JP3743459B2 - ラム燃焼器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラムジェットエンジンの燃焼器に係わり、特に高い燃焼効率を有するラム燃焼器に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラムジェットエンジンは燃焼器ダクト内に高速で流入する空気をラム圧を利用して圧縮し燃料と混合して燃焼するもので、ターボジェットエンジンのような回転機構を有しないので構造が単純であり、機体の航行速度が大きくなると燃焼効率が向上する。このため、例えばマッハ数2.5〜5の航行速度の超音速航空機や宇宙往還機への適用が研究されている。
【0003】
図5はラムジェットエンジンの概略構造を示し、1は空気を導入するディフューザ、2は燃焼器ダクト、3は空気と燃料を混合し燃焼する燃焼室、4は燃焼したガスを噴出するジェットノズル、5はラム燃焼器である。
【0004】
図6は現在提案されているラム燃焼器の一例を示す構造図である。本ラム燃焼器5は円筒状の燃焼器ダクト2の燃焼室3に先端半球状の円筒形よりなる主燃焼器型保炎器10を配置する。この主燃焼器型保炎器10の後端外周にガッタ型保炎器11を周方向に複数配置し、先端には燃料ノズル6と点火栓7を設け、先端半球部には空気導入穴10aが多数設けられている。燃料ノズル6から燃料を噴射し、空気と混合して点火栓7で点火して燃焼する。主燃焼器型保炎器10内で保炎を行いながら、燃焼室3内ではガッタ型保炎器11のV字状断面により乱れの多い再循環域を発生させ、燃焼炎と空気とをさらに混合させて完全燃焼を図るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
超音速航行状態でマッハ数が増加するに従い燃料ノズル6から燃料供給を増加するが、主燃焼器型保炎器10の先端半球部に設けた空気導入穴10aからの空気量の増加が追従できなくなり、主燃焼器型保炎器10の内部が燃料過剰な状態となっていた。また、ラム燃焼器内では空気と燃料の混合が十分に行われず燃料分布が不均一となっていた。これらがあいまって燃焼効率が低下していた。
【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたもので、主燃焼器型保炎器の内部が燃料過剰状態になること及び燃料分布が不均一になることを防止して、燃焼効率の低下を防止するラム燃焼器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、ラムジェットエンジンの燃焼器ダクト内に配置されるラム燃焼器であって、供給された燃料と導入された空気とを混合し燃焼を行う主燃焼器型保炎器と、この主燃焼器型保炎器の前端中心位置に設けられ後端に開口を有し前端より第1燃料ノズルからの燃料の噴射を受けて内部で燃料に点火して燃焼させる副燃焼室と、を備え、前記主燃焼器型保炎器の周壁と前記副燃焼室の周壁との間には、空気と燃料を混合する予混合室が形成されており、前記主燃焼器型保炎器と前記副燃焼室の前端間には、エンジン前方から流入する空気を前記予混合室に導入するように開放された開口部が形成されているとともに、前記開口部の前方に配置され前記予混合室に燃料を噴射する第2燃料ノズルと、前記主燃焼器型保炎器の周壁前端に設けられ該周壁前端の内周部に設けられた複数の開口より径方向内側に向けて燃料を噴射する第3燃料ノズルとを備える。
【0008】
かかる構成により、主燃焼器型保炎器の前面は副燃焼室、第2燃料ノズルの存在する部分を除いて開放されており空気の取り入れ面積が十分大きいので、燃料増加に追従した空気の増加が可能であり燃料過剰状態となるのを防止することができる。また燃料は、第1燃料ノズルより主燃焼器型保炎器の前面中心に設けられた副燃焼室内に噴射され点火される。副燃焼室はその周壁により隔離されているので内部の燃料濃度が維持されるとともに保炎が行われる。第2燃料ノズルより主燃焼器型保炎器の周壁と副燃焼室の周壁との間に燃料が噴射され、さらに第3燃料ノズルにより主燃焼器型保炎器の前端外周に設けられた開口より燃料が噴射される。これらの燃料は前面より流入する空気と混合してその分布が均一化され、副燃焼室の火炎により着火され、副燃焼室の火炎とも混合して均一な燃料分布状態で燃焼が行われる。
【0009】
請求項2の発明は、前記第2燃料ノズルは円環状で半径外方向に複数の開口を有し、エンジン前方からの空気の流れと直交する方向に前記開口から燃料を噴出する。円環状ノズルの半径外方向に設けられた複数の開口から噴射した燃料は半径方向と直角に流入する空気により空気と同方向に曲げられ主燃焼器型保炎器の周壁と副燃焼室の周壁との間に均一に分布される。
【0010】
請求項3の発明は、前記主燃焼器型保炎器の周壁と前記副燃焼室の周壁との間に旋回流を生じさせるスワーラを設けている。第2燃料ノズルと第3燃料ノズルとから噴射された燃料はスワーラによって発生した旋回流により攪拌され均一な燃料分布となり、副燃焼室の火炎により着火され、副燃焼室の火炎とも混合して均一な燃料分布状態で燃焼が行われる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はラム燃焼器の縦断面図、図2は図1のX−X矢視図である。ラム燃焼器5は図6で示した燃焼器ダクト2により構成された燃焼室3内に設けられている。主燃焼器型保炎器10はラム燃焼器5の主体を構成し、前部円筒部10bとこれより拡径した後部円筒部10cよりなる。後部円筒部10cの後端外周には所定の間隔でガッタ型保炎器11が設けられ、そのV字状断面により乱れの多い再循環域を発生させてラム燃焼器5から排出された燃焼炎と空気との混合を促進する。
【0012】
主燃焼器型保炎器10の前部円筒部10bの中心には同軸上に円筒状の副燃焼室12が設けられ、第1燃料ノズル13が貫通して配置され燃料を噴射する。また中央部には点火栓7が設けられ噴出された燃料に点火する。またその後端にはフレア12aが設けられ燃焼ガスを拡散しながら流出する。
【0013】
前部円筒部10bの前方には円環状で半径外方向に複数の開口14aを有する第2燃料ノズル14が設けられており、燃料供給管15より燃料が供給される。第2燃料ノズル14より噴出した燃料は噴出方向と直角方向から流入する空気により空気の流れ方向(ラム燃焼器5の軸方向)に曲げられ空気と混合して主燃焼器型保炎器10の前部円筒部10bと副燃焼室12の周壁で構成される予混合室19に流入する。
【0014】
前部円筒部10bの前端外周部には燃料噴射用の開口10dが多数設けられ、この開口10dより燃料を噴射するようにした第3燃料ノズル16とこれに燃料を供給する燃料供給管17が設けられている。前部円筒部10bと副燃焼室12の先端間にはスワーラ18が設けられ旋回流を発生し、第2及び第3燃料ノズル14、16より噴射された燃料と空気とを予混合室19で均一に混合し、さらに後部円筒部10c内では副燃焼室12で発生した燃焼炎と混合して燃焼させ、均一な燃焼炎として後部円筒部10cより排出する。スワーラ18によって鎖線で示すような旋回渦Aが生じ第2及び第3燃料ノズル14、16から噴射された燃料は空気との混合が促進され、さらに、旋回渦Aの中心に生じる破線で示す渦Bによって副燃焼室12で発生した燃焼炎と混合し燃焼が促進される。
【0015】
【実施例】
以下本発明の実施例について説明する。
図3はラム燃焼器内の燃料分布の計測例を示す。(A)は図1で示したラム燃焼器5の後部円筒部10c先端の断面における燃料分布を示し、曲線Fは当量比を表す。当量比は燃料の質量をその燃料を全て燃焼させるに必要な空気の質量で割った値を表し燃料の濃度がわかる。曲線Fは両端でやや高くなるがほぼ平坦であり、燃料が空気と極めて均一に混合していることを示す。(B)は第2燃料ノズル14がなく、第1及び第3燃料ノズルの場合の燃料分布を示す。曲線Gは当量比の分布を示し、副燃焼室12のフレア部12aの後端近傍の燃料濃度が極端に低くなっている。この部分に第2燃料ノズル14から燃料が噴射されることにより(A)のような均一な分布となっており、第2燃料ノズル14が燃料分布に大きな影響を有していることがわかる。
【0016】
図4は本発明のラム燃焼器5を用いた場合と他のラム燃焼器5を用いた場合の燃焼効率を示す。曲線Aは図1に示す本発明のラム燃焼器5であり、曲線Bは図3の(B)に示した第2燃料ノズル14の無い場合であり、曲線Cは図6に示した従来のラム燃焼器の場合である。燃焼効率は排ガスサンプリングにより計測し、計測はラム燃焼器5の下流で行った。試験結果によれば本発明の場合、飛行マッハ数3に相当する当量比では燃焼効率は99%以上が得られ、当量比の増加につれて増加してゆく傾向を有する。なお、燃料としてはメタンガスを用いた。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明は、燃料ノズルをラム燃焼器の先端部の中心部、中間部、外周部の3箇所に設けて燃料を噴射することにより、燃料分布を均一にすることができ、燃焼効率を向上することができる。さらにスワーラによる旋回流により燃料と空気との一層の混合が促進され、燃焼効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1のX−X矢視図である。
【図3】(A)は実施例の燃料分布を示し、(B)は第2燃料ノズルのない場合の燃料分布を示す図である。
【図4】実施例の燃焼効率を示す図である。
【図5】ラムジェットエンジンの概略構成図である。
【図6】従来のラム燃焼器の構成図である。
【符号の説明】
1 ディフューザ
2 燃焼器ダクト
3 燃焼室
4 ジェットノズル
5 ラム燃焼器
7 点火栓
10 主燃焼器型保炎器
10b 前部円筒部
10c 後部円筒部
10d 燃料噴射用の開口
11 ガッタ型保炎器
12 副燃焼室
12a フレア部
13 第1燃料ノズル
14 第2燃料ノズル
15、17 燃料供給管
16 第3燃料ノズル
18 スワーラ
19 予混合室

Claims (3)

  1. ラムジェットエンジンの燃焼器ダクト内に配置されるラム燃焼器であって、
    供給された燃料と導入された空気とを混合し燃焼を行う主燃焼器型保炎器と、
    この主燃焼器型保炎器の前端中心位置に設けられ後端に開口を有し前端より第1燃料ノズルからの燃料の噴射を受けて内部で燃料に点火して燃焼させる副燃焼室と、を備え、
    前記主燃焼器型保炎器の周壁と前記副燃焼室の周壁との間には、空気と燃料を混合する予混合室が形成されており、
    前記主燃焼器型保炎器と前記副燃焼室の前端間には、エンジン前方から流入する空気を前記予混合室に導入するように開放された開口部が形成されているとともに、
    前記開口部の前方に配置され前記予混合室に燃料を噴射する第2燃料ノズルと、
    前記主燃焼器型保炎器の周壁前端に設けられ該周壁前端の内周部に設けられた複数の開口より径方向内側に向けて燃料を噴射する第3燃料ノズルと、を備えた、
    ことを特徴とするラム燃焼器。
  2. 前記第2燃料ノズルは円環状で半径外方向に複数の開口を有し、エンジン前方からの空気の流れと直交する方向に前記開口から燃料を噴出することを特徴とする請求項1記載のラム燃焼器。
  3. 前記主燃焼器型保炎器の周壁と前記副燃焼室の周壁との間に旋回流を生じさせるスワーラを設けたことを特徴とする請求項1または2記載のラム燃焼器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101251410B1 (ko) * 2011-06-02 2013-04-05 전북대학교산학협력단 램제트엔진용 회전형 연료분사장치 및 이를 구비한 램제트엔진

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