JP3738840B2 - 粉体と液体の混合装置及びその方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体を液体と混合する際、特に液体が溶媒である場合、粉体が「だま」や「ままこ」といった未溶解物となるのを防止して、粉体を液体に対して均一にしかも連続して混合することのできる紛体と液体の混合装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、粉体を液体に対して連続的に混合することが行われているが、特に液体が溶媒である場合、粉体の塊が周囲のみ溶解し内部まで液体が浸透していない、いわゆる「だま」や「ままこ」といった未溶解物が発生し、粉体を液体に対して均一に混合することができなかった。このため、未溶解物によって混合精度が常に一定とはならず様々な問題となっていた。これを解決するために種々の方法及び装置が提案されてきた。
【0003】
粉体と液体とを連続的に混合する手段としては、特開昭61−238329号公報には、「ポリマーの溶解方法」が開示されている。図4に示すように、この溶解方法では、微粒子状態の固体ポリマー20を容器21から自由落下させるとともに、容器21の下方側に自由落下方向と交差するジェット水流22を配している。同ジェット水流22によって容器21から落下する固体ポリマー20を捕捉すると共にし、混合した溶液23及び固体ポリマー20を収容する容器25に配した傾斜板24に対して前記固体ポリマー20を捕捉したジェット水流22を衝突させ、これによって「だま」の発生を防止して固体ポリマー20を水と混合させている。
【0004】
しかし、この「ポリマーの溶解方法」では、落下する固体ポリマーを捕捉するためには、ジェット水流の水量を多量に使用しなければならず、このため、低濃度での混合しか行うことができなかった。また、ジェット水流と傾斜板との衝突により、水滴が周囲に飛散すると共に飛散した水滴や霧が外部に漏れてしまう危険性があった。
【0005】
特開平8−283418号公報には、「水溶性高分子粉末の溶解方法」が開示されている。この溶解方法では、溶解容器内に攪拌用の高速回転翼を設け、高速回転翼を回転させて溶剤の攪拌を行っているところに、所定量の水溶性高分子粉末を短時間に投入し、投入終了後に昇温して水溶性高分子粉末を溶解させている。
【0006】
この方法では、所定量の水溶性高分子粉末を溶解させた後、その後改めて所定量の水溶性高分子粉末を溶解させなければならず、水溶性高分子粉末を連続して溶解させることができなかった。
【0007】
特開平7−22918号公報には、「液体と他の物質の混合方法及び混合装置」が開示されている。図5に示すように、この混合方法及び装置では、真空状態にすることができる混合容器30内に水平面内で回転する回転板31を設け、混合容器30内を真空ポンプ32により真空状態として、同回転板31の回転中心近傍に液体供給管33で液体を供給し、同液体を回転板31の遠心力で薄膜状に展開させる。同薄膜状に展開した液体の上にホッパー34からの粉体35を徐々に落下させて拡がらせるとともに、液体と粉体とに作用する遠心力の違いにより、ズリ切断と称される相互のずれを生じながら混合を行っている。また、回転板の外周側には滞留リング36を設けて、遠心方向に投射される液体と粉体との混合液を強制的に受けとめ、滞留リング36から混合容器内に混合液を落下させている。
【0008】
この方法及び装置では、回転板の回転数を上げすぎると液体が薄膜状に展開できず、逆に回転板上への落下によって液体や粉体が飛散してしまう事態が発生した。また、混合容器内を真空状態にするための設備が必要であり、回転板を回転駆動するモータや、滞留リングといった部材が必要であり、装置が大型化せざるを得なかった。
【0009】
また、図6に示すように、ロート状の混合装置40の内周面に沿って螺旋状に液体42を流出させ、同液体42上に粉体41を落下させて粉体41と液体42とを混合する装置も用いられている。このとき、液体の溶解性を低下させることで「だま」や「ままこ」の発生を防止している。このため、液体の温度を冷却させる装置が必要であった。また、液体の溶解性を低下させているために、粉体の塊に対してその内部まで液体を浸透させるためには、粉体と液体とが混合するために接触している距離や混合時間を長くする必要があった。
【0010】
本願出願人に係わる特開2000−328346号公報には、「アクリロニトリル系ポリマーの紡糸用原液の調整方法」が開示されている。この調整方法は、粉体状のアクリロニトリル系ポリマーと溶剤である液体とを混合室内で連続的に混合してスリラー化する調整方法であり、図7に示すように、混合室45の上部に形成してあるポリマー投入口46の内壁面48を常時液体で濡らしながら、ポリマー投入口46からポリマーを落下させて供給するとともに、混合室45の周壁に形成されている多数の小口径ノズル47からは、少なくとも2方向以上の方向から液体を混合室内に吹付けて、ポリマーと液体とを連続的に混合させる調整方法である。
【0011】
この調整方法では、ポリマー投入口46から供給されたときに舞い上がったポリマー微粉が、投入口の内壁面48に付着し、付着したポリマー微粉に蒸発あるいは飛散した溶剤である液体が取り付いて「だま」の塊が発生するのを、投入口内壁面48を濡れ壁とすることで防止している。また、小口径ノズル47から吹付ける液体が1点(中心点)に集中することがなく、多方向に分散して吹付けるようにしているので、液体同士が衝突して飛散することを抑制することができ、ポリマーを効果的に分散させることが可能となっている。
【0012】
しかし、この公報で開示されている混合装置としての構成は、混合室45の上部が開放したポリマー投入口46となっており、しかも、ポリマー投入口46の上方に設けた搬送装置から直接ポリマーを混合室45内に投入する構成となっている。このため、この混合装置の構成では、混合室内に投入されたポリマーが舞い上がって、ポリマーが混合室の外部に飛び散ったり、投入後落下したポリマーが混合室の中心部領域に集中的に供給され難く、ノズルから噴射される液体との混合が均一に行われ難くなっている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記特開2000−328346号公報に開示された技術を改良したもので、粉体と液体との混合時に「だま」や「ままこ」の発生を防ぎ、均一に混合でき、しかも所望の濃度での混合を連続的に行うことのできる混合装置及び混合方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本願発明の課題は本願請求項1〜4に記載された各発明により達成される。
即ち、本願請求項1に係る発明は、軸心が同心状で鉛直方向を向く上部円筒部と下部円筒部とを備え、前記上部円筒部の上端部を覆う閉塞部を有し、下端に流出口を有する円筒状容器と、同円筒状容器の周方向に沿った周面に配され、同円筒状容器の内部空間に向く複数の噴出孔と、同各噴出孔に接続する液体供給部と、前記円筒状容器内に配され、同円筒状容器の軸心と同心状の上方開口部と下方開口部とを有し、前記噴出孔の上方部位に位置する前記下方開口部から粉体を連続的に定量自由落下させる管路とを備えたことを特徴とする粉体と液体の混合装置にある。
【0015】
この発明では、円筒状容器の周方向に設けた複数の噴出孔から円筒状容器の内部に向けて、液体供給部から供給された液体を噴射することができ、同噴出孔の上方部位に設けた管路の下方開口部から、前記液体が噴射されている場所に粉体を連続的に定量自由落下させることができる。
このため、管路から連続的に定量自由落下した粉体は、円筒状容器の中心部領域に自由落下して噴射流となった液体と衝突し、同液体により粉体を連続的に混合することができるようになる。仮に、粉体が塊の状態で管路から自由落下したとしても、各方向からの噴射流により塊は崩壊され、「だま」や「ままこ」といった不溶解物や未分散の塊状物を発生せずに粉体を液体に対して均一に混合することができる。管路の形状としては円筒状に限定されるものではなく、断面形状が半円形、多角形、矩形等の形状とすることができる。また、管路の長手方向に沿って断面形状が変化する構造とすることもできる。ただ、管路の下部開口部の断面形状が円形形状であることが必要である。
【0016】
管路からの連続的な定量落下は、管路と接続した連通路にスクリューコンベヤー等の搬送手段を設置して、同搬送手段によって粉体を連続的に定量づつ当該管路へ供給することにより行うことができる。また、管路の下端部に公知の連続定量供給機構を設置することにより行うことができる。その他スクリューコンベヤーの代わりに粉体を連続定量供給できる搬送手段を用いることもできる。また、管路の上方も開口しておくことにより、管路内における空気の流れが上方の開口部から下部開口部に向かって流れることになり、管路内に供給された粉体は管路上方の開口からの空気流によって下方開口部から排出されることになる。管路内に供給された粉体が管路の上方の開口から一部飛散したとしても、円筒状容器の上端に閉塞部を設けているため、飛散した粉体が円筒状容器の外部に漏れ出ることは確実に防止される。
【0017】
噴射する液体の量と連続的に自由落下させる粉体の量とを調整すれば、所望の濃度の混合液を製造することができる。更に、連続的に混合した混合液は、円筒状容器の流出口から次工程の処理装置に連続的に送出することができる。
噴出孔からの噴射流の向きは、水平方向か水平方向より下方に向けた向きであることが望ましい。
【0018】
本発明の紛体と液体の混合装置において、円筒状容器が管路を覆う大径の上部円筒部と、噴出孔を配した小径の下部円筒部と、前記上部円筒部と下部円筒部間を接続する傾斜面を有する連結部と、前記連結部と下部円筒部との接続部近傍に形成され、前記液体供給部に接続する複数のスリットとを備え、前記下部円筒部の内径を前記管路の下方開口部の内径より大径となすことが好ましい。
【0019】
この発明では、円筒状容器の形状を限定すると共に、連結部と下部円筒部との接続部近傍に複数のスリットを設け、液体供給部からの液体を同スリットから流出させることで、下部円筒部の内壁を濡れ壁とすることができる。下部円筒部の内壁が濡れ壁とすることで、下部円筒部に付着した粉体を液体で洗い流すことができる。スリットとしては、下部円筒部の周方向に所定長さを備えた形状のものとし、これを複数周方向に配置することにより構成することも、多数の小孔を周方向に沿って前記接続部近傍に設けることにより構成することもできる。また、連結部の下端部と下部円筒部上端部との間に隙間を形成して、同隙間から液体を流し出すこともできる。また、スリットは、下部円筒部の上端部近傍に設けることも、連結部の下端部近傍に設けることも、または両方に設けることもできる。
【0020】
この発明では、スリットという用語を用いているが、ここで用いているスリットは、所定幅で所定長さの開口形状に限定されるものではなく、上述のように下部円筒部を濡れ壁とするために液体を流し出すことができる開口部を全て包含したものとして用いているものである。また、濡れ壁とするために流下する液体は、下部円筒部が十分に濡らされればよく、過度の液体の流下を行うことは特に必要なことではない。
【0021】
本発明の粉体と液体の混合装置は、上部円筒部の上端部近傍の周方向に形成され、液体供給部と接続する複数の上部スリットを備えることができる。
【0022】
本願請求項2に係わる発明は、請求項1の事項に加えて、複数の噴出孔からの噴射流が互いに干渉しない向きに噴射孔が配されてなる事項を限定した粉体と液体の混合装置にある。
【0023】
この発明では、各噴出孔から噴射される噴射流が互いに干渉しない状態で噴射されているため、噴射流同志が衝突して霧の発生や噴射流同志が衝突して飛散するのを防止することができる。互いに干渉しない状態での噴射としては、各噴射流を3次元的にねじれ状態となるように噴射することも、あるいは、上下方向に離れて噴射すること等、各噴射流が互いに干渉することがない状態であるならば、適宜の方向に噴射することができる。
【0024】
また、各噴出孔からの噴射流によって形成することのできる領域内に管路から自由落下する粉体が落下することが望ましく、噴出孔からの噴射流の向きとしては、水平方向か水平方向より下方に向けた向きであることが望ましい。
【0025】
本願請求項3に係わる発明は、上記請求項1に記載された粉体と液体の混合装置の円筒状容器の中心部領域に上方から粉体を連続的に定量自由落下させること、前記粉体の落下の途中領域において前記円筒状容器の周面の複数の噴出孔から同円筒状容器の軸心方向に向けて複数の噴出液体を同時に噴射することを含んでなることを特徴とする粉体と液体の混合方法にある。
この発明では、円筒状容器内で複数の噴出孔から同時に液体が噴射され、噴射された液体が集中している領域に円筒状容器の上方から粉体を連続的に定量自由落下させることによって所定濃度の混合液を連続的に均一に製造することができる。しかも、仮に、粉体が塊のまま落下したとしても、噴射流によってその塊は崩壊し、いわゆる「だま」や「ままこ」といった未溶解物を発生させることなく、均一の混合液を連続的に製造することができるようになる。
【0026】
本願請求項4に係わる発明は、請求項3の事項に加えて、噴射液体の噴射流同士が互いに干渉しない向きに液体を噴射してなる事項を限定した粉体と液体の混合方法にある。
【0027】
この発明では、各噴出孔から噴射される噴射流が互いに干渉しない状態で噴射することで、噴射流同志が衝突して霧の発生や液体が飛散するのを防止した状態で粉体を混合することができるようになる。互いに干渉しない状態での噴射としては、各噴射流を3次元的にねじれ状態となるように噴射することも、また、上下方向に離れて噴射すること等、各噴射流が互いに干渉することがない状態であるならば、適宜の向きに噴射させることによって行うことができる。
【0028】
また、各噴出孔からの噴射流によって形成することのできる領域内に管路から自由落下する粉体を落下させるようにすることが望ましく、噴射孔からの噴射流の向きとしては、水平方向か水平方向より下方に向けた向きにすることが望ましい。
【0029】
【発明の実施形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて具体的に説明する。
図1では、本願実施例の該略図を示している。粉体投入口7より投入された粉体10は、供給管6内のスクリューコンベヤー8により定量の粉体10が連続的に搬送される。スクリューコンベヤー8は図示せぬ制御装置により回転制御される駆動モータ9の回転数を制御することにより、粉体10の搬送量を制御することができる。
供給管6内で粉体10を定量連続的に供給する搬送手段としては、スクリューコンベヤーに限定されるものではなく、ベルトコンベヤー、プッシュコンベヤー、エアーコンベヤー等の既存の搬送手段を用いることができる。また、連続的に定量自由落下させる手段としては、管路5の下端部にロータリー弁等の定量供給手段を設置して行うこともできる。
【0030】
供給管6から排出される粉体10は管路5内に供給され、円筒状容器1の軸心と同心状に配された下方開口部5aより円筒状容器1内に自由落下する。また、管路5の上方も開口しておくことにより、管路5内における空気の流れが上方の開口部から下部開口部に向かって流れることになり、管路内に供給された粉体は管路上方の開口からの空気流によって下方開口部5aから排出される。管路内に供給された粉体が管路の上方の開口から一部飛散したとしても、円筒状容器1の上端に閉塞部16を設けているため、飛散した粉体が円筒状容器1の外部に漏れ出ることは確実に防止される。
【0031】
円筒状容器1の下部円筒部4の一部外周面は液体供給部11によって覆われ、図示せぬ供給路により供給された液体が液体供給部11内に供給される。また、液体供給部11により覆われた下部円筒部4の周方向に沿った周面には噴出孔12が設けられ、液体供給部11からの液体は噴出孔からの噴射流12aとなって、図3に示すように下部円筒部4の中心と同心状の仮想円における接線方向となるように噴射されている。同各噴射流12aは相互に干渉しないように、下部円頭部4の軸心方向においては上下に離れた位置を通過するように噴射されている。仮想円の半径は、混合する粉体10の粉径、噴出孔の設置数、噴出孔12の内径等に応じて適宜選択することができる。噴射流を相互に干渉させないことで、噴射流の衝突による霧の発生や、液体の飛散を防ぐことができる。特に、液体が飛散すると管路5の下端部に液体が付着して、管路5の下端部で粉体10の固化が行われてしまう恐れがあるが、噴射流が相互に干渉しないようにすることで、このような事態を防止することができる。
【0032】
なお、各噴射流12aが相互に干渉しないように、各噴射流12aの噴射方向を規定しているが、適宜の噴射流同士を衝突させることもできる。本発明においては、噴射流同士を衝突させることも当然に包含するものである。この場合には、噴射流の衝突により発生する霧や飛散する液体が管路5に付着しないように、管路5の下端位置を噴射流の衝突位置より高くする等を行う必要がある。
【0033】
各噴射流12aの噴出方向は、水平方向より下方に向けて噴出することが望ましいが、本発明においては、噴射流の噴出方向を水平方向や上方向に向けて行うことができないというものではなく、各噴射流12aの噴出方向は、任意の方向であることを当然に包含するものである。
【0034】
液体供給部11における液体は、連結部3と下部円筒部4の接合部近傍に設けたスリット13から流出させることができる。スリット13からの流出により、下部円筒部4の内壁面を濡れ壁とすることができる。スリット13としては、細長い開口形状を多数の周方向に配することにより構成することも、多数の小孔を何列かにわたって周方向に配することにより構成することも、連結部3の下端部の外径を下部円筒部4の内径より小さくし、しかも同下端部の一部を下部円筒部4内に挿入することで、前記下端部と下部円筒部4の上端部間に隙間を形成するように構成することもできる。要は、スリット13から流出した液体により下部円筒部4の内壁面を濡れ壁とすることができる形状であるなら、その形状を用いることができるものである。
【0035】
また、図2に示すように、液体供給部11を上部円筒部2の上端部をも覆う構成とし、同液体供給部11で覆われた上部円頭部2の部位に上部スリット14を形成して、同上部スリット14から液体を流出させることで上部円筒部2の内壁面、連結部の内壁面及び下部円筒部4の内壁面を濡れ壁とすることもできる。
【0036】
上部スリット14の構成としては、細長い開口形状を多数の周方向に配することにより構成することも、多数の小孔を何列かにわたって周方向に配することにより構成することも、上部円頭部2と閉塞部16間に隙間を形成するように構成することもできる。また、液体供給部11として上部スリットを覆う液体供給部と下部円筒部を覆う液体供給部とに分割して構成することもできる。
【0037】
次に、粉体10と液体との混合作用について説明する。図示せぬホッパー等より供給された粉体10は、供給管6内のスクリューコンベヤー8によって定量づつ連続的に搬送される。供給管6の端部から排出された粉体10は、管路5に案内されて、円筒状容器1の軸心の中心部領域に自由落下する。自由落下の途中で粉体10は、下部円筒部4に設置した複数の噴出孔から噴出した液体の噴射流と衝突し、均一に混合される。このとき、噴射流が、図3のように落下領域内を縦横に通過しているので、粉体10に塊等があった場合でも、噴射流によって同塊を崩壊させることができ、粉体10と液体との混合を均一に行うことができる。
【0038】
また、落下の途中で下部円筒部4の内壁面に付着した粉体10は、スリット13又は上部スリット14から流れ出た液体によって洗い流され流出口117から混合液と共に外部の部材に供給することができる。本発明により、粉体と液体としての液体とを連続的に定濃度にて混合することができる。落下する粉体に塊が混じっていたとしても、噴射流によってその塊が崩壊され、「だま」や「ままこ」といった未溶解物の発生を効率的に防止することができる。
【0039】
次に、本発明について実施例を用いて更に具体的に説明する。
〔実施例〕
アクリル繊維用ポリマー粉体を50kg/minで管路5より自由落下させ、35℃のジメチルアセトアミドを200kg/minで噴出孔12より噴射し、混合した。得られた、スラリーには、「ままこ」は存在しなかった。
【0040】
〔比較例〕
図6に示すロート状の混合装置を用いて、実施例と同一条件下でアクリル繊維用ポリマー粉体とジメチルアセトアミドとを混合した。このとき得られたスラリーには、10個/minの「ままこ」が発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の概略全体図である。
【図2】他の実施例における概略全体図である。
【図3】噴射流の例を示す図である。
【図4】従来例を示す図である。
【図5】他の従来例を示す図である。
【図6】更に他の従来例を示す図である。
【図7】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 円筒状容器
2 上部円筒部
3 連結部
4 下部円筒部
5 管路
5a 下部開口部
6 供給管
7 粉体投入口
8 スクリューコンベヤー
9 駆動モータ
10 粉体
11 液体供給部
12 噴出孔
12a 噴出流
13 スリット
14 上部スリット
16 閉塞部
17 流出口
20 固体ポリマー
21 容器
22 ジェット水流
23 液体
24 傾斜板
25 容器
30 混合容器
31 回転板
32 真空ポンプ
33 液体供給管
34 ホッパー
35 粉体
36 滞留リング
40 ロート状混合装置
41 粉体
42 液体
45 混合室
46 ポリマー投入口
47 小口径ノズル
48 内壁面
Claims (4)
- 軸心が同心状で鉛直方向を向く上部円筒部と下部円筒部とを備え、前記上部円筒部の上端部を覆う閉塞部を有し、下端に流出口を有する円筒状容器と、
同円筒状容器の周方向に沿った周面に配され、同円筒状容器の内部空間に向く複数の噴出孔と、
同各噴出孔に接続する液体供給部と、
前記円筒状容器内に配され、同円筒状容器の軸心と同心状の上方開口部と下方開口部とを有し、前記噴出孔の上方部位に位置する前記下方開口部から粉体を連続的に定量自由落下させる管路と、
を備えたことを特徴とする粉体と液体の混合装置。 - 前記複数の噴出孔からの噴射流が互いに干渉しない向きに噴出孔が配されてなることを特徴とする請求項1に記載の粉体と液体の混合装置。
- 請求項1に記載された粉体と液体との混合装置における円筒状容器の中心部領域に上方から粉体を連続的に定量自由落下させること、
前記粉体の落下の途中領域において前記円筒状容器の周面の複数の噴出孔から同円筒状容器の軸心方向に向けて同時に噴射してなること、
を特徴とする粉体と液体の混合方法。 - 前記噴射液体の噴射流同士が互いに干渉しない向きに液体を噴射してなることを特徴とする請求項3に記載の粉体と液体の混合方法。
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