JP3739043B2 - 脱水装置における脱水制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱水装置における脱水制御方法に関し、とくに、凝集剤を添加した汚泥を重力により濾過、脱水した後加圧脱水するベルトプレス型やスクリュープレス型の脱水装置に好適な脱水制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
下水処理場やし尿処理場、各種産業排水処理場などから発生する汚泥を脱水してケーキ状物とする処理技術は広く知られている。この汚泥処理においては、効率の良い脱水を行うために、通常、原汚泥に凝集剤(たとえば高分子凝集剤)を添加して汚泥を凝集させ、該汚泥を脱水装置に供給している。脱水装置では、凝集汚泥を重力により濾過、脱水し、水分が減少した汚泥を加圧脱水してケーキ状物にまで処理するようにしている。このような脱水装置として、周回する濾布上に汚泥を供給し、重力脱水部で重力により濾過、脱水した後加圧脱水するベルトプレス型脱水装置(たとえば、特公平3−7478号公報に示されている脱水装置)や、回転するスクリューの送り方向基部に汚泥を供給し、まず重力により濾過、脱水した後、スクリューで加圧脱水するスクリュープレス型脱水装置が知られている。
【0003】
上記のような脱水装置においては、とくに重力脱水部における濾過、脱水状態が、その後の加圧脱水性能、ひいては脱水装置全体の処理性能や、脱水装置のトラブルや汚染発生防止に大きな影響を及ぼす。
【0004】
すなわち、処理対象汚泥は、重力脱水部において極力濾過、脱水された方が、その後の加圧脱水が効率良く行われ、装置全体の処理能力が向上する。この重力脱水部における濾過、脱水特性は、供給されてくる汚泥の凝集状態に大きく依存し、その凝集状態は、凝集剤の添加率(添加量)に大きく依存する。
【0005】
凝集剤は、比較的高価なもので、汚泥処理費用全体に対し大きな割合を占めるため、極力必要最小限の添加量にとどめ、過剰添加を回避することが望まれる。
【0006】
ところが、近年、処理対象汚泥が多様化し、その性状も不安定で頻繁に変動することがあるので、一定の凝集剤添加量では対応し切れなくなっており、かつ、上記のように性状が不安定でかつ変動する供給汚泥に対し常に最適な凝集剤添加率に制御することも困難となっている。したがって、原汚泥に対して凝集剤の添加量のバランスが崩れることがあり、添加量のわずかなバランスの崩れによって、凝集不良状態の汚泥が脱水装置に供給されてしまうことになる。
【0007】
凝集不良の汚泥が脱水装置に供給されると、重力脱水を十分に行えなくなるため、たとえばベルトプレス型脱水装置においては濾布の両端部から汚泥が流出したり、濾布の進行方向に走り出すといった、いわゆるサイドリーク現象が発生する。また、重力脱水部に後続する加圧脱水部での処理が不十分となったり、加圧脱水部でもサイドリーク現象が発生したりする。このような事態が発生すると、目標とする適正な汚泥処理が行われなくなるばかりか、脱水装置およびその周辺の汚染を発生させ、さらには脱水装置にトラブルを生じさせる原因にもなる。
【0008】
したがって、従来、管理者側においては、上記のようなサイドリーク現象等の不都合の発生防止のために、重力脱水部において十分に濾過、脱水が行われるよう、凝集剤添加率を若干高めに設定し、原汚泥の性状が変動する場合にあっても、凝集剤の添加量不足によるサイドリーク現象等の不都合が発生しないようにしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが前述の如く、凝集剤は比較的高価なものであるので、ランニングコスト低減のためには、過剰添加を回避し、極力必要最小限の添加量に抑えることが望まれる。また、多量の凝集剤の添加は、ケーキ状に固められた汚泥を焼却する際のCO2 発生量増大の原因になる。
【0010】
逆に凝集剤の添加量を少なく抑えすぎると、とくに汚泥の性状が変化した場合に凝集不足が発生し、前述の如きサイドリーク現象等の不都合の発生を招く。
【0011】
そこで本発明の課題は、重力脱水部を有する脱水装置において、汚泥の性状にかかわらず、凝集剤の添加量を、過剰および過少のない最適な範囲に精度良く制御できるようにし、サイドリーク現象等の不都合の発生を防止するとともに、凝集剤の使用量を必要最小限に抑えて汚泥処理費用を低減することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る脱水装置の脱水制御方法は、凝集剤が添加された汚泥を実質的に重力により濾過、脱水する重力脱水部を備えた脱水装置における脱水制御方法において、重力脱水部における濾液量またはそれに相関する量を、重力脱水部の濾液流出部に汚泥送り方向に沿って配置された少なくとも2個の濾液量検出手段により検出し、両濾液量検出手段の検出値の和に対するいずれか一方の濾液量検出手段の検出値の比率が予め設定した所定値以上となるように、両濾液量検出手段の検出値の和に対する両濾液量検出手段の検出値の差の比率を参照しながら、汚泥への凝集剤の添加量を制御することを特徴とする方法からなる。
【0013】
この方法においては、上記所定値を、両濾液量検出手段の検出値の和に対する前段の濾液量検出手段の検出値の比率として設定することもできるが、両濾液量検出手段の検出値の和に対する後段の濾液量検出手段の検出値の比率を、前記所定値として設定する方が好ましい。この比率が所定値よりも小さくなると、汚泥の凝集不足が生じるおそれが高くなり、サイドリーク現象等の原因となる。つまり、この所定値は、サイドリーク現象等の不都合を生じさせないための、凝集限界の目安となり、当該脱水装置固有の値として設定することが可能である。後段の濾液量検出手段の検出値の比率に対して所定値を設定することで、後続の加圧脱水部により近い位置で汚泥凝集状態の判断を行うことができるようになる。
【0014】
また、本発明に係る方法においては、両濾液量検出手段の検出値の和に対するいずれか一方の濾液量検出手段の検出値の比率が、前記所定値以上の範囲内でより小さな値となるように(極力小さな値となるように)、前記差の比率を参照しながら凝集剤の添加量を制御することが好ましい。これによって、サイドリーク現象等の不都合の発生を防止しつつ、凝集剤の添加量を小さく抑えることが可能となる。
【0015】
本発明において、濾液量検出手段としては、重力脱水部における濾液量またはそれに相関する量を検出できるものであれば特に限定されない。たとえば、発光手段と受光手段とを備えた光センサを用いることができ、光センサの発光手段には、発光ダイオードやレーザ光を適用でき、中でも安価な発光ダイオードが好ましい。光センサで検出された吸光度から、濾液量またはそれに相関する量を求めることができる。ここで「吸光度」とは、発光手段から発せられた光の強さをI0 、受光手段に到達した光の強さをIとしたとき、log(I0 /I)のことを言う。因みに、I/I0 は透過率である。
【0016】
このような本発明に係る制御方法は、周回する濾布を備え、該濾布上に供給された汚泥を実質的に重力により濾過、脱水する重力脱水部と、重力脱水部からの汚泥を加圧しながら脱水する加圧脱水部とを有する、ベルトプレス型脱水装置、および、回転するスクリューを備え、該スクリューの基部に供給された汚泥を実質的に重力により濾過、脱水する重力脱水部と、重力脱水部からの汚泥を加圧しながら脱水する加圧脱水部とを有するスクリュープレス型脱水装置、のいずれにも適用できる。
【0017】
本発明に係る脱水装置における脱水制御方法においては、重力脱水部の濾液流出部に汚泥送り方向に沿って配置された少なくとも2個の濾液量検出手段により検出された、重力脱水部における濾液量またはそれに相関する量から、両検出値の和に対するいずれか一方の検出値の比率、両検出値の和に対する両検出値の差の比率に基づいて、汚泥への凝集剤の添加量が、過剰、過少にならないように制御される。制御に用いる値は、両検出値の和に対する、いずれか一方の検出値および両検出値の差の比率だけであるから、汚泥の性状に無関係に制御することが可能となり、確実に、サイドリーク等の不都合の発生を防止しつつ、凝集剤使用量の低減をはかることが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の望ましい実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1ないし図3は、本発明の一実施態様に係る制御方法に用いる脱水装置と、その脱水装置を用いた脱水システムを示している。図1において、1は、ベルトプレス型脱水装置を示しており、該脱水装置1に、処理対象汚泥として、凝集剤が添加された凝集汚泥が供給される。脱水装置1は、ロール間に掛け渡され、周回駆動される第1の濾布2と、これとは別にロール間に掛け渡され、周回駆動される第2の濾布3とを有している。凝集汚泥は、実質的に重力によって濾過、脱水される重力脱水部4に供給されるが、この重力脱水部4は、主として、第1の濾布2のロール5、6間部分に形成されている。ただし、ロール6で反転した後の部分でも、重力脱水部の一部が構成されている。第2の濾布3は、ロール7の位置で第1の濾布2と重ね合わされ、これらの間に汚泥を挟持した状態で第1の濾布2とともに走行される。実質的にこのロール7以降の部分で加圧脱水部8が構成されている。重力脱水部4における濾液は受けパン9を介して排水され、加圧脱水部8を含めた装置全体からの濾液が、排液口10を通して排水される。
【0019】
第1の濾布2と第2の濾布3は、間に汚泥を挟持した状態で複数のロールの外周に沿って走行されるが、この間に汚泥が挟圧(プレス)され、さらに脱水される。最終段の剥離ロール11の位置で両濾布2、3が互いに剥離され、各周回経路へと分離される。この剥離ロール11の位置では、さらにプレス用のベルト12が押圧されて脱水され、脱水ケーキ13がベルトコンベア14上に排出される。この部分には、脱水ケーキ13を第2の濾布3から掻きとるためにスクレーパ15が設けられている。
【0020】
本実施態様においては、重力脱水部4に、濾液量を検出する濾液量検出手段が、汚泥の送り方向に沿って2つ設けられている。本実施態様では、汚泥の送り方向上流側に前段の濾液量検出手段21が、下流側に後段の濾液量検出手段22が配置されている。
【0021】
本実施態様では、これら濾液量検出手段21、22は、図2に示すように、重力脱水部4の濾液流出部、つまり、重力脱水部4における第1の濾布2の下方の位置に、流出してくる濾液を間に対向配置された発光手段21a(22a)と受光手段21b(22b)とを備えた光センサ21、22から構成されている。光センサ21、22の発光手段21a、22aには、発光ダイオードやレーザ光が適用でき、中でもコスト的に発光ダイオードの適用が好ましい。
【0022】
これら光センサからなる濾液量検出手段21、22は、発光手段21a、22aからの光が受光手段21b、22bに到達する際に、その間に位置する流出濾液によっていかに吸収されるかを検出することによって濾液量を検出するものであり、具体的には光の透過率(I/I0 )を検出するものである。この光の透過率は、光の吸収率、つまり、濾液量に逆比例するから、これを考慮して濾液量を検出することが可能になる。
【0023】
なお、濾液量検出手段21、22としては、上記のような光センサに限定されるものではなく、濾液量が検出できるものであればいかなる手段であってもよい。たとえば、流出濾液によって羽根車を回転させる機械的な濾液量検出手段や、流出濾液の量を三角堰などを用いて測定する濾液量検出手段などの使用も可能である。
【0024】
上記のような脱水装置1を用いて、脱水システムとしては次のように構成される。たとえば図3に示すように、脱水装置1には、原汚泥が汚泥供給ポンプ31により、流量計32で計量されつつ供給されるが、この原汚泥に、凝集剤が、凝集剤供給ポンプ33により、流量計34で計量されつつ添加される。凝集剤が添加された汚泥は、凝集反応槽または攪拌槽35で攪拌機36によって攪拌されながら混合され、凝集が促進される。そして、この凝集汚泥が、前述の如く脱水装置1の重力脱水部4に供給される。
【0025】
流量計32、流量計34の信号は制御装置37に送られ、制御装置37からは、ポンプ31、33に、汚泥供給量、凝集剤添加量の制御信号(ポンプ駆動モータへの作動制御信号)がそれぞれ送られる。重力脱水部4に設けられた濾液量検出手段21、22による検出信号は、制御装置37、とくにその演算処理部38に送られ、該演算処理部38での演算結果が、以下に述べるような制御に用いられ、場合によっては監視用に表示される。
【0026】
このように構成された脱水装置1において、本発明に係る脱水制御方法はたとえば次のように行われる。
まず、濾液量検出手段21、22により、重力脱水部4における濾液量またはそれに相関する量が検出される。そして、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対するいずれか一方の濾液量検出手段(本実施態様では後段の濾液量検出手段22)の検出値の比率と、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する両濾液量検出手段21、22の検出値の差の比率を演算処理部38で演算する。この演算された、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する後段の濾液量検出手段22の検出値の比率が予め設定した所定値以上となるように、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する両濾液量検出手段21、22の検出値の差の比率を参照しながら、汚泥への凝集剤の添加量が制御装置37により制御される。
【0027】
制御は、後述する図8に示したフローに沿って行われるが、ここでまず、本制御において、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する後段の濾液量検出手段22の検出値の比率が予め設定した所定値以上となるように制御することの有効性、および、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する両濾液量検出手段21、22の検出値の差の比率を参照しながら制御することの有効性について、実験結果に基づいて説明する。
【0028】
図4〜図7は、実験において、それぞれ異なる条件下での(図4〜図7はそれぞれ異なる系統での実験結果を示している。)、凝集剤添加率を変えた場合の、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する後段の濾液量検出手段22の検出値の比率(No.2比率と表示)、および、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する両濾液量検出手段21、22の検出値の差の比率(差の比率と表示)の変化特性(変化結果)を示している。
【0029】
これらの実験結果から、以下のことが判明した。すなわち、特に気候、降水量によって汚泥の性状は大きく変化するが、汚泥の性状に関係なく、そのときの被処理汚泥に対して、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する後段の濾液量検出手段22の検出値の比率(No.2比率)と、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する両濾液量検出手段21、22の検出値の差の比率とは、一対にまとまった特性を示す。つまり、No.2比率は上に凸(下に凹)の変化特性を示し、差の比率は下に凸(上に凹)の変化特性を示し、これら両特性のカーブが上下逆転するだけで、極大値、極小値となる凝集剤添加率の値がほぼ一致した、一対の特性として現れる。そして、各系統ごとに、汚泥の性状に関係なく、No.2比率がある値を下回ると、凝集不良が発生する。したがって、この値を、本発明における凝集限界を示す「所定値」として設定することができる。
【0030】
この所定値以上にNo.2比率を保てば、凝集不良が回避され、サイドリーク現象等の不都合の発生を防止できる。この所定値以上に保つために、さらに、その所定値以上の範囲内で凝集剤の添加量を最適に制御するためには、現在の汚泥の性状に対し上記特性線上のどの点の状態を示しているかを把握できればよい。これを、主として、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する両濾液量検出手段21、22の検出値の差の比率から判断するのである。つまり、現在の制御状態が、下に凸(上に凹)の変化特性線上のどの位置にあるのかを把握できれば、凝集剤の添加量をどのように変更制御すればよいかを求めることができる。そして、No.2比率を上記所定値以上に保ちつつ、凝集剤の添加量を可能な範囲で小さく抑えることが可能になる。
【0031】
このような実験結果に基づく技術思想を前提とし、たとえば図8に示すようなフローにしたがって凝集剤の添加量を最適な量に制御することができる。
【0032】
図8に示すフローにおいては、フローがスタートした後、まずステップS1にて凝集剤添加量の増減操作の初期値が設定されている(まだ何も操作をおこなっていないのでff=−1で設定されている。添加量を増やす場合はff=1、減らす場合はff=0を後のステップで入力する)。
【0033】
次に、ステップS2において、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する両濾液量検出手段21、22の検出値の差の比率a、両濾液量検出手段21、22の検出値の和に対する後段の濾液量検出手段22の検出値の比率(No.2比率)bを設定する。a0 は前回値であり、演算、判定のたびに、それぞれ新しいnew a、new bに更新される。
【0034】
次に、ステップS3において、現在の濾液量検出手段22の検出値の比率bの値が所定値以上であるか否かが判定される。図8に示す例では、所定値として0.42が設定されている。b≧0.42の場合には、前述の図4〜図7に示した特性から、aの値に関係なく凝集剤の添加量qを減らすことが可能である。したがって、ステップS4にて、q=q−Δq、ff=0とし、凝集剤の添加量を減らす(qは現在の凝集剤添加量)。これによって、現在の凝集剤添加量qに対しある変化量Δqだけ減少させ、より最適な凝集剤添加量(つまり、極力少ない凝集剤添加量)へと近づける。そして、ステップS2へと戻るが、このループはbが0.42より若干小さくなるまで続けられる。これによって、bを所定値以上に保つことのできる、実質的に最小の添加量とされる。ここで、判断基準となる所定値0.42には、±0.02〜0.05程度の幅で不感帯を設定しておくとよい。
【0035】
ステップS3においてb<0.42と判定されると、ステップS5において、ff=−1か否か(まだ何も操作を行っていない状態か否か、つまり、初回か否か)の判定が行われ、ff=−1の場合には、本実施態様では、ステップS6にて、まず無条件に凝集剤添加量を増加させることとしている。
【0036】
ステップS5において初回の操作ではないと判定されると、ステップS7において、aの値を前回値a0 と比較する。aの値が前回値a0 よりも小さくなったと判定されると、ステップS8においてそれが凝集剤の添加量を増やした(ff=1)結果か否かが判定される。凝集剤の添加量を増やした結果aの値が前回値a0 よりも小さくなったと判定された場合には、現在のaは、図9の(A)に示すように、aの特性線における極小値よりも左側の領域Aに位置していることになり、このときb<0.42であるので、まだ凝集剤の添加量を増やし足らないことになり、ステップS6にて凝集剤の添加量を増やす操作を行う。
【0037】
一方、ステップS8においてaの値が前回値a0 よりも小さくなったのが凝集剤の添加量を増やした結果ではないと判定されると、凝集剤の添加量を減らしたのにaが減ったことになるから、現在のaは、図9の(B)に示すように、aの特性線における極小値よりも右側の領域Bに位置していることになり、このときb<0.42であるので、まだaの値を下げ足らない(凝集剤の添加量を減らし足らない)ことになり、ステップS4にて凝集剤の添加量を減らす操作を行う。
【0038】
ステップS7において、aの値が前回値a0 よりも大きくなったと判定されると、ステップS9においてそれが凝集剤の添加量を増やした(ff=1)結果か否かが判定される。凝集剤の添加量を増やした結果aの値が前回値a0 よりも大きくなったと判定された場合には、現在のaは、図9の(B)に示すように、aの特性線における極小値よりも右側の領域Bに位置していることになり、このときb<0.42であるので、aの値を下げる必要があり、ステップS4にて凝集剤の添加量を減らす操作を行う。
【0039】
ステップS9において、aの値が前回値a0 よりも大きくなったのが凝集剤の添加量を減らした結果だと判定されると、現在のaは、図9の(A)に示すように、aの特性線における極小値よりも左側の領域Aに位置していることになり、このときb<0.42であるので、aの値を下げる必要があり、ステップS6にて凝集剤の添加量を増やす操作を行う。
【0040】
このようなフローに沿った制御により、bを所定値(0.42)以上に保ちつつ、可能な範囲内で、凝集剤の添加量を小さく抑えることが可能になる。したがって、凝集不良を防止してサイドリーク等の不都合の発生を防止できるとともに、凝集剤の添加量を極力小さく抑えることができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の脱水装置における脱水制御方法によれば、実質的に汚泥の性状に無関係に、凝集剤の添加量を、過剰および過少の生じない最適な範囲に精度良く制御できるようになり、サイドリーク現象等の不都合の発生を防止して常時円滑な運転状態を確保しつつ、凝集剤の使用量を必要最小量に抑えて汚泥処理費用を大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る脱水制御方法を実施するための脱水装置の概略構成図である。
【図2】図1の装置の光センサ部の概略拡大正面図である。
【図3】図1の脱水装置を含む脱水システムの概略構成図である。
【図4】本発明方法における基本技術思想を確認するための実験結果を表す特性図である。
【図5】本発明方法における基本技術思想を確認するための別の実験結果を表す特性図である。
【図6】本発明方法における基本技術思想を確認するためのさらに別の実験結果を表す特性図である。
【図7】本発明方法における基本技術思想を確認するためのさらに別の実験結果を表す特性図である。
【図8】本発明方法における制御の一例を示すフロー図である。
【図9】図8のフローにおける特性aの判定領域を示す説明図である。
【符号の説明】
1 脱水装置
2、3 濾布
4 重力脱水部
8 加圧脱水部
21 前段の濾液量検出手段
22 後段の濾液量検出手段
31 汚泥供給ポンプ
33 凝集剤供給ポンプ
37 制御装置
38 演算処理部
Claims (5)
- 凝集剤が添加された汚泥を実質的に重力により濾過、脱水する重力脱水部を備えた脱水装置における脱水制御方法において、重力脱水部における濾液量またはそれに相関する量を、重力脱水部の濾液流出部に汚泥送り方向に沿って配置された少なくとも2個の濾液量検出手段により検出し、両濾液量検出手段の検出値の和に対するいずれか一方の濾液量検出手段の検出値の比率が予め設定した所定値以上となるように、両濾液量検出手段の検出値の和に対する両濾液量検出手段の検出値の差の比率を参照しながら、汚泥への凝集剤の添加量を制御することを特徴とする、脱水装置における脱水制御方法。
- 両濾液量検出手段の検出値の和に対する後段の濾液量検出手段の検出値の比率を、前記所定値として設定する、請求項1の脱水装置における脱水制御方法。
- 両濾液量検出手段の検出値の和に対するいずれか一方の濾液量検出手段の検出値の比率が、前記所定値以上の範囲内でより小さな値となるように、前記差の比率を参照しながら凝集剤の添加量を制御する、請求項1または2の脱水装置における脱水制御方法。
- 前記濾液量検出手段として、発光手段と受光手段とを備えた光センサを用いる、請求項1ないし3のいずれかに記載の脱水装置における脱水制御方法。
- 前記光センサで検出された吸光度から、濾液量またはそれに相関する量を求める、請求項4の脱水装置における脱水制御方法。
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