JP3742437B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、被検体内に超音波を放射し被検体内の各深さ位置で順次反射された超音波を順次受信して受信信号を得、その受信信号に基づく画像を表示する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検体、特に人体内に向けて超音波を放射し人体内の組織で反射されて戻ってきた超音波を受信して超音波による人体内の断層像を表示し、これにより人体の内臓等の疾患の診断を容易ならしめる超音波診断装置が従来より用いられている。
【0003】
図7は、超音波診断装置を操作している様子を示す模式図である。
操作者1が、被検者2に超音波プローブ40をあてがっている。この超音波プローブ40からは被検者2の体内に超音波が放射され、被検者2の体内で反射した超音波が超音波プローブ40で受信される。これにより得られた受信信号は、ケーブル41、コネクタ42を経由して超音波診断装置本体10に伝送され、超音波診断装置本体10に付属するモニタ画面11上に被検者2の体内の超音波断層像が表示される。
【0004】
超音波診断装置本体10の操作パネル12上には、ゲインコントロールつまみ13、およびこの図の例では5つのSTCコントロール用スライドレバー14が備えられており、操作者1により操作される。これらの操作子13,14の役割りについては後述する。
図8は、従来の超音波診断装置の構成を示すブロック図、図9は、図8にa〜fの符号を付した部分の信号波形図である。
【0005】
超音波診断装置本体10内部の送信回路21から、超音波プローブ40を構成するN個、例えば128個の超音波振動子40_1,…,40_Nに向けて各所定のタイミングで駆動パルス信号が発せられ、超音波振動子40_1,…,40_Nから被検者2(図1参照)の体内に超音波が放射される。被検者2の体内で反射されて戻ってきた超音波は超音波振動子40_1,…,40_Nで受信されて受信信号に変換され、ケーブル41,コネクタ42を経由し、アンプ22_1,…,22_Nで適宜増幅され、整相回路23_1,…,23_Nで受信信号どうしの位相を合せる整相処理が行われ、整相処理後の受信信号が加算器24で互いに加算される。
【0006】
尚、受信回路21からの駆動パルス信号の送信タイミングや整相回路23_1,…,23_Nにおける整相処理についての技術的内容は既に広く知られており、また後述する本発明の特徴とも直接関係しないため、ここではそれらについての詳細説明は省略する。
加算器24から出力された受信信号は、超音波の一回の送受信について被検者2の体内の深さ方向に延びる一本の走査線に沿った一次元的な断層線の情報を担持する信号であり、例えば図9(a)に示すような信号である。図9の横軸は、被検者2の体内の深さd、および体内の深い位置で反射した超音波ほど時間が遅れて受信されるため、時間軸tを表わしている。
【0007】
被検者の体内に放射された超音波は、反射・散乱および吸収されながら体内を伝搬するため、体内の深い領域で反射して戻ってきた超音波ほど厳しく減衰し、したがって加算器24から出力された受信信号は、図(a)に示すように、深さdが深くなるほど、即ち時間tの経過に従って減衰する信号として観測される。
【0008】
加算器24から出力された受信信号は、ダイナミックフィルタ25に入力される。
図10は、ダイナミックフィルタ25の役割りを示した図である。
図10(A)は、図9(a)に示す受信信号中の各領域A,Bのパワースペクトルを示した図、図10(B)は、ダイナミックフィルタ25のフィルタ特性を示した図、図10(C)はダイナミックフィルタ25を通過した受信信号中の各領域A’,B’(図9(b)参照)のパワースペクトルを示した図である。
【0009】
受信信号は、上述したように、体内の深さdが深くなるほど信号レベルが低下するが、その際高周波の超音波ほど厳しく減衰し、したがって図10(A)に示すように、深さdが深くなるほど、信号レベルの減少とともに低周波数側に寄った信号となる。また、受信信号には、熱雑音等によるノイズN(図10(A)参照)が重畳しており、このノイズを減らすことが画質を改善するために重要である。
【0010】
そこでダイナミックフィルタ25では、受信信号の領域Aの部分を受信するタイミングでは図10(B)の特性A0 のようにフィルタ特性を調整し、受信信号の領域Bの部分を受信するタイミングでは図10(B)の特性B0 のようにフィルタ特性を調整する。このように、ダイナミックフィルタ25では、時間tの経過に従ってフィルタ特性がダイナミックに変更される(特開昭52−59975号公報参照)。
【0011】
図11は、上記公報に記載されたダイナミックフィルタの回路図である。
このダイナミックフィルタのフィルタ特性を決定する制御データは制御ROM26(図8参照)にあらかじめ格納されており、この制御ROM26に格納された制御データが順次読み出されフィルタ制御信号としてダイナミックフィルタに送られ、ダイナミックフィルタではそのフィルタ制御信号に基づいてコンデンサ容量や抵抗値が調整され、これによりフィルタ特性が順次変更される。
【0012】
ダイナミックフィルタ25を通過した受信信号bは、図10(C)に示すように、ノイズが低減された信号となる。図9(b)はダイナミックフィルタ25から出力された受信信号の模式図である。
ダイナミックフィルタ25から出力された受信信号(図9(b))は検波回路27で検波され(図9(c))、対数増幅器28により、信号レベルの小さい信号ほど大きく増幅する対数増幅が行われ(図9(d))、ローパスフィルタ29により包絡線を得(図9(e))、ゲイン、STC調整用増幅器30に入力される。
【0013】
ゲイン調整は、ローパスフィルタ29を経由して入力された信号全体の増幅率を調整するものであり、図7に示す操作パネル12に備えられたゲインコントロールつまみ13を回すことにより行われる。このゲインコントロールつまみを回すことによりモニタ画面11(図7参照)上に表示された断層像全体の輝度が調整される(図9(f−1)参照)。
【0014】
また、STC調整は、体内の深さ領域毎の輝度調整であり、図7に示す、各深さ領域毎に備えられたSTCコントロールレバー14を操作することにより行われる。これは、体内での超音波の減衰の仕方は被検者毎に異なり、したがってあらかじめゲイン(輝度)を固定的に定めておくことはできず、操作者1による調整を可能としているものである。STCコントロールレバー14を調整することにより、深さdに因らず全体としてほぼ一定の輝度の断層像が表示される(図9(f−2)参照)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
従来の超音波診断装置では、ダイナミックフィルタ25のフィルタ特性として、被検者2の体内での超音波の減衰を統計的に予測してあらかじめ定めたフィルタ特性がプログラムされている。ところが実際の体内においては減衰特性に大きな個人差があり、また観察対象とする臓器の相違によっても異なる。このため、あらかじめプログラムされたフィルタ特性は必ずしも最適なものとはならないという問題がある。
【0016】
図12は、最適なフィルタ特性でなかった場合に生じる問題点の説明図であり、図10(A)と同様に、図9(a)の受信信号の領域A,Bのパワースペクトルを模式的に表わした図である。
受信信号の領域A,Bのパワースペクトルは、標準的には、図12に示すパワースペクトルのカーブA,B1 で表わされるところ、被検者によっては超音波の減衰が少くカーブB1 の代わりにカーブB2 で表わされる信号が得られるものとする。
【0017】
このとき、カーブB2 で表わされる受信信号が、カーブB1 に適合したフィルタ特性(図10(B)のB0 )が設定されたダイナミックフィルタ25を通過すると、フィルタの中心周波数と受信信号の周波数が一致しないために信号が減衰してしまうことになる。この信号が減衰した分、STCコントロールレバー14を操作することにより増幅することはできるが、その場合、ノイズも同時に増幅されることになる。受信信号のうち高周波数側の成分ほど高い分解能を担っているが、図2に示す場合、受信信号のうち、主に高周波数側の成分が減衰し、断層像の分解能を低下させてしまう原因となっている。
【0018】
この問題を解決するにあたり、操作パネル(図7参照)上に、STCコントロールレバー14に加えて、ダイナミックフィルタ25のフィルタ特性を調整するコントロールレバーを設け、受信信号にフィルタ特性が合致するように手動調整可能とすることが考えられる。しかしこの場合、フィルタ特性とSTCとを、双方のレバーを同時に操作して同時に最適化する必要があり、操作が極めて煩雑となり、実用的ではない。
【0019】
本発明は、上記事情に鑑み、従来と同様な操作で、最適なフィルタ条件と操作者の所望とする各深さ領域毎の輝度との双方を満足する超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の超音波診断装置は、被検体内に超音波を放射し被検体内の各深さ位置で順次反射された超音波を順次受信して受信信号を得、その受信信号に基づく画像を表示する超音波診断装置において、
(1)受信信号の利得を、被検体内の各深さ領域内で反射した超音波を受信して得た受信信号毎に調整することにより、画像の、各深さ領域に対応した各画像領域毎の輝度を調整する利得調整器と、利得調整器の利得を、各深さ領域毎に自在に可変する操作子とを具備し、
上記利得調整器が、各深さ領域毎に標準的なフィルタ特性が定められた、受信信号の通過帯域を可変自在に制限する受信フィルタを備え、上記操作子の操作に応じて、同じ1つの深さ領域のフィルタ特性の、その同じ1つの深さ領域の標準的なフィルタ特性からの偏差を、前記各深さ領域それぞれについて独立に調整することにより、受信信号の利得を調整するものであることを特徴とする。
【0021】
(2)ここで、上記受信フィルタは、低周波数側の遮断周波数と高周波数側の遮断周波数に挾まれた通過帯域全体が可変自在に構成され、
上記利得調整器が、上記操作子が利得を上げる方向に操作されたときに、受信フィルタの通過帯域を低周波数側に移行させるものであってもよく、あるいは、(3)上記受信フィルタは、低周波数側の遮断周波数が可変自在に構成され、上記利得調整器が、上記操作子が利得を上げる方向に操作されたときに受信フィルタの低周波数側の遮断周波数をさらに低周波数側に移行させるものであってもよい。
【0022】
(4)尚、上記のいずれの場合においても、上記受信フィルタは、通過帯域の低周波数側への移行可能限界周波数を有するものであることが好ましい。この移行可能限界周波数は、例えば受信信号の下限周波数に対応した周波数に設定される。
(5)また、上記利得調整器は、上記受信フィルタとともに、受信信号を増幅率可変に増幅する増幅器を備え、上記操作子の操作に応じて、各深さ領域毎に、通過帯域及び/又は増幅率を調整することにより、利得を調整するものであってもよい。
【0023】
(6)この場合に、上記利得調整器は、上記操作子が最小利得から最大利得まで操作された場合に、利得の小さい領域における、利得の変化に対する通過帯域の調整による寄与率の方が、利得の大きい領域における通過帯域の調整による寄与率よりも大きく、かつ、利得の小さい領域における、利得の変化に対する増幅率の調整による寄与率よりも、利得の大きい領域における、増幅率の調整による寄与率の方が大きくなるように、通過帯域および増幅率を調整するものであってもよく、あるいは、
(7)上記利得調整器は、操作子が最小利得から最大利得まで操作された場合に、利得の小さい領域では通過帯域を低周波数側に移行させることにより利得を調整し、通過帯域が所定の移行可能限界周波数まで移行した後は、増幅率を上げることにより利得を調整するものであってもよい。
【0024】
(8)また上記利得調整器は、上記操作子が操作された場合に、各深さ領域のうち被検体内の浅い領域における、利得の変化に対する通過帯域の調整による寄与率の方が、各深さ領域のうち被検体内の深い領域における通過帯域の調整による寄与率よりも大きく、かつ、各深さ領域のうち被検体内の浅い領域における利得の変化に対する増幅率の調整による寄与率よりも、各深さ領域のうち被検体内の深い領域における増幅率の調整による寄与率の方が大きくなるように各深さ領域毎に通過帯域および増幅率を調整するものであってもよく、あるいは、
(9)上記利得調整器は、上記操作子が操作された場合に、各深さ領域のうち、所定の深さ領域よりも被検体内の浅い領域については通過帯域を調整することにより利得を調整し、各深さ領域のうち、所定の深さ領域よりも被検体内の深い領域については増幅率を調整することにより利得を調整するものであってもよい。
【0025】
【作用】
本発明の超音波診断装置は、操作子の操作に応じて、各深さ領域毎に受信フィルタの通過帯域を調整することにより(上記(1)参照)、もしくは受信フィルタの通過帯域と増幅器の増幅率との双方を調整することにより(上記(5)参照)、受信信号の利得を調整するものであるため、例えば従来と同様のSTCコントロールレバーを操作することのみで、フィルタ特性の最適化と各深さ領域毎の輝度の調整との双方が同時に行われる。
【0026】
受信フィルタの通過帯域を調整するにあたり、受信信号の信号レベルが大きい場合は、その受信信号の高周波数成分のみを抽出し、受信信号の信号レベルが小さくなるにつれ、その受信信号の、より低周波数成分まで抽出することにより、その受信信号の信号レベルに応じた最高の分解能の画像が所望の輝度で表示されることになる(上記(2),(3)参照)。この場合に、低周波数側への移行可能限界周波数を設けておくことにより(上記(4)参照)、受信信号が小さい場合に通過帯域が低周波数側へ移行しすぎてしまいノイズまで受信フィルタを通過してしまうことが防止される。
【0027】
受信フィルタの通過帯域と増幅器の増幅率との双方を調整する場合も同様であり、受信信号の信号レベルが大きい領域では主として通過帯域の調整により受信信号の利得を調整し、これによりその受信信号に応じた最高の分解能を得ることができる。受信信号が小さく通過帯域の調整では利得を調整しきれないときに増幅器の増幅率をあげて受信信号の利得を調整することが好ましい(上記(6)〜(9)参照)。
【0028】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。尚、超音波診断装置全体の構成については既に説明したため、ここでは、上述した従来例との相違点のみについて説明する。
図1は、本発明の超音波診断装置の、本発明に特有な部分の一実施例を示した図である。
【0029】
この図1には、操作パネル12(図7参照)に備えられる5つのSTCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5が示されている。各STCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5は、それぞれ図示の各深さ領域に対応する断層像上の領域の輝度調整を担っており、各STCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5を+方向に移動させると輝度が上がって明るい画面となり、−方向に移動させると輝度が下がって暗い画面となる。各STCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5の位置情報はディジタイズされて制御器31に入力され、制御器31は、ダイナミックフィルタ25に各深さ領域内で反射した超音波の受信信号が入力される各タイミングで、ダイナミックフィルタ25のフィルタ特性を、各STCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5の位置情報に応じたフィルタ特性に切り換える。ただし、各STCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5が互いに同じ位置に調整されていても各フィルタ特性は同一ではなく、あらかじめ各深さ領域毎の標準的なフィルタ特性が定められており、各STCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5では、各深さ領域毎の標準的なフィルタ特性からのフィルタ特性の偏差が調整される。
【0030】
図2は、受信信号のパワースペクトルとダイナミックフィルタ25のフィルタ特性の一例を示した図である。
図9(a)に示す受信信号のうち、浅い領域Aと深い領域Bの部分のパワースペクトルが、それぞれ、図2(A)のカーブA,Bに示すものであるとする。このとき、領域Aの受信信号がダイナミックフィルタ25に入力されるタイミングでは、ダイナミックフィルタ25のフィルタ特性は、図示の高周波域側にカットオフ周波数をもつハイパスフィルタA0 のように調整され、領域Bの受信信号がダイナミックフィルタ25に入力されるタイミングでは、ダイナミックフィルタ25のフィルタ特性は、図示の低周波域側にカットオフ周波数をもつハイパスフィルタB0 のように調整される。これにより、ダイナミックフィルタ25から出力される信号は図2(B)に示すように、周波数は異なるものの同一のパワーを有する信号、即ち同一の利得の信号であり、モニタ画面11(図7参照)上に深さ領域によらない同一の輝度の断層像が表示される。
【0031】
図1に示すSTCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5を操作すると、ダイナミックフィルタ25の、その操作したSTCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5に対応する深さ領域の信号をフィルタリングするためのフィルタ特性(この例では低周波数側のカットオフ周波数)が変化し、これにより各深さ領域毎の精度調整が行われる。
【0032】
このSTCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5の調整は、操作者がモニタ画面を観察しながら行うことができるため、例えば個人差や対象とする臓器によって受信信号の減衰の仕方が変化してもその受信信号毎に最高の分解能を有し、かつ所望の輝度の画像を表示することができる。
図3は、ダイナミックフィルタの一例を示す回路図である。
【0033】
このダイナミックフィルタは、図示のようにコンデンサCと抵抗Rとによるハイパス特性となっており、コンデンサCはその容量が可変なバリキャップ等で構成されている。
図1に示す制御部31から順次出力されるフィルタ制御信号によりハイパスフィルタを構成するコンデンサCの容量が調整され、これにより低周波数側のカットオフ周波数が調整される。尚、このハイパスフィルタは一段では十分なカットオフ特性を得ることはできないため、通常は6〜8段程度のものが用いられる。また、ダイナミックフィルタ25には、高周波域側のノイズを除去するためのローパスフィルタも組み込んでおくこが好ましい。
【0034】
尚、ここでは、ハイパス特性のダイナミックフィルタを示したが、図10(B)に示すような、バンドパス特性のダイナミックフィルタを用いてもよい。
図4は、本発明の超音波診断装置の本発明に特有な部分のもう1つの実施例を示した図である。図1に示す実施例と同一の構成要素には図1に付した番号と同一の番号を付して示し、相違点のみについて説明する。
【0035】
図4に示す実施例では、制御器31は、ダイナミックフィルタ25のフィルタ特性とともに、図8に示すゲイン、STC調整用増幅器に代わる、そのゲイン、STC調整用増幅器と同様な増幅器30’の増幅率の調整も行う。
図5は、図4に示す実施例における、利得の調整方法の一例を示した図である。
【0036】
受信信号のパワースペクトルが各深さ領域毎にA,B,Cのように変化し、Bまではダイナミックフィルタのフィルタ特性の調整だけで所望の輝度が得られるものとし、受信信号がCのようにさらに小さくなった場合、フィルタ特性をさらに低周波側に設定してもノイズが増えるだけで輝度は上がらない。この場合には、図5に示すパワースペクトルCがC’となるように後段の増幅器30’の増幅率を調整する。こうすることにより、受信信号の信号レベルがフィルタ特性の調整で輝度を上げることのできる信号レベルよりもさらに低下した場合にも対処することができる。
【0037】
尚、受信信号の周波数帯域は、超音波プローブ40(図7,図8参照)で採用される超音波の周波数、超音波プローブの種類、駆動パルス信号の信号波形等に応じてあらかじめ規定されるため、その受信信号の帯域の下限(図5に示す周波数fL )もあらかじめ定められる。
そこで、ここでは操作者が、STCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5を、受信信号の利得の小さい範囲で操作した場合は、ダイナミックフィルタ25のカットオフ周波数を調整し、受信信号の利得の大きい範囲まで動かしたときは、ダイナミックフィルタ25のカットオフ周波数は上記下限周波数fL に固定し、増幅器30’の増幅率を調整することにより輝度調整が行われる。
【0038】
図6は、図4に示す実施例における利得の調整方法の他の例を示した図である。
浅い領域で反射した超音波の受信信号の信号レベルは大きく、深い領域で反射した超音波の受信信号の信号レベルは小さいことがあらかじめわかっているため、各STCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5(図4参照)のうち、例えば浅い領域を担う3つのSTCコントロールレバー14_1〜14_3を操作したときは、ダイナミックフィルタのカットオフ周波数が、それぞれ、図6に示すI,II,IIIのように調整され、深い領域を担う2つのSTCコントロールレバー14_4,14_5を操作したときはダイナミックフィルタのカットオフ周波数は例えば図6に示すIIIに固定しておき、増幅器30の増幅率を調整する。このように、STCコントロールレバー14_1,…,14_5と調整対象とをあらかじめ固定的に定めておいてもよい。
【0039】
尚、図5,図6を参照して説明した各実施例においては、理解の容易のため、フィルタ特性の調整が行われる状態と増幅器の調整が行われる状態が峻別されるかのような説明を行ったが、全ての状況下でフィルタ特性と増幅率との双方を調整し、ある状況下では主にフィルタ特性の方を調整変更し、他の状況下では主に増幅率の方を調整してもよいことはもちろんである。
【0040】
モニタ画面11に表示される断層像全体の輝度は操作者の好みに依存し、かつSTCコントロールレバー14_1,14_2,…,14_5を操作して断層像全体の輝度を調整するのは大変であり、したがって本発明を採用した場合であっても、断層像全体の輝度を調整するゲインコントロールつまみ13(図7参照)を備えることが好ましい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、操作者の負担を一切増すことなく、従来と全く同じ操作により、受信信号に応じた最高の分解能を有すると共に所望の輝度の画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波診断装置の、本発明に特有な部分の一実施例を示した図である。
【図2】受信信号のパワースペクトルと、ダイナミックフィルタのフィルタ特性の一例を示した図である。
【図3】ダイナミックフィルタの一例を示す回路図である。
【図4】本発明の超音波診断装置の、本発明に特有な部分のもう1つの実施例を示した図である。
【図5】図4に示す実施例における、利得の調整方法の一例を示した図である。
【図6】図4に示す実施例における利得の調整方法の他の例を示した図である。
【図7】超音波診断装置を操作している様子を示す模式図である。
【図8】従来の超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示すブロック図の各部の信号波形図である。
【図10】ダイナミックフィルタの役割りを示した図である。
【図11】ダイナミックフィルタの回路図である。
【図12】図9(a)の受信信号の領域A,Bのパワースペクトルを模式的に表わした図である。
【符号の説明】
10 超音波診断装置本体
11 モニタ画面
12 操作パネル
13 ゲインコントロールつまみ
14,14_1,…,14_5 STCコントロールレバー
25 ダイナミックフィルタ
30 ゲイン、STC調整用増幅器
30’ 増幅器
31 制御器
40 超音波プローブ

Claims (9)

  1. 被検体内に超音波を放射し被検体内の各深さ位置で順次反射された超音波を順次受信して受信信号を得、該受信信号に基づく画像を表示する超音波診断装置において、
    前記受信信号の利得を、被検体内の各深さ領域内で反射した超音波を受信して得た受信信号毎に調整することにより、前記画像の、前記各深さ領域に対応した各画像領域毎の輝度を調整する利得調整器と、該利得調整器の利得を、前記各深さ領域毎に自在に可変する操作子とを具備し、
    前記利得調整器が、前記各深さ領域毎に標準的なフィルタ特性が定められた、前記受信信号の通過帯域を可変自在に制限する受信フィルタを備え、前記操作子の操作に応じて、同じ1つの深さ領域のフィルタ特性の、その同じ1つの深さ領域の標準的なフィルタ特性からの偏差を、前記各深さ領域それぞれについて独立に調整することにより、前記受信信号の利得を調整するものであることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記受信フィルタが、低周波数側の遮断周波数と高周波数側の遮断周波数に挾まれた通過帯域全体が可変自在に構成され、
    前記利得調整器が、前記操作子が利得を上げる方向に操作されたときに前記受信フィルタの通過帯域を低周波数側に移行させるものであることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 前記受信フィルタが、低周波数側の遮断周波数が可変自在に構成され、
    前記利得調整器が、前記操作子が利得を上げる方向に操作されたときに前記受信フィルタの低周波数側の遮断周波数をさらに低周波数側に移行させるものであることを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 前記受信フィルタが、前記通過帯域の低周波数側への移行可能限界周波数を有するものであることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項記載の超音波診断装置。
  5. 前記利得調整器が、前記受信フィルタとともに、前記受信信号を増幅率可変に増幅する増幅器を備え、前記操作子の操作に応じて、各深さ領域毎に、前記通過帯域及び/又は前記増幅率を調整することにより、利得を調整するものであることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の超音波診断装置。
  6. 前記利得調整器が、前記操作子が最小利得から最大利得まで操作された場合に、利得の小さい領域における、利得の変化に対する前記通過帯域の調整による寄与率の方が、利得の大きい領域における前記通過帯域の調整による寄与率よりも大きく、かつ、利得の小さい領域における、利得の変化に対する前記増幅率の調整による寄与率よりも、利得の大きい領域における前記増幅率の調整による寄与率の方が大きくなるように、前記通過帯域および前記増幅率を調整するものであることを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
  7. 前記利得調整器が、前記操作子が最小利得から最大利得まで操作された場合に、利得の小さい領域では前記通過帯域を低周波数側に移行させることにより利得を調整し、前記通過帯域が所定の移行可能限界周波数まで移行した後は、前記増幅率を上げることにより利得を調整するものであることを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
  8. 前記利得調整器が、前記操作子が操作された場合に、前記各深さ領域のうち被検体内の浅い領域における、利得の変化に対する前記通過帯域の調整による寄与率の方が、前記各深さ領域のうち被検体内の深い領域における前記通過帯域の調整による寄与率よりも大きく、かつ、前記各深さ領域のうち被検体内の浅い領域における利得の変化に対する前記増幅率の調整による寄与率よりも、前記各深さ領域のうち被検体内の深い領域における前記増幅率の調整による寄与率の方が大きくなるように前記各深さ領域毎に前記通過帯域および前記増幅率を調整するものであることを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
  9. 前記利得調整器が、前記操作子が操作された場合に、前記各深さ領域のうち、所定の深さ領域よりも被検体内の浅い領域については前記通過帯域を調整することにより利得を調整し、前記各深さ領域のうち、前記所定の深さ領域よりも被検体内の深い領域については前記増幅率を調整することにより利得を調整するものであることを特徴とする請求項5記載の超音波診断装置。
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