JP3742242B2 - 収差評価方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置の投影レンズの収差評価方法に係わり、特に露光装置から投影レンズの取出しが困難な、半導体装置の製造に用いられる露光装置の投影レンズの収差評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の高集積化に伴って、露光装置に搭載された投影レンズの収差によって、転写パターンの位置が歪む、露光領域内でフォーカスが変化する、パターンの向きによってフォーカス差を生じる、パターンの形状が歪むなどの問題が半導体装置を製造して行く上で徐々に顕在化してきている。
【0003】
このため、将来の半導体装置の開発に向けた露光装置の高性能化やリソグラフィプロセス余裕度の予測には、投影レンズの収差を高精度に評価する技術を開発することが不可欠である。
【0004】
一般に、レンズの収差測定には、干渉計を用いた方法が利用されている。これは、レンズ本体を干渉計の内部に組み込み、得られた干渉縞の歪みから収差量を測定するものである。
【0005】
しかし、これはレンズ単体が取り外れることを前提をしている評価方法であって、レンズを露光装置本体から取り外すのが困難な場合は実施することができない。
【0006】
したがって、半導体装置を作製するために用いられる露光装置の投影レンズに関しては、転写する状態での収差を測定する必要がある。このような場合は、転写パターンから収差量を評価しなければならない。
【0007】
現在、露光装置の投影レンズ収差を測定する方法として、様々な方法が提案され、実際の評価に用いられている。代表的な収差としては球面収差、非点収差、コマ収差、像面彎曲収差、歪曲収差が挙げられる。
【0008】
コマ収差の評価方法としては、出願特許1[特願平9−305917]が有効である。この評価方法は、大きなパターンと微細な周期パターンとの間でコマ収差のために生じる転写後の相対的な位置ずれ量を測定し、この位置ずれ量をコマ収差量の目安にしようというものである。
【0009】
また、非点収差や像面彎曲収差に対しては、文献1[SPIE Vol.1463(1991),p.282]に示される評価方法が有効である。この評価方法では、非点収差がパターンの方向の違いによってベストフォーカス位置がずれる現象であることから、0度方向、45度方向、90度方向、135度方向の4方向に並んだパターンを徐々にフォーカスをずらした露光パターンの観察から、直交する2方向でのフォーカス差の最大値と非点収差の方向を測定する。また、4方向でのフォーカス中心を露光領域全面で測定することで、像面彎曲の測定にも適用されている。
【0010】
一方、これらの収差評価結果をコンピューター計算等によるリソグラフィープロセスウインドウの予想に用いようとすると、収差評価結果を何からの収差表現法に基づいた定義における数値表現と関連付けて表わす必要がある。
【0011】
この問題点に着目した収差の評価方法として、本願発明者らは出願特許2[特願平10−37473]を提案した。これは、露光時の照明コヒーレンスと周期パターンの1周期の長さを選び、上述の収差評価方法等を実施することで、レンズの特定の場所の波面収差と収差評価結果を簡単に関連付けることが可能になり、ゼルニケ級数展開で表現された収差量(コマ収差、球面収差および非点収差の合計収差量)の定量的な測定を実現している。
【0012】
出願特許2に示される収差の評価方法を用いると、コマ収差に代表される奇関数的収差は、フォーカス位置に依存せずにパターンの横ずれ量として測定され、測定感度もパターンの大きさに影響されないという利点がある。
【0013】
しかしながら、非点収差や球面収差に代表される偶関数的収差はフォーカス位置を正確に測定しなければならないため、以下のような理由により、偶関数的収差の測定には難点が存在している。
【0014】
フォーカス位置を徐々に変えながらマイクロステップで連続露光し、暗視野の光学顕微鏡によりベストフォーカス位置を測定する場合には、フオーカスの分解能を増やすほど露光領域が広くなる。しかし、露光領域が広がるほど像面彎曲やウエハ平坦性によるフォーカス位置の誤差が大きくなる。
【0015】
また、露光回数を減らして測長SEMによる線幅測定からベストフォーカス位置を測定する場合には、2次関数にフィッティングするため、測定精度を高めるためには測定点数を増やす必要があり、測定時間が長くなる。
【0016】
一方、今日の露光装置の投影レンズの設計では、高次の収差を意識的に与えるという手段によって、低次の収差の補正が行われている。したがって、今日の露光装置の投影レンズの収差評価においては、高次の収差まで正確に測定しなければ充分であるとは言えなくなってきている。
【0017】
低次の収差を評価するには、投影レンズの周辺部分の波面収差を測定しなければならない。このためには、微細なパターンほど回折光は投影レンズの周辺部を通過して結像されるため、微細なパターンを用いた測定で充分である。ここで、微細なパターンに対するフォーカス裕度は狭いため、パターンの解像性からベストフォーカス位置を測定する場合、高精度な測定が可能である。
【0018】
一方、高次の収差を評価するには、投影レンズの内部の波面収差を測定しなければならない。これには、ある程度大きなパターンを用いて収差を測定する必要がある。
【0019】
しかしながら、パターンのサイズが大きくなるに従って、フォーカス裕度は急激に広がるため、大きなパターンを用いたベストフォーカス位置の測定は極めて不正確になりがちである。これは、フォーカス位置を正確に測定しなければならない非点収差や球面収差等の偶関数的収差の評価を困難なものとする。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、今日の露光装置の投影レンズの収差評価においては、高次の収差まで正確に測定する必要があったが、非点収差や球面収差等の偶関数的収差の評価には、フォーカス裕度が広いパターンである大きなパターンを用いる必要があったので、偶関数的収差に関しては高精度の評価が困難であるという問題があった。
【0021】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その目的とするところは、露光装置の投影レンズの偶関数的収差を簡便に評価することのできる収差評価方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
[構成]
本発明の骨子は、収差評価用レクチルとして、所定の条件を満たす市松格子的に配置された2次元周期パターンを有するものを使用することにある。
【0023】
すなわち、上記目的を達成するために、本発明(請求項1)に係る収差評価方法は、レジスト上に配置された収差評価用レクチルに照明光学系を介して照明光を照射し、前記収差評価用レクチルに対応して投影光学系により前記レジストに転写された転写パターンを評価することによって、前記投影光学系の投影レンズの収差を評価する収差評価方法であって、前記照明光の波長をλ、前記投影レンズの開口数をNA、前記照明光学系のコヒーレンスファクターの大きさをσ、前記収差評価用レクチルの周期をP、前記収差評価用レクチルの縮小倍率をmとした場合に、前記収差評価用レクチルとして、21/2 ・λ/{NA(1−σ)}≦m・P≦101/2 ・λ/{NA(1+σ)}の条件を満たす市松格子的に配置された2次元周期パターンを有するものを使用することを特徴とする。
【0024】
[作用]
本発明者らの研究によれば、収差評価用レクチルとして、所定の条件、すなわち照明光の波長をλ、投影レンズの開口数をNA、照明光学系のコヒーレンスファクターの大きさをσ、収差評価用レクチルの周期をP、収差評価用レクチルの縮小倍率をmとした場合に、21/2 ・λ/{NA(1−σ)}≦m・P≦101/2 ・λ/{NA(1+σ)}の条件を満たす、市松格子的に配置された2次元周期パターンを有するものを使用すれば、以下の実施の形態の形態で詳説するように、露光装置の投影レンズの偶関数的収差を転写パターンの観察から簡便に評価できることが分かった。したがって、収差評価用レクチルとして上記所定の条件を満たすものを使用した本発明に係る収差評価方法によれば、露光装置の投影レンズの偶関数的収差を簡便に評価できるようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態(以下、実施形態という)を説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施形態に係る露光装置の投影光学系の投影レンズの収差評価に用いる収差評価用レクチルを示す平面図である。また、図2は、露光装置の照明光学系の照明光を図1の収差評価用レクチルを介してレジストに照射した場合のレジスト上の回折パターンを示す平面図である。
【0027】
通常の周期パターンにおける回折光は等間隔に分布するが、図1に示す収差評価用レクチル、すなわち市松格子的に配置された2次元周期パターンによる回折光は、特定の回折次数(m,n)で打ち消し合う条件になるために、図2に示すような特定の回折次数にのみ回折光が存在するような2次元的な分布する。
【0028】
このため、投影レンズの開口数(NA)に対して、市松格子パターンの周期(P)を適切に選ぶことによって、5つの回折光のみで転写パターンを形成することができる。この5つの回折光のみで転写パターンを形成するための条件は、式(1)で表わされる範囲である。
【0029】
ここで、λは照明光の波長、NAは投影レンズの開口数、σは照明光学系のコヒーレンスファクターの大きさ、mは収差評価用レクチルの縮小倍率、Pは収差評価用レクチルの周期を表わしている。m・Pはレジスト上に転写された市松格子パターンの周期を示しており、以下、周期m・Pを単に周期Pという。
【0030】
図3に、周期Pとコヒーレンスファクターの大きさσとの関係を示す。図中の斜線部が式(1)に示される条件を満たす領域である。
【0031】
また、図4に、式(1)の条件を満たすときのパターン転写の様子を模式的に示す。図中、1は照明光学系のコヒーレンスファクター、2は収差評価用レクチル、3は投影レンズの出射瞳、4は転写パターンをそれぞれ示している。
【0032】
式(1)のはじめの不等号は、レンズ中心を通る回折光以外の4つの回折光の一部分がレンズ開口数の外側には存在しないための条件であり、2つめの不等号は、5つの回折光以外の回折光がレンズ開口数の内側には存在しないための条件である。
【0033】
例えば、NA=0.6、λ=0.248μmの露光装置において、σを0.3に設定した時は、P/2が0.45μmの市松格子パターンは式(1)の条件を満たし、さらにσを0.15に設定すると、P/2が0.35μm、0.45μm、0.55μmの市松格子パターンが式(1)の条件を満たすことが解る。
【0034】
式(1)の条件で示される市松格子パターンのレジスト上での結像には、5つの回折光のみが寄与しているため、5つの回折光が通過する射出瞳3上での5ケ所の領域における波面収差のみが結像に際してパターンを歪ませたり、位置ずれを発生させると考えられる。
【0035】
特に、各回折光で通る領域内での波面収差量は中心位置での波面収差量で代表できると見なすと、この5点での波面収差量の相対的な関係と、そのときの転写パターンの変形状態を調べることが、収差評価に関して重要である。
【0036】
一般的な収差測定には、ゼルニケ多項式を用いた収差表現を利用すると便利である。ゼルニケ多項式は正規直交多項式であり、各項がそれぞれ各収差に対応している。また、一般的なレンズにおける収差のように、様々な収差が複雑に含まれている場合は各項の線形和で表現できる利点がある。
【0037】
ゼルニケ多項式では、各収差は射出瞳上での円座量(ρ,θ)で表わされ、θの次数ごとに、等方的収差(デフォーカス+球面収差の系列)、θの関数で表わされる収差(チルト+コマ収差の系列)、2θの関数が表わされる収差(非点収差の系列)、3θの関数で表わされる収差の系列、4θの関数で表わされる収差の系列…の各系列に分けることができる。
【0038】
特に、デフォーカスに対応する項はパラボリックなRに関する2次曲面で表現され、パターンの平行移動を表わすチルトに対応する項は傾斜面で表現されている。
【0039】
ここで、前述した5つの回折光が通過する点での波面収差量の相対的な関係を調べると、例えば球面収差が存在する場合、この5点の波面収差は任意のパラボリック面上にも存在する。すなわち、球面収差によるパターン変形はデフォーカス時のパターン変形と区別ができない。
【0040】
また、コマ収差が存在する場合、この5点の波面収差は任意の傾斜面上にも存在する。したがって、コマ収差はチルトと同様に平行移動させるのみで、パターンを変形させない。
【0041】
このようにして、すべての収差について検討すると、非点収差の系列以外の収差は全て、デフォーカスかチルトの何れかと同等の作用でしか、影響しないことが確認できた。すなわち、拉げるようなパターン変形をもたらす収差は非点収差の系列のみである。
【0042】
以上の検討より、式(1)の条件を満たす市松格子パターンを転写した場合、パターンを変形させる収差は非点収差みであり、したがって式(1)の条件を満たす市松格子パターンは、非点収差の収差評価用レクチルとして適したものであるといえる。
【0043】
ポジ型レジストを用いて市松格子パターンを転写すると、図5に示すようなホールパターン5が形成される。投影レンズに非点収差が存在する場合、このホールパターン5はデフォーカス量に対して図6に示すようなパターンの変形が発生する。
【0044】
したがって、フォーカス位置を変えた条件で露光したパターンにおいて、パターンの並ぶ方向に対して、±45°方向でのホールパターンのサイズを測定し、+45°方向と、−45°方向で差が確認されれば、この投影レンズには非点収差があることを確認することができる。
【0045】
ゼルニケ多項式で表現される非点収差には、図7に示すように0°/90°の非点収差と+45°/−45°の非点収差の2種類がある。
【0046】
図8(a)に示すようような45°傾いた市松格子パターン6の場合には、非点収差の内、0°/90°の非点収差に対してのみ変形が起こり、+45°/−45°の非点収差には影響されないことが分かっている。一方、図8(b)に示すような市松格子パターン7の場合には、反対に+45°/−45°の非点収差に対してのみパターン変形が起こる。
【0047】
したがって、図8に示す2種類の市松格子パターン6,7を用意することで、0°/90°の非点収差と+45°/−45°の非点収差を、それぞれ独立に測定することが可能である。
【0048】
そこで、実際にコンピューター計算よってパターン変形を予想した。その際、変形の大きさを偏平率εを以下のように定義した。
【0049】
ε=(L+45 −L-45 )/(L+45 +L-45 ) …(2)
ここで、L+45 ,L-45 は、図9に示すように転写パターンの対角線の寸法である。
【0050】
図10に、計算結果である変形率のデフォーカス依存性を示す。Z6 は+45°/−45°の非点収差の大きさを表わしている。このように、偏平率εはデフォーカスに対して、直線的な変化を示し、ベストフォーカスで偏平率εは零になる。また、同じ収差量であっても、露光量が違う場合、直線の傾きが異なる。
【0051】
この直線の傾きは露光量によって変化するだけでなく、レンズ中心を通る回折光以外の4つの回折光が射出瞳3の外側にはみ出した状態においては、市松格子パターンの周期によっても変化する。
【0052】
しかし、5つの回折光が全て射出瞳3の内側に依存する場合は、偏平率εを式(3)で示される値で規格化を行なうと、図11に示すように、露光量に依らず直線の傾きが一定になることが解った。
【0053】
{(L+45 +L-45 )/P2 }2 …(3)
なお、図11中のε′は規格化後の偏平率である。
【0054】
このように、式(1)に示される条件を満たす市松格子を、デフォーカスを2条件以上変えて露光し、このときの偏平率を測定することで、偏平率のデフォーカスに対する変化率から、非点収差量を求めることができる。
【0055】
パターンが分離解像する上限のフォーカス位置と下限のフォーカス位置からベストフォーカス位置を測定する従来の方法では、マイクロステップで徐々にフォーカス位置を変えて連続に露光しなければならない。
【0056】
このとき、大きなパターンに対してはフォーカス裕度が広いため、従来の方法ではフォーカスの変化量を大きめに設定するか、または露光する数を増やさなければならない。しかし、この場合、測定分解能が悪くなるか、または基板平坦度や像面彎曲によるフォーカス位置の誤差が大きくなるため、高精度な測定は不可能であった。
【0057】
一方、本実施形態の偏平率による非点収差の評価方法では、少数の露光したパターンに対する測定結果(偏平率の測定結果)から、直線の傾きとして非点収差を評価できる。
【0058】
すなわち、偏平率の測定結果からは、通常、図12に示すように、原点以外のところで横軸と交わる直線が得られ、この交点を直線の傾きから求め、この求めた交点と原点との差ΔLが非点収差量となる。また、ベストフォーカス位置は、扁平率が零になるときのフォーカス位置として得ることができる。
【0059】
偏平率は非点収差に対する感度が高いため、こうして得られた非点収差量とベストフォーカス位置は、大パターンを用いた場合でも、精度の高い値となる。また、この評価方法は、交点と原点との差ΔLから非点収差量を求めるので、フォーカス誤差も無視できる利点がある。
【0060】
一方、球面収差を評価する場合には、まず収差評価用レクチルとして、式(1)の条件を満たす互いに周期の異なる2種類の市松格子パターンを用意する。次にこれらの市松格子パターンのそれぞれについて、少なくとも2つの異なるフォーカス位置にて偏平率を測定し、扁平率のフォーカス位置依存性を示す直線を求める。そして、図13に示すように、これらの2つの偏平率のフォーカス位置依存性を示す2つの直線の横軸(フォーカス位置)との交点の差ΔL’から球面収差量を求める。
【0061】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、収差評価用レクチルとして、正方形のパターンで形成された市松格子パターンを用いた場合について説明したが、本発明は長方形で構成された市松パターンや、図14に示すような角が丸まった正方形で構成された市松格子パターン、または図15に示す円で構成された市松格子パターンを用いた場合でも有効である。図14、図15には、ネガおよびポジの両方のパターンを示してある。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【0062】
【発明の効果】
以上詳説したように本発明によれば、収差評価用レクチルとして、所定の条件満たす市松格子的に配置された2次元周期パターンを有するものを使用することにより、露光装置の投影レンズの偶関数的収差を簡便に評価できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る収差評価用レクチルを示す平面図
【図2】露光装置の照明光学系の照明光を図1の収差評価用レクチルを介してレジストに照射した場合のレジスト上の回折パターンを示す平面図
【図3】周期Pとコヒーレンスファクターの大きさσとの関係を示す図
【図4】21/2 ・λ/{NA(1−σ)}≦P≦101/2 ・λ/{NA(1+σ)}の条件を満たすときのパターン転写の様子を模式的に示す図
【図5】ポジ型レジストに転写された市松格子パターンの転写パターンを示す図
【図6】投影レンズに非点収差が存在する場合の、ポジ型レジストに転写された市松格子パターンの転写パターンを示す図
【図7】ゼルニケ多項式で表現される非点収差の種類を示す図
【図8】0°/90°の非点収差に対してのみおよび+45°/−45°の非点収差に対してのみパターン変形が起こる市松格子パターンを示す図
【図9】扁平率εの定義に使用される転写パターンの互いに直交する2個所の寸法を示す図
【図10】変形率εのデフォーカス依存性を示す図
【図11】{(L+45 +L-45 )/P2 }2で規格化された偏平率ε’のデフォーカス依存性を示す図
【図12】扁平率の測定結果から非点収差量およびベストフォーカス位置を求める方法を説明するための図
【図13】本発明による球面収差の評価方法を説明するための図
【図14】収差評価用レクチルの変形例を示す図
【図15】収差評価用レクチルの他の変形例を示す図
【符号の説明】
1…コヒーレンスファクター
2…収差評価用レクチル
3…出射瞳
4…転写パターン
5…ホールパターン
6,7…市松格子パターン
Claims (6)
- レジスト上に配置された収差評価用レクチルに照明光学系を介して照明光を照射し、前記収差評価用レクチルに対応して投影光学系により前記レジストに転写された転写パターンを評価することによって、前記投影光学系の投影レンズの収差を評価する収差評価方法であって、
前記照明光の波長をλ、前記投影レンズの開口数をNA、前記照明光学系のコヒーレンスファクターの大きさをσ、前記収差評価用レクチルの周期をP、前記収差評価用レクチルの縮小倍率をmとした場合に、
前記収差評価用レクチルとして、21/2 ・λ/{NA(1−σ)}≦m・P≦101/2 ・λ/{NA(1+σ)}の条件を満たす市松格子的に配置された2次元周期パターンを有するものを使用することを特徴とする収差評価方法。 - レジスト上に配置された収差評価用レクチルに照明光学系を介して照明光を照射し、前記収差評価用レクチルに対応して投影光学系により前記レジストに転写された転写パターンを評価することによって、前記投影光学系の投影レンズの収差を評価する収差評価方法であって、
前記照明光の波長をλ、前記投影レンズの開口数をNA、前記照明光学系のコヒーレンスファクターの大きさをσ、前記収差評価用レクチルの周期をP、前記収差評価用レクチルの縮小倍率をmとした場合に、
前記収差評価用レクチルとして、21/2 ・λ/{NA(1−σ)}≦m・P≦101/2 ・λ/{NA(1+σ)}の条件を満たす市松格子的に配置された2次元周期パターンを有するものを使用し、
かつ前記転写パターンの互いに直交する2個所の寸法を求めることにより、前記投影レンズによる非点収差の有無を評価することを特徴とする収差評価方法。 - レジスト上に配置された収差評価用レクチルに照明光学系を介して照明光を照射し、前記収差評価用レクチルに対応して投影光学系により前記レジストに転写された転写パターンを評価することによって、前記投影光学系の投影レンズの収差を評価する収差評価方法であって、
前記照明光の波長をλ、前記投影レンズの開口数をNA、前記照明光学系のコヒーレンスファクターの大きさをσ、前記収差評価用レクチルの周期をP、前記収差評価用レクチルの縮小倍率をmとした場合に、
前記収差評価用レクチルとして、21/2 ・λ/{NA(1−σ)}≦m・P≦101/2 ・λ/{NA(1+σ)}の条件を満たす市松格子的に配置された2次元周期パターンを有するものを使用し、
かつ互いに異なる複数のフォーカス位置と、これらのフォーカス位置における転写パターンの偏平率との関係から、前記投影レンズによる非点収差を定量的に評価することを特徴とする収差評価方法。 - 前記フォーカス位置と前記フォーカス位置における偏平率とから求まる直線の傾きから、前記投影レンズによる非点収差を定量的に評価することを特徴とする請求項3に記載の収差評価方法。
- レジスト上に配置された第1および第2の収差評価用レクチルに照明光学系を介して照明光を照射し、これらの収差評価用レクチルに対応して投影光学系により前記レジストに転写された転写パターンを評価することによって、前記投影光学系の投影レンズの収差を評価する収差評価方法であって、
前記照明光の波長をλ、前記投影レンズの開口数をNA、前記照明光学系のコヒーレンスファクターの大きさをσ、前記第1の収差評価用レクチルの周期をP1、前記第2の収差評価用レクチルの周期をP2、前記第1の収差評価用レクチルの縮小倍率をm1、前記第2の収差評価用レクチルの縮小倍率をm2とした場合に、
前記第1の収差評価用レクチルとして、21/2 ・λ/{NA(1−σ)}≦m1・P1≦101/2 ・λ/{NA(1+σ)}の条件を満たす市松格子的に配置された2次元周期パターンを有するものを使用し、
前記第2の収差評価用レクチルとして、21/2 ・λ/{NA(1−σ)}≦m2・P2≦101/2 ・λ/{NA(1+σ)}の条件を満たす市松格子的に配置された2次元周期パターンを有するものを使用し、
かつ互いに異なる複数のフォーカス位置と、これらのフォーカス位置における転写パターンの偏平率との関係から、前記投影レンズによる球面収差を定量的に評価することを特徴とする収差評価方法。 - フォーカス位置を縦軸、偏平率を横軸とした場合に、前記フォーカス位置と前記フォーカス位置における転写パターンのうち前記第1の収差評価用レクチルに対応したものの偏平率とから求まる直線の前記横軸との交点と、前記フォーカス位置と前記フォーカス位置における転写パターンのうち前記第2の収差評価用レクチルに対応したものの偏平率とから求まる直線の前記横軸との交点の差から、前記投影レンズによる球面収差を定量的に評価することを特徴とする請求項5に記載の収差評価方法。
Priority Applications (1)
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JP6807799A JP3742242B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 収差評価方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP6807799A JP3742242B2 (ja) | 1999-03-15 | 1999-03-15 | 収差評価方法 |
Publications (2)
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