JP3740382B2 - プロセスモデルのパラメータ調整装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、下水処理プロセスや食品加工プロセス等の生物学的プロセスおよび石油精製等の化学プロセスなどのプロセス系を中心とする一般的なプロセスの挙動を模擬するプロセスモデルのパラメータ調整装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上下水道の水質プロセスなどの水処理プロセスや食品加工プロセス等の微生物の代謝を利用した生物学的プロセスや石油精製プロセスなどの化学プロセスでは、近年プロセスの挙動を模擬するためのプロセスモデル/プロセスシミュレータを利用することが多くなってきている。(なお、ここで、プロセスシュミレータという言葉は、微分方程式や偏微分方程式などの数式で記述されるプロセスモデルをコンピュータなどで計算できるようにコンピュータ上に実装したもののことを示すことが多い。しかし、ここではプロセスモデルとプロセスシュミレータを同一視し、文脈に応じてより適切な言葉を用いる。)
これは、現実のプロセスを詳細に模擬することのできるプロセスシミュレータがあれば、例えば、以下の様なことを行うことができるからである。
【0003】
(1)プロセスを設計する場合の事前検討にプロセスシミュレータを用いて、最適なプロセスを設計する(設計支援)。
【0004】
(2)プロセスの運転管理や維持管理をする場合に、プロセスシミュレータによる挙動解析により、より適切な運転管理/維持管理を行うための検討を行う(運転管理支援)。
【0005】
(3)様々な状況を想定したシナリオシミュレーションを行うことによって、予め起こり得る危険な現象を予測する(シナリオシミュレーション)。
【0006】
(4)プロセスシミュレータを利用して、オンラインで計測できる変数から、オンラインで計測できない変数の値を推定する(ソフトウエアセンサー、オブザーバ)。
【0007】
(5)プロセスシミュレータを組み込んだ自動制御コントローラを設計する(モデルベース制御)。
【0008】
(6)プロセスシミュレータを用いて、経済コストと品質(化学プロセス等の場合)、経済コストと環境コスト(水処理プロセスなどの環境プロセスの場合)の最適化を図る(短期のプロセス最適化)。
【0009】
(7)プロセスシミュレータを用いて、プロセスの設計段階からプロセスを減価償却し廃棄する段階までの間のライフサイクルコスト(LCC)の計算や、ライフサイクルアセスメント(LCA)を行う(長期のプロセス最適化)。
【0010】
(8)プロセスに熟知した専門家以外には理解しづらいプロセスの内部現象をシミュレータによって模擬して可視化することにより、プロセス技術者の教育や訓練に用いる(教育/運転訓練)。
【0011】
このように、プロセスモデル/プロセスシミュレータは様々な利用用途を潜在的に持っているが、プロセスモデルが実際に現実の様々な問題に適用できるか否かは、プロセスモデルの持つパラメータを現実のプロセスに適合する様にうまく調整できるか否かにかかっている。すなわち、実世界(リアルワールド)で現実に起こっている現象の何らかの形の縮約であるプロセスモデルは、リアルワールドを精度よく近似することができて初めてその存在意義がある。
【0012】
ところで、プロセスモデルの作り方は、ブラックボックス的なアプローチとホワイトボード的なアプローチの2つに大別される。
【0013】
ブラックボックス的アプローチは、実際のプロセスから入手したデータを解析することによって数学的にモデルを構築する方法であり、このモデルをブラックボックスモデルと呼ぶことが多い。ブラックボックス的アプローチの代表的なものには、制御理論の一分野であるシステム同定法や、人間の脳の働きを数学的にモデル化したニューラルネットワーク、統計学の分野で用いられる多変量解析などがある。ブラックボックス的なアプローチは、化学プロセスや生物学的プロセスなどのように、機械システムや電磁気システムと比較して複雑な内部構造を持つプロセスをモデル化する場合には有望なアプローチである。このアプローチでは、実在のデータから実際の現象に適合する様にモデルを構築するため、リアルワールドを精度よく近似することが期待できるが、一方、以下の様な問題点がある。
【0014】
(A)実プロセスの時系列データが存在しない場合はモデル化ができない、そのため、プロセス設計などのプロセス構築前の事前検討に用いることができない。(B)基本的には実データに適合する様にモデル化を行うため、過去に生じていない現象を模擬することが困難な場合が多い、そのため、シナリオシミュレーションや異常診断に用いる場合には限界がある(汎化能力や予測能力の精度に限界がある)。
【0015】
(C)ブラックボックスモデルが持つパラメータは、(数学的な意味やシステム論的な意味は持つが)、通常物理化学的な意味を持たないため、物理量や化学量との対応付けが難しい。そのため、専門家以外の人へのモデルの説明が困難であり、専門家でない一般の人々には受け入れられがたい。そのため、普及させることが難しい。
【0016】
一方、ホワイトボックス的なアプローチは、物理化学的な洞察に基づいてプロセスモデルを構築する方法であり、この方法によって構築されたモデルはホワイトボックスモデル、物理モデル、物理化学モデルなどと呼ばれる。ホワイトボックスモデルは、ブラックボックスモデルの持つ欠点である上記(A)〜(C)を解決できるという意味では魅力的な方法である。しかし、ホワイトボックスモデルは物理化学法則に従って構築されているにもかかわらず、これを現実のプロセスに適合させることは、(特にモデルが複雑な場合には)しばしば極めて困難なものとなる。この理由は、ホワイトボックスモデルの持つ複数のパラメータを現実のプロセスに適合する様に調整する統一的な手順が明確でないことが多いためである。そのため、しばしば、プロセス技術者が経験的知識を用いて試行錯誤で調整を行うことが多い、しかし、このような方法は、以下の様な問題点を持つ。
【0017】
(A’)プロセスの内部構造に関する詳細な知識がない人にはパラメータ調整の指針を立てることができない。また、指針を示されてもその意味を理解することが難しい。従って、結果的にホワイトボックスモデルは「絵に書いた餅」となる可能性が高い。
【0018】
(B’)具体的にパラメータの調整を行う以前に、そもそも原理的にホワイトボックス的アプローチで構築されたプロセスモデルのパラメータの値を一通りに決めることができるか否かが明らかでない(構造的可同定性の問題)。(なお、ここで、原理的にパラメータの値を一意に決めることができるか否かという概念を可同定性という。特に、現実のプロセスを完全(厳密)に表現できるモデルとノイズなどを含まない完全なデータが与えられた場合にパラメータの値を一意に決めることができるモデルを構造的に可同定なモデルという。構造的可同定性の問題は、一般には、モデルのもつパラメータ空間Θ⊆R 、(p:パラメータ数)からモデルの出力(センサーによる観測量)空間Y⊆R 、(p:出力数)への写像の逆写像が一意に存在するか否かという問題に帰着される。しかし、個々のプロセスモデルに対して、構造的可同定性を調べることは容易ではない。)そのため、構造的に可同定でないモデルでは、複数のパラメータの異なる値の組み合わせに対しても同じ応答(出力)が得られることがあり、パラメータ同定(調整)の指針を示すことが難しくなることがある。
【0019】
(C’)実際に対象とするプロセスから得られる応答データがノイズに乱されていたり、(プロセスの入力が変化しないために)応答データがあまり変化しなかったりする場合には、パラメータ調整を行うための十分な情報が得られない。そのため、調整できるパラメータの数が限られてしまう(実用的可同定性の問題)。(なお、ここで、構造的に可同定なモデルであっても、得られるデータが限られていたり、データにノイズが含まれている場合には、そのモデルのパラメータを同定できなくなる場合がある。このように、モデル構造のみに依存する可同定性ではなく(モデル構造と)データの質に依存する可同定性を実用的可同定性という。実際のプロセスでは、実用的可同定であることが望まれる。)
ホワイトボックスモデルをリアルワールドに適合させるためには、(A’)〜(C’)の様な問題があるにも関わらず、しばしば、ホワイトボックスモデルを扱う人(特にホワイトボックスモデルの作成者)は、物質収支、エネルギー収支、反応過程や反応速度等の物理化学的な諸性質にのみに興味を集中させ、パラメータ同定/調整の問題を単なる最終的なチューニングの問題として軽視する場合があった。そのため、ホワイトボックスモデルを利用する人はこのパラメータ調整のための試行錯誤を繰り返し、これに多大の時間を費やしてしまうということがあった。そして、場合によってはパラメータの調整に失敗し、結果的にホワイトボックスモデルが使われなくなることがしばしば生じていた。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の様な問題点を鑑みて、ホワイトボックスモデルをリアルワールドに適合させることのできる実際的な調整方法を提供することを目的とする。
【0021】
特に、上記(A’)に関連して、プロセスの内部構造を熟知していないプロセス技術者がパラメータ調整をできる限り簡単に行える様な調整の支援装置を提供すること、および、上記(B’)と(C’)に関連して、与えられたホワイトボックスモデルのパラメータの可同定性を判断しながら、パラメータを調整するパラメータ調整装置を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係るプロセスモデルのパラメータ調整装置は、外部入力センサーの計測データを収集して所定の時間に亘ってデータを保持するプロセス外部入力収集手段と、プロセス出力センサーの計測データを収集して所定の期間に亘ってデータを保持するプロセス出力収集手段とから構成されるプロセスデータ収集手段と、
複数のパラメータからなるパラメータセット(パラメータベクトル)θεR(p:パラメータ数)を持つプロセスモデルに対して、前記プロセスデータ外部入力収集手段を通して供給されるプロセス外部入力データを入力することによりプロセスの時間的および空間的な挙動のシミュレーションを行うプロセスシミュレーション手段と、
前記プロセスモデルが持つパラメータの初期値を設定するパラメータ初期値設定手段と、
前記プロセスモデルから導出することのできる数式的に表現されたパラメータ感度関数モデルに、前記プロセス外部入力データ収集手段を通して得られるプロセス外部入力データを代入してシミュレーションを行うことによってパラメータの感度の時間変化特性を各々のパラメータに対して得るパラメータ感度解析手段と、
前記パラメータの感度の時間変化特性を所定周期でサンプリングし得られる時系列データから感度関数ベクトルを、各々のパラメータに対して生成し、各々のパラメータに対して生成された前記感度関数ベクトルを合成して感度関数行列を作成し、前記感度関数行列を所定手法により感度解析し得られる結果に基づいて感度の高いパラメータセットを抽出する高感度パラメータセット抽出手段と、
前記プロセスモデルによって計算されるプロセス出力シミュレーション値と前記プロセス出力収集手段によって供給されるプロセス出力値との誤差を最小にするように、前記高感度パラメータセット抽出手段によって抽出されたパラメータセットの各パラメータの値を同定するパラメータ同定手段と、
を具えたことを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、プロセスモデルの持つ全パラメータが構造的/実用的に可同定でない場合であっても、実際のプロセスから得ることのできるデータを用いて、原理的に同定することの可能なパラメータを感度の高いものに対して効率よく調整することができる。(なお、ここで、調整/同定することのできるパラメータを可同定なパラメータという。)
請求項2に記載の発明は、前記所定手法は主成分分析(PCA:Principal Component Analysis )あるいは独立性成分分析(ICA:Independent Component Analysis )あるいは特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition )であり、PCAあるいはICAあるいはSVDを利用して、前記プロセスモデルの持つp個のパラメータの関数として表現できる新しいp個の変換パラメータを生成し、PCAあるいはICAあるいはSVDの固有値あるいは特異値の予め設定した値を判断基準(閾値)として変換パラメータの中からp’<p個の調整可能な変換パラメータを抽出することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、感度の高いパラメータセットを数値的な処理を通して抽出することができるため、高感度パラメータセットの抽出を自動化することができる。そのため、前記パラメータ同定手段などを同時に自動化することにより、請求項1のプロセスモデルのパラメータ調整装置を自動化することができ、オンラインでのパラメータ調整が可能になる。また、プロセスモデルのパラメータセットが構造的に可同定でない場合には、全てのパラメータを一意に決定することは原理的にできないが、本発明によると、一意に決定可能な可同定パラメータの数を自動的に判断することが可能になる。また、プロセスモデルのパラメータセットの実用的可同定性はプロセスのプロセス観測出力データの質(SN比=信号対雑音比など)や外部入力データの質(変化の大きさや変化の波形など)に依存するが、本発明によると、一意に決定可能な変換パラメータの数をプロセス観測出力データやプロセス外部入力データの質に応じて自動的に判断することが可能になる。そのため、プロセス観測出力データやプロセス外部入力データの質が向上する(SN比の向上、外部入力データ波形の激しい変化や外部入力データの振幅の増加など)に従って調整可能なパラメータの数を自動的に増やすことができる。そのため、入手可能なデータの質に応じて、データの質が悪い場合はより少ない数のパラメータセットのパラメータ値を、データの質がよい場合はより多くの数のパラメータセットのパラメータ値を調整しながら、プロセスモデルをリアルワールドへ適合させていくことができる。
【0025】
請求項3に記載の発明は、前記高感度パラメータセット抽出手段は、前記パラメータ感度解析手段によって計算される複数のパラメータの感度関数がなるべく互いに独立である様に感度の高いパラメータセットを抽出することを特徴とする。
【0026】
請求項4に記載の発明は、前記高感度パラメータセット抽出手段は、パラメータ感度解析結果をグラフとして表示し、表示された結果に基づいて人間の判断により調整するパラメータを選択することを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、請求項2と同様の効果に加えて、物理化学的な意味を持つ本来のパラメータを直接調整することができる。これにより、モデル利用者に対してパラメータ値の物理化学的意味とプロセスモデルのシミュレーション出力との関係を理解させながら、自動的にパラメータを調整することができる。
【0028】
請求項5に記載の発明は、前記パラメータ同定手段は、焼きなまし法(SA:Simulated Annealing )や免疫的アルゴリズム(Immune Algorithms )やタブー探索(Tab Search )などのメタヒューリスティクスを利用して高感度パラメータセットのパラメータ値を同定することを特徴とする。
【0029】
本発明によれば、一般に高速な数値アルゴリズムであると言われているメタヒューリスティックスを利用することにより、オンラインで高速に高感度なパラメータセットのパラメータ値を調整することができる。
【0030】
請求項6に記載の発明は、前記パラメータ同定手段は、非線系最大推定法や非線系最小二乗法を利用して高感度パラメータセットのパラメータ値を同定する
ことを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、光度の意味/二乗誤差最小の意味で最適なパラメータ値を論理的に求めることができ、光度の意味/二乗誤差最小の意味でのパラメータ値の最適性を保証した信頼性の高いパラメータ同定を行うことができる。
【0032】
請求項7に記載の発明は、前記パラメータ同定手段は、高感度パラメータセットを人間が手動で調整することによりパラメータ同定を行うことを特徴とする。
【0033】
本発明によれば、請求項4などと組み合わせることにより、現実のプロセスとプロセスモデルのギャップを修正するという手順を通してプロセスに対する理解を深めながら、より現実に適合するプロセスモデルを構築することが可能になる。
【0036】
請求項9に記載の発明は、前記パラメータセット入力手段は、前記パラメータセットの要素である各パラメータの物理化学的意味を説明するヘルプ機能を有することを特徴とする。
【0044】
また、請求項8に記載の本発明に係るプロセスモデルのパラメータ調整方法は、外部入力センサーの計測データを収集して所定の時間に亘ってデータを保持するプロセス外部入力収集工程と、プロセス出力センサーの計測データを収集して所定の期間に亘ってデータを保持するプロセス出力収集工程とから構成されるプロセスデータ収集工程と、
複数のパラメータからなるパラメータセット(パラメータベクトル)θεR(p:パラメータ数)を持つプロセスモデルに対して、前記プロセスデータ外部入力収集工程を通して供給されるプロセス外部入力データを入力することによりプロセスの時間的および空間的な挙動のシミュレーションを行うプロセスシミュレーション工程と、
前記プロセスモデルが持つパラメータの初期値を設定するパラメータ初期値設定工程と、
前記プロセスモデルから導出することのできる数式的に表現されたパラメータ感度関数モデルに、前記プロセス外部入力データ収集手段を通して得られるプロセス外部入力データを代入してシミュレーションを行うことによってパラメータの感度の時間変化特性を各々のパラメータに対して得るパラメータ感度解析工程と、
前記パラメータの感度の時間変化特性を所定周期でサンプリングし得られる時系列データから感度関数ベクトルを、各々のパラメータに対して生成し、各々のパラメータに対して生成された前記感度関数ベクトルを合成して感度関数行列を作成し、前記感度関数行列を所定手法により感度解析し得られる結果に基づいて感度の高いパラメータセットを抽出する高感度パラメータセット抽出工程と、
前記プロセスモデルによって計算されるプロセス出力シミュレーション値と前記プロセス出力収集工程によって供給されるプロセス出力値との誤差を最小にするように、前記高感度パラメータセット抽出工程によって抽出されたパラメータセットの各パラメータの値を同定するパラメータ同定工程と、
を具えたことを特徴とする。
【0045】
請求項9に記載の発明は、前記所定手法は主成分分析(PCA:Principal Component Analysis )あるいは独立性成分分析(ICA:Independent Component Analysis )あるいは特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition )であり、PCAあるいはICAあるいはSVDを利用して、前記プロセスモデルの持つp個のパラメータの関数として表現できる新しいp個の変換パラメータを生成し、PCAあるいはICAあるいはSVDの固有値あるいは特異値の予め設定した値を判断基準(閾値)として変換パラメータの中からp’<p個の調整可能な変換パラメータを抽出することを特徴とする。
【0046】
請求項10に記載の発明は、前記高感度パラメータセット抽出工程は、前記パラメータ感度解析工程によって計算される複数のパラメータの感度関数がなるべく互いに独立である様に感度の高いパラメータセットを抽出することを特徴とする。
【0047】
請求項11に記載の発明は、前記高感度パラメータセット抽出工程は、パラメータ感度解析結果をグラフとして表示し、表示された結果に基づいて人間の判断により調整するパラメータを選択することを特徴とする。
【0048】
請求項12に記載の発明は、前記パラメータ同定工程は、焼きなまし法(SA:Simulated Annealing )や免疫的アルゴリズム(Immune Algorithms )やタブー探索(Tab Search )などのメタヒューリスティクスを利用して高感度パラメータセットのパラメータ値を同定することを特徴とする。
【0049】
請求項13に記載の発明は、前記パラメータ同定工程は、非線系最大推定法や非線系最小二乗法を利用して高感度パラメータセットのパラメータ値を同定することを特徴とする。
【0050】
請求項14に記載の発明は、前記パラメータ同定工程は、高感度パラメータセットを人間が手動で調整することによりパラメータ同定を行うことを特徴とする。
【0052】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態の基本的な構成を、対象とするプロセスを下水処理プロセスである場合を想定して、下水処理プロセスと共に示したものである。
【0053】
図1に示す下水処理プロセスパラメータ調整装置は、制御対象としての下水処理プロセス1と、下水処理プロセス1への流入下水量や流入下水水質等の外乱データと曝気風量や返送汚泥量などの操作量データから成るプロセス外部入力データと、各反応槽に設置されたセンサーによって計測している溶存酸素(DO)や浮遊固形物量(MLSS)やpH、あるいはCOD(化学的酸素要求量)などの観測出力データを、予め決められた周期で収集し、プロセスデータサーバへ保持するプロセスデータ収集手段2と、下水処理プロセス1の物理化学的な知見に基づいて構成されるプロセスモデルを用いて下水処理プロセス1のCOD(化学的酸素要求量)等の指標で計測される有機物量、DO、MLSS、アンモニア態窒素(NH−N)、硝酸態窒素(NO−N)やリン酸態リン(PO−P)などの各種水質の挙動をシミュレーションすることのできるプロセスシミュレーション手段3と、プロセスシミュレーション手段3で用いているプロセスモデルの持つ、反応速度に関連する最大比増殖速度、半飽和定数、加水分解速度定数などの動力学パラメータや物質の収支に関連する収率などの化学量論パラメータなどのパラメータの初期値を設定するパラメータ初期値設定手段4と、プロセスシミュレーション手段3で用いているプロセスモデルから導出することのできるパラメータ感度関数モデルにパラメータ初期値設定手段4によって前記動力学パラメータや化学量論パラメータなどの初期値を設定して、初期設定値近傍でのパラメータの感度を解析するパラメータ感度解析手段5と、パラメータ感度解析手段5によって解析されたパラメータの感度の時間変化を表示するパラメータ感度表示手段6と、パラメータ感度解析手段5によって解析された全てのパラメータの中から高感度なパラメータセットを抽出する高感度パラメータセット抽出手段7と、高感度パラメータセット抽出手段7によって抽出された高感度なパラメータセットの各パラメータを、プロセスデータ収集手段2によるプロセス出力データとプロセスシミュレーション手段3によるプロセス出力シミュレーションデータの値の誤差が小さくなる様に調整/同定するパラメータ同定手段8と、プロセスデータ収集手段2のプロセス外部入力データとプロセス出力データと、プロセスシミュレーション手段3によって計算されるプロセス出力シミュレーションデータの誤差の計算と保存を行いパラメータ同定手段8の評価に用いる誤差計算および保存手段9と、プロセス出力データ収集手段22から供給されるプロセス出力データとプロセスシミュレーション手段3によって計算されるプロセス出力シミュレーションデータを同時に表示するプロセス値/プロセスシミュレーション値表示手段10と、から構成される。
【0054】
また、下水処理プロセス1は、最初沈殿池11と、生物反応槽12と、最終沈殿池13と、下水処理プロセス1の各施設への操作量であるブロワ141と返送ポンプ142と余剰汚泥引き抜きポンプ143の3つのアクチュエータと、プロセス外乱と考えられる流入下水の量および各種流入下水水質を計測するプロセス外乱センサー151と曝気風量を計測する風量センサー152と返送汚泥量を計測するセンサー153と余剰汚泥引抜量を計測するセンサー154と、下水処理プロセス1の各設備のDO、NH−N、NO−N、PO−Pなどの各種水質値を計測するプロセス出力センサー161〜163と、から構成される。
【0055】
また、プロセスデータ収集手段2は、下水処理プロセスの外乱と操作量データからなる外部入力データを収集するプロセス外部入力データ収集手段21と、下水処理プロセスの各種水質データを収集するプロセス出力データ収集手段22と、から構成される。
【0056】
図1を用いて、本実施例の作用を説明する。
本実施例では、説明を簡単にするため、下水処理プロセスの挙動を模擬する単純なプロセスモデルを用いて説明を行うが、本発明の適用対象がこのような単純なプロセスモデルに限定されるわけではない。
【0057】
まず、予め、プロセスシミュレーション手段3で用いるプロセスモデルから、パラメータ感度解析手段5に用いるパラメータ感度解析モデルを導出する。
【0058】
最初沈殿池11と最終沈殿池13の存在を無視して生物反応槽12に直接下水が流入するような攪拌式連続反応槽(CSTR)である場合のプロセスモデルは、例えば以下のように与えられる。
【0059】
【数1】
Figure 0003740382
ここで、Yhは収率、μmaxは最大比増殖速度、Kは酸素濃度に関する半飽和定数、Khは加水分解定数、Kxは微生物−難分解性有機物の濃度比に関する半飽和定数、KLは総括酸素移動容量に関する係数(KL・Qbが総括酸素移動容量係数)、bは死滅速度、を表すパラメータである。Vは反応槽の水量であり一定値であるとする。また、So2(t)は溶存酸素濃度(DO)、Sc(t)は溶解性有機物濃度、Xc(t)は難分解性有機物濃度、Xn(t)は微生物濃度、を表す状態変数であり、Q(t)、QB(t)は、各々流入量と曝気量を表す入力変数である。各状態変数に添え字のINをつけたものは、各状態変数に対応する流入水質である。また、Y(t)は、溶存酸素濃度(DO)と溶解性のCODに対応する出力変数であるが、DOとMLSSを出力変数とした場合は、以下のように変更される。
【0060】
【数2】
Figure 0003740382
なお、参考のため、このプロセスモデルの反応部分を参考文献[1][LAWQ Task Group on Mathematical Modeling for Design and Operation of Biological Wastewater Treatment"Activated Sludge Model No.2", IAWQ Scientific Technical Report No.3,(1995)]の記法に従って記述すると、表1のようになる。
【0061】
【表1】
Figure 0003740382
また、表記の簡単化のため、次式の様にプロセスモデルをベクトル形式で表現しておく。
【0062】
【数3】
Figure 0003740382
ここで、調整の対象となるパラメータの候補は、θ=[Yh,μmax,K,Kh,Kx,KL,b]の7つである。
【0063】
さて、状態変数に対するパラメータ感度関数Zθ(t)を、次式の様に定義する。
【0064】
【数4】
Figure 0003740382
ここで、Zθ(t)のi行j列の要素(Zθ(t))ijは、次式で定義される。
【0065】
【数5】
Figure 0003740382
また、センサーで計測している計測値に対してのみパラメータの感度を考える場合は、出力変数に対するパラメータ感度関数Yθ(t)を次式で定義する。
【0066】
【数6】
Figure 0003740382
また、パラメータ調整によってプロセスシミュレーションの出力値と実際にセンサーで計測している観測値とを適合させたい出力変数が複数ある場合には、出力変数に対するパラメータ感度関数(19)の汎関数(R−Rへの写像、qは出力変数の数)に対するパラメータ感度関数を定義する。
【0067】
例えば、(1)〜(4)式の例において、So2(t)とSc(t)のプロセスシミュレーション値を実際の値に適合させたい場合は、前記汎関数として、以下の様な評価関数Jを設定し、この評価関数に対する感度関数を定義することができる。
【0068】
【数7】
Figure 0003740382
ここで、(・)realは実際にセンサーなどで計測した計測値を表しwやwは重みを表す。評価関数Jに関する感度は、次式で定義できる。
【0069】
【数8】
Figure 0003740382
他の汎関数の選び方として、例えば、
【数9】
Figure 0003740382
とすることもできる。この場合の感度関数は、
【数10】
Figure 0003740382
となる。
【0070】
(24)式や(28)式は、(15)式と重みと観測出力とシミュレーション出力から計算されることに注意する。従って、(15)式が計算できれば、既知の情報を用いて(24)式や(28)式を計算することができる。
【0071】
なお、パラメータベクトルθの要素の中のいくつかを予め調整の対象としない場合は、θの中のいくつかの要素、例えばθ:=[μmax Kh b KL]などを新たにパラメータベクトルと見なして、パラメータ感度関数を定義してもよい。
【0072】
さて、以上から、(15)式を計算できれば、(24)式や(28)式は計算できるので、(15)式の計算方法を考えればよい。Zθを時間tで微分し、(7)式を用いると、パラメータ感度関数Zθ(t)に関する以下の微分方程式を導くことができる。
【0073】
【数11】
Figure 0003740382
(30)式は、プロセスモデルとパラメータ(のデフォルト)値が与えられれば計算可能である。従って、(24)式や(28)式も計算可能である。
【0074】
以下で説明する3パラメータ感度解析手段で用いられるパラメータ感度解析モデルは、(30)式を(19),(24),(28)式に代入したものや(30)式自身である。
【0075】
(30)式の具体例として、例えば、パラメータベクトルθ:=[μmax Khb KL]とした場合の(30)式の感度関数は、次式のようになる。
【0076】
【数12】
Figure 0003740382
このような計算を行うことによって、パラメータ感度解析モデルを導出することができる。
【0077】
なお、このパラメータ感度解析モデルに関して特に注意すべき重要なことは、以下の通りである。
【0078】
(I)(30)式で用いられる∂f/∂Zと∂f/∂θは、3プロセスシミュレーション手段で用いるプロセスモデルが存在すれば、そのモデルから解析的に直接計算できる。そのため、パラメータの感度計算において、各パラメータの値を変化させて繰り返しシミュレーションを行うというような面倒な手続きを行う必要がない。
【0079】
(II)パラメータ感度関数を(24)式や(28)式で定義する場合は、(24)式や(28)式の感度関数はパラメータの数と同じ要素数を持つベクトルとなっている。そのため、このように定義された感度関数を用いて高感度パラメータセットを抽出することを考える場合には、必ずパラメータ数以下の高感度パラメータセットを抽出することができる。
【0080】
(III)(30)で用いられる∂f/∂Zと∂f/∂θは、プロセスの状態変数や入力に依存する関数であるため、プロセス入力値が変化すれば、それに伴いこれらの値も変化する。その結果、パラメータ感度関数はプロセス入力値に依存した関数となり、プロセス入力の種類や入力の波形に応じて変化する。以下で説明する高感度パラメータセット抽出手段では、このような入力値の変化に応じて高感度パラメータセットとして抽出するパラメータ数を変化させることができる。そのため、プロセスモデルの構造的および実用的可同定性を陽に意識することなく、可同定なパラメータを抽出できる。
【0081】
以上の準備のもとで、実施例の作用と効果を説明する。
【0082】
まず、下水処理プロセス1における外乱センサー151で計測される流入量Q(t)と複数の流入水質成分、例えば、溶存酸素濃度DO、溶解性有機物Sc(t)(溶解性のCODとして計測される)、浮遊性有機物Xc(t)(全COD−溶解性CODの成分として計測されたものにα<1を乗じたもの)、従属栄養性微生物Xh(t)(全COD−溶解性CODの成分として計測されたものに1−αを乗じたもの)をプロセス外乱入力データ収集手段21によってプロセスデータサーバの所定の領域に所定の計測周期で格納する。同時に下水処理プロセス1におけるの操作量のセンサー152〜154で収集した操作量の計測値をプロセス外部入力データ収集手段21によってプロセスデータサーバの所定の領域に所定の計測周期で格納する。また、センサー161〜163で計測したDO、MLSS、等の水質値をプロセス出力データ収集手段22によってプロセスデータサーバの所定の領域に格納する。
【0083】
同時あるいは予め、パラメータ初期値設定手段4によって、プロセスシミュレーション手段3とパラメータ感度解析手段5で用いられる、プロセスモデルおよびパラメータ感度解析モデルが持っているパラメータ初期値を設定する。ここでは、(パラメータの感度はパラメータ初期値にも依存するため)、予め物理化学的な考察によって想定される範囲のパラメータ値を設定しておくことが好ましい。例えば、下水処理プロセスモデルの生物反応モデルとして、IWA(International Water Association )は、活性汚泥モデルNo.1〜No.3(ASM1〜ASM3)を公表しているが、これらのモデルでは、パラメータのデフォルト値が与えられており、このような場合には、デフォルト値を設定しておけば良い。また、このようなデフォルト値が与えられていない場合には、例えば、物質Aが物質B内に含まれる含有率というパラメータは0〜1内の値であるというように、理論的に可能な範囲の値を設定しておく。
【0084】
次に、プロセス外部入力データ収集手段21によって収集された外部入力データをプロセスシミュレーション手段3のプロセスモデルに入力することによって、プロセスの状態値を計算する。例えば、(1)〜(5)式のプロセスモデルを考える場合は、So2IN(t)、ScIN(t)、XcIN(t)、XhIN(t)やQ(t)、などを入力し、So2(t)、Sc(t)、Xc(t)、Xh(t)などの値を計算する。
【0085】
次に、プロセスシミュレーション手段3によって計算されたプロセスの状態値とプロセス外部入力データ収集手段21によって収集された外部入力データをパラメータ感度解析手段5に入力する。この際、プロセスの状態値の中でオンライン計測可能なデータを、プロセスシミュレーション手段3によって計算されたプロセス状態値の代わりに代入してもよい。パラメータ感度解析手段5では、このようなデータが入力されると、(15)式を計算することができるので、これを計算し、さらに(24)式や(28)式を計算する。例えば、(1)〜(5)式のプロセスモデルを考えた場合は、まず、(31)〜(33)式の様な感度解析モデルが得られる。ここで、(31)式は、(32)〜(33)式に、μmax、Kh、b、KLのパラメータ初期値と、So2(t)、Sc(t)、Xc(t)、Xh(t)のプロセス状態の計算値あるいは計測値、およびQB(t)などのプロセス外部入力値を与えることにより、計算することができる。そして、(31)式が計算できれば、(24)式や(28)式を計算することもできる。このようにして、5パラメータ感度解析手段が実行される。
【0086】
次に、パラメータ感度表示手段6では、パラメータ感度解析手段5によって、解析されたパラメータ感度の時系列データを表示する。(15)式の感度解析結果を全て表示する場合は、(感度解析を行う)パラメータの個数×状態変数の個数分の感度解析結果が表示される。また、(24)式や(28)式の感度解析結果を表示する場合は、パラメータの個数分の感度解析結果が表示される。この際、外部入力データや計算あるいは計測された状態変数データを同時に表示してもよい。例えば、(1)〜(5)式のプロセスモデルを考えた場合、
【数13】
Figure 0003740382
に対する感度解析結果は、図2に示すようなグラフとして表示される。
【0087】
次に、高感度パラメータセット抽出手段7では、パラメータ感度解析手段5とパラメータ感度表示手段6の結果に基づき、高感度なパラメータセットを抽出する。
【0088】
具体例として、例えば請求項2に記載の発明を用いる場合には、まず、図2のパラメータ感度関数を予め決めた周期Tでサンプリングし、時系列データに変換する。この概念図を図3に示す。図3に示す様に(24)式や(28)式を用いるとパラメータの個数分の感度関数ベクトルを生成することができる。例えば、(1)〜(5)式のプロセスモデルを考えた場合は、μmax、Kh、b、KLに対応する4つの感度関数ベクトルを生成する。これを、それぞれeμmax、eKn、eb、eKLとする。次にこれらの生成されたベクトルを並べることによって、次式の様な感度関数行列Eを作成する。
【0089】
【数14】
Figure 0003740382
次にこの感度関数行列Eに対して、主成分分析、あるいはほぼ同じことであるが、EγEの特異値分解を行う。(なお、ここで、EγEに対する特異値分解は主成分分析の計算途中で現れ、この特異値分解が計算できれば、主成分分析に必要な情報は全て得られる。)
すると次式の様な形に変換することができる。
【0090】
【数15】
Figure 0003740382
このような変換を行った場合、もしパラメータ感度関数同士のお互いの相関が強い場合、例えば図2において、μmaxとbとKLのように相関が強い場合は、λ のいくつかは、0に近い非常に小さな値になる。図2に示したような感度関数グラフのような場合は、λ とλ は非常に小さな値になる。従って、この場合λ とλ の2つに対応する2個の高感度パラメータを抽出することができる。この場合主成分分析により、パラメータベクトル自身も以下の様に変換される。
【0091】
【数16】
Figure 0003740382
そのため、この場合は、高感度パラメータセットはθmoaの第1成分と第2成分の2つのパラメータからなるベクトルとして選ばれる。つまり、
【数17】
Figure 0003740382
が高感度パラメータとして選択される。自動的にこの操作を行う場合は、λ に対する閾値λ を設定しておき、この閾値以上のものを高感度パラメータセットとして抽出することにすればよい。これが、高感度パラメータセット抽出手段7の一例である。
【0092】
このように高感度パラメータセットを抽出すると以下の様な効果が得られる。(1)数値的に計算できる定量的な基準によって高感度パラメータセットを抽出できる。
【0093】
(2)プロセスモデルの構造的可同定性や実用的可同定性を陽に意識することなく高感度パラメータセットを抽出できる。もし、プロセスモデルが構造的に可同定でない場合には、上記の特異値分解(主成分分析)の特異値のいくつかは必ず0になり、必然的にパラメータ数未満の高感度パラメータセットしか得られない。また、実用的可同定性は得られるデータの質に依存するが、上記の手続から分かるように、データの質が向上すると、閾値λ 以上の値を持つ特異値の数が多くなり、結果として調整できるパラメータの数が増加する。逆にデータの質が悪い場合には、それに応じて少ない数のパラメータのみが調整可能になる。このような操作を定量的かつ自動的に行うことができる。
【0094】
(3)高感度パラメータセットを抽出する場合に選ばれる変換パラメータは、変換前の全てのパラメータの線形結合で表され、選ばれる変換パラメータの数は変換前のパラメータの数以下である。選ばれる変換パラメータの数が変換前のパラメータの数より少ない場合には、変換前のパラメータの値は一意に決定されない。そのため、高感度パラメータセット抽出後のパラメータ同定において、物理化学的な考察を合わせて行うことにより、変換前のパラメータの値が一意に決定されないという自由度を利用して、あるパラメータ値だけが物理化学的にありえないような極端な値にならないようにパラメータ調整を行うことができる。
【0095】
その他の高感度パラメータセット抽出手段7の具体例として、例えば請求項3に記載の発明を用いる場合は、Eの要素であるeμmax、eKh、eb、eKLを抽出するところまでは、請求項2に記載の発明の場合と同様のことを行う。以降のアルゴリズムは、例えば次の様にして実行できる。
【0096】
Step1
Eの要素、eμmax 、eKh、eb、eKLを感度の高いもの順に並べる。例えば、‖e*‖i(*=μmax、Kh、b、KL、‖・‖iはiノルム、i=1,…,∞)などのノルムを用いて感度の高さを評価し、このノルムの大きなものから順に並べる様にすればよい。そして、例えば、感度の高いものから順にe1,e2,e3,e4とする。
【0097】
Step2
E2:=[e1,e2]として特異値分解を行う。この特異値の値が2つとも閾値λ 以上であれば、これを高感度パラメータとして採用する。特異値のうち1つが閾値λ 以下であれば、e2は高感度パラメータセットとして採用せず、E2=e1と再定義する。
【0098】
Step3
Ei+1:=[Ei,ei+1]としてステップ2へ戻る。iがパラメータ数と等しくなったら終了する。
【0099】
但し、請求項3に記載の発明の場合のアルゴリズムは、上記のアルゴリズムに限られるわけではなく、高感度パラメータの定義が正確になされており、その中で互いの独立性が強いものを選ぶアルゴリズムであれば任意のものでよい。
【0100】
このように高感度パラメータセットを抽出すると、請求項2に記載の発明の場合による高感度パラメータセット抽出手段の効果の(1)と(2)に加えて、物理的に意味を持つパラメータを直接調整対象のパラメータとすることができる。これにより、上記の(3)の効果は失われるが、相互に独立性の高いパラメータでかつ感度の高いものが高感度パラメータセットとして抽出されることになり、従属的なパラメータや感度の低いパラメータは選択されなくなり、パラメータ調整を効率良く行える高感度パラメータセットを抽出できる。例えば、微生物の増殖速度と死滅速度の様な逆相関に近い関係を持つパラメータが共に採用されることは少なくなり、通常は感度の高い増殖速度を表すパラメータが高感度パラメータセットの要素として選択されることになる。
【0101】
また、高感度パラメータセット抽出手段7の他の例として、請求項4に記載の発明を用いる場合には、(24)式や(28)式のようなパラメータと同じ個数の感度関数を6パラメータ感度表示手段によってディスプレイ上に表示し、その中から感度の高いものを抽出する。あるいは、(15)式の(パラメータ数×状態変数の数)分の感度関数を6パラメータ感度表示手段によってディスプレイ上に表示し、その中から、パラメータ個数を越えない範囲で、適切なパラメータを抽出する。例えば、状態変数の数がパラメータ数以下である場合は、各状態変数に対して最も高感度なパラメータを1つずつ選択するというようなことが考えられる。具体例として、(1)〜(4)式のモデルを考える場合、例えば、So2(t)に対してKL,So(t)に対してb,Xh(t)に対してμmax,Xc(t)に対してKhなどとして、高感度パラメータを選択することができる。そして、例えばXh(t)の値が計測されておらず分からない場合などには、KLとbとKhを調整するという風にすればよい。
【0102】
このような高感度パラメータセットの抽出方法は、人間系を介している為効率は悪いが、人間の持つ知識を高感度パラメータセットの抽出に反映できるという利点を持つ。例えば、「KLというパラメータは総括酸素移動容量係数を表し、直接溶存酸素濃度So2(t)に影響を与え、その他の状態変数には直接的な影響を与えない」という知識を人間は持っている。そのため、So2(t)のみの調整を行う場合にKLを高感度パラメータセットの要素として選択するというような合理的な高感度パラメータセット抽出を行うことが可能になる。
【0103】
次に、パラメータ同定手段8では、高感度パラメータセット抽出手段7によって抽出した複数の高感度パラメータセットに対して、その値の調整(同定)を行う。例えば、請求項5に記載の発明を用いる場合には、例えば評価関数(あるいは適合度)として(24)式や(28)式の誤差の2乗平方和をとり、その値が最小となるようにヒューリスティックな探索を行う。(なお、ここで、適合度の場合は誤差の2乗平方和の逆数などとして定義する場合が多いため、その場合は最大。)
具体例として、μmaxとKhのパラメータ同定に免疫的アルゴリズムを用いる場合は、以下の様な手順で行う。
【0104】
Step1
μmaxとKhを離散データとみなし、複数の離散データからなる初期抗体群を発生させる。具体的には、μmaxとKhに対して物理化学的に意味がある範囲内の実数値を適当に離散化したデータ集合を記憶細胞とみなし、この記憶細胞から初期抗体群を生成する。
【0105】
Step2
抗体同士の親和度と抗体と抗原の親和度を計算する。抗体同士の親和度の計算において、各抗体(パラメータ値の候補)に対するシミュレーション出力値と実際のセンサーで計測した値との二乗誤差などの評価値を用いる。これは9誤差計算および保存手段から供給された値に基づいて行う。
【0106】
Step3
抗原との親和度の高い抗体を記憶細胞に追加する。
【0107】
Step4
次世代に残る抗体の期待値を計算し、期待値の低い抗体を消滅させる。
【0108】
Step5
消滅させた抗体に代わる新しい抗体を算出し、適当な確率で突然変異させる。
【0109】
Step6
基準を満たせば終了。満たさなければ、Step2へ戻る。
【0110】
このような操作により、パラメータ同定手段8を実行することができる。
【0111】
このようなメタヒューリスティクスを用いるパラメータ同定手段8は、比較的高速に実行でき、数学的に非凸な探索問題にも適用できるため、パラメータに関して複雑な関数であるプロセスモデルのパラメータをオンラインで調整する場合には、特に有効な方法である。
【0112】
パラメータ同定手段8の他の実行方法として、例えば請求項6に記載の発明を適用する場合には、以下の様に行うことができる。まず、h(Z,θ):=Y(t)と定義する。これは、(5)式や(6)式で定義されるY(t)は、θを含む(1)〜(4)式の出力であるためY(t)自身θの関数であり、形式的にh(Z,θ)と書くことが可能である。この時、評価関数を(20)式で定義すると、例えば非線形パラメータ同定の繰り返しアルゴリズムとして、以下の様なものを採用することができる。
【0113】
【数18】
Figure 0003740382
ここで、iは繰り返し回数を示し、i=1,2,…である。初期値であるθは、物理化学的に意味のある値を設定しておく。また、Kiは繰り返し回数がi回目である場合の勾配ゲインを表す行列であり、正定行列である。Kiの選び方には、多くの自由度があるが、例えば、Gauss-Newton法を利用する場合は、
【数19】
Figure 0003740382
の様なアルゴリズムとなる。但し、Qは正定行列である。この中で利用する式は(1)〜(5)式を用いれば、全て計算可能であるため、これは実行可能なアルゴリズムである。
【0114】
このようなパラメータ同定手段は、非線形最小二乗法や最大推定法などを根拠にしているため、二乗誤差最小の意味や光度の意味で最適なパラメータ値を求めることができる。また、例えばASM2などの様にパラメータのデフォルト値が予め与えられている場合には、その近傍を探索していくため、物理化学的に有り得ないような異常な値になる可能性が少なくなるという効果がある。
【0115】
他の方法として、パラメータ同定手段8の他の実行に請求項7に記載の発明を採用する場合には、高感度パラメータセット抽出手段7で抽出したパラメータの最も高感度なものから順にプロセス値/プロセスシミュレーション値表示手段10の表示結果を参考にして調整を行う。この場合、パラメータの変化量に対する状態変数の変化量の割合を示す(15)式などを用いれば、パラメータの値を変えた場合に出力がどのように変化するかを容易に計算することが可能であるため、パラメータ値を変化させた場合の10プロセス値/プロセスシミュレーション値表示手段の表示を容易に変更できる。そのため、パラメータの値の変更に伴い、(15)式を用いて状態変数の値を修正し、その結果を表示しながらパラメータの調整(同定)を行うことができる。
【0116】
このようなパラメータ同定手段は、物理化学的な知見と照らし合わせながら、高感度なパラメータのみをなるべく効率良く調整することができるという効果がある。
【0117】
[その他の実施例]
図4に示す下水処理プロセスパラメータ調整装置は、制御対象としての下水処理プロセス1と、下水処理プロセスへの流入下水量や流入下水水質等の外乱データと曝気風量や返送汚泥量などの操作量データから成るプロセス外部入力データと、各反応槽に設置されたセンサーによって計測している溶存酸素(DO)や浮遊固形物量(MLSS)やpH、あるいはCODなどの観測出力データを、予め決められた周期で収集し、プロセスデータサーバへ保持するプロセスデータ収集手段2と、下水処理プロセス1の物理化学的な知見に基づいて構成されるプロセスモデルを用いて下水処理プロセス1のCOD(化学的酸素要求量)等の指標で計測される有機物量、DO、MLSS、アンモニア態窒素(NH−N)、硝酸態窒素(NO−N)やリン酸態リン(PO−P)などの各種水質の挙動をシミュレーションすることのできるプロセスシミュレーション手段3と、プロセスシミュレーション手段3で計算され出力されるプロセスシミュレーション値とプロセスデータ収集手段2によって収集された観測出力データを表示するプロセス値/プロセスシミュレーション値表示手段10と、プロセスシミュレーション手段3で用いているプロセスモデルの反応に従って、プロセスの状態が遷移していく様子を示すプロセス状態遷移図表示手段11と、プロセス状態遷移図表示手段11に付属するパラメータ値設定手段12と、から構成される。
【0118】
また、下水処理プロセス1は、図1と同様に構成されている。プロセスデータ収集手段2も図1と同様に構成されている。
【0119】
次に、本実施例の作用と効果について説明する。
図4を用いて、本実施例の作用を説明する。本実施例では、前述の参考文献[1]に記述されている活性汚泥モデルASM2をプロセスモデルの例として説明を行う。もちろん、その他の生物学的プロセスや化学プロセスにおいても同様な考え方を用いることができる。
【0120】
まず、図1を用いた場合の実施例の作用と同様に、下水処理プロセス1における外乱センサー151で計測される流入量Q(t)と複数の流入水質成分、例えば、溶存酸素濃度DO、溶解性有機物Sc(t)(溶解性のCODとして計測される)。浮遊性有機物Xc(t)(全COD−溶解性CODの成分として計測されたものにα<1を乗じたもの)、従属栄養性微生物Xh(t)(全COD−溶解性CODの成分として計測されたものに1−αを乗じたもの)、リン酸態リン(PO−Pセンサーで計測される)、アンモニア態窒素(NH−Nセンサーで計測される)、硝酸態窒素(NO−Nセンサーで計測される)などをプロセス外部入力データ収集手段21によってプロセスデータサーバの所定の領域に所定の計測周期で格納する。同時に下水処理プロセス1における操作量のセンサー152〜154で収集した操作量の計測値をプロセス外部入力データ収集手段21によってプロセスデータサーバの所定の領域に所定の計測周期で格納する。また、センサー161〜163で計測したDO、MLSS、PO−P、NH−N、NO−N等の水質値をプロセス出力データ収集手段22によってプロセスデータサーバの所定の領域に格納する。
【0121】
次に、プロセスシミュレーション手段3にプロセス外部入力データ収集手段21からプロセス外部入力データを供給することによって、プロセス状態の時間的および空間的変化のシミュレーションを行う。
【0122】
次に、プロセス出力データ収集手段22から供給されるプロセス出力値とプロセスシミュレーション手段3によって計算したプロセス出力シミュレーション値を同時にプロセス値/プロセスシミュレーション値表示手段10に表示する。
【0123】
一方、図5〜図7に示すようなプロセス状態遷移図をプロセス状態遷移図表示手段11に表示しておく 。(なお、ここで、図5〜図7のプロセス状態遷移図は、ASM2の消化、脱窒、脱リン、有機物除去に関連する状態遷移を示したものである。以降の説明には図5のみを用いるが、ASM2で考慮しているプロセスの反応の複雑さを強調するため、参考にために図6と図7も載せておく。)
同時に、図5に示す様にプロセス状態遷移図上にパラメータ値を設定することのできる入力部を設けておく。これが、パラメータ値設定手段12の設定を行うための入力部である。プロセス状態遷移図表示手段11をパソコンのWindows上に構築しておくような場合には、このパラメータ値設定手段12の化学量論パラメータに関する入力部は、例えば、テキストボックスに入力できるようにしておいてもよいし、メニュー形式で値を選択できるようにしておいてもよい。また、図が複雑に成りすぎるため全ての表示を行っていないが、図5の右に示す様に、全ての状態遷移を表す矢印部分には、動力学パラメータを設定できるようにしておく。この動力学パラメータ設定部もテキストボックスやメニュー形式で設定できるようにしておけばよい。パソコンなどのWindows上の表示面積が小さい場合には、状態遷移の矢印部分をクリックすると、動力学パラメータの設定を行える画面が例えばポップアップウィンドウとして表示されるようにしておいてもよい(図5の右部分参照)。
【0124】
さて、以上の準備のもとで、まず、プロセス値/プロセスシミュレーション値表示手段10に表示されたプロセス出力値とプロセス出力シミュレーション値の差(誤差)を確認する。例えば、ASM2を用いて下水処理プロセスのシミュレーションを行った場合は、リン酸態リンPO−Pやアンモニア態窒素NH−Nや硝酸態窒素NO−Nなどの状態変数の濃度の出力値とシミュレーション値の誤差を確認する。そして、最も誤差の大きい状態変数を選ぶ。ここでは、例えば、仮に硝酸態窒素濃度の誤差が最も大きかったとしておく。
【0125】
次に最も誤差の大きい状態変数、この場合硝酸態窒素濃度に影響を与えるパラメータをプロセス状態遷移図表示手段11によって探し出す。例えば、化学量論パラメータであるYautやYhが硝酸態窒素濃度に影響を与えることがわかる。また、図5には表示されていないが、ASM2では、図5の硝化の部分(Aの部分)および脱窒の部分(B1とB2の部分)の反応速度は、次式で表されている。
【0126】
【数20】
Figure 0003740382
ここで、動力学パラメータは、μaut,μh,ηno3,Ko2,Knh4,Kno3,Kpo4,Kalk,Kf,Kaであるため、これらのパラメータは硝酸態窒素濃度に影響を与えることが分かる。
【0127】
そこで、11プロセス状態遷移図表示手段を用いると、硝酸態窒素濃度の値を調整する場合は、Yaut,Yh,μaut,μh,ηno3,Ko2,Knh4,Kno3,Kpo4,Kalk,Kf,Kaの値のいくつかを調整すればよいことが分かる。ASM2などの化学・生物反応モデルの物理化学的な意味と数学的な意味を理解しているパラメータ調整者であれば、この中から最も影響を与えそうなものから順に試行錯誤で調整を行えばよい。
【0128】
プロセスモデルに対する物理化学的な知識がないパラメータ調整者のためには、請求項9に記載の発明によって、パラメータの意味を表示するヘルプ機能を用意する。ヘルプ機能のヘルプ情報の表示例を数例以下に示す。Yautについては、「硝化菌に対する収率を表す化学量論パラメータ この値を大きくすると、硝酸態窒素濃度は上昇し、アンモニア態窒素濃度と酸素濃度は低下する。動力学パラメータを調整しても調整が困難な場合にこのパラメータ値を変更することが望ましい。パラメータ値は0〜1の範囲で設定すること、」などの表示をしておくとよい。Ko2については、「溶存酸素濃度に関する半飽和定数を表す動力学パラメータ、この値を小さくすると溶存酸素濃度が比較的低い場合でも好気条件になり易くなり好気条件の反応が進行しやすくなる。逆に嫌気条件での反応は進行しにくくなる。好気条件/嫌気条件に関わる全ての状態変数に影響を与えるため、調整には注意を要する。」などとしておくとよい。また、ηno3については、「無酸素条件での脱窒反応の最大速度を補正する動力学パラメータ、無酸素条件での脱窒反応のみに関係するため、脱窒に関連する硝酸態窒素濃度などの調整に利用するとよい。」などとしておく。このようなヘルプメッセージがあれば、例えば、脱窒反応に関わる硝酸態窒素濃度NO−NとSFの濃度とSAの濃度のプロセス出力シミュレーション値とプロセス出力値が大きくずれており、他の状態変数の値はほぼプロセス出力シミュレーション値とプロセス出力値が一致している場合には、ηno3を用いて調整すればよいことが分かる。
【0129】
このようなヘルプ機能は、調整の対象となるパラメータセットの中から最も適したパラメータを選択するために有効である。
【0130】
また、モデルの数学的な知識や物理化学的な知識をある程度持っているパラメータ調整者のためには、請求項10に記載の発明により、図5〜図7のプロセス状態遷移図と図8の様なプロセスモデルを表す数式とを対応づけておくことが役に立つ。例えば、図5に示す様に、「モデル表示」をクリックすると図8の様なプロセスモデルを表す数式が表示されるようにしておくとよい。
【0131】
このようプロセス状態遷移図と数式を対応づける機能を持つことにより、化学反応や生物反応に関する物理化学的および数学的知識を持つパラメータ調整者が調整を行う場合には、数式とプロセス状態遷移図の両方を参考にしながら、調整を行うためのパラメータを選択していくことができる。
【0132】
また、プロセスモデルで表現しているプロセス反応の仕組みと現実のプロセスの対応関係をより視覚的に表示したい場合には、請求項11に記載の発明により、設定したパラメータの値とプロセス状態遷移図の図が連動するようにしておくとよい。例えば、化学量論パラメータに関しては、図9に示す様に、プロセス状態遷移図において状態変数の表示の大きさと化学量論パラメータの値とを連動させればよい。図9では、状態変数である従属栄養性微生物について示しているが、従属栄養性微生物の収率Yhを大きくする場合には、それに伴って従属栄養性微生物を表す状態変数の大きさを大きくすればよい。具体的には、収率Yhの大きさと従属栄養性微生物を表す円の半径の間に比例関係を持たせておくとすればよい。動力学パラメータに関しては、通常複数の状態変数の値に依存して反応速度が変わるため、例えば各状態変数に対して色を決めた矢印を複数用意し、その矢印の太さや矢印の「矢」の部分の大きさを動力学パラメータと対応させればよい。例えば図10に示す様に、「酸素濃度に関しては黒、硝酸態窒素濃度に対しては赤、…」などと色を決めておき、これらの濃度が関連する状態遷移については、図5〜図7に示すプロセス状態遷移図の矢印を1つの反応に対して複数並列に表示するようにしておく。そして、例えば、動力学パラメータの一つである半飽和定数は反応がどれぐらい速やかに進行するのかを示すパラメータであるため、半飽和定数が大きい場合には、図11に示す様に矢印の「矢」の部分を大きくし、半飽和定数が小さい場合には「矢」の部分を小さくするなどの対応づけを行っておけばよい。例えば、酸素濃度に関係する半飽和定数Ko2の値は、黒の矢印の「矢」の部分と対応づけられる。また、動力学パラメータの一つである最大比増殖速度は、反応速度の最大値を与えるパラメータであるため、最大比増殖速度が大きい場合には、図12に示す様に矢印を太く表示し、逆に最大比増殖速度が小さい場合には、矢印を細く表示するなどの対応づけを行っておけばよい。
【0133】
このようにパラメータ値とプロセス状態遷移図の視覚的な表示との対応づけを行うことにより、各パラメータの持つ意味を視覚的に容易に理解できる。さらに、パラメータのデフォルト値を与えた場合のプロセス状態遷移図と調整を行ったプロセス状態遷移図を同時に表示するなどの工夫を行えば、特にパラメータの数が多いプロセスモデルの場合において、パラメータ調整者自身が、数多くのパラメータの中のどのパラメータをデフォルト値から既に変更したのかを視覚的に容易に理解できる。
【0134】
以上の様なパラメータ調整の支援情報をもとにして、調整すべきパラメータを選択して、実際にパラメータ値を決定した後、これを11プロセス状態遷移図表示手段に付属する12パラメータ値設定手段を通して入力し、この値を3プロセスシミュレーション手段のプロセスモデルのパラメータに反映させる。そして、新たに設定されたパラメータ値を用いて3プロセスシミュレーション手段によって更新されたプロセス出力シミュレーション値を計算する。
【0135】
以上の操作を繰り返して、最も誤差の大きい状態変数に対するパラメータ調整を行った後、プロセス出力値とプロセス出力シミュレーション値の誤差の大きい順に、同様の操作を繰り返すことによって、(主に化学・生物反応に関係する)プロセスのパラメータ調整(支援)を行うことができる。
【0136】
また、プロセスシミュレーションの目的が、例えばInternal Model Control等の様に最終的にプロセスを適切に制御する操作量を演算するような場合には、3プロセスシミュレーション手段をコントローラの内部に持っておくことが好ましい。このような場合、請求項12に記載の発明により、図5〜図7の様なプロセス5状態遷移図表示手段を、例えば対象とするプロセスを監視する監視室あるいは対象プロセスから遠く離れた場所に設置されたオフィスなどにあるパソコンやワークステーション上のWWWブラウザ上に構築し、その値をインターネットや専用回線経由で対象プロセスが存在する場所のコントローラ内部のプロセスシミュレータのパラメータ値に反映できるようにしておくとよい。
【0137】
これにより、遠隔操作でプロセスシミュレータのパラメータを調整することができ、プロセスシミュレータがコントローラに組み込まれているため、コントローラのパラメータを遠隔操作で調整していることにもなる。
【0138】
なお、以上の実施例は、多くの化学プロセスや生物学的プロセスに対して適用できる。なぜなら、化学プロセスや生物学的プロセスの多くのものは、図5に示す様な複数の物質(の量や濃度)に対応する複数の状態変数間の相互作用を表すCompartmentalモデルと呼ばれるモデルで記述することができ、これらのモデルのパラメータは、基本的に物質の量的な関係を表す化学量論パラメータと、状態変数間の相互作用(化学・生物反応)の反応速度に関連する動力学パラメータから構成されるためである。従って、上記で説明した方法は、化学プロセスや生物学的プロセスにおいては、かなり汎用的に適用することができる。
【0139】
【発明の効果】
以上のように、本発明の構成により得られる効果を要約すると以下の少なくとも2点である。
【0140】
(1)常微分方程式や偏微分方程式で表される複数のパラメータを持つプロセスシミュレータにおいて、入手可能なデータの質に応じて自動的に同定可能なパラメータセットを抽出し、その同定を行うことができる。
【0141】
(2)下水処理プロセス、上水処理プロセス、石油化学プロセスなどの生物学的プロセスや化学プロセスを表すプロセスモデルの持つパラメータ調整を、視覚情報を提供することによって容易にすることができる。
【0142】
これら2点の効果により、最終的には、対象とするプロセスの物理化学モデルを現実の対象プロセスに適合することができ、[従来の技術]で述べた様に、プロセスモデルを用いた様々な検討が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パラメータ調整装置を実施する場合の構成図と対象プロセスの例である下水処理プロセスを併記した図。
【図2】パラメータ感度関数の時間変化の例を示す図。
【図3】パラメータ感度関数ベクトルを構成する方法を示す概念図。
【図4】パラメータ調整支援装置を実施する場合の構成図と対象プロセスの例である下水処理プロセスを併記した図。
【図5】プロセス状態遷移図表示手段とパラメータ値設定手段の例を示す図。
【図6】プロセス状態遷移図表示手段の例2を示す図。
【図7】プロセス状態遷移図表示手段の例3を示す図。
【図8】プロセス状態遷移図表示に関連付けられたプロセスモデル(数学モデル)の例を示す図。
【図9】化学量論パラメータとプロセス状態遷移図表示手段の表示方法の対応付けの例を示す図。
【図10】反応速度に関連する状態変数とプロセス状態遷移図表示手段の表示方法の対応付けの例を示す図。
【図11】動力学パラメータとプロセス状態遷移図表示手段の表示方法の対応付けの例1(半飽和定数の場合)を示す図。
【図12】動力学パラメータとプロセス状態遷移図表示手段の表示方法の対応付けの例2(最大比増殖速度の場合)を示す図。
【符号の説明】
1 下水道プロセス
11 最初沈殿池
12 生物反応槽
13 最終沈殿池
141 ブロワ(アクチュエータ)
142 返送ポンプ(アクチュエータ)
143 余剰汚泥引き抜きポンプ(アクチュエータ)
151 プロセス外乱センサー(プロセス入力センサー)
152 曝気風量センサー(プロセス入力センサー)
153 返送汚泥量センサー(プロセス入力センサー)
154 余剰汚泥引抜量センサー(プロセス入力センサー)
161 最初沈殿池状態センサー(プロセス出力センサー)
162 生物反応槽状態センサー(プロセス出力センサー)
163 最終沈殿池状態センサー(プロセス出力センサー)
2 プロセスデータ収集手段
21 プロセス外部入力データ収集手段
22 プロセス出力データ収集手段
3 プロセスシミュレーション手段
4 パラメータ初期値設定手段
5 パラメータ感度解析手段
6 パラメータ感度表示手段
7 高感度パラメータセット抽出手段
8 パラメータ同定手段
9 誤差計算および保存手段
10 プロセス値/プロセスシミュレーション値表示手段
11 プロセス状態遷移図表示手段
12 パラメータ値設定手段

Claims (14)

  1. 外部入力センサーの計測データを収集して所定の時間に亘ってデータを保持するプロセス外部入力収集手段と、プロセス出力センサーの計測データを収集して所定の期間に亘ってデータを保持するプロセス出力収集手段とから構成されるプロセスデータ収集手段と、
    複数のパラメータからなるパラメータセット(パラメータベクトル)θεR(p:パラメータ数)を持つプロセスモデルに対して、前記プロセスデータ外部入力収集手段を通して供給されるプロセス外部入力データを入力することによりプロセスの時間的および空間的な挙動のシミュレーションを行うプロセスシミュレーション手段と、
    前記プロセスモデルが持つパラメータの初期値を設定するパラメータ初期値設定手段と、
    前記プロセスモデルから導出することのできる数式的に表現されたパラメータ感度関数モデルに、前記プロセス外部入力データ収集手段を通して得られるプロセス外部入力データを代入してシミュレーションを行うことによってパラメータの感度の時間変化特性を各々のパラメータに対して得るパラメータ感度解析手段と、
    前記パラメータの感度の時間変化特性を所定周期でサンプリングし得られる時系列データから感度関数ベクトルを、各々のパラメータに対して生成し、各々のパラメータに対して生成された前記感度関数ベクトルを合成して感度関数行列を作成し、前記感度関数行列を所定手法により感度解析し得られる結果に基づいて感度の高いパラメータセットを抽出する高感度パラメータセット抽出手段と、
    前記プロセスモデルによって計算されるプロセス出力シミュレーション値と前記プロセス出力収集手段によって供給されるプロセス出力値との誤差を最小にするように、前記高感度パラメータセット抽出手段によって抽出されたパラメータセットの各パラメータの値を同定するパラメータ同定手段と、
    を具えたことを特徴とするプロセスモデルのパラメータ調整装置。
  2. 前記所定手法は主成分分析(PCA:Principal Component Analysis )あるいは独立性成分分析(ICA:Independent Component Analysis )あるいは特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition )であり、PCAあるいはICAあるいはSVDを利用して、前記プロセスモデルの持つp個のパラメータの関数として表現できる新しいp個の変換パラメータを生成し、PCAあるいはICAあるいはSVDの固有値あるいは特異値の予め設定した値を判断基準(閾値)として変換パラメータの中からp’<p個の調整可能な変換パラメータを抽出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスモデルのパラメータ調整装置。
  3. 前記高感度パラメータセット抽出手段は、前記パラメータ感度解析手段によって計算される複数のパラメータの感度関数がなるべく互いに独立である様に感度の高いパラメータセットを抽出する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスモデルのパラメータ調整装置。
  4. 前記高感度パラメータセット抽出手段は、パラメータ感度解析結果をグラフとして表示し、表示された結果に基づいて人間の判断により調整するパラメータを選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスモデルのパラメータ調整装置。
  5. 前記パラメータ同定手段は、焼きなまし法(SA:Simulated Annealing )や免疫的アルゴリズム(Immune Algorithms )やタブー探索(Tab Search )などのメタヒューリスティクスを利用して高感度パラメータセットのパラメータ値を同定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスモデルのパラメータ調整装置。
  6. 前記パラメータ同定手段は、非線系最大推定法や非線系最小二乗法を利用して高感度パラメータセットのパラメータ値を同定する
    ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスモデルのパラメータ調整装置。
  7. 前記パラメータ同定手段は、高感度パラメータセットを人間が手動で調整することによりパラメータ同定を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載のプロセスモデルのパラメータ調整装置。
  8. 外部入力センサーの計測データを収集して所定の時間に亘ってデータを保持するプロセス外部入力収集工程と、プロセス出力センサーの計測データを収集して所定の期間に亘ってデータを保持するプロセス出力収集工程とから構成されるプロセスデータ収集工程と、
    複数のパラメータからなるパラメータセット(パラメータベクトル)θεR(p:パラメータ数)を持つプロセスモデルに対して、前記プロセスデータ外部入力収集工程を通して供給されるプロセス外部入力データを入力することによりプロセスの時間的および空間的な挙動のシミュレーションを行うプロセスシミュレーション工程と、
    前記プロセスモデルが持つパラメータの初期値を設定するパラメータ初期値設定工程と、
    前記プロセスモデルから導出することのできる数式的に表現されたパラメータ感度関数モデルに、前記プロセス外部入力データ収集手段を通して得られるプロセス外部入力データを代入してシミュレーションを行うことによってパラメータの感度の時間変化特性を各々のパラメータに対して得るパラメータ感度解析工程と、
    前記パラメータの感度の時間変化特性を所定周期でサンプリングし得られる時系列データから感度関数ベクトルを、各々のパラメータに対して生成し、各々のパラメータに対して生成された前記感度関数ベクトルを合成して感度関数行列を作成し、前記感度関数行列を所定手法により感度解析し得られる結果に基づいて感度の高いパラメータセットを抽出する高感度パラメータセット抽出工程と、
    前記プロセスモデルによって計算されるプロセス出力シミュレーション値と前記プロセス出力収集工程によって供給されるプロセス出力値との誤差を最小にするように、前記高感度パラメータセット抽出工程によって抽出されたパラメータセットの各パラメータの値を同定するパラメータ同定工程と、
    を具えたことを特徴とするプロセスモデルのパラメータ調整方法。
  9. 前記所定手法は主成分分析(PCA:Principal Component Analysis )あるいは独立性成分分析(ICA:Independent Component Analysis )あるいは特異値分解(SVD:Singular Value Decomposition )であり、PCAあるいはICAあるいはSVDを利用して、前記プロセスモデルの持つp個のパラメータの関数として表現できる新しいp個の変換パラメータを生成し、PCAあるいはICAあるいはSVDの固有値あるいは特異値の予め設定した値を判断基準(閾値)として変換パラメータの中からp’<p個の調整可能な変換パラメータを抽出する
    ことを特徴とする請求項8に記載のプロセスモデルのパラメータ調整方法。
  10. 前記高感度パラメータセット抽出工程は、前記パラメータ感度解析工程によって計算される複数のパラメータの感度関数がなるべく互いに独立である様に感度の高いパラメータセットを抽出する
    ことを特徴とする請求項8に記載のプロセスモデルのパラメータ調整工程。
  11. 前記高感度パラメータセット抽出工程は、パラメータ感度解析結果をグラフとして表示し、表示された結果に基づいて人間の判断により調整するパラメータを選択する
    ことを特徴とする請求項8に記載のプロセスモデルのパラメータ調整方法。
  12. 前記パラメータ同定工程は、焼きなまし法(SA:Simulated Annealing )や免疫的アルゴリズム(Immune Algorithms )やタブー探索(Tab Search )などのメタヒューリスティクスを利用して高感度パラメータセットのパラメータ値を同定する
    ことを特徴とする請求項8に記載のプロセスモデルのパラメータ調整方法。
  13. 前記パラメータ同定工程は、非線系最大推定法や非線系最小二乗法を利用して高感度パラメータセットのパラメータ値を同定する
    ことを特徴とする請求項8に記載のプロセスモデルのパラメータ調整方法。
  14. 前記パラメータ同定工程は、高感度パラメータセットを人間が手動で調整することによりパラメータ同定を行う
    ことを特徴とする請求項8に記載のプロセスモデルのパラメータ調整方法。
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