JP3741510B2 - 粘性液体充填機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は液体充填機に関し、特に、粘性の高い粘性液体に用いる液体充填機及びその充填ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、石油缶等の容器に液体を充填するには、図4及び図5に示すような重量式液体充填機が用いられる。即ち、この重量式液体充填機にあっては、基台1A上の計量台2Aに容器Xが供給され、前記基台1Aに付設されるポスト3Aの昇降シリンダ4Aにより上下動される充填ノズル5Aから容器Xの内部に計量された液体が充填される。
【0003】
ところで、このような重量式液体充填機に用いる従来の充填ノズル5Aは、図5に示すように、容器Xに充填される液体を流出させるノズル口部6Aを下端に有するノズル本体7Aを備え、同ノズル本体7Aの内部には図4の開閉シリンダ8Aで上下方向に開閉操作される開閉ロッド9Aが内蔵され、同開閉ロッド9Aの下端部に、ノズル本体7Aの内部の弁座10Aに着座できる弁シート11A及び前記ノズル口部6Aを閉鎖する栓体12Aが固定される。
【0004】
つまり、容器Xに対する一定量の液体充填の後、弁シート11A及び栓体12Aが仮想線の位置から実線示の位置まで下降されると、弁座10Aに対する弁シート11Aの着座により充填液体の流出が停止され、ノズル口部6A中に残っていた充填液体が充填ノズル5A外に排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、取り扱われる充填液体が粘性液体Yである場合、その粘性のため、充填ノズル5A外に排除された粘性液体Yが栓体12Aの下面やノズル口部6Aの口廻りに付着した状態になり、時間経過と共に、図示のように糸を引いた状態になりながら、余剰粘性液体Yが下方に滴下する。
このため、このような粘性液体Yを取り扱う重量式液体充填機においては、充填済の容器Xの表面が充填ノズル5Aから滴下する粘性液体Yで汚損されて商品価値が損なわれたり、滴下した粘性液体Yで計量台2A自体が汚れてしまう。
したがって、従来の同重量式液体充填機においては、充填完了後に、容器Xの表面から粘性液体Yを払拭する手間や定期的な計量台2Aの清掃が必要になっている。
【0006】
本発明の目的は、以上に述べたような従来の液体充填機の問題に鑑み、充填ノズルに付着した余剰の粘性液体で容器や計量台が汚損されることのない粘性液体充填機及びノズル本体を得るにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
1) 容器に対して粘性液体を充填する充填ノズルを備えた粘性液体充填機において、前記充填ノズルは、粘性液体を流出するノズル口部を下端に有するノズル本体と、同ノズル本体の内部の弁座に着座できる弁シートと、同弁シートと一体的に開閉運動されかつ前記ノズル口部を閉鎖する栓体とを備え、同栓体は下端尖頭部を有し、閉鎖位置にある前記栓体の下端に臨んだ前記ノズル口部の内周面と前記栓体外周面との間に、粘性液体を軟化させる溶剤液を供給できる環状の溶剤供給室が形成され、余剰粘性液体及び溶剤液を吸入できる環状周面溝が同溶剤供給室と前記弁シートとの間の前記栓体の外周面に形成され、前記尖頭部の先端と前記環状周面溝を連絡する吸液孔が前記栓体の中心部に形成されたことを特徴とする粘性液体充填機。
2) 容器に充填される粘性液体を供給するノズル口部を下端に有するノズル本体と、同ノズル本体の内部の弁座に着座できる弁シートと、同弁シートと一体に開閉運動されかつ前記ノズル口部を閉鎖する栓体とを備え、同栓体は下端尖頭部を有し、閉鎖位置にある前記栓体の下端に臨んだ前記ノズル口部の内周面と栓体外周面との間に、粘性液体を軟化させる溶剤液を供給できる環状の溶剤供給室が形成され、余剰粘性液体及び溶剤液を吸入できる環状周面溝が同溶剤供給室と前記弁シートとの間の前記栓体の外周面に形成され、前記尖頭部の先端と環状周面溝を連絡する吸液孔が前記栓体の中心部に形成されたことを特徴とする充填ノズル
を提案するものである。
【0008】
後述する本発明の好ましい実施例の説明においては、前記溶剤供給室は、前記ノズル口部の外部に固定される環状口金と前記ノズル口部の外周面との間に形成され、前記環状周面溝は、前記ノズル口部に形成されかつ弁座が閉鎖位置にあるとき連絡できる真空通路を介して真空タンクに結合された充填ノズルが説明される。
【0009】
【実施例】
以下、図1から図3について本発明の実施例の詳細を説明する。
図1は本発明による粘性液体充填機を示し、この粘性液体充填機は充填重量を検出できる基台1を備え、同基台1上の計量台2に容器Xが供給され、前記基台1に付設されるポスト3の昇降シリンダ4により上下動される充填ノズル5から容器Xの内部に計量された液体が充填される。
【0010】
また、図2は充填ノズル5の拡大断面図であって、同充填ノズル5は、容器Xに充填される液体を流出させるノズル口部6を下端に有するノズル本体7を備え、同ノズル本体7の内部には、図1の開閉シリンダ8で上下方向に開閉操作される開閉ロッド9が内蔵され、同開閉ロッド9の下端部に、ノズル本体7の内部の弁座10に着座できる弁シート11及び前記ノズル口部6を閉鎖する栓体12が固定される点では、従来と同様である。
図示実施例の場合、前記栓体12は円錐状の先細りの尖頭部12aを有し、前記ノズル口部6には環状口金13がねじ込み固定され、この環状口金13の内周面とノズル口部6の外周面との間には環状の溶剤供給室14が形成され、環状口金13の内周面とノズル口部6の外周面との間に形成する隙間15から溶剤供給室14に圧送された溶剤液を前記尖頭部12aの外周面に流出できる。
つまり、前記溶剤供給室14に対しては、溶剤通路16、溶剤制御弁17を介して溶剤液タンクMTから溶剤液が圧送され、充填ノズル5による粘性液体Yの液体充填後に前記隙間15から前記尖頭部12aの全周に向かって溶剤液が供給される。
【0011】
一方、前記ノズル口部6に面した栓体12の外周面には真空圧を作用できる環状周面溝18が形成され、この環状周面溝18は前記尖頭部12aの先端に開口される吸液孔19に連絡され、同吸液孔19から尖頭部12aの外周面に付着した余剰粘性液体Yが環状周面溝18に回収される。即ち、この閉鎖位置にある同環状周面溝18に臨んでは、回収通路20がノズル口部6に形成され、この回収通路20は、真空プラグ及び真空制御弁21を介して真空タンクBTに連絡されるから、溶剤液で軟化されて環状周面溝18に流入した余剰粘性液体Yは、同回収通路20、真空プラグ、真空制御弁21を介して真空タンクBT中に回収され、回収液と排出空気とに分離される。
【0012】
図示実施例による粘性液体充填機は、以上のような構造であるから、昇降シリンダ4及び開閉シリンダ8の操作により計量台2上の容器Xに対して必要量の粘性液体Yが充填された後、開閉ロッド9により充填ノズル5が閉じられることになる。
【0013】
図3(a)は、容器Xに対する粘性液体Yの充填直後の状態を示し、この状態では、栓体12でのノズル口部6の閉鎖により、同栓体12の尖頭部12aの外周面に余剰粘性液体Yが全面に亙って付着し、同余剰粘性液体Yは、栓体12の尖頭部12aの中心に向かって集中する傾向にある。
粘性液体Yの充填が終了すると、溶剤制御弁17及び真空制御弁21が略同時的に解放され、溶剤液タンクMTから溶剤供給室14に溶剤液が圧送されると同時に、環状周面溝18に真空圧が作用される。
【0014】
したがって、前記尖頭部12aの外周面に付着している余剰粘性液体Yは、隙間15から流出された溶剤液で解かされ、同溶剤液と共に吸液孔19から環状周面溝18中に流入し、真空タンクBT中に回収される。つまり、このような溶剤供給室14からの溶剤液の供給と環状周面溝18に対する真空圧の作用をある時間続行すると、尖頭部12aに付着していた余剰粘性液体Yのほとんどは、真空タンクBT中に回収されるから、同余剰粘性液体Yが容器Xの表面や計量台2に滴下するのが防止される。このような余剰粘性液体Yの回収の後では、図3(b)に示すように、栓体12の尖頭部12aには、溶剤液で粘性を低下された粘性液体Yが極く薄い層として残るだけであるので、一定時間の後、溶剤制御弁17及び真空制御弁21を閉じるだけで、新たな容器の充填を行うことができる。
【0015】
なお、前記実施例の説明では、円錐状に形成された尖頭部12aを説明したが、栓体12の同尖頭部12aの形状は、例えば砲弾状のような他の形状であってもよく、要は外周面に付着した余剰粘性液体が下端中心部に集まる形状であればよい。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明による粘性液体充填機及び充填ノズルによれば、粘性液体がノズル口部や栓体から滴下することのない構造が得られ、ノズル口部や栓体から滴下する粘性液体で容器や計量台が汚損されることによる拭き取りの手間や保守管理の必要性を緩和できる。
また、請求項3記載の発明によると、構造が比較的簡単で、従来の液体充填機の一部を改良するだけで、余剰粘性液体が滴下することのない充填ノズルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による粘性液体充填機の全体正面図である。
【図2】同粘性液体充填機に用いる充填ノズルの要部拡大断面図である。
【図3】(a),(b)は同充填ノズルの余剰粘性液体の回収作用の説明図である。
【図4】従来の重量式液体充填機の全体正面図である。
【図5】同重量式液体充填機に用いる充填ノズルの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
X 容器
Y 粘性液体
BT 真空タンク
MT 溶剤液タンク
2 計量台
4 昇降シリンダ
5 充填ノズル
6 ノズル口部
7 ノズル本体
8 開閉シリンダ
9 開閉ロッド
10 弁座
11 弁シート
12 栓体
12a 尖頭部
13 環状口金
14 溶剤供給室
15 隙間
18 環状周面溝
19 吸液孔
Claims (3)
- 容器に対して粘性液体を充填する充填ノズルを備えた粘性液体充填機において、前記充填ノズルは、粘性液体を流出するノズル口部を下端に有するノズル本体と、同ノズル本体の内部の弁座に着座できる弁シートと、同弁シートと一体的に開閉運動されかつ前記ノズル口部を閉鎖する栓体とを備え、同栓体は下端尖頭部を有し、閉鎖位置にある前記栓体の下端に臨んだ前記ノズル口部の内周面と前記栓体外周面との間に、粘性液体を軟化させる溶剤液を供給できる環状の溶剤供給室が形成され、余剰粘性液体及び溶剤液を吸入できる環状周面溝が同溶剤供給室と前記弁シートとの間の前記栓体の外周面に形成され、前記尖頭部の先端と前記環状周面溝を連絡する吸液孔が前記栓体の中心部に形成されたことを特徴とする粘性液体充填機。
- 容器に充填される粘性液体を供給するノズル口部を下端に有するノズル本体と、同ノズル本体の内部の弁座に着座できる弁シートと、同弁シートと一体に開閉運動されかつ前記ノズル口部を閉鎖する栓体とを備え、同栓体は下端尖頭部を有し、閉鎖位置にある前記栓体の下端に臨んだ前記ノズル口部の内周面と栓体外周面との間に、粘性液体を軟化させる溶剤液を供給できる環状の溶剤供給室が形成され、余剰粘性液体及び溶剤液を吸入できる環状周面溝が同溶剤供給室と前記弁シートとの間の前記栓体の外周面に形成され、前記尖頭部の先端と環状周面溝を連絡する吸液孔が前記栓体の中心部に形成されたことを特徴とする充填ノズル。
- 前記溶剤供給室は、前記ノズル口部の外部に固定される環状口金と前記ノズル口部の外周面との間に形成され、前記環状周面溝は、前記ノズル口部に形成されかつ弁座が閉鎖位置にあるとき連絡できる真空通路を介して真空タンクに結合されることを特徴とする請求項2記載の充填ノズル。
Priority Applications (1)
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JP05978397A JP3741510B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 粘性液体充填機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP05978397A JP3741510B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 粘性液体充填機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10236403A JPH10236403A (ja) | 1998-09-08 |
JP3741510B2 true JP3741510B2 (ja) | 2006-02-01 |
Family
ID=13123245
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP05978397A Expired - Lifetime JP3741510B2 (ja) | 1997-02-27 | 1997-02-27 | 粘性液体充填機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3741510B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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JP6375598B2 (ja) * | 2013-07-26 | 2018-08-22 | 東洋製罐株式会社 | キャップ付容器の容器口部を洗浄する洗浄ノズル、洗浄方法、及び充填洗浄方法 |
-
1997
- 1997-02-27 JP JP05978397A patent/JP3741510B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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