JP3744846B2 - テープ移送装置のテープ検出機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テープ移送装置のテープ検出機構に関し、特に、継目検出用の検出手段を調整することなく厚さの異なるテープ材の継目を確実に検出可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ズボン等の身頃生地にベルトを通す為のベルトループは、ベルトループ片供給装置により供給されたベルトループ片を2本針ミシンで身頃生地に縫製して形成される。2本針ミシンには、ベルトループ片形成用のテープ材を所定長さ毎に切断するカッター装置と、このカッター装置へテープ材を移送するテープ移送装置も設けられている。
テープ移送装置には、テープ材の継目を検出したり、テープ材の有無を検出したりする各種の検出手段を備えたテープ検出機構が設けられており、これらの検出手段によりテープ材の継目やテープ材が無い状態を検出した場合には、送りローラを停止させてテープ材の移送を中断する。
【0003】
テープ検出機構としては種々の形式のものが提案されている。例えば、実用新案登録第2566997号公報に記載のテープ検出機構においては、継目やテープ材の有無を検出する為の検出部材がテープ材の移送方向と平行な鉛直面内で回動可能に設けられ、この検出部材の一端にはテープ材に当接する当接部が形成され、検出部材の他端には遮へい板が設けられている。当接部がテープ材の継目に当接したときには、検出部材が所定方向へ回動して遮へい板が継目検出用フォトセンサの発光素子と受光素子との間を遮ることにより、テープ材の継目を検出する。
【0004】
テープ移送台にテープ材が無い場合には、当接部がテープ材に当接しないために、検出部材は前記所定方向とは逆の方向に回動して、遮へい板がテープ検出用フォトセンサの発光素子と受光素子との間を遮ることにより、テープ材がテープ移送台に無い状態を検出する。ここで、継目検出用フォトセンサは、厚さの異なる種々のテープ材を移送する際に、継目及びテープ材の有無を確実に検出するように、適切な位置に調整される。
【0005】
また、特開平10−300456号公報に記載のテープ検出機構においては、継目やテープ材の有無を検出する為の検出部材がテープ材の移送方向と平行な鉛直面内で回動可能に設けられ、この検出部材の一端にはテープ材に当接する当接部が設けられ、検出部材の他端には扇形ギア部材が設けられている。扇形ギア部材には歯車が噛合しており、この歯車には回転形のポテンショメータが連結されている。当接部がテープ材の継目に当接したときは、検出部材が所定方向へ回動し、その回動角度を歯車を介してポテンショメータで検出して、テープ材の継目を検出する。一方、テープ移送台にテープ材が無い場合には、当接部がテープ材に当接しないために、検出部材が前記の所定方向とは逆の方向に回動し、その回動角度を歯車を介してポテンショメータで検出することで、テープ材がテープ移送台に無い状態を検出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
実用新案登録第2566997号公報に記載のテープ検出機構においては、継目を確実に検出する為には、厚さの異なる種々のテープ材をテープ移送装置により移送する際に、必ず継目検出用センサの位置を調節しなければならず、作業の効率が低下する。
一方、特開平10−300456号公報に記載のテープ検出機構においては、検出部材の回動角度をポテンショメータで検出することにより、継目やテープ材の有無を検出するため、厚さの異なるテープ材を移送する場合には、検出された回動角度から継目やテープ材が無い状態を判定する際の判定基準を変更するだけで済む。
【0007】
しかし、検出部材の回動角度を歯車の回転角度に変換してポテンショメータで検出するが、ポテンショメータの検出精度が低いと、継目やテープ材の有無を誤って判定してしまう虞がある。検出精度が高いポテンショメータを使用した場合には、製作コスト的に不利になる。また、継目検出におけるテープ材の厚さ等の設定を変更する場合に、操作パネルを操作して所定の設定項目を表示させてから設定を変更する必要があり、手間がかかる。
本発明の目的は、継目検出用の検出手段を調整することなく容易に厚さの異なる種々のテープ材の継目を検出可能なテープ検出機構を提供すること、継目やテープ材の有無を確実に検出可能なテープ検出機構を提供すること、等である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1のテープ移送装置のテープ検出機構は、テープ材をテープ移送台上で所定方向に移送するテープ移送装置において、前記テープ材に当接してテープ材を検出する為の第1テープ検出部材と、載置台に載置された基準テープ片に当接して基準テープ片を検出する為の第2テープ検出部材とを設け、第1、第2テープ検出部材の何れか一方に、テープ材の継目に当接したときの第1テープ検出部材の第2テープ検出部材に対する相対位置を検出する第1検出手段を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
テープ材は、テープ移送装置の送りローラにより、テープ移送台上で所定方向に移送されるが、この送りローラよりも上流側に第1テープ検出部材が設けられ、この第1テープ検出部材はテープ材に当接する。一方、載置台上には、テープ材の一部からなる基準テープ片が載置され、この基準テープ片には第2テープ検出部材が当接している。基準テープ片は、継目を含む継目部分であってもよいし、継目の無い部分(以下、継目無し部分という)であってもよい。
【0010】
第1テープ検出部材がテープ材の継目無し部分に当接している状態から、テープ材の継目部分がテープ検出機構に移送されると、第1テープ検出部材が継目を乗り上げることになるため、第1テープ検出部材の第2テープ検出部材に対する相対位置が変化する。この相対位置を第1検出手段により検出することで、テープ材の継目を検出することができる。
基準テープ片として移送されるテープ材の一部を使用することで、厚さの異なる他のテープ材を移送する場合でも、この基準テープ片を交換するだけで、第1テープ検出部材が継目に当接したときの第2テープ検出部材に対する相対位置を確実に検出できる。従って、厚さの異なる種々のテープ材を移送する度に第1検出手段を調整する必要はない。
【0011】
請求項2のテープ移送装置のテープ検出機構は、請求項1の発明において、前記第1、第2テープ検出部材は夫々テープ移送方向に平行な鉛直面内でその鉛直面に直交する共通の水平軸心回りに回動可能に傾斜状に配設され、第1、第2テープ検出部材には夫々テープ材及び基準テープ片に当接する当接部が形成され、これら当接部がテープ材及び基準テープ片に当接する方向に第1、第2テープ検出部材を夫々弾性付勢する付勢部材を設けたことを特徴とするものである。
【0012】
第1テープ検出部材の当接部がテープ材の継目無し部分に当接し、第2テープ検出部材の当接部が基準テープ片に当接している状態で、テープ材の継目部分がテープ検出機構に移送されると、第1テープ検出部材の当接部が継目を乗り上げ、第1テープ検出部材が第2テープ検出部材に対して相対的に前記鉛直面内で回動し、第1テープ検出部材の第2テープ検出部材に対する相対位置(相対的な傾斜角)が変化する。この相対位置を第1検出手段により検出することで、テープ材の継目を検出することができる。
また、第1、第2テープ検出部材は、夫々の当接部がテープ材及び基準テープ片に当接する方向に付勢部材により弾性付勢されているので、当接部は確実にテープ材及び基準テープ片に当接することになり、継目無し部分を誤って継目として検出したり、継目を検出し損なったりする虞がない。
【0013】
請求項3のテープ移送装置のテープ検出機構は、請求項2の発明において、前記第1検出手段は、第1、第2テープ検出部材の傾斜角が等しくなったときにONもしくはOFFになるセンサからなることを特徴とするものである。従って、例えば、第1テープ検出部材が継目に当接して前記鉛直面内で回動し、第1テープ検出部材の傾斜角が第2テープ検出部材の傾斜角と等しくなったときに、センサがONもしくはOFFになって、継目を検出するようにテープ検出機構を構成することができる。
【0014】
勿論、第1テープ検出部材が継目無し部分に当接しているときに、第1、第2テープ検出部材の傾斜角が等しくなってセンサがONもしくはOFFになり、第1テープ検出部材が継目に当接したときに、第1テープ検出部材が第2テープ検出部材に対して相対的に回動し、第1、第2テープ検出部材の傾斜角がずれてセンサがOFFもしくはONになるように、テープ検出機構を構成することもできる。
【0015】
請求項4のテープ移送装置のテープ検出機構は、請求項2又は3の発明において、第1テープ検出部材の当接部がテープ材に当接しない状態を検出する第2検出手段を設けたことを特徴とするものである。この第2検出手段は、テープ移送台に対して固定的に設けられる。テープ移送台上にテープ材が無い場合には、当接部が継目に当接した場合とは逆の方向に、第1テープ検出部材が前記鉛直面内で回動し、第1テープ検出部材の当接部はテープ移送台に当接するが、このときの第1テープ検出部材の位置を第2検出手段により検出することで、テープ移送台上にテープ材が無い状態を検出できる。
【0016】
請求項5のテープ移送装置のテープ検出機構は、請求項1〜4の何れかの発明において、前記第2テープ検出部材は、第1テープ検出部材の側方に略平行に配設されたことを特徴とするものである。従って、第2テープ検出部材を配設する為のスペースを最小限に抑えることが可能になり、テープ検出機構をコンパクトにすることができる。
【0017】
請求項6のテープ移送装置のテープ検出機構は、請求項1〜4の何れかの発明において、前記テープ移送台と載置台とが離間して配置されていることを特徴とするものである。従って、基準テープ片をセットしやすい位置に載置台を配置することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図1〜図5を参照して説明する。
本実施形態は、ズボン等の身頃生地に2本針ミシンにより縫製されるベルトループ片の形成用のテープ材を、テープ移送台上で所定方向へ移送するテープ移送装置に本発明を適用した一例である。尚、テープ材移送方向(図2における左方)を前方として以下説明する。
【0019】
まず、テープ移送装置1について簡単に説明する。
テープ移送装置1は、2本針ミシン(図示略)と共通のテーブル(図示略)上に配設され、テーブルには、テープ移送台2が固定的に設けられている。図2に示すように、ベルトループ片形成用のテープ材3はテープ移送台2に載置され、テープ移送台2上で、送りローラ4により前方のカッター装置(図示略)へ移送される。前方へ移送されたテープ材3は、カッター装置により所定長さ毎に切断される。送りローラ4の後方(上流側)には、テープ材3の継目3aやテープ材3の有無を検出するテープ検出機構5が設けられ、このテープ検出機構5により、継目3aが検出されたり、テープ材3がテープ移送台2上に無い状態が検出された場合には、後述の制御装置40(図5参照)から、送りローラ4を駆動する送り駆動モータ46に停止指令が送られてテープ材3の移送が中断される。
【0020】
次に、テープ検出機構5について説明する。
図1〜図4に示すように、テープ検出機構5は、テープ材3に当接してテープ材3を検出する為の第1テープ検出部材10と、テープ移送台2に載置された基準テープ片12に当接して基準テープ片12を検出する為の第2テープ検出部材11と、テープ材3の継目3aに当接したときの第1テープ検出部材10の第2テープ検出部材11に対する相対位置を検出する近接センサ13(第1検出手段)と、第1テープ検出部材10の当接部10aがテープ材3に当接しない状態を検出する近接センサ14(第2検出手段)などを備えている。
【0021】
第1テープ検出部材10は前後に細長い板状に形成され、この第1テープ検出部材10は、軸部材20により、前後方向に平行な鉛直面内でその鉛直面に直交する水平軸心21回りに回動可能に前方へ傾斜状に支持されている。軸部材20は、テープ移送台2に固定的に設けられた支持部材22に固定されている。第1テープ検出部材10の前端部にはテープ材3に当接する当接部10aが設けられ、この当接部10aは二股フォーク状に形成され、当接部10aの前端部は斜め上方へ折り曲げられるように形成されている。
【0022】
第1テープ検出部材10の後端には、近接センサ13により第1テープ検出部材10を検出する為の被検出体23が設けられている。ここで、第1テープ検出部材10の傾斜角と第2テープ検出部材11の傾斜角が微小角度ずれている場合でも、近接センサ13が第1テープ検出部材10を検出することができるように、被検出体23は第1テープ検出部材10の回動方向に所定の幅を有する。
第1テープ検出部材10において、軸部材20により支持されている部分よりもやや上側の部分にはスプリング24(付勢部材)の一端が固定され、スプリング24の他端はテープ移送台2に固定的に設けられた固定部材25に固定されている。このスプリング24により、第1テープ検出部材10は、当接部10aがテープ材3に当接する方向に弾性付勢されている。
【0023】
第2テープ検出部材11は、前後に細長い板状に形成され、第1テープ検出部材10の左方に配設されている。さらに、第2テープ検出部材11は、軸部材26により、前後方向に平行な鉛直面内で水平軸心21回りに回動可能に前方へ傾斜状に支持されている。軸部材26は、テープ移送台2に固定的に設けられた支持部材27に固定されている。第2テープ検出部材11の前端部には、第1テープ検出部材10の当接部10aと同様の形状を有する当接部11aが形成され、この当接部11aは、テープ材3の継目部分で構成され載置台(本実施形態においてはテープ移送台2が兼用)上に載置された基準テープ片12の継目12aに当接している。第2テープ検出部材11の後端部には、近接センサ13を支持するセンサ支持部11bが右方へ突出状に形成されている。
【0024】
第2テープ検出部材11にも、第1テープ検出部材10と同様にスプリング28(付勢部材)の一端が固定され、スプリング28の他端はテープ移送台2に固定的に設けられた固定部材29に固定されている。このスプリング28により、第2テープ検出部材11は、当接部11aが基準テープ片12に当接する方向に弾性付勢されている。
【0025】
継目検出用の近接センサ13は、第2テープ検出部材11のセンサ支持部11bの右端部の下側に設けられ、図2に示すように、第1テープ検出部材10の当接部10aがテープ材3の継目無し部分に当接している状態では、第1テープ検出部材10は、第2テープ検出部材11に対して反時計回りの方向に所定角度ずれた位置にあり、近接センサ13と被検出体23は近接しないため、近接センサ13はOFFの状態である。
【0026】
図2の状態から、テープ材3の継目部分がテープ検出機構5に移送されて、第1テープ検出部材10の当接部10aが継目3aに当接すると、図3に示すように、第1テープ検出部材10が時計回りの方向に回動して、第1、第2テープ検出部材10,11の傾斜角が等しくなる。このとき、被検出体23が近接センサ13に近接するため、近接センサ13がONの状態になり、近接センサ13は、後述の制御装置40に継目検出信号を送る。
【0027】
テープ材3の有無を検出する為の近接センサ14は、被検出体23の右側において、テープ移送台2に固定的に設けられた固定部材30に支持部材31を介して固定されている。図2、図3に示すように、テープ移送台2上にテープ材3が載置されており、第1テープ検出部材10の当接部10aがテープ材3に当接している状態では、近接センサ14と被検出体23は近接しておらず、近接センサ14はOFFの状態である。
【0028】
テープ材3が途切れてテープ移送台2上にテープ材3が載置されていない状態になると、図4に示すように、スプリング24の弾性付勢力により、第1テープ検出部材10が反時計回りの方向に回動して、当接部10aがテープ移送台2に当接する。このとき、被検出体23が近接センサ14に近接するため、近接センサ14がONの状態になり、近接センサ14は制御装置40にテープ無し検出信号を送る。
【0029】
次に、テープ移送装置1の制御装置40について説明する。
図5に示すように、制御装置40は、CPU41と、ROM42と、RAM43と、I/Oインターフェース44と、送り駆動モータ46の駆動回路45などで構成され、ROM42には、送り駆動モータ46を制御するプログラムが格納されている。
I/Oインターフェース44には、操作パネルからの信号が入力され、さらに、前述の近接センサ13からの継目検出信号と、近接センサ14からのテープ無し検出信号も入力される。近接センサ13,14から、継目検出信号又はテープ無し検出信号が入力されると、制御装置40は、送り駆動モータ46に停止指令を送り、送りローラ4を停止させる。
【0030】
次に、テープ検出機構5の作用について説明する。
図2に示すように、基準テープ片12の継目12aに第2テープ検出部材11の当接部11aが当接し、さらに、テープ移送台2上でテープ材3の継目無し部分が移送されている状態では、第1テープ検出部材10は第2テープ検出部材11に対して反時計回りの方向に所定角度ずれた状態であり、被検出体23は2つの近接センサ13,14の何れとも近接しておらず、近接センサ13,14は共にOFFの状態である。
【0031】
次に、図3に示すように、テープ材3の継目部分がテープ検出機構5に移送されくると、当接部10aが継目3aに当接して、第1テープ検出部材10は第2テープ検出部材11に対して時計回りの方向に回動し、第1、第2テープ検出部材10,11の傾斜角が等しくなる。このとき、被検出体23が近接センサ13に近接して近接センサ13がONになり、近接センサ13から継目検出信号が制御装置40に送られる。制御装置40は、送り駆動モータ46に停止指令を送って送りモータ4を停止させる。
【0032】
さらに、図4に示すように、テープ材3が途切れてテープ移送台2上にテープ材3が載置されていない状態になると、スプリング24の弾性付勢力により、第1テープ検出部材10は反時計回りの方向に回動して、当接部10aがテープ移送台2に当接する。このとき、被検出体23が近接センサ14に近接して近接センサ14がONになり、近接センサ14からテープ無し検出信号が制御装置40に送られ、制御装置40は、送り駆動モータ46に停止指令を送って送りモータ4を停止させる。
【0033】
以上説明したテープ検出機構5によれば、次のような効果が得られる。
1)第1テープ検出部材10がテープ材3の継目3aに当接したときに、第1、第2テープ検出部材10,11の傾斜角が等しくなり、この状態を近接センサ13で検出することにより、テープ材3の継目3aを検出できる。ここで、基準テープ片12として、移送されるテープ材3の継目部分を使用するため、別の厚さの異なるテープ材3を移送する場合には、基準テープ片12を交換しておくだけで、第1テープ検出部材10が継目3aに当接したときに同じように第1、第2テープ検出部材10,11の傾斜角が等しくなるので、同様に継目3aを正確に検出できるようになる。従って、厚さの異なるテープ材3を移送する度に、近接センサ13の面倒な調整作業を行う必要がなく、作業の効率を向上させることができる。
【0034】
2)第1、第2テープ検出部材10,11は、夫々の当接部10a,11aがテープ材3及び基準テープ片12に当接する方向にスプリング24,28により夫々弾性付勢されているので、当接部10a,11aは確実にテープ材3及び基準テープ片12に当接することになり、継目3aを誤って検出したり、継目3aを検出し損ねたりする虞がない。
3)第2テープ検出部材11は、第1テープ検出部材10の左方に略平行に配設されたので、第2テープ検出部材11を配設する為のスペースを最小限に抑えることが可能になり、テープ検出機構5をコンパクトにすることができる。
【0035】
4)被検出体23は、第1テープ検出部材10の回動方向に所定の幅を有するので、テープ材3の継目3aの厚さが一定でないために、当接部10aが継目3aに当接した状態で、第1テープ検出部材10の傾斜角と第2テープ検出部材11の傾斜角が完全に等しくならずに微小角度ずれている場合でも、近接センサ13が第1テープ検出部材10を検出できるため、継目3aを確実に検出することができる。
【0036】
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。
1〕基準テープ片12を、テープ材3の継目無し部分で構成してもよい。この場合には、第1テープ検出部材10の当接部10aがテープ材3の継目無し部分に当接しているときには、被検出体23が近接センサ13に近接しており、近接センサ13がONの状態である。次に、当接部10aが継目3aに当接したときには、近接センサ13と被検出体23との近接状態が解除されて、近接センサ13がOFFになり、このときに、近接センサ13から制御装置40に継目検出信号が送られることになる。
【0037】
2〕近接センサ13を第1テープ検出部材10に設けるとともに、被検出部23を第2テープ検出部材11に設けてもよい。
3〕第1、第2テープ検出部材10,11の傾斜角が等しくなったとき、つまり、テープ検出部材10の当接部10aが、テープ材3の継目3aに当接したときに、近接センサ13がOFFになり、当接部10aが継目無し部分に当接しているときには、第1、第2テープ検出部材10,11の傾斜角がずれて、近接センサ13がONになるようにしてもよい。
4〕第1検出手段としては、近接センサ13の他、赤外線センサ等、種々のセンサを使用できる。
【0038】
5〕テープ検出部材10の当接部10aがテープ材3の継目無し部分に当接している状態で、1つの近接センサが被検出体23に近接してONになるようにしてもよい。この近接センサは、前記実施形態における近接センサ13,14の両方の作用を兼ね備えているものである。つまり、当接部10aが継目3aに当接したときには、被検出体23が近接センサから離隔して近接センサ13がOFFになる。一方、テープ移送台2上にテープ材3が無く、当接部10aがテープ移送台2に当接したときにも、被検出体23が近接センサから離隔して近接センサがOFFになる。近接センサがOFFになると、継目又はテープ無しを検出したことを示す信号が制御装置40に送られて、制御装置40は送りローラ4を停止させる。
送りローラ4が停止したときに、作業者は、送りローラ4の停止が、継目3aが検出されたためか、テープ材3が無い状態が検出されたためかを、直接知ることはできないが、テープ材3をチェックすることにより、何れの原因によるものかを容易に認識できる。
【0039】
次に、本発明の別の実施形態(別実施形態1)について図6〜図9を参照して説明する。尚、前記実施形態と同じものについては同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
図6〜図9に示すように、テープ検出機構5Aは、テープ材3に当接してテープ材3を検出する為の第1テープ検出部材50と、テープ移送台2に載置された基準テープ片53に当接して基準テープ片53を検出する為の第2テープ検出部材51と、テープ材3の継目3aに当接したときの第1テープ検出部材50の第2テープ検出部材51に対する相対位置を検出する近接センサ13と、第1テープ検出部材50の当接部50aがテープ材3に当接しない状態を検出する近接センサ14などを備えている。
【0040】
第1、第2テープ検出部材50,51は、前記実施形態と略同様の構造を有するものであり、第1、第2テープ検出部材50,51の当接部50a,51aは、夫々テープ材3及び基準テープ片53に当接している。但し、基準テープ片53はテープ材3の継目無し部分で構成され、この基準テープ片53はテープ移送台2に水平に設けられた板部材54上に載置されている。
【0041】
第1テープ検出部材50の当接部50aが継目3aに当接したときに、第1、第2テープ検出部材50,51の傾斜角が等しくなるように、第1テープ検出部材50の水平軸心21から当接部50aまでの長さは、第2テープ検出部材51の水平軸心21から当接部51aまでの長さよりも長くなっている。
前記実施形態と同様に、近接センサ13は第2テープ検出部材51の後端部に設けられ、被検出部23は第1テープ検出部材50の後端に連結されている。また、近接センサ14はテープ移送台2に固定的に設けられている。
【0042】
次に、テープ検出機構5Aの作用について説明する。
図7に示すように、テープ材3の継目無し部分で構成された基準テープ片53に第2テープ検出部材51の当接部51aが当接し、テープ材3の継目無し部分がテープ検出機構5Aに移送されている状態では、近接センサ13,14は共にOFFの状態である。
次に、図8に示すように、テープ材3の継目3aがテープ検出機構5Aに移送されてきた場合には、第1テープ検出部材50は第2テープ検出部材51に対して時計回りの方向に回動し、第1、第2テープ検出部材50,51の傾斜角が等しくなる。このとき、被検出体23が近接センサ13に近接して近接センサ13がONになり、近接センサ13から継目検出信号が制御装置40に送られる。
【0043】
さらに、図9に示すように、テープ材3が途切れてテープ移送台2上にテープ材3が載置されていない状態になると、スプリング24の弾性付勢力により、第1テープ検出部材50は反時計回りの方向に回動して、当接部50aがテープ移送台2に当接する。このとき、被検出体23が近接センサ14に近接して近接センサ14がONになり、近接センサ14からテープ無し検出信号が制御装置40に送られる。
【0044】
以上説明したテープ検出機構5Aによれば、前記実施形態と同様の効果が得られる。また、予め、第1、第2テープ検出部材50,51の水平軸心21から当接部50a,51aまでの長さや、板部材54の厚さを任意に設定することで、検出可能な継目の厚さを適切な値とすることができる。つまり、継目無し部分を誤って継目として検出しないようしたり、比較的厚さの薄い継目(例えば、継目無し部分の1.2倍)も検出できるようにして継目を検出し損ねたりしないようにすることもできる。
【0045】
次に、さらに別の実施形態(別実施形態2)について図10を参照して説明する。尚、前記実施形態及び別実施形態1と同じものについては同じ符号を付し、その説明を適宜省略する。
図10に示すように、テープ移送装置1Bにおいて、テープ材3は、テーブル60に固定的に設けられたテープ移送台2B上に載置され、送り駆動モータ46で駆動される送りローラ4により前方のカッター装置(図示略)へ移送される。このテープ移送装置1Bにはテープ材3の継目3aやテープ材3の有無を検出するテープ検出機構5Bが設けられている。
【0046】
テープ検出機構5Bは、テープ材3に当接してテープ材3を検出する為の第1テープ検出部材62と、テープ移送台2Bよりも高い載置台61に載置された基準テープ片53に当接して基準テープ片53を検出する為の第2テープ検出部材63と、近接センサ13,14などを備えている。載置台61は、テーブル60においてテープ移送台2Bの側方に設けられており、この載置台61上には板部材54を介して基準テープ片53が載置されている。
【0047】
第1テープ検出部材62は、テープ材3に当接する当接部62aを有する前側部材64と、被検出体23を支持する為の後側部材65と、前側部材64と後側部材65を連結する連結部材66〜68などを有する。第2テープ検出部材63は、前記実施形態と略同様の構造を有するものであり、その前端部には基準テープ片53に当接する当接部63aが設けられている。第1、第2テープ検出部材62,63の後端部には、被検出体23と近接センサ13が夫々設けられている。載置台61には固定部材69が設けられ、この固定部材69に近接センサ14が固定されている。尚、図示しないが、第1、第2テープ検出部材62,63は、それらの当接部62a,63aがテープ材3及び基準テープ片53に当接する方向に、夫々スプリングにより弾性付勢されている。
【0048】
テープ検出機構5Bの作用について説明する。図10に示すように、第1テープ検出部材62の当接部62aがテープ材3の継目無し部分に当接しているときには、被検出体23は近接センサ13に近接しておらず、近接センサ13はOFFである。この状態からテープ材3の継目部分がテープ検出機構5Bに移送され、当接部62aが継目3aに当接すると、連結部材66〜68を介して第1テープ検出部材62の後側部材65が時計回りに回動して、被検出体23が近接センサ13に近接して近接センサ13がONになる。一方、テープ移送台2B上でテープ材3が途切れたときには、当接部62aがテープ移送台2Bに当接し、後側部材65が反時計回りに回動して、被検出体23が近接センサ14に近接して近接センサ14がONになる。
【0049】
以上説明したテープ検出機構5Bによれば、テープ移送台2Bと載置台61の高さが異なるため、厚さの異なるテープ材3を移送するために基準テープ片53を交換する場合に、第1テープ検出部材62の当接部62a等が干渉せず、容易に基準テープ片53を載置台61にセットすることができる。
【0050】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、第1テープ検出部材がテープ材の継目に当接したときの第1テープ検出部材の第2テープ検出部材に対する相対位置を第1検出手段により検出することで、テープ材の継目を検出できる。ここで、基準テープ片として、移送されるテープ材の一部を使用することで、厚さの異なる種々のテープ材を移送する場合においても、基準テープ片を交換するだけで、第1テープ検出部材が継目に当接したときの第2テープ検出部材に対する相対位置を確実に検出できる。従って、厚さの異なるテープ材を移送する度に、面倒な第1検出手段の調整作業を行う必要がなく、作業の効率を向上させることができる。
【0051】
請求項2の発明によれば、テープ検出機構にテープ材の継目部分が移送され、第1テープ検出部材の当接部が継目に当接すると、第1テープ検出部材の当接部が継目を乗り上げ、第1テープ検出部材が第2テープ検出部材に対して相対的に前記鉛直面内で回動して、第1テープ検出部材の第2テープ検出部材に対する相対位置が変化する。この相対位置を第1検出手段により検出することで、テープ材の継目を検出することができる。また、第1、第2テープ検出部材は、夫々の当接部がテープ材及び基準テープ片に当接する方向に付勢部材により弾性付勢されているので、当接部は確実にテープ材及び基準テープ片に当接することになり、継目無し部分を誤って継目として検出したり、継目を検出し損なったりする虞がない。その他、請求項1と同様の効果が得られる。
【0052】
請求項3の発明によれば、第1検出手段は、第1、第2テープ検出部材の傾斜角が等しくなったときにONになる近接センサからなるので、例えば、第1テープ検出部材が継目に当接して前記鉛直面内で回動して、第1テープ検出部材の傾斜角が第2テープ検出部材の傾斜角と等しくなったときに、近接センサがONになって、継目を検出するようにテープ検出機構を構成することができる。
【0053】
また、第1テープ検出部材が継目無し部分に当接しているときに、第1、第2テープ検出部材の傾斜角が等しくなって近接センサがONとなり、第1テープ検出部材が継目に当接したときに、第1テープ検出部材が第2テープ検出部材に対して相対的に回動して、第1、第2テープ検出部材の傾斜角がずれて近接センサがOFFになるように、テープ検出機構を構成することもできる。その他、請求項2と同様の効果が得られる。
【0054】
請求項4の発明によれば、第1テープ検出部材の当接部がテープ材に当接しない状態を検出する第2検出手段を設けたので、テープ移送台上にテープ材が無い場合に、第1テープ検出部材はテープ移送方向に平行な鉛直面内で回動して、第1テープ検出部材の当接部はテープ移送台に当接することになるが、このときの第1テープ検出部材の位置を第2検出手段により検出することで、テープ移送台上にテープ材が無い状態を検出できる。その他、請求項2又は3と同様の効果が得られる。
【0055】
請求項5の発明によれば、第2テープ検出部材は、第1テープ検出部材の側方に略平行に配設されたので、第2テープ検出部材を配設する為のスペースを最小限に抑えることが可能になり、テープ検出機構をコンパクトにすることができる。その他、請求項1〜4と同様の効果が得られる。
請求項6の発明によれば、テープ移送台と載置台とが離間して配置されているため、第1テープ検出部材等の他の部材と干渉することがなく、基準テープ片をセットしやすい位置に載置台を配置することができる。その他、請求項1〜4と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るテープ検出機構の平面図である。
【図2】テープ検出機構(継目無し状態)の側面図である。
【図3】テープ検出機構(継目検知状態)の側面図である。
【図4】テープ検出機構(テープ無し検知状態)の側面図である。
【図5】制御装置の機能ブロック図である。
【図6】別実施形態1の図1相当図である。
【図7】別実施形態1の図2相当図である。
【図8】別実施形態1の図3相当図である。
【図9】別実施形態1の図4相当図である。
【図10】別実施形態2のテープ検出機構の側面図である。
【符号の説明】
1,1B テープ移送装置
2,2B テープ移送台
3 テープ材
3a 継目
5,5A,5B テープ検出機構
10,50,62 第1テープ検出部材
10a,50a,62a 当接部
11,51,63 第2テープ検出部材
11a,51a,63a 当接部
12,53 基準テープ片
13,14 近接センサ
21 水平軸心
24,28 スプリング
61 載置台

Claims (6)

  1. テープ材をテープ移送台上で所定方向に移送するテープ移送装置において、
    前記テープ材に当接してテープ材を検出する為の第1テープ検出部材と、
    載置台に載置された基準テープ片に当接して基準テープ片を検出する為の第2テープ検出部材とを設け、
    第1、第2テープ検出部材の何れか一方に、テープ材の継目に当接したときの第1テープ検出部材の第2テープ検出部材に対する相対位置を検出する第1検出手段を設けたことを特徴とするテープ移送装置のテープ検出機構。
  2. 前記第1、第2テープ検出部材は夫々テープ移送方向に平行な鉛直面内でその鉛直面に直交する水平軸心回りに回動可能に傾斜状に配設され、第1、第2テープ検出部材には夫々テープ材及び基準テープ片に当接する当接部が形成され、これら当接部がテープ材及び基準テープ片に当接する方向に第1、第2テープ検出部材を夫々弾性付勢する付勢部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載のテープ移送装置のテープ検出機構。
  3. 前記第1検出手段は、第1、第2テープ検出部材の傾斜角が等しくなったときにONもしくはOFFになるセンサからなることを特徴とする請求項2に記載のテープ移送装置のテープ検出機構。
  4. 第1テープ検出部材の当接部がテープ材に当接しない状態を検出する第2検出手段を設けたことを特徴とする請求項2又は3に記載のテープ移送装置のテープ検出機構。
  5. 前記第2テープ検出部材は、第1テープ検出部材の側方に略平行に配設されたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のテープ移送装置のテープ検出機構。
  6. 前記テープ移送台と載置台とが離間して配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のテープ移送装置のテープ検出機構。
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