JP7013296B2 - パラメータ同定装置及びその方法並びにプログラム - Google Patents

パラメータ同定装置及びその方法並びにプログラム Download PDF

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Description

本発明は、パラメータ同定装置及びその方法並びにプログラムに関するものである。
例えば、フィードフォワード制御では、実際の制御対象を摸した数理モデルを予め作成し、この数理モデルを利用することによって制御系への入力指令を決定する。フィードフォワード制御の精度を向上させるためには、数理モデルの応答を実際の制御対象の応答にできるだけ近づけることが重要である。そこで、実際の制御対象の応答に基づいて数理モデルのパラメータを決定するパラメータ同定が提案されている(例えば、特許文献1~3参照)。
特許文献1には、線形モデルを対象とし、最小二乗法を用いてモデルパラメータを同定する方法が開示されている。
特許文献2には、多入力多出力系の線形モデルを対象として、モデルパラメータをPSO(粒子群最適化)により同定する方法が開示されている。
特許文献3には、非線形なモデルを線形化した上で、それと組み合わせるPID制御器のパラメータを周波数特性上の安定性を考慮しつつ調整する方法が開示されている。
特許第2990878号公報 特許第5698572号公報 特許第5648049号公報
数理モデルの中に非線形要素が含まれている場合、特許文献3に開示されている方法のように、非線形モデルを線形化し、線形化したモデルを用いてパラメータを同定する手法が用いられる。これは、非線形モデルのままパラメータ同定を行うと、同定するパラメータ数が多いため収束に長い時間を要する上、所望の精度を得ることが難しいからである。更に、ある応答に対して精度よく同定ができたとしても、別の応答に対しては逆に精度が悪化してしまうという問題も現実的に発生する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、大規模な非線形モデルを対象とし、パラメータ同定の時間を短縮することができるとともに、多様な条件で利用できるパラメータ同定装置及びその方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第一態様は、非線形要素を含む対象物をモデル化した非線形モデルに含まれる複数のパラメータのうち、同定を行う同定対象パラメータを決定する同定パラメータ決定部と、決定された前記同定対象パラメータの同定を行う同定部とを有し、前記同定パラメータ決定部は、各前記パラメータが前記非線形モデルの応答信号と前記対象物の実機の応答信号との応答誤差に与える影響を評価する評価値を前記パラメータ毎に算出する評価値算出部と、算出された前記評価値を用いて前記同定対象パラメータを決定する決定部とを備えるパラメータ同定装置である。
上記パラメータ同定装置によれば、非線形モデルに含まれる複数のパラメータにおいて、非線形モデルの応答信号と対象物の実機の応答信号との応答誤差(例えば、加速度の次元における誤差)に与える影響をパラメータ毎に評価し、この評価結果に応じて同定を行うパラメータを絞り込むので、例えば、応答誤差に対して影響度の高いパラメータのみを同定対象パラメータとして選定することができる。このように、応答誤差に対して影響度の低い、換言すると、感度の低いパラメータについてはパラメータ同定の対象から除外することができるので、同定を行うパラメータの数を減らすことができ、パラメータ同定に要する時間を短縮することが可能となる。更に、感度の低いパラメータは、本同定と異なる応答においては重要なパラメータである可能性があり、別の応答の精度を悪化させることを未然に防ぐことができる。
上記パラメータ同定装置において、前記評価値算出部は、前記非線形モデルに含まれる各前記パラメータと前記応答誤差との相関を評価する評価モデルにおいて、前記評価モデルに含まれる複数の前記パラメータの値を個別に一つずつ所定量変化させたパラメータ別評価モデルを作成し、前記パラメータ別評価モデルを用いて前記パラメータ毎の前記評価値を算出することとしてもよい。
上記パラメータ同定装置によれば、評価モデルにおいて、各パラメータを個別に一つずつ所定量変化させたパラメータ別評価モデルを用いて各パラメータが応答誤差に及ぼす影響度を評価するので、容易に評価値を算出することができる。
上記パラメータ同定装置において、前記評価モデルは、例えば、前記非線形モデルを複数の非線形な状態変数からなる状態変数行列と複数の未知パラメータからなる未知パラメータ行列とに分離し、前記非線形モデルを前記状態変数行列と前記未知パラメータ行列とを用いた線形行列方程式に変換し、前記線形行列方程式から得られる出力に残差を加えた演算式として表現される。
上記パラメータ同定装置によれば、評価モデルが非線形モデルを複数の非線形な状態変数からなる状態変数行列と複数の未知パラメータからなる未知パラメータ行列とに分離し、非線形モデルを状態変数行列と前記未知パラメータ行列とを用いた線形行列方程式に変換し、線形行列方程式から得られる出力に残差を加えた演算式とされているので、非線形モデルであっても見かけ上線形として取り扱うことができる。また、従来のように、非線形要素を線形近似しているわけではないので、非線形要素を考慮した上で各パラメータの応答誤差に対する感度を評価することができる。
上記パラメータ同定装置において、前記同定部は、前記非線形モデルに所定の入力信号を入力したときの応答信号をシミュレーションするシミュレーション部と、前記対象物に前記所定の入力信号を入力したときの実機応答信号に対する前記応答信号の応答誤差を算出する応答誤差算出部と、応答誤差の関数として表された複数の異なる第1評価関数に対して、前記応答誤差算出部によって算出された前記応答誤差を与えることにより、各前記第1評価関数の出力値を算出する評価値算出部と、前記第1評価関数を前記非線形モデルに含まれる各パラメータ誤差の関数として表した第2評価関数を用いて、前記第1評価関数の出力値と前記第2評価関数の出力値との差分がゼロとなるような各前記パラメータ誤差の値を推定するパラメータ誤差推定部と、前記パラメータ誤差推定部によって推定された各前記パラメータ誤差の値を用いて、前記非線形モデルに含まれる各パラメータの値を補正するパラメータ補正部とを具備していてもよい。
上記パラメータ同定装置によれば、シミュレーション部によって非線形モデルの応答信号が得られ、応答誤差算出部によって実機の応答信号に対する非線形モデルの応答信号の誤差である応答誤差が算出される。ここで、実機と非線形モデルとの応答誤差は、非線形モデルに含まれるパラメータ誤差に起因する運動によって生じた誤差であるとみなすことができる。したがって、応答誤差の関数は、非線形モデルに含まれるパラメータ誤差の関数としても表すことができる。このような点に着目し、本態様の同定部では、応答誤差の関数として表した第1評価関数と、第1評価関数をパラメータ誤差の関数として表した第2評価関数とを用意し、第1評価関数の出力値と第2評価関数の出力値との差がゼロとなるようなパラメータ誤差を推定することとしている。そして、このパラメータ誤差を用いて非線形モデルのパラメータを補正することで、非線形モデルの各パラメータを真値に近づけることが可能となる。これにより、実機に近い応答特性を持つ非線形モデルを得ることが可能となる。
本発明の第二態様は、コンピュータが、非線形要素を含む対象物をモデル化した非線形モデルに含まれる複数のパラメータのうち、同定を行う同定対象パラメータを決定する同定パラメータ決定工程と、決定された前記同定対象パラメータの同定を行う同定工程とを実行し、前記同定パラメータ決定工程では、各前記パラメータが前記非線形モデルの応答信号と前記対象物の実機の応答信号との応答誤差に与える影響を評価する評価値を前記パラメータ毎に算出する評価値算出工程と、算出された前記評価値を用いて前記同定対象パラメータを決定する決定工程とが行われるパラメータ同定方法である。
本発明の第三態様は、非線形モデルに含まれるパラメータの同定をコンピュータに実行させるためのパラメータ同定プログラムであって、非線形要素を含む対象物をモデル化した非線形モデルに含まれる複数のパラメータのうち、同定を行う同定対象パラメータを決定する同定パラメータ決定処理と、決定された前記同定対象パラメータの同定を行う同定処理とを含み、前記同定パラメータ決定処理は、各前記パラメータが前記非線形モデルの応答信号と前記対象物の実機の応答信号との応答誤差に与える影響を評価する評価値を前記パラメータ毎に算出する評価値算出処理と、算出された前記評価値を用いて前記同定対象パラメータを決定する決定処理とを含むパラメータ同定プログラムである。
上記パラメータ同定装置において、各前記第2評価関数は、各前記パラメータ誤差を微小とし、前記非線形モデルのパラメータ群周りの微小変化をテイラー展開した関数として表され、前記シミュレーション部は、前記非線形モデルの各前記パラメータを一つずつ微小変化させた複数のパラメータ変更モデルに対して、前記所定の入力信号をそれぞれ与えたときの応答信号をそれぞれ算出し、前記応答誤差算出部は、各前記パラメータ変更モデルの前記応答信号と前記実機応答信号とから各前記パラメータ変更モデルに対応する応答誤差を算出し、評価値算出部は、各前記パラメータ変更モデルの前記応答誤差を用いて、前記パラメータ変更モデル毎に各前記第1評価関数の出力値を算出し、前記パラメータ誤差推定部は、前記パラメータ変更モデル毎の前記第1評価関数の出力値と、前記非線形モデルの前記第1評価関数の出力値とを用いて、前記テイラー展開された各前記第2評価関数に含まれる各パラメータに対応する微係数を算出し、各前記パラメータ誤差を推定することとしてもよい。
上記パラメータ同定装置によれば、非線形モデルに含まれる複数のパラメータを一つずつ微小変化させたときの非線形モデルである複数のパラメータ変更モデルを生成し、各パラメータ変更モデルに対して入力信号を与えたときの応答信号を取得し、各応答信号と実機応答信号との応答誤差を得る。このようにすることで、各パラメータが応答信号に生じさせる応答誤差の影響を個別に捉えることが可能となる。そして、このようにして得た応答誤差を用いて、第1評価関数の出力値と第2評価関数の出力値との差がゼロとなるような各パラメータ誤差を推定する。
上記パラメータ同定装置において、各前記第2評価関数は、例えば、以下の式で表される。以下の式において、J1~Jrは複数の前記第2評価関数、δP1~ΔPnは各前記パラメータ誤差、行列ΔMは微係数行列である。
Figure 0007013296000001
また、上記式において、行列ΔMの各要素は以下の式で表されてもよい。
Figure 0007013296000002
上記パラメータ同定装置は、前記パラメータ補正部によって補正された各前記パラメータを用いることにより前記非線形モデルを更新するモデル更新部と、更新後の前記非線形モデルに前記所定の入力信号を与えたときの応答信号を得、前記応答信号と前記実機応答信号との応答誤差に基づく評価値が予め設定されている許容範囲内であるか否かを判定する判定部とを更に備えていても良く、前記判定部によって前記評価値が前記許容範囲内でないと判定された場合に、更新後の非線形モデルを用いた前記パラメータ誤差の算出を再度行うこととしてもよい。
上記パラメータ同定装置によれば、実機応答信号に対する非線形モデルの応答信号の応答誤差に基づく評価値が所定の許容範囲内となるまで、パラメータ誤差の推定を繰り返し行うので、非線形モデルの応答を実機の応答により近づけることが可能となる。
本発明によれば、パラメータ同定の時間を短縮することができるとともに、多様な条件で利用することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るパラメータ同定装置のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るパラメータ同定装置が有する機能の一例を示した機能ブロック図である。 対象物の一例として挙げた水中航走体の概略構成を示した図である。 図3に示した水中航走体を船尾から見たときの舵の配置について模式的に示した図である。 図3に示した水中航走体の運動の自由度について説明するための図である。 対象物の実機の応答信号と非線形モデルの応答信号とから応答誤差を得る構成を概略的に示した図である。 図2に示した同定部の機能の一例を示した機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るパラメータ同定装置によって実行されるパラメータ同定処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るパラメータ同定装置によって実行されるパラメータ同定処理のうち、同定パラメータ決定処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るパラメータ同定装置によって実行されるパラメータ同定処理のうち、同定処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るパラメータ同定装置によって実行されるパラメータ同定処理のうち、同定処理の処理手順の一例を示したフローチャートである。
以下に、本発明に係るパラメータ同定装置及びその方法並びにプログラムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るパラメータ同定装置1のハードウェア構成の一例を示した概略構成図である。パラメータ同定装置1は、図1に示すように、コンピュータ(計算機システム)を有し、例えば、CPU11、CPU11が実行するプログラム及びこのプログラムにより参照されるデータ等を記憶するための補助記憶装置12、各プログラム実行時のワーク領域として機能する主記憶装置13、ネットワークに接続するための通信インターフェース14、キーボードやマウス等からなる入力部15、及びデータを表示する液晶表示装置等からなる表示部16等を備えている。これら各部は、例えば、バス18を介して接続されている。補助記憶装置12は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が一例として挙げられる。
後述する説明する各種機能を実現するための一連の処理は、一例として、プログラム(例えば、パラメータ同定プログラム)の形式で補助記憶装置12に記憶されており、このプログラムをCPU11が主記憶装置13に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより、各種機能が実現される。なお、プログラムは、補助記憶装置12に予めインストールされている形態や、他のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等が適用されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等である。
図2は、本実施形態に係るパラメータ同定装置1が有する機能の一例をブロック図として示した機能ブロック図である。本実施形態に係るパラメータ同定装置1は、非線形要素を含む対象物をモデル化した非線形モデルに含まれるパラメータを同定する装置である。
ここで、非線形モデルの一例として、例えば、対象物が水中航走体、航空機、鉄道、自動車等の移動体である場合には、風洞実験等を通じて移動体の6軸方向の流体特性を計測し、この計測結果に基づいて運動方程式の構造や各流体係数が決定されたものを用いることが可能である。また、ロボットや工作機械などの機械装置であれば、機械図面などに基づいて運動方程式の構造や各状態係数が決定されたものを用いることが可能である。なお、非線形モデルについては上記例に限定されることなく、本発明は、パラメータの同定が必要とされる非線形モデルに対して広く適用することが可能である。
非線形モデルの各パラメータには少なからず誤差が含まれているため、その誤差を低減させて非線形モデルの応答信号を実機の応答信号により近づける必要がある。本実施形態に係るパラメータ同定装置は、このような非線形モデルに含まれるパラメータ誤差を低減し、各パラメータをより真値に近づけるための装置である。
本実施形態に係る非線形モデルは、制御対象のみをモデル化したものであってもよいし、制御系までも含めたモデルとされていてもよい。
図2に示すように、パラメータ同定装置1は、同定パラメータ決定部20と、同定部30とを備えている。
同定パラメータ決定部20は、非線形モデルに含まれる複数のパラメータのうち、同定を行うパラメータを絞り込み、同定対象パラメータを決定する。同定部30は、同定パラメータ決定部20によって決定された複数の同定対象パラメータの同定を行う。
同定パラメータ決定部20は、パラメータが非線形モデルの応答信号と対象物の実機の応答信号との応答誤差に与える影響を評価する評価値をパラメータ毎に算出する評価値算出部21と、評価値算出部21によって算出された評価値を用いて、パラメータ同定を行う対象とされる同定対象パラメータを決定する決定部22とを備えている。
具体的には、評価値算出部21は、非線形モデルに含まれる各パラメータと応答誤差との相関を評価する評価モデルにおいて、評価モデルに含まれる複数のパラメータの値を個別に一つずつ所定量変化させたパラメータ別評価モデルを作成し、パラメータ別評価モデルを用いてパラメータ毎の評価値を算出する。
以下、上記評価モデルについて具体的に説明する。以下の説明では、一例として、図3に示すような水中航走体(移動体)の深度を変更する運動に関する非線形モデルのパラメータ同定を行う場合を挙げて説明する。
まず、対象物の一例として示される水中航走体について説明する。図3は、水中航走体の一例としての概略構成を示した図、図4は図3に示した水中航走体を船尾から見たときの舵の配置について模式的に示した図、図5は水中航走体の運動の自由度について説明するための図である。
図5に示すように、水中航走体の船体50は、船尾軸線(以下「x軸」という)、左右軸線(以下「y軸」という)、上下軸線(以下「z軸」という)からなる互いに直交する3つの直線軸と、これら各直線軸に対する3つの回転軸とからなる6軸(6自由度)の制御が可能な構成とされている。
図5に示すように、船体座標系における上記x軸方向、y軸方向、z軸方向の速度をそれぞれu,v,wとし、それぞれの軸周りの角速度をp,q,rと定義する。更に、絶対座標系(地球座標系)におけるx軸周りの回転角度をロール角φ、y軸周りの回転角度をピッチ角θ、z軸周りの回転角度を方位ψと定義する。
図3、図4に示すように、船体50には、複数の舵3a~3eが設けられている。舵3a~3dは、主にロール角φ、ピッチ角θ、方位角ψに関する制御に用いられ、舵3eは主に深度に関する制御に用いられる。
図3に示される水中航走体において深度を変更するときの船体50の運動は、例えば、以下の(1)式に示される深度系の運動方程式と、以下の(2)式に示されるピッチ系の運動方程式とで表される。以下の(1)、(2)式からわかるように、水中航走体の深度を変更するときの運動は、非線形要素、換言すると、非線形な状態変数を含んでいる。したがって、これらの運動方程式から作成される水中航走体の数理モデルは、非線形モデルとなる。
Figure 0007013296000003
評価モデルは、上記運動方程式に基づく非線形モデルを複数の非線形な状態変数からなる状態変数行列と、複数のパラメータ(各非線形項の流体系パラメータ)からなるパラメータ行列とに分離し、非線形モデルを状態変数行列と前記未知パラメータ行列とを用いた線形行列方程式に変換し、線形行列方程式から得られる出力に残差を加えた演算式として表現される。
例えば、上記(1)、(2)式で表される運動方程式に基づく非線形モデルを非線形な状態変数と、未知パラメータとに分離すると、非線形な状態変数は以下の(3)式の行列で表され、未知パラメータ(各非線形項の流体系パラメータ)は、以下の(4)式の行列で表される。
Figure 0007013296000004
そして、非線形モデルを上記(3)式で表される状態変数行列ζと、(4)式で表される未知パラメータ行列aを用いた線形行列方程式に変換し、更に線形行列方程式から得られる出力に残差εを加えて、以下の(5)式を作成する。そして、以下の(5)式を残差εについての式に書き換えると、以下の(6)式となる。本実施形態では、(6)式を評価モデルとして取り扱う。
Figure 0007013296000005
ここで、残差εは、パラメータに含まれる誤差に起因する非線形モデルの応答信号と対象物の実機の応答信号との加速度の次元における誤差に相当する。
上記評価モデルにおいて、状態変数行列ζと、出力yは対象物(水中航走体)の実機データから得ることができ、実機データの値が代入される。また、未知パラメータ行列は、未知と称してはいるが、風洞試験等において得られた非線形モデルの各パラメータの初期値が代入されている。すなわち、「未知パラメータ」は、真値が未知であることからこのように称している。
パラメータ同定装置1において、上記のようにして事前に作成された評価モデルが所定の記憶領域に格納されており、評価値算出部21は、この評価モデルを読み出して使用することにより、パラメータ毎に評価値を算出する。なお、評価モデルの取得方法は、この例に限定されず、例えば、非線形モデルから評価モデルを自動的に作成するプログラムをパラメータ同定装置1にインストールしておくことで、非線形モデルから評価モデルを自動的に作成することとしても良いし、また、パラメータ同定に先駆けて、上記の評価モデルを作業者が入力部から入力することとしてもよい。このように、評価モデルの取得方法については特に限定されない。
評価値算出部21は、(6)式で表される評価モデルにおいて、評価モデルに含まれる複数のパラメータの値を個別に一つずつ所定量変化させたパラメータ別評価モデルを作成する。具体的には、パラメータaに対応するパラメータ別評価モデルは、(6)式の未知パラメータ行列において、aの値に初期値+αの値が入力され、その他の未知パラメータa~a21については、それぞれの初期値が入力されたモデルとなる。
また、同様に、パラメータaに対応するパラメータ別評価モデルは、(6)式の未知パラメータ行列において、aの値に初期値+αの値が入力され、その他の未知パラメータa、a~a21については、それぞれの初期値が入力されたモデルとなる。
評価値算出部21は、上記のようなパラメータ別評価モデルを用いて得た残差εを用いてパラメータの感度評価値を算出する。
例えば、感度評価値は以下の(7)式で与えられる。なお、感度評価値は、以下の(7)式で表されるように、残差の二乗平均として示されるものに限定されず、上記残差εを変数として有する関数であればよい。なお、以下の(7)式では、N個の残差εを累積した値を用いているが、これに代えて、残差εを所定の時間区間において積分した値を用いても良い。以下の(7)式において、iはサンプル数である。
Figure 0007013296000006
このようにして、パラメータ毎の感度評価値が算出されると、パラメータ毎の感度評価値は決定部22(図2参照)に出力される。
決定部22は、評価値算出部21から入力されたパラメータ毎の感度評価値に基づいて複数のパラメータの中から同定を行うパラメータを絞り込み、同定対象パラメータを決定する。
例えば、決定部22は、予め設定されている所定の閾値以上の感度評価値を有するパラメータを同定対象パラメータとして決定する。また、決定部22は、感度評価値が高い方から所定個数のパラメータを選定し、選定したパラメータを同定対象パラメータとして決定してもよい。
感度評価値に基づいて同定を行うパラメータを絞り込むので、感度の低いパラメータをパラメータ同定の対象から除外することができ、パラメータ同定に要する時間を短縮することが可能となる。この感度の低いパラメータは、深度系の運動に関して感度が低いだけであり、例えば別の方位系の運動に重要な意味を持っているかもしれない。従って、感度評価によって感度の低いパラメータを同定するパラメータから除外しておくことは、別の運動の精度を悪化させないようにするために重要な意味を持っている。
このようにして、同定対象パラメータが決定されると、同定対象パラメータの情報が同定部30に出力される。
同定部30は、非線形モデルに含まれる複数のモデルのうち、同定パラメータ決定部20によって決定された同定対象パラメータを同定する。以下、本実施形態に係るパラメータ同定部の詳細について説明する前に、本実施形態に係るパラメータ同定の考え方について図を参照して説明する。なお、以下の説明では、上述のように、水中航走体を例示することなく、パラメータ同定を行う対象を「対象物」として、一般的な説明を行う。
例えば、便宜上、図6に示すように、パラメータ同定を行う対象物10の実機の特性を(8)式とおく。
dX/dt=f(X,P,U) (8)
(8)式において、fは対象物10の関数、Xは対象物10の状態ベクトル(次元k)、Pは対象物10のパラメータ群(次元n)、Uは入力(次元q)を示している。
対象物10の数理モデル(非線形モデル)は、以下の(9)式で表される。例えば、上述した水中航走体の船体50の深度変更に関する運動を対象とした場合には、非線形モデルは、上記(1)、(2)式に基づいて作成されることとなる。
dXm/dt=fm(Xm,Pm,Um) (9)
(9)式において、fmはモデルの関数、Xmはモデルの状態ベクトル、Pmはモデルのパラメータ群、Umはモデルの入力を示している。
ここで、非線形モデルは、式の構造は同じで、パラメータにのみ誤差があると仮定する。すなわち、本実施形態では、この条件下においてパラメータを同定する。
まず、非線形モデルが対象物10に対してパラメータ誤差を持つ場合、対象物10の実機に入力信号Uを与えたときの実機応答信号Xと、非線形モデルに入力信号Uを与えたときの応答信号Xmとは異なるため、その応答誤差をΔX、パラメータ誤差をΔPとすると以下(10)、(11)式のように表される。
ΔX=X-Xm (10)
ΔP=P-Pm (11)
次に、応答誤差に関する第1評価関数Jを定義する。応答誤差の関数として表される第1評価関数Jは、以下の(12)式で表される。
Figure 0007013296000007
(12)式において、T1、T2は応答誤差を積分で評価する時間区間であり、任意に設定できる。また、gは第1評価関数の関数である。第1評価関数Jは、上述したパラメータ誤差がない状態ではゼロとなる。上記第1評価関数Jは、異なる関数のものを複数用意し、その数をrとする(J1、J2、J3、・・・Jr)。
一方、対象物10の実機と非線形モデルとの応答誤差ΔXは、非線形モデルに含まれるパラメータ誤差に起因する運動によって生じた誤差であると捉えることができる。そうすると、応答誤差の関数として表された第1評価関数Jは、非線形モデルのパラメータ誤差の関数としても表現することができ、以下の(13)式のように表すことができる。
Figure 0007013296000008
例えば、第1評価関数J1、J2、J3、・・・Jrに上記応答誤差ΔXを代入したときの出力値は、各パラメータ誤差δP1~δPnによって生じる運動の和として表すことができる。そして、各パラメータ誤差δPi(i=1~n)を微小とし、上述した非線形モデルのパラメータ群Pm周りの微小変化をテイラー展開して1次までの式とすると、第1評価関数J1~Jrは、以下の(14)式で表すことができる。本実施形態では、以下の(14)式で示される評価関数を便宜上「第2評価関数」という。
この第2評価関数は、第1評価関数をパラメータ誤差の観点から捉えて表現したものであり、非線形モデルに含まれる各パラメータ誤差の関数として表される。
第1評価関数と、第2評価関数とは同じものを違う観点から表現したものなので、第1評価関数の出力値と第2評価関数の出力値とは等価であるとおくことができる。すなわち、第1評価関数の出力値と第2評価関数の出力値との差がゼロとなるような各パラメータ誤差の値を推定すればよい。
Figure 0007013296000009
(14)式において、微係数∂J/Piは、関数が未知であるからこのままでは解けないため、∂J/PiをΔJ/ΔPiに近似すると、上記(14)式は以下の(15)式に示す行列式で表すことができる。
Figure 0007013296000010
上記(15)式において、行列ΔMの各要素、換言すると、テイラー展開における各微係数(ΔJ1/ΔP1~ΔJr/ΔPn)は、非線形モデルのパラメータPj(j=1~n)を一つずつ微小変化(Pj+ΔPj)させたときの非線形モデルの応答信号の変化から数値的に求めることができる。
例えば、非線形モデルのパラメータを一つずつ個別に微小変化させたときの非線形モデル(以下「パラメータ変更モデル」という。)を生成し、そのパラメータ変更モデルに入力信号Uを与えたときの応答信号をそれぞれシミュレーションによって得る。そして、各パラメータ変更モデルの各応答信号と実機応答信号とから各パラメータ変更モデルに対応する応答誤差を算出し、算出した応答誤差を用いてパラメータ変更モデル毎に各第1評価関数の出力値を算出し、これらパラメータ変更モデル毎の第1評価関数の出力値と、非線形モデルの第1評価関数の出力値とを用いて、上記第2評価関数に含まれる各パラメータに対応する微係数(ΔJ1/ΔP1~ΔJr/ΔPn)を算出する。
例えば、上記(15)式における微係数は、以下の(16)式で表される。
Figure 0007013296000011
このようにして、(15)式における各パラメータの微係数、換言すると、行列ΔMの各要素が算出されると、(15)式において未知のパラメータは、パラメータ誤差δP1~δPnのみとなる。したがって、例えば、未知のパラメータ誤差δP1~δPnは、以下の(17)式で与えられる評価関数を用いた最小二乗法によって得ることができる。
δPV=(ΔMTΔM)-1JV (17)
δPV=(δP1,δP2,・・・δPn)T
JV=(J1,J2,・・・Jr)T
また、パラメータPmの次元nと、評価関数の数rとが同じ場合(n=r)には、正方行列となるので、最小二乗法を用いることなく、(18)式に示すように、逆行列ΔM-1を用いて未知のパラメータ誤差δP1~δPnを算出することが可能である。
δPV=ΔM-1・JV (18)
このようにして、各パラメータについてのパラメータ誤差δP1~δPnが推定されると、推定したこれらパラメータ誤差を用いて非線形モデルに用いられている各パラメータを補正し、各パラメータを更新する。例えば、補正後のパラメータは、非線形モデルに設定されていた各パラメータの初期値から各パラメータ誤差の値を減算した値となる。なお、このとき収束性を考えて、パラメータ誤差に調整係数k(k<1)を乗じた値を各パラメータの初期値から減算することにより、各パラメータの値を更新することとしてもよい。
次に、上述した本実施形態に係るパラメータ同定を実現するための具体的な同定部30の機能ブロックについて説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る同定部30が有する機能の一例を示した機能ブロック図である。図7に示すように、同定部30は、記憶部31と、シミュレーション部32と、応答誤差算出部33と、評価値算出部34と、パラメータ誤差推定部35と、パラメータ補正部36と、モデル更新部37と、判定部38とを主な構成として備えている。
記憶部31には、パラメータ同定を行うのに必要となる各種演算式やデータ等が格納されている。例えば、記憶部31には、対象物10をモデル化した非線形モデル、非線形モデルに含まれる各パラメータの初期値、上述した各種演算式、例えば、複数の評価関数、パラメータ誤差を推定するための各種演算式(例えば、上記(10)、(12)、(13)、(15)~(18)式等)、また、これら演算式を用いてパラメータ同定を行うために必要とされる各種データ等が格納されている。また、記憶部31は、パラメータ同定処理を実行するに当たり、処理の中で発生したデータを一時的に格納する記憶領域としても用いられる。
シミュレーション部32は、対象物10をモデル化した非線形モデルに所定の入力信号Uを入力したときの応答信号Xmをシミュレーションにより求める。また、シミュレーション部32は、非線形モデルが有する複数のパラメータのうち、同定対象パラメータの値を一つずつ微小変化させた複数のパラメータ変更モデルに対して、所定の入力信号Uをそれぞれ与えたときの応答信号を演算する。なお、同定対象パラメータ以外のパラメータについては、初期値が用いられる。
応答誤差算出部33は、対象物10の実機に所定の入力信号Uを入力したときの応答信号である実機応答信号Xに対する非線形モデルの応答信号Xmの応答誤差ΔXを算出する。また、応答誤差算出部33は、各パラメータ変更モデルの応答信号と実機応答信号Xとから各パラメータ変更モデルに対応する応答誤差を算出する。
評価値算出部34は、記憶部31に格納されている複数の異なる第1評価関数J1~Jrに応答誤差算出部33によって算出された応答誤差ΔXを代入することにより、各第1評価関数J1~Jrの出力値を得る。また、評価値算出部34は、第1評価関数J1~Jrに対して、応答誤差算出部33によって算出された各パラメータ変更モデルの応答誤差を代入することにより、パラメータ変更モデル毎に各第1評価関数J1~Jrの出力値を算出する。
ここで第1評価関数は上述したように応答誤差の関数として与えられている。第1評価関数の一例として、以下の(19)、(20)式が挙げられる。第1評価関数は、例えば、(19)式に示されるように、応答誤差を所定の時間区間で積分する関数として与えられる。また、第1評価関数は、例えば、(20)式に示されるように、応答誤差の二乗を所定の時間区間で積分する関数として与えられる。(19)式を用いることで、パラメータ誤差を収束させる過程で、応答誤差が増えているのか減っているのかという増減方向を把握することができ、(20)式を用いることで、応答誤差の絶対値の変動を把握することができる。
Figure 0007013296000012
パラメータ誤差推定部35は、記憶部31から第2評価関数を取得し、第2評価関数の出力値と第1評価関数の出力値との差がゼロとなるような各パラメータ誤差の値を推定する。具体的には、第2評価関数にパラメータ変更モデル毎の第1評価関数の出力値と、非線形モデルの第1評価関数の出力値とを用いて、各第2評価関数に含まれる各パラメータに対応する微係数を算出し、各パラメータ誤差を推定する。
パラメータ補正部36は、パラメータ誤差推定部35によって推定された各パラメータ誤差の値を用いて、非線形モデルに含まれる各パラメータの値を補正する。
モデル更新部37は、パラメータ補正部36によって補正された新たな各パラメータを用いることにより、非線形モデルを更新する。
判定部38は、更新後の非線形モデルに所定の入力信号を与えたときの応答信号を得、応答信号と対象物10の実機の応答である実機応答信号との応答誤差に基づく評価値が予め設定されている許容範囲内であるか否かを判定する。例えば、更新後の非線形モデルの応答信号と実機応答信号との応答誤差を用いて算出した各第1評価関数J1~Jrの出力値がそれぞれ評価関数毎に設定された所定の許容範囲内にあるか否かを判定する。
この結果、例えば、評価関数の出力値が許容範囲内にない評価関数が一つでも存在した場合には、現在のパラメータに含まれているパラメータ誤差が大きいと判断し、パラメータ同定装置1は、更新後の対象モデルを用いて再度パラメータの同定を行う。なお、この判定基準は、非線形モデルに求められる精度に応じて適宜設定することが可能である。
次に、本実施形態に係るパラメータ同定装置1によって実現されるパラメータ同定方法について図8~図11を参照して説明する。図8~図11は、本実施形態に係るパラメータ同定方法の手順の一例を示したフローチャートであり、図8はパラメータ同定方法の手順を示したフローチャート、図9は同定パラメータ決定処理の手順を示したフローチャート、図10~図11は同定処理の手順を示したフローチャートである。
以下に説明するパラメータ同定方法は、例えば、補助記憶装置12に格納されているパラメータ同定プログラムをCPU11が主記憶装置13に読み出して、情報の加工・演算処理を実行することにより実現される。
なお、図8~図11に示したパラメータ同定方法の手順は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。また、複数の処理を平行して行うこととしてもよい。
図8に示すように、パラメータ同定装置1は、非線形モデルに含まれる複数のパラメータのうち、同定を行う対象となる同定対象パラメータを決定する同定パラメータ決定処理(S1)を行い、続いて、同定対象パラメータを同定する同定処理(S2)を行う。
図9に示すように、同定パラメータ決定処理(S1)では、非線形モデルおよび評価モデルを取得し(SA1)、取得した評価モデルの状態変数行列及び出力に対象物10の実機から得た実機データを入力するとともに、各パラメータの値をそれぞれ一つずつ所定量変化させたパラメータ別評価モデルを作成する(SA2)。続いて、パラメータ別評価モデルを用いて得た残差εを用いて各パラメータの感度評価値を算出する(SA3)。
次に、感度評価値に基づいてパラメータ同定の対象となるパラメータを絞り込み、同定対象パラメータを決定する(SA4)。
次に、パラメータ同定装置1は、図10~図11に示される同定処理を行う。なお、以下の説明では、説明の便宜上、上記同定パラメータ決定処理において、非線形モデルのパラメータ群のうち2つのパラメータPm=(P1m、P2m)が同定対象パラメータとして決定された場合を例示し、これら2つの同定対象パラメータPm=(P1m、P2m)を同定する場合について説明する。また、用いられる第1評価関数も上述した(19)式、(20)式で表された2つの第1評価関数J1、J2を用いるものとする。また、非線形モデルには、同定対象パラメータPmの初期値としてP1m(0)、P2m(0)が設定されているものとする。なお、同定対象パラメータ以外のパラメータについては、初期値が入力されており、これらについては初期値のままで用いられ、同定は行われない。
同定処理では、まず、非線形モデルに対して所定の入力信号Uを与えることにより応答信号Xm_0(t)を得る(SB1)。
次に、対象物の実機に入力信号Uを与えたときの応答信号X_0(t)と、応答信号Xm_0(t)との差分である応答誤差ΔX_0(t)を算出する(SB2)。
続いて、応答誤差ΔX_0(t)を各第1評価関数J1、J2に与えた時の出力値J1_0、J2_0を算出する(SB3)。
上記応答誤差ΔX_0(t)、出力値J1_0、J2_0は一時的に記憶部31に格納される。
続いて、対象モデルのパラメータP1m(0)のみを微小変化ΔP1させた非線形モデルであるパラメータ変更モデルを作成し、このパラメータ変更モデルに対して所定の入力信号Uを与えた時の応答信号Xm_1(t)をシミュレーションにより得る(SB4)。
続いて、応答信号Xm_1(t)と実機応答信号Xとの応答誤差ΔX_1(t)を算出し(SB5)、更に、算出した応答誤差ΔX_1(t)を用いて各第1評価関数J1、J2の出力値J1_1、J2_1を算出する(SB6)。
上記応答誤差ΔX_1(t)、出力値J1_1、J2_1は一時的に記憶部31に格納される。
次に、対象モデルのパラメータP2m(0)のみを微小変化ΔP2させたパラメータ変更モデルを作成し、このパラメータ変更モデルに対して所定の入力信号Uを与えた時の応答信号Xm_2(t)をシミュレーションにより得る(SB7)。
続いて、応答信号Xm_2(t)と実機応答信号Xとの応答誤差ΔX_2(t)を算出し(SB8)、更に、算出した応答誤差ΔX_2(t)を用いて各第1評価関数J1、J2の出力値J1_2、J2_2を算出する(SB9)。
上記応答誤差ΔX_2(t)、出力値J1_2、J2_2は一時的に記憶部31に格納される。
続いて、記憶部31に格納された上記演算結果ΔX_0(t)、ΔX_1(t)、ΔX_2(t)、J1_0、J2_0、J1_1、J2_1、J1_2、J2_2及び微小変化量ΔP1、ΔP2を用いて、パラメータ誤差の推定を行う(SB10)。
具体的には、上述した(15)式の行列ΔMの各要素を算出し、その逆行列ΔM-1を用いてパラメータ誤差δP1、δP2を推定する。
ここで、行列ΔMの各要素は、以下の式によって算出される。
ΔM[1,1]=ΔJ1/ΔP1=[J1_1-J1_0]/ΔP1
ΔM[1,2]=ΔJ1/ΔP2=[J1_2-J1_0]/ΔP2
ΔM[2,1]=ΔJ2/ΔP1=[J2_1-J2_0]/ΔP1
ΔM[2,2]=ΔJ2/ΔP2=[J2_2-J2_0]/ΔP2
そして、上記行列ΔMの逆行列を用いて、以下の式から、同定対象パラメータであるパラメータ誤差δP1、δP2を算出する。
δPV=ΔM-1・JV
ここで、δPV=(δP1,δP2)T、JV=[J1_0, J2_0]である。
このようにして、パラメータ誤差δP1、δP2が算出されると、このパラメータ誤差δP1、δP2を用いて各パラメータの初期値P1m(0)、P2m(0)を補正する(図11のSB11)。補正後の各パラメータの値P1e、P2eは、以下の式で表される。ここで、kは収束性を考慮した調整係数である。
P1e=P1m(0)-k・δP1
P2e=P2m(0)-k・δP2
続いて、補正後の各パラメータP1e、P2eを用いた非線形モデルを生成し、非線形モデルを更新する(SB12)。続いて、更新後の非線形モデルに所定の入力信号Uを与えたときの応答信号をシミュレーションによって取得する(SB13)。そして、この応答信号と実機応答信号との応答誤差を算出し(SB14)、算出した応答誤差を用いた評価関数の出力値を算出する(SB15)。
続いて、出力値が所定の許容範囲内であるか否かを判定し(SB16)、所定の許容範囲内であれば(SB16:YES)、現在の非線形モデルに用いられている各パラメータの値を確定し(SB17)、本処理を終了する。
一方、出力値が所定の許容範囲外である場合には(SB16:NO)、更新後の対象モデル、すなわち、パラメータP1e、P2eを初期値として(SB18)、ステップSB1に戻り、更新後の対象モデルを用いてステップSB1以降の処理を行う。そして、ステップSB16において、出力値が所定の許容範囲内であると判定されるまで、上記処理が繰り返し行われることとなる。
以上説明したように、本実施形態に係るパラメータ同定装置1及びその方法並びにプログラムによれば、非線形モデルに含まれる複数のパラメータにおいて、非線形モデルの応答信号と対象物の実機の応答信号との応答誤差に与える影響をパラメータ毎に評価し、この評価結果に応じて同定を行うパラメータを絞り込むので、例えば、応答誤差に対して影響度の高いパラメータのみを同定対象パラメータとして選定することができる。このように、応答誤差に対して影響度の低い、換言すると、感度の低いパラメータについてはパラメータ同定の対象から除外することができるので、同定を行うパラメータの数を減らすことができ、パラメータ同定に要する時間を短縮することが可能となる。
また、本実施形態に係るパラメータ同定装置1及びその方法並びにプログラムによれば、例えば、多入力他出力系の非線形な流体運動モデルを対象とした場合に、同定したい応答に関与するモデルパラメータである流体係数のみを直接的に同定することができ、無関係な流体係数を無理に変更して別の応答の精度を悪化させることを未然に防止できる。
更に、本実施形態に係るパラメータ同定装置1によれば、評価モデルにおいて、各パラメータを個別に一つずつ所定量変化させたパラメータ別評価モデルを用いて各パラメータが応答誤差に及ぼす影響度を評価するので、容易に評価値を算出することができる。
また、本実施形態に係るパラメータ同定装置1によれば、評価モデルが非線形モデルを複数の非線形な状態変数からなる状態変数行列と複数の未知パラメータからなる未知パラメータ行列とに分離し、非線形モデルを状態変数行列と前記未知パラメータ行列とを用いた線形行列方程式に変換し、線形行列方程式から得られる出力に残差を加えた演算式とされているので、非線形モデルであっても見かけ上線形として取り扱うことができる。また、従来のように、非線形要素を線形近似しているわけではないので、非線形要素を考慮した上で各パラメータの応答誤差に対する感度を評価することができる。
また、本実施形態によれば、実機と非線形モデルとの応答誤差は、非線形モデルに含まれるパラメータ誤差に起因する運動によって生じた誤差であるとみなし、応答誤差の関数を非線形モデルに含まれるパラメータ誤差の関数として表現して、パラメータ誤差を推定する。そして、推定したパラメータ誤差を用いて非線形モデルのパラメータを補正することで、非線形モデルの各パラメータを真値に近づけることが可能となる。これにより、実機に近い応答特性を持つ非線形モデルを得ることが可能となる。また、本実施形態によれば、非線形モデルは非線形モデルのまま用いてパラメータ同定を行うことができる。
なお、本実施形態では、同定部30において上述した同定方法を用いて同定対象パラメータを同定することとしたが、同定部30が採用する同定方法については限定されない。例えば、粒子群最適化法(Particle Swarm Optimization)、信頼領域Refrective法、Levenberg-Marquardt法等の公知の同定方法を適宜採用することが可能である。
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1 パラメータ同定装置
10 対象物
20 同定パラメータ決定部
21 評価値算出部
22 決定部
30 同定部
31 記憶部
32 シミュレーション部
33 応答誤差算出部
34 評価値算出部
35 パラメータ誤差推定部
36 パラメータ補正部
37 モデル更新部
38 判定部

Claims (7)

  1. 非線形要素を含む対象物をモデル化した非線形モデルに含まれる複数のパラメータのうち、同定を行う同定対象パラメータを決定する同定パラメータ決定部と、
    決定された前記同定対象パラメータの同定を行う同定部と
    を有し、
    前記同定パラメータ決定部は、
    各前記パラメータが前記非線形モデルの応答信号と前記対象物の実機の応答信号との応答誤差に与える影響を評価する評価値を前記パラメータ毎に算出する評価値算出部と、
    算出された前記評価値を用いて前記同定対象パラメータを決定する決定部と
    を備え、
    前記評価値算出部は、
    前記非線形モデルに含まれる各前記パラメータと前記応答誤差との相関を評価する評価モデルにおいて、前記評価モデルに含まれる複数の前記パラメータの値を個別に所定量変化させたパラメータ別評価モデルを作成し、
    前記パラメータ別評価モデルを用いて前記パラメータ毎の前記評価値を算出し、
    前記評価モデルは、前記非線形モデルを複数の非線形な状態変数からなる状態変数行列と複数の未知パラメータからなる未知パラメータ行列とに分離し、前記非線形モデルを前記状態変数行列と前記未知パラメータ行列とを用いた線形行列方程式に変換し、前記線形行列方程式から得られる出力に残差を加えた演算式として表現されるパラメータ同定装置。
  2. 非線形要素を含む対象物をモデル化した非線形モデルに含まれる複数のパラメータのうち、同定を行う同定対象パラメータを決定する同定パラメータ決定部と、
    決定された前記同定対象パラメータの同定を行う同定部と
    を有し、
    前記同定パラメータ決定部は、
    各前記パラメータが前記非線形モデルの応答信号と前記対象物の実機の応答信号との応答誤差に与える影響を評価する評価値を前記パラメータ毎に算出する評価値算出部と、
    算出された前記評価値を用いて前記同定対象パラメータを決定する決定部と
    を備え、
    前記同定部は、
    前記非線形モデルに所定の入力信号を入力したときの応答信号をシミュレーションするシミュレーション部と、
    前記対象物に前記所定の入力信号を入力したときの実機応答信号に対する前記応答信号の応答誤差を算出する応答誤差算出部と、
    応答誤差の関数として表された複数の異なる第1評価関数に対して、前記応答誤差算出部によって算出された前記応答誤差を与えることにより、各前記第1評価関数の出力値を算出する評価値算出部と、
    前記第1評価関数を前記非線形モデルに含まれる各パラメータ誤差の関数として表した第2評価関数を用いて、前記第1評価関数の出力値と前記第2評価関数の出力値との差分がゼロとなるような各前記パラメータ誤差の値を推定するパラメータ誤差推定部と、
    前記パラメータ誤差推定部によって推定された各前記パラメータ誤差の値を用いて、前記非線形モデルに含まれる各パラメータの値を補正するパラメータ補正部と
    を具備するパラメータ同定装置。
  3. 前記評価値算出部は、
    前記非線形モデルに含まれる各前記パラメータと前記応答誤差との相関を評価する評価モデルにおいて、前記評価モデルに含まれる複数の前記パラメータの値を個別に所定量変化させたパラメータ別評価モデルを作成し、
    前記パラメータ別評価モデルを用いて前記パラメータ毎の前記評価値を算出する請求項に記載のパラメータ同定装置。
  4. 前記評価モデルは、前記非線形モデルを複数の非線形な状態変数からなる状態変数行列と複数の未知パラメータからなる未知パラメータ行列とに分離し、前記非線形モデルを前記状態変数行列と前記未知パラメータ行列とを用いた線形行列方程式に変換し、前記線形行列方程式から得られる出力に残差を加えた演算式として表現される請求項に記載のパラメータ同定装置。
  5. コンピュータが、
    非線形要素を含む対象物をモデル化した非線形モデルに含まれる複数のパラメータのうち、同定を行う同定対象パラメータを決定する同定パラメータ決定工程と、
    決定された前記同定対象パラメータの同定を行う同定工程と
    を実行し、
    前記同定パラメータ決定工程は
    各前記パラメータが前記非線形モデルの応答信号と前記対象物の実機の応答信号との応答誤差に与える影響を評価する評価値を前記パラメータ毎に算出する評価値算出工程と、
    算出された前記評価値を用いて前記同定対象パラメータを決定する決定工程と
    を含み、
    前記評価値算出工程は、
    前記非線形モデルに含まれる各前記パラメータと前記応答誤差との相関を評価する評価モデルにおいて、前記評価モデルに含まれる複数の前記パラメータの値を個別に所定量変化させたパラメータ別評価モデルを作成する工程と、
    前記パラメータ別評価モデルを用いて前記パラメータ毎の前記評価値を算出する工程とを含み、
    前記評価モデルは、前記非線形モデルを複数の非線形な状態変数からなる状態変数行列と複数の未知パラメータからなる未知パラメータ行列とに分離し、前記非線形モデルを前記状態変数行列と前記未知パラメータ行列とを用いた線形行列方程式に変換し、前記線形行列方程式から得られる出力に残差を加えた演算式として表現されるパラメータ同定方法。
  6. コンピュータが、
    非線形要素を含む対象物をモデル化した非線形モデルに含まれる複数のパラメータのうち、同定を行う同定対象パラメータを決定する同定パラメータ決定工程と、
    決定された前記同定対象パラメータの同定を行う同定工程と
    を実行し、
    前記同定パラメータ決定工程は、
    各前記パラメータが前記非線形モデルの応答信号と前記対象物の実機の応答信号との応答誤差に与える影響を評価する評価値を前記パラメータ毎に算出する評価値算出工程と、
    算出された前記評価値を用いて前記同定対象パラメータを決定する決定工程と
    を含み、
    前記同定工程は、
    前記非線形モデルに所定の入力信号を入力したときの応答信号をシミュレーションする工程と、
    前記対象物に前記所定の入力信号を入力したときの実機応答信号に対する前記応答信号の応答誤差を算出する工程と、
    応答誤差の関数として表された複数の異なる第1評価関数に対して、前記応答誤差算出部によって算出された前記応答誤差を与えることにより、各前記第1評価関数の出力値を算出する工程と、
    前記第1評価関数を前記非線形モデルに含まれる各パラメータ誤差の関数として表した第2評価関数を用いて、前記第1評価関数の出力値と前記第2評価関数の出力値との差分がゼロとなるような各前記パラメータ誤差の値を推定する工程と、
    推定された各前記パラメータ誤差の値を用いて、前記非線形モデルに含まれる各パラメータの値を補正する工程と
    を含むパラメータ同定方法。
  7. コンピュータを請求項1から4のいずれかに記載のパラメータ同定装置として機能させるためのパラメータ同定プログラム。
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