JP3740230B2 - シリンダ位置決め制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繰り返し動作するシリンダを、目標位置に停止させるシリンダ位置決め制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピストンロッドを制動するブレーキ機構と、該ピストンロッドの位置を検出する位置センサを備え、オーバーラン距離のみでなくシリンダ速度をも取り込む学習制御でシリンダの位置決めを行って、ピストンロッドの移動を制御して目標位置にシリンダを停止させるシリンダ位置決め制御装置が知られている。(特開平8−210302号公報参照)。
従来のシリンダ位置決め制御装置を用いて位置決めを行う場合、ピストンが目標位置に近づくとき、背圧による減速を行うことなく、ブレーキ機構を作動させて直接制動を行って(直接制動方式で)ピストンを停止させていた。この直接制動方式は、ブレーキ片とピストンロッドとの間の摺動摩擦によりピストンの減速と停止を行わせるので、制動力が大きく、高速大負荷の場合には大きな衝撃を生ずることとなる。この衝撃は、ピストンの作動安定性を悪化させるだけでなく、ブレーキ片とピストンロッドの寿命を短くし、大きな騒音の原因となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シリンダ位置決め制御装置において、ピストンを停止させるときに、背圧を作用させてピストンを減速させ、その後に制動を行うことにより、制動時の衝撃の発生を防止させることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を達成するために、シリンダ位置決め制御装置において、次の手段AないしFを備えることを第1の構成とする。
A.背圧減速の行程Spb及び時間遅れTv の初期値として経験値を入力する手段。
B.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。
C.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。
D.式〔Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値〕を用いて背圧指令信号を出力する位置Xp(k)を決定する手段。ここに、Tvrは電磁弁の応答時間、Ttrは電磁弁からシリンダまでの圧力伝播時間である。
E.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに背圧指令信号を出力する手段。
F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに制動信号を出力する手段。
本発明は、前記課題を達成するために、シリンダ位置決め制御装置において、次の手段AないしKを備えることを第2の構成とする。
A.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。
B.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。
C.背圧指令信号を出す位置Xp(k)を決定する手段。
D.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに背圧指令信号を出力する手段。
E.条件X≧Xp(k)を満たすときに検出した速度Vp(k)を入力する手段。
F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに制動信号を出力する手段。
G.ピストン停止後に変位の最大値Xm 、ピストンの停止位置Xs を入力する手段。
H.ピストンの復帰後に周期動作が終わったか否かを判断し、周期動作が終わっていないときは、制動誤差Se を決定する手段。
I.ファジィ推論により精確値ΔTv(k)を決定する手段。
J.手段Iで得られたΔTv(k)を使い、Tv( k+1)=Tv(k)+ΔTv(k)により、次回の時間遅れTv を修正する手段。
K.次回の背圧減速の行程Spbの予測値を演算する手段。
本発明は、前記のシリンダ位置決め制御装置において、次式(a),(b) を用いて制動誤差Se を決定し、次式(c) を用いて背圧指令信号を出す位置Xp(k)を決定し、図8に示す式(6) を用いて精確値ΔTv(k)を決定することを第3の構成とする。
Se =Xv −Xm Xs =Xm
Se =Xm −Xs Xs <Xm (a)
Xv =Xp +Vp(Tvr+Ttr) +Vp(Tv −Tvr−Ttr+Tr)/2 (b)
Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値 (c)
ここに、Tr は、制動の無駄時間であって、Tvr、TtrとTbrの和であり、Tvrは電磁弁の応答時間、Ttrは電磁弁からシリンダまでの圧力伝播時間であり、Tbrは制動装置の無駄時間であり、式(6) においてL(*)とF(*)はそれぞれΔTv の出力区域の三角形の、底辺の長さと重心の横座標である。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は本発明をエアシリンダ10に適用した実施の形態を示す。図1において、エアシリンダ10の先端に制動装置(ブレーキ装置)13が配設され、エアシリンダ10にピストン11が摺動自在に嵌合されている。ピストン11に連結されたピストンロッド12が、制動装置13内に挿通され、ピストンロッド12の先端に慣性負荷14が連結されている。エアシリンダ10の内部は、ピストン11によってヘッド側室16と背圧室(ロッド側室)17に区分され、ヘッド側室16は配管50によって電磁弁AのAポートに連通され、配管50には第1スピードコントローラ23が配設されている。同様に背圧室17は配管51によって電磁弁BのAポートに連通され、配管51には第2スピードコントローラ24が配設されている。電磁弁AのPポートは駆動用減圧弁19の流出側ポートに連通され、電磁弁BのPポート及び駆動用減圧弁19の流入側ポートは空気圧源22に連通されている。
【0006】
制動装置13には不図示の作動側室(シリンダ室)と非作動側室とがあり、作動側室は配管52を介してブレーキ用の電磁弁CのAポートに連通され、非作動側室は配管53を介して電磁弁CのBポートに連通されている。電磁弁CのPポートは、ブレーキ用減圧弁20の流出側ポートに連通され、ブレーキ用減圧弁20の流入側ポートは空気圧源22に連通されている。ピストン11の位置は位置検出器26によって連続的に検出され、位置検出器26の出力は配線を通して信号処理手段27に入力され、信号処理手段27の出力はコンピュータ28に入力される。コンピュータ28の出力は増幅器29により増幅されて電磁弁A〜Cに伝送される。
【0007】
図1に示す位置において、制動装置13の作動側室は電磁弁CのAポート・Rポートを通って大気に排気され、制動装置13の非作動側室には空気圧源22からの圧縮空気がブレーキ用減圧弁20、電磁弁CのPポート・Bポートを通って流入する。このとき、ブレーキは非制動状態であって、エアシリンダ10のヘッド側室16及び背圧室17は大気に連通されているので、ピストン11は停止され、ピストン11の両側に作用する力は、概ね大気圧とされている。
【0008】
図1・図2によりエアシリンダ10の操作について説明する。電磁弁Aの操作部にスイッチ制御信号(電磁弁オン信号)を送ると、電磁弁Aが位置Iから位置IIに切り換えられ、駆動用減圧弁19により減圧された圧縮空気が、電磁弁AのPポート・Aポート、配管50を通ってエアシリンダ10のヘッド側室16に流入する。エアシリンダ10の背圧室17内の空気は、配管51、スピードコントローラ14、電磁弁BのAポート・Rポートを通って大気に排出され、ピストン11が前進する。ピストン11の変位Xは位置検出器26により検出され、後述のとおり背圧指令信号を出力するピストン変位Xp が、電磁弁Bの制御信号として設定される。従って、コンピュータ28がX≧Xp であることを判断すると、コンピュータ28から電磁弁Bの操作部へオン信号が送られ、電磁弁Bが位置Iから位置IIに切り換えられる。電磁弁Bの切換により、空気圧源22からの減圧されていない圧縮空気が、電磁弁BのPポート・Aポート、配管51を通ってエアシリンダ10の背圧室17に流入する。このとき、電磁弁Aは位置IIを維持しているので、背圧室17に流入する圧縮空気はピストン11に背圧として作用し、ピストン11の前進運動が減速される。
【0009】
電磁弁Bを操作してから時間Tv が経過後に、ピストン11の速度が略ゼロに減速されたとき、コンピュータ28から電磁弁Cの操作部へオン信号が送られ、電磁弁Cが位置Iから位置IIに切り換えられる。電磁弁Cが位置IIに切り換えられると、減圧弁20で減圧された圧縮空気が、電磁弁CのPポート・Aポート、配管52を通って制動装置13の作動側室に流入し、極めて低速で移動するピストンロッドをブレーキ片が締め付け、安定した制動が実現する。なお、本発明では、ピストン変位Xp を自己学習方法により随時に補正し、ピストン11の位置決め誤差が収束するようにする。また、時間おくれTv をファジィ推論により随時に補正し、ピストン11の速度がゼロ近くのときにブレーキをかけるようにする。
【0010】
図3には、背圧を作用させない直接制動と、背圧の作用により減速させてから制動する背圧減速制動について示されている。前記のとおり、ピストン11が安定した前進運動に入った後、電磁弁Bを位置Iから位置IIに切り換えると、背圧室17が排気状態から給気状態に変わり、ピストン11の力バランスが崩れ、ピストン11の速度が略ゼロに低下する。図3から分かるように、直接制動の過程と比べ、背圧減速制動の過程は速度及び加速度の変化が滑らかであり、背圧減速制動によりピストン11の運動安定性が大いに改善され、ブレーキ片とピストンロッド表面との衝撃が避けられている。
【0011】
背圧減速制動を利用して位置決めを実現させるために必要な、背圧減速過程の特性について説明する。特性をあらわすパラメータとして、背圧減速過程の行程(距離)をSpbとし、時間をTprとする。そして、背圧が上昇し始める時点からピストン11が速度ゼロに減速する時点までの過程において、Spbはピストン11が移動した距離であり、Tprはこの過程の時間である。SpbとTprの影響因子として、主に慣性負荷M、安定速度V∞及び背圧開始位置Xvs(背圧を作用させるときのピストン11の位置)が考えられる。なお、Xvsは背圧を作用させるときのエアシリンダ10のヘッド側室16と背圧室17の容積関係をあらわしている。
SpbとTprは、前記の3つの影響因子の関数として、次のようにあらわすことができる。
Spb=FS(M,V∞,Xvs) (1)
Tpr=FT(M,V∞,Xvs) (2)
この2つの関数は、複雑で把握し難いので、ファジィ推論と自己学習を使ってこの未知過程に対して制御を行うしかない。
【0012】
ファジィ推論を用いたファジィ制動について説明する。背圧減速過程の考察から、実際の減速時間Tprを正確に予測できれば、時間遅れTv の理想値は、
Tv =Tpr−Tbr (3)
として求められる。ここに、Tbrは制動装置の無駄時間(一定値)である。簡単にするため、電磁弁Bと電磁弁Cの応答時間が等しく共にTvrとし、また電磁弁Bからエアシリンダ10の背圧室17までの配管51中の圧力伝播時間と、電磁弁Cから制動装置13の作動側室(シリンダ室)までの配管52中の圧力伝播時間が等しく、共にTtrとする。Tprが未知であるので、ここではファジィ推論によってその値を得る。ファジィ推論とは、入力と出力との間の関係が不精確か未知である制御対象に対し、経験値を利用してファジィ推論規則を確立することにより、入力と出力との間の関係を構築する知能制御方法である。
【0013】
非理想の時間遅れTv の値のときの減速制動結果について検討し、次に制御目標によってファジィ推論の入出力変数を確立しておく。
Tv が理想値より小さい、即ちTv の予測値が小さい場合は、制動は減速途中で起こり、一定の制動距離が生ずることとなる。逆に、Tv が理想値より大きい、即ちTv の予測値が大きい場合は、制動はピストン11の停止よりも遅れるため、位置の維持に不利であるだけでなく、目標位置がピストン11のストロークエンドに近いほど、背圧の瞬時上昇によるピストン11のバウンド現象が発生し易くなる。この2種類の制動結果の概念図を図4に示す。ここでは、制動点をXv とし、減速制動過程の最大変位点をXm とし、停止点をXs として表した。なお、ケース2では、最大変位点Xm に達した後に戻って停止した。
【0014】
これにより、ファジィ推論の入力変数を
Se =Xv −Xm Xs =Xm
Se =Xm −Xs Xs <Xm (4)
と決める。ファジィ推論の目的は、制動誤差Se を収束させることである。式(4) におけるXv はピストン変位Xp の点での速度Vp の検出により、次のように得られる。
Xv =Xp +Vp(Tvr+Ttr) +Vp(Tv −Tvr−Ttr+Tr)/2 (5)
ここに、Tr は、制動の無駄時間であって、Tvr、TtrとTbrの和である。
【0015】
背圧減速過程の時間Tprは、ファジィ推論の目標値である。ΔTv がΔTprに等しいので、ファジィ推論の出力変数をΔTv と決める。Se とΔTv との関係を考えると、第k回の動作において、Se が負ならば、Tv は割りに小さいことを意味しているので、第k+1回の動作において、Tv を増大しなければならない。すなわち、ΔTv は正にならなければならない。反対もまた同じである。
ファジィ変数及びファジィルールを次のとおり定義する。
NB:負大 R1=もしSe がNBならばΔTv はPBである。
NS:負小 R2=もしSe がNSならばΔTv はPSである。
ZR:零 R3=もしSe がZRならばΔTv はZRである。
PS:正小 R4=もしSe がPSならばΔTv はNSである。
PB:正大 R5=もしSe がPBならばΔTv はNBである。
【0016】
図5に示すように、各ファジィ変数のメンバーシップ関数はすべて三角波形関数を採用している。ファジィルール及びメンバーシップ関数は専門家の経験によって決められたものである。これはファジィ制御の特徴でもある。本発明に用いた専門家の経験は、予備実験データに基づき、制御効果からパラメータを繰り返して修正することにより得られたものである。
本発明におけるファジィ推論は、質量重心法により決められる。この方法は連続ファジィ制御の一種に属し、具体的な操作は次のとおりである。すなわち、第k回の動作後に得られたSe に対して、Se 入力区域のメンバーシップ関数により、一つ又は二つのファジィ変数の適合度f(*)(即ち縦軸座標、値の範囲は0〜1)を決め、更にファジィルールにより適合度を出力区域に映して、一つ又は二つの同じ高さの影三角形を得る(図5参照)。影三角形の面積は、いわゆる「質量」である。これらの影三角形の総重心の横座標を求めることによって、ファジィ推論の出力変数の精確値ΔTv を得る。更に、この値を使いTv を修正して第k+1回の動作を行うということである。この方法は、計算が簡単で入出力関係が明瞭である。計算式は図8の式(6) のとおりである。ただし、L(*)とF(*)はそれぞれΔTv の出力区域の三角形の、底辺の長さと重心の横座標である。 次に一つの例を示す。Se =1.0 のとき、メンバーシップ関数により、f(ZR)は約0.33で、f(PS)は0.67となる。対応している影三角形の重心は図8の式(6-1) によって求められる。
【0017】
学習制御による学習位置決めについて説明する。背圧減速過程の学習位置決めを検討するために、背圧減速過程を背圧減速反応段階と背圧減速段階という二つの段階に分ける。ピストンのこの二つの段階での行程をそれぞれSpa、Spbとする。背圧減速過程の変位オーバーラン量は、
Sp =Spa+Spb (7)
となる。Spaは次式(8) により得られる。
Spa=(Tvr+Ttr)・Vp (8)
Sp の式においてSpbだけは未知であるので、Spbは背圧減速学習制御の目標対象となる。学習コントローラは式(8) 〜(12)のように設計される。なお、式(11)及び(12)は図8に(11)及び(12)として示されている。
S’pb(k) =Xm(k)−Xp(k)−Spa(k) (9)
Spb(k) =S’pb(k) −λ・Se Se <0
Spb(k) =S’pb(k) Se ≧0 (10)
【0018】
減速途中での制動がSpbの予測に与える影響を考えるために、補償因子λを導入して制動による行程の短縮部分に対し補償を行う。位置決め誤差の収束速度に影響を与えないようにするため、λの値は一般に大きく選ばれる。特にSpbの初期値が実際値から大きく離れている場合、通常、λを2〜5とする。
直接制動位置決めと比べて、背圧減速制動位置決めは収束が遅く、収束までに通常3〜5回の学習が必要である。図7には、単目標点の周期動作においてファジィ制動と学習位置決めによる収束過程を示す。図7から、制動誤差Se と位置決め誤差eは数回の学習を経て収束し、一定に保たれていることが分かる。これは、ファジィ推論及び自己学習を用いて背圧減速制動により位置決め制御を行うことが可能でありかつ有効であることを示している。
【0019】
次に図6のフローチャートを参照してシリンダ位置決め制御装置の制御について説明する。
制御のプログラムが開始すると、ステップS1において、エアシリンダ10のピストン11が長時間停止しているか否かを判断する。ピストン11が長時間停止しているときは、静摩擦力を小さくし、電磁弁B・Cの応答時間Tvrと制動装置13の無駄時間Tbrを安定させるために、制動装置13を予め2回作動させてから動作させることとしている。前記のTvr,Tbr及び電磁弁B・Cからシリンダまでの圧力伝播時間Ttrには事前の測定値が使われる。
ステップS1において、ピストン11が長時間停止していないと判断されたときはステップS3に進み、長時間停止したと判断されたときはステップS2でブレーキ装置13のオン・オフ作動を2回行い、その後にステップS3に進む。
【0020】
ステップS3において、背圧減速の行程Spb及び時間遅れTv の初期値を決定する。Spb及びTv の初期値として、目標位置と負荷を考慮した、収束値に近い経験値を用いる。
ステップS4において、電磁弁Aオンの信号を出力して、ピストンを前進させる。前回の復帰状態で電磁弁Bがオンのときは電磁弁Bをオフとする。図1に示す状態で電磁弁Aがオンとなって位置IIに切り換えられ、電磁弁B・Cはオフの状態を維持し位置Iにあるので、ピストン11が前進を開始する。
ステップS5において、位置検出器26からの入力信号から、0.5msのサンプリング周期でピストン変位Xを検出し、これを微分して速度Vを得てコンピュータ28に入力する。
【0021】
ステップS6において、背圧指令信号を出力する位置Xp(k)を決定する。図8の式(13)の右辺の最後の項が既知で、速度Vが連続的に検出されるという条件の下で式(8) と式(12)により図8の式(13)〔Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値〕が求められる。図8の式(14)は電磁弁Bがオンになってからピストン11が停止するまでのピストン11の行程を表すので、図8の式(13)の右辺の最後の項(予測値)が真実値に近いならば、位置Xp(k)で電磁弁Bをオンにしたら、ピストン11を目標位置Xd で停止させることができる。
ステップS7において、ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X≧Xp(k)を満たしているか否かについて判断する。この条件を満たしていないときはステップS5へ戻り、満たしているときはステップS8へ移る。
ステップS8において、背圧指令信号(電磁弁Bオン)を出力する。このとき、電磁弁Bがオンとなって位置Iから位置IIに切り換えられ、圧縮空気がエアシリンダ10の背圧室17に流入され、ピストン11の前進運動は背圧の作用によって減速される。
【0022】
ステップS9において、条件X≧Xp(k) を満足するときに検出した速度VはVp(k)であり、これをコンピュータに読み取り入力する。Vp(k)をSpb(k+1)の予測に使う(式(8),(9) 参照) 。
ステップS10において、背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv とが、T≧Tv の条件を満たしているか否かについて判断する。この条件を満たしていないときはステップS10へ戻り、満たしているとき(ピストン11の速度がゼロ近くに減速したとき)はステップS11へ移る。
ステップS11で制動信号が出力され、電磁弁Cが位置Iから位置IIに切り換えられ、圧縮空気が制動装置13の作動側室に流入し、ブレーキ片によってピストンロッドが挟持される。
【0023】
ステップS12において、ピストンが停止したか否か、1秒以内で変位のサンプリング値が等しいか否かについて判断する。停止していない(前記サンプリング値が等しくない)ときはステップS12へ戻り、停止した(前記サンプリング値が等しい)ときはステップS13へ移る。
ステップS13において、変位のサンプリング値の最大値Xm 、及びピストンの停止位置Xs を検出し、これをコンピュータに読み取り入力する。これらの値と式(4) を用いて制動誤差Se が計算される。
ステップS14において、ピストンの復帰信号を出す。復帰信号は電磁弁A及びCをオフとする信号であり、この信号により電磁弁A及びCがともに位置IIから位置Iに切り換えられ、電磁弁Bは位置II(オン)を維持しており、ピストン11は後退する。
【0024】
ステップS15において、ピストン11が復帰したか否か、すなわちピストンの変位X=0か否かについて判断する。この条件を満たしていないときはステップS15へ戻り、満たしているときはステップS16へ移る。
ステップS16において、周期動作が終わったか否か、すなわちピストン11の停止位置が目標位置であったか否かについて判断する。周期動作が終わったときは終了へ移り、周期動作が終わっていないときはステップS17へ移る。なお、本発明では、周期動作はファジィ推論と自己学習制御の前提となり、何回かの周期動作を経て目標値へ達する。
ステップS17において、式(4),(5) により制動誤差Se を決定する。これは本発明のファジィ推論のキーポイントで重要な意味を持っている。Se は遅れ時間Tv に非常に大きく影響されるので、Tv の値は理想でなければ、直ちにSe に現れてくる。従って、Tv の値を修正する目的は、Se をゼロへ収束させるためである。Se をゼロに収束するのは制動の安定性を保証する。Xm =Xs のとき、式(5) により計算したXv は実際の制動点であるわけではないので、この場合、Tv の値の不適当さによるSe への影響はさらに大きくなる。
【0025】
ステップS18において、ファジィ推論により精確値ΔTv を決定する。すなわち図8の式(6) を用いて、Se の値からΔTv を決める。Se がゼロにならないことは、Tv の値が不適当であることを意味している。すなわち、Tprの予測値は不精確だということである。ファジィ推論の目的は、Se をゼロに収束させ、Tprの真実値を得るためである。
ステップS19において、前回kの動作から得たΔTv を使い、次回k+1の時間遅れを式〔Tv( k+1)=Tv(k)+ΔTv(k)〕により修正する。
ステップS20において、式(9),(10),(11) により、次回の背圧減速の行程Spbを演算する。
【0026】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のものでは、ピストンを前進させ、最適の位置でピストンに背圧を作用させて減速し、ピストン速度がゼロに近づいたときにブレーキをかけて停止させる。従って、ピストンの運動が極めて安定しており、停止に伴う衝撃を完全に防ぐことができ、ピストンの安定的な制動を実現することができた。
本発明の請求項2及び3記載のものでは、制動信号の出力時期を決める時間遅れTv をファジィ推論により随時に補正し、ピストンを制動前に速度ゼロ近くまで減速させる。それとともに、背圧指令信号を出力するピストン変位Xp を自己学習方法により随時に補正し、ピストンの位置決め誤差を次第に最小に減少させる。こうして、精度の高い位置決めを実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の位置決めシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態のピストン変位と電磁弁の操作との関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の直接制動と背圧減速制動との運動特性の比較図である。
【図4】本発明の実施の形態における、非理想のTv 値のときの二種類の制動効果を示す図である。
【図5】ファジィ推論の入出力変数のメンバーシップ関数を示す。
【図6】本発明の実施の形態のシステムのフローチャートを示す。
【図7】本発明の実施の形態における、学習の繰り返しに伴う誤差の変移を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における式の一部を示す。
【符号の説明】
11 ピストン
【発明の属する技術分野】
本発明は、繰り返し動作するシリンダを、目標位置に停止させるシリンダ位置決め制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピストンロッドを制動するブレーキ機構と、該ピストンロッドの位置を検出する位置センサを備え、オーバーラン距離のみでなくシリンダ速度をも取り込む学習制御でシリンダの位置決めを行って、ピストンロッドの移動を制御して目標位置にシリンダを停止させるシリンダ位置決め制御装置が知られている。(特開平8−210302号公報参照)。
従来のシリンダ位置決め制御装置を用いて位置決めを行う場合、ピストンが目標位置に近づくとき、背圧による減速を行うことなく、ブレーキ機構を作動させて直接制動を行って(直接制動方式で)ピストンを停止させていた。この直接制動方式は、ブレーキ片とピストンロッドとの間の摺動摩擦によりピストンの減速と停止を行わせるので、制動力が大きく、高速大負荷の場合には大きな衝撃を生ずることとなる。この衝撃は、ピストンの作動安定性を悪化させるだけでなく、ブレーキ片とピストンロッドの寿命を短くし、大きな騒音の原因となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シリンダ位置決め制御装置において、ピストンを停止させるときに、背圧を作用させてピストンを減速させ、その後に制動を行うことにより、制動時の衝撃の発生を防止させることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を達成するために、シリンダ位置決め制御装置において、次の手段AないしFを備えることを第1の構成とする。
A.背圧減速の行程Spb及び時間遅れTv の初期値として経験値を入力する手段。
B.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。
C.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。
D.式〔Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値〕を用いて背圧指令信号を出力する位置Xp(k)を決定する手段。ここに、Tvrは電磁弁の応答時間、Ttrは電磁弁からシリンダまでの圧力伝播時間である。
E.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに背圧指令信号を出力する手段。
F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに制動信号を出力する手段。
本発明は、前記課題を達成するために、シリンダ位置決め制御装置において、次の手段AないしKを備えることを第2の構成とする。
A.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。
B.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。
C.背圧指令信号を出す位置Xp(k)を決定する手段。
D.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに背圧指令信号を出力する手段。
E.条件X≧Xp(k)を満たすときに検出した速度Vp(k)を入力する手段。
F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに制動信号を出力する手段。
G.ピストン停止後に変位の最大値Xm 、ピストンの停止位置Xs を入力する手段。
H.ピストンの復帰後に周期動作が終わったか否かを判断し、周期動作が終わっていないときは、制動誤差Se を決定する手段。
I.ファジィ推論により精確値ΔTv(k)を決定する手段。
J.手段Iで得られたΔTv(k)を使い、Tv( k+1)=Tv(k)+ΔTv(k)により、次回の時間遅れTv を修正する手段。
K.次回の背圧減速の行程Spbの予測値を演算する手段。
本発明は、前記のシリンダ位置決め制御装置において、次式(a),(b) を用いて制動誤差Se を決定し、次式(c) を用いて背圧指令信号を出す位置Xp(k)を決定し、図8に示す式(6) を用いて精確値ΔTv(k)を決定することを第3の構成とする。
Se =Xv −Xm Xs =Xm
Se =Xm −Xs Xs <Xm (a)
Xv =Xp +Vp(Tvr+Ttr) +Vp(Tv −Tvr−Ttr+Tr)/2 (b)
Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値 (c)
ここに、Tr は、制動の無駄時間であって、Tvr、TtrとTbrの和であり、Tvrは電磁弁の応答時間、Ttrは電磁弁からシリンダまでの圧力伝播時間であり、Tbrは制動装置の無駄時間であり、式(6) においてL(*)とF(*)はそれぞれΔTv の出力区域の三角形の、底辺の長さと重心の横座標である。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1は本発明をエアシリンダ10に適用した実施の形態を示す。図1において、エアシリンダ10の先端に制動装置(ブレーキ装置)13が配設され、エアシリンダ10にピストン11が摺動自在に嵌合されている。ピストン11に連結されたピストンロッド12が、制動装置13内に挿通され、ピストンロッド12の先端に慣性負荷14が連結されている。エアシリンダ10の内部は、ピストン11によってヘッド側室16と背圧室(ロッド側室)17に区分され、ヘッド側室16は配管50によって電磁弁AのAポートに連通され、配管50には第1スピードコントローラ23が配設されている。同様に背圧室17は配管51によって電磁弁BのAポートに連通され、配管51には第2スピードコントローラ24が配設されている。電磁弁AのPポートは駆動用減圧弁19の流出側ポートに連通され、電磁弁BのPポート及び駆動用減圧弁19の流入側ポートは空気圧源22に連通されている。
【0006】
制動装置13には不図示の作動側室(シリンダ室)と非作動側室とがあり、作動側室は配管52を介してブレーキ用の電磁弁CのAポートに連通され、非作動側室は配管53を介して電磁弁CのBポートに連通されている。電磁弁CのPポートは、ブレーキ用減圧弁20の流出側ポートに連通され、ブレーキ用減圧弁20の流入側ポートは空気圧源22に連通されている。ピストン11の位置は位置検出器26によって連続的に検出され、位置検出器26の出力は配線を通して信号処理手段27に入力され、信号処理手段27の出力はコンピュータ28に入力される。コンピュータ28の出力は増幅器29により増幅されて電磁弁A〜Cに伝送される。
【0007】
図1に示す位置において、制動装置13の作動側室は電磁弁CのAポート・Rポートを通って大気に排気され、制動装置13の非作動側室には空気圧源22からの圧縮空気がブレーキ用減圧弁20、電磁弁CのPポート・Bポートを通って流入する。このとき、ブレーキは非制動状態であって、エアシリンダ10のヘッド側室16及び背圧室17は大気に連通されているので、ピストン11は停止され、ピストン11の両側に作用する力は、概ね大気圧とされている。
【0008】
図1・図2によりエアシリンダ10の操作について説明する。電磁弁Aの操作部にスイッチ制御信号(電磁弁オン信号)を送ると、電磁弁Aが位置Iから位置IIに切り換えられ、駆動用減圧弁19により減圧された圧縮空気が、電磁弁AのPポート・Aポート、配管50を通ってエアシリンダ10のヘッド側室16に流入する。エアシリンダ10の背圧室17内の空気は、配管51、スピードコントローラ14、電磁弁BのAポート・Rポートを通って大気に排出され、ピストン11が前進する。ピストン11の変位Xは位置検出器26により検出され、後述のとおり背圧指令信号を出力するピストン変位Xp が、電磁弁Bの制御信号として設定される。従って、コンピュータ28がX≧Xp であることを判断すると、コンピュータ28から電磁弁Bの操作部へオン信号が送られ、電磁弁Bが位置Iから位置IIに切り換えられる。電磁弁Bの切換により、空気圧源22からの減圧されていない圧縮空気が、電磁弁BのPポート・Aポート、配管51を通ってエアシリンダ10の背圧室17に流入する。このとき、電磁弁Aは位置IIを維持しているので、背圧室17に流入する圧縮空気はピストン11に背圧として作用し、ピストン11の前進運動が減速される。
【0009】
電磁弁Bを操作してから時間Tv が経過後に、ピストン11の速度が略ゼロに減速されたとき、コンピュータ28から電磁弁Cの操作部へオン信号が送られ、電磁弁Cが位置Iから位置IIに切り換えられる。電磁弁Cが位置IIに切り換えられると、減圧弁20で減圧された圧縮空気が、電磁弁CのPポート・Aポート、配管52を通って制動装置13の作動側室に流入し、極めて低速で移動するピストンロッドをブレーキ片が締め付け、安定した制動が実現する。なお、本発明では、ピストン変位Xp を自己学習方法により随時に補正し、ピストン11の位置決め誤差が収束するようにする。また、時間おくれTv をファジィ推論により随時に補正し、ピストン11の速度がゼロ近くのときにブレーキをかけるようにする。
【0010】
図3には、背圧を作用させない直接制動と、背圧の作用により減速させてから制動する背圧減速制動について示されている。前記のとおり、ピストン11が安定した前進運動に入った後、電磁弁Bを位置Iから位置IIに切り換えると、背圧室17が排気状態から給気状態に変わり、ピストン11の力バランスが崩れ、ピストン11の速度が略ゼロに低下する。図3から分かるように、直接制動の過程と比べ、背圧減速制動の過程は速度及び加速度の変化が滑らかであり、背圧減速制動によりピストン11の運動安定性が大いに改善され、ブレーキ片とピストンロッド表面との衝撃が避けられている。
【0011】
背圧減速制動を利用して位置決めを実現させるために必要な、背圧減速過程の特性について説明する。特性をあらわすパラメータとして、背圧減速過程の行程(距離)をSpbとし、時間をTprとする。そして、背圧が上昇し始める時点からピストン11が速度ゼロに減速する時点までの過程において、Spbはピストン11が移動した距離であり、Tprはこの過程の時間である。SpbとTprの影響因子として、主に慣性負荷M、安定速度V∞及び背圧開始位置Xvs(背圧を作用させるときのピストン11の位置)が考えられる。なお、Xvsは背圧を作用させるときのエアシリンダ10のヘッド側室16と背圧室17の容積関係をあらわしている。
SpbとTprは、前記の3つの影響因子の関数として、次のようにあらわすことができる。
Spb=FS(M,V∞,Xvs) (1)
Tpr=FT(M,V∞,Xvs) (2)
この2つの関数は、複雑で把握し難いので、ファジィ推論と自己学習を使ってこの未知過程に対して制御を行うしかない。
【0012】
ファジィ推論を用いたファジィ制動について説明する。背圧減速過程の考察から、実際の減速時間Tprを正確に予測できれば、時間遅れTv の理想値は、
Tv =Tpr−Tbr (3)
として求められる。ここに、Tbrは制動装置の無駄時間(一定値)である。簡単にするため、電磁弁Bと電磁弁Cの応答時間が等しく共にTvrとし、また電磁弁Bからエアシリンダ10の背圧室17までの配管51中の圧力伝播時間と、電磁弁Cから制動装置13の作動側室(シリンダ室)までの配管52中の圧力伝播時間が等しく、共にTtrとする。Tprが未知であるので、ここではファジィ推論によってその値を得る。ファジィ推論とは、入力と出力との間の関係が不精確か未知である制御対象に対し、経験値を利用してファジィ推論規則を確立することにより、入力と出力との間の関係を構築する知能制御方法である。
【0013】
非理想の時間遅れTv の値のときの減速制動結果について検討し、次に制御目標によってファジィ推論の入出力変数を確立しておく。
Tv が理想値より小さい、即ちTv の予測値が小さい場合は、制動は減速途中で起こり、一定の制動距離が生ずることとなる。逆に、Tv が理想値より大きい、即ちTv の予測値が大きい場合は、制動はピストン11の停止よりも遅れるため、位置の維持に不利であるだけでなく、目標位置がピストン11のストロークエンドに近いほど、背圧の瞬時上昇によるピストン11のバウンド現象が発生し易くなる。この2種類の制動結果の概念図を図4に示す。ここでは、制動点をXv とし、減速制動過程の最大変位点をXm とし、停止点をXs として表した。なお、ケース2では、最大変位点Xm に達した後に戻って停止した。
【0014】
これにより、ファジィ推論の入力変数を
Se =Xv −Xm Xs =Xm
Se =Xm −Xs Xs <Xm (4)
と決める。ファジィ推論の目的は、制動誤差Se を収束させることである。式(4) におけるXv はピストン変位Xp の点での速度Vp の検出により、次のように得られる。
Xv =Xp +Vp(Tvr+Ttr) +Vp(Tv −Tvr−Ttr+Tr)/2 (5)
ここに、Tr は、制動の無駄時間であって、Tvr、TtrとTbrの和である。
【0015】
背圧減速過程の時間Tprは、ファジィ推論の目標値である。ΔTv がΔTprに等しいので、ファジィ推論の出力変数をΔTv と決める。Se とΔTv との関係を考えると、第k回の動作において、Se が負ならば、Tv は割りに小さいことを意味しているので、第k+1回の動作において、Tv を増大しなければならない。すなわち、ΔTv は正にならなければならない。反対もまた同じである。
ファジィ変数及びファジィルールを次のとおり定義する。
NB:負大 R1=もしSe がNBならばΔTv はPBである。
NS:負小 R2=もしSe がNSならばΔTv はPSである。
ZR:零 R3=もしSe がZRならばΔTv はZRである。
PS:正小 R4=もしSe がPSならばΔTv はNSである。
PB:正大 R5=もしSe がPBならばΔTv はNBである。
【0016】
図5に示すように、各ファジィ変数のメンバーシップ関数はすべて三角波形関数を採用している。ファジィルール及びメンバーシップ関数は専門家の経験によって決められたものである。これはファジィ制御の特徴でもある。本発明に用いた専門家の経験は、予備実験データに基づき、制御効果からパラメータを繰り返して修正することにより得られたものである。
本発明におけるファジィ推論は、質量重心法により決められる。この方法は連続ファジィ制御の一種に属し、具体的な操作は次のとおりである。すなわち、第k回の動作後に得られたSe に対して、Se 入力区域のメンバーシップ関数により、一つ又は二つのファジィ変数の適合度f(*)(即ち縦軸座標、値の範囲は0〜1)を決め、更にファジィルールにより適合度を出力区域に映して、一つ又は二つの同じ高さの影三角形を得る(図5参照)。影三角形の面積は、いわゆる「質量」である。これらの影三角形の総重心の横座標を求めることによって、ファジィ推論の出力変数の精確値ΔTv を得る。更に、この値を使いTv を修正して第k+1回の動作を行うということである。この方法は、計算が簡単で入出力関係が明瞭である。計算式は図8の式(6) のとおりである。ただし、L(*)とF(*)はそれぞれΔTv の出力区域の三角形の、底辺の長さと重心の横座標である。 次に一つの例を示す。Se =1.0 のとき、メンバーシップ関数により、f(ZR)は約0.33で、f(PS)は0.67となる。対応している影三角形の重心は図8の式(6-1) によって求められる。
【0017】
学習制御による学習位置決めについて説明する。背圧減速過程の学習位置決めを検討するために、背圧減速過程を背圧減速反応段階と背圧減速段階という二つの段階に分ける。ピストンのこの二つの段階での行程をそれぞれSpa、Spbとする。背圧減速過程の変位オーバーラン量は、
Sp =Spa+Spb (7)
となる。Spaは次式(8) により得られる。
Spa=(Tvr+Ttr)・Vp (8)
Sp の式においてSpbだけは未知であるので、Spbは背圧減速学習制御の目標対象となる。学習コントローラは式(8) 〜(12)のように設計される。なお、式(11)及び(12)は図8に(11)及び(12)として示されている。
S’pb(k) =Xm(k)−Xp(k)−Spa(k) (9)
Spb(k) =S’pb(k) −λ・Se Se <0
Spb(k) =S’pb(k) Se ≧0 (10)
【0018】
減速途中での制動がSpbの予測に与える影響を考えるために、補償因子λを導入して制動による行程の短縮部分に対し補償を行う。位置決め誤差の収束速度に影響を与えないようにするため、λの値は一般に大きく選ばれる。特にSpbの初期値が実際値から大きく離れている場合、通常、λを2〜5とする。
直接制動位置決めと比べて、背圧減速制動位置決めは収束が遅く、収束までに通常3〜5回の学習が必要である。図7には、単目標点の周期動作においてファジィ制動と学習位置決めによる収束過程を示す。図7から、制動誤差Se と位置決め誤差eは数回の学習を経て収束し、一定に保たれていることが分かる。これは、ファジィ推論及び自己学習を用いて背圧減速制動により位置決め制御を行うことが可能でありかつ有効であることを示している。
【0019】
次に図6のフローチャートを参照してシリンダ位置決め制御装置の制御について説明する。
制御のプログラムが開始すると、ステップS1において、エアシリンダ10のピストン11が長時間停止しているか否かを判断する。ピストン11が長時間停止しているときは、静摩擦力を小さくし、電磁弁B・Cの応答時間Tvrと制動装置13の無駄時間Tbrを安定させるために、制動装置13を予め2回作動させてから動作させることとしている。前記のTvr,Tbr及び電磁弁B・Cからシリンダまでの圧力伝播時間Ttrには事前の測定値が使われる。
ステップS1において、ピストン11が長時間停止していないと判断されたときはステップS3に進み、長時間停止したと判断されたときはステップS2でブレーキ装置13のオン・オフ作動を2回行い、その後にステップS3に進む。
【0020】
ステップS3において、背圧減速の行程Spb及び時間遅れTv の初期値を決定する。Spb及びTv の初期値として、目標位置と負荷を考慮した、収束値に近い経験値を用いる。
ステップS4において、電磁弁Aオンの信号を出力して、ピストンを前進させる。前回の復帰状態で電磁弁Bがオンのときは電磁弁Bをオフとする。図1に示す状態で電磁弁Aがオンとなって位置IIに切り換えられ、電磁弁B・Cはオフの状態を維持し位置Iにあるので、ピストン11が前進を開始する。
ステップS5において、位置検出器26からの入力信号から、0.5msのサンプリング周期でピストン変位Xを検出し、これを微分して速度Vを得てコンピュータ28に入力する。
【0021】
ステップS6において、背圧指令信号を出力する位置Xp(k)を決定する。図8の式(13)の右辺の最後の項が既知で、速度Vが連続的に検出されるという条件の下で式(8) と式(12)により図8の式(13)〔Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値〕が求められる。図8の式(14)は電磁弁Bがオンになってからピストン11が停止するまでのピストン11の行程を表すので、図8の式(13)の右辺の最後の項(予測値)が真実値に近いならば、位置Xp(k)で電磁弁Bをオンにしたら、ピストン11を目標位置Xd で停止させることができる。
ステップS7において、ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X≧Xp(k)を満たしているか否かについて判断する。この条件を満たしていないときはステップS5へ戻り、満たしているときはステップS8へ移る。
ステップS8において、背圧指令信号(電磁弁Bオン)を出力する。このとき、電磁弁Bがオンとなって位置Iから位置IIに切り換えられ、圧縮空気がエアシリンダ10の背圧室17に流入され、ピストン11の前進運動は背圧の作用によって減速される。
【0022】
ステップS9において、条件X≧Xp(k) を満足するときに検出した速度VはVp(k)であり、これをコンピュータに読み取り入力する。Vp(k)をSpb(k+1)の予測に使う(式(8),(9) 参照) 。
ステップS10において、背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv とが、T≧Tv の条件を満たしているか否かについて判断する。この条件を満たしていないときはステップS10へ戻り、満たしているとき(ピストン11の速度がゼロ近くに減速したとき)はステップS11へ移る。
ステップS11で制動信号が出力され、電磁弁Cが位置Iから位置IIに切り換えられ、圧縮空気が制動装置13の作動側室に流入し、ブレーキ片によってピストンロッドが挟持される。
【0023】
ステップS12において、ピストンが停止したか否か、1秒以内で変位のサンプリング値が等しいか否かについて判断する。停止していない(前記サンプリング値が等しくない)ときはステップS12へ戻り、停止した(前記サンプリング値が等しい)ときはステップS13へ移る。
ステップS13において、変位のサンプリング値の最大値Xm 、及びピストンの停止位置Xs を検出し、これをコンピュータに読み取り入力する。これらの値と式(4) を用いて制動誤差Se が計算される。
ステップS14において、ピストンの復帰信号を出す。復帰信号は電磁弁A及びCをオフとする信号であり、この信号により電磁弁A及びCがともに位置IIから位置Iに切り換えられ、電磁弁Bは位置II(オン)を維持しており、ピストン11は後退する。
【0024】
ステップS15において、ピストン11が復帰したか否か、すなわちピストンの変位X=0か否かについて判断する。この条件を満たしていないときはステップS15へ戻り、満たしているときはステップS16へ移る。
ステップS16において、周期動作が終わったか否か、すなわちピストン11の停止位置が目標位置であったか否かについて判断する。周期動作が終わったときは終了へ移り、周期動作が終わっていないときはステップS17へ移る。なお、本発明では、周期動作はファジィ推論と自己学習制御の前提となり、何回かの周期動作を経て目標値へ達する。
ステップS17において、式(4),(5) により制動誤差Se を決定する。これは本発明のファジィ推論のキーポイントで重要な意味を持っている。Se は遅れ時間Tv に非常に大きく影響されるので、Tv の値は理想でなければ、直ちにSe に現れてくる。従って、Tv の値を修正する目的は、Se をゼロへ収束させるためである。Se をゼロに収束するのは制動の安定性を保証する。Xm =Xs のとき、式(5) により計算したXv は実際の制動点であるわけではないので、この場合、Tv の値の不適当さによるSe への影響はさらに大きくなる。
【0025】
ステップS18において、ファジィ推論により精確値ΔTv を決定する。すなわち図8の式(6) を用いて、Se の値からΔTv を決める。Se がゼロにならないことは、Tv の値が不適当であることを意味している。すなわち、Tprの予測値は不精確だということである。ファジィ推論の目的は、Se をゼロに収束させ、Tprの真実値を得るためである。
ステップS19において、前回kの動作から得たΔTv を使い、次回k+1の時間遅れを式〔Tv( k+1)=Tv(k)+ΔTv(k)〕により修正する。
ステップS20において、式(9),(10),(11) により、次回の背圧減速の行程Spbを演算する。
【0026】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のものでは、ピストンを前進させ、最適の位置でピストンに背圧を作用させて減速し、ピストン速度がゼロに近づいたときにブレーキをかけて停止させる。従って、ピストンの運動が極めて安定しており、停止に伴う衝撃を完全に防ぐことができ、ピストンの安定的な制動を実現することができた。
本発明の請求項2及び3記載のものでは、制動信号の出力時期を決める時間遅れTv をファジィ推論により随時に補正し、ピストンを制動前に速度ゼロ近くまで減速させる。それとともに、背圧指令信号を出力するピストン変位Xp を自己学習方法により随時に補正し、ピストンの位置決め誤差を次第に最小に減少させる。こうして、精度の高い位置決めを実現することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の位置決めシステムの構成図である。
【図2】本発明の実施の形態のピストン変位と電磁弁の操作との関係を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の直接制動と背圧減速制動との運動特性の比較図である。
【図4】本発明の実施の形態における、非理想のTv 値のときの二種類の制動効果を示す図である。
【図5】ファジィ推論の入出力変数のメンバーシップ関数を示す。
【図6】本発明の実施の形態のシステムのフローチャートを示す。
【図7】本発明の実施の形態における、学習の繰り返しに伴う誤差の変移を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における式の一部を示す。
【符号の説明】
11 ピストン
Claims (3)
- 次の手段AないしFからなるシリンダ位置決め制御装置。
A.背圧減速の行程Spb及び時間遅れTv の初期値として経験値を入力する手段。
B.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。
C.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。
D.式〔Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値〕を用いて背圧指令信号を出力する位置Xp(k)を決定する手段。ここに、Tvrは電磁弁の応答時間、Ttrは電磁弁からシリンダまでの圧力伝播時間である。
E.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに背圧指令信号を出力する手段。
F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに制動信号を出力する手段。 - 次の手段AないしKからなるシリンダ位置決め制御装置。
A.ピストン前進又は後退の指令信号を出力する手段。
B.ピストンの変位Xと速度Vを入力する手段。
C.背圧指令信号を出す位置Xp(k)を決定する手段。
D.ピストンの変位Xが背圧を作用させる位置の条件X≧Xp(k)を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに背圧指令信号を出力する手段。
E.条件X≧Xp(k)を満たすときに検出した速度Vp(k)を入力する手段。
F.背圧指令信号の出力後の経過時間Tと時間遅れTv とが、T≧Tv の条件を満たすか否かを判断し、前記条件を満たすときに制動信号を出力する手段。
G.ピストン停止後に変位の最大値Xm 、ピストンの停止位置Xs を入力する手段。
H.ピストンの復帰後に周期動作が終わったか否かを判断し、周期動作が終わっていないときは、制動誤差Se を決定する手段。
I.ファジィ推論により精確値ΔTv(k)を決定する手段。
J.手段Iで得られたΔTv(k)を使い、Tv( k+1)=Tv(k)+ΔTv(k)により、次回の時間遅れTv を修正する手段。
K.次回の背圧減速の行程Spbの予測値を演算する手段。 - 次式(a),(b) を用いて制動誤差Se を決定し、次式(c) を用いて背圧指令信号を出す位置Xp(k)を決定し、図8に示す式(6) を用いて精確値ΔTv(k)を決定する請求項2記載のシリンダ位置決め制御装置。
Se =Xv −Xm Xs =Xm
Se =Xm −Xs Xs <Xm (a)
Xv =Xp +Vp(Tvr+Ttr) +Vp(Tv −Tvr−Ttr+Tr)/2 (b)
Xp(k)=目標位置Xd −V(Tvr+Ttr)−Spb(k) の予測値 (c)
ここに、Tr は、制動の無駄時間であって、Tvr、TtrとTbrの和であり、Tvrは電磁弁の応答時間、Ttrは電磁弁からシリンダまでの圧力伝播時間であり、Tbrは制動装置の無駄時間であり、式(6) においてL(*)とF(*)はそれぞれΔTv の出力区域の三角形の、底辺の長さと重心の横座標である。
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