JP3744943B2

JP3744943B2 - 開封容易な鏡餅の形成包装方法

Info

Publication number: JP3744943B2
Application number: JP14349092A
Authority: JP
Inventors: 淳福田
Original assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Current assignee: Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date: 1992-05-08
Filing date: 1992-05-08
Publication date: 2006-02-15
Anticipated expiration: 2021-02-15
Also published as: JPH05310234A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、開封容易な鏡餅の成形包装方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図３をもとにして、鏡餅を成形包装する工程を説明すると、先ず、（イ）のように鏡餅の形状をした成形容器１に餅２を充填する。この成形容器１は餅２を固化させて鏡餅の形状に成形せしめるのに充分な強度を持ち、また、開封の際は、容易に剥離除去できる材料で形成してある。例えば、ポリエチレン等の合成樹脂である。成形容器１は、例えば、合成樹脂の原反から繰り出された平板状の樹脂フィルムを、型に合わせて圧空成形や真空成形して製造される。
そして、図３（ロ）のように餅２を充填した成形容器１をフィルム３で密封し、（ハ）に示すごとき、容器１の内部に鏡餅形状の餅２が入った包装製品４が完成する。以上のような包装製品４は、成形、包装の２つの工程が一度にでき、また、そのまま製品として出荷、販売等ができ、特に餅などの食品については、保存性が向上し、極めて衛生的であるといった利点がある。
また、図４に示すごとく、以上のような包装製品４の表面には、開封を容易にさせるための切り裂き用の切欠溝５が形成する。以上のような切欠溝５を拡大してみると図５のようになっていて、手でフィルムを持って両側に引っ張ることにより、切欠溝５に沿って容器を開封して、図６に示す鏡餅２を取り出すことができる。
従来、以上のような切り裂き用の切欠溝を形成するには、常温でトムソン刃を用いてフィルム表面を削り取って切欠溝を形成している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、常温ではフィルムが堅くなっているので、フィルム表面を削り取る際に刃先が著しく摩耗するとともに、切削かすの粉塵が飛散するといった問題が生じていた。
本発明はこれらの問題点を解決すべく創出されたもので、その目的とするところは、柔かい餅を充填密封する容器に開封用の切欠溝を設けるに際し、切削刃の摩耗を防ぐとともに、切削かすの粉塵が飛散して作業環境を損うことがないようにすることにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明にあっては、超音波発振機のホーン部先端の合成樹脂との当接部分を下側から支えるようにしてヒーターロールを当接させることにより、少なくとも合成樹脂フィルムの下面を５０乃至１８０℃に加熱し、加熱された合成樹脂フィルムの表面に超音波発振機のホーン部の先端を当接させ、合成樹脂フィルムを移動させながら、超音波発振機のホーン部先端を２００００〜４００００Ｈ z 程度の振動数で上下に振動させて、合成樹脂フィルムの表面を叩くことにより、合成樹脂フィルムに切り裂き用の切欠溝を合成樹脂フィルムの外表面に貫通しない程度に線状に連続的に形成し、該合成樹脂フィルムで切欠溝を外側にする鏡餅形状の容器であって、前記切欠溝は、鏡餅形状の容器の膨出した形状を左右に分断出来るように設けものを形成した後に、該容器の内部を上方に向けて柔かい餅を充填し、その上を樹脂フィルムで密封する手段よりなる構成をとっている。
【０００５】
【作用】
本発明は、開封容易な鏡餅の成形包装方法において合成樹脂フィルムの一部もしくは全部を加熱して軟化せしめた部分に、超音波振動によって切り裂き用の切欠溝を形成するから、切削かすの飛散を防ぐとともに切削刃の摩耗を防止する。
【０００６】
【実施例】
以下、本発明の開封容易な鏡餅の成形包装方法についての実施例を説明する。
（１）加熱された合成樹脂フィルムの表面に超音波振動によって切り裂き用の切欠溝を形成する手段
本発明は、鏡餅を充填密封する容器に切り裂き用の切欠溝を形成するに当り、合成樹脂フィルムを加熱してこの表面に切り裂き用の切欠溝を超音波振動によって形成するのであるが、これを具体的に示すと、図１において、１１は図示しない搬送手段によって矢印１０方向（図中右方向）に搬送される合成樹脂フィルムである。合成樹脂フィルム１１の上面に超音波発振機１２のホーン部１３の先端１４が当接しており、合成樹脂フィルム１１の下面には、ホーン部先端１４の当接部分を下側から支えるようにしてロール１５を当接させている。このロール１５は加熱手段を備えたヒーターロールで構成されており、ロール１５によって合成樹脂フィルム１１を加熱しながら切り裂き用の切欠溝５を形成する。
加熱温度は、本発明の目的を達成できる範囲で設定すれば良いが、ポリエチレン等の合成樹脂フィルムであれば５０〜１８０℃程度が適当である。
超音波発振機１２は２００００〜４００００Ｈz 程度の振動数で上下に振動し、ホーン部先端１４で叩いて、合成樹脂フィルム１１の表面に切り欠きを形成する。そして、このように合成樹脂フィルム１１を矢印１０方向に繰り出しながら、超音波発振機１２のホーン部先端１４で叩くことにより、先に図４、図５に示した切り裂き用の切欠溝５が線状に連続して形成される。
【０００７】
しかして、合成樹脂フィルム１１をロール１５で加熱することにより、フィルム表面の樹脂が軟らかくなって若干溶け出した粘着状態となり、そのような粘着状態において超音波発振機１２のホーン部先端１４で叩いて切欠溝５を形成することにより、合成樹脂フィルム１１の表面から削り取られた切削かすが飛散せずに、切欠溝５の周りに残る形となる。
これにより、フィルム加工時に飛び散る粉塵を著しく減らすことができる。また、このように樹脂が軟化した状態でホーン部先端１４を押し当てることによって、ホーン部先端１４の摩耗も軽減することが可能となる。
【０００８】
なお、加熱する手段として、以上のようなヒーターロールを用いる手段も考えられるが、要は超音波発振機１２のホーン部先端１４が当接する部分が所望の温度に加熱されていれば充分であり、図２に示すように合成樹脂フィルム１１を超音波発振機１２で切削加工する直前にヒーター１６を配設し、このヒーター１６によってフィルムのホーン部先端１４が当接する部分のみを加熱するように構成出来る。
この実施例のように超音波発振機を用いて切欠溝を形成するようにすると、レーザー光発振器などを用いて切欠溝を形成する場合に比べて低廉な超音波発振機を提供できるといった利点がある。またトムソン刃のような他の切削手段を用いた場合でも刃先の摩耗を軽減することができる。
【０００９】
（２）切欠溝を形成した合成樹脂フィルムで、この切欠溝を外側にして鏡餅形状の容器を形成する手段。
以上のように表面に切り裂き用の切欠溝５を形成された合成樹脂フィルム１１は、その後、例えば真空成形や圧空成形されて鏡餅の形状の容器１に成形される。
（３）鏡餅形状に形成された容器に柔かい餅を充填密封する手段。
図３の（イ）、（ロ）、（ハ）に示すように、成形容器（１）をその内部を上方に向けて、これに上方より柔かい餅２を充填し、フィルム３で密封する。これにより包装製品４が出来上る。
【００１０】
【発明の効果】
本発明の開封容易な鏡餅の成形包装方法は、加熱された合成樹脂フィルムの表面に超音波振動によって切り裂き用の切欠溝を形成する手段と、この合成樹脂フィルムで切欠溝を外側にする鏡餅形状の容器を形成する手段と、この容器の内部に柔かい餅を充填密封する手段とより構成されるものであるから、合成樹脂フィルムに切欠溝の加工時に飛び散る粉塵を著しく減らすことができ、作業環境を向上させることができる。また、樹脂が軟化した状態で加工することによって、超音波発振機のホーン部先端やトムソン刃の刃先などの工具先端における摩耗も軽減できる。
又、超音波発振機を用いて切欠溝を形成するので、レーザー光発振器を用いる場合に比べて低廉な超音波発振機を提供できるといった利点がある。
本願の方法で成形される包装製品は、成形と包装の２工程が一度にでき、そのまま製品として出荷、販売等ができるので、兎角保存期間が長くなる鏡餅については保存性が向上し、極めて衛生的であるという利点がある。
又、切り裂き用の切欠溝は、超音波発振機のホーン部の先端を当接させ、合成樹脂フィルムを移動させながら、超音波発振機のホーン部先端を２００００〜４００００Ｈ z 程度の振動数で上下に振動させて、合成樹脂フィルムの表面を叩くことにより、合成樹脂フィルムに切り裂き用の切欠溝を合成樹脂フィルムの外表面に貫通しない程度に線状に連続的に形成したので、鏡餅の役割終了後、鏡餅を合成樹脂フィルムの中から容易に取り出すことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明実施例の説明図
【図２】フィルムを加熱する手段の説明図
【図３】成形包装工程の説明図
【図４】包装製品の斜視図
【図５】図４Ａ−Ａ断面矢視図
【図６】鏡餅の斜視図
【符号の説明】
５切欠溝
１１合成樹脂フィルム
１２超音波発振機

Claims

ポリエチレン系合成樹脂フィルムの上面に、超音波発振器のホ−ン部の先端を当接させ、その下面に、上記のホ−ン部の先端の当接部分を下側から押さえるヒ−タ−ロ−ルを当接し、次いで、上記のヒ−タ−ロ−ルで上記のポリエチレン系合成樹脂フィルムを５０〜１８０℃に加熱しながら上記の超音波発振器のホ−ン部の先端を２００００〜４００００Ｈｚの振動数で上下に振動させて、そのホ−ン部の先端で上記のポリエチレン系合成樹脂フィルムの表面を叩いて上記のポリエチレン系合成樹脂フィルムの表面に切り欠きを形成し、同時に、上記のポリエチレン系合成樹脂フィルム一方向に繰り出しながら上記の超音波発振器のホ−ン部の先端で叩くことによる切り裂き用の切欠溝を線状に連続に形成し、次いで、上記の切り裂き用の切欠溝を線状に連続に形成したポリエチレン系合成樹脂フィルムを使用し、これを、上記の切欠溝が外側に位置するように、鏡餅形状容器に成形し、しかる後、上記の鏡餅形状容器内に、柔らかい餅を充填し、次いで、その開口部を樹脂フィルムで密閉することを特徴とする開封容易な鏡餅の成形包装方法。