JP3744126B2 - 太陽電池モジュールの外部リード接続構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は絶縁性フレキシブル基板を用いた太陽電池セルなどを保護フィルムで被覆した太陽電池モジュールの内部配線と外部リード部材との接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブル基板を用いたフレキシブルタイプの太陽電池は、製造の際にロールツーロール方式、あるいはステッピングロール方式により高い生産性を実現できることから有望視されている。また軽量でフレキシブルなため、任意の形状の面上に設置でき、さらに、長尺のものが得られるため、特に面積の大きい住宅等の屋根上に設置するのに有利である。このような太陽電池は屋外に設置されるため、耐候性の確保と、設置作業時の損傷防止を目的として、従来より製造されているガラスタイプの太陽電池と同様にエチレンビニルアセテート(以下、EVAと記す)等の保護フィルムにより封止される。図5は被覆封止された長尺の太陽電池の一部を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるXX断面図である。フレキシブル基板1sの1面に第1電極1a、光電変換層1p、第2電極1bが順次位置をずらして積層されて太陽電池セル1が多数形成されている。さらに、太陽電池セル1は各同極の電極層1a、1bを、金属箔よりなる内部配線3によって、並列接続されており、全体の両面を保護フィルム4により被覆封止されている。所定の連続したセル数を裁断して1つの太陽電池モジュールとされる。
【0003】
太陽電池モジュールから電力を外部機器に供給するための、太陽電池モジュールと外部リードとの従来の接続構造を説明する。先ず、太陽電池モジュールの内部配線の端部上の保護フィルムを、超音波カッターとナイフ等の鋭利な刃を併用して切断除去し、内部配線の端部を露出させる。つぎに、この露出部に外部リードの端部のワイヤをハンダ付けして接続する。さらに、この接続部とその周縁部にフッ素系の粘着テープを粘着する。また、当発明者が先に提案した太陽電池モジュール端部全面を封止する構造がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記のような構造では次のような問題点があった。ナイフが内部配線まで切断してしまうことがあり、また、内部配線と保護フィルムの接着力が強くて均一な除去ができず端部処理がやりにくい、作業時間がかかりすぎて能率が悪い。
【0005】
また、端部処理方法としての、フッ素系粘着テープは剥離し易く信頼性に欠ける。
さらに、太陽電池モジュール端部全面を封止する構造では、作業性も悪く、コストが高くなってしまう問題があった。
この発明の目的は、上記の問題点に鑑み、作業性が良好で、外観の良好な、取扱いが便利で、かつ、耐候性の高い端部処理をされた太陽電池モジュールの外部リードの接続構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、フレキシブルな基板上に形成された光電変換素子と前記光電変換素子の異なる極性の電極に接続された内部配線が、少なくとも2枚以上のフレキシブルな保護フィルムに挟まれて被覆封止されてなる太陽電池モジュールの前記内部配線と外部リードとを接続する太陽電池モジュールの外部リード接続構造において、前記外部リードの芯線に接続された圧着端子は、前記内部配線に開けられた穴を貫通するハトメ鋲により太陽電池モジュールに圧着され、前記内部配線と電気的に接続されるとともに、前記外部リードと前記内部配線の接続部により形成された太陽電池モジュールの凸部を収める空間を有する枠状の絶縁性樹脂からなる補強カバーにより、前記接続部およびその周縁を両面から被覆封止することとする。
【0007】
【0008】
前記ハトメ鋲は、前記圧着端子と前記内部配線を挟む位置にさらに追加されたワッシャーとを同時に固定すると良い。
【0009】
フレキシブルな基板上に形成された光電変換素子と前記光電変換素子の異なる極性の電極に接続された内部配線が、少なくとも2枚以上のフレキシブルな保護フィルムに挟まれて被覆封止されてなる太陽電池モジュールの前記内部配線と外部リードとを接続する太陽電池モジュールの外部リード接続構造において、前記外部リードの芯線に接続された圧着端子は、前記内部配線に開けられた穴を貫通するスナップ鋲により太陽電池モジュールに圧着され、前記内部配線と電気的に接続されるとともに、前記外部リードと前記内部配線の接続部により形成された太陽電池モジュールの凸部を収める空間を有する枠状の絶縁性 樹脂からなる補強カバーにより、前記接続部およびその周縁を両面から被覆封止する。
【0010】
前記補強カバーは塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂またはポリカーボネート樹脂からなると良い。
前記補強カバーは箱の枠部はEVAからなり、底部はフッ素系フィルムからなると良い。
前記補強カバーは、その箱内部および枠部および前記接続部を面荒らしした後、プライマーを塗布し、接着剤を箱内に充填してから被覆、接着封止すると良い。
【0011】
前記補強カバーの少なくとも1辺の枠部は太陽電池モジュール端部の外側にあると良い。
本発明によれば、上記のように、ハトメ鋲またはスナップ鋲などの導電金具が内部配線を貫通し、外部リードが接続された圧着端子または外部リードの芯線を押さえるワッシャーまたは反対側のワッシャーを太陽電池モジュールの保護フィルムに圧着しているので、外部リードは懸かる外力に対する抵抗力は高く、太陽電池モジュールの設置作業は容易となり、また太陽電池モジュールの信頼性は向上することが期待できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施例1
図6は本発明に用いた長尺基板上の太陽電池を模式的に示し、(a)は透視平面図、(b)は(a)におけるXX断面図である。フレキシブルな基板1sには第1電極1a、光電変換層1p、第2電極1bが順次積層されている。この面を表面とする。基板1sには2種の孔が開けられており、第1の孔h1の内側で第1電極1aは裏面の第3電極1cに接続されており、第2の孔h2の内側で第2電極1bは裏面の第4電極1dに接続されている。次工程時に太陽電池を保護するため、表面にはEVAからなる保護フィルム1fが簡易ラミネート(80°Cで熱接着)されている。良品の1単位が長尺の基板から裁断線Cで裁断されて(例えば400mmx800mm)、太陽電池ユニット1uとされる。この太陽電池ユニット1uを多数枚並べ、長尺の保護フィルム1fでラミネートした後、所定ユニット数を裁断し、太陽電池モジュールMとする。
【0013】
図7は本発明に用いた長尺の保護フィルムでラミネートされた太陽電池を示し、(a)は透視平面図、(b)は(a)におけるXX断面図である。並べられた(間隔10mm)太陽電池ユニット1uは、その両外側に配置される、例えばSn/Cu/Sn材料からなる、金属箔である内部配線3(幅10mm) と、太陽電池ユニット1uの電極1e(図6の第3、4電極1c、1dである)を接続する導電性粘着剤付きAl箔である補助配線2(幅10mm) と共に、2枚の保護フィルム41、42によって本ラミネートされ、封止される。保護フィルム41、42は、EVAよりなり、膜厚0.60mm、幅1000mmとした。また、耐候性を向上するため、フッ素系フィルム、例えばETFE(四フッ化エチレンコポリマー)を、EVAの外側に設置することも可能である。本ラミネートは150°Cで加熱接着し、電極1e、補助配線2および内部配線3間の接続も確保した。上記の長尺のラミネートフィルムから、裁断線Cで裁断して、所定数の太陽電池ユニット1uを含む太陽電池モジュールMが得られる。
【0014】
電力を機器に供給するため、内部配線と外部リードとを接続する必要があり、以下、本発明に係わる接続方法を説明する。
図1は本発明に係わる太陽電池モジュールと圧着端子の接続部を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図である。
【0015】
先ず、太陽電池モジュールMの保護フィルム4と共に、内部配線3の所定の位置に、専用穴開け器およびハトメパンチに付属している穴開け部分を用いて、5mmΦの穴を開ける。次に圧着端子6aを重ね、全ての穴にハトメ鋲7を挿入し、ハトメパンチで固定する。
ハトメ鋲7の先端は折り返され保護フィルム4を貫通し内部配線3に接触し、内部配線3と圧着端子6aとの電気接続を確保している。
【0016】
穴の径はハトメ鋲7が入る大きさの5mmΦが良い。穴の径がこれよりも小さいとハトメ鋲7を挿入しにくく、また、これよりも大きいとハトメ鋲7と内部配線3とが接触しなく、電気的接触が取れないし、ハトメ鋲7の固定が不可能となる。
穴を開け、圧着端子6aを介してハトメ鋲7で固定する場合、ハトメ鋲7の先端が保護フィルム4を貫通し、金属箔よりなる内部配線3と接触し、電気的接触が可能となる。圧着端子6aは特に絶縁カバー6b付きであると、後の補強カバー8の被覆や熱収縮チューブの被覆により、絶縁被覆は確実に達せられる。
【0017】
圧着端子6aを用いると、外部リード10を施工時に接続すればよく、太陽電池モジュールMの運搬は容易となり、外部リード10の接続も容易となる。
図2は本発明に係わる補強カバーを示す斜視図であり、(a)は一体型補強カバーであり、(b)は個別型補強カバーである。一体型補強カバー8A、個別型補強カバー8Bは塩化ビニール製のシート状であり、表用カバー8aの枠の一部は外部リードが嵌まる切欠きが付けられている。裏用カバー8bには切欠きがなくてもよい。
【0018】
一体型補強カバー8A用材料は塩化ビニール樹脂の他に、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂等の太陽電池モジュールMの保護フィルム1fより剛性の高い材料を使用することができる。
図3は本発明に係わる一体型補強カバー8Aにより封止された太陽電池モジュールMと外部リード10の接続部を示す平面図である。一体型補強カバー8Aの枠部の内側にシリコーン接着剤( (株) セメダイン製、スーパーX)を充填し、外部リード接続部とその周縁部を太陽電池モジュールMの裏表から被せ、接着固定封止した。
【0019】
補強カバー8により、接続部とその周縁は被覆封止されたので、接続部は外部と接触することはなく、電気的にも絶縁される。また、補強カバー8は接続部の周縁の剛性を高めたので外部リード10に懸かる力を内部配線に伝えない。
一体型補強カバー8Aは、個別型補強カバー8Bより裏表のカバー位置の一致が容易であるが、個別型保護カバー8Bでも効果には代わりはない(後述)。
【0020】
補強カバー8の枠部は太陽電池モジュールM端部の外側に出て固定されされると良い。補強カバー8が太陽電池モジュールM端部の内側にあると、金属箔よりなる内部配線3部分を絶縁封止しきれずに、環境試験により絶縁不良を生じる。
一体型補強カバー8Aは太陽電池モジュールM端部より外側に張出しており、保護フィルム4の周縁端部を封止している。なお、シリコーン接着剤9を塗布する前に太陽電池モジュールM端部、一体型補強カバー8Aの接着面は予め、サンドペーパーで面荒らしし、溶剤洗浄してから、プライマー( (株) 信越シリコーン製、プライマーNC)を塗布してあり、その上からシリコーン接着剤9が充填されており、機械的強度は高く、また絶縁性も高い構造となっている。
【0021】
図4は本発明に係わる外部リードを接続された太陽電池モジュールの平面図である。上記の圧着端子接続部を有する太陽電池モジュールMを屋根上に設置後、外部リード10( (株) 住友電工製、架橋ポリエチレンキャブタイヤケーブル(HCV))を圧着端子6aに挿入し固定後、熱収縮チューブ11を被せて、熱風収縮させたものである。
【0022】
この外部リード10を接続した太陽電池モジュールMを屋外暴露6ケ月、および高温高湿(85°C、95%RH)試験を2000時間行ったが、外観は変化無く、電気的不良(絶縁不良)等の発生は見られなかった。
実施例2
実施例1における太陽電池モジュールMと外部リード10との接続部をホッチキス針12により補強した。図8は本発明に係る太陽電池モジュールと外部リードとの接続部の補強を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図である。ホッチキス針12は内部配線3と保護フィルム4とを貫通して固定している。ホッチキス針12の一方の脚はハトメ鋲7用の穴を通っている。ホッチキス針12の固定後、実施例1と同じく圧着端子6aと共に内部配線3と保護フィルム4をハトメ鋲7により固定した。なお、ホッチキス針12が圧着端子6aを押さえてから、ハトメ鋲7用の固定を行っても同様に補強することはできる。金属材料であるホッチキス針12と内部配線3は貫通されているため、電気的接触が取れ、また、ホッチキス針12とハトメ鋲7が接触することにより、さらに電気的接触が確実となる。ホッチキス針12による補強の結果、圧着端子6aに懸けた引っ張力に対して接続強度は更に増加した。
【0023】
以降、実施例1と同様に補強カバー8で被覆封止した。
この場合も、実施例1と同様な試験結果が得られた。
実施例3
実施例1では圧着端子6aはハトメ鋲7のワッシャーとして作用していたが、反対面にワッシャー13を追加してハトメ鋲7の固定力を増加させることができる。
【0024】
図9は本発明に係る外部リードの接続部を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図である。実施例1と同様に5mmΦの穴を内部配線3および保護フィルム4に同時に開け、裏面のみ、穴の外周部の保護フィルム4を先端がマイナスドライバー状の加熱治具により軟化させながらこそげ落とし穴径を約10mmΦとし、この部分にワッシャー13をはめ込み、反対側より圧着端子6aを重ねてハトメ鋲7により固定した。以降、実施例2と同様に補強カバー8で被覆封止した。
【0025】
この場合も、実施例1と同様な試験結果が得られた。
実施例4
太陽電池モジュールMと圧着端子6aとの接続を、実施例1のハトメ鋲7に換えてスナップ鋲14aとした。
図10は本発明に係る外部リードの接続部を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図である。予備の穴は開けずに、内部配線3上の保護フィルム4に圧着端子6aを重ねて、スナップ鋲14aの針を押し込み反対側まで貫通させ、スナップメス型14bをあてがい、ハトメパンチで接合固定した。
【0026】
スナップ鋲14aの先端は、内部配線3を貫通し、反対側まで出てくる。その先端はスナップメス型14bで固定されるため、電気的接触はより確実になる。
固定後、個別型補強カバー8B(図3(b))2枚を用い、実施例1と同様に太陽電池モジュールMと外部リードの接続部の被覆、封止を行った。
この場合も、実施例1と同様な試験結果が得られた。
実施例5
圧着端子6aを用いずに、外部リード10の芯線10aを直接ハトメ鋲7により固定した。図11は本発明に係る別の外部リードの接続部を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図である。内部配線3上の保護フィルム4に5mmΦの穴をあけ、直接、外部リード10の芯線10aを穴に挿入、折り返して、ハトメ鋲7により保護フィルム4と共に固定した。
【0027】
図12は本発明に係る他の補強カバーを示す斜視図であり、(a)は一体型補強カバーであり、(b)は個別型補強カバーである。枠状の一体型補強カバー15A、個別型補強カバー15BはEVAからなる枠部15aとETFEフィルムからなる底部15bからなる。
また、ETFEフィルムは他のフッ素系フィルムとすることができる。
【0028】
また、接着性を良くするため、フッ素系フィルムの表面にコロナ処理等を施すことは有効である。
上記のハトメ鋲7固定の後、内部配線3と外部リード10の接続部とその周縁を、実施例1と同様な方法で上記の一体型補強カバー15Aにシリコーン接着剤9を塗布して、被覆封止を行った。
【0029】
この場合も、実施例1と同様な試験結果が得られた。
実施例6
実施例5の一体型補強カバー15Aを個別型補強カバー15B(図12(b))に換えたが、この場合も、実施例1と同様な試験結果が得られた。
参考例
実施例5のハトメ鋲7の固定を、プラスチックからなる補強板16により補強した。
【0030】
図13は本発明の参考例に係る別の外部リードの接続部を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図である。厚さ1mmの塩化ビニル板に6mmΦの穴を開けて補強板16とした。補強板16の穴と内部配線3の穴とを一致させて補強板16を重ねて、外部リード10の芯線10aとハトメ鋲7を穴に通し、ハトメ鋲7をかしめ固定した。
【0031】
補強板16を保護フィルム4に当てたので、接続部の機械的強度は向上した。
さらに、外部リード10の接続部およびその周縁を個別型補強カバー8B(図3(b))2枚を用いて、実施例1と同様に被覆封止した。
この場合も、実施例1と同様な試験結果が得られた。
比較例1
実施例1と同様に外部リード10の接続を行い、補強カバー8を用いずに、シリコーン接着剤9のみで被覆封止を行った。
【0032】
図14は比較例の外部リード接続部を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるXX断面図である。シリコーン接着剤9がハトメ鋲7および圧着端子6aを被覆封止している。
比較例2
図15は他の比較例の外部リード接続部を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるXX断面図である。太陽電池モジュールM端部の部分の保護フィルム4を除去後、直接外部リード10の芯線10aを内部配線3に半田接続し、接続部およびその周縁にシリコーン接着剤9を塗布後、太陽電池モジュールM端部全面を粘着剤付きフッ素樹脂テープ17で封止した。
比較例3
図16は別の比較例の外部リード接続部を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるXX断面図である。太陽電池モジュールM端部の内部配線3部分の保護フィルム4を除去後、別途作製した端子金具18を2枚のEPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)フィルム19中に挿入した外部リード部材Lを用い、外部リード部材Lの端子金具18と内部配線3とを半田接続した。そして、太陽電池モジュールMの接続部側の端部全面に接着剤付きガラステープ20を被せて接着封止を行った。この作業は作業時間が長く、作業効率があまり良くなかった。
【0033】
比較例1ないし比較例3を実施例1と同様な屋外暴露6ケ月および高温高湿(85°C、95%RH)試験2000時間行ったところ、比較例1においては、特に高温高湿試験で、接着剤の周囲より少しづつ、剥離が生じており、外観不良となった。
比較例2においては、屋外暴露および高温高湿試験で粘着剤付きフッ素樹脂テープ17が剥がれて、封止効果が見られなかった。
【0034】
比較例3においては、大きな変化は見られなかったが、高温高湿試験で若干、太陽電池モジュールMとEPDMフィルム19界面の変色が見られた。また、前記作業性等を考慮するとコスト面は問題となる可能性がある。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、上記のように、ハトメ鋲またはスナップ鋲などの導電金具が内部配線を貫通し、外部リードが接続された圧着端子または外部リードの芯線を押さえるワッシャーまたは反対側のワッシャーを太陽電池モジュールの保護フィルムに圧着しているので、内部配線と外部リードの電気接続は確実となり、また外部リードは懸かる外力に対する抵抗力は高く、太陽電池モジュールの設置作業は容易となり、また太陽電池モジュールの信頼性は向上する。
【0036】
また、圧着端子を用いたので、外部リードを施工時に接続すればよく、モジュール運搬は容易となり、外部リードの接続作業は簡便となる。
さらにホッチキス針を用い内部配線と導電金具との電気接続および機械的強度の増強を行うことができる。
また、補強カバーにより、接続部とその周縁は被覆封止されたので、接続部は外部と接触することはなく、電気的にも絶縁される。また、補強カバーは接続部の周縁の剛性を高めたので外部リードに懸かる力を内部配線に伝えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる太陽電池モジュールと圧着端子の接続部を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図
【図2】 本発明に係わる補強カバーを示す斜視図であり、(a)は一体型補強カバーであり、(b)は個別型補強カバー
【図3】 本発明に係わる一体型補強カバーにより封止された太陽電池モジュールと外部リードの接続部を示す平面図
【図4】 本発明に係わる外部リードを接続された太陽電池モジュールの平面図
【図5】 被覆封止された長尺の太陽電池の1例の一部を示し、(a)は平面図、(b)は(a)におけるXX断面図
【図6】 本発明に用いた長尺基板上の太陽電池を模式的に示し、(a)は透視平面図、(b)は(a)におけるXX断面図
【図7】 本発明に用いた長尺の保護フィルムでラミネートされた太陽電池を示し、(a)は透視平面図、(b)は(a)におけるXX断面図
【図8】 本発明に係るる太陽電池モジュールと外部リードとの接続部の補強を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図
【図9】 本発明に係る外部リードの接続部を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図
【図10】 本発明に係る外部リードの接続部を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図
【図11】 本発明に係る別の外部リードの接続部を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図
【図12】 本発明に係る他の補強カバーを示す斜視図であり、(a)は一体型補強カバーであり、(b)は個別型補強カバー
【図13】 本発明の参考例に係る別の外部リードの接続部を示し、(a)は表側より見た平面図、(b)は裏側より見た平面図であり、(c)は(a)におけるXX断面図
【図14】 比較例の外部リード接続部を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるXX断面図
【図15】 他の比較例の外部リード接続部を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるXX断面図
【図16】 別の比較例の外部リード接続部を示し、(a)は平面図であり、(b)は(a)におけるXX断面図
【符号の説明】
1s 基板
1a 第1電極
1b 第2電極
1c 第3電極
1d 第4電極
1e 裏面電極
1p 光電変換素子
1u 太陽電池ユニット
1f 保護フィルム
h1 第1の孔
h2 第2の孔
C 裁断線
M 太陽電池モジュール
2 補助配線
3 内部配線
4 保護フィルム
41 保護フィルム
42 保護フィルム
6a 圧着端子
6b 絶縁カバー
7 ハトメ鋲
8 補強カバー
8A 一体型補強カバー
8B 個別型補強カバー
8a 表用カバー
8b 裏用カバー
9 シリコーン接着剤
10 外部リード
10a 芯線
11 熱収縮チューブ
12 ホッチキス針
13 ワッシャー
14a スナップ鋲
14b スナップメス型
15A 一体型補強カバー
15B 個別型補強カバー
15a 枠部
15b 底部
16 補強板
17 粘着剤付きフッ素樹脂テープ
18 端子金具
19 EPDMフィルム
20 接着剤付きガラステープ
L 外部リード部材
Claims (8)
- フレキシブルな基板上に形成された光電変換素子と前記光電変換素子の異なる極性の電極に接続された内部配線が、少なくとも2枚以上のフレキシブルな保護フィルムに挟まれて被覆封止されてなる太陽電池モジュールの前記内部配線と外部リードとを接続する太陽電池モジュールの外部リード接続構造において、前記外部リードの芯線に接続された圧着端子は、前記内部配線に開けられた穴を貫通するハトメ鋲により太陽電池モジュールに圧着され、前記内部配線と電気的に接続されるとともに、前記外部リードと前記内部配線の接続部により形成された太陽電池モジュールの凸部を収める空間を有する枠状の絶縁性樹脂からなる補強カバーにより、前記接続部およびその周縁を両面から被覆封止することを特徴とする太陽電池モジュールの外部リード接続構造。
- 前記ハトメ鋲は、前記圧着端子と前記内部配線を挟む位置にさらに追加されたワッシャーとを同時に固定することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの外部リード接続構造。
- フレキシブルな基板上に形成された光電変換素子と前記光電変換素子の異なる極性の電極に接続された内部配線が、少なくとも2枚以上のフレキシブルな保護フィルムに挟まれて被覆封止されてなる太陽電池モジュールの前記内部配線と外部リードとを接続する太陽電池モジュールの外部リード接続構造において、前記外部リードの芯線に接続された圧着端子は、前記内部配線に開けられた穴を貫通するスナップ鋲により太陽電池モジュールに圧着され、前記内部配線と電気的に接続されるとともに、前記外部リードと前記内部配線の接続部により形成された太陽電池モジュールの凸部を収める空間を有する枠状の絶縁性樹脂からなる補強カバーにより、前記接続部およびその周縁を両面から被覆封止することを特徴とする太陽電池モジュールの外部リード接続構造。
- 前記補強カバーは塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂またはポリカーボネート樹脂からなることを特徴とする請求項1ないし3に記載の太陽電池モジュールの外部リード接続構造。
- 前記補強カバーの枠部はエチレンビニルアセテート(EVA)からなり、底部はフッ素系フィルムからなることを特徴とする請求項1ないし4に記載の太陽電池モジュールの外部リード接続構造。
- 前記補強カバーは、その内部および枠部および前記接続部を面荒らしした後、プライマーを塗布し、接着剤を枠部内に充填してから被覆、接着封止することを特徴とする請求項1ないし5に記載の太陽電池モジュールの外部リード接続構造。
- 前記補強カバーの少なくとも枠部の1辺は太陽電池モジュール端部の外側にあることを特徴とする請求項1ないし6に記載の太陽電池モジュールの外部リード接続構造。
- 前記外部リードの前記太陽電池モジュールの外側部分は前記内部配線との接続が終了した後、熱収縮チューブにより被覆され、絶縁処理されることを特徴とする請求項1ないし7に記載の太陽電池モジュールの外部リード接続構造。
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