電圧の極性と逆の電圧側に確実にシフトさせることができる。
【0036】
第2の半導体記憶装置の製造方法において、一対の強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込む工程は、通常の動作時において一対の強誘電体キャパシタの両電極間に印加される電圧よりも高い書き込み電圧を印加する工程を含むことが好ましい。
【0037】
このようにすると、製造工程において形成されるヒステリシス曲線のシフト量を、通常の動作時において生じるヒステリシス曲線のシフト量よりも大きくすることができる。また、ヒステリシス曲線が既にシフトしている強誘電体キャパシタにおいては、通常動作時において読み出し電圧が印加されても、ヒステリシス曲線の初期状態への復帰傾向は小さくなるので、半導体記憶装置の動作が安定する。
【0038】
第2の半導体記憶装置の製造方法において、一対の強誘電体キャパシタを加熱する工程は、通常の動作時において一対の強誘電体キャパシタが達する温度よりも高い温度で行なわれることが好ましい。
【0039】
このようにすると、製造工程において形成されるヒステリシス曲線のシフト量を、通常の動作時において生じるヒステリシス曲線のシフト量よりも大きくすることができる。また、ヒステリシス曲線が既にシフトしている強誘電体キャパシタにおいては、通常動作時において読み出し電圧が印加されても、ヒステリシス曲線の初期状態への復帰傾向は小さくなるので、半導体記憶装置の動作が安定する。
【0040】
本発明に係る第3の半導体記憶装置の製造方法は、二値データを分極値として記憶する第1の強誘電体キャパシタをそれぞれ有する複数のメモリセルと、複数のメモリセルのうちデータの読み出し対象となるメモリセルを構成する第1の強誘電体キャパシタの両電極間に第1の読み出し電圧を印加する第1の電圧印加手段と、二値データを分極値として記憶する第2の強誘電体キャパシタを有するリファレンスセルと、第2の強誘電体キャパシタの両電極間に第2の読み出し電圧を印加する第2の電圧印加手段と、第1の強誘電体キャパシタの両電極間に第1の読み出し電圧が印加されたときの第1の強誘電体キャパシタの分極値と、第2の強誘電体キャパシタの両電極間に第2の読み出し電圧が印加されたときの第2の強誘電体キャパシタの分極値とを比較して、第1の強誘電体キャパシタに記憶されている二値データを読み出す読み出し手段とを備える半導体記憶装置を製造する方法を対象とし、第1の強誘電体キャパシタ及び第2の強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込んだ後、同一の分極値が書き込まれた第1及び第2の強誘電体キャパシタを加熱することにより、第1の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を第1の読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトさせると共に、第2の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を第2の読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトさせる工程を備えていることを特徴とする。
【0041】
第3の半導体記憶装置の製造方法によると、第1の強誘電体キャパシタ及び第2の強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込んだ後、該第1及び第2の強誘電体キャパシタを加熱することにより、該第1及び第2の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を、読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトさせる工程を備えているため、保存するデータを記憶するためのメモリセルのほかに、リファレンスデータを記憶するリファレンスセルを有する、いわゆる1T1C型の半導体記憶装置を製造する工程において、第1及び第2の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を読み出し電圧の極性と逆の電圧側に確実にシフトさせることができる。
【0042】
第3の半導体記憶装置の製造方法において、第1及び第2の強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込む工程は、通常の動作時において第1及び第2の強誘電体キャパシタの両電極間に印加される電圧よりも高い書き込み電圧を印加する工程を含むことが好ましい。
【0043】
このようにすると、製造工程において形成されるヒステリシス曲線のシフト量を、通常の動作時において生じるヒステリシス曲線のシフト量よりも大きくすることができる。また、ヒステリシス曲線が既にシフトしている第1及び第2の強誘電体キャパシタにおいては、通常動作時において読み出し電圧が印加されても、ヒステリシス曲線の初期状態への復帰傾向は小さくなるので、半導体記憶装置の動作が安定する。
【0044】
第3の半導体記憶装置の製造方法において、第1及び第2の強誘電体キャパシタを加熱する工程は、通常の動作時において第1及び第2の強誘電体キャパシタが達する温度よりも高い温度で行なわれることが好ましい。
【0045】
このようにすると、製造工程において形成されるヒステリシス曲線のシフト量を、通常の動作時において生じるヒステリシス曲線のシフト量よりも大きくすることができる。また、ヒステリシス曲線が既にシフトしている第1及び第2の強誘電体キャパシタにおいては、通常動作時において読み出し電圧が印加されても、ヒステリシス曲線の初期状態への復帰傾向は小さくなるので、半導体記憶装置の動作が安定する。
【0046】
本発明に係る半導体記憶装置の駆動方法は、二値データを分極値として記憶する強誘電体キャパシタをそれぞれ有する複数のメモリセルと、複数のメモリセルのうちデータの読み出し対象となるメモリセルを構成する強誘電体キャパシタの両電極間に読み出し電圧を印加する電圧印加手段と、強誘電体キャパシタの両電極間に読み出し電圧が印加されたときの強誘電体キャパシタの分極値を検出することにより、強誘電体キャパシタに記憶されているデータを読み出す読み出し手段とを備え、強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線は、読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトしている半導体記憶装置を駆動する方法を対象とし、二値データの一方を記憶するときの強誘電体キャパシタの分極の第1の絶対値と、二値データの他方を記憶するときの強誘電体キャパシタの分極の第2の絶対値とが異なるように、強誘電体キャパシタの両電極に書き込み電圧を印加する工程を備えていることを特徴とする。
【0047】
本発明に係る半導体記憶装置の駆動方法によると、二値データを書き込む際に分極が反転するドメインを低減できるため、強誘電体膜の疲労劣化を抑制できるので、半導体記憶装置の信頼性を向上させることができる。
【0048】
本発明に係る半導体記憶装置の駆動方法において、第1の絶対値及び第2の絶対値のうち大きい方と対応する書き込み電圧の極性と読み出し電圧の極性とは互いに等しいことが好ましい。
【0049】
このようにすると、強誘電体キャパシタが高温下に置かれた場合、第1の絶対値及び第2の絶対値のうち大きい方の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線は読み出し電圧の極性と逆方向(以下、A方向と称する)に大きくシフトし、第1の絶対値及び第2の絶対値のうち小さい方の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線は読み出し電圧の極性と同方向(以下、B方向と称する)に小さくシフトする。ヒステリシス曲線のA方向のシフトは読み出し電荷量をほとんど変化させないので、大きくシフトしても問題ない。また、ヒステリシス曲線のB方向のシフトは読み出し電荷量を敏感に変化させるが、シフト量が小さいので特に問題はない。従って、高温下における強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線の変化が読み出し電荷量の変化に与える影響を抑制できるため、半導体記憶装置の動作が安定する。尚、本構成とは逆に、第1の絶対値及び第2の絶対値のうち小さい方と対応する書き込み電圧の極性と読み出し電圧の極性とを等しくすると、強誘電体キャパシタが高温下に置かれた場合、ヒステリシス曲線の変化が読み出し電荷量の変化に大きく影響を与えるため、動作マージンの低下がもたらされてしまう。
【0050】
本発明に係る半導体記憶装置の駆動方法において、第1の絶対値及び第2の絶対値のうち小さい方の値は、ほぼ零であることが好ましい。
【0051】
このようにすると、第1の絶対値及び第2の絶対値のうちの小さい方、つまりほぼ零である分極値を記憶している強誘電体キャパシタが高温下に置かれても、ヒステリシス曲線はシフトしないため、半導体記憶装置の動作が安定する。
【0052】
本発明に係る半導体記憶装置の駆動方法において、強誘電体キャパシタの分極が第1の絶対値となる第1の書き込み電圧と、強誘電体キャパシタの分極が第2の絶対値となる第2の書き込み電圧とは、異なる電圧源から供給されることが好ましい。
【0053】
このようにすると、二値データの一方を書き込むときの電圧と二値データの他方を書き込むときの電圧とを異ならせることができるため、二値データの書き込み動作が容易になる。
【0054】
本発明に係る半導体記憶装置の駆動方法において、読み出し電圧は、強誘電体キャパシタの抗電圧以下であることが好ましい。
【0055】
このようにすると、データの読み出し動作の前と後とで分極が反転しないため、記憶されていた分極が読み出し動作後も維持されるので、いわゆる非破壊方式の読み出し動作が可能になる。このため、データの読み出し動作後にデータの再書き込み動作を行なう必要がないので、読み出し速度の高速化を図ることができる。また、分極の反転に伴う強誘電体膜の疲労劣化を抑制できるため、読み出し可能回数を著しく増加させることが可能になる。
【0056】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置及びその駆動方法について、図1〜図8を参照しながら説明する。
【0057】
図1、図2及び図3は、第1の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路を示しており、図1は強誘電体キャパシタに同一分極値を書き込む際のスイッチの切り替え状態を示し、図2は強誘電体キャパシタにデータを書き込む際のスイッチの切り替え状態を示し、図3は強誘電体キャパシタからデータを読み出す際のスイッチの切り替え状態を示している。
【0058】
図1、図2及び図3に示すように、メモリセルは、2つの強誘電体キャパシタC0、C1と2つのパストランジスタQ0、Q1とを有しており、いわゆる2T2C型のメモリセルである。強誘電体キャパシタC0の第1の電極はパストランジスタQ0のソースに接続され、強誘電体キャパシタC1の第1の電極はパストランジスタQ1のソースに接続され、強誘電体キャパシタC0、C1の第2の電極はセルプレート線CPに共通に接続されている。パストランジスタQ0のドレインはビット線BL0に接続され、パストランジスタQ1のドレインはビット線BL1に接続され、ビット線BL0のビット線容量はCBL0で表わされ、ビット線BL1のビット線容量はCBL1で表わされている。尚、ビット線容量CBL0とビット線容量CBL1とは互いに等しい。パストランジスタQ0のゲート及びパストランジスタQ1のゲートはワード線WLに共通に接続されている。
【0059】
ビット線BL0、BL1の各一端部はスイッチSW11に接続されており、スイッチSW11の一方の端子はインバータINV0及びインバータINV1よりなるセンスアンプに接続されていると共に、スイッチSW11の他方の端子はアンドゲートAND0及びアンドゲートAND1にそれぞれ接続されている。センスアンプを構成するインバータINV0,INV1の電源供給線VDDにはスイッチSW12が接続されていると共に、センスアンプの出力はアンドゲートAND0,AND1及びスイッチSW13に接続されている。
【0060】
スイッチSW13の一方の端子は電源(VDD)に接続されていると共に、スイッチの他方の端子はデータ入出力ポートとなっている。また、アンドゲートAND0,AND1には書き込み起動信号PDWが接続され、アンドゲートAND0,AND1の電源はVDWである。
【0061】
ワード線WLには、ワード線起動信号PWLに対応してバッファBUF1からVPPレベルのパルスが印加され、プレート線CPにはプレート線起動信号PCPに対応してバッファBUF2からVDDレベルのパルスが印加される。
【0062】
スイッチSW11,SW12,SW13は、強誘電体キャパシタに対する動作に応じて切り替えられ、図1は2T2C型メモリセルを構成する2つの強誘電体キャパシタに同一分極値を書き込む際のスイッチ状態を示し、図2は2つの強誘電体キャパシタにデータを書き込む際のスイッチ状態を示し、図3は2つの強誘電体キャパシタからデータを読み出す際のスイッチ状態を示している。
【0063】
<同一分極値の書き込み工程>
以下、拡散及び検査の工程を終えた半導体記憶装置における、2T2C型メモリセルを構成する2つの強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込む工程について説明する。同一の分極値の書き込みは、ビット線BL0,BL1をロー電位としておいてから、図1に示すスイッチ状態で、図4(a) に示す電圧パルスを印加する。
【0064】
まず、ワード線起動信号PWLの印加により、バッファBUF1はワード線WLに正電圧のパルス(VPPレベル、例えば3.3V)を印加してパストランジスタQ0,Q1を導通状態にする。この状態で、プレート線起動信号PCPを印加して、バッファBUF2からプレート線CPに正電圧のパルス(VDDレベル、例えば1.8V)を出力する。このようにすると、2つの強誘電体キャパシタC0,C1にはプレート線CPから電圧VDDが印加された後に除去されるため、2つの強誘電体キャパシタC0,C1にはプレート線CPにより上向きの分極が書き込まれる。
【0065】
図5は、強誘電体キャパシタC0,C1の分極のヒステリシス特性を示しており、図5においては、プレート線CPに正電圧のパルスを印加する場合に、電圧軸の方向を正とすると共に分極の方向が上向きを正にしている。図4(a) に示すパルスを印加すると、強誘電体キャパシタC0,C1の分極値は点10に位置する。
【0066】
この同一分極値の書き込み工程を、半導体記憶装置におけるすべてのメモリセルの強誘電体キャパシタに対して行なって、すべての強誘電体キャパシタに正の分極値を書き込む。この時点における2つの強誘電体キャパシタC0,C1の分極ヒステリシス曲線は、図5の破線11で示すように原点に対して対称である。
【0067】
<高温保存工程>
以下、同一分極値の書き込み工程が終了した半導体記憶装置に対して行なう高温保存工程について説明する。
【0068】
すなわち、半導体記憶装置の動作温度仕様(例えば、−20〜+85℃)よりも高温(例えば、150℃)の炉に半導体記憶装置を投入し、この状態で長時間(例えば、10時間)保存する。全ての強誘電体キャパシタは正の分極状態であるから、ヒステリシス曲線は図5の実線12のように負電圧方向にシフトする。
【0069】
半導体記憶装置は、前記の同一分極値の書き込み工程及び高温保存工程を施されて、すべての強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線が負電圧方向にシフトされた状態で出荷される。
【0070】
<データの書き込み動作>
以下、データの書き込み動作について説明する。データの書き込み動作は、すべての強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線が負電圧方向にシフトされた半導体記憶装置に対して行なわれる。データの書き込み動作においては、図2に示すスイッチ状態で、図4(b) に示す電圧パルスを印加する。
【0071】
まず、ワード線起動信号PWLの印加により、バッファBUF1はワード線WLに正電圧のパルス(VPPレベル、例えば3.3V)を印加してパストランジスタQ0,Q1を導通状態にする。この状態で、プレート線起動信号PCPを印加して、バッファBUF2からプレート線CPに正電圧のパルス(VDDレベル、例えば1.8V)を出力する。
【0072】
次に、書き込みデータが“0”である場合には、図4(b) において実線で示すように、データ入出力ポートDL0にロー電圧を印加し且つデータ入出力ポートDL1にハイ電圧を印加する一方、書き込みデータが“1”である場合には、図4(b) において破線で示すように、データ入出力ポートDL0にハイ電圧を印加し且つデータ入出力ポートDL1にロー電圧を印加した状態で、アンドゲートAND0又はアンドゲートAND1に書き込み起動信号PDWを印加する。ハイ電圧が印加されたデータ入出力ポートDL0,DL1に接続されたアンドゲートAND0又はAND1は、書き込み起動信号PDWに同期して正電圧のパルス(VDWレベル、例えば1.0V)をビット線BL0又はBL1に出力する。
【0073】
以上の書き込み動作においては、プレート線CPに正電圧を印加する場合は強誘電体キャパシタの分極が飽和するような電圧(VDD=1.8V)を印加し、ビット線BL0又はBL1に正電圧を印加する場合は強誘電体キャパシタの分極が零となるような電圧(VDW=1.0V)を選ぶ。すなわち、データ“0”を書き込む場合には、強誘電体キャパシタC0,C1の分極は、図6に示す分極ヒステリシス曲線13上の点10及び点14に位置し、データ“1”を書き込む場合には、強誘電体キャパシタC0,C1の分極は、図6に示す分極ヒステリシス曲線13上の点14及び点10に位置する。このようにして、2つの強誘電体キャパシタC0,C1には、正の分極値と零の分極値とが相補的に書き込まれる。
【0074】
<データの読み出し動作>
以下、データの読み出し動作について説明する。データの読み出し動作は、予めビット線BL0,BL1をロー電位にプリチャージしておいてから、図3に示すスイッチ状態で、図4(c) に示す電圧パルスを印加する。
【0075】
まず、ワード線起動信号PWLの印加により、バッファBUF1はワード線WLに正電圧のパルス(VPPレベル、例えば3.3V)を印加してパストランジスタQ0,Q1を導通状態にする。この状態で、プレート線起動信号PCPを印加して、バッファBUF2からプレート線CPに正電圧のパルス(VDDレベル、例えば1.8V)を出力する。このようにすると、分極が点10にあった強誘電体キャパシタC0,C1の分極位置は図7(a) に示す軌跡15を描いて点16に達する。一方、分極が点14にあった強誘電体キャパシタC0,C1の分極位置は図7(b) に示す軌跡17を描いて点18に達する。
【0076】
初期の分極状態の点10と新たな分極状態の点16との差及び初期の分極状態の点14と新たな分極状態の点18との差に相当する電荷が、ビット線BL0のビット線容量CBL0及びビット線BL1のビット線容量CBL1に発生する。この電荷がビット線容量CBL0,CBL1により電圧変換されたビット線電位をクロスカップルドインバータINV0,INV1よりなるセンスアンプによりデータ入出力ポートDL0,DL1に増幅して出力する。
【0077】
すなわち、強誘電体キャパシタC0,C1に記憶された分極の位置が点10及び点14にあった場合、ビット線BL0に発生する電荷(点16−点10)はビット線BL1に発生する電荷(点18−点14)よりも小さいので、ビット線BL0はロー電位を出力する。一方、強誘電体キャパシタC0,C1に記憶された分極の位置が点14及び点10にあった場合、ビット線BL0に発生する電荷(点18−点14)はビット線BL1に発生する電荷(点16−点10)よりも大きいので、ビット線BL0はハイ電位を出力する。
【0078】
前者のように記憶された分極状態はデータ“0”に相当するので、ビット線BL0からのロー電位の出力をデータ“0”と判定し、後者のように記憶された分極状態はデータ“1”に相当するので、ビット線BL0からのハイ電位の出力をデータ“1”と判定することにより、データ読み出しが正しく行われる。
【0079】
データの読み出し後に、プレート線CPはロー電位に復帰される。このとき、2つの強誘電体キャパシタC0,C1の分極は、図7(a) における軌跡13又は図7(b) における軌跡19を描いて、点10又は点20に達する。
【0080】
以上の動作により、データの読み出し動作の開始前には分極値が相補的に記憶されていたが、データの読み出し動作により同一極性の分極状態になる破壊読出し動作となっている。
【0081】
従って、図4(c) において矢印で示したSW切り替えタイミングでスイッチSW12を右側に切り替えて、アンドゲートAND0とビット線BL0とを接続すると共にアンドゲートAND1とビット線BL1とを接続して、プレート線起動信号PCP及び書き込み起動信号PDWを印加する。このとき、センスアンプは読み出されたデータをラッチしているため、前述のデータ書き込み動作と同様の動作を行なうことにより、データは強誘電体キャパシタに再度書き込まれるので、読み出し動作開始前の相補的な分極状態に復帰し、読み出し動作は完了する。
【0082】
ところで、第1の実施形態においては、同一分極値の書き込み工程においてバッファBUF2からプレート線CPに出力する正電圧パルスをVDDレベル(例えば1.8V)としたが、定格電圧内において、より大きな電圧値のパルスを印加する方が好ましい。より大きな電圧を印加すると、次工程である高温保存工程の時間を短縮することができる。
【0083】
また、第1の実施形態においては、同一分極値の書き込み工程の後に行なわれる高温保存工程によりヒステリシスをシフトさせた。図8(a) は通常の動作時において半導体記憶装置ひいては強誘電体キャパシタC0,C1が到達する温度(動作温度仕様)の上限よりも高い温度である150℃における高温保存時間とヒステリシスの電圧シフトとの関係を示している。
【0084】
これに代えて、半導体記憶装置の動作温度仕様の上限値又はこれよりも高い温度に設定された炉に半導体記憶装置を投入し、強誘電体キャパシタC0,C1にAC電圧を複数回印加してもよい。この場合、AC電圧は非対称な波形とし、読み出し工程で強誘電体キャパシタC0,C1に印加される電圧と同じ極性の電圧の絶対値が、強誘電体キャパシタC0,C1に印加される電圧と異なる極性の電圧の絶対値よりも大きくする。具体的には、前述したデータ“0”及びデータ“1”の書き込み動作を繰り返し行なうことにより、相補セルを構成する両方の強誘電体キャパシタC0,C1に非対称なAC電圧が印加される。図8(b) は、動作温度仕様の上限値である85℃における、+1.8V及び−1.2VのAC電圧パルスの印加回数とヒステリシスの電圧シフトとの関係を示している。
【0085】
同一分極値の書き込み工程の後において、高温保存によりヒステリシスをシフトさせたメモリチップと、非対称なAC電圧パルスを印加したメモリチップとにおける高温保存特性を調べたところ、両者のヒステリシスシフト電圧値が同じであっても、高温保存方式よりも非対称AC電圧パルス方式の方が、優れた高温保存特性を示した。例えば、データが記録された2Kビットのメモリセルを125℃の環境下で放置した後にデータが正しく読み出せるか否かを確認したところ、非対称AC電圧パルス方式の場合のエラービット数は高温保存方式の場合のエラービット数の1/10以下であった。尚、高温保存方式によりヒステリシスシフトを行なったメモリチップは、ヒステリシスをシフトさせていないメモリチップに比べて、高温保存特性が改善できたことは当然である。
【0086】
さらに、非対称AC電圧パルス方式の場合に、それぞれの極性パルスを印加する時間を変え、低電圧パルスの印加時間を長くすると、ヒステリシス曲線は正方向にシフトする。このような正のシフト方向においてでも、前述と同様に信頼性の改善が確認できた。従って、非対称AC電圧パルス方式はヒステリシス曲線のシフト量又はシフト方向に拘わらず信頼性改善に効果がある。
【0087】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置及びその駆動方法について、図9〜図17を参照しながら説明する。
【0088】
図9、図10及び図11は、第2の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路を示しており、図9は強誘電体キャパシタに同一分極値を書き込む際のスイッチの切り替え状態を示し、図10は強誘電体キャパシタにデータを書き込む際のスイッチの切り替え状態を示し、図11は強誘電体キャパシタからデータを読み出す際のスイッチの切り替え状態を示している。
【0089】
図9、図10及び図11に示すように、複数のメモリセルがワード線方向及びビット線方向にマトリックス状に配置されており、第1のメモリセルは、強誘電体キャパシタC00,C01とパストランジスタQ00,Q01とを有する2T2C型のメモリセルであり、第2のメモリセルは、強誘電体キャパシタC10,C11とパストランジスタQ10,Q11とを有する2T2C型のメモリセルである。強誘電体キャパシタC00,C01,C10,C11の第1の電極は対応するパストランジスタQ00,Q01,Q10,Q11のソースにそれぞれ接続され、強誘電体キャパシタC00,C01の第2の電極はセルプレート線CP0に共通に接続され、強誘電体キャパシタC10,C11の第2の電極はセルプレート線CP1に共通に接続されている。パストランジスタQ00,Q10のドレインはサブビット線SBL0に共通に接続され、パストランジスタQ01,Q11のドレインはサブビット線SBL1に共通に接続されている。サブビット線SBL0の一端にはゲイントランジスタQG0のゲート及びリセットトランジスタQR0のドレインが接続され、サブビット線SBL1の一端にはゲイントランジスタQG1のゲート及びリセットトランジスタQR1のドレインが接続されている。ゲイントランジスタQG0,QG1のドレインはビット線BL0,BL1に接続され、ゲイントランジスタQG0,QG1のソースはリセット線RSTに接続され、リセットトランジスタQR0,QR1のゲートは読み出しセル選択線REに接続され、リセットトランジスタQR0,QR1のソースはリセット線RSTに接続されている。ビット線BL0,BL1の一端には、電源(VDD)供給線との間にスイッチSW21が挿入されているインバータINV0,INV1よりなるセンスアンプと、スイッチSW22とが接続されており、スイッチSW22によって接地電位(VSS)又はデータ入出力ポートが選択できる。センスアンプの出力及び起動信号PDWBはノアゲートNOR0,NOR1に入力され、ノアゲートNOR0,NOR1の電源はVDWである。プレート線CP0,CP1を駆動するバッファBUF02,BUF12の電源には、スイッチSW23及びCP電圧供給線を介して、電源電圧VDD又は読み出し電圧VRDが供給される。
【0090】
<同一分極値の書き込み工程>
以下、拡散及び検査の工程を終えた半導体記憶装置における、2T2C型メモリセルを構成する2つの強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込む工程について説明する。同一の分極値の書き込みは、ビット線BL0,BL1をロー電位としておいてから、図9に示すスイッチ状態で、図12に示す電圧パルスを印加する。
【0091】
まず、ワード線起動信号PWL0の印加により、バッファBUF01はワード線WL0に正電圧のパルス(VPPレベル、例えば3.3V)を印加してパストランジスタQ00,Q01を導通状態にする。この状態で、プレート線起動信号PCP0を印加して、バッファBUF02からプレート線CP0に正電圧のパルス(VDDレベル、例えば1.8V)を出力する。このようにすると、2つの強誘電体キャパシタC00,C01にはプレート線CP0から電圧VDDが印加された後に除去されるため、2つの強誘電体キャパシタC00,C01にはプレート線CP0により上向きの分極が書き込まれる。
【0092】
図15は、強誘電体キャパシタC00,C01の分極のヒステリシス特性を示しており、図15においては、プレート線CP0に正電圧のパルスを印加する場合に、電圧軸の方向を正とすると共に分極の方向が上向きを正にしている。図12に示すパルスを印加すると、強誘電体キャパシタC00,C01の分極値は点30に位置する。
【0093】
この同一分極値の書き込み工程を、半導体記憶装置におけるすべてのメモリセルの強誘電体キャパシタに対して行なって、すべての強誘電体キャパシタに正の分極値を書き込む。この時点における2つの強誘電体キャパシタC00,C01及び2つの強誘電体キャパシタC10,C11の分極ヒステリシス曲線は、図15の破線31で示すように原点に対して対称である。
【0094】
<高温保存工程>
以下、同一分極値の書き込み工程が終了した半導体記憶装置に対して行なう高温保存工程について説明する。
【0095】
すなわち、半導体記憶装置の動作温度仕様(例えば、−20〜+85℃)よりも高温(例えば、150℃)の炉に半導体記憶装置を投入し、この状態で長時間(例えば、10時間)保存する。全ての強誘電体キャパシタは正の分極状態であるから、ヒステリシス曲線は、図15の実線32のように負電圧方向にシフトする。
【0096】
半導体記憶装置は、前記の同一分極値の書き込み工程及び高温保存工程を施されて、すべての強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線が負電圧方向にシフトされた状態で出荷される。
【0097】
<データの書き込み動作>
以下、データの書き込み動作について説明する。データの書き込み動作は、すべての強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線が負電圧方向にシフトされた半導体記憶装置に対して行なわれる。データの書き込み動作においては、図10に示すスイッチ状態で、図13に示す電圧パルスを印加する。
【0098】
まず、ワード線起動信号PWL0の印加により、バッファBUF01はワード線WL0に正電圧のパルス(VPPレベル、例えば3.3V)を印加してパストランジスタQ00,Q01を導通状態にする。この状態で、プレート線起動信号PCP0を印加して、バッファBUF02からプレート線CP0に正電圧のパルス(VDDレベル、例えば1.8V)を出力する。
【0099】
次に、書き込みデータが“0”である場合には、図13において破線で示すように、データ入出力ポートDL0にロー電圧を印加し且つデータ入出力ポートDL1にハイ電圧を印加する一方、書き込みデータが“1”である場合には、図13において実線で示すように、データ入出力ポートDL0にハイ電圧を印加し且つデータ入出力ポートDL1にロー電圧を印加した状態で、ノアゲートNOR0又はノアゲートNOR1に書き込み起動信号PDWBを印加する。ロー電圧が印加されたデータ入出力ポートDL0,DL1に接続されたノアゲートNOR0又はNOR1は、書き込み起動信号PDWBに同期して正電圧のパルス(VDWレベル、例えば1.0V)をリセット線RST0又はRST1に出力する。
【0100】
以上の書き込み動作においては、プレート線CP0に正電圧を印加する場合は強誘電体キャパシタの分極が飽和するような電圧(VDD=1.8V)を印加し、リセット線RST0又はRST1に正電圧を印加する場合は強誘電体キャパシタの分極が零となるような電圧(VDW=1.0V)を選ぶ。すなわち、データ“0”を書き込む場合には、強誘電体キャパシタC00,C01の分極は、図16に示す分極ヒステリシス曲線33上の点34及び点30に位置し、データ“1”を書き込む場合には、強誘電体キャパシタC00,C01の分極は、分極ヒステリシス曲線33上の点30及び点34に位置する。このようにして、2つの強誘電体キャパシタC00,C01には、正の分極値と零の分極値とが相補的に書き込まれる。
【0101】
<データの読み出し動作>
以下、データの読み出し動作について説明する。データの読み出し動作は、予めビット線BL0,BL1をロー電位にプリチャージしておくと共に、書き込み起動信号PDWBにハイ信号を入力してリセット線RST0,RST1をロー電位にしておいてから、図11に示すスイッチ状態で、図14に示す電圧パルスを印加する。
【0102】
まず、ワード線起動信号PWL0の印加により、バッファBUF01はワード線WL0に正電圧のパルス(VPPレベル、例えば3.3V)を印加してパストランジスタQ00,Q01を導通状態にする。この状態で、RE線起動信号PREの印加により、バッファBUFRは読み出しセル選択線REをロー電位にしてリセットトランジスタQR0,QR1をオフにする。
【0103】
次に、プレート線起動信号PCP0の印加により、バッファBUF02はプレート線CP0に正電圧パルス(VRDレベル、例えば1.2V)を出力する。このようにすると、サブビット線SBL0,SBL1には強誘電体キャパシタC00,C01の容量とゲイントランジスタQG0,QG1のゲート容量とで容量分割された電位が発生する。この場合、記録されていた分極値が零である強誘電体キャパシタにかかる電圧が、強誘電体膜の抗電圧を超えないように、読み出し電圧VRD値及びゲイントランジスタQG0,QG1のゲート容量を設定しておく。このようにすると、分極が点30にあった強誘電体キャパシタC00,C01の分極位置は図17(a) に示す軌跡35を描いて点36に達する。一方、分極が点34にあった強誘電体キャパシタC00,C01の分極位置は図17(b) に示す軌跡37を描いて点38に達する。
【0104】
初期の分極状態の点30と新たな分極状態の点36との差及び初期の分極状態の点34と新たな分極状態の点38との差に相当する電荷が、サブビット線SBL0,SBL1の容量に発生する。この電荷がゲート容量により電圧変換された電位に応じて、ゲイントランジスタQG0,QG1のドレイン・ソース間抵抗は変化する。この電位の変化をビット線BL0,BL1の一端に接続されたクロスカップルドインバータINV0,INV1よりなるセンスアンプにより検出し、検出された電位をデータ入出力ポートDL0,DL1に増幅して出力する。
【0105】
すなわち、強誘電体キャパシタC00,C01に記憶された分極の位置が点30及び点34にあった場合、サブビット線SBL0に発生する電荷(点36−点30)はサブビット線SBL1に発生する電荷(点38−点34)よりも小さく、ゲイントランジスタQG0のドレイン・ソース間抵抗は大きいので、ビット線BL0はハイ電位を出力する。一方、強誘電体キャパシタC00,C01に記憶された分極の位置が点34及び点30にあった場合、サブビット線SBL0に発生する電荷(点38−点34)はサブビット線SBL1に発生する電荷(点36−点30)よりも大きく、ゲイントランジスタQG0のドレイン・ソース間抵抗は小さいので、ビット線BL0はロー電位を出力する。
【0106】
前者のように記憶された分極状態はデータ“1”に相当するので、ビット線BL0からのハイ電位の出力をデータ“1”と判定し、後者のように記憶された分極状態はデータ“0”に相当するので、ビット線BL0からのロー電位の出力をデータ“0”と判定することにより、データ読み出しが正しく行われる。
【0107】
データの読み出し後に、プレート線CP0はロー電位に復帰される。このとき、2つの強誘電体キャパシタC00,C01の分極は、図17(a) における軌跡35又は図17(b) における軌跡37を描いて、点30又は点40に達する。
【0108】
次に、読み出しセル選択線REをハイ電位にしてリセットトランジスタQR0,QR1をオンにすると、強誘電体キャパシタC00,C01の電極間電圧は零となるので、点40にあった強誘電体キャパシタC00,C01の分極は点34に移動する。
【0109】
以上の動作により、読み出し動作開始前に記憶されていた分極の位置である点30及び点34が、読み出し動作後も同一分極となっているので、非破壊読出し動作となっている。従って、第2の実施形態によると、データの読み出し動作後にデータを再書き込みする動作は不要になる。
【0110】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体記憶装置及びその駆動方法について、図18〜図21を参照しながら説明する。
【0111】
図18、図19及び図20は、第3の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路を示しており、図18は強誘電体キャパシタに同一分極値を書き込む際のスイッチの切り替え状態を示し、図19は強誘電体キャパシタにデータを書き込む際のスイッチの切り替え状態を示し、図20は強誘電体キャパシタからデータを読み出す際のスイッチの切り替え状態を示している。
【0112】
図18、図19及び図20に示すように、メモリセルは、1つの強誘電体キャパシタと1つのパストランジスタとを有しており、いわゆる1T1C型のメモリセルである。第3の実施形態に係る半導体記憶装置は、強誘電体キャパシタC0及びパストランジスタQ0からなるメモリセルと、強誘電体キャパシタC1及びパストランジスタQ1からなるメモリセルとを有している。強誘電体キャパシタC0,C1の第1の電極はパストランジスタQ0,Q1のソースに接続され、強誘電体キャパシタC0,C1の第2の電極はセルプレート線CP0,CP1に接続されている。パストランジスタQ0,Q1のドレインはビット線BL0に接続され、ビット線BL0の容量はCBL0で表わされている。パストランジスタQ0,Q1のゲートはワード線WL0,WL1に接続されている。
【0113】
また、第3の実施形態に係る半導体記憶装置は、データを記憶するメモリセルと同様の構成を有する2つのメモリセルからなるリファレンスセルを備えている。リファレンスセルの強誘電体キャパシタはCR0,CR1であり、リファレンスセルのパストランジスタはQR0,QR1である。リファレンスセルにおいては、強誘電体キャパシタCR0,CR1の第1の電極はパストランジスタQR0,QR1のソースに接続され、強誘電体キャパシタCR0,CR1の第2の電極はセルプレート線CPRに接続されている。パストランジスタQR0,QR1のドレインはビット線BLR0,BLR1に接続され、ビット線BLR0,BLR1の容量はCBLR0,CBLR1で表わされている。尚、各ビット線容量CBLR0,CBLR1は互いに等しい容量値を有している。パストランジスタQR0,QR1のゲートはワード線WLRに接続されている。
【0114】
ビット線BL0,BLR0,BLR1の各一端部はスイッチSW31に接続されており、スイッチSW31の一方の端子はインバータINV0及びインバータINV1よりなるセンスアンプに接続されていると共に、スイッチSW31の他方の端子はアンドゲートAND0,ANDR0,ANDR1にそれぞれ接続されている。センスアンプを構成するインバータINV0,INV1の電源供給線VDDにはスイッチSW32が接続されていると共に、センスアンプの出力はアンドゲートAND0,ANDR0及びスイッチSW33,SW34に接続されている。
【0115】
スイッチSW33,SW34の一方の端子は電源(VDD)に接続されていると共に、スイッチの他方の端子はデータ入出力ポートDL0,DLRとなっている。また、アンドゲートAND0,ANDR0,ANDR1には書き込み起動信号PDWが接続され、アンドゲートAND0,ANDR0,ANDR1の電源はVDWである。
【0116】
ワード線WL0,WL1,WLRには、ワード線起動信号PWL0,PWL1,PWLRに対応してバッファBW0,BW1,BWRからVPPレベルのパルスが印加され、プレート線CP0,CP1,CPRにはプレート線起動信号PCP0,PCP1,PCPRに対応してバッファBC0,BC1,BCRからVDDレベルのパルスが印加される。
【0117】
スイッチSW31〜SW34は、強誘電体キャパシタに対する動作に応じて切り替えられ、図18はメモリセル及びリファレンスセルを構成する強誘電体キャパシタに同一分極値を書き込む際のスイッチ状態を示し、図19はメモリセル又はリファレンスセルの強誘電体キャパシタにデータを書き込む際のスイッチ状態を示し、図20はメモリセルの強誘電体キャパシタからデータを読み出す際のスイッチ状態を示している。
【0118】
<同一分極値の書き込み工程>
以下、拡散及び検査の工程を終えた半導体記憶装置における強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込む工程について説明する。同一の分極値の書き込みは、ビット線BL0,BLR0,BLR1をロー電位としておいてから、図18に示すスイッチ状態で、図21(a) に示す電圧パルスを各メモリセル及びリファレンスセルに順次印加する。以下、強誘電体キャパシタC0への書き込みを例にとって説明する。
【0119】
まず、ワード線起動信号PWL0の印加により、バッファBW0はワード線WL0に正電圧のパルス(VPPレベル、例えば3.3V)を印加してパストランジスタQ0を導通状態にする。この状態で、プレート線起動信号PCP0を印加して、バッファBC0からプレート線CP0に正電圧のパルス(VDDレベル、例えば1.8V)を出力する。このようにすると、強誘電体キャパシタC0にはプレート線CP0から電圧VDDが印加された後に除去されるため、強誘電体キャパシタC0にはプレート線CP0により上向きの分極が書き込まれる。
【0120】
この書き込み工程により、第1の実施形態で説明したように、強誘電体キャパシタC0の分極のヒステリシス特性を示す図5において、強誘電体キャパシタC0の分極値は点10に位置することとなる。
【0121】
この同一分極値の書き込み工程を、半導体記憶装置におけるすべてのメモリセル及びリファレンスセルの強誘電体キャパシタに対して行なって、すべての強誘電体キャパシタに正の分極値を書き込む。この時点における強誘電体キャパシの分極ヒステリシス曲線は、図5の破線11で示すように原点に対して対称である。
【0122】
<高温保存工程>
以下、同一分極値の書き込み工程が終了した半導体記憶装置に対して行なう高温保存工程について説明する。
【0123】
すなわち、半導体記憶装置の動作温度仕様(例えば、−20〜+85℃)よりも高温(例えば、150℃)の炉に半導体記憶装置を投入し、この状態で長時間(例えば、10時間)保存する。全ての強誘電体キャパシタは正の分極状態であるから、ヒステリシス曲線は図5の実線12のように負電圧方向にシフトする。
【0124】
<リファレンスデータ書き込み工程>
以下、高温保存工程が終了した半導体記憶装置におけるリファレンスセルにデータを書き込む工程について説明する。
【0125】
リファレンスセルにデータを書き込む動作においては、図19に示すスイッチ状態で、図21(b) に示す電圧パルスを印加する。
【0126】
まず、ワード線起動信号PWLRの印加により、バッファBWRはワード線WLRに正電圧のパルス(VPPレベル、例えば3.3V)を印加してパストランジスタQR0,QR1を導通状態にする。この状態で、プレート線起動信号PCPRを印加して、バッファBCRからプレート線CPRに正電圧のパルス(VDDレベル、例えば1.8V)を出力する。
【0127】
データ入出力ポートDLRにはロー電圧を印加し、アンドゲートANDR0はビット線BLR0にロー電圧を出力する。一方、アンドゲートANDR1は書き込み起動信号PDWに同期して正電圧のパルス(VDWレベル、例えば1.0V)をビット線BLR1に出力する。
【0128】
以上の書き込み動作においては、プレート線CPRに正電圧を印加する場合は強誘電体キャパシタの分極が飽和するような電圧(VDD=1.8V)を印加し、ビット線BLR1に正電圧を印加する場合は強誘電体キャパシタの分極が零となるような電圧(VDW=1.0V)を選ぶ。すなわち、第1の実施形態の説明で使用した図6において、強誘電体キャパシタCR0,CR1の分極は、分極ヒステリシス曲線13上の点10及び点14に位置する。このようにして、2つの強誘電体キャパシタCR0,CR1には、正の分極値と零の分極値とが相補的に書き込まれる。
【0129】
半導体記憶装置は、前述の同一分極値の書き込み工程及び高温保存工程が施されることにより、すべての強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線が負電圧方向にシフトされた状態で、リファレンスデータ書き込み工程が施され、その後に出荷される。
【0130】
<データの書き込み動作>
以下、データの書き込み動作について説明する。データの書き込み動作は、すべての強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線が負電圧方向にシフトされた半導体記憶装置に対して行なわれる。データの書き込み動作においては、図19に示すスイッチ状態で、図21(c) に示す電圧パルスを各メモリセルに印加する。以下、強誘電体キャパシタC0への書き込みを例にとって説明する。
【0131】
まず、ワード線起動信号PWL0の印加により、バッファBW0はワード線WL0に正電圧のパルス(VPPレベル、例えば3.3V)を印加してパストランジスタQ0を導通状態にする。この状態で、プレート線起動信号PCP0を印加して、バッファBC0からプレート線CP0に正電圧のパルス(VDDレベル、例えば1.8V)を出力する。
【0132】
次に、書き込みデータが“0”である場合にはデータ入出力ポートDL0にハイ電圧を印加し、書き込みデータが“1”である場合にはデータ入出力ポートDL0にロー電圧を印加した状態で、アンドゲートAND0に書き込み起動信号PDWを印加する。データ入出力ポートDL0に入力した電圧に対応して、アンドゲートAND0はロー電圧、又は書き込み起動信号PDWに同期して正電圧のパルス(VDWレベル、例えば1.0V)をビット線BL0に出力する。
【0133】
以上の書き込み動作においては、プレート線CP0に正電圧を印加する場合は強誘電体キャパシタの分極が飽和するような電圧(VDD=1.8V)を印加し、ビット線BL0に正電圧を印加する場合は強誘電体キャパシタの分極が零となるような電圧(VDW=1.0V)を選ぶ。すなわち、データ“0”を書き込む場合には、強誘電体キャパシタC0の分極は、図6に示す分極ヒステリシス曲線13上の点14に位置し、データ“1”を書き込む場合には点10に位置する。
【0134】
<データの読み出し動作>
以下、データの読み出し動作について説明する。データの読み出し動作は、予めビット線BL0,BLR0,BLR1をロー電位にプリチャージしておいてから、図20に示すスイッチ状態で、図21(d) に示す電圧パルスを印加する。以下、データ"1"が記録された強誘電体キャパシタC0からの読み出しを例にとって説明する。
【0135】
まず、ワード線起動信号PWL0,PWLRの印加により、バッファBW0,BWRはワード線WL0,WLRに正電圧のパルス(VPPレベル、例えば3.3V)を印加してパストランジスタQ0,QR0,QR1を導通状態にする。この状態で、プレート線起動信号PCP0,PCPRを印加して、バッファBC0,BCRからプレート線CP0,CPRに正電圧のパルス(VDDレベル、例えば1.8V)を出力する。このようにすると、分極が点10にあった強誘電体キャパシタC0およびCR0の分極位置は図7(a) に示す軌跡15を描いて点16に達する。一方、分極が点14にあった強誘電体キャパシタCR1の分極位置は図7(b) に示す軌跡17を描いて点18に達する。
【0136】
初期の分極状態の点10と新たな分極状態の点16との差及び初期の分極状態の点14と新たな分極状態の点18との差に相当する電荷が、ビット線BL0のビット線容量CBL0、ビット線BLR0のビット線容量CBLR0、及びビット線BLR1のビット線容量CBLR1に発生する。分極状態が点10にあった場合にビット線はロー電位(Vlo)となり、点14にあった場合にビット線はハイ電位(Vhi)となる。ところで、ビット線BLR0とBLR1は短絡されているために電荷は混合され、ビット線電位はVloとVhiの中間電位(Vmi)となる。すなわち、メモリセルが接続されたビット線BL0の電位はVloとなり、リファレンスセルが接続されたビット線BLR0,BLR1の電位はVmiとなる。このビット線電位差は、クロスカップルドインバータINV0,INV1よりなるセンスアンプにより増幅され、データ入出力ポートDL0にロー電位を出力する。
【0137】
一方、強誘電体キャパシタC0にはデータ“0”が記録されていた場合、分極状態は点14にあるからビット線BL0の電位はVhiとなる。リファレンスセルが接続されたビット線BLR0,BLR1の電位Vmiとの電位差はセンスアンプにより増幅され、データ入出力ポートDL0にハイ電位を出力する。
【0138】
ビット線BL0からのロー電位の出力をデータ“0”と判定し、ビット線BL0からのハイ電位の出力をデータ“1”と判定することにより、データ読み出しが正しく行われる。
【0139】
データの読み出し後に、プレート線CPはロー電位に復帰される。このとき、強誘電体キャパシタC0,CR0,CR1の分極は、図7(a) における軌跡13又は図7(b) における軌跡19を描いて、点10又は点20に達する。
【0140】
以上の動作により、強誘電体キャパシタC0,CR0,CR1の分極状態は破壊され、すべて同一極性の分極状態になった。
【0141】
従って、図21(d) において矢印で示したSW切り替えタイミングでスイッチSW31を右側に切り替えて、アンドゲートAND0,ANDR0,ANDR1とビット線BL0,BLR0,BLR1とをして、プレート線起動信号PCP0,PCPR及び書き込み起動信号PDWを印加する。このとき、センスアンプは読み出されたデータをラッチしているため、データはメモリセルの強誘電体キャパシタC0に再度書き込まれ、かつリファレンスセルの強誘電体キャパシタCR0,CR1は相補的な分極状態に復帰され、読み出し動作は完了する。
【0142】
第3の実施形態では、同一分極値の書き込み工程においてバッファBC0,BC1,BCRからプレート線CPに出力する正電圧パルスをVDDレベル、例えば1.8Vとしたが、定格電圧内でより大きな電圧値のパルスを印加する方が好ましい。大電圧とすることにより、次工程の高温保存工程時間を短縮することができる。
【0143】
【発明の効果】
本発明に係る半導体記憶装置によると、読み出し電圧を印加した後においてヒステリシス曲線がシフトしないので、データを読み出す際のマージンが増加する。
【0144】
本発明に係る第1の半導体記憶装置の製造方法によると、半導体記憶装置を製造する工程において、強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を読み出し電圧の極性と逆の電圧側に確実にシフトさせることができる。
【0145】
本発明に係る第2の半導体記憶装置の製造方法によると、いわゆる2T2C型の半導体記憶装置を製造する工程において、一対の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を読み出し電圧の極性と逆の電圧側に確実にシフトさせることができる。
【0146】
本発明に係る第3の半導体記憶装置の製造方法によると、いわゆる1T1C型の半導体記憶装置を製造する工程において、第1及び第2の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を読み出し電圧の極性と逆の電圧側に確実にシフトさせることができる。
【0147】
本発明に係る半導体記憶装置の駆動方法によると、強誘電体膜の疲労劣化を抑制できるので、半導体記憶装置の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路であって、強誘電体キャパシタに同一分極値を書き込む際のスイッチの切り替え状態を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路であって、強誘電体キャパシタにデータを書き込む際のスイッチの切り替え状態を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路であって、強誘電体キャパシタからデータを読み出す際のスイッチの切り替え状態を示す図である。
【図4】 (a) 、(b) 及び(c) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置に印加する電圧パルスを示す図であって、(a) は同一分極値を書き込む場合を示し、(b) はデータを書き込む場合を示し、(c) はデータを読み出す場合を示している。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置を構成する強誘電体キャパシタの分極のヒステリシス特性を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置を構成する強誘電体キャパシタにデータを書き込んだときの分極のヒステリシス特性を示す図である。
【図7】 (a) 及び(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置を構成する強誘電体キャパシタからデータを読み出したときの分極のヒステリシス特性を示す図である。
【図8】 (a) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置を150℃で保存したときの高温保存時間とヒステリシスの電圧シフトとの関係を示す図であり、(b) は本発明の第1の実施形態に係る半導体記憶装置に対して85℃において+1.8V及び−1.2Vの非対称のAC電圧パルスを印加したときのAC電圧パルスの印加回数とヒステリシスの電圧シフトとの関係を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路であって、強誘電体キャパシタに同一分極値を書き込む際のスイッチの切り替え状態を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路であって、強誘電体キャパシタにデータを書き込む際のスイッチの切り替え状態を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路であって、強誘電体キャパシタからデータを読み出す際のスイッチの切り替え状態を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置に同一分極値を書き込む際に印加する電圧パルスを示す図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置にデータを書き込む際に印加する電圧パルスを示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置からデータを読み出す際に印加する電圧パルスを示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置を構成する強誘電体キャパシタの分極のヒステリシス特性を示す図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置を構成する強誘電体キャパシタにデータを書き込んだときの分極のヒステリシス特性を示す図である。
【図17】 (a) 及び(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体記憶装置を構成する強誘電体キャパシタからデータを読み出したときの分極のヒステリシス特性を示す図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路であって、強誘電体キャパシタに同一分極値を書き込む際のスイッチの切り替え状態を示す図である。
【図19】本発明の第3の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路であって、強誘電体キャパシタにデータを書き込む際のスイッチの切り替え状態を示す図である。
【図20】本発明の第3の実施形態に係る半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周辺回路であって、強誘電体キャパシタからデータを読み出す際のスイッチの切り替え状態を示す図である。
【図21】 (a) 、(b) 、(c) 及び(d) は、本発明の第3の実施形態に係る半導体記憶装置に印加する電圧パルスを示す図であって、(a) は同一分極値を書き込む場合を示し、(b) はリファレンスセルにデータを書き込む場合を示し、(c) はメモリセルセルにデータを書き込む場合を示し、(d) はデータを読み出す場合を示している。
【図22】従来の半導体記憶装置におけるメモリセル及びその周縁回路を示す図である。
【図23】従来の半導体記憶装置を構成する強誘電体キャパシタの分極のヒステリシス特性を示す図である。
【図24】従来の半導体記憶装置を構成する強誘電体キャパシタにデータを書き込んだときの分極のヒステリシス特性を示す図である。
【図25】従来の半導体記憶装置を構成する強誘電体キャパシタからデータを読み出したときの分極のヒステリシス特性を示す図である。
【図26】 (a) 及び(b) は、従来の半導体記憶装置を構成する強誘電体キャパシタに相補データを書き込んだときの分極のヒステリシス特性を示す図である。
【符号の説明】
C0、C1 強誘電体キャパシタ
Q0、Q1 パストランジスタ
CP セルプレート線
BL0、BL1 ビット線
CBL0、CBL1 ビット線容量
WL ワード線
SW11、SW12、SW13 スイッチ
INV0、INV1 インバータ
BUF1、BUF2 バッファ
AND0、AND1 アンドゲート
SW11、SW12、SW13 スイッチ
DL0、DL1 データ入出力ポート
PWL ワード線起動信号
PCP プレート線起動信号
PDW 書き込み起動信号
C00、C01、C10、C11 強誘電体キャパシタ
Q00、Q01、Q10、Q11、 パストランジスタ
QG0、QG1 ゲイントランジスタ
QR0、QR1 リセットトランジスタ
CP0、CP1 セルプレート線
BL0、BL1 ビット線
SBL0、SBL1 サブビット線
WL0、WL1 ワード線
RST リセット線
RE 読み出しセル選択線
SW21、SW22、SW23 スイッチ
INV0、INV1 インバータ
BUF01、BUF02、BUF11、BUF12 バッファ
NOR0、NOR1 ノアゲート
SW21、SW22、SW23 スイッチ
DL0、DL1 データ入出力ポート
PWL0、PWL1 ワード線起動信号
PCP0、PCP1 プレート線起動信号
PDWB 書き込み起動信号
C0、C1、CR0、CR1 強誘電体キャパシタ
Q0、Q1、QR0、QR1 パストランジスタ
CP0、CP1、CPR プレート線
BL0、BLR0、BLR1 ビット線
CBL0、CBLR0、CBRL1 ビット線容量
WL0、WL1、WLR ワード線
SW31、SW32、SW33、SW34 スイッチ
INV0、INV1 インバータ
AND0、ANDR0、ANDR1 アンドゲート
BW0、BW1、BWR、BC0、BC1、BCR バッファ
DL0、DLR データ入出力ポート
PWL0、PWL1、PWLR ワード線起動信号
PCP0、PCP1、PCPR プレート線起動信号
PDW 書き込み起動信号

Claims (6)

  1. 相補データを分極値として記憶する一対の強誘電体キャパシタとソースが前記一対の強誘電体キャパシタのそれぞれの一方の電極に接続され且つドレインが一対のビットラインのそれぞれに接続された一対のパストランジスタとをそれぞれ有する複数のメモリセルと、
    前記複数のメモリセルのうちデータの読み出し対象となるメモリセルを構成する前記一対の強誘電体キャパシタのそれぞれの両電極間に、前記一対の強誘電体キャパシタに記憶される分極状態をそれぞれ同一極性とする読み出し電圧印加する電圧印加手段と、
    前記一対の強誘電体キャパシタのそれぞれの両電極間に前記読み出し電圧が印加されたときの前記一対の強誘電体キャパシタの分極値をそれぞれ検出することにより、前記一対の強誘電体キャパシタに記憶されている相補データを読み出す読み出し手段とを備え、
    前記一対の強誘電体キャパシタのそれぞれのヒステリシス曲線は、前記読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトしていることを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 前記一対の強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込む手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. 二値データを分極値として記憶する1つの第1の強誘電体キャパシタとソースが前記第1の強誘電体キャパシタに接続され且つドレインが第1のビットラインに接続された第1のパストランジスタとをそれぞれ有する複数のメモリセルと、
    二値データを分極値として記憶する第2の強誘電体キャパシタとソースが前記第2の強誘電体キャパシタに接続され且つドレインが第2のビットラインに接続された第2のパストランジスタとを有するリファレンスセルと、
    前記複数のメモリセルのうちデータの読み出し対象となるメモリセルを構成する前記第1の強誘電体キャパシタの両電極間に第1の読み出し電圧を印加する第1の電圧印加手段と、
    前記第2の強誘電体キャパシタの両電極間に第2の読み出し電圧を印加する第2の電圧印加手段とをさらに備え、
    前記第1の読み出し電圧及び前記第2の読み出し電圧は、前記第1の強誘電体キャパシタに記憶される分極状態と前記第2の強誘電体キャパシタに記憶される分極状態をそれぞれ同一極性とするような電圧値であり、
    前記読み出し手段は、前記第1の強誘電体キャパシタの両電極間に前記第1の読み出し電圧が印加されたときの前記第1の強誘電体キャパシタの分極値と、前記第2の強誘電体キャパシタの両電極間に前記第2の読み出し電圧が印加されたときの前記第2の強誘電体キャパシタの分極値とを比較して、前記第1の強誘電体キャパシタに記憶されている二値データを読み出し、
    前記第1の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線は、前記第1の読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトしており、前記第2の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線は、前記第2の読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトしていることを特徴とする半導体記憶装置
  4. 前記リファレンスセルは、相補データの一方と対応する分極値を記憶する前記第2の強誘電体キャパシタを有する第1のリファレンスセルと、相補データの他方と対応する分極値を記憶する前記第2の強誘電体キャパシタを有する第2のリファレンスセルとからなり、
    前記第1の強誘電体キャパシタ及び前記第2の強誘電体キャパシタに同一の分極値を書き込む手段をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載の半導体記憶装置。
  5. 相補データを分極値として記憶する一対の強誘電体キャパシタとソースが前記一対の強誘電体キャパシタのそれぞれに接続され且つドレインが一対のビットラインのそれぞれに接続されたパストランジスタとをそれぞれ有する複数のメモリセルを含む半導体記憶装置の駆動方法であって、
    前記複数のメモリセルのうちデータの読み出し対象となるメモリセルを構成する前記一対の強誘電体キャパシタのそれぞれの両電極間に、前記一対の強誘電体キャパシタに記憶 される分極状態をそれぞれ同一極性とする読み出し電圧を印加する工程と、
    前記一対の強誘電体キャパシタのそれぞれの両電極間に前記読み出し電圧が印加されたときの前記一対の強誘電体キャパシタのそれぞれの分極値を検出することにより、前記一対の強誘電体キャパシタに記憶されている相補データを読み出す工程とを備え、
    前記一対の強誘電体キャパシタのそれぞれのヒステリシス曲線は、前記読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトしていることを特徴とする半導体記憶装置の駆動方法。
  6. 二値データを分極値として記憶する1つの第1の強誘電体キャパシタとソースが前記第1の強誘電体キャパシタに接続され且つドレインがビットラインに接続された第1のパストランジスタとをそれぞれ有する複数のメモリセルと、二値データを分極値として記憶する第2の強誘電体キャパシタとソースが前記第2の強誘電体キャパシタに接続され且つドレインがビットラインに接続された第2のパストランジスタとを有するリファレンスセルとを含む半導体記憶装置の駆動方法であって、
    前記複数のメモリセルのうちデータの読み出し対象となるメモリセルを構成する前記第1の強誘電体キャパシタの両電極間に第1の読み出し電圧を印加する工程と、
    前記第2の強誘電体キャパシタの両電極間に第2の読み出し電圧を印加する工程と、
    前記第1の強誘電体キャパシタの両電極間に前記第1の読み出し電圧が印加されたときの前記第1の強誘電体キャパシタの分極値と、前記第2の強誘電体キャパシタの両電極間に前記第2の読み出し電圧が印加されたときの前記第2の強誘電体キャパシタの分極値とを比較して、前記第1の強誘電体キャパシタに記憶されている二値データを読み出す工程とを備え、
    前記第1の読み出し電圧及び前記第2の読み出し電圧は、前記第1の強誘電体キャパシタに記憶される分極状態と前記第2の強誘電体キャパシタに記憶される分極状態をそれぞれ同一極性とするような電圧値であり、
    前記第1の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線は、前記第1の読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトしており、前記第2の強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線は、前記第2の読み出し電圧の極性と逆の電圧側にシフトしていることを特徴とする半導体記憶装置の駆動方法。
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