JP3745268B2 - コンバータのパルス変調制御方法、パルス変調方式によるコンバータおよび誘導加熱装置 - Google Patents

コンバータのパルス変調制御方法、パルス変調方式によるコンバータおよび誘導加熱装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電力を直流電力に整流させるコンバータのパルス変調制御方法、交流電力を直流電力に整流するパルス変調方式(Pulse Modulation:PM)によるコンバータ、およびこのコンバータを備えた誘導加熱装置に関する。
【0002】
【背景技術】
従来、例えば誘導電動機の回転速度を負荷に応じて調節する場合、あるいは、工作機械の刃などの炭素鋼を焼き入れするなどのために誘導加熱する場合などには、交流電力を出力するとともに、負荷に応じてその出力周波数が調節可能となったインバータ装置が利用されている。このインバータ装置は、電力会社が供給する商用交流電源を電力として利用する。このため、インバータ装置とともに、交流電力を直流電力に変換するコンバータを備えた構成が一般的である。
【0003】
このコンバータとしては、例えば特開2001−78456号公報に記載の構成が知られている。このコンバータは、トランジスタなどの自己消弧素子で構成されたブリッジ回路と、ブリッジ回路で整流した脈動分を含む直流電力を平滑する直流リアクトルと、ブリッジ回路の自己消弧素子を点弧制御する制御回路とを備えている。そして、コンバータは、ブリッジ回路の自己消弧素子を点弧制御するにあたり、ブリッジ回路から出力される直流電圧パルスの幅を、出力すべき電力に応じて調節するPWM制御が採用されている。
【0004】
このコンバータの制御回路がPWM制御する際、各自己消弧素子のゲートにパルス状のゲート信号を入力して、各自己消弧素子をパルス状の所定の導通状態にスイッチングする。このため、自己消弧素子に所定の大きさの電流が急激に流れる状態となり、突入電流などにより自己消弧素子に負荷が係り、長期間安定した特性が得られなくなるおそれがある。
【0005】
そこで、例えば自己消弧素子に代えてサイリスタを用い、図5に示すように、適宜位相制御にて交流電力を直流電力に整流するとともに、交流電力の周波数に対応した時定数回路により、サイリスタを導通状態とする際に徐々に電流が流れるように追値制御してサイリスタを保護する構成が考えられる。
【0006】
しかしながら、サイリスタを位相制御する場合、サイリスタは自己消弧できないので、図5に示すように、位相により非導通状態にしたいタイミングで完全に非導通状態とならない時間帯Tfが生じる。このため、導通状態の時間を比較的に短く制御する場合には、この時間帯Tfの占める時間の割合が大きくなり、最大で半波分の時間である例えば10msのバラツキが生じ、高精度の導通状態の制御ができないおそれがある。
【0007】
さらに、時定数回路にて導通状態を制御している時間帯Tsは、回路自体の構成を代えない限りTsの時間を可変することができない。このため、例えば通電状態の時間を比較的に短くして細めに通電状態および非通電状態を切り換えるなどの制御ができなくなるなど、制御方法に制限が生じるおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のコンバータでは、ブリッジ回路を構成する自己消弧素子に負荷が掛かり、長期間安定した特性が得られなくなるおそれがある。また、図5に示すように、サイリスタを用いて位相制御するとともに、時定数回路により徐々に導通状態にする構成とした場合、高精度の導通状態の制御ができないとともに、制御方法に制限が生じるおそれがある。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みて、自己消弧素子を保護しつつ高精度に制御できるコンバータのパルス変調制御方法、パルス変調方式によるコンバータおよび誘導加熱装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、交流電力が供給される一次側端子の各相と直流電力を出力する二次側端子の正極および負極との間にそれぞれ設けられてブリッジ回路を構成する自己消弧素子をパルス変調制御し、交流電力を直流電力に整流するコンバータのパルス変調制御方法であって、起動後の所定時間内に、前記出力の極大値を所定の包絡線パターンに従って、一定周期でパルス出力されるパルスタイミングに対応して矩形波形で前記自己消弧素子をパルス状の導通状態で追値制御し、この追値制御の後に前記出力が所定値となるように前記パルスタイミングに対応して矩形波形のパルス状の導通状態で定値制御することを特徴とするコンバータのパルス変調制御方法である。
【0011】
この発明では、ブリッジ回路の自己消弧素子を、起動後の所定時間内に、出力の極大値を所定の包絡線パターンに従って、一定周期でパルス出力されるパルスタイミングに対応して矩形波形で前記自己消弧素子をパルス状の導通状態で追値制御し、この追値制御の後に出力が所定値となるようにパルスタイミングに対応して矩形波形のパルス状の導通状態で定値制御して自己消弧素子をパルス変調制御する。このことにより、自己消弧素子による消弧作用により、自己消弧素子が導通状態から非導通状態に制御される際に、自己消弧素子は確実に非導通状態となり、高精度な制御が得られる。また、追値制御および定値制御の双方を組み合わせたパルス変調制御とするので、容易に自己消弧素子の導通状態が制御される。さらに、追値制御により、自己消弧素子の負荷が低減されて保護される。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバータのパルス変調制御方法において、コンバータは、時間と直流電圧の出力との関係を示すグラフ、マップおよび関数のうちのいずれか1つの包絡線パターンを記憶する記憶手段を有し、この記憶手段に記憶された包絡線パターンに従って制御するものである。
【0013】
この発明では、記憶手段に記憶した時間と直流電圧の出力との関係を示すグラフ、マップおよび関数のうちのいずれか1つの包絡線パターンに従って制御する。このことにより、自己消弧素子の負荷を低減した追値制御および定値制御によるパルス変調制御が容易となる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のコンバータのパルス変調制御方法において、自己消弧素子として高速スイッチング素子が用いられることを特徴とするものである。
【0015】
この発明では、自己消弧素子として高速スイッチング素子を用いる。このことにより、出力すべき電力に応じて自己消弧素子の導通時間を細かく調節することが可能で、きめ細かいパルス変調制御が得られ、適切な電力量の供給が可能となる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のコンバータのパルス変調制御方法をパルス変調方式によるコンバータに展開したもので、交流電力が供給される一次側端子と、直流電力を出力する二次側端子と、前記一次側端子の各相と前記二次側端子の正極および負極との間にそれぞれ自己消弧素子が設けられて構成されたブリッジ回路と、このブリッジ回路の自己消弧素子を、前記直流電力の出力に対応した所定期間に、出力波形の極大値までは所定の包絡線パターンに従って、一定周期でパルス出力されるパルスタイミングに対応して矩形波形のパルス状の導通状態で追値制御し、出力波形の極大値で定値制御して前記パルスタイミングに対応して矩形波形のパルス状の導通状態にパルス変調制御して交流電力を直流電力に整流させる制御手段とを具備したことを特徴とする。このことにより、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を享受する。
【0017】
請求項5または6に記載の発明は、請求項4に記載のパルス変調方式によるコンバータにおいて、請求項2または3に記載の発明のコンバータのパルス変調制御方法に対応するパルス変調方式によるコンバータで、請求項2または3に記載の発明と同様の作用効果を享受する。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項4ないし請求項6のいずれかに記載のパルス変調方式によるコンバータにおいて、前記制御手段は、前記自己消弧素子から出力される直流電力の電圧値をデジタル信号に変換し、このデジタル変換した電圧値と、前記包絡線パターンとのPID制御により、前記自己消弧素子にパルス状のゲート信号を出力し、パルス状の導通状態にパルス変調制御することを特徴とするものである。
【0019】
請求項に記載の発明は、請求項4ないしのいずれかに記載のパルス変調方式によるコンバータと、このパルス変調方式によるコンバータにより整流された直流電力を所定の周波数の交流電力に変換するインバータと、このインバータにて変換された交流電力により誘導加熱する誘導加熱手段とを具備したことを特徴とした誘導加熱装置である。
【0020】
この発明では、高精度な制御が得られ、容易に自己消弧素子を低負荷でパルス変調制御できる、請求項4ないしのいずれかに記載のパルス変調方式によるコンバータを備えるので、長期間きめ細かいパルス変調制御が得られ、適切に電力量を供給できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔誘導加熱装置の構成〕
図1には、本発明の一実施の形態に係る誘導加熱装置の回路構成が示されている。この誘導加熱装置1は、コンバータ2およびインバータ3を備えた制御盤と、誘導加熱手段4とを備えている。
【0022】
そして、制御盤は、交流電源である三相交流電源5に接続されるとともに誘導加熱手段4にそれぞれ接続され、コンバータ2、インバータ3および誘導加熱手段4の動作を監視・制御する。この制御盤には、図示しない入出力手段(I/O(Input/Output))が設けられている。この入出力手段は、パルス変調制御であるパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)制御のためのパラメータを入力操作にて設定入力するために、コンピュータなどの入力手段からの信号を認識する。さらに、制御盤は、入出力手段を介してコンバータ2で三相交流を直流に整流した状態、インバータ3で直流から交流に変換した状態、誘導加熱の状態、警報などを外部出力可能となっている。
【0023】
また、制御盤に設けられたコンバータ2は、三相交流電源5から供給される三相交流電力を直流電力に変換する電流型コンバータである。このコンバータ2は、ブリッジ方式の整流回路であるブリッジ回路11と、直流リアクトル12と、制御手段としてのパルス幅変調方式に則ったパルス幅制御回路13とを備えている。また、コンバータ2には、三相交流電源5に接続される一次側端子であるU相端子15U、V相端子15VおよびW相端子15Wが設けられている。さらに、コンバータ2には、直流電力を出力する二次側端子である正極端子16Aおよび負極端子16Bが設けられている。
【0024】
ブリッジ回路11は、主要素子として複数の自己消弧素子である正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wを有し、これら正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wで交流電力を整流する。このブリッジ回路11の正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wとしては、高速スイッチング素子である電力制御用の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar mode Transistor:IGBT)が採用されている。なお、自己消弧素子としては、高速スイッチング可能で、導通時の直流抵抗値が小さい素子である高速スイッチング素子が好ましく、IGBTの他に、MOS−FET(MOS(Metal-Oxide Semiconductor)型電界効果トランジスタ(Field-Effect Transistor:FET))およびゲートターンオフサイリスタ(Gate Turn Off Thyristor:GTO)を採用できる。また、高速スイッチング素子に限らず、他の自己消弧作用を示すいずれの素子でもできる。
【0025】
このブリッジ回路11は、一次側のU相端子15U、V相端子15VおよびW相端子15Wと二次側の正極端子16Aとの間に接続された、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび正極用ブロッキングダイオード20U,20V,20Wの直列回路を有している。すなわち、U相端子15U、V相端子15VおよびW相端子15Wと正極端子16Aとの間には、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wのドレイン、ソースおよび正極用ブロッキングダイオード20U,20V,20Wの直列回路が接続されている。
【0026】
また、ブリッジ回路11は、一次側のU相端子15U、V相端子15VおよびW相端子15Wと二次側の負極端子16Bとの間に接続された、負極用自己消弧素子19U,19V,19Wおよびダイオードである負極用ブロッキングダイオード21U,21V,21Wの直列回路を有している。すなわち、U相端子15U、V相端子15VおよびW相端子15Wと負極端子16Bとの間には、負極用自己消弧素子19U,19V,19Wのソース、ドレインおよび負極用ブロッキングダイオード21U,21V,21Wの直列回路が接続されている。
【0027】
また、コンバータ2には、ブリッジ回路11の交流入力部分に、複数の交流リアクトル23が三相に対応してそれぞれ設けられている。すなわち、交流リアクトル23は、U相端子15U、V相端子15VおよびW相端子15Wと、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wのドレインおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wのソースの接続点との間に位置してそれぞれ接続されている。そして、これら交流リアクトル23は、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの各スイッチング動作の際に発生する高周波電流、すなわち、キャリア波の高周波成分電流の交流電源側への逆流を阻止する。
【0028】
さらに、コンバータ2には、ブリッジ回路11の交流入力部分に、複数のコンデンサ24が三相に対応してそれぞれ設けられている。すなわち、コンデンサ24は、交流リアクトル23と正極用自己消弧素子18U,18V,18Wのドレインおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wのソースの接続点との接続点間にそれぞれ接続されている。そして、コンデンサ24は、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの各スイッチング動作の際に発生する過電圧を吸収する。
【0029】
また、コンバータ2を構成する直流リアクトル12は、正極端子16Aと正極用ブロッキングダイオード20U,20V,20Wとの間、および、負極端子16Bと負極用ブロッキングダイオード21U,21V,21Wとの間にそれぞれ接続されている。そして、直流リアクトル12は、ブリッジ回路11から出力されるとともにパルス状に断続する電流を平滑して直流電流にする。
【0030】
さらに、コンバータ2を構成するパルス幅制御回路13は、一次側のU相端子15U、V相端子15VおよびW相端子15Wと、二次側の正極端子16Aとに接続されるとともに、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの各ゲートに接続されている。そして、パルス幅制御回路13は、出力すべき電力に応じて正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの導通時間を制御する。すなわち、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wを断続的に点弧するとともに、ブリッジ回路11から出力される直流電圧パルスの幅を、出力すべき電力に応じて調節するパルス幅変調制御をする。なお、このパルス幅制御回路13は、制御盤に設けられた図示しない入力手段にて適宜パネル幅変調制御のためのパラメータの設定が可能となっている。
【0031】
このパルス幅制御回路13のパルス幅変調制御は、入力される三相交流電圧と、ブリッジ回路11から出力される直流電圧とを検出・監視し、インバータ3への直流電圧が一定の値となるように、ブリッジ回路11から出力される直流電圧パルスの幅を拡張する方式のものである。これにより、インバータ3の消費電力が増大してコンバータ2の出力電流が増え、その内部抵抗による電圧降下が大きくなってインバータ3への出力電圧が低下しようとすると、直流電圧パルスの幅が拡張され、この出力電圧の低下が抑制され、インバータ3へ供給される電力が増大するようになっている。
【0032】
このパルス幅変調制御には、後述する整流モードと閉回路モードとが設定されている。すなわち、パルス幅制御回路13は、整流モードおよび閉回路モードが交互に繰り返されるように、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wのゲートに与えるパルス状の制御信号であるキャリア波を発生する。このキャリア波で正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wを適宜点弧する。
【0033】
また、パルス幅制御回路13は、U相、V相およびW相の各相に印加された電圧の極性が正から負に反転すると、その相の正極用自己消弧素子18U,18V,18Wを所定時間が経過するまでの間で導通状態にするとともに、電圧の極性が負から正に反転すると、その相の負極用自己消弧素子19U,19V,19Wを所定時間が経過するまでの間で導通状態にする機能を有している。
【0034】
そして、このコンバータ2の出力、すなわち正極端子16Aおよび負極端子16B間には、直流電力を交流電力に変換するインバータ3が接続されている。このインバータ3は、コンバータ2で変換された直流電力を、このインバータ3に接続された誘導加熱手段4で誘導加熱に必要な高周波電力に変換する。
【0035】
〔パルス幅制御回路の構成〕
次に、パルス幅制御回路13の内部構成について図面に基づいて説明する。
【0036】
パルス幅制御回路13は、図2のブロック図に示すように、一定周期でパルス出力する図示しないクロック機構からそのパルスタイミングを認識するキャリア部31が設けられている。また、パルス幅制御回路13には、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wから出力される直流電力の電圧値を検出して、この電圧値をデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換部32が設けられている。
【0037】
また、キャリア部31には、図3に示すような、三相正弦波テーブルが記憶された波形記憶手段33が接続されている。この三相正弦波テーブルは、各相の電源電圧値と時間との関係で構成された三相波形テーブル(図3(A))と、この三相波形テーブルに対応して正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの導通状態と時間との関係で構成された整流波形テーブル(図3(B))とを有している。そして、整流波形テーブルは、三相波形テーブルの各相の電源電圧値に対応して波形の1周期を6分割した各期間T1〜T6に対応して導通状態のパルス幅のパターンが設定されている。
【0038】
また、キャリア部31には、関数記憶手段34が接続されている。この関数記憶手段34には、図4に示すような波形で正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wを導通状態にするための所定の包絡線パターンの関数テーブルが記憶されている。この関数テーブルは、起動後の所定期間内にパルス状の導通状態に制御するためのものである。
【0039】
すなわち、図4に示すように、関数テーブルには、非導通状態の正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wに徐々に電流が流れるようにキャリア部31の定周波パルスに対応して追値制御する包絡線パターンである立ち上げ期間Tsの関数テーブルと、コンバータ2から出力する直流電力を所定の出力値に設定するために正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wに所定の電流が流れるようにキャリア部31の定周波パルスに対応して定値制御する導通期間Tnの関数テーブルとがある。これら関数テーブルにより、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wがパルス状の導通状態にパルス幅変調制御される。
【0040】
なお、関数テーブルとしては、所定の包絡線パターンとなる時間と電流との関係、時間と直流電圧の出力との関係などを示すグラフやマップ関数など、いずれのものでもできる。また、パルス幅制御回路13は、波形記憶手段33および関数記憶手段34に記憶する三相正弦波テーブルや関数テーブルを設定入力可能となっている。
【0041】
さらに、キャリア部31には、PID制御回路部35が接続されている。このPID制御回路部35は、実際に出力される直流電力の電圧値をフィードバック制御する。すなわち、PID制御回路部35は、アナログ/デジタル変換部32で認識した電圧値と、関数記憶手段34に記憶された目標値となる関数テーブルとの偏差、この偏差の積分値、偏差の微分値によってフィードバック信号を出力する。
【0042】
そして、このPID制御回路部35には、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの各ゲートに接続され、実際に導通状態にするためにパルス状のゲート信号を出力するPWMパターン制御部36が接続されている。
【0043】
このように、パルス幅制御回路13は、関数テーブルに基づいて正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの導通状態をPID制御して、出力する直流電力をフィードバック制御する。
【0044】
なお、コンバータ2に入力される各U相、V相およびW相の三相交流電源電圧は、図3(A)に示すように、各期間T1〜T6において、二つの相が同じ極性となる一方、残りの相が逆の極性となる。また、期間T1,T3,T5における各波形は、互いに同形状であり、期間T2,T4,T6における各波形は、期間T1,T3,T5の各波形と正負が逆となっている。
【0045】
このことにより、コンバータ2のパルス幅制御回路13は、この図3(A)に示すような三相交流波形に対応して、図3(B)に示すように、各相に対応する正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの各ゲートにパルス状のゲート信号を出力する。このことにより、各期間T1〜T6において、逆極性となる1つの相を基準として、他の2つの相のそれぞれについて整流し、直流電力に整流する制御をする。
【0046】
例えば、期間T3では、期間T3の開始から終了までの間、負極用自己消弧素子19Wを導通状態にする。さらに、正極用自己消弧素子18V,18U,18Wのそれぞれにパルス状のゲート信号を順次送り、これらの正極用自己消弧素子18V,18U,18Wを順次導通状態にする。このようにして、期間T3において、第1整流モード、第2整流モードおよび閉回路モードを繰り返し実施するように制御する。
【0047】
また、期間T4では、期間T4の開始から終了までの間、正極用自己消弧素子18Vを導通状態にする。さらに、負極用自己消弧素子19U,19W,19Vのそれぞれにパルス状のゲート信号を順次送り、これらの負極用自己消弧素子19U,19W,19Vを順次導通状態にする。このようにして、期間T4において、第1整流モード、第2整流モードおよび閉回路モードを順次実施する。
【0048】
そして、期間T2から期間T3へ移行する際には、V相の電圧極性が負から正に反転する。このため、この極性の反転に対応して、パルス幅制御回路13は、V相の極性が反転した時点から所定時間が経過するまでの間、具体的には、期間T3の開始から終了までの間、負極用自己消弧素子19Vを導通状態にする。
【0049】
また、期間T3から期間T4へ移行する際には、U相の電圧の極性が正から負に反転する。このため、この極性の反転に対応して、パルス幅制御回路13は、U相の極性が反転した時点から所定時間が経過するまでの間、具体的には、期間T4の開始から終了までの間、正極用自己消弧素子18Uを導通状態にする。
【0050】
〔コンバータの整流動作〕
次に、上記実施の形態のパルス幅制御回路13による三相交流を直流に整流する具体的な動作を説明する。なお、期間T1,T3,T5の各波形は互いに同形状で、期間T2,T4,T6の各波形は、期間T1,T3,T5の各波形と正負が逆ではあるが同形状であるため、期間T3,T4における動作を説明し、期間T1,T2,T5,T6における動作については、期間T3,T4と同様となるため説明を省略する。
【0051】
コンバータ2には、図3(A)に示すような正弦波状に変化する三相交流電圧が印加される。この状態では、期間T3において、この期間T3の開始から終了まで、図3(B)に示すように、パルス幅制御回路13によりW相の負極用自己消弧素子19Wが導通状態となる。また、期間T3への移行の際、V相の電圧極性が負から正に反転するので、期間T3の開始から終了までの間、パルス幅制御回路13によりV相の負極用自己消弧素子19Vが導通状態となる。
【0052】
この状態で、V相の正極用自己消弧素子18Vがパルス幅制御回路13により導通され、ブリッジ回路11の正極用自己消弧素子18Vおよび負極用自己消弧素子19Wで整流された電流が直流リアクトル12を介してインバータ3に流れ、第1整流モードが実施される。この第1整流モードでは、三相交流のV相の電圧は正で、W相の電圧は負となっているので、電流はV相からW相へ流れる。
【0053】
続いて、U相の正極用自己消弧素子18Uがパルス幅制御回路13により導通され、ブリッジ回路11の正極用自己消弧素子18Uおよび負極用自己消弧素子19Wで整流された電流が直流リアクトル12を介してインバータ3に流れ、第2整流モードが実施される。この第2整流モードでは、三相交流のU相の電圧は正で、W相の電圧は負となっているので、電流はU相からW相へ流れる。
【0054】
次に、W相の正極用自己消弧素子18Wがパルス幅制御回路13により導通され、ブリッジ回路11およびインバータ3が閉回路を形成する。この閉回路に直流リアクトル12の誘導電流が循環し、閉回路モードが実施される。
【0055】
なお、この期間T3における各第1整流モード、第2整流モードおよび閉回路モードでの各正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wのパルス幅制御回路13による導通状態の制御は、パルス幅制御回路13がキャリア部31における定周波パルスのタイミングで、各相の波形を認識する。この認識した波形と波形記憶手段33の三相正弦波テーブルとを対応させて、期間T3を認識する。そして、この期間T3における図3(B)に示すような各正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの導通状態とする導通パターンを選択する。
【0056】
そして、パルス幅制御回路13は、この導通パターンに基づいてPWMパターン制御部36から各正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wのゲートにパルス状のゲート信号を出力させて、導通パターンに則った導通状態に制御する。
【0057】
ここで、PWMパターン制御部36からのゲート信号にて導通状態にする際には、非導通状態からの起動後の所定時間内に、図4に示すような所定の包絡線となる関数テーブルに基づいてパルス幅変調制御される。すなわち、まず立ち上げ期間Tsの関数テーブルに基づいて、図4に示すように非導通状態の正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wに徐々に電流が流れるような所定の包絡線に沿うように、キャリア部31の定周波パルスのタイミングで追値制御する。そして、所定の電流値に達した後は、導通期間Tnの関数テーブルに基づいて、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wに所定の電流が導通パターンに則った時間で流れるように、キャリア部31の定周波パルスのタイミングで定値制御して、導通パターンにおける1パルスの導通状態とする。
【0058】
また、パルス幅制御回路13は、アナログ/デジタル変換部32で認識した正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wから出力される直流電力の電圧値と関数テーブルとの偏差、この偏差の積分値、偏差の微分値によって、フィードバック信号をPWMパターン制御部36に出力して、出力するゲート信号を制御し、適切な電圧値の直流電力に整流して出力させる。
【0059】
そして、期間T3が完了し、期間T4へ移行すると、図3(B)に示すように、V相の正極用自己消弧素子18Vが期間T4全体を通してパルス幅制御回路13により導通状態に制御される。この期間T4への移行の際、U相の電圧極性が正から負に反転するので、期間T4の開始から終了までの間、正極用自己消弧素子18Uがパルス幅制御回路13により導通状態にパルス幅変調制御される。
【0060】
この状態で、U相の負極用自己消弧素子19Uがパルス幅制御回路13により導通されると、ブリッジ回路11の正極用自己消弧素子18Vおよび負極用自己消弧素子19Uで整流された電流が直流リアクトル12を介してインバータ3に流れ、第1整流モードが実施される。この際、三相交流のV相の電圧は正で、U相の電圧は負となっているので、電流はV相からU相へ流れる。
【0061】
続いて、W相の負極用自己消弧素子19Wがパルス幅制御回路13により導通されると、ブリッジ回路11の正極用自己消弧素子18Vおよび負極用自己消弧素子19Wで整流された電流が直流リアクトル12を介してインバータ3に流れ、第2整流モードが実施される。この際、三相交流のV相の電圧は正で、W相の電圧は負となっているので、電流はV相からW相へ流れる。
【0062】
次に、V相の負極用自己消弧素子19Vがパルス幅制御回路13により導通され、ブリッジ回路11およびインバータ3が閉回路を形成する。この閉回路に直流リアクトル12の誘導電流が循環し、閉回路モードが実施される。
【0063】
この期間T4における各正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wのパルス幅制御回路13による導通状態の制御も、上述した期間T3と同様に、関数テーブルに基づいて、期間T4における導通パターンに則り、PID制御にて整流する直流電力をフィードバック制御する。
【0064】
ここで、期間T3の最後の閉回路モードにおいて、正極用ブロッキングダイオード20Uのカソードは、直流リアクトル12および負荷である誘導加熱手段4を介してW相と導通する。このため、正極用ブロッキングダイオード20Uのカソードの電位が負電位のW相にとほぼ同電位となるとともに、正極用ブロッキングダイオード20Uには、順方向の電界が加わるので、そのアノードもW相とほぼ同電位となる。
【0065】
また、正極用自己消弧素子18Uは、遮断状態となっている。このため、この正極用自己消弧素子18Uの両端には、電荷が溜まる。この結果、正極用ブロッキングダイオード20Uには、期間T3の最後の閉回路モードにより溜まった逆方向の電荷により、U相電圧およびW相電圧の電位差とほぼ等しい逆電圧が生じる。
【0066】
そして、正極用ブロッキングダイオード20Uの両端に逆電位が加わった状態で、期間T4に移行し、最初の第1整流モードが実行される。この第1整流モードの実行により、正極用自己消弧素子18Vを介して、正極用ブロッキングダイオード20Uのカソード側はV相に導通され、正極用ブロッキングダイオード20UにはV相の電圧が印加される。
【0067】
ここで、V相の電位は正電圧であり、U相の電位は負電位であるので、期間T3で溜まった逆方向の電荷が放電されないで残っていると、正極用ブロッキングダイオード20Uには、大きな逆方向電圧が加わることとなる。
【0068】
一方、期間T4では、負極用自己消弧素子19Uがパルス幅制御回路13により導通状態となるので、正極用ブロッキングダイオード20Uは、このアノードとカソードとが、直流リアクトル12、イオンバータ3、負極用ブロッキングダイオード21U、負極用自己消弧素子19Uおよび正極用自己消弧素子18Uを介して導通される。そして、正極用ブロッキングダイオード20Uの両端に蓄積された電荷が放電される。これにより、正極用ブロッキングダイオード20Uの両端に加わっていた電荷が放電され、電荷による逆方向電圧は0Vとなる。
【0069】
この状態で、正極用ブロッキングダイオード20Uに逆方向のV相電圧が印加されても、正極用ブロッキングダイオード20Uの両端の電荷が放電されているので、正極用ブロッキングダイオード20Uに、大きな逆方向電圧が加わることがない。
【0070】
〔パルス幅制御回路の効果〕
上述した本実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
【0071】
すなわち、ブリッジ回路11を構成する正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wを、三相正弦波パターンに基づいて所定のパターンでパルス状に導通状態とする際に、非導通状態から所定の導通状態に起動する所定時間内に、図3に示すように次第に電流が流れるような包絡線となる立ち上げ期間Tsの関数テーブルに基づいて所定のパルス幅変調制御する。このため、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wに突入電流が流れるなどの負荷を低減でき、確実に正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wを保護できる。
【0072】
そして、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wにより整流するため、これら正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの消弧作用により、導通状態から非導通状態に制御する際に、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wは確実に非導通状態となる。このため、従来のサイリスタに時定数回路を組み合わせて位相制御する場合に比して、高精度な制御ができる。
【0073】
また、追値制御および定値制御の双方を組み合わせたパルス変調制御とするので、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの導通状態の制御が容易にできる。
【0074】
さらに、パルス幅変調制御を関数に基づいて制御するので、PID制御により整流した直流電力と関数テーブルとからフィードバック信号を出力させて制御するため、より正確で適切な制御が容易にできる。
【0075】
そして、関数記憶手段34に記憶した時間と直流電圧の出力との関係を示すグラフ、マップおよび関数のうちのいずれか1つの包絡線パターンである関数テーブルに従って制御する。このため、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの負荷を低減した追値制御および定値制御によるパルス変調制御が容易にできる。
【0076】
また、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wとして高速スイッチング素子を用いるため、出力すべき電力に応じて正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wの導通時間を細かく調節することもでき、きめ細かいパルス幅変調制御ができ、適切な電力量を供給できる。
【0077】
〔他の実施の形態〕
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、この実施形態に限られるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更が可能である。
【0078】
すなわち、三相交流電力を直流電力に整流する構成について説明したが、三相に限られない。
【0079】
そして、パルス変調制御としてパルス幅変調制御について説明したが、例えば信号波の振幅に対応してパルスの高さすなわち振幅(amplitude)を変えるPAM(Pulse Amplitude Modulation)、パルスの継続時間(duration)を変えるPDM(Pulse Duration Modulation)、周波数変調に対応してパルスの位置(position)を変えるPPM(Pulse Position Modulation)、2進数字などの符号(code)に変換してパルスを生ずるPCM(Pulse Code Modulation)など、他のパルス変調方式による制御でもできる。
【0080】
例えば、ブリッジ回路11の交流入力部分に交流リアクトル23およびコンデンサ24を設けて説明したが、これら交流リアクトル23およびコンデンサ24を設けない構成でもできる。なお、コンバータ2の交流入力部分に設けたコンデンサ24が、正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wのスイッチング動作により発生する過電圧を吸収し、モード切替時などのスイッチング動作時に発生する高調波の交流電源側への逆流が抑制される。また、パルス幅変調制御において発生するキャリア波の高周波成分電流は、交流リアクトル23がコンデンサ24を通過した高周波成分電流の交流電源側への逆流を阻止するので、コンバータ2が正極用自己消弧素子18U,18V,18Wおよび負極用自己消弧素子19U,19V,19Wをスイッチングさせるキャリア波を発生させても、このキャリア波の高周波成分が交流電源側に漏れることを防止できる。したがって、スイッチング動作により発生する雑音としての高調波、および、スイッチング動作に必要な制御信号であるキャリア波に含まれる高周波成分の両方が交流電源側へ逆流せず、交流電源側の電流に含まれる高調波成分が確実に低減できるので、これらコンデンサ24および交流リアクトル23を設けることが好ましい。
【0081】
そして、第1整流モード、第2整流モードおよび閉回路モードを順次繰り返し、1/6周期の間に、3つのモードを三回ずつ実施する構成について説明したが、これに限らず、これらのモードを、1/6周期の間に、二回以下、あるいは、四回以上実施する構成としてもよい。
【0082】
さらに、ブリッジ回路11の自己消弧素子18U,18V,18W,19U,19V,19Wにダイオード20U,20V,20W,21U,21V,21Wを直列に接続して説明したが、ダイオード20U,20V,20W,21U,21V,21Wを用いなくてもできる。
【0083】
【発明の効果】
本発明によれば、ブリッジ回路の自己消弧素子を、起動後の所定時間内に、出力の極大値を所定の包絡線パターンに従って追値制御した後、出力が所定値となるように定値制御して自己消弧素子をパルス変調制御するため、自己消弧素子の負荷を低減でき確実に保護でき、自己消弧素子の導通状態の制御がパルス変調制御により容易にできるとともに、自己消弧素子による消弧作用により、導通状態から非導通状態に制御する際に確実に非導通状態にでき、高精度に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一形態に係る誘導加熱装置を示す回路図である。
【図2】 同上の誘導加熱装置を構成するコンバータのパルス幅制御回路の内部構成を示すブロック図である。
【図3】 同上パルス幅制御回路によるパルス幅変調制御の動作を説明するための波形図である。
(A)三相正弦波形図
(B)導通パターンの波形図
【図4】 同上パルス幅変調制御による導通状態の1パルスの波形図を示す説明図である。
【図5】 従来例のコンバータによる導通状態の1パルスの波形図を示す説明図である。
【符号の説明】
1 誘導加熱装置
2 コンバータ
3 インバータ
4 誘導加熱手段
11 ブリッジ回路
13 制御手段としてのパルス幅制御回路
15U 一次側端子であるU相端子
15V 一次側端子であるV相端子
15W 一次側端子であるW相端子
16A 二次側端子である正極端子
16B 二次側端子である負極端子
18U,18V,18W 自己消弧素子である正極用自己消弧素子
19U,19V,19W 自己消弧素子である負極用自己消弧素子

Claims (8)

  1. 交流電力が供給される一次側端子の各相と直流電力を出力する二次側端子の正極および負極との間にそれぞれ設けられてブリッジ回路を構成する自己消弧素子をパルス変調制御し、交流電力を直流電力に整流するコンバータのパルス変調制御方法であって、
    起動後の所定時間内に、前記出力の極大値を所定の包絡線パターンに従って、一定周期でパルス出力されるパルスタイミングに対応して矩形波形で前記自己消弧素子をパルス状の導通状態で追値制御し、
    この追値制御の後に前記出力が所定値となるように前記パルスタイミングに対応して矩形波形のパルス状の導通状態で定値制御する
    ことを特徴とするコンバータのパルス変調制御方法。
  2. 請求項1に記載のコンバータのパルス変調制御方法において、
    コンバータは、時間と直流電圧の出力との関係を示すグラフ、マップおよび関数のうちのいずれか1つの包絡線パターンを記憶する記憶手段を有し、
    この記憶手段に記憶された包絡線パターンに従って制御する
    ことを特徴とするコンバータのパルス変調制御方法。
  3. 請求項1または2に記載のコンバータのパルス変調制御方法において、
    自己消弧素子として高速スイッチング素子が用いられる
    ことを特徴とするコンバータのパルス変調制御方法。
  4. 交流電力が供給される一次側端子と、
    直流電力を出力する二次側端子と、
    前記一次側端子の各相と前記二次側端子の正極および負極との間にそれぞれ自己消弧素子が設けられて構成されたブリッジ回路と、
    このブリッジ回路の自己消弧素子を、前記直流電力の出力に対応した所定期間に、出力波形の極大値までは所定の包絡線パターンに従って、一定周期でパルス出力されるパルスタイミングに対応して矩形波形のパルス状の導通状態で追値制御し、出力波形の極大値で定値制御して前記パルスタイミングに対応して矩形波形のパルス状の導通状態にパルス変調制御して交流電力を直流電力に整流させる制御手段と
    を具備したことを特徴としたパルス変調方式によるコンバータ。
  5. 請求項4に記載のパルス変調方式によるコンバータにおいて、
    時間と直流電圧の出力との関係を示すグラフ、マップおよび関数のうちのいずれか1つを有する包絡線パターンを記憶する記憶手段を具備した
    ことを特徴としたパルス変調方式によるコンバータ。
  6. 請求項4または5に記載のパルス変調方式によるコンバータにおいて、
    自己消弧素子は、高速スイッチング素子である
    ことを特徴としたパルス変調方式によるコンバータ。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれかに記載のパルス変調方式によるコンバータにおいて、
    前記制御手段は、前記自己消弧素子から出力される直流電力の電圧値をデジタル信号に変換し、このデジタル変換した電圧値と、前記包絡線パターンとのPID制御により、前記自己消弧素子にパルス状のゲート信号を出力し、パルス状の導通状態にパルス変調制御 する
    ことを特徴としたパルス変調方式によるコンバータ。
  8. 請求項4ないしのいずれかに記載のパルス変調方式によるコンバータと、
    このパルス変調方式によるコンバータにより整流された直流電力を所定の周波数の交流電力に変換するインバータと、
    このインバータにて変換された交流電力により誘導加熱する誘導加熱手段と
    を具備したことを特徴とした誘導加熱装置。
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