JP3739648B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の所属する技術分野】
本発明は,画像形成装置,特に複数の部門を有する会社内等のネットワーク上で使用される複写機,プリンタ,FAX等の画像形成装置において,各部門から送信されてくる画像データから,各部門毎のトナー使用量を計算し,上記計算結果に応じて,ネットワーク管理者に各部門毎のトナー使用量を通知する機能を有する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機はいまや白黒のみならず,カラーコピー機が主流になりつつあり,コンビニエンスストアにおいても,複写機を置いていない店舗はほとんどないといっても過言ではない。また,最近都市部において増加しはじめた画像データをプリントアウトすることを業とする業者もある。一般にこれらの出力装置においては,カラー出力のほうが白黒よりも高い。これは白黒出力に比べてカラー出力のほうが,主に写真等の画像データを扱うため,使用するトナーの量が多いと考えられているためである。
【0003】
従来これらの複写機や出力装置を使用する際には,出力する画像データがどのようなものであったとしても,1枚あたりの単価は同じであった。また,文書等を扱うことの多い白黒印刷では使用するトナーの量が少なく,また,写真や画像等を扱うことの多いカラー印刷では使用するトナーの量が多いと考えられてきた。しかしながら,実際は必ずしもそうとは言えない面がある。白黒印刷においても写真や画像の多いものを出力すれば,当然トナーの使用量は多くなるし,カラー印刷においても文字率の多い文書を出力するならば,トナーの使用量は少なくて済むだろう。ここにおいて,使用したトナーの使用量に応じて,課金する印刷機の登場が必要とされていた。
【0004】
この問題を解決する発明としては特開2000−19906号公報がある。上記発明ではカラー印刷において,シアン(C),マゼンダ(M),イエロー(Y),ブラック(BK)の4色の各トナーの使用量に応じて課金する印刷機を提案している。上記発明においては,出力するデータの種類に応じて代金が異なってくるため,1枚毎,若しくは複数枚印刷しようとしたときの全体での代金は当然異なってくる。また,あらかじめ出力する前にプレスキャンを行い,実際に印刷した場合の代金を知ることができる。このプレスキャンに係る経費は必要に応じて徴収する。
上の従来技術では,ユーザはプレスキャンよる画像データから利用料金を算出し,複写機利用前に表示された利用料金から複写を行うか否かを選択する利用料金先表示モードと,複写とトナー使用量の算出を平行して行い,複写後に料金を算出し,清算する利用料金後表示モードを選択することが可能である。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】
近年,会社や学校などのある一定以上の人数を有する組織内においては,1人1台のコンピュータ環境が実現している所も少なくない。そのような環境下においては,当然個人のコンピューターがネットワークで結ばれることになる。これは,組織内での文書のやり取りにおいて電子メールが中心になりつつあることや各個人のコンピュータ間で文書を共有することが必然的になっていることからの考えて当然のことと言える。また,上記のような環境下ではプリンタはネットワークに繋がり,個人の文書は上記共有のプリンタから印刷することになる。
【0006】
このようにネットワーク上から印刷する場合においては,各部署毎に印刷した枚数を管理するのが一般的である。しかしながら,印刷物の内容すなわち文字の比較的多い文書であるか,画像の多い文書であるかは各部署によって異なるであろう。例えば,企画部のようなプレゼンテーションの機会の多い部署の場合,取り扱う文書は写真やイラストの多いものとなって,印刷した場合のトナーの使用量は他部署に比べて多くなるだろう。それに比較すると経理部や総務部の場合には,取り扱う文書は比較的文字の多いものになりがちである。この場合,印刷した場合のトナーの使用量は他部署に比べて少なくなる。
【0007】
前記特開2000−19906号公報のように,カラー印刷においてトナーの使用量に応じて課金する画像形成装置はすでに公知である。しかしながら,個々のコンピュータやプリンタがネットワークに接続されていることが当然になっている現代においては,コピー機或いはプリンタにおいてプリンタがネットワークに接続されていることを前提として,接続された各部門からの出力について,各部門毎のトナーの使用状況を把握し,これまで白黒・カラーに係わらず出力した枚数で管理していたことにより発生していたトナーの使用状態による各部門間の不公平感を解消しようとする手段については,未だ世の中に存在しない。
【0008】
また,会社内においては各部門間の不公平感というよりも,管理者としては各部門がどの程度トナーを使用しているかを把握しておく必要があるだろう。このことによって,各部門に対する必要経費の割り当てを決定することができる。先の例で言えば,トナーを多く使うような文書を比較的多く印刷する部署に対しては,あらかじめ印刷に関する経費を多く割り当てておき,トナーをあまり使わない部署には経費を少なく割り当てておくといったことが可能である。あらかじめ,各部署に対する適正な経費を割り当てて置くことができれば,後で経費の調整を行う手間を省くことができ,管理者の負担を少なくすることにも繋がる。
【0009】
また,画像形成装置の中にはコピー機能あるいはプリンタ機能やFAX機能を持ち合わせているものがある。しかしながら,前記特開2000−19906号公報記載の技術はコピー機能に限定されているばかりでなく,ネットワークに接続することも考慮されていない。特に上記複合画像形成装置では各部門がどの機能を使用しているかを,管理者側で管理しておくことが望ましい。各部門によってこれらの機能の内どれを頻繁に使用するかは,異なるであろうし偏ったものになるであろう。管理者は,プリンタの効率的な保守・運営のために,各部門がどの機能を使用し,どのような印刷物即ちトナーの使用量及び出力した枚数を把握しておかなければならないからである。このように今後の画像形成装置は,多機能化する傾向があり,各毎にトナーの使用量を把握することが重要になりつつあるが,これまで,そのような画像形成装置は世に出ていない。
また,これまで,トナーの減り具合に対して,実際に行われたプリントジョブと比較することができなかったために,管理者は各部門がどのような印刷物を出力して,その結果としてトナーが減っていったのかを視覚的に確認する方法がなかった。
【0010】
更にまた,特にカラーコピーを行う場合,画像形成装置のトナーカートリッジ1本当たりのコピー枚数というスペックに記載されている枚数を出力する以前に,トナーがなくなってしまうという問題がある。これは,使用者側が,製造者側がスペックで保証している以上のトナー使用率でプリントジョブを行った結果起こる問題である。製造者側が保証するスペックはある平均値に一定のトナー使用率でプリントを行った場合については,可能な印刷可能枚数を記述しているのであって,使用者側がトナー使用率の高いプリントを行った場合はこの限りではない。ところが,これまでネットワークプリンタにおいて,各部門毎の印刷履歴とトナー使用率を関連付けて確認する手段がなかったために,上のように,突然トナー切れを生じるといった問題に当面する問題があった。
【0011】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,ネットワークに接続された各部門毎のトナーの使用率や使用量を管理者側において把握し,ネットワークプリンタの効率的な利用に役立てることにある。 また,処理の態様,即ち画像形成装置のコピー,FAX,ネットワークプリンタといった機能毎の着色料使用率あるいは使用量を明らかにして,適切な管理を行うことも本発明の目的である。また,使用履歴とトナー使用率を印刷データであるとともに,出力することによって,ユーザが各部門毎のトナー使用率を視覚的に認識できるようにすることも本発明の目的とするところである。更に,印刷枚数がスペックに満たない場合においても,トナーの使用履歴を,確認できるようにして,トナー使用量についての原因究明を効果的に行うようにすることも本発明の目的とするところである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために,本発明は,ネットワークに接続され,印刷データについて画像形成する画像形成装置において,
上記印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と,
上記画像形成を行う者の所属部門を識別する部門識別データを入力する部門識別データ入力手段と,
上記印刷データについての着色料使用量を算出する画像別算出手段と,
上記画像形成された上記印刷データについて上記部門識別データ,及び上記着色料使用量を関連付けて記憶する第1の履歴記憶手段と,
上記印刷データ記憶手段に記憶されている上記印刷データに基づいて,該印刷データのサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成手段と,
上記印刷データ記憶手段及び上記第1の履歴記憶手段の記憶情報に基づいて,上記部門毎に,該各部門に関連する上記サムネイル画像と少なくともこれに関連する上記着色料使用量とを一覧出力する第1の出力手段と,
を具備してなることを特徴としてなる画像形成装置として構成される。
従って,個々のコンピュータやプリンタがネットワークに接続されることになり,ネットワーク接続された各部門からの出力について,上記サムネイル画像から各部門の印刷物の傾向を把握することができる。
また,従来例のような数字による使用状況では視覚的に認識することができなかったトナーの減り具合と印刷ジョブとの関係について,上記の関係を数値だけではなく視覚的に把握することができる。
【0013】
また,本発明はネットワークに接続され,プリンタ,FAX及び複写機の機能のうちの複数種類の機能を有し,印刷データについて上記複数の機能のいずれかを用いて画像形成する画像形成装置において,
上記印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と,上記画像形成を行う者の所属部門を識別する部門識別データを入力する部門識別データ入力手段と,
上記印刷データについての着色料使用量を算出する画像別算出手段と,
上記画像形成された上記印刷データについて,上記部門識別データと上記着色料使用量と画像形成に用いた上記機能の種類とを関連付けて記憶する第2の履歴記憶手段と,
上記第2の履歴記憶手段の記憶情報に基づいて,部門毎に,該各部門に関連する上記着色料使用量と上記画像形成に用いた上記機能種類とを出力する第2の出力手段と,
を具備してなることを特徴としてなる画像形成装置として構成される。
前記特開2000−19906号公報では複写機機能のみに限定されていたが,本発明では機能が拡大されうる。更にこの場合には,管理者は各部門の前記機能の使用状況を明確に把握することができる。
また,それらの内容を印刷することによって,各部門に回覧することも可能であり,各部門に対し各機能の使用状況を理解させるとともに,使用状況に問題がある場合には警告を与えることも可能である。
【0014】
更に本発明は,前記第1若しくは第2の履歴記憶手段に記憶された上記部門識別データと,これに関連する前記着色料使用量とに基づいて,各部門毎の着色料使用量を算出する部門別算出手段と,該部門別算出手段による算出結果を出力する第3の出力手段と,を具備してなるものとしても捉えることができる。
これにより,これまで白黒・カラーに係わらず出力した枚数で管理していたことにより発生していたトナーの使用状態の不正確性が解消され,各部門間の不公平感を解消するこ とが可能になる。また,管理者は前記算出結果を出力することが可能である。管理者のみならず各部門に対して画像形成装置の使用状況を閲覧することが可能になり,例えば使用量の多い部門に警告を促すことも可能である。
【0015】
また,前記部門別算出手段が,更に各部門毎の着色料使用量あるいは使用率の平均値も演算し,前記出力手段が,各部門毎の着色料使用量あるいは使用率の平均値も出力してもよい。この場合には,例えば,製造者は使用者に突然のトナー切れに対して,製造者側がスペックで保証している以上の着色料使用率でプリントジョブを行った結果,起こる問題であるということを,各部門毎の着色料使用率の平均値を基に説明することが可能である。
【0016】
前記部門別算出手段が,更に各部門毎の着色料使用量の累積値も演算し,前記出力手段が,各部門毎の着色料使用量の累積値も出力してもよい。この場合には,管理者は各部門毎のトナーの使用状況を把握することが可能になり,管理者は各部門に対するトナー使用量に関する必要経費の割り当てに関する労力を小さくすることが可能である。
【0017】
1プリントジョブ毎のプレスキャンを行う手段を具備し,
上記プレスキャンにより得られた1プリントジョブ当たりの着色料使用量を予め通知する機能を更に具備していてもよい。このようにすれば,使用者は予め自身の印刷しようとする印刷データの着色料を把握することができ,例えば,前記着色料算出手段による算出結果から着色料の使用が多すぎるといった警告がなされている場合には,プリントの解像度を落として印刷することも可能である。
【0018】
着色料を貯蔵する着色料貯蔵手段を交換した際に,前記記憶手段の着色料使用量に関する記憶内容を初期化してもよい。このようにすれば,着色料貯蔵手段を交換した際に前記着色料使用量の平均及び前記着色料使用量の累積がリセットされることになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下,添付図面を参照して,本発明の実施の形態につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明の具体例であって,本発明の技術的範囲を限定するものではない。
以下の説明では,着色料の一例としてトナーを挙げているが,本発明においては,トナー以外のインキ,その他いかなる着色料を用いるものであっても良い。
ここに,図1は本発明の画像形成装置における信号の伝達経路を示すブロック図。図2は本発明の画像形成装置における処理のフロー図。図3は各色毎の画素データをデジタルデータとして記録した時の各色毎のプレーンを示す図。図4は操作パネルに表示された日時,部門を指定した場合の各種履歴及びトナーの使用率を示した図。図5は10枚プレスキャンを行った際に表示される各色トナーの使用率の出力例。図6はサムネイル画像作成フローを示す図。図7はサムネイル画像の出力の一例である。
【0020】
本発明の実施の形態に係わる画像形成装置の概略構成を図1を用いて説明する。
この実施の形態に係わる画像形成装置Aは,図1に示すように,使用者が,所属部門コード,若しくは部門識別カードの入力を行ったり,各種の表示や出力したい内容を入力するための操作部101(部門識別データ入力手段の一例)と,複写機能使用時に原稿を読み取るためのスキャナ部102と,ネットワークプリンタ及びFAX機能使用時に通信データを受信するための通信部103と,画像処理の態様が,コピー処理であるか,プリンタ機能による処理であるか或いはFAX機能による処理であるかのいずれかの機能を使用した処理であるかを判断する機能処理判断部104と,印刷時の各色のトナーの使用量を測定するトナー使用量検出部106と,感光ドラムを露光するレーザーの発光量を制御するレーザーユニット制御部109と,コンピュータ部105と,各色毎の画素データをデジタルデータの一覧として記憶する各色プレーン記憶部107と,画像形成装置の使用履歴を部門毎に記憶する部門管理記憶部108とを具備して構成されている。
上記トナー使用量検出部106は,各色毎のトナー使用量を検出する。トナー使用量検出部106によって検出されたトナー使用量情報は,コンピュータ部105で積算された後,部門管理記憶部108に記録される。
【0021】
上記部門管理記憶部108は印刷データ記憶手段108a,部門管理記憶手段108b,履歴記憶手段108cを備えて構成されている。
【0022】
また,上記コンピュータ部105は,スキャナ部102及び通信部103で受信した印刷データを前記印刷データ記憶手段108a(第2の記憶手段の一部の一例)に記憶するための形式に変換するための印刷データ変換手段105a,印刷データ毎のトナー使用量検出部で検出したトナー使用量の平均及び累積値を算出する画像別トナーデータ算出手段105b,上記履歴記憶手段108c(第1の記憶手段の一例,第2の記憶手段の一部の一例)に記憶された上記部門識別データと,これに対応する上記着色料使用量とに基づいて,各部門毎の着色料使用量を算出する部門別トナーデータ算出手段105cとを有して構成されている。
【0023】
次に図2に示した画像形成装置における処理フローを参照しながら,具体的に画像形成装置内で行われている処理の流れを説明していくことにする。ここにS201,S202…は処理手順(ステップ)の番号である。
トナーカートリッジの交換が行われると(S201),記憶領域のクリアが行われる(S202)。ここでいう記憶領域のクリアとは,交換したトナーカートリッジについての平均使用率及び累積使用率を0%にすることである。この動作は各色カートリッジを交換する毎に行われる。
【0024】
コピー開始ボタンが押されると(S203),最初に部門の入力を求めるコメントが操作部101の表示画面に表示される。そこで,オペレータは操作部101より部門管理コードを入力する(S204)。部門管理コードの入力は,部門管理コードが記録された記録カードを端末に入力するか,オペレータ自身が自分の部門を証明するために,個々に与えられた部門認識コードを複写機Aの操作部101に入力することによって行われる。操作部101は,複写機に付設している操作パネルであってもよいし,ネットワークに接続された端末のモニタ等であってもよい。
複写機Aをコピー機として使用する時には,画像入力部であるスキャナ部102に原稿をセットする(S205)。スキャナ部102は原稿が原稿載置台に載置され,操作部101から部門識別コードが入力されるとスキャナヘッドにより原稿を読み取る。このとき,機能処理判断部104はコピー開始ボタンが押されたことから,動作している機能がコピー機能であることを認識する。
FAX機能,ネットワークプリンタ機能使用時には,通信部103から送信されてくるコマンドにより,動作している機能がFAX機能あるいはネット・ワークプリンタ機能であることを認識する。
ネットワークプリンタ機能が使われている場合は,コンピュータ部105の部門別トナーデータ算出手段105cは,プリンタを使用しようとしているクライアントの所属から部門を判別する。また,FAX機能使用時には,コンピュータ部105の部門別トナーデータ算出手段105cは,通信部103から各部門宛に送られてきた印刷データからFAX機能であることを認識する。FAX情報にはどこの部門から送信されてきたという,部門識別情報がついているのでそれを基に部門が識別され,そのデータが部門管理記憶部108の部門管理記憶手段108bに記憶される。FAX機能を使用して部門識別情報を識別するためには,例えば各部門宛の内線番号を利用してもよいし,部門毎に割り当てられた部門識別コードを,送信側のFAXに入力してもらう方法でもよい。
【0025】
こうして画像が入力されると,次にコンピュータ部105において,各色毎のプレーン計算が行われる。即ち,送信されてきた画像データ,若しくは原稿載置台にセットされた原稿から,各プレーン毎の印字データを読み取る作業を行う(S207)。詳細には,トナー使用量検出部106が1プリントジョブ当たりの各色毎のトナー使用率を検出し,その情報をコンピュータ部105へと順次転送する。ここで,トナー使用率とは,ベタ原稿の印刷部分の面積を100%として,その色による着色部分の面積を%で表したものである。コンピュータ部105では,上記トナー使用率から部門情報と関連付けて部門毎のトナー使用率の平均値及び累積値を算出する。トナー使用量は,上記累積値と枚数から容易に計算される。算出結果は部門管理記憶部108の履歴記憶手段108cに,部門毎のトナー平均使用率,トナー累積使用率,及び各色毎のトナー使用量として記憶される。トナー累積使用率(トナー使用量から計算されるトナーカートリッジ1本分に対する使用量の比率)が100%になるとトナーカートリッジ検出部からその旨がコンピュータ部105へ指示され,トナーカートリッジ交換の警告が操作部101に表示される。
ここで,各色毎のプレーンは図3に示すように,各画素において印字する場合を1,印字しない場合を0とした,いわば各色毎の印字マップである。作成した各色についてのマップ情報を各色についてのプレーンと呼ぶ。プレーンは1と0で表されているので,当然デジタルデータである。このデジタルデータはコンピュータ部105を通じて各色プレーン記憶部106に記憶される。スキャナ部102で読み取られた印刷データ,若しくは通信部103を通じて送信されてきた印刷データはコンピュータ部105へと送られる。印刷データはデジタルデータとしてシアン(C),マゼンダ(M),イエロー(Y),ブラック(BK)毎にプレーンデータとして各色プレーン記憶部107に一時的に保存される。実際のコピー処理やプリント処理は,この各色プレーン記憶部107に記憶された画像情報に基づいて行われる。また,コピー処理などの終了したデータは,印刷データ記憶部108aに送られ,蓄積される。
【0026】
このように画像処理に用いられたプレーンデータなどの印刷データ,機能データ,その処理枚数や紙サイズ情報は,印刷データ記憶手段108a(印刷データ記憶手段の一例,第2の履歴記憶手段の一部の一例)に,処理依頼先を示す部門データは部門管理記憶手段108bに,また,各色毎のトナーの使用率の平均値や,累積値,累積使用率などは履歴記憶手段108c(第1の履歴記憶手段の一例,第2の履歴記憶手段の一部の一例)にそれぞれ画像毎に関連付けられて記憶される(S208)。
印字が終了する毎に(S209),トナー累積使用率が計算される(S210)。
【0027】
印刷の手順は概略以下の通りである。
コンピュータ部105は各色プレーン記憶部107に記憶された情報をもとに,各色毎のレーザー露光量を算出する。算出されたレーザー露光量に関するデータは,コンピュータ部105からレーザーユニット制御部109へ送信される。レーザーユニット制御部はコンピュータ部105からのデータに基づき,感光ドラムを感光する。既知のように感光ドラムの4回転で4色の露光が行われる。露光により形成されたカラートナー像は,転写器により複写紙に転写される。カラートナー像の転写を受けた複写紙は定着器により定着処理されて,排紙トレイに排出される。転写後の回転ドラムはクリーニング器によってクリーニングされる(S209)。
【0028】
トナー累積使用率が100%になると,操作部101にトナーカートリッジがなくなった旨の通知がなされ,印刷は中断される。ここで,トナーカートリッジの交換が行われると,そのトナーカートリッジに関しての使用状況についての情報は前記した如く全て消去され,初期化される。
【0029】
トナー使用量の印字が指示されたときには,部門管理記憶部108に記憶された情報をコンピュータ部105に呼び出し,操作部101より要求された項目についてコンピュータ部105で演算し,操作部101(第2,第3の出力手段の一例)に表示する。
操作部101に表示された部門管理出力例を図4に示す。図4には,管理者が要求した項目について,各部門の機能別,出力枚数,トナー毎の平均使用率が表示されている。図4に示した表示例はあくまで一例であり,表示項目は操作部101からの入力によって複数のパターンの表示が可能である。図4の例で,最後の行のトナー累積使用率は,前記の様に最後の各トナーカートリッジ交換時点から管理者による出力要望時点までに,トナーがどのくらい使用されたかをパーセンテージで示すものである。
【0030】
図4の例では,5%の使用率で15000枚出力可能な画像形成装置の場合に,シアンカートリッジの平均使用率は5%であり,現在の総印刷枚数は7500枚で,トナー累積使用率は50%になっている。それに比べるとマゼンダトナーの平均使用率は10%であるために,7500枚出力時点ですでにトナー累積使用率が100%になってしまっている。これはメーカの保証するスペックが5%の使用率で15000枚出力可能であるのに対し,マゼンダのトナーを2倍の10%の平均使用率で使用したためであることを示している。
【0031】
なお,このトナーの使用率に関する情報は,すでに印刷した印刷データに対する,部門管理記憶部108に記憶された情報からだけではなく,印刷を実行する前に,プレスキャンを行うことによって得ることも可能である。図5に示したように,複数枚(この場合は10枚)のプレスキャンを行い,各色トナーカートリッジの使用率を操作部1に表示することができる。この場合,同様のトナー使用率の原稿を印刷すると考えた場合,シアンカートリッジは使用率が5%なので,15000枚印刷可能である。しかしながら,マゼンダ,イエローカートリッジに関しては,5%の使用率を超えてしまっているので15000枚は印刷できないことが分かる。
【0032】
サムネイル画像の印字が指示されたときには,部門管理記憶部108に記憶された印刷データを印刷データ記憶手段108aからコンピュータ部105に呼び出し,操作部101より要求された項目についてコンピュータ部105で演算し,操作部101に表示する。
サムネイル画像の作成手順を図6に示す。まず,操作部101よりサムネイル画像出力の要求が入力される(S301)と,部門管理記憶部108に記憶された印刷画像データベース(印刷データ記憶手段108a)から,部門及び日時をキーワードに例えば,30枚の印刷データを検索する(S302)。更に,抽出された印刷データと関連付けられたトナー平均使用量を部門管理記憶部108の履歴記憶手段108cから抽出する(S303)。印刷データを保存するために圧縮若しくは保存する形式については,ここでは特に限定しない。部門管理記憶部108に保存されている印刷データは,サムネイル画像の出力要求が行われると,解凍されサムネイル化される。サムネイル画像は小サイズ化されたプレビューである。サムネイル画像に付加される出力枚数,トナー使用率といった項目は,操作部101で任意に設定可能である。上述のように印刷データは,コンピュータ部105(サムネイル画像生成手段の一例)でサムネイル化されたのち,操作部101から入力された情報を付加されて,A4サイズの用紙に30枚のサムネイル画像として印刷される(S304)。印刷の際に用いられる前記レーザーユニット制御部109,及び前記コンピュータ部が第1の出力手段の一例である。
【0033】
【発明の効果】
本発明は以上述べたように,上記の目的を達成するために,本発明は,ネットワークに接続され,印刷データについて画像形成する画像形成装置において,
上記印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と,
上記画像形成を行う者の所属部門を識別する部門識別データを入力する部門識別データ入力手段と,
上記印刷データについての着色料使用量を算出する画像別算出手段と,
上記画像形成された上記印刷データについて上記部門識別データ,及び上記着色料使用量を関連付けて記憶する第1の履歴記憶手段と,
上記印刷データ記憶手段に記憶されている上記印刷データに基づいて,該印刷データのサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成手段と,
上記印刷データ記憶手段及び上記履歴記憶手段の記憶情報に基づいて,上記部門毎に,該各部門に関連する上記サムネイル画像と少なくともこれに関連する上記着色料使用量とを一覧出力する第1の出力手段と,
を具備してなることを特徴としてなる画像形成装置として構成される。
従って,個々のコンピュータやプリンタがネットワークに接続されることになり,ネットワーク接続された各部門からの出力について,上記サムネイル画像から各部門の印刷物の傾向を把握することができる。
また,従来例のような数字による使用状況では視覚的に認識することができなかったトナーの減り具合と印刷ジョブとの関係について,上記の関係を数値だけではなく視覚的に把握することができる。
【0034】
また,本発明はネットワークに接続され,プリンタ,FAX及び複写機の機能のうちの複数種類の機能を有し,印刷データについて上記複数の機能のいずれかを用いて画像形成する画像形成装置において,
上記印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と,上記画像形成を行う者の所属部門を識別する部門識別データを入力する部門識別データ入力手段と,
上記印刷データについての着色料使用量を算出する画像別算出手段と, 上記画像形成された上記印刷データについて,上記部門識別データと上記着色料使用量と画像形成に用いた上記機能の種類とを関連付けて記憶する第2の履歴記憶手段と,
上記第2の履歴記憶手段の記憶情報に基づいて,部門毎に,該各部門に関連する上記着色料使用量と上記画像形成に用いた上記機能種類とを出力する第2の出力手段と,
を具備してなることを特徴としてなる画像形成装置として構成される。
前記特開2000−19906号公報では複写機機能のみに限定されていたが,本発明では機能が拡大されうる。更にこの場合には,管理者は各部門の前記機能の使用状況を明確に把握することができる。
また,それらの内容を印刷することによって,各部門に回覧することも可能であり,各部門に対し各機能の使用状況を理解させるとともに,使用状況に問題がある場合には警告を与えることも可能である。
【0035】
更に本発明は,前記第1若しくは第2の履歴記憶手段に記憶された上記部門識別データと,これに関連する前記着色料使用量とに基づいて,各部門毎の着色料使用量を算出する部門別算出手段と,該部門別算出手段による算出結果を出力する第3の出力手段と,を具備してなるものとしても捉えることができる。
これにより,これまで白黒・カラーに係わらず出力した枚数で管理していたことにより発生していたトナーの使用状態の不正確性が解消され,各部門間の不公平感を解消することが可能になる。また,管理者は前記算出結果を出力することが可能である。管理者のみならず各部門に対して画像形成装置の使用状況を閲覧することが可能になり,例えば使用量の多い部門に警告を促すことも可能である。
【0036】
また,前記部門別算出手段が,更に各部門毎の着色料使用量あるいは使用率の平均値も演算し,前記出力手段が,各部門毎の着色料使用量あるいは使用率の平均値も出力してもよい。この場合には,例えば,製造者は使用者に突然のトナー切れに対して,製造者側がスペックで保証している以上の着色料使用率でプリントジョブを行った結果,起こる問題であるということを,各部門毎の着色料使用率の平均値を基に説明することが可能である。
【0037】
前記部門別算出手段が,更に各部門毎の着色料使用量の累積値も演算し,前記出力手段が,各部門毎の着色料使用量の累積値も出力してもよい。この場合には,管理者は各部門毎のトナーの使用状況を把握することが可能になり,管理者は各部門に対するトナー使用量に関する必要経費の割り当てに関する労力を小さくすることが可能である。
【0038】
1プリントジョブ毎のプレスキャンを行う手段を具備し,
上記プレスキャンにより得られた1プリントジョブ当たりの着色料使用量を予め通知する機能を更に具備していてもよい。このようにすれば,使用者は予め自身の印刷しようとする印刷データの着色料を把握することができ,例えば,前記着色料算出手段による算出結果から着色料の使用が多すぎるといった警告がなされている場合には,プリントの解像度を落として印刷することも可能である。
【0039】
着色料を貯蔵する着色料貯蔵手段を交換した際に,前記記憶手段の着色料使用量に関する記憶内容を初期化してもよい。このようにすれば,着色料貯蔵手段を交換した際に前記着色料使用量の平均及び前記着色料使用量の累積がリセットされることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成装置における各種の処理を示すブロック図
【図2】 本発明の画像形成装置における処理フロー具体例を示した図
【図3】 各色毎の画素データをデジタルデータとして記録した,各色毎のプレーンを示す図
【図4】 操作パネルに表示された,日時,部門を指定した場合の各種履歴及びトナーカートリッジ使用量を示した図
【図5】 10枚プレスキャンを行った際に表示される各色トナーカードリッジの使用率の出力例
【図6】サムネイル画像作成フローを示す図
【図7】サムネイル画像の出力の一例である。
【符号の説明】
A…本発明の画像形成装置の概略
B…履歴記録部
101…操作部
102…スキャナ部
103…通信部
104…機能判断処理部
105…コンピュータ部
106…トナー使用量検出部
107…各色プレーン記憶部
108…部門管理記憶部
109…レーザーユニット制御部
Claims (7)
- ネットワークに接続され,印刷データについて画像形成する画像形成装置において,
上記印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と,
上記画像形成を行う者の所属部門を識別する部門識別データを入力する部門識別データ入力手段と,
上記印刷データについての着色料使用量を算出する画像別算出手段と,
上記画像形成された上記印刷データについて上記部門識別データ,及び上記着色料使用量を関連付けて記憶する第1の履歴記憶手段と,
上記印刷データ記憶手段に記憶されている上記印刷データに基づいて,該印刷データのサムネイル画像を生成するサムネイル画像生成手段と,
上記印刷データ記憶手段及び上記第1の履歴記憶手段の記憶情報に基づいて,上記部門毎に,該各部門に関連する上記サムネイル画像と少なくともこれに関連する上記着色料使用量とを一覧出力する第1の出力手段と,
を具備してなることを特徴としてなる画像形成装置。 - ネットワークに接続され,プリンタ,FAX及び複写機の機能のうちの複数種類の機能を有し,印刷データについて上記複数の機能のいずれかを用いて画像形成する画像形成装置において,
上記印刷データを記憶する印刷データ記憶手段と,
上記画像形成を行う者の所属部門を識別する部門識別データを入力する部門識別データ入力手段と,
上記印刷データについての着色料使用量を算出する画像別算出手段と,
上記画像形成された上記印刷データについて,上記部門識別データと上記着色料使用量と画像形成に用いた上記機能の種類とを関連付けて記憶する第2の履歴記憶手段と,
上記第2の履歴記憶手段の記憶情報に基づいて,部門毎に,該各部門に関連する上記着色料使用量と上記画像形成に用いた上記機能種類とを出力する第2の出力手段と,
を具備してなることを特徴としてなる画像形成装置。 - 前記第1若しくは第2の履歴記憶手段に記憶された上記部門識別データと,これに関連する前記着色料使用量とに基づいて,各部門毎の着色料使用量を算出する部門別算出手段と,
該部門別算出手段による算出結果を出力する第3の出力手段と,
を具備してなる請求項1又は2のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記部門別算出手段が,更に各部門毎の着色料使用量の平均値も演算し,前記第3の出力手段が,各部門毎の着色料使用量の平均値も出力してなる請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記部門別算出手段が,更に各部門毎の着色料使用量の累積値も演算し,前記第3の出力手段が,各部門毎の着色料使用量の累積値も出力してなる請求項3又は4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 1プリントジョブ毎のプレスキャンを行う手段を具備し,上記プレスキャンにより得られた1プリントジョブ当たりの着色料使用量を予め通知する機能を更に具備してなる請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 着色料を貯蔵する着色料貯蔵手段を交換した際に,前記第1若しくは第2の記憶手段の着色料使用量に関する記憶内容を初期化してなる請求項請求項1〜6のいずれかに記載の画像形成装置。
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