JP3739916B2 - サイトカイン産生阻害剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞の分化・活性化、各種免疫応答反応、腫瘍、ウイルス感染等において種々の反応に関与しているサイトカインの産生を阻害する薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
サイトカインは、細胞から放出され、細胞間相互作用を媒介するタンパク質性因子であり、免疫応答の制御作用、抗腫瘍作用、抗ウイルス作用、細胞増殖・分化の調節作用などを示す物質の総称である。かかるサイトカインは、細菌膜成分であるLipid A、MDP、FMLPや、細菌毒素であるSEA、TSST−1、あるいはマイトジェンであるCon A、PHA等の刺激により細胞から産生され、それらのサイトカインはさらに他の細胞を刺激することにより新たなサイトカインを細胞から産生する、いわゆるサイトカインネットワークを構成する。
【0003】
このようにサイトカインの異常産生により発生する疾病は極めて多く、サイトカインの産生を阻害する薬物はサイトカインが関与する種々の疾患の予防薬および/または治療薬となり得ると考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的はサイトカインの関与する疾患の予防薬および/または治療薬として有用なサイトカイン産生阻害剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実状に鑑み、本発明者らは上記目的を達成すべく鋭意研究した結果、次の一般式(1)で表わされる化合物またはその塩が、阻害することを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
すなわち本発明は、一般式(1)
【0007】
【化5】
Figure 0003739916
【0008】
[式中、R1直鎖または分岐のC 1-6 アルキル基、又は(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−C 1-6 アルキルフェニル基を示し;
5 はフェニル基又はC 1-6 アルコキシフェニル基を示し;
7 はハロゲン原子を置換基として有していてもよいC 1-6 アルキル基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよいC 1-6 アルコキシル基、又は1もしくは2のC 1-6 アルキル基を置換基として有していてもよいアミノメチル基を示し;
Xは水素原子またはハロゲン原子を示し;
Zは炭素原子又は窒素原子で表わされる部分構造を示す。ただし、Zが窒素原子で表わされる部分構造のとき、R 7 は1もしくは2のC 1-6 アルキル基を置換基として有していてもよいアミノメチル基である。
で表わされる化合物またはその塩を有効成分とするTNF−α及びIL−6から選ばれるサイトカイン産生阻害剤を提供するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明のサイトカイン産生阻害剤の有効成分である、一般式(1)で表わされる化合物の置換基について以下に述べる。なお、本願明細書において、例えば、「C1-6」とは、炭素数が1から6であることを示している。
【0021】
置換基R1は、直鎖または分岐鎖のC1-6アルキル基、又は(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−C 1-6 アルキルフェニル基を示す。ここで、アルキル基としてはメチル基およびエチル基が好ましい。(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−C 1-6 アルキル基において各置換部分はアルキル基のいずれの炭素原子上にあってもよいが、アルキル基の末端の炭素原子上にある場合がより好ましい。またこれらの置換基のアルキル部分はメチル基が最も好ましい。
【0032】
一般式(1)中、R5は、フェニル基又はC 1-6 アルコキシフェニル基を示す。また、フェニル基上においてはそのいずれの位置にこの置換基があってもよい。
【0034】
Xは、ハロゲン原子または水素原子であるが、ハロゲン原子の場合はフッ素原子が好ましく、Xとしてはこれらのうち、フッ素原子または水素原子が好ましい。
【0037】
7 で示されるハロゲン原子を置換基として有していてもよいC1-6アルキル基またはC1-6アルコキシル基におけるハロゲン原子としてはフッ素原子または塩素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。フッ素原子を置換基として有するアルキル基またはアルコキシル基としては、直鎖状のアルキル基またはアルコキシル基が好ましい。かかるアルキル基またはアルコキシル基上のフッ素原子の数は特に限定はないが、モノ置換からパーフルオロ置換でよい。具体的には、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基等のフルオロアルキル基;モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基等のフルオロアルコキシ基が挙げられる。
【0042】
またZは炭素原子または窒素原子のいずれかである。
【0043】
本発明のサイトカイン産生阻害剤において有効成分として用いられる式(1)で表わされる化合物の好ましい具体例としては、次の式(4)〜(6)で表わされる化合物またはその塩が挙げられる。
【0044】
【化12】
Figure 0003739916
【0045】
式(1)の化合物は、例えば次の反応式にしたがって製造することができる。
【0046】
【化6】
Figure 0003739916
【0047】
[式中、X′は、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、C1-3アルキルスルホニル基、またはベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基等のアリールスルホニル基等の、脱離基としての機能を有する置換基であり、Y′は、水酸基、C 1-6 アルコキシ基、または式(9):
【0048】
【化14】
Figure 0003739916
【0049】
(式中、R9およびR10は、フッ素原子または低級アルキルカルボニルオキシ基を示す。)
で表わされるホウ素含有置換基であり、R1 、R 5 、R 7 、Xおよびは、前記と同じ]
【0050】
すなわち、一般式(7)で表わされる化合物を式(8)で表わされる化合物あるいはその酸付加塩と反応させることによって製造することができる。
【0051】
Y′が 1-6 アルコキシ基のとき、相当するカルボン酸への変換は、通常のカルボン酸エステルの加水分解に用いられる酸または塩基の存在下で行い、脱保護が必要な場合は保護基に対応した適当な条件で保護基を除去して式(1)で示される目的化合物を得ることができる。
【0052】
式(7)の化合物において、Y′が式(9)で表わされる化合物の場合には、式(8)の化合物と反応を行った後に酸性または塩基性化合物で処理することにより相当するカルボン酸に変換することができる。
【0053】
式(7)の化合物と式(8)の化合物との反応は、無溶媒または不活性溶媒中行うことができる。ここで不活性溶媒としては例えばジメチルスルホキシド、ピリジン、アセトニトリル、トリエチルアミン、エタノール、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、水、3−メトキシブタノール等を挙げることができる。またはこれらの溶媒は混合物として使用してもよい。
【0054】
反応温度は、通常、室温〜200℃の範囲であり、好ましくは25℃〜150℃の範囲である。反応時間は30分〜48時間で、通常は30分〜2時間程度で完結する。
【0055】
反応は、無機塩基または有機塩基のような酸受容体、例えば、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩または炭酸水素塩、あるいはトリエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロウンデセン等の有機塩基性化合物の存在下で行うのが有利である。
【0056】
式(1)の化合物はエナンチオマーまたはジアステレオマーの存在する場合があるが、本発明化合物をヒトや動物に投与する際は単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーからなるものを投与することが好ましい。なお、この「単一のエナンチオマーまたはジアステレオマーからなる」とは、他のエナンチオマーまたはジアステレオマーを全く含有しない場合だけではなく、物理定数や、生理活性に対して影響がない程度であれば他のエナンチオマーまたはジアステレオマーが含まれていてもよいという意味である。
【0057】
化合物(1)は、遊離体のままでもよいが、無機酸または有機酸の酸付加塩としてあるいはカルボキシル基の塩としてもよい。酸付加塩とする場合の例としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩類、あるいは酢酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩等の有機酸塩類を挙げることができる。
【0058】
またカルボキシル基の塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、またトリエチルアミン塩やN−メチルグルカミン塩、トリス−(ヒドロキシルメチル)アミノメタン塩等を挙げることができる。
【0059】
またこれらの化合物(1)の遊離体、酸付加塩およびカルボキシル基の塩は、それぞれ水和物として存在することもある。
【0060】
一方、カルボン酸部分がエステルである本発明化合物は、合成中間体やプロドラッグとして有用である。ここで合成中間体として用いる場合、例えば、アルキルエステル類やベンジルエステル類、アルコキシアルキルエステル類、フェニルアルキルエステル類およびフェニルエステル類等が好ましい。
【0061】
また、プロドラッグとして用いる場合は、生体内で容易に切断されてカルボン酸の遊離体を生成するようなエステルが好ましく、例えば、アセトキシメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカルボニルエステル、コリンエステル、ジメチルアミノエチルエステル、5−インダニルエステル、フタリジニルエステル、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチルエステル、3−アセトキシ−2−オキソブチルエステル等のオキソアルキルエステル等が好ましい。
【0062】
化合物(1)は、TNF−α及びIL−6から選ばれるサイトカイン産生阻害作用を有しており、これらのサイトカインが関与する種々の疾患の予防薬および/または治療薬として有用である。これらのサイトカインが関与する疾患としては、免疫系、造血系から神経系におよぶ生体防御ネットワークの中核に関わる多くの疾患、例えば、急性炎症性疾患として、ウイルス感染症、外科的手術侵襲、火傷、心筋梗塞等が、また、慢性炎症性疾患として、慢性リンパ節炎、Castleman病等が、また腫瘍として、多発性骨髄腫、心房粘液腫、Grawitz腫瘍、子宮頚癌等が、また、その他として、肝硬変、HTLV−1 associated myelopathy(HAM)、多発性硬化症(MS)等が挙げられる。
【0063】
化合物(1)をサイトカイン産生阻害剤として使用する場合、投与量は、患者の年齢、性別、症状等により異なるが、成人一日当たり5mg〜2g、好ましくは50mg〜1000mgの範囲とするのが好ましい。
この場合、一日量を一日1回、あるいは2〜3回に分けて投与すればよく、また一日量は必要によっては上記の量を超えてもよい。
【0064】
化合物(1)を含有するサイトカイン産生阻害剤は、その投与法、剤型に特に制限はなく、通常用いられている各種製剤の調製法にてその投与法にあった剤型にすればよい。
【0065】
経口用製剤としては例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤や、溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤または油性もしくは水性の懸濁液等を挙げることができる。
【0066】
注射剤としては溶液を容器に収納後、凍結乾燥等によって固形製剤として用時調製の製剤としても良く、必要に応じて安定剤、防腐剤、溶解補助剤を使用してもよい。また一投与量毎に容器に収納してもよく、また多投与量を同一の容器に収納してもよい。
【0067】
また外用製剤として溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、スプレー等が挙げられる。
【0068】
固形製剤としては活性化合物とともに製剤学上許容されている添加物を含み、例えば充填剤類や増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤類、潤滑剤類等を必要に応じて選択して混合し、製剤化することができる。
【0069】
液体製剤としては溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げることができ、添加剤として懸濁化剤、乳化剤等を含んでいてもよい。
【0070】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0071】
参考例1
3,4−デヒドロ−4−フェニルピペリジン(A−9)の合成
【0072】
【化15】
Figure 0003739916
【0073】
4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン(497mg,2.80mmol)をトルエン(50ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物(800mg,4.21mmol)を加え、23時間加熱環流して脱水した。反応液を減圧乾固し、残留物に1規定水酸化ナトリウム水溶液(50ml)を加えてクロロホルムで抽出(2×50ml)した。有機層を飽和食塩水(2×50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去して447mg(定量的)の標記化合物(A−9)を淡黄色油状物として得た。得られた化合物(A−9)の物性は以下の通りである。
【0074】
1H−NMR(CDCl3)δ:2.47(2H,m,−CH2−),3.11(2H,t,J=6Hz,−CH2−),3.53(2H,m,−CH2−),6.14(1H,m,=CH−),7.22−7.40(H,m,aromaticH)
【0075】
参考例2
4−フェニルピペリジン(B−9)の合成
【0076】
【化16】
Figure 0003739916
【0077】
3,4−デヒドロ−4−フェニルピペリジン(447mg,2.81mmol)、エタノール(50ml)、5%パラジウム炭素(325mg)を混合し、1気圧水素雰囲気下、室温で15時間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧乾固して425mg(94%)の標記化合物(B−9)を無色結晶として得た。得られた化合物(B−9)の物性は以下の通りである。
【0078】
1H−NMR(CDCl3)δ:1.60−1.75(2H,m),2.58−2.66(1H,m),2.72−2.78(2H,m),3.18−3.21(2H,m),7.18−7.32(5H,m)
【0079】
実施例1
7−(3,4−デヒドロ−4−フェニル−1−ピペリジニル)−1,4−ジヒドロ−6−フルオロ−1−メチル−8−トリフルオロメチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(4)の合成
【0080】
【化17】
Figure 0003739916
【0081】
6,7−ジフルオロ−1−メチル−4−オキソ−8−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロキノリン−3−カルボン酸(2−8)(90mg,0.293mmol),3,4−デヒドロ−4−フェニルピペリジン(A−9)(70mg,0.44mmol)、トリエチルアミン(0.08ml)、アセトニトリル(5ml)を混合し、12時間加熱環流した。反応液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=10:1)にて精製後、得られた粗結晶をエタノールから再結晶して15mg(11%)の標記化合物(4)を淡黄色結晶として得た。得られた化合物(4)の物性は以下の通りである。
【0082】
融点:227.5−229℃
1H−NMR(CDCl3)δ:2.79(2H,bs,−CH2−),3.78(2H,bs,−CH2−),4.03(3H,s,−CH3),4.20(2H,bs,−CH2−),6.12(1H,bs),7.25−7.45(5H,m,Ar),8.16(1H,d,J=12Hz,H−5),8.60(1H,s,H−2),14.6(1H,s,COOH)
IR:νmax(KBr):1762,1734,1620,1562(cm-1
元素分析値:C2318423として
計算値:C,61.88;H,4.06;N,6.28
分析値:C,61.74;H,4.14;N,6.24
【0083】
実施例2
8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−6−フルオロ−7−(4−フェニル−1−ピペリジニル)−1−[4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチルフェニル]−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(5)の合成
【0084】
【化18】
Figure 0003739916
【0085】
8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−6,7−ジフルオロ−1−[4−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチルフェニル]−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(4−8)(81.1mg,0.181mmol;DE−A−4425659号)、4−フェニルピペリジン(B−9)(43.7mg,0.271mmol)、トリエチルアミン(50ml,0.362mmol)、アセトニトリル(3ml)を混合し、24時間加熱環流した。反応液を氷冷し、析出した結晶を濾取した。濾液を濃縮して残留物をエタノールで結晶化し、濾取した。濾取した結晶を合わせてエタノールから再結晶して38.6mg(35%)の標記化合物(5)を無色結晶として得た。得られた化合物(5)の物性は以下の通りである。
【0086】
融点:180−183℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.80(2H,m,−CH2−),1.93(2H,m,−CH2−),2.69(1H,m,−CHPh−),3.26(2H,m,−CH2−),3.44(2H,m,−CH2−),5.48(2H,s,−CH2−),6.21(1H,t,J=75Hz,−OCHF2),7.21−7.26(2H,m,aromatic H),7.31−7.36(2H,m,aromatic H),7.43(1H,d,aromatic H),8.03(1H,s,triazole H),8.13(1H,d,J=12Hz,H−5),8.14(1H,s,triazole H),8.62(1H,s,H−2)
IR:νmax(KBr):1730,1622,1600,1504(cm-1
元素分析値:C3126354・3/4H2Oとして
計算値:C,61.74;H,4.58;N,11.61
分析値:C,61.78;H,4.87;N,11.01
【0087】
参考例3
メチル 3−エテニル−2,4,5−トリフルオロベンゾアート(C)の合成
【0088】
【化19】
Figure 0003739916
【0089】
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(6.18g)、塩化リチウム(25.9g)、無水ジオキサン(500ml)の混合物にメチル 2,4,5−トリフルオロ−3−トリフルオルメタンスルホニルオキシベンゾアート(C′)(57.37g,0.170mmol)、テトラビニルスズ(33.6ml)の無水ジオキサン(500ml)溶液を窒素雰囲気下15分間で滴下した後、15時間加熱環流した。
反応液を減圧濃縮し、残留物にフッ化カリウム水溶液(1リットル)を加えてエーテル抽出(3×500ml)した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(98:2)で溶出して目的物を含むフラクションを得た。減圧蒸留し、沸点:82℃/2mmHgの無色油状物(C)21.8g(59%)を得た。得られた化合物(C)の物性は以下の通りである。
【0090】
1H−NMR(CDCl3)δ:3.93(3H,s,COOCH3),5.73(1H,d,J=11Hz,CH=CHcisH),6.12(1H,d,J=18Hz,CH=CHtransH),6.70(1H,dd,J=11,18Hz,CH=CH2),7.65(1H,ddd,J=6,9,10Hz,H−6)
【0091】
参考例4
メチル 3−ホルミル−2,4,5−トリフルオロベンゾアート(D)の合成
【0092】
【化20】
Figure 0003739916
【0093】
メチル 3−エテニル−2,4,5−トリフルオロベンゾアート(C)(21.8g,0.101mol)をメタノール(500ml)に溶解し、−78℃に冷却してオゾンを2時間吹き込んだ。過剰のオゾンを窒素ガスをバブルして除き、ジメチルスルフィド(14ml)を加えて室温まで昇温した。さらにジメチルスルフィド(14ml)を追加して30分間撹拌した後、反応液を減圧濃縮した。残留物に水(500ml)を加えてエーテル抽出(500ml)した。抽出液を水(300ml)、飽和食塩水(2×300ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去し、21.4gの化合物(D)を含む淡黄色油状物を得た。これは、−CHO+−OTf(3:2)の混合物である。得られた混合物の物性は以下の通りである。
【0094】
1H−NMR(CDCl3)δ:3.98(3H,s,−COOCH3),8.04(1H,ddd,J=7,9,9Hz,H−6),10.35(1H,s,−CHO)
【0095】
参考例5
2,3,6−トリフルオロ−5−メトキシカルボニル安息香酸(E)の合成
【0096】
【化21】
Figure 0003739916
【0097】
メチル 3−ホルミル−2,4,5−トリフルオロベンゾアート(D)(21.2g)、2−メチル−2−ブテン(156ml)を第三級ブタノール(500ml)に溶解し、NaClO2(15.6g)、りん酸二水素ナトリウム(15.6g)の水溶液(200ml)を20分間で滴下した後、さらに室温で1時間撹拌した。反応液中の2−メチル−2−ブテンを減圧留去し、第三級ブタノールを真空ポンプで減圧下留去した。残留物に飽和重曹水(200ml)を加え、ジクロロメタン(3×200ml)で洗浄した。水層を濃塩酸でpH2とし、酢酸エチル(300ml+200ml)で抽出した。有機層を5%チオ硫酸ナトリウム(Na223,2×250ml)、水(2×250ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去し、9.31gの標記化合物(E)を無色結晶として得た。得られた化合物(E)の物性は以下の通りである。
【0098】
融点:94−99℃
1H−NMR(CDCl3)δ:3.96(3H,s,−COOCH3),7.94(1H,ddd,J=6.35,8.79,9.76Hz,H−6)
【0099】
参考例6
3−カルバモイル−2,4,5−トリフルオロ安息香酸メチルエステル(F)の合成
【0100】
【化22】
Figure 0003739916
【0101】
2,3,6−トリフルオロ−5−メトキシカルボニル安息香酸(E)(2.21g,9.77mmol)、ジメチルホルムアミド(触媒量,2滴)をジクロロメタン(40ml)に溶解し、オキザリルクロリド(2.56ml,29.3mmol)を5分間で滴下した後、室温で1時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物をエーテル(30ml)に溶解した。エーテル溶液に、氷冷下、28%アンモニア水(5ml)を加えて10分間撹拌した(結晶析出)。反応液を減圧濃縮し、結晶を濾取した。結晶をジクロロメタンに溶解し、無水硫酸ナトリウムで乾燥して溶媒を留去した。残留した結晶をイソプロピルエーテルで洗い、1.74g(76%)の標記化合物(F)を無色結晶として得た。得られた化合物(F)の物性は以下の通りである。
【0102】
融点:145−147℃
1H−NMR(CDCl3)δ:3.95(3H,s,−COOCH3),6.00(broad s,−CONH2),7.88(1H,ddd,J=7,9,9Hz,H−6)
【0103】
参考例7
3−シアノ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸メチルエステル(G)の合成
【0104】
【化23】
Figure 0003739916
【0105】
3−カルバモイル−2,4,5−トリフルオロ安息香酸メチルエステル(F)(1.72g,7.38mmol)、ピリジン(1.49ml,18.4mmol)を1,4−ジオキサン(20ml)に溶解し、氷冷下、無水トリフルオロ酢酸(1.15ml,8.11mmol)を加えた。室温で4時間撹拌した後、ピリジン(1.49ml,18.4mmol)、無水トリフルオロ酢酸(1.15ml,8.11mmol)を加え、さらに13時間撹拌した。反応液を2規定塩酸(2×50ml)、水(50ml)、飽和重曹水(50ml)、水(50ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去して1.04g(66%)の標記化合物(G)を淡黄色固体として得た。得られた化合物(G)の物性は以下の通りである。
【0106】
融点:42−44℃
1H−NMR(CDCl3)δ:3.98(3H,s,−COOCH3),8.08(1H,ddd,J=6,9,10Hz,H−6)
【0107】
参考例8
3−シアノ−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]安息香酸メチルエステル(H)の合成
【0108】
【化24】
Figure 0003739916
【0109】
3−シアノ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸メチルエステル(G)(3.11g,14.5mmol)、1−(2−メトキシフェニル)ピペラジン(2.98g,15.5mmol)、トリエチルアミン(3.29ml,21.7mmol)をジメチルスルホキシド(15ml)に溶解し、室温で2時間撹拌した。反応液に水(300ml)を加えて酢酸エチル(200ml+2×100ml)で抽出した。有機層を水洗(3×150ml)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残留物をイソプロピルエーテルで洗い、5.18g(92%)の標記化合物(H)を淡黄色結晶として得た。得られた化合物(H)の物性は以下の通りである。
【0110】
融点:130−134℃
1H−NMR(CDCl3)δ:3.22−3.24(4H,m,−CH2−×2),3.73−3.75(4H,m,−CH2−×2),3.89(3H,s,−OCH3),3.93(3H,s,−COOCH3),6.94−6.98(3H,m,aromatic H),7.02−7.06(1H,m,aromatic H),7.76(1H,dd,J=6.8,13Hz,H−6)
IR:νmax(KBr):1730,1710(cm-1
元素分析値:C2019233として
計算値:C,62.01;H,4.94;N,10.89
分析値:C,61.77;H,5.00;N,10.65
【0111】
参考例9
3−アミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]安息香酸メチルエステル(I)の合成
【0112】
【化25】
Figure 0003739916
【0113】
3−シアノ−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]安息香酸メチルエステル(H)(5.18g,13.4mmol)、ラネーニッケル(20ml)、エタノール(200ml)を混合し、1気圧水素雰囲気下で23時間撹拌した。触媒を濾別して濾液を減圧濃縮し、残留物をイソプロピルエーテルで洗い、4.08g(78%)の無色結晶を得た。母液を減圧乾固して683mg(13%)の標記化合物(I)を無色結晶として得た。得られた化合物(I)の物性は以下の通りである。
【0114】
融点:115−116℃
1H−NMR(CDCl3)δ:3.20(4H,broad s,−CH2−×2),3.38(4H,m,−CH2−×2),3.89(3H,s,−OCH3),3.92(3H,s,−COOCH3),4.00(2H,d,J=2Hz,−CH2NH2),6.88−7.03(4H,m,aromatic H),7.53(1H,dd,J=6.8,12Hz,H−6)
【0115】
参考例10
3−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]安息香酸メチルエステル(J)の合成
【0116】
【化26】
Figure 0003739916
【0117】
3−アミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]安息香酸メチルエステル(I)(4.71g,12.0mmol)をテトラヒドロフラン(150ml)に溶解し、Boc2O(2.63g,12.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(30ml)を滴下した後、室温で15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮して残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルムで溶出して6.01g(定量的)の標記化合物(J)を無色アモルファスとして得た。得られた化合物(J)の物性は以下の通りである。
【0118】
1H−NMR(CDCl3)δ:1.43(9H,s,−COOC(CH33)3.23(4H,broad s,−CH2−×2),3.34(4H,broad s,−CH2−×2),3.89(3H,s,−OCH3),3.92(3H,s,−COOCH3),4.55(2H,broad,−CH2NHBoc),5.06(1H,broad,−NHBoc),6.88−7.05(4H,m,aromatic H),7.57(1H,dd,J=6.8,12Hz,H−6)
【0119】
参考例11
3−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]安息香酸(K)の合成
【0120】
【化27】
Figure 0003739916
【0121】
3−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]安息香酸メチルエステル(J)(6.01g,12.2mmol)をメタノール(200ml)に溶解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液(18.3ml)を加え、 室温で17時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残留物を水(100ml)に溶解した。10%クエン酸水溶液で酸性とし、酢酸エチル(200ml)で抽出した。有機層を水洗(2×200ml)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去して5.57g(97%)の標記化合物(K)を無色アモルファスとして得た。得られた化合物(K)の物性は以下の通りである。
【0122】
1H−NMR(CDCl3)δ:1.44(9H,s,−COOC(CH33),3.22(4H,broad s,−CH2−×2),3.38(4H,broad s,−CH2−×2),3.89(3H,s,−OCH3),4.55(2H,broad s,−CH2NHBoc),5.10(1H,broads,−NHBoc),6.88−7.05(4H,m,aromatic H),7.64(1H,dd,J=6.8,12Hz,H−6)
【0123】
参考例12
エチル 3−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]ベンゾイルアセタアート(L)の合成
【0124】
【化28】
Figure 0003739916
【0125】
マグネシウム(0.340g,14.0mmol)とエタノール(50ml)を混合し、四塩化炭素(0.5ml)を加えて室温で1時間撹拌した。これにエチル 水素 マロナート(1.85g,14.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(20ml)を滴下して室温で2時間撹拌した。反応液を減圧乾固し、残留物をテトラヒドロフラン(150ml)に溶解した。
3−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]安息香酸(K)(5.57g,11.7mmol)をテトラヒドロフラン(80ml)に溶解し、N,N’−カルボニルジイミダゾール(2.08g,12.8mmol)を加えて室温で6時間撹拌した。これにエチル 水素 マロナート マグネシウム塩のテトラヒドロフラン溶液を滴下し、室温で16時間撹拌した。反応液を減圧乾固し、残留物にクロロホルム(200ml)、10%クエン酸水溶液(200ml)を加え撹拌した。有機層を分取し、水層をクロロホルム(100ml)抽出した。合わせた有機層を水洗(200ml)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1)で溶出して3.58g(56%)の標記化合物(L)を淡黄色アモルファスとして得た。得られた化合物(L)の物性は以下の通りである。
【0126】
Figure 0003739916
【0127】
参考例13
エチル 2−[3−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]ベンゾイル]−3−メチルアミノアクリレート(M)の合成
【0128】
【化29】
Figure 0003739916
【0129】
エチル 3−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]ベンゾイルアセタアート(L)(703mg,1.28mmol)をベンゼン(30ml)に溶解し、ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール(0.852ml,6.42mmol)を加えて1時間加熱環流した。ジメチルホルムアミド ジメチルアセタール(0.852ml,6.42mmol)を追加し、さらに2.5時間加熱環流した後、溶媒を留去した。残留物をトルエンに溶解し、メチルアミン塩酸塩(402mg,4.93mmol)、トリエチルアミン(1.03ml,7.39ml)を加えて室温で17時間撹拌した。反応液を水洗(50ml)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去した。残留物をフラッシュカラムに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1)で溶出して643mg(86%)の標記化合物(M)を無色アモルファスとして得た。得られた化合物(M)の物性は以下の通りである。
【0130】
Figure 0003739916
【0131】
実施例3
エチル 8−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−1,4−ジヒドロ−6−フルオロ−7−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−1−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボキシラート(5−1)の合成
【0132】
【化30】
Figure 0003739916
【0133】
A)
エチル 2−[3−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]ベンゾイル]−3−メチルアミノアクリレート(M)(643mg,1.09mmol)をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解し、60%水素化ナトリウム(88mg,2.20mmol)を加えて20分間撹拌した。反応液を氷水(100ml)に注加し、析出した結晶を濾取した。析出物をクロロホルムに溶解し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付してクロロホルムで溶出し、248mgの黄色アモルファスを得た(構造不明)。クロロホルム−メタノール(95:5)で溶出し、187mg(30%)の標記化合物(5−1)を無色結晶として得た。得られた化合物(5−1)の物性は以下の通りである。
【0134】
融点:178−181℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.43(3H,t,J=7.3Hz,−CH2CH3),1.56(9H,s,−COOC(CH33),2.9−3.8(8H,broad,−CH2−×4),3.90(3H,s,−OCH3),4.06(3H,s,N1−CH3),4.40(2H,q,J=7.3Hz,−CH2CH3),4.78(2H,d,J=4.4Hz,−CH2NHBoc),4.90(1H,broad,−NHBoc),6.90−7.04(4H,m,aromatic H),8.20(1H,d,J=12Hz,H−5),8.42(1H,s,H−2)(AX02563A)
IR:νmax(KBr):3280,3072,1728,1698,1620(cm-1
元素分析値:C3037FN46として
計算値:C,63.37;H,6.56;N,9.85
分析値:C,62.95;H,6.59;N,9.43
【0135】
B)
エチル 2−[3−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−2,5−ジフルオロ−4−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]ベンゾイル]−3−メチルアミノアクリレート(M)(1.04g,1.77mmol)をジメチルホルムアミド(30ml)に溶解し、炭酸カリウム(488mg,3.53mmol)を加えて室温で20時間撹拌した。反応液を減圧乾固し、残留物に10%クエン酸水溶液(70ml)を加え酢酸エチル(200ml)で抽出した。有機層を水(2×50ml)、飽和食塩水(50ml)で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を留去した。残留物をイソプロピルエーテルで洗い936mg(93%)の標記化合物(5−1)を無色結晶として得た。
【0136】
実施例4
エチル 8−アミノメチル−1,4−ジヒドロ−6−フルオロ−7−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−1−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボキシラート(8−1)の合成
【0137】
【化31】
Figure 0003739916
【0138】
エチル 8−第三級ブトキシカルボニルアミノメチル−1,4−ジヒドロ−6−フルオロ−7−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−1−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボキシラート(5−1)(75.5mg,0.132mmol)にトリフルオロ酢酸(5ml)を加えて室温で15分間撹拌した後、減圧乾固した。残留物に飽和重曹水(50ml)を加えクロロホルム抽出(3×50ml)した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去し、70.1mgの標記化合物(8−1)を無色アモルファスとして得た。得られた化合物(8−1)の物性は以下の通りである。
【0139】
1H−NMR(CDCl3)δ:1.42(3H,t,J=7.3Hz,−CH2CH3),2.8−3.8(8H,broad,−CH2−×4),3.91(3H,s,−OCH3),4.26(2H,s,−CH2NH2),4.29(3H,s,N1−CH3),4.40(2H,q,J=7.3Hz,−CH2CH3),6.90−7.06(4H,m,aromatic H),8.15(1H,d,J=12Hz,H−5),8.44(1H,s,H−2)
【0140】
実施例5
エチル 8−ジメチルアミノメチル−1,4−ジヒドロ−6−フルオロ−7−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−1−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボキシラートの(9−1)の合成
【0141】
【化32】
Figure 0003739916
【0142】
エチル 8−アミノメチル−1,4−ジヒドロ−6−フルオロ−7−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−1−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボキシラート(8−1)(70.1mg)、パラホルムアルデヒド(30mg)、5%パラジウム炭素(100mg)、エタノール(30ml)を混合し、1気圧水素雰囲気下、2日間撹拌した。触媒を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残留物をプレパラティブTLC(展開溶媒;クロロホルム−メタノール95:5)で精製し、30.0mgの標記化合物(9−1)を無色結晶として得た。得られた化合物(9−1)の物性は以下の通りである。
【0143】
融点:187−190℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.41(3H,t,J=7.3Hz,−CH2CH3),2.01(6H,s,−N(CH32),3.0−3.5(8H,broad,−CH2−×4),3.90(3H,s,−OCH3),4.12(5H,s,−CH2NH2,N1−CH3),4.40(2H,q,J=7.3Hz,−CH2CH3),6.90−7.03(4H,m,aromatic H),8.17(1H,d,J=12Hz,H−5),8.39(1H,s,H−2)
【0144】
実施例6
8−ジメチルアミノメチル−1,4−ジヒドロ−6−フルオロ−7−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−1−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボン酸(6)の合成
【0145】
【化33】
Figure 0003739916
【0146】
エチル 8−ジメチルアミノメチル−1,4−ジヒドロ−6−フルオロ−7−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−1−メチル−4−オキソキノリン−3−カルボキシラート(9−1)(65.4mg,0.132mmol)をエタノール(20ml)に溶解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.263ml)を加え、16時間加熱環流した。反応液を減圧乾固し、残留物を水(10ml)に溶解して1規定塩酸(0.263ml)を加え、クロロホルムで抽出(2×50ml)した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を留去した。残留物をイソプロパノールから再結晶し、40.8mg(66%)の標記化合物(6)を無色結晶として得た。得られた化合物(6)の物性は以下の通りである。
【0147】
融点:274−279℃
1H−NMR(CDCl3)δ:1.99(6H,s,−N(CH32),3.1−3.6(8H,broad,−CH2−×4),3.91(3H,s,−OCH3),4.04(3H,s,N1−CH3),6.91−7.07(4H,m,aromatic H),8.13(1H,d,J=12Hz,H−5),8.61(1H,s,H−2)14.87(1H,s,−COOH)
IR:νmax(KBr):1732,1616,1436(cm-1
元素分析値:C2529FN44として
計算値:C,63.42;H,5.99;N,12.33
分析値:C,63.39;H,6.01;N,12.18
【0148】
試験例1
実施例1、2および6で製造した化合物(4)、(5)および(6)を用いて、phytohemagglutinin(PHA)刺激でヒト末梢単核球からのTNF−αおよびIL−6産生に対する作用を検討した。
健康成人より分離した末梢単核球を、5×105 cells/mlに調製後、種々の濃度の薬剤で2時間前処理した。次にPHA(10μg/ml)で刺激後、さらに24時間培養し、生細胞数をMTT法(J. Virol. Methods, 20, 309-321(1988))で測定するとともに、培養上清中のTNF−αおよびIL−6量をELISA法にて測定した。結果を表1に示す。
【0149】
【表1】
Figure 0003739916
【0150】
表1から明らかなように本発明化合物は、PHA刺激で末梢単核球から産生されるTNF−αおよびIL−6産生を低濃度で阻害した。なかでも、化合物(5)が最も阻害活性が強く0.032μMでTNF−αおよびIL−6産生阻害活性が認められた。また、表に示す濃度においては、いずれの薬剤も生細胞数にほとんど影響を与えなかった。
【0151】
【発明の効果】
本発明によれば、サイトカインが関与する各種疾患に対して有効な治療剤が提供される。

Claims (4)

  1. 一般式(1)
    Figure 0003739916
    [式中、R1直鎖または分岐のC 1-6 アルキル基、又は(1,2,4−トリアゾール−1−イル)−C 1-6 アルキルフェニル基を示し;
    5 はフェニル基又はC 1-6 アルコキシフェニル基を示し;
    7 はハロゲン原子を置換基として有していてもよいC 1-6 アルキル基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよいC 1-6 アルコキシル基、又は1もしくは2のC 1-6 アルキル基を置換基として有していてもよいアミノメチル基を示し;
    Xは水素原子またはハロゲン原子を示し;
    Zは炭素原子又は窒素原子で表わされる部分構造を示す。ただし、Zが窒素原子で表わされる部分構造のとき、R 7 は1もしくは2のC 1-6 アルキル基を置換基として有していてもよいアミノメチル基である。
    で表わされる化合物またはその塩を有効成分とするTNF−α及びIL−6から選ばれるサイトカイン産生阻害剤。
  2. 一般式(1)で表わされる化合物が次の式(4)で表わされるものである請求項1記載のTNF−α及びIL−6から選ばれるサイトカイン産生阻害剤。
    Figure 0003739916
  3. 一般式(1)で表わされる化合物が次の式(5)で表わされるものである請求項1記載のTNF−α及びIL−6から選ばれるサイトカイン産生阻害剤。
    Figure 0003739916
  4. 一般式(1)で表わされる化合物が次の式(6)で表わされるものである請求項1記載のTNF−α及びIL−6から選ばれるサイトカイン産生阻害剤。
    Figure 0003739916
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