JP3739690B2 - 半導体集積回路のストレス試験回路、及びこの回路を用いたストレス試験方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路のストレス試験回路、及び半導体集積回路のストレス試験回路を用いたストレス試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶パネルの大型化・高精細化に伴い、液晶駆動用半導体集積回路では、液晶駆動用出力端子の端子数増加や、出力端子から出力する多値電圧の多階調化が進められている。例えば、現在主流の液晶駆動用半導体集積回路は、256階調の電圧を出力可能で500個程度の出力端子数を有しているが、1000個以上の出力端子を有する液晶駆動用半導体集積回路の開発が行われている。また、階調出力電圧は液晶パネルの多色化に伴い、1024階調を出力することが可能な液晶駆動用半導体集積回路の開発が行われている。
【0003】
また、上記のような傾向の液晶駆動用半導体集積回路では、他の半導体集積回路と同様に小型化の要求は強い。そのため、液晶駆動用半導体集積回路では微細化が進められており、それに伴って内部回路を構成するトランジスタのゲート酸化膜破壊などゲート酸化膜欠陥による不良が顕著になってきている。
【0004】
まず、従来の液晶駆動用半導体集積回路の構成について説明する。図5は、n本の液晶駆動用信号出力端子から、それぞれm階調の出力電圧を出力可能な液晶駆動用半導体集積回路の概念図である。液晶駆動用半導体集積回路1は、外部にクロック入力端子2、複数の信号入力端子を備えた階調データ入力端子3、LOAD信号入力端子4、基準電源端子であるV0端子5・V1端子6・V2端子7・V3端子8・V4端子9、及びオペアンプ電源制御端子10を備えている。また、n個の液晶駆動用信号出力端子11−1〜11−n(以下、液晶駆動用信号出力端子を信号出力端子と称する。さらに、液晶駆動用信号出力端子11−1〜11−nを総称する場合は、信号出力端子11と称する。)を備えている。加えて、液晶駆動用半導体集積回路1は、基準電源補正回路21、階調電圧用オペアンプ回路22、ポインタ用シフトレジスタ回路23、ラッチ回路部24、D/Aコンバータ(Digital Analog Converter:以下、DACと称する。)回路25を備えている。
【0005】
階調電圧用オペアンプ回路22は、m個の階調電圧用オペアンプ22−1〜22−mにより構成される。また、ポインタ用シフトレジスタ回路23は、n個のシフトレジスタ23−1〜23−nにより構成される。さらに、ラッチ回路部24は、n個のラッチ回路24−1〜24−nにより構成される。加えて、DAC回路25は、DAC25−1〜25−nにより構成される。
【0006】
ポインタ用シフトレジスタ回路23は、クロック入力端子2から入力されたクロック入力信号に応じて、ラッチ回路24−1〜24−nのうち1つのラッチ回路を選択する。そして、階調データ入力端子3から入力された階調出力データが、選択されたラッチ回路24に格納される。
【0007】
また、ポインタ用シフトレジスタ回路23から出力されるラッチ回路選択信号は、クロック入力端子2から入力されるクロック入力信号により1個目のラッチ回路24−1からn個目のラッチ回路24−nまで順次選択する。よって、n個のクロックが入力された場合、全てのラッチ回路24−1〜24−nにデータを記憶させることができる。また、ラッチ回路24−1〜24−nは、それぞれ異なる値のデータを記憶することが可能である。ラッチ回路24−1〜24−nに記憶されたデータは、それぞれ対応するn個のDAC25−1〜25−nのディジタル入力データとなる。
【0008】
なお、DAC回路25−1〜25−nは後述するように、それぞれLOADレジスタ、n個のデコーダ回路、m本の階調電圧用配線、及びm個のトランジスタスイッチを備えた構成である。ここで、階調データ入力端子3からはディジタルデータを入力するため、その本数は階調数に依存する。例えば、64階調の階調出力電圧を出力可能な液晶駆動用半導体集積回路では、階調数64=26 であるから、6本の階調データ入力端子3が用意される。また、各ラッチ回路及び各LOADレジスタは、階調データ入力端子数と同じ数のビット構成である。
【0009】
基準電源端子V0端子5〜V4端子9から入力された電圧は、基準電源補正回路21によってm種類の階調電圧値に変換されて出力される。そして、階調電圧用オペアンプ回路22の階調電圧用オペアンプ22−1〜22−mで増幅されて、m本の階調電圧用配線47を介してDAC回路25を構成するDAC25−1〜25−nに供給される。DAC25−1〜25−nは、それぞれラッチ回路24−1〜24−nから出力されたディジタルデータに応じて、m種類の階調電圧値のうちの1値を選択して出力する。
【0010】
図5に示した階調電圧用オペアンプ回路22は、オペアンプ電源制御端子10からの入力信号に応じて高抵抗出力状態に設定可能であり、また、階調電圧用オペアンプ回路22の各階調電圧用オペアンプ22−1〜22−nを低消費電力状態に設定することができる。また、液晶駆動用半導体集積回路1では、1個の信号出力端子に1個のDACが接続されている。
【0011】
図6は、液晶駆動用半導体集積回路の階調電圧値の例である。DAC25−1〜25−nからは、図6に示したように、m種類のそれぞれ異なる電圧値のm階調出力電圧が、出力される。m階調出力電圧は、基準電源電圧V0端子5〜V4端子9に入力した電圧のうち、V0端子から入力する最大入力電圧をV0、V4端子から入力する最小入力電圧をV4とした場合、(V0−V4)をm分割したものである。
【0012】
次に、液晶駆動用半導体集積回路が備えるDAC回路の構成について説明する。図7は、液晶駆動用半導体集積回路のDAC及び周辺回路の構成図である。図7には、図5に示した液晶駆動用半導体集積回路1が、m=64である場合におけるのDAC回路の1つのDAC25−1a、及び周辺回路を図示している。前記のように、図7に示した液晶駆動用半導体集積回路は、64階調の階調出力電圧を出力可能であるため、前記のように6本の階調データ入力端子3を備えており、DAC25−1aは、6個のレジスタ41−1〜41−6からなるLOADレジスタ回路41、6個のインバータ42−1〜42−6からなる第1インバータ回路42を備えている。また、DAC25−1aは、64個の6入力ANDゲート43−1〜43−64からなるAND回路43、64個のインバータ44−1〜44−64からなる第2インバータ回路44、64個のトランジスタスイッチ45−1〜45−64からなるスイッチ回路45、オペアンプ46、及び64本の階調電圧用配線47である階調電圧用配線47−1〜47−64を備えている。なお、トランジスタスイッチ45−1〜45−64は、それぞれ1個のPMOSトランジスタ及び1個のNMOSトランジスタからなる。また、階調電圧用配線47−1〜47−64は、階調電圧用オペアンプ22−1〜22−64、並びにトランジスタスイッチ45−1〜45−64の一方の端子であるPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのソースにそれぞれ接続されている。さらに、トランジスタスイッチ45−1〜45−64の他方の端子であるPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタのドレインは、オペアンプ46の一方の入力端子に接続されている。
【0013】
ポインタ用シフトレジスタ回路23のシフトレジスタ23−1から出力されたラッチ回路選択信号は、ラッチ回路24−1で記憶される。そして、ラッチ回路24−1からLOADレジスタ回路41に出力され、LOADレジスタ回路41から出力された信号に応じて、64個の階調電圧用オペアンプ22−1〜22−64からなる階調電圧用オペアンプ回路22で増幅された階調電圧の1値をトランジスタスイッチ45−1〜45−64により選択する。さらに、オペアンプ46で増幅されて、信号出力端子11−1から液晶パネル駆動用信号として階調電圧が出力される。
【0014】
図8は、液晶駆動用半導体集積回路におけるDAC回路の別の構成図である。図8に示したDAC25−1bは、図7に示したDAC回路25−1aが備えるオペアンプ46を削除した構成であり、他の構成は同様である。但し、階調出力電圧を選択するトランジスタスイッチ45−1〜45−64を構成する各トランジスタの面積は、従来の数倍の大きさである。DAC回路25−1aは、オペアンプ46で階調出力電圧を増幅することにより、信号出力端子11−1の電流駆動能力を大きくしている。しかしながら、オペアンプ46を設けたことで消費電流が多くなるという欠点を有している。そのため、消費電流の低減が要求される携帯電話用などの液晶駆動用半導体集積回路では、DAC回路25−1bのように、出力信号を増幅するオペアンプを内蔵しない構成が実用化され始めている。すなわち、DAC回路25−1bでは、出力信号増幅用のオペアンプを内蔵しない構成であるため、階調出力電圧を選択するトランジスタスイッチ45−1〜45−64を構成する各トランジスタの面積を、上記のように従来の数倍の大きさにすることで、液晶パネルの駆動能力の低下を防止している。
【0015】
しかしながら、微細加工された液晶駆動用半導体集積回路では、トランジスタの面積(ゲート面積)に比例してゲート酸化膜欠陥の発生する頻度が高くなるという問題がある。また、半導体集積回路の製造工程では高度な薄膜化技術を用いており、ゲート酸化膜は厚さ30〜40nmと非常に薄く形成されるので、欠陥を含むことが多い。そのため、液晶駆動用半導体集積回路の出荷検査時でのストレス試験の重要性が高まってきている。
【0016】
従来、被測定半導体集積回路にゲート酸化膜欠陥が存在することによりトランジスタが縮退故障に至る場合、半導体集積回路の出荷検査工程において、ファンクション機能テストにより不良品をスクリーニングすることが可能であった。また、電源端子のあるリーク電流試験で電源端子のリーク電流が増加した半導体集積回路を検出することも可能であった。
【0017】
しかし、トランジスタが縮退故障に至らない程度の微細なゲート酸化膜欠陥が、半導体集積回路に存在すると多くの場合、機能試験でスクリーニングすることができない。なお、縮退故障とは、信号の論理値がある値に固定される故障である。このようなトランジスタに縮退故障に至らない程度のゲート酸化膜欠陥が半導体集積回路に存在した場合は、ユーザでの使用工程においても機能不良とならないこともある。しかしながら、ゲート酸化膜欠陥は、時間の経過に伴い劣化することが多いので、エージング不良や経時劣化による不良の主要な原因となっている。
【0018】
そこで、半導体集積回路の製造メーカでの出荷検査段階で、ゲート酸化膜欠陥を含む不良デバイスを除去して、半導体集積回路の出荷品質を向上させるためのスクリーニング試験として、ストレス試験を行うことの重要性が高まってきている。
【0019】
次に、ストレス試験の概要について説明する。図9は、ストレス試験を説明するためのNMOSトランジスタの概略構成図である。図10は、ストレス試験を説明するためのPMOSトランジスタの概略構成図である。図9(A)に示したように、一般的な構成のNMOSトランジスタ71は、P型基板73に設けられたソース74及びドレイン75の間のバルク76と、ゲート72と、の間にゲート酸化膜77を有する構造である。このNMOSトランジスタ71のゲート72及びソース74に接地電位を供給した場合、チャネル構造は発生しない。
【0020】
しかし、図9(B)に示したように、NMOSトランジスタ71において、ゲート72の電位として電源電位を供給した場合、ソース74及びドレイン75の間のバルク76にチャネル構造79が発生する。このチャネル79の電位は、ドレイン75側の負荷が高抵抗状態であれば、ソース74の電位と等しくなる。ソース74の電位として接地電位を与えている場合、ゲート72とバルク76(チャネル構造部)との電位差は電源電圧と等しくなり、絶縁体であるゲート酸化膜77に電源電圧と等価な電位差のストレス電圧を印加することができる。
【0021】
また、図9(C)に示したように、NMOSトランジスタ71のゲート酸化膜77に欠陥が存在する場合、ストレス電圧を印加することによりゲート72及びバルク76の間のゲート酸化膜77が破壊され、短絡状態又は高抵抗接続状態となる。絶縁層であるゲート酸化膜77が破壊されて短絡状態になったNMOSトランジスタ71は、多くの場合縮退故障となることは周知のことである。また、ゲート72及びバルク76の間が高抵抗接続状態となった場合、電源端子のリーク電流が増加する。
【0022】
一方、PMOSトランジスタ81の場合、図10に示したようにゲート82に接地電位を与えると、ソース84及びドレイン85の間のバルク86にチャネル構造89が発生する。このチャネル89の電位は、ドレイン85側の負荷が高抵抗状態であれば、ソース84の電位と等しくなる。ソース84の電位として電源電位を与えた場合、ゲート82とバルク86(チャネル構造部)との電位差は、電源電位と等しくなる。よって、絶縁体であるゲート酸化膜87に電源電圧と等価な電位差のストレス電圧を印加することができる。また、ゲート酸化膜87に欠陥があった場合は、NMOSトランジスタ71と同様に縮退故障が発生する。
【0023】
ストレス試験によって顕著になったNMOSトランジスタの微細なゲート酸化膜欠陥は、一般的に、半導体集積回路の出荷試験においてストレス試験の次に行う試験で検出・除去することができる。すなわち、前記のようにファンクション機能試験では、トランジスタの縮退故障を検出することができる。また、電源端子のリーク電流試験では、電源端子のリーク電流が増加した半導体集積回路を検出することができる。
【0024】
なお、ストレス試験では、ゲート酸化膜欠陥を短時間で検出するために、ストレス電圧としてデバイスの仕様で許される限りの高電圧に設定するのが普通である。また、ストレス電圧の印加時間は、長時間であるほど微細なゲート酸化膜欠陥の発見率がアップする。
【0025】
図11は、図5に示したDAC内のトランジスタスイッチに対するストレス試験を実施する際のタイミングチャートである。液晶駆動用半導体集積回路1のストレス試験時には、クロック入力端子2から所定のクロック信号を入力する。また、DAC25−1〜25−nが階調電圧1を選択するデータを、それぞれ所定のタイミングで階調データ入力端子3から入力して、ラッチ回路24−1〜24−nに記憶させる。
【0026】
ラッチ回路部24に記憶させたデータは、LOAD信号入力端子4から所定のパルス信号を入力することにより、DAC回路25に転送される。DAC回路25に転送されたデータにより、図外のトランジスタスイッチ回路45を構成するm個のトランジスタスイッチ45−1〜45−mのうち、階調電圧1に対応する1個のトランジスタスイッチが選択されてオン状態(導通状態)になる。これにより、m種類の階調出力電圧から階調電圧1を選択して出力端子11から出力する。また、DAC回路25のトランジスタスイッチ回路45において、階調電圧1を選択するトランジスタスイッチを構成するトランジスタのゲート酸化膜には、ストレス電圧が印加される。この時、半導体集積回路の電源電圧としては、ストレス試験用の最大電圧を所定時間供給する。
【0027】
続いて、所定時間経過後、クロック入力端子2からクロック信号を入力して、それぞれ所定のタイミングで階調データ入力端子3からDAC回路25が階調電圧2を選択するデータを入力する。そして、ラッチ回路部24に階調電圧2を選択するデータを記憶させる。ラッチ回路部24に記憶されたデータは、LOAD信号入力端子4からパルス信号を入力することにより、DAC回路25に転送される。DAC回路25に転送されたデータは、トランジスタスイッチ回路45の階調電圧2に対応する1個のトランジスタスイッチのみを選択してオン状態にする。これにより、m種類の階調出力電圧から階調電圧2を選択して出力端子から出力させることができる。また、階調電圧2を選択するDAC回路のトランジスタスイッチを構成するトランジスタのゲート酸化膜には、ストレス電圧が印加される。
【0028】
このように、DAC回路25の階調電圧1を選択するトランジスタスイッチを構成するトランジスタから、階調電圧mを選択するトランジスタスイッチを構成するトランジスタまで、順次切り替えながらストレス電圧を印加することにより、DAC回路25の階調電圧を選択するトランジスタスイッチを構成するトランジスタのストレス試験を実施できる。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
上記のストレス試験において、m階調出力電圧を切り替えるm個のトランジスタスイッチへのストレス印加時間がk秒の場合、ストレス試験時間は、(k×m)と、階調データ入力端子からのデータの入力時間pと、の和となる。例えば、64階調の階調出力が可能な液晶駆動用半導体集積回路において、1回当たりのストレス印加時間を100ミリ秒とした場合、ストレス印加時間は(64×100)ミリ秒=6.4秒となる。この時、階調データ入力端子からのデータの入力時間pは数10μ秒であり十分小さな値となるため、約6.4秒のストレス試験時間が必要になる。
【0030】
このように、従来のストレス試験方法では、階調出力電圧を選択するDAC回路のトランジスタスイッチを構成するトランジスタを個別に選択してテストするため、液晶駆動用半導体集積回路において出力電圧の階調数が増加すれば、それに比例してストレス試験時間が増加すると問題があった。
【0031】
図12は、液晶駆動用半導体集積回路のDAC回路のトランジスタスイッチに印加されるストレス電圧を説明するためのグラフである。図8に示したDAC回路25−1bにおいては、階調出力電圧を選択するトランジスタスイッチ回路45を構成する各トランジスタのストレス試験を実施する場合、ストレス電圧を印加されるトランジスタのチャネル電位はソース電位に等しい。また、ソース電位としては、各階調電圧用オペアンプ22−1〜22−64の出力電圧値となる。ここで、前述した通り、ゲート酸化膜に印加するストレス電圧は、ゲートとバルク(チャネル)との間の電位差である。そのため、ストレス試験の際には、図12に示したように、電源電圧に対して十分なストレス電圧がゲート酸化膜に印加されない。例えば、電源電圧を5.0Vに設定し場合、階調出力電圧1.0Vを選択して出力するトランジスタスイッチを構成するトランジスタに印加されるストレス実効電圧は、PMOSトランジスタではゲート電位(接地電位)0.0Vとチャネル電位1.0Vとの電位差である1.0Vである。また、NMOSトランジスタでは、ゲート電位5.0Vとチャネル電位1.0Vとの電位差である4.0Vである。このように、従来のストレス試験では、液晶駆動用半導体集積回路のDAC回路のトランジスタスイッチに、効果的なストレス電圧を印加することができないという問題があった。
【0032】
そこで、特開平−326648号公報の半導体装置の試験方法には、一度に多くのMOSトランジスタにストレス電圧を印加して、ストレス試験時間を短縮する方法が開示されている。この方法を図13に基づいて説明する。図13は、従来技術の概要図である。この方法では、MOSトランジスタのバルクに直接電源を供給可能な端子208を設け、ストレス試験における被測定対象トランジスタのバルク204にストレス電圧を印加する。この時、ゲート電極201、ドレイン領域202、及びソース領域203の電位は、接地電位に固定しておく。また、PMOSトランジスタのバルクには正電圧を供給し、NMOSトランジスタの場合にはバルクに負電圧を供給する。このように、被測定半導体集積回路の全ての電源端子、全ての入力端子、全ての出力端子、及び全ての入出力端子を接地電位に固定しておけば、半導体集積回路の内部のトランジスタに対して、同時にストレス電圧を印加することができる。
【0033】
しかしながら、上記公報の半導体装置の試験方法では、被測定トランジスタのバルク部にチャネルが発生し、チャネル電位はソースと同電位となるため、ゲート酸化膜に十分なストレス実効電圧を印加することができないという問題がある。
【0034】
そこで、本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、多値のアナログ階調電圧を複数のトランジスタスイッチで選択して出力する半導体集積回路において、トランジスタスイッチのストレス試験を短時間且つ容易に実施できる半導体集積回路のストレス試験回路、及びストレス試験方法を提供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0036】
(1)それぞれ異なった値の階調電圧を出力する階調電圧供給手段と、該階調電圧供給手段に接続され、各階調電圧を供給するための複数の階調電圧供給ラインと、該各階調電圧供給ラインにそれぞれ接続され、階調データ入力端子から入力されたデータに応じて選択的に導通状態となる複数のトランジスタスイッチと、を備えた半導体集積回路のストレス試験回路であって、
該階調電圧供給手段から該階調電圧供給ラインへの階調電圧の供給を遮断する遮断手段と、
該トランジスタスイッチの全てを同時に導通状態にする導通制御手段と、
全トランジスタスイッチの該階調電圧供給ラインに接続された端子の電位を接地電位又は電源電位に制御する電位制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0037】
この構成において、それぞれ異なった値の階調電圧を出力する階調電圧供給手段と、該階調電圧供給手段に接続され、各階調電圧を供給するための複数の階調電圧供給ラインと、該各階調電圧供給ラインにそれぞれ接続され、階調データ入力端子から入力されたデータに応じて選択的に導通状態となる複数のトランジスタスイッチと、を備えた半導体集積回路は、ストレス試験回路として、該階調電圧供給手段から該階調電圧供給ラインへの階調電圧の供給を遮断する遮断手段と、該トランジスタスイッチの全てを同時に導通状態にする導通制御手段と、全トランジスタスイッチの該階調電圧供給ラインに接続された端子の電位を接地電位又は電源電位に制御する電位制御手段と、を備えている。
【0038】
したがって、ストレス試験の際には、階調電圧供給手段から各階調電圧供給ラインへの階調電圧の供給を遮断して、トランジスタスイッチの全てを導通制御回路で同時に導通状態にするとともに、トランジスタスイッチの階調電圧供給ラインに接続された端子電位を、接地電位又は電源電位に制御した状態を所定時間継続することができる。よって、階調出力電圧値を選択するDAC回路のトランジスタスイッチを構成する全てのトランジスタに、同時にストレス電圧を印加することができ、ストレス試験時間を大幅に短縮することができるとともに、半導体集積回路の製造コストを低減することが可能となる。また、ストレス試験を実施する階調出力電圧値を選択するDAC回路のトランジスタスイッチを構成するトランジスタのソース電位を、電源電位又は接地電位に設定してストレス試験を行うことができるため、ストレス実行電圧を最大値に制御することが可能となる。さらに、ストレス試験によるストレス不良のスクリーニング効率を著しく向上させることができ、品質の高い半導体集積回路を提供することが可能となる。
【0039】
(2)前記トランジスタスイッチは、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタを備え、前記階調電圧供給ラインに接続された端子は、両トランジスタのソースであることを特徴とする。
【0040】
この構成において、前記調電圧供給ラインに接続された端子が、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのソースであるトランジスタスイッチを備えている。したがって、トランジスタスイッチに対して、確実にストレス試験を実施することが可能となる。
【0041】
(3)(1)に記載の半導体集積回路のストレス試験回路を用いたストレス試験方法であって、
前記階調電圧供給手段から前記各階調電圧供給ラインへの階調電圧の供給を前記遮断手段で遮断して、
前記トランジスタスイッチの全てを前記導通制御回路で同時に導通状態にするとともに、
前記トランジスタスイッチの前記階調電圧供給ラインに接続された端子電位を、前記電位制御手段で接地電位又は電源電位に制御した状態を所定時間継続することを特徴とする。
【0042】
この構成において、前記階調電圧供給手段から前記各階調電圧供給ラインへの階調電圧の供給を前記遮断手段で遮断して、前記トランジスタスイッチの全てを前記導通制御回路で同時に導通状態にするとともに、前記トランジスタスイッチの前記階調電圧供給ラインに接続された端子電位を、前記電位制御手段で接地電位又は電源電位に制御した状態を所定時間継続することで、(1)に記載の半導体集積回路のストレス試験回路を用いて、トランジスタスイッチに対してストレス試験を実施する。したがって、階調出力電圧値を選択するDAC回路のトランジスタスイッチを構成する全てのトランジスタに、同時にストレス電圧を印加することができ、ストレス試験時間を大幅に短縮することが可能となるとともに、半導体集積回路の製造コストを低減することが可能となる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係る液晶駆動用半導体集積回路のストレス試験回路の構成について説明する。本発明では、図5に示した液晶駆動用半導体集積回路1のDAC回路25を構成するDAC25−1〜25−nに、それぞれ液晶駆動用半導体集積回路のストレス試験回路の一部を追加するとともに、階調電圧用オペアンプ回路22とDAC回路25との間に液晶駆動用半導体集積回路のストレス試験回路の一部を追加したものである。なお、本発明の液晶駆動用半導体集積回路のストレス試験回路を追加したDAC回路25をDAC回路35とし、DAC25−1〜25−nをDAC35−1〜35−nとする。また、DAC35−1〜35−nはそれぞれ同じ構成であるため、図7に示したDAC25−1a及び図8に示したDAC25−1bと同様に、DAC35−1及びその周辺回路について説明する。
【0044】
図1は、本発明の実施形態に係る液晶駆動用半導体集積回路のストレス試験回路の概略構成図である。なお、図8と同一部分には、同一符号を付している。図1には、64階調(m=64)の出力電圧を出力する構成の液晶駆動用半導体集積回路におけるDAC回路35を構成するDAC35−1、及び周辺回路を図示している。
【0045】
液晶駆動用半導体集積回路は、64階調の階調出力電圧を出力可能であるため、前記のように6本の階調データ入力端子3を備えている。また、DAC35−1は、6個のレジスタ41−1〜41−6からなるLOADレジスタ回路41、6個のインバータ42−1〜42−6からなる第1インバータ回路42、64個の6入力ANDゲート43−1〜43−64からなるAND回路43、64個のインバータ44−1〜44−64からなる第2インバータ回路44、64個のトランジスタスイッチ45−1〜45−64からなるスイッチ回路45、及び階調電圧供給ラインである階調電圧用配線47として64本の階調電圧用配線47−1〜47−64を備えている。また、液晶駆動用半導体集積回路1のストレス試験回路の導通制御手段として、全スイッチ選択用レジスタ55、及び64個の2入力ORゲート56−1〜56−64からなるOR回路56を備えている。なお、トランジスタスイッチ45−1〜45−64は、それぞれ1個のPMOSトランジスタ及び1個のNMOSトランジスタからなる。
【0046】
レジスタ41−1〜41−6には、それぞれインバータ42−1〜42−6の入力端子が接続されている。また、6入力ANDゲート43−1の入力端子は、レジスタ41−1〜41−6から(D0,D1,D2,D3,D4,D5)=(0,0,0,0,0,0)が出力された際に、1(high)を出力するように接続されている。すなわち、6入力ANDゲート43−1の各入力端子は、インバータ42−1〜42−6の各出力端子にそれぞれ接続されている。6入力ANDゲート43−2の入力端子は、レジスタ41−1〜41−6から(D0,D1,D2,D3,D4,D5)=(1,0,0,0,0,0)が出力された際に、1を出力するように接続されている。すなわち、6入力ANDゲート43−1の各入力端子は、レジスタ41−1の出力端子及びインバータ42−2〜42−6の各出力端子にそれぞれ接続されている。6入力ANDゲート43−63の入力端子は、レジスタ41−1〜41−6から(D0,D1,D2,D3,D4,D5)=(0,1,1,1,1,1)が出力された際に、1を出力するように接続されている。すなわち、6入力ANDゲート43−63の各入力端子は、レジスタ41−2〜41−6の各出力端子及びインバータ42−1の出力端子にそれぞれ接続されている。6入力ANDゲート43−64の入力端子は、レジスタ41−1〜41−6から(D0,D1,D2,D3,D4,D5)=(1,1,1,1,1,1)が出力された際に、1を出力するように接続されている。すなわち、6入力ANDゲート43−64の各入力端子は、レジスタ41−1〜41−6の各出力端子にそれぞれ接続されている。このように、レジスタ41−1〜41−6に6ビットの2進数データを入力した際に、6入力ANDゲート43−1〜43−64のいずれか1つだけが1(high)を出力するように接続されている。
【0047】
6入力ANDゲート43−1の出力端子は、2入力ORゲート56−1の一方の入力端子に接続されている。6入力ANDゲート43−2の出力端子は、2入力ORゲート56−2の一方の入力端子に接続されている。同様に、6入力ANDゲート43−3〜43−64の出力端子は、それぞれ2入力ORゲート56−3〜56−64の一方の入力端子に接続されている。2入力ORゲート56−1〜56−64の他方の入力端子は、全スイッチ選択用レジスタ55の出力端子に接続されている。
【0048】
2入力ORゲート56−1の出力端子は、インバータ44−1を介してトランジスタスイッチ45−1のPMOSトランジスタ45−1pのゲートに接続されるとともに、トランジスタスイッチ45−1のNMOSトランジスタ45−1nのゲートに接続されている。2入力ORゲート56−2の出力端子は、それぞれインバータ44−2を介してトランジスタスイッチ45−2のPMOSトランジスタ45−2pのゲートに接続されるとともに、トランジスタスイッチ45−2のNMOSトランジスタ45−2nのゲートに接続されている。同様に、2入力ORゲート56−3〜56−64の出力端子は、それぞれインバータ44−2〜44−64を介して、及び直接トランジスタスイッチ45−3〜45−64のPMOSトランジスタのゲート及びNMOSトランジスタのゲートに接続されている。
【0049】
トランジスタスイッチ45−1〜45−64を構成するNMOSトランジスタ45−1n〜45−64n及びPMOSトランジスタ45−1p〜45−64pの各ドレインは出力端子11−1に接続されている。トランジスタスイッチ45−1〜45−64を構成するNMOSトランジスタ45−1n〜45−64n及びPMOSトランジスタ45−1p〜45−64pの各ソースは、それぞれ階調電圧供給ラインである階調電圧用配線47−1〜47−64に接続されている。
【0050】
また、DAC35−1には、ラッチ回路部24を構成するラッチ回路24−1の各出力端子がLOADレジスタ回路41の各入力端子に接続され、ラッチ回路24−1の各入力端子にはポインタ用シフトレジスタ回路23を構成するシフトレジスタ23−1の各出力端子が接続されている。
【0051】
さらに、階調電圧用配線47−1〜47−64の端部には、遮断手段である階調電圧用オペアンプ回路22を構成する階調電圧用オペアンプ22−1〜22−64がそれぞれ接続されている。また、階調電圧用配線47−1〜47−64には、階調電圧用オペアンプ回路22とDAC35−1との間に、液晶駆動用半導体集積回路1のストレス試験回路の電圧制御手段として、電源電圧供給用トランジスタ回路部51を構成する電源電圧供給用トランジスタ回路51−1〜51−64が接続されている。すなわち、電源電圧供給用トランジスタ回路51−1は、トランジスタ51−1p及びトランジスタ51−1nで構成され、トランジスタ51−1pは、ソースが電源端子に接続され、ドレインが階調電圧用配線47−1に接続され、ゲートがインバータ54の出力端子に接続されている。また、トランジスタ51−1nは、ソースが接地端子に接続され、ドレインが階調電圧用配線47−1に接続され、ゲートが階調電圧用制御レジスタ52に接続されている。同様に、電源電圧供給用トランジスタ回路51−2〜51−64は、それぞれ電源電圧供給用トランジスタ51−1と同様に階調電圧用配線円47−2〜47−64、電源端子、接地端子、インバータ54、及び階調電圧用制御レジスタ52に接続されている。また、インバータ54の入力端子は、階調電圧用制御レジスタ53の出力端子に接続されている。なお、階調電圧用制御レジスタ52,53及びインバータ54は、電源電圧供給用トランジスタ回路部51とともに液晶駆動用半導体集積回路1のストレス試験回路を構成している。また、階調電圧用制御レジスタ52,53は、図外の入力端子からデータを設定する構成にすると良い。
【0052】
階調電圧用オペアンプ回路22の各階調電圧用オペアンプ22−1〜22−64は、それぞれ一方の入力端子が階調電圧供給手段である図外の基準電源補正回路21に接続され、他方の入力端子は階調電圧用オペアンプの各々の出力端子に接続されている。また、アウトプットイネーブル端子がオペアンプ電源制御端子10に接続されている。
【0053】
このような構成の液晶駆動用半導体集積回路1のDAC35−1は、従来のDAC25−1bと同様に、以下のように動作する。すなわち、階調データを入力端子3から入力されて、ポインタ用シフトレジスタ回路23のシフトレジスタ23−1から出力されたラッチ回路選択信号は、ラッチ回路24−1で記憶される。そして、ラッチ回路24−1からLOADレジスタ回路41に出力され、LOADレジスタ回路41から出力された信号に応じて、64個の階調電圧用オペアンプ22−1〜22−64からなる階調電圧用オペアンプ回路22で増幅された階調電圧の1値をトランジスタスイッチ45−1〜45−64により選択する。そして、選択した階調電圧を液晶駆動用信号として出力する。
【0054】
DAC35−1において、ストレス試験の対象は、PMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタで構成される階調出力電圧選択用のトランジスタスイッチ45−1〜45−64である。したがって、液晶駆動用半導体集積回路1がn本の液晶駆動用出力端子11−1〜11−nを有する場合、ストレス試験の対象は、(64×n×2)個のトランジスタとなる。
【0055】
ストレス試験を行う際には、オペアンプ電源制御端子10からオペアンプ電源制御信号を入力して、各階調電圧値を増幅する階調電圧用オペアンプ22−1〜22−64を高抵抗出力状態に設定する。これにより、基準電源補正回路21から階調電圧用配線への階調電圧供給は遮断される。そして、全スイッチ選択用レジスタ55の出力がハイレベルとなるデータを図外の入力端子から入力して、全スイッチ選択用レジスタ55に記憶させることで、トランジスタスイッチ45−1〜45−64を構成する全トランジスタをオン状態(導通状態)に設定する。
【0056】
続いて、階調電圧用制御レジスタ52、53を順次設定することにより、トランジスタスイッチ回路45を構成する全トランジスタの階調電圧用配線47に接続された端子であるソースの電位として、電源電圧供給用トランジスタ回路51から電源電位又は接地電位を供給することによりストレス試験を実施する。
【0057】
ここで、図1に示したDAC35−1に対して1個の全スイッチ選択用レジスタ55を設けた構成としており、液晶駆動用半導体集積回路1全体では、n個の全スイッチ選択用レジスタを設けることとなるが、DAC回路35全体で1個の全スイッチ選択用レジスタを設けた構成としても良い。
【0058】
図2は、導通制御手段として全SW選択信号入力端子12を設けたDAC回路35の構成図である。また、図2に示したように、液晶駆動用半導体集積回路1の各DACに設けられたストレス試験回路の一部であるOR回路56全体を制御可能なスイッチ選択信号入力端子12を設けても良い。
【0059】
さらに、図1では、階調電圧用制御レジスタ52,53を用いて電源電圧供給用トランジスタ回路部51を制御することで、階調電圧用配線47−1〜47−64に接地電位及び電源電位を供給する構成としている。しかし、この構成に限るものではなく、例えば、階調電圧用配線47に接地電位及び電源電位を供給する電源電圧供給用トランジスタ51−1〜51−64の制御用に、信号入力端子を設けて、この信号入力端子から入力した信号によって電源電圧供給用トランジスタ回路部51を制御するように構成しても良い。
【0060】
加えて、オペアンプ制御用信号は、液晶駆動用半導体集積回路1に内蔵されるオペアンプ電源制御端子10から入力される入力信号であるが、液晶駆動用半導体集積回路1にオペアンプ電源制御用端子10が内蔵されていない場合は、階調電圧用オペアンプ22−1〜22−64の出力を高抵抗出力状態に制御する信号を入力する入力端子を追加しても良い。また、階調電圧用オペアンプ回路22の各階調電圧オペアンプの出力を高抵抗出力状態に制御するレジスタ又はフラグを追加しても良い。
【0061】
図3は、本発明の液晶駆動用半導体集積回路のストレス試験回路でストレス試験を実施した際のタイミングチャートである。また、図4は、ストレス試験の手順を説明するためのフローチャートである。本発明の液晶駆動用半導体集積回路のストレス試験手順は、以下の通りである。まず、オペアンプ電源制御端子10から入力するオペアンプ電源制御用信号26を、ハイレベルに設定する(s1)。これにより、階調電圧用オペアンプ回路22の全階調電圧オペアンプの出力を高抵抗出力状態に設定して、基準電源補正回路21からの階調電圧の供給を遮断する。
【0062】
続いて、全スイッチ選択用レジスタ55の出力をハイレベルに設定する(s2)。これにより、階調出力電圧値を選択するDAC回路35の全てのトランジスタスイッチ45−1〜45−64をオン状態に設定する。
【0063】
また、階調電圧用制御レジスタ52,53の初期値をローレベルに設定して、接地電位及び電源電位を階調電圧用配線47−1〜47−64に供給する電源電圧供給用トランジスタ51−1〜51−64をオフ状態に設定する(s3)。
【0064】
次に、階調電圧用制御レジスタ52をハイレベルに設定する(s4)。この時、階調電圧用制御レジスタ53は、ローレベルのままにしておく。これにより、階調出力電圧値を選択するDAC回路35−1のトランジスタスイッチ回路45を構成する全トランジスタのソース電位は、接地電位となる。この時、階調出力電圧値を選択するトランジスタスイッチ回路45を構成する全NMOSトランジスタのゲート酸化膜には、ゲート電位である電源電位と、ソース電位と同等なチャネル電位である接地電位と、の差である電源電位と同じ電圧値のストレス電圧が印加される。一方、トランジスタスイッチ回路45を構成する各PMOSトランジスタでは、ゲート電位が接地電位であり、又チャネルの電位も接地電位である。そのため、各PMOSトランジスタのゲート酸化膜には、ストレス電圧が印加されない。
【0065】
所定時間が経過すると(s5)、階調電圧用制御レジスタ52をローレベルに設定するとともに、階調電圧用制御レジスタ53をハイレベルに設定する(s6)。これにより、階調出力電圧値を選択するトランジスタスイッチ回路45を構成する全トランジスタのソース電位は、電源電位となる。この時、階調出力電圧値を選択するトランジスタスイッチ回路45を構成する全PMOSトランジスタのゲート酸化膜には、ゲート電位である接地電位と、ソース電位と同等なチャネル電位である電源電位と、の差である電源電位と同じ電圧値のストレス電圧が印加される。一方、トランジスタスイッチ回路45を構成する各NMOSトランジスタでは、ゲート電位が電源電位であり、又チャネルの電位も電源電位である。そのため、各NMOSトランジスタのゲート酸化膜には、ストレス電圧が印加されない。
【0066】
そして、所定時間が経過すると(s7)、階調電圧用制御レジスタ52及び階調電圧用制御レジスタ53をローレベルに設定する(s8)。これにより、階調電圧用配線47−1〜47−64に供給する電源電圧供給用トランジスタ51−1〜51−64をオフ状態となるので、ストレス試験を終了する。
【0067】
このように、階調出力電圧値を選択するDAC回路35のトランジスタスイッチ回路45を構成するPMOSトランジスタ及びNMOSトランジスタを交互に選択して、ストレス電圧を所定時間印加することにより、2回のストレス印加サイクル時間でDAC回路35のトランジスタスイッチを構成する全てのトランジスタに対してストレス試験を実施することができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0069】
(1)それぞれ異なった値の階調電圧を出力する階調電圧供給手段と、該階調電圧供給手段に接続され、各階調電圧を供給するための複数の階調電圧供給ラインと、該各階調電圧供給ラインにそれぞれ接続され、階調データ入力端子から入力されたデータに応じて選択的に導通状態となる複数のトランジスタスイッチと、を備えた半導体集積回路は、ストレス試験回路として、該階調電圧供給手段から該階調電圧供給ラインへの階調電圧の供給を遮断する遮断手段と、該トランジスタスイッチの全てを同時に導通状態にする導通制御手段と、全トランジスタスイッチの該階調電圧供給ラインに接続された端子の電位を接地電位又は電源電位に制御する電位制御手段と、を備えているので、ストレス試験の際には、階調電圧供給手段から各階調電圧供給ラインへの階調電圧の供給を遮断して、トランジスタスイッチの全てを導通制御回路で同時に導通状態にするとともに、トランジスタスイッチの階調電圧供給ラインに接続された端子電位を、接地電位又は電源電位に制御した状態を所定時間継続することができる。よって、階調出力電圧値を選択するDAC回路のトランジスタスイッチを構成する全てのトランジスタに、同時にストレス電圧を印加することができ、ストレス試験時間を大幅に短縮することができるとともに、半導体集積回路の製造コストを低減することができる。また、ストレス試験を実施する階調出力電圧値を選択するDAC回路のトランジスタスイッチを構成するトランジスタのソース電位を、電源電位又は接地電位に設定してストレス試験を行うことができるため、ストレス実行電圧を最大値に制御することができる。さらに、ストレス試験によるストレス不良のスクリーニング効率を著しく向上させることができ、品質の高い半導体集積回路を提供することができる。
【0070】
(2)前記調電圧供給ラインに接続された端子が、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタのソースであるトランジスタスイッチを備えていることにより、トランジスタスイッチに対して、確実にストレス試験を実施できる。
【0071】
(3)前記階調電圧供給手段から前記各階調電圧供給ラインへの階調電圧の供給を前記遮断手段で遮断して、前記トランジスタスイッチの全てを前記導通制御回路で同時に導通状態にするとともに、前記トランジスタスイッチの前記階調電圧供給ラインに接続された端子電位を、前記電位制御手段で接地電位又は電源電位に制御した状態を所定時間継続することで、(1)に記載の半導体集積回路のストレス試験回路を用いて、トランジスタスイッチに対してストレス試験を実施する。よって、階調出力電圧値を選択するDAC回路のトランジスタスイッチを構成する全てのトランジスタに、同時にストレス電圧を印加することができ、ストレス試験時間を大幅に短縮することができるとともに、半導体集積回路の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る液晶駆動用半導体集積回路のストレス試験回路の概略構成図である。
【図2】導通制御手段として全SW選択信号入力端子12を設けたDAC回路35の構成図である。
【図3】本発明の液晶駆動用半導体集積回路のストレス試験回路でストレス試験を実施した際のタイミングチャートである。
【図4】ストレス試験の手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】n本の液晶駆動用信号出力端子から、それぞれm階調の出力電圧を出力可能な液晶駆動用半導体集積回路の概念図である。
【図6】液晶駆動用半導体集積回路の階調電圧値の例である。
【図7】液晶駆動用半導体集積回路のDAC及び周辺回路の構成図である。
【図8】液晶駆動用半導体集積回路におけるDAC回路の別の構成図である。
【図9】ストレス試験を説明するためのNMOSトランジスタの概略構成図である。
【図10】ストレス試験を説明するためのPMOSトランジスタの概略構成図である。
【図11】図5に示したDAC内のトランジスタスイッチに対するストレス試験を実施する際のタイミングチャートである。
【図12】液晶駆動用半導体集積回路のDAC回路のトランジスタスイッチに印加されるストレス電圧を説明するためのグラフである。
【図13】従来技術の概要図である。
【符号の説明】
1−液晶駆動用半導体集積回路
21−基準電源補正回路(階調電圧供給手段)
22−階調電圧用オペアンプ回路(遮断手段)
45−トランジスタスイッチ回路
47−階調電圧用配線(階調電圧供給ライン)
51−電源電圧供給用トランジスタ回路部(電位制御手段)
55−全スイッチ選択用レジスタ(導通制御手段)
56−OR回路(導通制御手段)
Claims (3)
- それぞれ異なった値の階調電圧を出力する階調電圧供給手段と、該階調電圧供給手段に接続され、各階調電圧を供給するための複数の階調電圧供給ラインと、該各階調電圧供給ラインにそれぞれ接続され、階調データ入力端子から入力されたデータに応じて選択的に導通状態となる複数のトランジスタスイッチと、を備えた半導体集積回路のストレス試験回路であって、
該階調電圧供給手段から該階調電圧供給ラインへの階調電圧の供給を遮断する遮断手段と、
該トランジスタスイッチの全てを同時に導通状態にする導通制御手段と、
全トランジスタスイッチの該階調電圧供給ラインに接続された端子の電位を接地電位又は電源電位に制御する電位制御手段と、を備えたことを特徴とする半導体集積回路のストレス試験回路。 - 前記トランジスタスイッチは、NMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタを備え、前記階調電圧供給ラインに接続された端子は、両トランジスタのソースであることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路のストレス試験回路。
- 請求項1に記載の半導体集積回路のストレス試験回路を用いたストレス試験方法であって、
前記階調電圧供給手段から前記各階調電圧供給ラインへの階調電圧の供給を前記遮断手段で遮断して、
前記トランジスタスイッチの全てを前記導通制御回路で同時に導通状態にするとともに、
前記トランジスタスイッチの前記階調電圧供給ラインに接続された端子電位を、前記電位制御手段で接地電位又は電源電位に制御した状態を所定時間継続することを特徴とする半導体集積回路のストレス試験回路を用いたストレス試験方法。
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