JP3742140B2 - 電動式ねじ締め機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機を駆動源として用いる電動式ねじ締め機によるねじ締め作業性を向上させることを目的とするものであって、特に上記電動式ねじ締め機によるねじ締め終了時において、ねじ締め機のソケットと、該ソケットに嵌合された被締付けねじとの間で生じる喰い付き(噛み込み)の解除を容易ならしめることができる電動式ねじ締め機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2及び図3は、従来の電動式ねじ締め機の説明図及びその回路図であって、1は電動式ねじ締め機、2は給電のための電源コード、3は電源を示す。ねじ締め機1の内部には電動機5が内装されており、この電動機5の駆動軸5 aには、ソケット6が結合されている。4は操作スイッチ、7は電動式ねじ締め機1のケーシングと一体に形成されている反力受けアーム、8は電動機5の正逆転切替スイッチ、9は電動機5への給電回路を示し、この給電回路9には、上記電動機5に印加すべき位相制御電圧を設定するための電圧設定器10が接続されている。なお51は電動機5のロータ、51A,51Bは電動機5のステータに巻回されている巻線を示す。
【0003】
そこで今 、被締結体12を締結体11に締着すべき締付ねじ13を、締結体11にねじ込むための手順として、先ず電圧設定器10を操作して、電動機5に印加すべき駆動電圧を位相制御方式によって設定する。次に正逆転切替スイッチ8を正転側に操作した上でソケット6を締付ねじ13に係合(嵌合)させ、その状態で操作スイッチ4をオンさせれば電動機5は正転し、これによって締付ねじ13は締結体11内へねじ込まれていく。
【0004】
締付ねじ13による締結力が増大し、その締結力(締付トルク)が最大値に達すると、この締付ねじ13を捻回するトルクに相当する反力がねじ締め機1に発生するが、上記ねじ締め作業時において、ねじ締め機1と一体に設けられている反力受けアーム7を、例えば既に締結済みで締結体11と一体であるねじ14に係止させておくことで、ねじ締め機1が反動されることがなく、モータ5による動力が締付ねじ13へ作用される。
【0005】
この時点においては、操作スイッチ4をオフとなしてもソケット6と締付ねじ13と喰い付き状態が維持されたままとなって、ソケット6を締付ねじ13が離脱させることが困難である。
【0006】
そこで上記ソケット6と締付ねじ13との喰い付きを解消するために、従来では、締付ねじ13の締結体11への締着直後に、操作スイッチ4を一旦オフとし、次いで正逆転切替スイッチ8を逆転方向へ操作した後、再度操作スイッチ4をオフさせることで電動機5を逆転させ、この電動機5の逆転動作により、ソケット6と締付ねじ13との喰い付きを解除し、締付けが完了された締付ねじ13からソケット6を離脱させることを可能ならしめている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが締付ねじ13とソケット6との喰い付きを解除するために行なう電動機5の逆転トルクは、その電動機のねじ締付け時における正転トルクと同じであることから、電動機5を逆転する時の正逆転切替スイッチ8の操作時間が長が過ぎると一旦締結されていた締付ねじが緩んでしまうことがあって、特に電動機5を逆転するときの正逆転切替スイッチの操作タイミングのとり方に困難性を有することから、上記ソケット喰い付き解除のための電動機逆転操作を行なう作業者にあっては、熟練を要するものであった。また電動機の逆転操作は、正逆転スイッチ8と操作スイッチの双方を操作しなければならないことからソケット喰い付き解消するための操作作業性が悪いという不具合もあった。
【0008】
本発明はかかる従来の方式、すなわち締結された締付けねじとねじ締め機のソケットとの喰い付きを解除する方式の不具合に着目してなされたもので、電動機によるねじ締付けトルクに対して、その電動機による逆転トルクとを小さくするようにして、ソケットの喰い付き解除時において、一旦締結されている締結ねじが緩まされることなく、そのソケット喰い付きを解くことができるようにすることを第1の目的としている。
【0009】
また本発明では、締付けねじの締結が終了した後に正逆転切替スイッチを逆転方向へ切替え操作するだけで、電動機が低トルクによる逆転に自動的に切替わるようにして、ソケット喰い付き解除のための操作性を高めることを第2の目的としている。
【0010】
また本発明では、電動機の正転又は逆転を判別する手段として、複雑な回路を用いるのではなく、単純な器具(例えば変流器)を用いることで経済性を高めることを第3の目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的を実現する構成は、請求項1に記載のように、正逆転可能なねじ締めのための電動機の駆動軸にソケットを結合し、前記電動機には給電回路から位相差制御電圧が正逆転回路を介して印加されると共に、手動操作による正逆転切替スイッチにより該正逆転回路を切替えるようにした電動式ねじ締め機において、前記電動機の正逆転方向を前記正逆転回路の電流を検知することで判別する正逆転判別器と、前記給電回路からの出力電圧を高締結トルクが得られる電圧と低締結トルクが得られる電圧の2段階に調整可能とする駆動力設定器と、を有し、正方向の回転を前記正逆転判別器が検出すると、前記駆動力設定器は前記給電回路に高締結トルクが得られる出力電圧を指示し、逆方向の回転を前記正逆転判別器が検出すると、前記駆動力設定器は前記給電回路に低締結トルクが得られる出力電圧を指示することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図面に示す実施形態に基いて詳細に説明するが、本実施形態の構造と、従来例で説明した構造との同一部分は、従来例で使用した符号を引用して、その同一構造部分の構造説明は省略する。
【0013】
すなわち、本実施形態では、電動機5と電源3との間に接続される給電回路9には、駆動力設定器15を接続し、さらにその駆動力設定器15には、電動機5の正転側回路中に設けられている正逆転判別器16を接続している。
【0014】
上記駆動力設定器15は、位相制御による電圧調整により、例えば締付ねじを締結駆動するに適した締結トルクを生ぜしめるための正転高トルク設定回路15Hと、締付けがなされた締付ねじに対して弱反転力を作用せしめるための逆転低トルク設定回路15Lを有している。これらのトルク設定回路15H,15Lの具体例は可変抵抗器によって構成される。
【0015】
前記正逆転判別器16は、例えば電流−電圧変換器(変流器)で構成されており、本実施形態にあっては、その正逆転判別器16が電動機5の正転側回路に設けられていることから、電動機5が正転しているときにのみ、正逆転判別器16からの電圧による出力が駆動力設定器15へ印加されるようになっているが、これに限るものではなく、上記正逆転判別器16を、電動機5の逆転側回路に設けて、電動機5の逆転しているときのみに正逆転判別器16からの電圧による出力を駆動力設定器15へ印加するようにしてもよい。
【0016】
次にその作用について述べると、今締付ねじを締結体へねじ込むため、まず電動式ねじ締め機1の正逆転切替スイッチ8を正転側に操作した後に、操作スイッチ4を操作すると、電動機5は正転し、締付ねじが締結体へねじ込まれていく。このときの締結トルクは、正転高トルク設定回路15Hにより予め設定(プレセット)されている高トルクでねじ締めが進行する。
【0017】
そして上記締付ねじのねじ締めがなされたら、正逆転切替スイッチ8を逆転側へ操作すると、正逆転判別器16による出力電圧が零となりその結果、駆動力設定器15は、逆転低トルク設定回路15Lによる設定出力に自動的に切替えられ、電動機は、低トルク逆転に自動的に切替えられる。
【0018】
かくして、電動式ねじ締め機1が、低トルク逆転となることでソケット6と締付ねじとによる喰い付きが解消され、図2に示すように電動式ねじ締め機1の駆動軸5 a に結合されたソケット6を締付ねじ13から容易に離脱させることができる。またこの逆転時においては、ソケット6が低トルクで逆転されることから、一旦締結された締付ねじ13が緩まされてしまうといった不具合の発生はない。
【0019】
【発明の効果】
このように本発明によれば、ねじ締め機における電動機を正転駆動となし、これによってねじ締めが完了された後に正逆転切替スイッチ8を逆転側に切替えれば、上記電動機は、低トルクによる逆転となり、これによってねじ締め機ソケットと締付ねじとによる喰い付きが解消され、ソケットを締付ねじから離脱させることが容易に行なわれる。
【0020】
従って正逆転切替スイッチ8を操作するのみで、ソケットの喰い付きを解消することができるので、操作性に優れた電動式ねじ締め機が得られる。
【0021】
また電動機の逆転時においては、ソケットが低トルクによる弱逆転であることから、一旦締付けられた締付ねじが緩められてしまうといった不具合の発生がなく、機械的動作の信頼性が高い。また正逆転判別器16は無接点構造であることから、回路の動作信頼性にも優れたものである。さらに上記の正逆転判別器16は構造が簡単である電流−電圧変換器(変流器)を用いていることから、従来の複雑な回路を用いる必要がなく、本発明の経済性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明よりなる電動式ねじ締め機の実施形態を示した回路図。
【図2】従来の電動式ねじ締め機によるねじ締め時の説明図。
【図3】従来の電動式ねじ締め機の回路説明図。
【符号の説明】
1…電動式ねじ締め機 3…電源
4…操作スイッチ 5…電動機
8…正逆転切替スイッチ 9…給電回路
10…電圧設定器 15…駆動力設定器
15H…正転高トルク設定回路 15L…逆転低トルク設定回路
16…正逆転判別器
Claims (1)
- 正逆転可能なねじ締めのための電動機の駆動軸にソケットを結合し、前記電動機には給電回路から位相差制御電圧が正逆転回路を介して印加されると共に、手動操作による正逆転切替スイッチにより該正逆転回路を切替えるようにした電動式ねじ締め機において、
前記電動機の正逆転方向を前記正逆転回路の電流を検知することで判別する正逆転判別器と、
前記給電回路からの出力電圧を高締結トルクが得られる電圧と低締結トルクが得られる電圧の2段階に調整可能とする駆動力設定器と、
を有し、
正方向の回転を前記正逆転判別器が検出すると、前記駆動力設定器は前記給電回路に高締結トルクが得られる出力電圧を指示し、逆方向の回転を前記正逆転判別器が検出すると、前記駆動力設定器は前記給電回路に低締結トルクが得られる出力電圧を指示することを特徴とする電動式ねじ締め機。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03793296A JP3742140B2 (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 電動式ねじ締め機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03793296A JP3742140B2 (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 電動式ねじ締め機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09225851A JPH09225851A (ja) | 1997-09-02 |
JP3742140B2 true JP3742140B2 (ja) | 2006-02-01 |
Family
ID=12511339
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03793296A Expired - Lifetime JP3742140B2 (ja) | 1996-02-26 | 1996-02-26 | 電動式ねじ締め機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3742140B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5137701B2 (ja) * | 2008-06-12 | 2013-02-06 | 前田金属工業株式会社 | 締付トルク測定ユニット |
JP5784473B2 (ja) * | 2011-11-30 | 2015-09-24 | 株式会社マキタ | 回転打撃工具 |
-
1996
- 1996-02-26 JP JP03793296A patent/JP3742140B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH09225851A (ja) | 1997-09-02 |
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