JP3745087B2 - ソーラー時計用表示板構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、時計に内蔵され且つ光エネルギーを電気エネルギーに変換して使用するソーラーセル(太陽電池)と、ソーラーセルの表面側に配設されたソーラー時計用表示板とを備えるソーラー時計用表示板構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から時計、電卓などの電源として太陽電池が用いられているが、この太陽電池は、通常アモルファスシリコンなどから形成されており、光エネルギーを電気エネルギーに変換するものであり、その機能から光があたる位置、すなわち外部から直接見える位置に配設する必要がある。
【0003】
ところで、従来より腕時計の表示板構造に太陽電池が用いられている。すなわち、腕時計1は、図5及び図6に示すように、その外胴2の内部に、表側にソーラー時計用表示板構造Aを設けたモジュール4を合成樹脂からなる支持枠3を介して固定し、また、モジュール4に設けられた二重軸構成の針軸5を、ソーラー時計用表示板構造Aに穿設された中央の孔部A1に貫通し、この針軸5の外軸5aに時針6を、内軸5bに分針7をそれぞれ取付け、外胴2の底側に防水パッキン8を介して裏蓋9を装着し、外胴2の表側に防水パッキン10aを介して風防ガラス10を装着固定して構成してある。
【0004】
そして、ソーラー時計用表示板構造Aは、図7に示すようにモジュール4の表側に固着されたソーラーセル11と、このソーラーセル11の表側に設けられたソーラー時計用表示板12から構成してある。そして、このソーラー時計用表示板12は透明樹脂からなる表示板基板13と、この表示板基板13の裏面(下面)に設けられた光透過体である蓄光蛍光体層14とが構成してある。
【0005】
すなわち、表示板基板13の中央には、孔部A1の一部である孔13Aが形成してある。そして、表示板基板13の裏面には、孔13Aの周囲から表示板基板13の外周側にかけて蓄光蛍光体層14が形成してあり、この蓄光蛍光体層14は蓄光蛍光体を塗布することで形成されるが、その形成に際して、蓄光蛍光体の表面張力により、蓄光蛍光体層14の内、外周部14A、14Bが薄くなっていた。そして、このように構成されたソーラー時計用表示板12がソーラーセル11上に組み付けられた状態では、蓄光蛍光体層14がソーラーセル11の表面に接触していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように従来例にあっては、光透過体である蓄光蛍光体層14の内、外周部14A、14Bが薄くなっているために、図7に示すように腕時計1を見た場合、表示板基板13の中心付近では、蓄光蛍光体層14の内周部14Aを透過してソーラーセル11が見え、また、表示板基板13の外周付近では、蓄光蛍光体層14の外周部14Bを透過してソーラーセル11が見えてしまい、外観品質を悪くするという問題点があった。
【0007】
また、ソーラー時計用表示板12がソーラーセル11上に組み付けられた状態では、蓄光蛍光体層14がソーラーセル11の表面に接触しているため、長時間の接触により、蓄光蛍光体層14の粒子が取れ、モジュール4の中に入り、最悪の場合、時計の止まりを起こすことがあった。また、接触により、干渉縞(ニュートンリング)が生じるようになって、外観品質を悪くするという問題点もあったし、また、更には、長時間の使用により、蓄光蛍光体層14が外気に触れて湿気で輝度が劣化するという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に着目して成されたものであって、その目的とするところは、光透過体である蓄光蛍光体層の内、外周部が薄くなっていても、ソーラーセルが透けて見えることがなく、外観品質がよくなるソーラー時計用表示板構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明に係るソーラー時計用表示板構造は、時計に内蔵されたソーラーセルと、このソーラーセルの表側に配設されたソーラー時計用表示板とを有するソーラー時計用表示板構造において、前記ソーラー時計用表示板の表示板基板を透明樹脂より構成し、この表示板基板13の表面または裏面の少なくとも一方に蓄光蛍光体層を形成し、この蓄光蛍光体層の外周から前記表示板基板の外周に、前記蓄光蛍光体層と同色調を有する有色樹脂層を形成したことを特徴とする。
【0010】
かかる構成により、光透過体である蓄光蛍光体層の周部が薄くなっていても、有色樹脂層があるために、ソーラーセルが透けて見えることがなく、外観品質がよくなる。
【0011】
また、上記の目的を達成するために、請求項2の発明に係るソーラー時計用表示板構造は、時計に内蔵されたソーラーセルと、このソーラーセルの表側に配設されたソーラー時計用表示板とを有するソーラー時計用表示板構造において、前記ソーラー時計用表示板の表
示板基板を有色樹脂より構成し、この表示板基板の表面または裏面の少なくとも一方に蓄光蛍光体層を形成し、この蓄光蛍光体層の外周から前記表示板基板の外周に、前記蓄光蛍光体層と同色調を有する有色樹脂層を形成したことを特徴とする。
【0012】
かかる構成により、光透過体である蓄光蛍光体層の周部が薄くなっていても、表示板基板が有色樹脂より成るために、ソーラーセルが透けて見えることがなく、外観品質がよくなる。また、蓄光蛍光体層の色と有色樹脂の色とにより新しい色調の表現ができる。また、更に、蓄光蛍光体層の光が有色樹脂により反射され、蓄光蛍光体層の輝度を上げることができる。
【0013】
また、光透過体である蓄光蛍光体層の周部が薄くなっていても、表示板基板が有色樹脂より成り、しかも、有色樹脂層があるために、ソーラーセルが透けて見えることがなく、外観品質がよくなる。
【0014】
また、上記の目的を達成するために、請求項3の発明に係るソーラー時計用表示板構造は、請求項1または請求項2に記載のソーラー時計用表示板構造において、前記蓄光蛍光体層と前記有色樹脂層とを裏面に形成した前記表示板基板であって、該表示板基板の裏面の外周に、前記蓄光蛍光体層の厚みより厚いスぺーサーを配設して、前記ソーラーセルとの間に隙間を形成するようにしたことを特徴とする。
【0015】
かかる構成により、光透過体である蓄光蛍光体層の周部が薄くなっていても、有色樹脂層があるために、ソーラーセルが透けて見えることがなく、外観品質がよくなるばかりか、ソーラー時計用表示板がソーラーセル上に組み付けられた状態では、スペーサーによりソーラーセルと蓄光蛍光体層との間には隙間が存在するために、蓄光蛍光体層の粒子が取れるということがなく、干渉縞(ニュートンリング)が生じることもないため、機能品質の問題がなくなり、その上、外観品質もよくなる。
【0016】
また、上記の目的を達成するために、請求項4の発明に係るソーラー時計用表示板構造は、請求項1または請求項2に記載のソーラー時計用表示板構造において、前記蓄光蛍光体層と前記有色樹脂層とを表面に形成した前記表示板基板であって、該表示板基板の裏面の外周に、前記蓄光蛍光体層の厚みより厚いスぺーサーを配設して、前記ソーラーセルとの間に隙間を形成するようにしたことを特徴とする。
【0017】
かかる構成により、光透過体である蓄光蛍光体層の周部が薄くなっていても、有色樹脂層があるために、ソーラーセルが透けて見えることがなく、外観品質がよくなるばかりか、ソーラー時計用表示板がソーラーセル上に組み付けられた状態では、スペーサーによりソーラーセルと蓄光蛍光体層との間には隙間が存在するために、干渉縞(ニュートンリング)が生じることもなく、機能品質の問題がなくなり、その上、外観品質もよくなる。
【0018】
また、上記の目的を達成するために、請求項5の発明に係るソーラー時計用表示板構造は、請求項1または請求項2項または請求項3または請求項4に記載のソーラー時計用表示板構造において、前記蓄光蛍光体層の表面に、透明樹脂層を形成したことを特徴とする。
【0019】
かかる構成により、光透過体である蓄光蛍光体層の周部が薄くなっていても、ソーラーセルが透けて見えることがなく、外観品質がよくなるばかりか、ソーラー時計用表示板がソーラーセル上に組み付けられた状態では、スペーサーによりソーラーセルと蓄光蛍光体層との間には隙間が存在するために、干渉縞(ニュートンリング)が生じることもなく、機能品質及び外観品質がよくなる。しかも、透明樹脂層により蓄光蛍光体層の表面が覆われているために、蓄光蛍光体層が外気に触れることがなくなって、蓄光蛍光体層の湿気等による輝度劣化を防止することができる。
【0020】
また、請求項1または請求項2または請求項3においては、スペーサーによりソーラーセルと蓄光蛍光体層との間には隙間が存在するために、蓄光蛍光体層の粒子が取れるということがなく、この結果、モジュールへの悪影響もなくなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0022】
(実施例1)
図1は本発明に係るソーラー時計用表示板構造の一部省略した断面図である。なお、本発明に係るソーラー時計用表示板構造において、従来例と同じ部品については同じ符号を付す。
【0023】
本発明に係るソーラー時計用表示板構造の実施例1は、図1に示すようにモジュール4の表側に固着されたソーラーセル11と、このソーラーセル11の表側に設けられたソーラー時計用表示板12から構成してある。ソーラーセル11は、従来例で説明したように平面視で扇形状をしていて、4枚のソーラーセル11を絶縁帯11aを挟んで配置してある。
【0024】
そして、ソーラー時計用表示板12は、無色透明樹脂からなる表示板基板13と、この表示板基板13の裏面(下面)に設けられた蓄光蛍光体層14と、表示板基板13の裏面の外周及び孔13Aの外周に形成されて蓄光蛍光体層14と同色調を有する外側有色樹脂層15B及び内側有色樹脂層15Aと、外側有色樹脂層15Bの上下方向に重ねて設けられたスペーサー16とから構成してある。
【0025】
すなわち、表示板基板13の裏面には、孔13Aの周囲に位置させてリング状の内側有色樹脂層15Aが、表示板基板13の外周側に位置させてリング状の外側有色樹脂層15Bがそれぞれ印刷により形成してある。そして、表示板基板13の裏面には、内、外側有色樹脂層15A、15Bの間に蓄光蛍光体層14が塗装またはスクリーン印刷、パッド印刷等により形成してあり、蓄光蛍光体層14の内周方に内側有色樹脂層15Aが位置し、蓄光蛍光体層14の外周方に外側有色樹脂層15Bが位置している。そして、外側有色樹脂層15Bの面には、アクリル樹脂製のリング状のスペーサー16が接着材16aにより設けてある。そして、表示板基板13の表面には時字21が設けてある。
【0026】
そして、4枚のソーラーセル11の外周部にリング状のヒートシール17(絶縁のため)が形成してある。また、前記スペーサー16は、裏面に接着剤16aの付いたアクリル樹脂シートをリング状にプレスにより打ち抜き成形したものである。
【0027】
そして、スペーサー16を外側有色樹脂層15Bに接着して、ソーラー時計用表示板12がソーラーセル11上に組み付けてあり、この場合、ソーラーセル11と蓄光蛍光体層14との間には隙間18が存在する。
【0028】
この場合、表示板基板13の板厚は約400μm程度であり、内、外側有色樹脂層15A、15Bの膜厚は5μm程度であり、スペーサー16の厚さは100μm程度であり、ヒートシール17の厚さは70μm程度である。
【0029】
無色透明樹脂からなる表示板基板13としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート(ポリ炭酸エステル)樹脂などの透明樹脂板を用いることが好ましく、腕時計寸法に応じた所定寸法に外形抜きによって作成する。
【0030】
また、蓄光蛍光体層14は、例えば、蓄光蛍光体(蓄光性夜光塗料)の粉末に対して、透明樹脂よりなるバインダーを混合して、表示板基板13の裏側に塗装またはスクリーン印刷、パッド印刷等により形成される。蓄光性蛍光体は、例えば、米国特許明細書第5,376,303号明細書に開示されているように、
MO・a(Al1 - b Bb )2 O3 :cR
0.5≦a≦10.0
0.0001≦b≦0.5
0.0001≦c≦0.2
(式中、MOはMgO、CaO、SrO及びZnOからなる群から選択した少なくとも1種の二価金属酸化物で、RはEu2 + に加えて、Pr、Nd、Dy及びTmからなる群から選択した少なくとも1種以上の希土類元素である)の組成式で示された青緑色発光蓄光性蛍光体が使用可能である。なお、これら以外の蓄光性蛍光体も使用可能であることは勿論である。
【0031】
また、バインダーとしては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂あるいはこれらの変成樹脂、またはUV硬化型アクリル系樹脂、UV硬化型ウレタン系樹脂などが使用可能であり、これら樹脂の硬化方法としては、熱硬化、UV硬化、常温硬化名度を採用することができる。
【0032】
また、蓄光性蛍光体層14の厚さを薄くしても、下面のソーラーセル11を見えにくくする手段として、蓄光性蛍光体層14の中に光拡散材を入れる方法がある。この場合、蓄光性蛍光の粉末に対して光拡散材を3〜18重量%、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは8〜12重量%の範囲で混練し、これに透明樹脂よりなるバインダーを混合して、表示板基板13の裏面に塗装または印刷により形成する。また光拡散剤としては、ケイ酸粉末、炭酸カルシウム粉末、燐酸カルシウム粉末などを用いることができ、その粒径は、所期の拡散硬化を考慮すれば、5〜15μm、より好ましくは8〜12μmであることが好適である。
【0033】
内、外側有色樹脂層15A、15Bは、蓄光性蛍光体層14と同色調(疑似色)を有する合成樹脂で形成され、これらの内、外側有色樹脂層15A、15Bは表示板基板13の裏面に印刷により形成されるものである。内、外側有色樹脂層15A、15Bを形成する有色樹脂は無色透明な合成樹脂に蓄光性蛍光体を混入して成形してもよい。
【0034】
上記した実施例1によれば、表示板基板13の裏面に、孔13Aの周囲に位置させてリング状の内側有色樹脂層15Aが、外周側に位置させてリング状の外側有色樹脂層15Bがそれぞれ印刷により形成してあるため、光透過体である蓄光蛍光体層14の内、外周部14A、14Bが表面張力により薄くなっていても、腕時計1を見た場合、表示板基板13の中心付近では、内側有色樹脂層15Aがあるために、ソーラーセル11が見えることがなく、また、表示板基板13の外周付近でも、外側有色樹脂層15Bがあるために、ソーラーセル11が見えることがない。このために、外観品質がよくなる。
【0035】
また、外側有色樹脂層15Bの面には、アクリル樹脂製のリング状のスペーサー16が接着剤16aにより設けてあって、ソーラー時計用表示板13がソーラーセル11上に組み付けられた状態では、スペーサー16により、ソーラーセル11と蓄光蛍光体層14との間には隙間18が存在するために、ソーラーセル11と蓄光蛍光体層14が接触せず、粒子が取れモジュール4に悪影響を及ぼすということがなく、更に、干渉縞(ニュートンリング)が生じることもないため、機能品質及び外観品質もよくなる。
【0036】
(実施例2)
図2は本発明に係るソーラー時計用表示板構造の実施例2の一部省略した断面図である。
【0037】
本発明に係るソーラー時計用表示板構造の実施例2におけるソーラー時計用表示板12は、無色透明樹脂からなる表示板基板13と、この表示板基板13の表面(上面)に設けられた蓄光蛍光体層14−1と、この蓄光蛍光体層14−1の表面に形成された透明樹脂層(オーバーコート)19と、表示板基板13の表面の外周に形成された光蛍光体層14−1と同色調を有する内、外側有色樹脂層15A−1、15B−1と、表示板基板13の裏側に設けられたスペーサー16とから構成してある。
【0038】
すなわち、実施例2にあっては、表示板基板13の表面には、孔13Aの周囲に位置させてリング状の内側有色樹脂層15A−1が、表示板基板13の外周側に位置させてリング状の外側有色樹脂層15B−1がそれぞれ印刷により形成してある。そして、表示板基板13の表面には、内、外側有色樹脂層15A−1、15B−1の間に蓄光蛍光体層14−1が塗装またはスクリーン印刷、パッド印刷等により形成してある。
【0039】
そして、内側有色樹脂層15A−1と蓄光蛍光体層14−1と外側有色樹脂層15B−1のそれぞれの表面に透明樹脂層19が形成してあり、この透明樹脂層19に時字21が印刷、接着等により設けてある。表示板基板13の裏面には、裏面に接着剤16aの付いたアクリル樹脂シートをリング状にプレスにより打ち抜き成形したスペーサー16が接着により設けてある。
【0040】
そして、スペーサー16を表示板基板13の裏面に接着したソーラー時計用表示板12がソーラーセル11上に組み付けてあり、この場合、ソーラーセル11と表示板基板13との間には隙間18が存在する。
【0041】
したがって、上記した実施例2によれば、光透過体である蓄光蛍光体層14−1の内、外周部14A−1、14B−1が薄くなっていても、表示板基板13の中心付近では、内側有色樹脂層15A−1があるために、ソーラーセル11が見えることがなく、また、表示板基板13の外周付近では、外側有色樹脂層15B−1があるために、ソーラーセル11が見えることがない。このために、外観品質がよくなり、また、ソーラーセル11と蓄光蛍光体層14−1との間には隙間18が存在するために、ソーラーセル11と蓄光蛍光体層14−1が接触することがなく、干渉縞(ニュートンリング)が生じることもないために、外観品質がよくなる。
【0042】
しかも、透明樹脂層19により蓄光蛍光体層14−1の表面全体が覆われているために、蓄光蛍光体層14−1の外周が外胴2の見切部との長期間の接触により粒子がとれモジュールの中に入り、機能問題を招くことがなくなり、更に、蓄光蛍光体層14−1が外気に触れて湿気で、輝度が劣化することがなくなる。
【0043】
(実施例3)
図3は本発明に係るソーラー時計用表示板構造の実施例3の一部省略した断面図である。
【0044】
本発明に係るソーラー時計用表示板構造の実施例3におけるソーラー時計用表示板12は、有色透明樹脂からなる表示板基板13−1と、この表示板基板13−1の裏面(下面)に設けられた蓄光蛍光体層14と、この蓄光蛍光体層14の表面に形成された透明樹脂層(オーバーコート)19と、表示板基板13−1の裏面の中心の孔13A−1周囲と表示板基板13−1の外周とに設けられたスペーサー16とから構成してある。この場合、有色透明樹脂からなる表示板基板13−1は、この表示板基板13−1の成形時に、蓄光蛍光体層14を形成する樹脂を混合することにより、蓄光蛍光体層14と同系色にしてある。
【0045】
すなわち、実施例3にあっては、表示板基板を有色透明樹脂から構成し、この表示板基板13−1の裏面には、外周側に位置させて裏面に接着剤16aの付いたアクリル樹脂シートをリング状にプレスにより打ち抜き成形したスペーサー16が接着剤16aにより接着してある。そして、表示板基板13−1の裏面には、接着されたスペーサー16の内周側に蓄光蛍光体層14が塗装またはスクリーン印刷、パッド印刷等により形成してあり、前記蓄光蛍光体層14の表面には透明樹脂層(オーバーコート)19が形成してある。そして、表示板基板13−1の表面には時字21が印刷、接着等で設けてある。
【0046】
そして、前記表示板基板13−1の裏面に接着したスペーサー16をソーラーセル11に接着されたヒートシール17の上に組み付けてあり、この場合、ソーラーセル11と透明樹脂層19が施された蓄光蛍光体層14との間には隙間18が存在する。
【0047】
したがって、上記した実施例3によれば、光透過体である蓄光蛍光体層14の内、外周部14A、14Bが薄くなっていても、表示板基板13−1が有色透明樹脂から構成してあるために、腕時計1を見た場合、表示板基板13−1の中心付近では、有色透明樹脂が蓄光蛍光体層14と同系色のためソーラーセル11が見えなくなり、また、表示板基板13−1の外周付近でも、前記同様にソーラーセル11が見えることがない。このために、外観品質がよくなるし、また、ソーラーセル11と透明樹脂層(オーバーコート)19が施された蓄光蛍光体層14との間には隙間18が存在するために、蓄光蛍光体層14の粒子が取れ、モジュール4の中に入り、機能に悪影響を及ぼすということがなく、隙間18により接触がなくなり、干渉縞(ニュートンリング)が生じることもないために、機能品質の問題がなくなり、その上、外観品質もよくなる。また、蓄光蛍光体層の色と有色樹脂の色とにより新しい色調の表現ができる。また、更に、蓄光蛍光体層の光が有色樹脂により反射され、蓄光蛍光体層の輝度を上げることができる。
【0048】
しかも、透明樹脂層19により蓄光蛍光体層14の表面全体が覆われているために、長時間の使用でも、蓄光蛍光体層14が外気に触れることがなくなって、蓄光蛍光体層14が湿気で、輝度が劣化することがなくなる。
【0049】
(実施例4)
図4は本発明に係るソーラー時計用表示板構造の実施例4の一部省略した断面図である。
【0050】
本発明に係るソーラー時計用表示板構造の実施例4におけるソーラー時計用表示板12は、有色透明樹脂からなる表示板基板13−1と、この表示板基板13−1の裏面(下面)に設けられた蓄光蛍光体層14と、この蓄光蛍光体層14の表面に形成された透明樹脂層(オーバーコート)19と、表示板基板13−1の裏面の中心の孔13A−1周囲と表示板基板13−1の外周とに形成された内、外側有色樹脂層15A、15Bと、これらの内、外側有色樹脂層15A、15Bに接着剤16aにより重ねて接着されたスペーサー16とから構成してある。
【0051】
すなわち、実施例4にあっては、表示板基板を有色透明樹脂で構成し、この表示板基板13−1の裏面には、孔13A−1の周囲に位置させてリング状の内側有色樹脂層15Aが、表示板基板13−1の外周側に位置させてリング状の外側有色樹脂層15Bがそれぞれ印刷により形成してある。そして、表示板基板13−1の裏面には、内、外側有色樹脂層15A、15Bの間に蓄光蛍光体層14が塗装またはスクリーン印刷、パッド印刷等により形成してあり、外側有色樹脂層15Bの面には、裏面に接着剤16aの付いたアクリル樹脂シートをリング状にプレスにより打ち抜き成形したスペーサー16が接着剤16aにより接着して設けてある。そして、蓄光蛍光体層14の表面に透明樹脂層(オーバーコート)19が形成してある。そして、表示板基板13−1の表面には時字21が設けてある。
【0052】
そして、スペーサー16をソーラーセル11に接着されたリング状のヒートシール17の上に重なるように配置して、ソーラー時計用表示板12をソーラーセル11上に組み付けてあり、この場合、ソーラーセル11と透明樹脂層19との間には隙間18が存在する。
【0053】
したがって、上記した実施例4によれば、光透過体である蓄光蛍光体層14の内、外周部14A、14Bが薄くなっていても、表示板基板13−1が有色透明樹脂から構成してあり、しかも、表示板基板13−1の裏面に、孔13A−1の周囲に位置させてリング状の内側有色樹脂層15Aが、外周側に位置させてリング状の外側有色樹脂層15Bがそれぞれ印刷により形成してあって、腕時計1を見た場合、表示板基板13−1の中心付近では、ソーラーセル11が見えることがなく、また、表示板基板13−1の外周付近でもソーラーセル11が見えることがない。このために、外観品質がよくなり、また、ソーラーセル11と蓄光蛍光体層14との間には隙間18が存在するために、ソーラーセル11と蓄光蛍光体層14が接触することがなく、干渉縞(ニュートンリング)が生じることもないために、外観品質がよくなる。また、蓄光蛍光体層の色と有色樹脂の色とにより新しい色調の表現ができる。また、更に、蓄光蛍光体層の光が有色樹脂により反射され、蓄光蛍光体層の輝度を上げることができる。
【0054】
しかも、透明樹脂層19により蓄光蛍光体層14の表面全体が覆われているために、蓄光蛍光体層14が長期間の接触により粒子がとれてモジュールの中に入り、機能低下を招くことがなくなり、更に、蓄光蛍光体層14が外気に触れて湿気で、輝度が劣化することがなくなる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るソーラー時計用表示板構造によれば、光透過体である蓄光蛍光体層の周部が薄くなっていても、ソーラーセルが透けて見えることがなく、外観品質がよくなる。
【0056】
また、ソーラー時計用表示板がソーラーセル上に組み付けられた状態では、ソーラーセルと蓄光蛍光体層との間には隙間が存在するために、ソーラーセルと蓄光蛍光体層が接触することがなく、干渉縞(ニュートンリング)が生じることもないために、外観品質がよくなる。また、蓄光蛍光体層の色と有色樹脂の色とにより新しい色調の表現ができる。また、更に、蓄光蛍光体層の光が有色樹脂により反射され、蓄光蛍光体層の輝度を上げることができる。
【0057】
また、透明樹脂層により蓄光蛍光体層の表面が覆われているために、蓄光蛍光体層が外気に触れることがなく、長期間の使用でも蓄光蛍光体層が湿気で、輝度が劣化することがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るソーラー時計用表示板装置の実施例1の一部省略した断面図である。
【図2】本発明に係るソーラー時計用表示板装置の実施例2の一部省略した断面図である。
【図3】本発明に係るソーラー時計用表示板装置の実施例3の一部省略した断面図である。
【図4】本発明に係るソーラー時計用表示板装置の実施例4の一部省略した断面図である。
【図5】従来のソーラー時計用表示板装置を備えた腕時計の平面図である。
【図6】同腕時計の断面図である。
【図7】従来のソーラー時計用表示板装置の一部省略した断面図である。
【符号の説明】
13 表示板基板
13A 孔
13−1 孔
14 蓄光蛍光体層
15A 内側有色樹脂層
15B 外側有色樹脂層
16 スペーサー
17 ヒートシール
Claims (5)
- 時計に内蔵されたソーラーセルと、このソーラーセルの表側に配設されたソーラー時計用表示板とを有するソーラー時計用表示板構造において、前記ソーラー時計用表示板の表示板基板を透明樹脂より構成し、この表示板基板の表面または裏面の少なくとも一方に蓄光蛍光体層を形成し、この蓄光蛍光体層の外周から前記表示板基板の外周に、前記蓄光蛍光体層と同色調を有する有色樹脂層を形成したことを特徴とするソーラー時計用表示板構造。
- 時計に内蔵されたソーラーセルと、このソーラーセルの表側に配設されたソーラー時計用表示板とを有するソーラー時計用表示板構造において、前記ソーラー時計用表示板の表示板基板を有色樹脂より構成し、この表示板基板の表面または裏面の少なくとも一方に蓄光蛍光体層を形成し、この蓄光蛍光体層の外周から前記表示板基板の外周に、前記蓄光蛍光体層と同色調を有する有色樹脂層を形成したことを特徴とするソーラー時計用表示板構造。
- 前記蓄光蛍光体層と前記有色樹脂層とを裏面に形成した前記表示板基板であって、該表示板基板の裏面の外周に、前記蓄光蛍光体層の厚みより厚いスぺーサーを配設して、前記ソーラーセルとの間に隙間を形成するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のソーラー時計用表示板構造。
- 前記蓄光蛍光体層と前記有色樹脂層とを表面に形成した前記表示板基板であって、該表示板基板の裏面の外周に、前記蓄光蛍光体層の厚みより厚いスぺーサーを配設して、前記ソーラーセルとの間に隙間を形成するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のソーラー時計用表示板構造。
- 前記蓄光蛍光体層の表面に、透明樹脂層を形成したことを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3または請求項4に記載のソーラー時計用表示板構造。
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