JP3741864B2 - 超電導電力貯蔵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超電導導体を巻回してコイルとし、このコイルに通電することにより磁場を発生させ、電気エネルギーを貯える超電導電力貯蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超電導導体を巻回してコイルとし、そのコイルに発生する磁場のエネルギーの形で電力を貯蔵する超電導電力貯蔵装置は90%以上の高い効率で電力を貯蔵できるため、電力系統の安定化や電力供給の信頼性向上に役立つ機器として、小型のものについては一部実用化が始まるとともに、大型のものについてもパイロットプラント等により実験が進められている。
【0003】
超電導コイルは、コイルを液体ヘリウム中に置いてコイルを形成する超電導導体が超電導状態となる温度に保つ浸漬冷却方式と、導体の内部に極低温のヘリウム流路を設け、その流路の一方向にヘリウムを流して超電導導体が超電導となる温度に保つ強制冷却方式の2つの方式がある。
【0004】
従来の超電導コイルを用いた電力貯蔵装置としては、図12乃至図13に示すようなソレノイド配置(以下ソレノイド型と称す。)のものと、図14乃至図15に示すようなトロイド配置(以下トロイド型と称す。)のものとがある。
【0005】
図12において、中心軸を共通に同軸に配されたソレノイド型(円筒状)の主コイル1とシールドコイル2はその上端面と下端面に、それぞれ共通の上端板3および下端板4を配し、また、この上下端板3,4のさらに外側には上下固定板5,6が配されている。そして、これらの上下固定板5,6は、この上下固定板5,6および上下端板3,4を貫通するとともに前記2つのコイル間の間隙を通るステーボルト13によりコイルとともに一体に固定されている。この上下端板3,4は、主コイル1とシールドコイル2とをある一定の間隔を保つためのスペーサとしての役目を果たすとともに、コイルの励磁時のコイル導体の動きを防止し、それによる導体巻線部での発熱を防止するとともに、極低温から常温時までの温度変化によるコイル軸方向の熱膨張を抑制する。
【0006】
また、ソレノイド型の主コイル1で作られた磁場は、その両端で開放されるため全て外部に漏れてしまう。そのため、主コイル1の外側に同軸に配されたシールドコイル2は、この漏れ磁場(以下漏洩磁場と称す。)を打ち消す方向の磁場を発生させる。
【0007】
これらのコイル1,2は箱状の熱シールド7の中に収納され、前記下固定板6を吊りボルト8の一方の端に設けた支持テーブル9上で支持し、さらに吊りボルトのもう一方の端は真空容器10の内壁で支持することにより、一体化されたコイル1,2全体が支持されている。また、この熱シールド7は断熱支持脚11により真空容器10内で支持されるとともに、この断熱支持脚11は超電導電力貯蔵装置20全体も支持している。なお、真空容器10はフランジ12で上下に分離出来るようになっており、組立時の内部への前記各コイル1、2等の組込み作業を容易にしている。
【0008】
なお、このソレノイド型のものはその蓄積エネルギーを大きくするには、その径方向の巻数を増やしコイル外径を大きくするか、軸方向にコイルを段数を増してソレノイド長さ(軸方向長さ)を大きくするかいずれかの方法がある。
【0009】
一方、トロイド型のものはソレノイド型のコイル両端の開放部分を接続することにより、前述の漏洩磁場を防ぐとともにそれを有効に利用しようとするものである。図14において、レーストラック形状をした複数(図では16本)の主コイル21は、それぞれ個々にコイルケース22に収納され、トロイド状に配置されている。このトロイド状に配置された複数のコイル21…21の中心には、励磁時にこれらのコイル21…21に発生する向心力を支持する中心支柱23が設置され、また、これら複数のコイル21…21を一体化して支持するための支持構造物24,25がコイルケースの上下端に設置され、トロイド状に配置されたコイル21…21を一体化している。
【0010】
そして、これらの支持構造物24,25により一体化されたコイル21…21は熱シールド7に収納され、外部からの熱伝導をより少なくするためにワイヤー27により真空容器10から支持されるとともに、その中に収納されている。なお、中心支柱23の内部には、空間の有効活用の観点から、冷却材である液体ヘリウム等の循環機器29が収納されている。また、超電導電力貯蔵装置30全体はその外部に設けられた支持脚11で支持されている。
【0011】
このようなトロイド型のものにおいては、その蓄積エネルギーを大きくするには、個々のコイル21…21を大きくするか、もしくはトロイド状に配置したコイル21…21のトロイド外径Dtを大きくするかのいずれかの方法がある。よって、これらによる磁場強度の増大により支持構造物の強度の増加や、装置そのものを大型化することによるコストアップは免れない。
【0012】
さらにトロイド型では、前述のようにコイル21…21を励磁したときに向心力が生じ、そのため、この向心力を支持する中心支柱23や支持構造物24,25が必要となり、前記ソレノイド型に比べ真空容器10内の構造物が大きくかつ複雑になる。さらに向心力発生時にはコイル21…21の導体内にも同時に大きな応力を生じるため、それによる導体の変位やその変位による導体自体の発熱などがあり、超電導状態を安定に保つための温度的な余裕が無くなると言う問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近の電力貯蔵装置は、半導体用結晶引上げ装置の停電時のバックアップ電源装置としての役目も果たしつつあり、その需要も高まっている。このような装置に用いられる場合には、前述した漏洩磁場量の大小が大変に重要である。なぜならば、結晶引上げ装置では、磁石を用いて結晶生成部分での磁場を零にして引き上げることが性能の良い結晶を生成する方法であることが知られており、実際の装置もその方法に基づいた機器構成になっているためである。
【0014】
前述のように、単に漏洩磁場量の大小を考慮すればトロイド型の方が有利であるが、装置が大型になること,磁場発生に伴う電磁応力が大きくなることおよび支持構造が複雑である等の問題がある。一方、ソレノイド型は構造的にはトロイド型に比べ簡単となり、漏洩磁場量を少なくすることが唯一の問題として残されていた。
【0015】
ソレノイド型のコイルに発生する漏洩磁場量を図16を用いて説明する。図16には中心軸Zとする同軸に配置された2本のソレノイドコイルのそれぞれ右側断面を示している。ここで、内側のソレノイドコイル32の軸方向長さを2Z1,半径をr1、外側のソレノイドコイル33の軸方向長さを2Z2,半径をr2、またコイル32、33の外側の自由空間部Pでの座標値を(rp,zp)としたときに、漏洩磁場の式は下式で与えられる。
【0016】
【数2】
Figure 0003741864
【0017】
Figure 0003741864
(1)式では、コイルの位置に関係する項Gと、観測位置に関係する項Fに分離してあらわされ、図16ではコイルが中心に対して対称位置にあるため奇数項のみが有効となる。
ここで、各項は下記のようにあらわされる。ここでは、F項およびG項とも高次の項は省略して1,3,5次のみ示している。
【0018】
【数3】
Figure 0003741864
Figure 0003741864
【0019】
【数4】
Figure 0003741864
Figure 0003741864
【0020】
【数5】
Figure 0003741864
Figure 0003741864
【0021】
【数6】
Figure 0003741864
Figure 0003741864
【0022】
【数7】
Figure 0003741864
Figure 0003741864
【0023】
【数8】
Figure 0003741864
Figure 0003741864
上記の各式の内、
【0024】
【数9】
π(r12 ・NI=m1 …………式(8)
は磁気モーメントと呼ばれるもので、Nはコイルの巻線数,Iはその電流値,π(r12 はソレノイドコイルの円筒部分の断面積をあらわす。
【0025】
そこで漏洩磁場を少なくするためには、式(1)において低次の項,特にコイル位置に関係する項Gの低次の項を零にすれば良いことが分かる。よって、式(1)の項Gの1次の項を零にすべく式(2)より
【0026】
【数10】
1 =m2
【0027】
【数11】
1 (r12 =N2 (r22
【0028】
【数12】
2 /N1 =(r1 /r22 …………式(9)
となる。しかし、必ずしもコイル1とコイル2に対して式(9)を満たすことは難しいため、僅かに漏洩磁場が発生する。
そこで、さらに式(1)における項Gの3次の項を零すれば漏洩磁場がさらに減少することが分かる。よって、
【0029】
【数13】
(4/3)・(z12 −(r12 =0
【0030】
【数14】
1 ={(√3)/2}r1 …………式(10)
となる。よって、上記式(9),式(10)を満足すれば大幅に漏洩磁場が減少することになる。
【0031】
そこで本願の目的は、漏洩磁場量および電磁応力が低減された電力貯蔵装置を提供することにある。さらに本願の別の目的は小型で安価な電力貯蔵装置の提供を目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明に係る超電導電力貯蔵装置は、複数のソレノイド型の超電導コイルをこのコイルの軸方向に平行に並べて真空容器内に収納してなる超電導電力貯蔵装置において、前記超電導コイルは4本で構成されこの超電導コイルは正四角形の各頂点に相当する位置のみに配置され、かつこの超電導コイルは略同一の磁気モーメント値を有するとともに相隣る前記超電導コイルの磁気モーメントの方向は互いに逆向きであることを特徴とする。このように構成された請求項1記載の本発明は、互いに相隣るコイルの磁気モーメントをほぼ完全に打ち消し合うため外部への漏洩磁場が大幅に減少する。また、正多角形の中心位置では磁気モーメントが零になるため磁場の影響を受け易い機器の設置も可能となる。
【0043】
上記目的を達成するため請求項記載の発明に係る超電導電力貯蔵装置は、請求項に係る超電導電力貯蔵装置において、前記各超電導コイル直径Dと軸方向長さHとは
【0044】
[数15]H/D=(√3)/2
の関係を有することを特徴とする。このように構成された請求項記載の本発明では、漏洩磁場をあらわす式において5次の項を零に出来るために、漏洩磁場のさらなる減少が見込まれる。
【0045】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下、図1から図11を参照して説明する。なお、図1から図11において、図12から図16に示した従来技術と同一構成部分には同一符号を付しその構成の説明を省略する。
【0046】
図1乃至図2は第1の実施の形態を示しており、図1はその縦断面図を、図2は図1のA−A矢視断面図をそれぞれ示している。
図において、その軸方向に対して平行に並べられた複数(第1の実施の形態の場合では一例として4本)のソレノイド型の超電導コイル51a,51b,51c,51dの上下端面には、上端板52、下端板53が配されるとともに、上下端板支持具54,55を介して上下コイル固定トラス56,57にそれぞれ固定されて、この上下コイル固定トラス56,57によりこれら4本のコイルは一体化されている。また、上側コイル固定トラス56にはステー58の一端が取り付けられるとともに、このステー58の他端は真空容器10内壁に設けられた支持棚59に固定され、前記一体化されたコイル全体を真空容器10に固定している。
【0047】
固定化された4本のコイルは、上下コイル固定トラス56,57とともに箱状の熱シールド7内に収納されている。そして、断熱支持脚11は熱シールド7を真空容器10内に固定するとともに、超電導電力貯蔵装置50全体を支持している。
【0048】
一方、略同一の形状,構造からなる4本のソレノイド型コイル51a〜51dにおいては、互いに隣り合うコイルの磁気モーメントを、その値は略同一でその方向は異なるように設置もしくは電気的接続がなされている。すなわち、コイル51aとコイル52b、コイル51bとコイル52c、コイル51cとコイル52d、コイル51dとコイル52aとはそれぞれ略同一磁気モーメント値であるがその方向は互いに異なっている。
【0049】
このような構成の超電導電力貯蔵装置50においては、漏洩磁場の原因となる磁気モーメントは相隣り合うコイルが互いに打ち消し合うために、従来例のように別途シールドコイルを設けたり、真空容器の外部もしくは内部に磁気シールドを設けたりする必要が無く、その漏洩磁場が大幅に減少する。また、相隣り合うコイルの磁力線の向きも異なるため、コイル励磁時の誘導電流による電磁力が低減され、その支持構造物も簡素化が可能となる。さらに、コイル51a〜51dを構成する超電導線に生じる応力も低減されることから、その信頼性が増す。また、略同一の形状・構造のコイルを並べるだけで構成できるため装置として簡素化された安価な超電導電力貯蔵装置50を提供出来る。
【0050】
次に図3乃至図4を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、図3は第2の実施の形態の縦断面図を、図4は図3のB−B矢視断面図をそれぞれ示している。
【0051】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態におけるソレノイド型のコイルに代わり、その軸方向に平行に並べた複数の略同一の形状,構造のソレノイド型のコイルを、その軸方向から見た時に偶数の頂点を持つ正多角形の各頂点に相当する位置にそれぞれ配置するとともに、このソレノイド型コイル51a〜51fにおいては、互いに隣り合うコイルの磁気モーメントを、その値は略同一でその方向は異なるように設置もしくはその電気的接続がなされている。他の構成は第1の実施の形態と略同じである。
【0052】
このような構成の超電導電力貯蔵装置50においては、第1の実施の形態の効果に加えて、電力貯蔵装置50の容量を増加させる場合に、その並べ型を偶数の頂点を有する多角形状にして、超電導コイル51そのものの数を増加させることで対応することが可能となり、漏洩磁場も全く増加することがなく、また個々のコイル51を大きくする必要も無い。また各ソレノイド型コイル51a〜51fの中心位置,すなわち多角形の中心位置では磁気モーメントが全てのコイル51a〜51fの間で打ち消し合い零になるので、そこにコイル51冷却用の冷凍器等を設置することが可能となり、真空容器10内の空間を有効に利用できる。なお、図3乃至図4では超電導コイル(51a〜51f)を6個、すなわち6角形の場合を示している。
【0053】
次に図5乃至図6を参照して本発明の参考となる実施の形態を説明する。なお、図5は第3の実施の形態の縦断面図を、図6は図5のC−C矢視断面図をそれぞれ示している。
【0054】
図において、軸方向に対して平行に並べられた略同一の形状,構造からなるソレノイド型の超電導コイル51a〜51hは、2本一組としてコイル対61a〜61dを形成している。このコイル対61a〜61dの上下端面には、上端板52、下端板53が配されるとともに、上下端板支持具54,55を介して上下コイル固定トラス56,57にそれぞれ固定されて、この上下コイル固定トラス56,57によりこれらのコイル対61a〜61dは一体化されている。他の構成については第1の実施の形態と略同一である。
【0055】
コイル対61aを形成するコイル51a,51bは、略同一の形状,構造からなり、その磁気モーメントは略同一の値でその向きが互いに逆となるように設置または電気的接続がされている。他のコイル対61b〜61dを形成するコイル51c,51d、51e,51fおよび51g,51hも同様である。
【0056】
このような構成の超電導電力貯蔵装置50においては、第1および第2の実施の形態の効果に加えて、漏洩磁場の原因となる磁気モーメントはコイル対を形成する1組のコイル間でほぼ打ち消し合うため、たとえこのコイル対を多数並べても漏洩磁場は大きくならない。よって、漏洩磁場の少なく容量の大きな超電導電力貯蔵装置50を提供することができる。また、各コイル対はその設置位置に制約が無いため超電導電力貯蔵装置50全体の形状の設計自由度が増し、その装置の設置位置に合わせた形状にできる。なお、図5乃至図6においては、コイル対61は4組(61a〜61d)の場合を示したが、これに限らずコイル対61単位の増減であれば何組にしても良い。
【0057】
次に図7を参照して本発明の第の実施の形態を説明する。図において、内側に配された第1の超電導コイル71と外側に配された第2の超電導コイル72とは、その中心軸を共通に同軸に配設された2個のソレノイド型の超電導コイルからなり、それぞれのコイル軸方向長さH1およびH2とその径D1およびD2とは
【0058】
【数16】
H1/D1=(√3)/2
【0059】
【数17】
H2/D2=(√3)/2
の関係を有する。
これらの超電導コイル71,72の上下端には、上下端固定具73,74が配設され両コイル71,72の位置を固定するとともに両コイルを一体化している。そして上端固定具73には、ステー58の一端が取り付けられるとともに、その他端は真空容器10の内壁に設けられた支持棚59に固定され、上下端固定具73,74で一体化された超電導コイル71,72を真空容器10で支持している。
【0060】
一体化された超電導コイル71,72は、上下端固定具73,74とともに真空容器10内に設けられた箱状の熱シールド7内に収納され、断熱支持脚11で支持されている。また、この断熱支持脚11は超電導電力貯蔵装置50全体も支持している。
【0061】
このような構成の超電導電力貯蔵装置50においては、漏洩磁場をあらわす式おける5次の項を零にできるため、実際の漏洩磁場も大幅に減少する。また、同軸のコイル2本で構成されるため構造が簡単となり、信頼性の高い超電導電力貯蔵装置50を提供できる。
なお、上記したように超電導コイルをその軸方向長さHとその径Dとの比が
【0062】
【数18】
H/D=(√3)/2
の関係を有するコイルを製作することにより、漏洩磁場が大幅に減少するのは、同軸に配置された1対のコイルに対してのみ有効であるわけではなく、単体のコイルに適用しても同様の効果を得ることが出来る。
【0063】
次に図8乃至図9を参照して本発明の参考となる実施の形態を説明する。なお、図8は第5の実施の形態の縦断面図を、図9は図8のD−D矢視断面図をそれぞれ示している。
【0064】
図において、複数の超電導コイル81a〜81dは、その中心軸を、同一の軸心上に一列に配設されている。そして、各コイル81a〜81dは、その外周に配された固定枠82a〜82dと、各コイル81a〜81d間に設けられたスペーサ83a〜83cと、左右端部に位置するコイル81a,81dのそれぞれの端面に設けられた左右支持端板84,85により一体化されている。この一体化されたコイルは、外部からの熱伝導をできるだけ少なくさせるために用いるワイヤー86で真空容器10内に設けられた箱状の熱シールド7内に支持されている。さらに、この熱シールド7も真空容器10内にワイヤー87で支持されている。そして、この超電導電力貯蔵装置50全体は外部に配設された断熱支持脚11で支持されている。なお、超電導コイル81a〜81dは略同一形状,同一構造をしており、その磁気モーメントは値が略同一で、その方向は互いに相隣合うコイル間で異なる方向を向いている。
【0065】
このような構成の超電導電力貯蔵装置50においては、相隣合うコイル間で磁気モーメントを打ち消し合うため漏洩磁場が少なくなる。またコイル数を増減させる場合にも、磁気モーメントの値が略同一でその方向が互いに異なる方向を向いたコイルの2本を単位としているので、コイル数に関係なく漏洩磁場は少ない。なお、図では超電導コイルが横に4本直列に並んだ場合を示したが、これに限定されることなく、縦に積み重ねても良く、その数も偶数であれば幾つでも良い。
【0066】
次に図10乃至図11を参照して本発明の参考となる実施の形態を説明する。図10乃至図11は超電導電力貯蔵装置50の断面図を示しており、断面積および断面形状の異なる2種類の超電導コイルが、2本ずつ対になり上下端板53,54(上端板53は図示せず)により一体化されていること以外は第3の実施の形態と略同一である。そして、対になった超電導コイル91a,91b、92a,92bはそれぞれ略同一の形状,構造をしており、略同一の磁気モーメント値でありその方向が互いに逆向きになるように設置またはその電気的接続がなされている。
【0067】
このような構成の超電導電力貯蔵装置50においては、対になった超電導コイル91、92間で磁気モーメントを打ち消し合うため、外部に漏れる漏洩磁場は少ない。さらにコイルを対に設置すること以外に、その大きさ,形状には制約がないため、真空容器10内の空間を有効に活用できる。また超電導電力貯蔵装置50の設置場所に合わせた形状を取ることができ、その応用範囲が広がる。なお、図では2種類のコイルの例を示したが、これに限定されることなく、各コイルが対であれば、その大きさ,形状の種類は幾つでも良い。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の超電導電力貯蔵装置は、複数のソレノイド型の超電導コイルをこのコイルの軸方向に平行に並べて、これらの超電導コイルは略同一の磁気モーメント値を有するとともに互いに相隣る超電導コイルの磁気モーメントの方向を逆向きにしたので、漏洩磁場の原因となる磁気モーメントは相隣り合うコイルで打ち消し合い、従来のように別途シールドコイルを設けたり、真空容器の外部もしくは内部に磁気シールドを設けたりする必要が無く、漏洩磁場は大幅に減少する。
さらに、相隣り合うコイルの磁力線の向きも異なるため、コイル励磁時の誘導電流による電磁力が低減され、その支持構造物も簡素化が可能となる。さらに、コイルを構成する超電導線に生じる応力も低減されることから、その信頼性が増す。加えて、略同一の形状・構造の4本のコイルを並べるだけで装置を構成できるため、簡素化された安価な超電導電力貯蔵装置50を提供することが出来る。また、超電導コイルは偶数の頂点を持つ正角形の各頂点に相当する位置のみに配置する構成としたので、正角形の中心位置では磁気モーメントが零になるため磁場の影響を受け易い機器の設置も可能となる。
【0069】
また、本発明の超電導電力貯蔵装置は、1組の超電導コイルを同軸に配置し、この同軸に配置された1組の超電導コイルの内側に配設される第1の超電導コイルの磁気モーメントと、外側に配設される第2の超電導コイルの磁気モーメントとを等しくするとともに、その方向を互いに逆向きにし、さらに、超電導コイルの軸方向の長さHと径Dの比を、
【0070】
【数19】
H/D=(√3)/2
としたので漏洩磁場をあらわす式における5次の項が零になり、その結果、漏洩磁場は大幅に減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超電導電力貯蔵装置の第1の実施の形態を示す縦断面図。
【図2】本発明の超電導電力貯蔵装置の第1の実施の形態を示す図1のA−A矢視線に沿う断面図。
【図3】本発明の超電導電力貯蔵装置の第2の実施の形態を示す縦断面図。
【図4】本発明の超電導電力貯蔵装置の第2の実施の形態を示す図3のB−B矢視線に沿う断面図。
【図5】本発明の超電導電力貯蔵装置の第3の実施の形態を示す縦断面図。
【図6】本発明の超電導電力貯蔵装置の第3の実施の形態を示す図5のC−C矢視線に沿う断面図。
【図7】本発明の超電導電力貯蔵装置の第4の実施の形態を示す縦断面図。
【図8】本発明の超電導電力貯蔵装置の第5の実施の形態を示す縦断面図。
【図9】本発明の超電導電力貯蔵装置の第5の実施の形態を示す図8のD−D矢視線に沿う断面図。
【図10】本発明の超電導電力貯蔵装置の第6の実施の形態を示す縦断面図。
【図11】本発明の超電導電力貯蔵装置の第6の実施の形態の別の例を示す縦断面図。
【図12】従来の超電導電力貯蔵装置の構成を示す縦断面図。
【図13】従来の超電導電力貯蔵装置の構成を示す図12のX−X矢視線に沿う断面図。
【図14】従来の別の超電導電力貯蔵装置の構成を示す縦断面図。
【図15】従来の別の超電導電力貯蔵装置の構成を示す図13のY−Y矢視線に沿う断面図。
【図16】同軸に配置されたコイルにおける漏洩磁場の式を説明する図。
【符号の説明】
7 断熱シールド
10 真空容器
11 断熱支持脚
12 真空容器フランジ
50 超電導電力貯蔵装置
51a,51b,51c,51d,51e,51f,51g,51h 超電導コイル
52 上端板
53 下端板
54 上端板支持具
55 下端板支持具
56 上コイル固定トラス
57 下コイル固定トラス
58 ステー
59 支持棚
61a,61b,61c,61d コイル対
71 内側超電導コイル(第1の超電導コイル)
72 外側超電導コイル(第2の超電導コイル)
73 上端固定具
74 下端固定具
81a,81b,81c,81d 超電導コイル
82a,82b,82c,82d 固定枠
83a,83b,83c スペーサ
84 左支持端板
85 右支持端板
86,87 支持ワイヤー
91a,91b 超電導コイル
92a,92b 超電導コイル

Claims (2)

  1. 複数のソレノイド型の超電導コイルをこのコイルの軸方向に平行に並べて真空容器内に収納してなる超電導電力貯蔵装置において、前記超電導コイルは4本で構成されこの超電導コイルは正四角形の各頂点に相当する位置のみに配置され、かつこの超電導コイルは略同一の磁気モーメント値を有するとともに相隣る前記超電導コイルの磁気モーメントの方向は互いに逆向きであることを特徴とする超電導電力貯蔵装置。
  2. 前記各超電導コイルの直径Dと軸方向長さHとは
    [数1]H/D=(√3)/2
    の関係を有することを特徴とする請求項1項に記載の超電導電力貯蔵装置。
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