JP3738609B2 - 電気光学装置及び投射型表示装置と電気光学装置の製造方法 - Google Patents

電気光学装置及び投射型表示装置と電気光学装置の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置とそれを備えた投影式表示装置及び電気光学装置の製造方法に関し、特に画素電極周縁部に凸部を設けることによって液晶分子の配向制御をなすようにした電気光学装置及びそれを用いた投射型表示装置と電気光学装置の製造方法の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下適宜TFTと略称する)駆動によるアクティブマトリクス駆動方式の電気光学装置においては、縦横に夫々配列された多数の走査線及びデータ線並びにこれらの各交点に対応して多数のTFTがTFTアレイ基板上に設けられている。各TFTは、走査線にゲート電極が接続され、データ線に半導体層のソース領域が接続され、画素電極に半導体層のドレイン領域が接続されている。ここで特に画素電極は、TFTや配線を構成する各種の層や当該画素電極を相互に絶縁するための層間絶縁膜上に設けられているため、層間絶縁膜に開孔されたコンタクトホールを介してTFTを構成する半導体層のドレイン領域に接続されている。そして、TFTのゲート電極に走査線を介して走査信号が供給されると、TFTはオン状態とされ、半導体層のソース領域にデータ線を介して供給される画像信号が当該TFTのソース−ドレイン間を介して画素電極に供給される。このような画像信号の供給は、各TFTを介して画素電極毎に極めて短時間しか行われない。このため、極短時間だけオン状態とされたTFTを介して供給される画像信号の電圧を、このオン状態とされた時間よりも遥かに長時間に亘って保持するために、各画素電極には液晶容量と並列に蓄積容量が形成されるのが一般的である。他方、この種の電気光学装置においては、TFTアレイ基板上に形成された半導体層から、画素スイッチング用TFTのソース領域及びドレイン領域並びにこれらの間にあるチャネル領域が構成される。画素電極は、積層構造をなす走査線、容量線、データ線等の配線及びこれらを相互に電気的絶縁するための複数の層間絶縁膜を介して、半導体層のドレイン領域と接続される必要がある。ここで、TFTアレイ基板側から見て半導体層の上にゲート電極が設けられるトップゲート構造を有する正スタガ型又はコプレナー型のポリシリコンTFTの場合などは特に、積層構造における半導体層から画素電極までの層間距離が例えば1000nm程度又はそれ以上に長いために、両者を電気的接続するためのコンタクトホールを開孔するのが困難となる。より具体的には、エッチングを深く行うにつれてエッチング精度が低下して、目標とする半導体層を突き抜けて開孔してしまう可能性が出て来るため、ドライエッチングのみで、このような深いコンタクトホールを開孔することが極めて困難となる。このため、ドライエッチングにウエットエッチングを組み合わせて行ったりするが、すると今度はウエットエッチングによりコンタクトホールの径が大きくなってしまい、限られた基板上領域において配線や電極を必要なだけレイアウトするのが困難となるのである。
【0003】
そこで最近では、走査線上に形成される層間絶縁膜に対して、半導体層のソース領域に至るコンタクトホールを開孔してデータ線とソース領域との電気的接続をとる際に、半導体層のドレイン領域に至るコンタクトホールを開孔してこの層間絶縁膜上にデータ線と同一層からなるバリア層と称される中継用の導電層を形成しておき、その後、データ線及びこのバリア層上に形成された層間絶縁膜に対して、画素電極からこのバリア層に至るコンタクトホールを開孔する技術が開発されている。このようにデータ線と同一層からなるバリア層を中継して画素電極からドレイン領域への電気的接続をとるように構成すれば、画素電極から一挙に半導体層に至るコンタクトホールを開孔するよりも、コンタクトホールの開孔工程等が容易となり、各コンタクトホールの径も小さくて済む利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この種の電気光学装置においては、表示画像の高品位化という一般的な要請が強く、このためには、画像表示領域の高精細化或いは画素ピッチの微細化及び高画素開口率化(即ち、各画素において、表示光が透過しない非画素開口領域に対する、表示光が透過する画素開口領域の比率を高めること)が極めて重要となっている。
【0005】
しかしながら、画素ピッチの微細化が進むと、電極サイズや配線幅、更にコンタクトホール径などには製造技術により本質的な微細化の限界があるため、相対的にこれらの配線や電極等が画像表示領域を占有する比率が高まるため、画素開口率が低くなってしまうという問題点がある。
【0006】
また、この種の電気光学装置に用いる液晶のタイプとして垂直配向モードの液晶が知られている。この垂直配向モードの液晶とは、電界を印加していない場合に液晶分子がその長軸方向を基板の厚さ方向(基板に対して垂直方向)に向けて起立してホメオトロピック配向するもので、更に負の誘電異方性を有する液晶の場合に電界を印加すると液晶分子が基板に平行な方向に倒れてホモジニアス配向することで表示状態を切り替えるものである。
【0007】
図27は、この種の垂直配向モードを備えた一般的な液晶表示装置の画素単位の透過率を測定した結果を示すものである。図27の符号AAで示す領域が1つの画素領域を示し、この画素領域AAにおいて、符号ABで示す領域が透過率の高い領域を示し、符号ACで示す領域が透過率の低い領域を示す。透過率の低い領域ACは四角形状の画素電極の対角線に沿って生成される。
【0008】
この垂直配向モードの液晶表示装置において液晶分子が起立したホメオトロピック配向状態から倒れてホモジニアス配向状態に変化する場合のことを想定すると、周囲の電界の影響が何もない場合、どの方向に液晶分子が倒れるかは確率の問題となるが、通常は周囲の電界の影響によって画素電極周縁部側の液晶分子から倒れ始めるので、平面視四角形状の画素電極に対応する液晶分子において画素周縁部側から画素中央部側に向かって順次内向きに配向すると考えられ、画素電極の4つの周辺側から均等に画素電極中央部に向かって液晶分子が順次倒れようとする結果、画素電極上において対角線位置にドメインの境界の暗い部分が生成されてしまい、図27の符号ACで示す透過率の低い領域になってしまうものと推定できる。
【0009】
なお、ホメオトロピック状態の液晶にプレチルト角を与えて90度よりも若干低い角度で起立させるように設計しておき、液晶分子が倒れ始める方向を制御することも考えられるが、ホメオトロピック状態の液晶にプレチルト角を付与し過ぎると、ホメオトロピック状態において黒表示している状態であるとすると、黒表示が薄くなり、コントラストが低下し、表示品質の低下につながるおそれがある。
【0010】
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、画素電極あるいは共通電極が液晶に作用させる等電位線を画素電極の少なくとも1つの周縁部以外の周縁部側において傾斜させることで、等電位線を傾斜させていない画素電極周縁部の液晶の配向に他の領域の液晶の配向を揃えるように配向させ、ドメイン境界の暗い領域を画素の一端部側に集中させることで明るく、高コントラストな表示を得られるようにした電気光学装置とそれを用いた投影型表示装置及び電気光学装置の製造方法の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気光学装置は前記課題を解決するために、垂直配向モードの液晶を備えた電気光学装置であって、
基板上にマトリクス状に設けられた複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線に接続されたスイッチング手段と、
該スイッチング手段に接続され、第3層間絶縁膜上に設けられた画素電極とが具備されてなり、
前記画素電極が平面視少なくとも3つ以上の辺の組み合わせからなる多辺形型に形成され、前記画素電極の輪郭を構成する3つ以上の辺のうち、1つの辺を除いた残りの辺に沿う画素電極の周縁部が、前記第3層間絶縁膜下に形成された絶縁膜からなる断面四角の突起部により、画素電極の他の周縁部よりも突出されてなることを特徴とする。
【0012】
本発明の構成によれば、画素電極の少なくとも1つの辺を除いた残りの辺に沿う画素電極周縁部が、他の周縁部よりも突出されているので、突出形成された画素電極周縁部が発生させる等電位線は、低く形成された画素電極周縁部が発生させる等電位線よりも傾斜することとなる。この傾斜した等電位線は、垂直配向している液晶が画素電極中央側に向かって倒れて配向しようとした場合に、液晶に外力を作用させて内向きに傾く液晶を少なくしようとする。しかし、低く形成された画素電極周縁部において、等電位線は傾斜しないか、ほとんど傾斜しないので、画素電極の内側に向けて液晶が倒れて配向しようとする。結果的に画素電極が配向させる液晶は、全体として、低く形成された画素電極周縁部の液晶の配向状態に支配されつつ配向してゆくので、ドメインの境界の暗い領域は画素電極周縁部の一側に寄せ集められる結果、ドメインの境界の暗い領域が目立たなくなるとともに、明るい表示領域が広がり、高コントラストな表示が得られる。
【0013】
画素電極の少なくとも1つの辺を除いた残りの辺に沿う画素電極周縁部が高く形成されていれば良いので、画素電極周縁部の全周に凸部を形成し、その凸部の内、少なくとも1つの辺に対応する凸部を低く形成し、他の辺に対応する凸部を高く形成する構造を採用しても良く、このような構造も本願発明に包含するものとする。
【0014】
本発明の電気光学装置は前記課題を解決するために、前記画素電極の輪郭を構成する3つ以上の辺のうち、少なくとも1つの辺を除いた残りの辺に沿う画素電極周縁部に凸部が連続形成されてなることを特徴とする。
【0015】
凸部を形成した画素電極周縁部が発生させる等電位線は傾斜するので、垂直配向している液晶が画素電極中央側に向かって倒れて配向しようとした場合に、液晶に外力を作用させて内向きに傾く液晶を少なくしようとする。しかし、凸部を形成していない側の画素電極周縁部において等電位線は傾斜しないので、画素電極の内側に向けて液晶が倒れて配向しようとする。結果的に画素電極が配向させる液晶は、全体として、凸部を形成していない側の画素電極周縁部の液晶の配向状態に支配されつつ配向してゆくので、ドメインの境界の暗い領域は画素電極周縁部の一側に寄せ集められる結果、ドメインの境界の暗い領域が目立たなくなるとともに、明るい表示領域が広がり、高コントラストな表示が得られる。
【0017】
対向電極の電極凸部周縁からはみ出す周縁部分を有する画素電極を設けることによっても画素電極周縁部の少なくとも1つを除いた周縁部側に傾斜した等電位線を生成することが可能となる。これにより、画素電極が配向させる液晶は、全体として、はみ出し部分を有しない側の画素電極周縁部の液晶の配向状態に支配されつつ配向してゆくので、ドメインの境界の暗い領域は画素電極周縁部の一側に寄せ集められる結果、ドメインの境界の暗い領域が目立たなくなるとともに、明るい表示領域が広がり、高コントラストな表示が得られる。
【0018】
本発明の電気光学装置は前記課題を解決するために、一対の基板間に垂直配向モードの液晶が挟持され、一方の基板上にマトリクス状に設けられた複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線に接続されたスイッチング手段と、該スイッチング手段に接続された画素電極とが具備され、前記基板に対向させて設けられた他方の基板に対向電極が設けられてなり、
前記画素電極が平面視少なくとも3つ以上の辺の組み合わせからなる多辺形型に形成され、
前記他方の基板の対向電極の一部に前記画素電極の形成位置に対応させて電極凸部が形成されるとともに、前記電極凸部と前記画素電極の対向配置平面視状態において、前記電極凸部の周囲側に前記画素電極の少なくとも1辺側の周縁部を除いた他の周縁部がはみ出すように配置されてなり、
前記画素電極の輪郭を構成する3つ以上の辺のうち、前記他の周縁部が、前記画素電極の前記少なくとも1辺側の周縁部よりも突出され、
前記電極凸部が、前記他方の基板の対向電極に、前記画素電極の突出された周縁部を除いた画素電極の残りの部分に形成されてなることを特徴とする。
【0019】
この構成においても画素電極周縁部の少なくとも1つを除いた周縁部に傾斜した等電位線を生成することが可能となる。これにより、画素電極が配向させる液晶は、全体として、はみ出し部分を有しない側、即ち、画素電極周縁部の低い部分に対応する側の液晶の配向状態に支配されつつ配向してゆくので、ドメインの境界の暗い領域は画素電極周縁部の一側に寄せ集められる結果、ドメインの境界の暗い領域が目立たなくなるとともに、明るい表示領域が広がり、高コントラストな表示が得られる。
【0020】
また、この構成においては、画素電極周縁部の突出した部分と、対向電極の電極凸部とが共働して等電位線を傾斜させるので、等電位線の傾斜をより効果的に生成することができ、ドメインの境界の暗い領域を画素電極周縁部の一側に、より強く寄せ集めることができる結果、ドメインの境界の暗い領域が目立たなくなるとともに、明るい表示領域が更に広がり、より高コントラストな表示が得られる。
【0021】
先に記載の本発明において、前記液晶が、電界の無印加時に基板に対して起立し、電界の印加時に倒れる方式の垂直配向モードであって、負の誘電異方性を有する液晶とされることが好ましい。
【0022】
これにより、電界の無印加時に基板に対し起立してホメオトロピック配向していた液晶が、電界の印加時に倒れてホモジニアス配向しようとする際に先に記載の、高コントラストと明るい表示領域の拡張効果が得られる。
【0023】
先に記載の本発明において前記画素電極が、四角形型に形成され、前記四角形型の画素電極の3辺の周縁部沿って平面視コ字状の凸部が形成されてなることを特徴とすることが好ましい。
【0024】
四角形型の画素電極であり、三辺側の周縁部に平面視コ字状の凸部が形成されていると、画素電極の三辺側の周縁部で等電位線が傾斜し、残り一辺側の周縁部で等電位線が傾斜しないか、傾斜が弱いので、この一辺側の周縁部の液晶の配向に合うように他の三辺側の液晶の配向が揃う結果、ドメインの境界の暗い領域を画素電極周縁部の一辺側に対向する側に確実に寄せ集めることができる結果、ドメインの境界の暗い領域が目立たなくなるとともに、明るい表示領域が更に広がり、より高コントラストな表示が得られる。
【0025】
本発明は更に、前記凸部が前記画素電極を構成する辺に沿って間欠的に形成されてなる構成を採用しても良い。
【0026】
画素電極に形成する凸部は画素電極周縁部に辺の全長に沿って形成されていることが好ましいが、間欠的であっても画素電極周縁部に等電位線の傾斜部分を形成させることはできるので、上述のような液晶配向制御の面からは間欠的であっても良い。
【0027】
本発明は、前記画素電極が電界を生成させるものであり、前記画素電極周縁部の突出した部分が、前記画素電極によって生成される電界の等電位線を、前記画素電極周縁部側において傾斜させるものであることを特徴とする。
【0028】
前記スイッチング手段が、前記走査線及び前記データ線に接続された薄膜トランジスタからなり、該薄膜トランジスタに接続された前記画素電極と、該画素電極に接続された蓄積容量と、該蓄積容量の容量線と、前記走査線及び前記容量線の上方に形成された第2層間絶縁膜と、該第2層間絶縁膜の上方に形成されたデータ線とが具備されてなり、前記画素電極周縁部のうち、平面視前記容量線が形成された辺に対して向かい合う辺の位置が他の画素電極周縁部よりも低いことを特徴とする。
【0029】
前記スイッチング手段として具体的に、薄膜トランジスタからなるものを適用することができ、薄膜トランジスタに蓄積容量を接続することで画素電極に印加した電荷を長い時間保持することができる。また、例えば、画素電極の周縁部のうち、1辺は容量線、2辺はデータ線、1辺は走査線で囲まれた場合、容量線は、例えば半導体層と誘電体膜と、走査線と同一膜からなる容量線とにより形成されているため、走査線より突出しており、またデータ線は走査線よりも第1絶縁膜を挟んで上方に形成されているため、走査線よりも突出している。従って、走査線に沿った辺が他の辺よりも容易に低くすることが可能となる。
【0030】
先に記載の本発明において、前記スイッチング手段が、前記走査線及び前記データ線に接続された薄膜トランジスタからなり、該薄膜トランジスタに接続された画素電極と、該画素電極に接続された蓄積容量と、該蓄積容量の容量線と、前記走査線及び前記容量線の上方に形成された第1層間絶縁膜と、該第1層間絶縁膜の上方に形成された導電層と、該導電層の上方に形成された第2層間絶縁膜とが具備されてなり、前記データ線が前記第2層間絶縁膜上に形成されてなることを特徴とする。
【0031】
前記スイッチング手段として具体的に、薄膜トランジスタからなるものを適用することができ、薄膜トランジスタに蓄積容量を接続することで画素電極に印加した電荷を長い時間保持することができる。
【0032】
本発明において、前記基板に凹部が形成され、該凹部上に少なくとも前記薄膜トランジスタとデータ線と走査線が形成されてなる構成でも良い。
【0033】
基板に形成した凹部上に薄膜トランジスタとデータ線と走査線を配置するならば、これらを構成するための各種の膜を堆積した積層構造を採用しても、それらの上に形成される絶縁膜あるいは画素電極に不要な凹凸や応力集中を防止することができ、これらの絶縁膜や画素電極で欠陥の少ないものを得ることができる。
【0034】
本発明の投射型表示装置は、光源と、前記光源からの光を変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投影する投影光学系とを備え、前記光変調装置として、先に記載のいずれかの電気光学装置が組み込まれたことを特徴とする。
【0035】
先に記載の電気光学装置であるならば、画素においてドメインの境界の暗い領域が目立たなくなるとともに、明るい表示領域が広がり、高コントラストな表示を得ることができるので、この電気光学装置を備えた投影光学装置にあっても明るく高コントラストな表示のドメイン境界の目立たない表示品質の高い投射画像を得ることができる。
【0036】
更に先に記載の投射型表示装置において、前記マトリクス状に配置された複数の画素電極において、個々の画素電極の突出形成された周縁部がそれぞれ同じ向きに、その他の低く形成された周縁部がそれぞれ同じ向きに、向けられて整列され、画素電極の周縁部の低く形成された周縁部が投射画像の上方向あるいは下方向に向くように配置されてなることを特徴とする構成を採用することができる。
【0037】
複数の画素電極において個々の画素電極の突出形成された周縁部どうしが、また、低く形成された周縁部どうしが全て同じ方向に向けられて整列され、画素電極周縁部の低い周縁部が投射画像の上方向か下方向に揃えられてなることで、投射画像の左右方向に色むらの生じ難い状態で、明るく高コントラストな投射画像を得ることが可能となる。
【0038】
本発明の電気光学装置の製造方法によれば、垂直配向モードの液晶を備えた電気光学装置の製造方法であって、
複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線とデータ線に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極とが具備されてなり、前記画素電極周縁部に凸部が形成されてなる電気光学装置の製造方法において、
基板上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に前記走査線を形成する工程と、
前記走査線上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、前記第2層間絶縁膜上に前記データ線を形成する工程と、
画素電極形成予定位置の周縁部の少なくとも1辺を除く周縁部に、絶縁膜からなる平面的にコ字状の突起部を形成する工程と、
前記データ線上及び突起部上に第3層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第3層間絶縁膜上に前記半導体層に接続されるように画素電極を形成し、
前記突起部上に形成した画素電極周縁部に凸部を形成するという、比較的簡単な各工程を用いて前述の各発明で示した構造の高コントラストな表示品質の良好な液晶表示装置を製造できる。
また、本発明の電気光学装置の製造方法によれば、垂直配向モードの液晶を備えた電気光学装置の製造方法であって、
複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線とデータ線に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極とが具備されてなり、前記画素電極周縁部に凸部が形成されてなる電気光学装置の製造方法において、
基板上に前記薄膜トランジスタのソース領域、チャネル領域及び前記ドレイン領域となる半導体層を形成する工程と、前記半導体層上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に前記走査線を形成する工程と、
前記走査線上に第1層間絶縁膜を介在して導電層を形成する工程と、
前記導電層上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第2層間絶縁膜上に前記データ線を形成する工程と、
画素電極形成予定位置の周縁部の少なくとも1辺を除く周縁部に絶縁膜からなる突起部を形成する工程と、前記データ線上及び突起部上に第3層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第2層間絶縁膜及び第3層間絶縁膜に対し、側壁が前記突起部に接するようにコンタクトホールを開孔する工程と、
前記コンタクトホールを介して前記導電層に接続されるように画素電極を形成し、前記突起部上に形成した画素電極周縁部に凸部を形成する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の電気光学装置の製造方法によれば、前記走査線とデータ線と薄膜トランジスタを形成する領域に対応させて基板に凹部を形成する工程を更に含むことを特徴とする。
また、本発明の電気光学装置の製造方法によれば、垂直配向モードの液晶を備え、薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された画素電極とが具備されてなり、前記画素電極周縁部に凸部が設けられてなる電気光学装置において、
基板上に設けられ、前記薄膜トランジスタのソース領域、チャネル領域及び前記ドレイン領域となる半導体層と、前記半導体層上に設けられた絶縁膜と、
前記絶縁膜上に設けら、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された走査線と、
前記走査線上に第1層間絶縁膜を介在して設けられた導電層と、
前記導電層上に設けられた第2層間絶縁膜と、前記第2層間絶縁膜上に設けられ、前記薄膜トランジスタに電気的に接続されたデータ線と、
前記画素電極の周縁部の少なくとも1辺を除く周縁部に設けられた絶縁膜からなる突起部と、前記データ線上及び前記突起部上に設けられた第3層間絶縁膜と、前記第2層間絶縁膜及び第3層間絶縁膜に対し、側壁が前記突起部に接するように開孔されたコンタクトホールと、前記コンタクトホールを介して前記導電層に前記画素電極が接続され、前記突 起部上に設けられた画素電極の周縁部に凸部が設けられることを特徴とする。
【0039】
また、基板に予め凹部を形成しておき、該凹部上に薄膜トランジスタと各種配線と容量電極を形成するならば、これらの積層体の上に形成される凹凸を小さくすることができる。
【0040】
本発明の以上のような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにする。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0042】
(電気光学装置の第1実施形態)
本発明による電気光学装置の第1実施形態である液晶装置の構成について、図1から図4を参照して説明する。
【0043】
図1は、液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素における各種素子、配線等の等価回路であり、図2は、データ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図であり、図3は、図2のA−A’線に沿う断面図であり、図4は画素電極の略図である。尚、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。尚又、図2のA−A’線は、後述するデータ線6aと容量線3bの重なり部分から出発してコンタクトホール5の部分と半導体層1aの部分を通過し、図2において右側に折れて延出し、更にコンタクトホール8a、8b部分を通過し、コンタクトホール8b部分から図2において上側に折れて延出した線である。
【0044】
図1において、本第1実施形態における液晶装置の画像表示領域を構成するマトリクス状に形成された複数の画素は、画素電極9を制御するためのTFT30がマトリクス状に複数形成されており、画像信号が供給されるデータ線(ソース線)6aが当該TFT30のソース領域に電気的に接続されている。データ線6aに書き込む画像信号S1、S2、…、Snは、この順に線順次に供給しても構わないし、相隣接する複数のデータ線6a同士に対して、グループ毎に供給するようにしても良い。また、TFT30のゲートに走査線(ゲート線)3aが電気的に接続されており、所定のタイミングで、走査線3aにパルス的に走査信号G1、G2、…、Gmを、この順に線順次で印加するように構成されている。画素電極9は、TFT30のドレインに電気的に接続されており、スイッチング素子であるTFT30を一定期間だけそのスイッチを閉じることにより、データ線6aから供給される画像信号S1、S2、…、Snが所定のタイミングで書き込まれるようになっている。この画素電極9を介して液晶に書き込まれた所定レベルの画像信号S1、S2、…、Snは、対向基板(後述する)に形成された対向電極(後述する)との間で一定期間保持される。ここで、保持された画像信号がリークするのを防ぐために、画素電極9と対向電極との間に形成される液晶容量と並列に蓄積容量70を付加する。例えば、画素電極9の電圧は、ソース電圧が印加された時間よりも3桁程度も長い時間だけ蓄積容量70により保持される。これにより、保持特性は更に改善され、コントラスト比の高い液晶装置を実現できる。
【0045】
図2において、液晶装置のTFTアレイ基板上には、マトリクス状に複数の透明な画素電極9(データ線6aと走査線3aにより囲まれた矩形状の領域に設けられた平面視四角形状のもの)が設けられており、画素電極9の縦横の境界に各々沿って画素電極9と平面視若干の間隔をあけてデータ線6a、走査線3a及び容量線3bが設けられている。データ線6aは、コンタクトホール5を介してポリシリコン膜等からなる半導体層1aのうち後述のソース領域に電気的に接続されており、画素電極9は、図中右上がりの斜線で示した領域の間に夫々形成されておりバッファとして機能する導電層80(以下、バリア層と称す。)を中継して、第1コンタクトホール8a及び第2コンタクトホール8bを介して半導体層1aのうち後述のドレイン領域に電気的に接続されている。また、半導体層1aのうちチャネル領域1a’に対向するように走査線3aが配置されており、走査線3aはゲート電極として機能する。このように、走査線3aとデータ線6aとの交差する個所には夫々、チャネル領域1a’に走査線3aがゲート電極として対向配置された構成のTFT30が設けられている。
【0046】
容量線3bは、走査線3aに沿ってほぼ直線状に伸びる本線部3b1と、データ線6aと交差する箇所からデータ線6aに沿って前段側(図2中、上向き)に突出した延出部3b2とを有する。
【0047】
また、前述のTFT30と走査線3a・・・とデータ線6a・・・とが形成されている後述のTFTアレイ基板10にあっては、これらのTFT30・・・と走査線3a・・・とデータ線6a・・・の部分の下側の領域を通るようにTFTアレイ基板10の上面側に凹部10aが形成されている。更に、該凹部10aの底面において、走査線3a、容量線3b及びTFT30の下側を通るように、第1遮光膜11aが設けられている。より具体的には図2において、第1遮光膜11aは夫々、走査線3aに沿って縞状に形成されていると共に、データ線6aと交差する箇所が図中下方に幅広に形成されており、この幅広の部分により各TFTのチャネル領域1a’をTFTアレイ基板側から見て夫々覆う位置に設けられている。
【0048】
次に図3の断面図に示すように、液晶装置は、透明な一方の基板の一例を構成するTFTアレイ基板10と、これに対向配置される透明な他方の基板の一例を構成する対向基板20とを備えている。TFTアレイ基板10は、例えば石英基板からなり、対向基板20は、例えばガラス基板や石英基板からなる。TFTアレイ基板10には、画素電極9が設けられており、その上側には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16が設けられている。画素電極9は例えば、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性薄膜からなる。また配向膜16は例えば、ポリイミドの薄膜などの垂直配向モードを適用可能な有機薄膜からなる。
【0049】
他方、対向基板20には、その全面に渡って対向電極(共通電極)21が設けられており、その下側(液晶側)には、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜22が設けられている。対向電極21は例えば、ITO膜などの透明導電性薄膜からなる。また配向膜22は、ポリイミドの薄膜などの垂直配向モードを適用可能な有機薄膜からなる。これらの配向膜16、22は必要に応じてラビング処理が施されて垂直配向モードの液晶にプレチルト角を付与するように構成される。ラビング処理は電界による配向方向と同じ向きになるように、配向処理はコ字状の凸部9Bの開口部と反対方向、即ち図26のBと反対向きに液晶が倒れる方向に処理を行うことが望ましい。また、配向膜16、22はどちらか一方でも均一な配向が得られるが、両方を形成したほうがより均一な配向が得られる。プレチルト角としては2〜3度程度が好ましく、このプレチルト角を大きくし過ぎると垂直配向した場合の黒表示が薄くなって表示品質の低下につながるおそれを有する。
【0050】
TFTアレイ基板10には、各画素電極9に隣接する位置に、各画素電極9をスイッチング制御する画素スイッチング素子としてのTFT30が設けられている。
【0051】
対向基板20には、更に図3に示すように、各画素の非開口領域に、ブラックマスク或いはブラックマトリクスと称される第2遮光膜23を設けても良い。
【0052】
以上のように構成され、画素電極9と対向電極21とが対面するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、後述のシール材(図20及び図21参照)により囲まれた空間に電気光学物質の一例である液晶が封入され、液晶層50が形成されている。
【0053】
更に本実施形態では、液晶層50は電界を印加していない状態で各液晶分子がその長軸を配向膜16、22に対して直交する向きに対向させて起立し、ホメオトロピック配向し、画素電極9と共通電極21が電界を印加した状態において基板に対して平行になるようにホモジニアス配向するタイプの垂直配向モードの液晶が選定される。ただし、液晶にプレチルト角を導入する場合は、ホメオトロピック配向状態において基板に対して完全に垂直配向ではなく基板面に垂直な線(法線)対して数度程度の傾斜を有しつつ配向し、ホモジニアス配向状態において基板面に完全に平行ではなく数度程度の傾斜を有しつつ配向する。
【0054】
このような垂直配向モードの液晶として、例えば、負の誘電異方性を有するネマチック液晶、コレステリック液晶等を用いることができる。
【0055】
液晶の垂直配向を得るための方式として、例えばECB(電圧制御複屈折:electrically controlled birefringence)方式が知られているのでこのECB方式を用いることができ、ECB方式の中でも一般的とされるDAP(deformation of aligned phase)方式を採用することができる。ECB方式において垂直配向を得る方法としては、長鎖アルキル基を有する界面活性剤、カップリング剤や金属錯体を基板に塗布する方法が一般的であるが、この他に知られている他の方式の表示形態としても良いのは勿論である。
【0056】
また、液晶分子を基板に対して垂直配向させるためには、垂直配向が可能なポリイミドの配向膜を用いることができ、液晶としてより具体的には、メルクジャパン(株):商品名MX961210等を用いることができる。
【0057】
シール材は、TFTアレイ基板10及び対向基板20をそれらの周辺で貼り合わせるための、例えば光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂からなる接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー或いはガラスビーズ等のギャップ材(スペーサ)が混入されている。
【0058】
更に図3に示すように、画素スイッチング用TFT30に各々対向する位置においてTFTアレイ基板10の凹部10aの底面上には、第1遮光膜11aが設けられていてもよい。第1遮光膜11aは、好ましくは不透明な高融点金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo及びPbのうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成される。
【0059】
更に、第1遮光膜11aと複数の画素スイッチング用TFT30との間には、下地絶縁膜12が設けられていてもよい。
【0060】
本実施形態では、半導体層1aを高濃度ドレイン領域1eから延設して第1蓄積容量電極1fとし、これに対向する容量線3bの本線部3b1の一部を第2蓄積容量電極とし、ゲート絶縁膜2を走査線3aに対向する位置から延設してこれらの電極間に挟持された第1誘電体膜とすることにより、第1蓄積容量70aが構成されている。更に、前記第2蓄積容量電極(本線部3b1の一部)と対向するバリア層80の一部を第3蓄積容量電極80bとし、これらの電極間に第1層間絶縁膜81を設ける。この第1層間絶縁膜81は第2誘電体膜としても機能し、第2蓄積容量70bが図3に示すように形成されている。そして、これら第1蓄積容量70a及び第2蓄積容量70bが第1コンタクトホール8aを介して並列接続されて蓄積容量70が構成されている。
【0061】
図3において画素スイッチング用TFT30は、LDD(Light Doped Drain)構造を有しており、走査線3a、当該走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、走査線3aと半導体層1aとを絶縁するゲート絶縁膜(第1誘電体膜)2、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領域(ソース側LDD領域)1b及び低濃度ドレイン領域(ドレイン側LDD領域)1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1d並びに高濃度ドレイン領域1eを備えて構成されている。
【0062】
また、バリア層80及び第2誘電体膜(第1層間絶縁膜)81の上には、高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5及びバリア層80へ通じるコンタクトホール8bが各々形成された第2層間絶縁膜4が形成されている。前記高濃度ソース領域1dへのコンタクトホール5を介して、データ線6aは高濃度ソース領域1dに電気的接続されている。
【0063】
更に、データ線6a及び第2層間絶縁膜4の上には、バリア層80へのコンタクトホール8bが形成された第3層間絶縁膜7が形成されている。
【0064】
前記コンタクトホール8bを介して、画素電極9はバリア層80に電気的接続されており、更に画素電極9はバリア層80を中継してコンタクトホール8aを介して高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。
【0065】
前述の画素電極9は、以上のように構成された第3層間絶縁膜7の上面に設けられている。
【0066】
画素電極9は、本実施形態では平面視矩形状(四角形状)に形成され、図4に示すように画素電極9の周縁を構成する4つの辺9a、9b、9c、9dにおいて、1つの辺9aを除く残り3つの辺9b、9c、9dに対応する画素電極周縁部に平面視コ字状の凸部9Bが形成されていて、前記画素電極9において1つの辺9aを除く他の辺9b、9c、9dに対応する画素電極周縁部が他の部分(画素電極の辺9a側と画素電極中央部)よりも突出されている。前記画素電極9の凸部9Bは、画素電極周縁部の下側に図3に示す断面四角形状の絶縁膜の突起部9Aを第2層間絶縁膜4上に位置するように、かつ、突起部9Aを平面視コ字状になるように形成することにより形成されている。この突起部9Aはこの画素電極周縁部に凸部9Bを形成するためのものなので、その断面形状は特に制限されるものではなく、四角形の外の多角形状、半円状等、特に形状は限定されるものではない。
【0067】
尚、図4では画素電極9の辺9aを手前側に揃えてコ字状の凸部9Bの開口方向Bを図4の手前向きに示しているが、図2に示す平面図ではコ字状の凸部9Bの開口方向Bを全ての画素において図2の上向きに揃えて配置されている。つまり、開口方向は、走査線3aに沿って形成されている。より具体的には、本実施形態においては、画素電極9の4辺のうち、一辺は容量線3b、二辺はデータ線6a、1辺は走査線3aで囲まれているため、容量線6bに沿う辺は、半導体層と誘電体膜と走査線と同一膜からなる容量線とにより形成されているため、走査線3aより高くなっている。また、データ線6aは走査線3aよりも層間絶縁膜4を挟んで上方に形成されているため、走査線3aよりも高くなっている。従って、走査線3aに沿う辺が他の辺よりも層間膜が少ないため低くくすることが可能であり、この辺を容易に開口方向Bとすることができる。
【0068】
これは、後に説明する投射型表示装置として液晶装置を利用した場合に、色ずれを防止するためである。その他の利用形態の場合はコ字状の凸部9Bの開口方向Bは任意の方向を向いてもよく、1個1個異なっていても、複数個ずづ揃っていても差し支えない。但し、後述するように、コ字状の凸部9Bの開口方向Bは、透過率の低い領域が遮光領域と重なるように配置することが透過率を高くする上で好ましい。また、この凸部9Bは、画素電極9が発生させる後述の等電位線の画素電極周縁部での傾斜をつけるために設けられている。
【0069】
前記画素電極9の凸部9Bの幅は2〜4μm程度で良く、高さは0.1〜1.0μm程度で良い。あるいは、凸部9Bの幅は画素電極9の幅の8%〜18%程度の幅が好ましい。
【0070】
画素スイッチング用TFT30は、好ましくは上述のようにLDD構造を持つが、低濃度ソース領域1b及び低濃度も良いし、ドレイン領域1cに不純物イオンの打ち込みを行わないオフセット構造を持っても良いし、ゲート電極3aをマスクとして高濃度で不純物イオンを打ち込み、自己整合的に高濃度ソース及びドレイン領域を形成するセルフアライン型のTFTであってもよい。
【0071】
以上のように構成された本実施形態においては特に、縞状に形成された第1遮光膜11aは、走査線3a下に延設されて、定電位源又は大容量部分に電気的に接続されてもよい。このように構成すれば、第1遮光膜11aに対向配置される画素スイッチング用TFT30に対し第1遮光膜11aの電位変動が悪影響を及ぼすことはない。この場合、定電位源としては、当該液晶装置を駆動するための周辺回路(例えば、走査線駆動回路、データ線駆動回路等)に供給される負電源、正電源等の定電位源、接地電源、対向電極21に供給される定電位源等が挙げられる。
【0072】
また、容量線3bと走査線3aとは、同一のポリシリコン膜からなり、第1の蓄積容量70aの第1誘電体膜2と画素スイッチング用TFT30のゲート絶縁膜2とは、同一の高温酸化膜等からなり、第1蓄積容量電極1fと画素スイッチング用TFT30のチャネル形成領域1a’、低濃度ソース領域1b、低濃度ドレイン領域1c、高濃度ソース領域1d、高濃度ドレイン領域1e等とは、同一の半導体層1aからなる。このため、TFTアレイ基板10上に形成される積層構造を単純化でき、更に、後述の電気光学装置の製造方法において、同一の薄膜形成工程で容量線3b及び走査線3aを同時に形成でき、蓄積容量70aの第1誘電体膜(ゲート絶縁膜)2を同時に形成できる。
【0073】
遮光膜からなるバリア層80は、例えば、不透明な高融点金属であるTi、Cr、W、Ta、Mo及びPbのうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等から構成される。このように構成すれば、バリア層80形成工程の後に行われる高温処理により、バリア層80が破壊されたり溶融しないようにできる。
【0074】
更に、これらの高融点金属と画素電極9を構成するITO膜とが接触しても高融点金属が腐食することはないため、第2コンタクトホール8bを介してバリア層80及び画素電極9間で良好なコンタクトがとれる。
【0075】
次に、本実施形態の液晶装置における画素電極9が対向基板20の共通電極21との間に電界を印加した場合の等電位線を図5に示す。
【0076】
図5に示す等電位線から明らかなように、等電位線は画素電極9の凸部9Bを有する周縁部において傾斜する。この実施形態の如く垂直配向モードの液晶にあっては、電界無印加時において基板に対して起立してホメオトロピック状態で配向していたものが、当電位線に沿って倒れて基板に対して平行なホモジニアス配向状態に変化しようとする。ここで、先のように等電位線が画素電極9の周縁部において傾斜していると、垂直配向モードの液晶にあっては、画素電極9の周縁部側において外側から内側に倒れようとする液晶分子の力が緩和される。しかしここで、画素電極9の周縁部において辺9aに沿った周縁部分は凸部9Bが形成されていないので、傾斜していない等電位線に沿って他の部分よりも優先的に液晶分子が倒れようとするので、辺9aに沿った周縁部分の液晶分子が優先的にホモジニアス配向状態に変化し始め、その他の部分の液晶分子がそれに続いて配向し始めるので、凸部を有していない従来の画素電極よりも液晶の配向状態を揃え易い特徴を有する。
【0077】
より具体的には、後述する図26を基に説明する実施例で示すように、ドメインの境界の透過率の悪い領域をコ字状の画素電極9の凸部9Bの開口部と反対側に寄せ集めて縮小するとともに、表示の明るい領域を拡張することができ、これによってドメインの境界の透過率の悪い領域が対角線状に発生していた従来構造よりも高コントラストの高品質の表示状態を得ることができる。その際、透過率の悪い領域が、容量線付近の遮光領域とできるだけ重なるように配置することで、光の損失を減らすことができ表示品質を高めることができる。
【0078】
以上説明した実施形態においては、画素電極9を矩形状に形成したが、画素電極9の平面形状は、矩形状には限らない。
【0079】
画素電極を用いて表示する場合に、画素電極どうしがまとまった形状であれば画素電極の形状は任意で良いので、図6に示すように五角形状の第1の画素電極90と、4角型の突起を有する7角形状の第2の画素電極91と、三角形状の突起を有する第3の画素電極92を隣接配置した形状とすることもできる。この形態の第1の画素電極90で配向制御するためには、第1の画素電極90の1つの辺90aを除いた4つの辺90b、90c、90d、90eに沿う凸部90Bを形成することで本発明に適用することができる。第2の画素電極91で配向制御するためには、第2の画素電極91の1つの辺91aを除いた5つの辺91b、91c、91d、91e、91fに沿う凸部90Bを形成することで本発明に適用することができる。第3の画素電極92で配向制御するためには、第2の画素電極92の1つの辺92aを除いた3つの辺92b、92c、92dに沿う凸部90Bを形成することで本発明に適用することができる。
【0080】
また、図7に示すように扇形の画素電極93、94、95を3つ丸型に配置した構造の画素電極に本発明を適用することも可能である。ここで、本発明で使用する多辺形とは、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、を含めた多角形状の外に、2つの直線の辺と曲線の辺からなる扇形も包含するものとする。
【0081】
図7に示す扇形の画素電極93の場合、円弧状の辺93a部分に対応させて凸部93Bを形成し、他の辺93b、93cの部分には凸部を形成しない構造を採用し、画素電極94の場合、円弧状の辺94a部分に対応させて凸部94Bを形成し、他の辺94b、94cの部分には凸部を形成しない構造を採用し、画素電極95の場合、円弧状の辺95a部分に対応させて凸部95Bを形成し、他の辺95b、95cの部分には凸部を形成しない構造を採用することができる。
【0082】
なお、図7に示す構造とは、逆に、辺93b、93c部分、辺94b、94c部分、辺95b、95c部分に凸部を形成し、辺93a、94a、95a部分に凸部を形成しない構造とすることもできる。
【0083】
更に本発明において、図8に示すように平面視四角形状の画素電極96に対して平面視略コ字状になるように辺96aを除く辺96b、96c、96dに沿って間欠的に電極を配して凸部96Bを構成しても良い。
【0084】
凸部96Bが間欠的に平面視コ字状に形成されていても、等電位線の傾斜部分を発生させることはできるので、本発明の目的を達成することができる。
【0085】
更に本発明において、図9に示すように平面視四角形状の画素電極97に対して辺97aを除く辺97b、97c、97dに沿って平面視コ字状になるように凸部97Bを形成した上に、辺97aに沿って凸部97Bよりも高さの低い凸部97Dを形成してなる構成とすることもできる。
【0086】
この構造において凸部97Dの高さを凸部97Bの高さよりも十分に低くしておくならば、凸部97Bが等電位線に傾斜部分を生成させることが十分にできるので、本発明の目的を達成することができる。
【0087】
図9に示す構造は、図2に示す平面構造において、画素電極9の周囲の積層構造を検討した場合に適用される場合がある。
【0088】
例えば、図2において平面視左右方向に延設されている走査線3aと、図2において平面視上下方向に延設されているデータ線6aとによって区画された領域に設けられる画素電極9である場合、図2に示す構造では、画素電極9の周囲の左右方向には走査線3a、容量線3bの本線部3b1、導電層80、ポリシリコン層等が存在しているとともに、画素電極9の周囲の上下方向にはデータ線6a、容量線3bの延出部3b2、ポリシリコン層等が存在し、これらの配線や層によって画素電極9の周縁部には段部が形成され、これらの段部に近接するように、あるいは一部重複するように画素電極9を形成すると、自然に画素電極9の周縁部に凸部が形成される構造が考えられる。この構造の場合、四角形状の画素電極9のうち、一側の辺9a側の凸部を低くして他の三辺側9b、9c、9dの凸部を高くすると目的を達成できる。
【0089】
具体的には、図3に示すような突起部9Aを利用して凸部9Bを形成する手段の外に、画素電極9の辺9a側に位置する走査線3aの下の基板10の上面のみに凹部を形成して走査線3aを形成する位置を低くしておき、その他のTFT30とデータ線6aを形成する領域には基板10に凹部を形成しない構成を採用することで対応することができる。これにより、図9に示す構造の凸部97Bを備えた画素電極97を図2に示す平面構造の液晶表示装置に適用することができるようになる。
【0090】
これらのいずれの構造においても先の実施形態の場合と同様に、画素電極周縁部分の一側を除いた部分の等電位線を傾斜させることができるので、凸部を形成していない一側の液晶の配向に他の側の液晶を揃えて配向できる効果を得ることができる。
【0091】
(電気光学装置の第1実施形態における製造プロセス)
次に、以上のような構成を持つ本実施形態における液晶装置の製造プロセスについて、図10から図14を参照して説明する。尚、図10から図14は各工程におけるTFTアレイ基板側の各層を、図3と同様に図2のA−A’線に沿う断面に対応させて示す工程図である。
【0092】
先ず図10の工程(1)に示すように、石英基板、ハードガラス、シリコン基板等のTFTアレイ基板10を用意する。そして、このTFTアレイ基板10の上面において、後述するTFT30とデータ線6aと走査線3aとを形成するべき位置に対応させて凹部10aを形成する。凹部10aを形成するには基板10の上面で凹部10aを形成するべき領域をエッチングすれば良い。
【0093】
ここで、好ましくはN2(窒素)等の不活性ガス雰囲気且つ約900〜1300℃の高温でアニール処理し、後に実施される高温プロセスにおけるTFTアレイ基板10に生じる歪みが少なくなるように前処理しておく。即ち、製造プロセスにおける最高温で高温処理される温度に合わせて、事前にTFTアレイ基板10を同じ温度かそれ以上の温度で熱処理しておく。そして、このように処理されたTFTアレイ基板10の全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPb等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜を、スパッタリングにより、100〜500nm程度の膜厚、好ましくは約200nmの膜厚の遮光膜を形成する。尚、遮光膜上には、表面反射を緩和するためにポリシリコン膜等の反射防止膜を形成しても良い。
【0094】
次に工程(2)に示すように、該形成された遮光膜上にフォトリソグラフィにより第1遮光膜11aのパターン(図2参照)を形成する。
【0095】
次に工程(3)に示すように、第1遮光膜11aの上に、シリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる下地絶縁膜12を形成する。この下地絶縁膜12の膜厚は、例えば、約500〜2000nmとする。
【0096】
次に下地絶縁膜12の上に、ポリシリコン膜2を50〜200nm、好ましくは約100nm形成する。
【0097】
この際、図3に示した画素スイッチング用TFT30として、nチャネル型の画素スイッチング用TFT30を作成する場合には、V族元素の不純物を僅かにイオン注入等によりドープしても良い。また、画素スイッチング用TFT30をpチャネル型とする場合には、III族元素の不純物を僅かにイオン注入等によりドープしても良い。
【0098】
次に工程(4)に示すように、図2に示した如き第1蓄積容量電極1fを含む所定パターンを有する半導体層1aを形成する。
【0099】
次に、画素スイッチング用TFT30を構成する半導体層1aと共に第1蓄積容量電極1fを約900〜1300℃の温度、好ましくは約1000℃の温度により熱酸化することにより、約30nmの比較的薄い厚さの熱酸化シリコン膜2aを形成し、更に、減圧CVD法等により高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる絶縁膜2bを約50nmの比較的薄い厚さに堆積し、熱酸化シリコン膜2a及び絶縁膜2bを含む多層構造を持つ画素スイッチング用TFT30のゲート絶縁膜2と共に蓄積容量形成用の第1誘電体膜2を同時に形成する。この結果、第1蓄積容量電極1fの厚さは、約30〜150nmの厚さ、好ましくは約35〜50nmの厚さとなり、ゲート絶縁膜2(第1誘電体膜)の厚さは、約20〜150nmの厚さ、好ましくは、約30〜100nmの厚さとなる。但し、ポリシリコン膜1を熱酸化することのみにより、単一層構造を持つゲート絶縁膜2を形成してもよい。
【0100】
次に図11に示す工程(6)に示すように、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等によりレジスト層500を形成した後、例えばPイオンをドーズ量約3×1012/cm2でドープして、第1蓄積容量電極1fを低抵抗化しても良い。
【0101】
次に、レジスト層500を除去した後、減圧CVD法等により全体にポリシリコン膜を堆積し、更にリン(P)を熱拡散し、ポリシリコン膜を導電化する。又は、Pイオンをポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を用いてもよい。ポリシリコン膜の膜厚は、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約300nmに堆積する。
【0102】
次に図11に示す工程(7)に示すように、レジストマスクを用いたフォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、図2に示した如き所定パターンの走査線3aと共に容量線3b(本線部3b1と延出部3b2)を形成する。走査線3a及び容量線3bは、高融点金属や金属シリサイド等の金属合金膜で形成しても良いし、ポリシリコン膜等と組み合わせた多層配線としても良い。
【0103】
次に図11に示す工程(8)に示すように、図3に示した画素スイッチング用TFT30をLDD構造を持つnチャネル型のTFTとする場合、半導体層1aに先ず低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを形成するために、走査線3a(ゲート電極)をマスクとして、PなどのV族元素のドーパントを低濃度でドープする。これにより走査線3a下の半導体層1aはチャネル領域1a’となる。この不純物のドープにより容量線3b及び走査線3aも低抵抗化される。
【0104】
次に工程(9)に示すように、画素スイッチング用TFT30を構成する高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成するために、走査線3aよりも幅の広いマスクでレジスト層600を走査線3a上に形成した後、同じくPなどのV族元素のドーパントを高濃度でドープする。尚、例えば、低濃度のドープを行わずに、オフセット構造のTFTとしてもよく、走査線3aをマスクとして、Pイオン、Bイオン等を用いたイオン注入技術によりセルフアライン型のTFTとしてもよい。この不純物のドープにより容量線3b及び走査線3aも更に低抵抗化される。
【0105】
尚、これらのTFT30の素子形成工程と並行して、nチャネル型TFT及びpチャネル型TFTから構成される相補型構造を持つデータ線駆動回路、走査線駆動回路等の周辺回路をTFTアレイ基板10上の周辺部に形成してもよい。
【0106】
次に、図12に示す工程(10)に示すように、レジスト層600を除去した後、容量線3b(本線部3b1と延出部3b2)上及び走査線3a上並びにゲート絶縁膜(第1誘電体膜)2上に、高温酸化シリコン膜(HTO膜)や窒化シリコン膜からなる第1層間絶縁膜81を10nm以上200nm以下の比較的薄い厚さに堆積する。但し、前述のように、第1層間絶縁膜81は、多層膜から構成してもよいし、一般にTFTのゲート絶縁膜を形成するのに用いられる各種の公知技術により、第1層間絶縁膜81を形成可能である。第1層間絶縁膜81の場合には、第2層間絶縁膜4の場合のように余り薄くするとデータ線6a及び走査線3a間の寄生容量が大きくなってしまうことはなく、またTFT30におけるゲート絶縁膜2のように余り薄く構成するとトンネル効果等の特異現象が発生することもない。
【0107】
次に図12に示す工程(11)に示すように、バリア層80と高濃度ドレイン領域1eとを電気的接続するためのコンタクトホール8aを形成する。
【0108】
次に、第1層間絶縁膜81及びコンタクトホール8aを介して覗く高濃度ドレイン領域1eの全面に、Ti、Cr、W、Ta、Mo及びPb等の金属や金属シリサイド等の金属合金膜をスパッタ処理により堆積し、50〜500nm程度の膜厚の導電膜を形成する。50nm程度の厚みがあれば、後に第2コンタクトホール8bを開孔する時に突き抜ける可能性は殆どない。尚、この導電膜上には、表面反射を緩和するためにポリシリコン膜等の反射防止膜を形成しても良い。また、前記の導電膜として応力緩和のためにドープトポリシリコン膜等を用いても良い。
【0109】
次に該形成された導電膜上にフォトリソグラフィによりバリア層のパターン(図2参照)に対応するレジストマスクを形成し、該レジストマスクを介して導電膜に対しエッチングを行うことにより、図12の工程(12)に示すような第3蓄積容量電極80aを含むバリア層80を形成する。
【0110】
次に第1層間絶縁膜81及びバリア層80を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜4を形成する。第2層間絶縁膜4の膜厚は、約500〜1500nmが好ましい。第2層間絶縁膜4の膜厚が500nm以上あれば、データ線6a及び走査線3a間における寄生容量は余り又は殆ど問題とならない。
【0111】
次に、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを活性化するために約1000℃のアニール処理を20分程度行った後、図12の工程(13)に示すようにデータ線6aに対するコンタクトホール5を開孔する。また、走査線3aや容量線3bを基板周辺領域において図示しない配線と接続するためのコンタクトホールも、コンタクトホール5と同一の工程により第2層間絶縁膜4に開孔することができる。
【0112】
次に、第2層間絶縁膜4の上に、スパッタリング等により、遮光性のAl等の低抵抗金属や金属シリサイド等を金属膜として、約100〜500nmの厚さ、好ましくは約300nmに堆積する。
【0113】
次に図13に示す工程(14)に示すように、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、データ線6aを形成する。
【0114】
次に図13の工程(15)に示すように、四角形状の画素電極9の周縁部分のうち、辺9b、9c、9dに相当する部分に対して断面4画型の平面形状ではコ字状の突起部9Aを形成する。この突起部9Aを形成するには全面に絶縁膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いて突起部9Aをパターニングして形成すればよい。ここで用いる絶縁膜は、例えば常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなるものを用いることができる。
【0115】
次に、前記突起部9Aとデータ線6a上を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜7を形成する。第3層間絶縁膜7の膜厚は、約500〜1500nmが好ましい。
【0116】
次に図14に示す工程(17)に示すように、画素電極9とバリア層80とを電気的に接続するためのコンタクトホール8bを、反応性イオンエッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより形成する。また、テーパ状にするためにウェットエッチングを用いても良い。
【0117】
次に工程(18)に示すように、第3層間絶縁膜7の上に、スパッタ処理等により、ITO膜等の透明導電性薄膜9’を、約50〜200nmの厚さに堆積し、更に、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、画素電極9を形成する。尚、当該液晶装置を反射型の液晶装置に用いる場合には、Al等の反射率の高い不透明な材料から画素電極9を形成してもよい。
【0118】
続いて、画素電極9の上に可溶性ポリイミド系の配向剤を塗布、焼成した後、所定のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等により、配向膜16(図3参照)が形成される。本実施例では配向剤としてポリイミド系の有機材料を用いたが、SiOのような無機配向膜を使って配向処理することも可能である。
【0119】
他方、図3に示した対向基板20については、ガラス基板等が先ず用意され、第2遮光膜23及び額縁としての第3遮光膜(図20及び図21参照)が、例えば金属クロムをスパッタした後、フォトリソグラフィ工程、エッチング工程を経て形成される。
【0120】
その後、対向基板20の全面にスパッタ処理等により、ITO等の透明導電性薄膜を、約50〜200nmの厚さに堆積することにより、対向電極21を形成する。更に、対向電極21の全面に可溶性ポリイミド系の配向剤を塗布、焼成した後、所定のプレティルト角を持つように且つ所定方向でラビング処理を施すこと等により、配向膜22(図3参照)が形成される。
【0121】
最後に、上述のように各層が形成されたTFTアレイ基板10と対向基板20とは、配向膜16及び22が対面するようにシール材(図20及び図21参照)により貼り合わされ、真空吸引等により、両基板間の空間に、例えば複数種類のネマティック液晶を混合してなる液晶が吸引されて、所定層厚の液晶層50が形成されて液晶装置が構成される。
【0122】
(電気光学装置の第2実施形態)
本発明による電気光学装置の第2実施形態である液晶装置の構成について、図15を参照して説明する。図15は、データ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板の断面図である。尚、図15に示した第2実施形態において図2及び図3を基に先に説明した第1実施形態と同様の構成要素については、同様の参照符号を付し、その説明は省略する。また、図15においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0123】
図15において、第2実施形態では第1実施形態とは異なり、画素電極9に形成する凸部9Bを形成するための絶縁膜の突起部9Aを第2層間絶縁膜4の上に設けるのではなく、TFTアレイ基板10の凹部10aの底面上に突起部9Dとして設けた構造である。その他の構成については第1実施形態の場合と同様である。この突起部9Dを設ける位置は、先の第1実施形態の突起部9Aと同じ平面位置で良い。
【0124】
この実施形態ではTFTアレイ基板10の凹部10aに突起部9Dを設けているので、画素電極9に先の第1実施形態の場合と同様に凸部9Bを形成することができる。
【0125】
従って本第2実施形態の構造においても先の第1実施形態の構造と同等の作用効果を得ることができる。
【0126】
(電気光学装置の第3実施形態)
本発明による電気光学装置の第3実施形態である液晶装置の構成について、図16〜図19を参照して説明する。図16は、データ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板の断面図、図17は画素電極と対向電極の配置関係を一側から見た図、図18は画素電極と対向電極の配置関係を他側から見た図、図19は画素電極と対向電極の電極凸部を示す図である。尚、図16に示した第3実施形態において図2及び図3を基に先に説明した第1実施形態と同様の構成要素については、同様の参照符号を付し、その説明は省略する。また、図16〜図19においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。
【0127】
本第3実施形態の構造において、TFTアレイ基板10とその上に形成された全ての層の積層構造は第1実施形態の構造と同等である。この第3実施形態において第1実施形態の構造と異なっているのは、対向基板側の構造である。
【0128】
この第3実施形態の構造においては、一方のTFTアレイ基板10に対向して設けられている他方の基板200において、TFTアレイ基板10側の画素電極9に対応する部分に凸部200Aを設け、その他の部分は凹部200Bとし、画素電極9に形成されている凸部9Bに対向する部分に、凸部200Aの角部200Cを配置し、対向基板200の下面を覆うように共通電極200Dを設けた構造である。なお、図16において符号200Eは共通電極200Dの下面において対向する画素電極9の周縁部分まわりを覆い隠すために設けられたブラックマスクである。
【0129】
この第3実施形態において、対向基板200に設けた凸部200Aの下面側にも共通電極(対向電極)200Dが被覆されているので、凸部200Aの下面側に共通電極からなる電極凸部200D1が形成されている。この電極凸部200D1は、図17〜図19に詳細に示すように画素電極9に形成した平面視コ字状の凸部9Bの内側に合致し、画素電極9から平面視はみ出さないような四角形状に形状にされている。そして、基板10と対向基板200を後述する図20と図21に示すように液晶セルとして組みつけた場合に、平面視コ字状の内側の四角形と対向基板200側の電極凸部200D1が位置合わせされる。
【0130】
この第3実施形態においても画素電極9と共通電極200Dとの間に存在する液晶において共通電極9の凸部9B近傍の液晶と、電極凸部200D1まわりの液晶がいずれも傾斜する等電位線の影響を受けるので、第1実施形態の構造と同様に液晶の配向制御を円滑に行なうことができる。図17と図18にこの傾斜する等電位線の方向を矢印eで示した。
【0131】
本第3実施形態においては、画素電極9の凸部9Bの存在に加えて電極凸部200D1によっても等電位線を傾斜できるので、電界無印加状態で起立したホメオトロピック配向状態の液晶を倒してホモジニアス状態にする場合に、第1実施形態の構造よりもより強く液晶に規制力を作用させることができる。
【0132】
なお、対向基板200側にコ字状の凸部を形成し、基板10側に平面状の画素電極を形成すると、画素電極周縁部の等電位線の傾きが、図17及び図18に示す矢印eとは逆の傾斜関係となるので、このような構造は除外とする。
【0133】
また、画素電極9に凸部9Bを設けないで平坦な画素電極構成とし、対向基板200側にのみ図17と図18に示すような電極凸部200D1を設ける構造を採用することができる。平坦な画素電極9と下向きの凸型の電極凸部200D1との組み合わせによっても、図17と図18の矢印eに示す向きの傾斜した等電位線を得ることができるので、本発明の目的を達成することができる。
【0134】
ただし、この構成の場合、基板10と対向基板200とを位置合わせした場合に、画素電極9と電極凸部200D1の平面視状態では、図19に示す場合と同様に、平面視した電極凸部200D1の1つの辺200Daを除く3つの辺200Db、200Dc、200Ddの外側に画素電極9の3つの辺9b、9c、9dの周辺部がはみ出し、かつ、電極凸部200D1の残りの辺200Daと画素電極9の残りの辺9aが重なるような配置関係とすることが好ましい。
【0135】
(電気光学装置の全体構成)
以上のように構成された各実施形態における液晶装置の全体構成を図20及び図21を参照して説明する。尚、図20は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素と共に対向基板20の側から見た平面図であり、図21は、図20のH−H’線に沿う断面図である。
【0136】
図20において、TFTアレイ基板10の上には、シール材52がその縁に沿って設けられており、その内側に並行して、例えば第2遮光膜23と同じ或いは異なる材料から成る画像表示領域の周辺を規定する額縁としての第3遮光膜53が設けられている。シール材52の外側の領域には、データ線6aに画像信号を所定タイミングで供給することによりデータ線6aを駆動するデータ線駆動回路101及び実装端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられており、走査線3aに走査信号を所定タイミングで供給することにより走査線3aを駆動する走査線駆動回路104が、この一辺に隣接する2辺に沿って設けられている。走査線3aに供給される走査信号遅延が問題にならないのならば、走査線駆動回路104は片側だけでも良いことは言うまでもない。また、データ線駆動回路101を画像表示領域の辺に沿って両側に配列してもよい。例えば奇数列のデータ線6aは画像表示領域の一方の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給し、偶数列のデータ線は前記画像表示領域の反対側の辺に沿って配設されたデータ線駆動回路から画像信号を供給するようにしてもよい。この様にデータ線6aを櫛歯状に駆動するようにすれば、データ線駆動回路の占有面積を拡張することができるため、複雑な回路を構成することが可能となる。更にTFTアレイ基板10の残る一辺には、画像表示領域の両側に設けられた走査線駆動回路104間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部の少なくとも1箇所においては、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための導通材106が設けられている。そして、図21に示すように、図20に示したシール材52とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材52によりTFTアレイ基板10に固着されている。尚、TFTアレイ基板10上には、これらのデータ線駆動回路101、走査線駆動回路104等に加えて、複数のデータ線6aに画像信号を所定のタイミングで印加するサンプリング回路、複数のデータ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して各々供給するプリチャージ回路、製造途中や出荷時の当該液晶装置の品質、欠陥等を検査するための検査回路等を形成してもよい。尚、本実施の形態によれば、対向基板20上の第2遮光膜23はTFTアレイ基板10の遮光領域よりも小さく形成すれば良い。また、液晶装置の用途により、第2遮光膜23は容易に取り除くことができる。
【0137】
以上図20と図21を参照して説明した各実施形態では、データ線駆動回路101及び走査線駆動回路104をTFTアレイ基板10の上に設ける代わりに、例えばTAB(Tape Automated Bonding)基板上に実装された駆動用LSIに、TFTアレイ基板10の周辺部に設けられた異方性導電フィルムを介して電気的及び機械的に接続するようにしてもよい。また、対向基板20の投射光が入射する側及びTFTアレイ基板10の出射光が出射する側には各々、例えば、VA(Vertically Aligned)モード、PDLC(Polymer Dispersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光板などが所定の方向で配置される。
【0138】
以上説明した各実施形態における液晶装置は、カラー液晶プロジェクタに適用されるため、3枚の液晶装置がR(赤)G(緑)B(青)用のライトバルブとして各々用いられ、各ライトバルブには各々RGB色分解用のダイクロイックミラーを介して分解された各色の光が投射光として各々入射されることになる。従って、各実施形態では、対向基板20に、カラーフィルタは設けられていない。しかしながら、第2遮光膜23の形成されていない画素電極9に対向する所定領域にRGBのカラーフィルタをその保護膜と共に、対向基板20上に形成してもよい。あるいは、TFTアレイ基板10上のRGBに対向する画素電極9下にカラーレジスト等でカラーフィルタ層を形成することも可能である。このようにすれば、液晶プロジェクタ以外の直視型や反射型のカラー液晶テレビなどのカラー液晶装置に各実施形態における液晶装置を適用できる。更に、対向基板20上に1画素1個対応するようにマイクロレンズを形成してもよい。このようにすれば、入射光の集光効率を向上することで、明るい液晶装置が実現できる。更にまた、対向基板20上に、何層もの屈折率の相違する干渉層を堆積することで、光の干渉を利用して、RGB色を作り出すダイクロイックフィルタを形成してもよい。このダイクロイックフィルタ付き対向基板によれば、より明るいカラー液晶装置が実現できる。
【0139】
以上説明した各実施形態における液晶装置では、従来と同様に入射光を対向基板20の側から入射することとしたが、第1遮光膜11aを設けているので、TFTアレイ基板10の側から入射光を入射し、対向基板20の側から出射するようにしても良い。即ち、このように液晶装置を液晶プロジェクタに取り付けても、半導体層1aのチャネル領域1a’及びソース側LDD領域1b、ドレイン側LDD領域1cに光が入射することを防ぐことが出来、高画質の画像を表示することが可能である。ここで、従来は、TFTアレイ基板10の裏面側での反射を防止するために、反射防止用のAR(Anti Reflection)被膜された偏光板を別途配置したり、ARフィルムを貼り付ける必要があったが、各実施形態では、TFTアレイ基板10の表面と半導体層1aの少なくともチャネル領域1a’及びソース側LDD領域1b、ドレイン側LDD領域1cとの間に第1遮光膜11aが形成されているため、このようなAR被膜された偏光板やARフィルムを用いたり、TFTアレイ基板10そのものをAR処理した基板を使用する必要が無くなる。従って、各実施形態によれば、材料コストを削減でき、また偏光板貼り付け時に、ごみ、傷等により、歩留まりを落とすことがなく大変有利である。また、耐光性が優れているため、明るい光源を使用したり、偏光ビームスプリッタにより偏光変換して、光利用効率を向上させても、光によるクロストーク等の画質劣化を生じない。
【0140】
また、各画素に設けられるスイッチング素子としては、正スタガ型又はコプラナー型のポリシリコンTFTであるとして説明したが、逆スタガ型のTFTやアモルファスシリコンTFT等の他の形式のTFTに対しても、各実施形態は有効である。
【0141】
(電子機器)
次に、以上詳細に説明した液晶装置100を備えた電子機器の実施の形態について図22から図25を参照して説明する。
【0142】
先ず図22にこのような液晶装置100を備えた電子機器の概略構成を示す。
【0143】
図22において、電子機器は、表示情報出力源1000、表示情報処理回路1002、駆動回路1004、液晶装置100、クロック発生回路1008並びに電源回路1010を備えて構成されている。表示情報出力源1000は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、光ディスク装置などのメモリ、画像信号を同調して出力する同調回路等を含み、クロック発生回路1008からのクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号などの表示情報を表示情報処理回路1002に出力する。表示情報処理回路1002は、増幅・極性反転回路、シリアル−パラレル変換回路、ローテーション回路、ガンマ補正回路、クランプ回路等の周知の各種処理回路を含んで構成されており、クロック信号に基づいて入力された表示情報からデジタル信号を順次生成し、クロック信号CLKと共に駆動回路1004に出力する。駆動回路1004は、液晶装置100を駆動する。電源回路1010は、上述の各回路に所定電源を供給する。尚、液晶装置100を構成するTFTアレイ基板の上に、駆動回路1004を搭載してもよく、これに加えて表示情報処理回路1002を搭載してもよい。
【0144】
次に図23と図25に、このように構成された電子機器の具体例を各々示す。
【0145】
図23において、電子機器の一例たる液晶プロジェクタ1100は、上述した駆動回路1004がTFTアレイ基板上に搭載された液晶装置100を含む液晶表示モジュールを3個用意し、各々RGB用のライトバルブ100R、100G及び100Bとして用いたプロジェクタとして構成されている。
【0146】
液晶プロジェクタ1100では、メタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102から投射光が発せられると、3枚のミラー1106及び2枚のダイクロイックミラー1108によって、R(赤)G(緑)B(青)の3原色に対応する光成分R、G、Bに分けられ、各色に対応するライトバルブ100R、100G及び100Bに各々導かれる。
【0147】
この際特にB(青)光は、長い光路による光損失を防ぐために、入射レンズ1122、リレーレンズ1123及び出射レンズ1124からなるリレーレンズ系1121を介して導かれる。そして、ライトバルブ100R、100G及び100Bにより各々変調された3原色に対応する光成分は、ダイクロイックプリズム1112により再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120にカラー画像として投射される。
【0148】
ここでライトバルブ100R、100G、100Bが先の実施形態の液晶表示装置から構成されているので、高コントラストなドメイン境界の暗い領域の目立たない表示状態の投射光表示を得ることができる。
【0149】
更に本実施形態にあっては、図24に示すように画素電極に形成される平面視コ字状の凸部9Bの開口部9Fの方向を一方向に揃え、ミラーによる反射に対して視角特性が変化しないように、開口部9Fが図23において紙面と垂直な方向となることが望ましい。図24では9個の画素電極に配置される凸部9Bのみを抽出して示した。
【0150】
このように凸部9Bの開口部9Fを同一方向に揃え、ミラーによる反射に対して視角特性を左右対称にすることで、ライトバルブ100R、100G、100Bを通過する光を合成した時に色ずれのおそれを極力少なくすることができる。
【0151】
これに対して凸部9Bの開口部9Fを全て右側に向けた場合は、左右方向に色ずれを生じやすく、スクリーン上のカラーの投射画像(映像)として見た場合に左右方向での色ずれが目立つこととなる。一般にスクリーン上のカラーの投射画像を上下方向の深い角度から見るおそれは少なく、左右方向の深い角度から、即ち、スクリーンのカラー投射画像の左右方向から見る確率は高いので、左右方向の色ずれを生じる場合に投射画像の劣化は目立ち易くなる。
【0152】
このような対策として図24に示す凸部9Bの配列とし、開口部9が図23において紙面に垂直な方向になるようにライトバルブ100R、100G、100Bが配置されることが好ましい。
【0153】
更に投射型表示装置のライトバルブ100R、100G、100Bに先の実施形態の液晶装置を用いる場合、ライトバルブ100R、100G、100Bがメタルハライドランプ等の白色光源のランプユニット1102からの熱により容易に70℃程度に加熱されるので、液晶装置のパネル設計にあたり、Δnd(nは液晶の屈折率、dはセルギャップを示す)の値が70℃で最適値となるように液晶の種類を設定することが好ましい。
【0154】
図25において、電子機器の他の例たるマルチメディア対応のラップトップ型のパーソナルコンピュータ(PC)1200は、上述した液晶装置100がトップカバーケース内に設けられており、更にCPU、メモリ、モデム等を収容すると共にキーボード1202が組み込まれた本体1204を備えている。
【0155】
以上図23と図25を参照して説明した電子機器の他にも、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)、携帯電話、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた装置等などが図22に示した電子機器の例として挙げられる。
【0156】
以上説明したように、本実施の形態によれば、製造効率が高く、高コントラストでドメインの境界の暗い部分の目立たない高品位の画像表示が可能な液晶装置を備えた各種の電子機器を実現できる。
【0157】
【実施例】
ガラス基板上に図1〜図3に示す構造のTFTと各種配線構造を適用してTFTアレイ基板を作成した。このTFTアレイ基板の製造には図10〜図14に示す製造方法を適用し、第1遮光膜をWsi薄膜から、下地絶縁膜をNSG膜から、第2、第3層間絶縁膜をそれぞれNSG,BPSG膜から、データ線をAl、走査線をリンドープpoly-Si膜の配線から、配向膜をポリイミドから、画素電極と対向電極(共通電極)をITOから形成した。
【0158】
図2に示す平面構造において、隣接する上下の走査線の間隔は21μm、左右に隣接するデータ線の間隔は18μm、画素電極の横幅は21μm、縦幅は21μm、四角形状の画素電極の3つの周縁部まわりの絶縁膜上に幅2μm、厚さ0.8μmの絶縁膜の凸部をフォトリソグラフィ技術を用いて形成し、その上に画素電極をパターニングして画素電極周縁部に平面視コ字状の幅17(コ字状部分の開口部の間隔)μmの凸部を形成した。基板と対向基板との間のセルギャップを3μmとし、液晶としてメルクジャパン(株):商品名MX961210を用いて液晶セルを形成し、透過率試験に供した。
【0159】
この結果、液晶装置の透過率として57%の優れた値を得ることができた。
【0160】
これに対し、画素電極以外の構成は先の例と同等とし、画素電極周縁部に凸部を形成していないタイプの液晶表示装置を作成し、先と同様の透過率測定を行なった結果、透過率は45%を示した。
【0161】
以上の結果から本発明を適用することで液晶装置としての透過率を12%程度向上できることが判明した。
【0162】
図26は画素電極周縁部に凸部を形成した構造の液晶表示装置の画素毎の透過率分布を示し、図27は画素電極周縁部に凸部を設けていない構造の液晶表示装置の画素毎の透過率分布を示す。各図において花びら模様の図形の輪郭線の内側が透過率の高い領域を示し、花びら模様の輪郭線の外側の部分が透過率の低い領域を示す。
【0163】
図27に示す透過率分布にあっては、先にも説明した通り、符号ACで示す領域が各画素の対角線位置に存在し、各画素の対角線状にディスクリネーションラインが生成されてしまうおそれを有する。
【0164】
これに対し、図26に示す透過率分布では、図27に示す花びら模様の1つを拡大して1つの画素全体に広げたような透過率を示し、花びら模様の輪郭線の周囲に存在するドメインの境界を示す透過率の低い領域AD、AE、AFはいずれも1つの画素領域の端部に寄せ集められた形とされている。
【0165】
以上のことから、本発明を適用して平面視四角形状の画素電極の周縁部にコ字状の凸部を形成して画素電極の3方の等電位線を傾斜させることで、ドメインの境界の暗い領域を目立たなくすることができると同時に、画素の中央部を含めた広い領域を明るい表示領域とすることができ、高コントラストの表示品質の高い液晶装置を提供できることを立証できた。
【0166】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電気光学装置によれば、画素電極の少なくとも1つの辺を除いた残りの辺に沿う画素電極周縁部を、他の周縁部よりも高くしたので、高く形成された画素電極周縁部が発生させる等電位線を、低く形成された画素電極周縁部が発生させる等電位線よりも傾斜させることができる。
【0167】
この傾斜した等電位線は、垂直配向している液晶が画素電極中央側に向かって倒れて配向しようとした場合に、液晶に外力を作用させて内向きに傾く液晶を少なくしようとする。しかし、低く形成された画素電極周縁部において等電位線は傾斜しないか、傾斜がほとんど生じないので、画素電極の内側に向けて液晶が倒れて配向しようとする。結果的に画素電極が配向させる液晶は、全体として、低く形成された画素電極周縁部の液晶の配向状態に支配されつつ均一な向きに配向してゆくので、ドメインの境界の暗い領域は画素電極周縁部の一側に寄せ集められる結果、ドメインの境界の暗い領域が目立たなくなるとともに、明るい表示領域が広がり、高コントラストな表示が得られる。
【0168】
以上のような効果は、画素電極周縁部に凸部を設けることで具体的に得ることができ、画素電極が四角形状であるならば、3方に凸部を設けるか、対向電極側に電極凸部を特別な配置関係で設けることで先の効果を得ることができる。
【0169】
前述の傾斜した等電位線が液晶に作用させる力を効率的に利用するためには、電界無印加時の配向状態が基板に対して起立するホメオトロピック配向状態となり、電界印加時の配向状態が起立状態から倒れるホモジニアス状態となる垂直配向モードの液晶に適用することが好ましく、この場合に明るい表示領域を拡張する効果と、高コントラストな表示が得られる効果を確実に得ることができる。
【0170】
本発明の電気光学装置を光変調装置に適用した投影型表示装置であるならば、明るい表示領域を拡張する効果と、高コントラストな表示が得られる効果を有する投影型の表示形態を得ることができる。
【0171】
また、投影型表示装置の場合、個々の画素電極の高く形成された周縁部と低く形成された周縁部が全て同じ方向に向けられて整列されてなる構造を採用することで、液晶を透過する光の対称性を得ることができ、色ずれの生じ難い投影光を得ることができ易くなる。
【0172】
また、本発明の電気光学装置の製造方法によれば、比較的少ない工程数で且つ比較的簡単な各工程を用いて先に説明した光コントラストと明るい表示形態の電気光学装置を製造できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電気光学装置の第1実施形態である液晶装置における画像表示領域を構成するマトリクス状の複数の画素に設けられた各種素子、配線等の等価回路図である。
【図2】 第1実施形態の液晶装置におけるデータ線、走査線、画素電極、遮光膜等が形成されたTFTアレイ基板の相隣接する複数の画素群の平面図である。
【図3】 図2のA−A’線に沿う断面図である。
【図4】 第1実施形態の液晶装置における画素電極の構成図である。
【図5】 第1実施形態の液晶装置の画素電極により発生される等電位線を示す説明図である。
【図6】 画素電極の第2の例を示す平面図である。
【図7】 画素電極の第3の例を示す平面図である。
【図8】 画素電極の第4の例を示す平面図である。
【図9】 画素電極の第5の例を示す平面図である。
【図10】 第1実施形態の液晶装置の製造プロセスのうち、工程(1)〜(5)を順を追って示す工程図である。
【図11】 第1実施形態の液晶装置の製造プロセスのうち、工程(6)〜(9)を順を追って示す工程図である。
【図12】 第1実施形態の液晶装置の製造プロセスのうち、工程(10)〜(13)を順を追って示す工程図である。
【図13】 第1実施形態の液晶装置の製造プロセスのうち、工程(14)〜(16)を順を追って示す工程図である。
【図14】 第1実施形態の液晶装置の製造プロセスのうち、工程(17)〜(18)を順を追って示す工程図である。
【図15】 電気光学装置の第2実施形態である液晶装置のTFTアレイ基板の断面図である。
【図16】 電気光学装置の第3実施形態である液晶装置の断面図である。
【図17】 第3実施形態において画素電極に形成された凸部と対向基板の共通電極に形成された凸部の配置関係を一側から見た状態を示す図である。
【図18】 第3実施形態において画素電極に形成された凸部と対向基板の共通電極に形成された凸部の配置関係を他側から見た状態を示す図である。
【図19】 第3実施形態において画素電極側の凸部と共通電極側の凸部を比較して示す図である。
【図20】 各実施形態の液晶装置におけるTFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素と共に対向基板の側から見た平面図である。
【図21】 図14のH−H’線に沿う断面図である。
【図22】 本発明による電子機器の実施の形態の概略構成を示すブロック図である。
【図23】 電子機器の一例として液晶プロジェクタを示す断面図である。
【図24】 図23の液晶プロジェクタの液晶ライトバルブの画素群の凸部を模式的に示す図である。
【図25】 電子機器の他の例としてのパーソナルコンピュータを示す正面図である。
【図26】 従来の液晶表示装置の画素毎の液晶の透過率分布を示す図である。
【図27】 本発明に係る構造を採用した液晶表示装置の画素毎の液晶の透過率分布を示す図である。
【符号の説明】
1a…半導体層、1a’…チャネル領域、1f…第1蓄積容量電極、2…ゲート絶縁膜(第1誘電体膜)、3a…走査線、3b…容量線(第2蓄積容量電極)、4…第2層間絶縁膜、5…コンタクトホール、6a…データ線、7…第3層間絶縁膜、8a…第1コンタクトホール、8b…第2コンタクトホール、9…画素電極、9a、9b、9c、9d…辺、9B…凸部、10…TFTアレイ基板、12…下地絶縁膜、15…コンタクトホール、16…配向膜、20…対向基板、21…対向電極、22…配向膜、30…画素スイッチング用TFT、50…液晶層、52…シール材、53…第3遮光膜、70…蓄積容量、70a…第1蓄積容量、70b…第2蓄積容量、80…バリア層、81…第1層間絶縁膜(第2誘電体膜)、90、91、92…画素電極、90a、90b、90c、90d、90e…辺、91a、91b、91c、91d、91e、91f…辺、92a、92b、92c、92d…辺、93、94、95…画素電極、93a、93b、93c…辺、93B、94B、95B…凸部、94a、94b、94c…辺、95a、95b、95c…辺、96…画素電極、96B…凸部、96a、96b、96c、96d…辺、97…画素電極、97a、97b、97c、97d…辺、97B…凸部、97D…凸部、100R、100G、100B…ライトバルブ(光変調装置)。

Claims (16)

  1. 垂直配向モードの液晶を備えた電気光学装置であって、
    基板上にマトリクス状に設けられた複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線に接続されたスイッチング手段と、
    該スイッチング手段に接続され、第3層間絶縁膜上に設けられた画素電極とが具備されてなり、
    前記画素電極が平面視少なくとも3つ以上の辺の組み合わせからなる多辺形型に形成され、前記画素電極の輪郭を構成する3つ以上の辺のうち、1つの辺を除いた残りの辺に沿う画素電極の周縁部が、前記第3層間絶縁膜下に形成された絶縁膜からなる断面四角の突起部により、画素電極の他の周縁部よりも突出されてなることを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記画素電極の輪郭を構成する3つ以上の辺のうち、少なくとも1つの辺を除いた残りの辺に沿う画素電極周縁部に凸部が連続形成されてなることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置。
  3. 一対の基板間に垂直配向モードの液晶が挟持され、一方の基板上にマトリクス状に設けられた複数の走査線及び複数のデータ線と、前記走査線及び前記データ線に接続されたスイッチング手段と、該スイッチング手段に接続された画素電極とが具備され、前記基板に対向させて設けられた他方の基板に対向電極が設けられてなり、
    前記画素電極が平面視少なくとも3つ以上の辺の組み合わせからなる多辺形型に形成され、
    前記他方の基板の対向電極の一部に前記画素電極の形成位置に対応させて電極凸部が形成されるとともに、前記電極凸部と前記画素電極の対向配置平面視状態において、前記電極凸部の周囲側に前記画素電極の少なくとも1辺側の周縁部を除いた他の周縁部がはみ出すように配置されてなり、
    前記画素電極の輪郭を構成する3つ以上の辺のうち、前記他の周縁部が、前記画素電極の前記少なくとも1辺側の周縁部よりも突出され、
    前記電極凸部が、前記他方の基板の対向電極に、前記画素電極の突出された周縁部を除いた画素電極の残りの部分に対応して形成されてなることを特徴とする電気光学装置。
  4. 前記液晶が、負の誘電異方性を有する液晶とされたことを特徴とする請求項3に記載の電気光学装置。
  5. 前記画素電極が四角形型に形成され、前記四角形型の画素電極の3辺の周縁部に沿って平面視コ字状の凸部が形成されてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気光学装置。
  6. 前記凸部が前記画素電極を構成する辺に沿って間欠的に形成されてなることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の電気光学装置。
  7. 前記画素電極が電界を生成させるものであり、前記画素電極周縁部の突出した部分が、前記画素電極によって生成される電界の等電位線を、前記画素電極周縁部側において傾斜させるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電気光学装置。
  8. 前記スイッチング手段が、前記走査線及び前記データ線に接続された薄膜トランジスタからなり、該薄膜トランジスタに接続された前記画素電極と、該画素電極に接続された蓄積容量と、該蓄積容量の容量線と、前記走査線及び前記容量線の上方に形成された第2層間絶縁膜と、該第2層間絶縁膜の上方に形成されたデータ線とが具備されてなり、前記画素電極周縁部のうち、平面視前記容量線が形成された辺に対して向かい合う辺の位置が他の画素電極周縁部よりも低いことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の電気光学装置。
  9. 前記スイッチング手段が、前記走査線及び前記データ線に接続された薄膜トランジスタからなり、該薄膜トランジスタに接続された画素電極と、前記走査線の上方に形成された第1層間絶縁膜と、該第1層間絶縁膜の上方に形成された導電層と、該導電層の上方に形成された第2層間絶縁膜とが具備されてなり、前記データ線が前記第2層間絶縁膜上に形成されてなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電気光学装置。
  10. 前記基板に凹部が形成され、該凹部上に少なくとも前記スイッチング手段とデータ線と走査線が形成されてなることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の電気光学装置。
  11. 光源と、前記光源からの光を変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投影する投影光学系とを備え、前記光変調装置として請求項1〜10に記載のいずれかの電気光学装置が組み込まれたことを特徴とする投射型表示装置。
  12. 前記マトリクス状に配置された複数の画素電極において、
    個々の画素電極の突出された周縁部がそれぞれ同じ向きに、その他の低く形成された周縁部がそれぞれ同じ向きに、向けられて整列され、画素電極の周縁部の低く形成された周縁部が投射画像の上方向あるいは下方向に向くように配置されてなることを特徴とする請求項10記載の投射型表示装置。
  13. 垂直配向モードの液晶を備えた電気光学装置の製造方法であって、
    複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線とデータ線に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極とが具備されてなり、前記画素電極周縁部に凸部が形成されてなる電気光学装置の製造方法において、
    基板上に半導体層を形成する工程と、前記半導体層上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に前記走査線を形成する工程と、
    前記走査線上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、前記第2層間絶縁膜上に前記データ線を形成する工程と、
    画素電極形成予定位置の周縁部の少なくとも1辺を除く周縁部に、絶縁膜からなる平面的にコ字状の突起部を形成する工程と、
    前記データ線上及び突起部上に第3層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記第3層間絶縁膜上に前記半導体層に接続されるように画素電極を形成し、
    前記突起部上に形成した画素電極周縁部に凸部を形成する工程とを含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  14. 垂直配向モードの液晶を備えた電気光学装置の製造方法であって、
    複数の走査線と、複数のデータ線と、前記走査線とデータ線に接続された薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに接続された画素電極とが具備されてなり、前記画素電極周縁部に凸部が形成されてなる電気光学装置の製造方法において、
    基板上に前記薄膜トランジスタのソース領域、チャネル領域及び前記ドレイン領域となる半導体層を形成する工程と、
    前記半導体層上に絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜上に前記走査線を形成する工程と、
    前記走査線上に第1層間絶縁膜を介在して導電層を形成する工程と、
    前記導電層上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2層間絶縁膜上に前記データ線を形成する工程と、
    画素電極形成予定位置の周縁部の少なくとも1辺を除く周縁部に絶縁膜からなる突起部を形成する工程と、
    前記データ線上及び突起部上に第3層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2層間絶縁膜及び第3層間絶縁膜に対し、側壁が前記突起部に接するようにコンタクトホールを開孔する工程と、
    前記コンタクトホールを介して前記導電層に接続されるように画素電極を形成し、前記突起部上に形成した画素電極周縁部に凸部を形成する工程を含むことを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  15. 前記走査線とデータ線と薄膜トランジスタを形成する領域に対応させて基板に凹部を形成する工程を更に含むことを特徴とする請求項13または14に記載の電気光学装置の製造方法。
  16. 垂直配向モードの液晶を備え、薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された画素電極とが具備されてなり、前記画素電極周縁部に凸部が設けられてなる電気光学装置において、
    基板上に設けられ、前記薄膜トランジスタのソース領域、チャネル領域及び前記ドレイン領域となる半導体層と、
    前記半導体層上に設けられた絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に設けら、前記薄膜トランジスタに電気的に接続された走査線と、
    前記走査線上に第1層間絶縁膜を介在して設けられた導電層と、
    前記導電層上に設けられた第2層間絶縁膜と、
    前記第2層間絶縁膜上に設けられ、前記薄膜トランジスタに電気的に接続されたデータ線と、
    前記画素電極の周縁部の少なくとも1辺を除く周縁部に設けられた絶縁膜からなる突起部と、
    前記データ線上及び前記突起部上に設けられた第3層間絶縁膜と、
    前記第2層間絶縁膜及び第3層間絶縁膜に対し、側壁が前記突起部に接するように開孔されたコンタクトホールと、
    前記コンタクトホールを介して前記導電層に前記画素電極が接続され、前記突起部上に設けられた画素電極の周縁部に凸部が設けられることを特徴とする電気光学装置。
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