JP3738318B2 - 偏心重錘式起振機の起振力制御装置、および、同起振力制御方法 - Google Patents
偏心重錘式起振機の起振力制御装置、および、同起振力制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、起振機によって杭を地中に打ち込み、または地中から引き抜く際振動公害や騒音公害の発生を防止するための起振力制御方法および同装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
振動式の杭打装置は、杭の上端に起振機を装着して、該杭に上下方向の振動(詳しくは、杭の長手方向の振動)を与えることにより、杭と起振機との重力荷重で該杭を地中に沈下させて行なわれる。
地中に打設された杭を引き抜く場合も、杭の上端に装着した起振機によって該杭をクレーンで引き上げることによって行なわれる。こうした事情により、起振機に杭用チャックを設置した杭打装置は、正しくは杭打抜装置である。本発明において単に杭打装置と言うときは、杭打抜装置の略称である。
人家から遠く離れた山間地などは例外として、振動杭打抜き作業に際しては、振動公害の防止に留意しなければならない。
【0003】
図6は杭打ち作業における振動公害を説明するための模式図である。本図は、クレーンブーム5で振動装置6を吊持するとともに、該振動装置6のチャック6aで杭7の上端を把持し、この杭7に振動を与えて地中に打設している状態を模式的に描いてある。
杭7の下端を地表に接せしめて杭打作業を開始する際、最初から振動装置6をフル稼働させると、杭打ち地点の地表で発生する地表波aが殆ど減衰せずに付近の民家8に到達するので振動公害の問題を生じる。
ここで、振動装置6の起振力を任意に調節できるならば、杭7の自重に加えて僅かな振動を与えながら杭打ち作業を開始し、数メートル打ち込んでから次第に振動を強くすれば良い。
杭7の下端に相当する震源位置が深くなれば、地中波bは民家8に到達する途中で減衰するので振動公害は軽微である。
【0004】
図7は振動装置の運転開始時および運転停止時における振動数の変化を示す図表で、横軸は時間である。
運転開始時点t0から、定格運転状態に到達する時点t1までの間、振動数は矢印cの如く急激に上昇する。上記の振動数上昇中に、地盤の固有振動数n1、及びクレーンブームの固有振動数n2を通過する。しかし、運転開始時における回転数上昇期間T1は一般に短時間(例えば約3秒間)であるから、振動装置の振動数が固有振動数に一致したときの共振の問題は、通常無視することができる。しかし、振動装置6のモータ(図示せず)の通電を停止した時点t2から回転軸が停止する時点t3までの間は、回転軸が慣性で回転を続けながら矢印dの如く次第に減速する。
【0005】
上記の回転数低下期間T2は比較的長時間(例えば約50秒間)であるから、その途中でクレーンブームの固有振動数n2を通過する際、該クレーンブームが共振して損傷を被る虞れが有る。また、地盤の固有振動数n1を通過する際、地盤の共振により振動公害を生じる虞れが有る。
前記の時刻t2でモータの通電を停止するとともに、振動装置の回転重錘の回転位相を変化させて起振力を零にすることができれば、振動装置の運転停止操作の際の共振に関する問題を防止することができる。
【0006】
次に、振動装置に供給されるエネルギー量について見ると、前記の時刻t0からt1まで振動装置6の回転数が上昇する間、該振動装置の偏心重錘(図示せず)によって振動を発生させつつ増速すると、これを駆動するために大容量のモータや大容量の電源設備が必要になる。
この場合、振動装置の偏心重錘の回転位相を変化させて起振力を零にした状態で運転を開始し、定格回転数に達した後に起振力を発揮させることが出来れば、モータ容量や電源容量を縮少できるので経済的である。定格回転数に達した後は、回転部材にそれ以上回転エネルギーを蓄積する必要が無く、振動の減衰を補うだけのエネルギーを補充することによって運転を継続できるからである。
【0007】
以上の事情に鑑みて、起振機の起振力を増減させる調節技術が開発され、公知になっている。次に、起振機の起振力を増減調節する原理について述べる。図8は2個の偏心重錘の組み合わせによって起振力を変化させる公知技術を説明するために示したものであって、(A)は2個の偏心重錘が最大起振力を発揮する状態を表す模式図、(B)は起振力中程度である状態を表す模式図、(C)は起振力がやや小さい状態を表す模式図、(D)は起振力がゼロの状態を表す模式図である。
図8(A)に示した2個の偏心重錘のうち、9は回転軸2Bに固着された固定偏心重錘であり、10は回転軸2Cに対して相対的に回動し得る可動偏心重錘である。本発明において固定偏心重錘とは(概要的に言うと)回転軸に対する相対的回動を係止された偏心重錘の意であって、回転軸と一緒に回転する部材であるから、固定とは静止の意ではない。
図8(A)における2個の偏心重錘9,10の相対的位置は、位相差ゼロの状態である。
【0008】
従って、この図8(A)の状態で、2個の偏心重錘9,10を歯車4B,4Cで同期させて回転させると起振力が発生する。
図8(D)の状態では、2個の偏心重錘9,10それぞれの重心が、常に参考線M−M(2本の回転軸2B,2Cを結ぶ線分の垂直2等分線)に関して対称位置に在るので上下方向の起振力はゼロである。説明の便宜上、本図8(D)のように2個の偏心重錘の位相差が180度になって該2個の偏心重錘の総合偏心モーメントがゼロの状態を基準状態と名付ける。
【0009】
図8(B),(C)は、それぞれ前記(A),(D)の中間的状態であるから(A)図の場合よりも小さく(D)図の場合よりも大きい上下方向起振力を発生する。そして、(B)図の方が(C)図よりも(A)図の状態に近いから、起振力の大きい方から順番に挙げると(A),(B),(C),(D)となる。
前掲の図8において起振力増減制御の原理を示すため、2本の回転軸2B,2Cを同期回転歯車4B,4Cで同期回転させる形に描かれているが、構造を簡単にするため1本の回転軸に2個の偏心重錘を配設することもできる。図11は共通の回転軸に対して固定偏心重錘を固着するとともに可動偏心重錘を上記共通の回転軸に対する相対的な回動角位置を調節できるようにした機構の模式図である。
【0010】
固定偏心重錘9は回転軸2に固着されて一緒に回転する。可動偏心重錘10は回転軸2に対する取付角位置を円弧矢印α−βのごとく変化させて調節することと、調節した状態を維持することとが出来るようになっている。本図11に描かれている状態は前掲の図8(B)に示した状態に対応し、起振力が中等度である。この状態から、可動偏心重錘を矢印α方向に回動させて固定すると図8(D)の状態に近づいて起振力が減少する。また矢印β方向に回動させると図8(A)の状態に近づいて起振力が増大する。以上のようにして起振力が調節される。
以上に述べた起振力調節の原理から「起振力制御技術とは位相差制御技術である」ということが理解される。起振力制御に必要な技術は位相差制御技術であり、位相差を制御することが出来れば起振力を制御することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
偏心重錘式杭打抜機の振動公害を防止するためには、装置の運転を中断することなく継続しつつ、起振力を増減できることが望ましい。
こうした目的に沿って、偏心重錘を回転させながら、図8について先に説明したようにして、2個の偏心重錘の位相差を調節して総合偏心モーメントを増減させる工夫が種々提供されている。
しかし、機械的なネジ,ヘリカル溝,リンクなどを用いた装置は、機械的な接触部が振動で叩かれるので耐久性に乏しい。
さらに、起振機ケースの内部に複雑な位相制御機構を組み込むと、メンテイナンス性が阻害されるので好ましくない。
【0012】
起振機ケースの中に位相制御機構を組み込まず、耐久性に優れた「起振力の調節可能な偏心重錘式起振機」の1例として、特願2000−304177号に係る発明が有る。この発明は本願の発明者が創作して本出願人が別途出願中の未公知の発明である。
この未公知の先願の発明は、本願発明の実施形態において利用しているので、その構成,機能の概要を説明すると次のとおりである(段落0013ないし段落0024)。
【0013】
図9は、未公知の先願に係る起振力可変型の偏心重錘式起振機の1実施例を示す断面図である。
起振機ケース18に対して固定偏心重錘軸23が回転自在に支承され、回転駆動機器19(例えば油圧モータ,電気モータ)によって回転駆動される。
一方、内軸(符号16A)に外管(符号17A)が相対的回動可能に外嵌されて同心2重軸を形成し、起振機ケース18に対して回転自在に支承されており、上記の外管(17A)は起振機ケース18の壁を貫通している。
【0014】
前記固定偏心重錘軸23に対して固定偏心重錘9Aが、キーkによって相対的回動を係止して装着されている。相対的回動を係止する手段はキーに限らないが、本願発明の添付図面図1,図2,図9,および図10においてキー(符号k)が付記されている嵌合部は相対的回動不可能であることを表している。
その反対に、軸と偏心重錘との嵌合部にキーの形状が記入されていない箇所は相対的回動可能であると読図されたい。
前記の内軸(符号16A)に対して、固定偏心重錘9Bがキーkによって相対的回動不可能に装着されている。これにより、先に内軸(16A)として示した構成部材は、詳しくは内軸兼固定偏心重錘である。
【0015】
固定偏心重錘9Aは回転駆動機器19によって回される。この固定偏心重錘9Aの回転は、同期伝動歯車22a,22bを介して固定偏心重錘9Bに同期伝動される。
説明の便宜上、回転駆動機器19に直結された偏心重錘を第1の固定偏心重錘9Aと呼ぶとともに、該第1の固定偏心重錘9Aから伝動力を伝動されて同期回転する偏心重錘を第2の固定偏心重錘9Bと呼ぶ。
前記の外管(17A)と一体的に連結された可動偏心重錘10Aの遠心力を、主として前記の内軸兼固定偏心重錘軸16Aによって相対的回動可能に支承する。このため、符号17Aを付して示した外管は、詳しくは外管兼可動偏心重錘軸である。
【0016】
可逆回動機構20は、本例ではベーンモータによって構成されている。この可逆回動機構はベーンモータに限らず電気モータであっても良い。要するに正,逆転可能な回転力を発生する機器であれば良く、360度連続回転出来なくても良いが、低速,高トルク特性を有するものであることが望ましい。
上記可逆回動機構20の筐体20aは前記の外管兼可動偏心重錘軸17Aに連結され、回動軸20bは前記の内軸兼固定偏心重錘軸16Aに連結されている。
これにより、前記の可動偏心重錘10Aは、前記第2の固定偏心重錘9Bにより、可逆回動機構20を介して回転駆動される。
【0017】
前記の固定偏心重錘軸23に対して可動偏心重錘10Bが相対的回動可能に装着されており、
前記可動偏心重錘10Aの回転は、同期伝動歯車22c,22dを介して可動偏心重錘10Bに同期伝動される。
説明の便宜上、可逆回動機能20を介して固定偏心重錘により回転せしめられる偏心重錘を第1の可動偏心重錘10Aと呼び、該第1の可動偏心重錘によって同期伝動歯車を介して同期回転せしめられる偏心重錘を第2の可動偏心重錘と呼ぶ。
【0018】
本図9から理解されるように、固定偏心重錘軸23は、第1の固定偏心重錘9Aと第2の可動偏心重錘10Bとを支承し、その重力荷重と遠心荷重とを受けている。
本発明において固定偏心重錘軸とは「支承している偏心重錘の種類とは関係無く、固定偏心重錘に対して相対的回動せず該固定偏心重錘と同期,同相で回転する軸」をいう。固定偏心重錘軸は一般に、回転駆動機器の出力軸に対して直結され、または、一定の変速比で伝動されている。
同様に、可動偏心重錘軸とは可動偏心重錘に対して相対的回動せず該可動偏心重錘と同期,同相で回転する軸をいう。
【0019】
以上に説明した構造から明らかなように、回転駆動機器19の回転が同期伝動歯車によって順次に伝動されて第2の可動偏心重錘10Bに至る順路を、4個の同期伝動歯車について見ると、同期伝動歯車22a,同22b,同22c,同22dの順である。本発明において同期伝動歯車22に付するサフィックスは、伝動経路の順番に従ってa,b,c,dとする。
【0020】
図9の未公知発明において、第1の固定偏心重錘9Aと第2の固定偏心重錘9Bとは常に同期回転し、第1の可動偏心重錘10Aと第2の可動偏心重錘10Bとは常に同期回転する。
そして、可逆回動機構20の回動軸20bが筐体20aに対して回動すると、その回動角と等しい角度だけ、固定偏心重錘に対する可動偏心重錘の位相差が変化する。
これにより、前掲の図8を参照して説明したように、固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントが変化し、同一回転速度であっても起振力が増減調節される。
【0021】
図10は、未公知の先願に係る起振力の調節可能な起振機であって、前掲の図9と異なる実施例の断面図である。
本図10における構成部材の命名や符号については、図9を参照して先に述べたとおりである。
本図10の実施例が前掲の図9の実施例に比して異なるところは次のとおりである。すなわち、
可逆回動機構20の筐体20aは外管兼固定偏心重錘軸17Bに、回動軸20bは内軸兼可動偏心重錘軸16Bに、それぞれ連結されている。
【0022】
上掲の図9の実施例と図10の実施例との双方に共通する構成として、
回転駆動機器19に直結された第1の固定偏心重錘9Aが、第2の固定偏心重錘9Bを同期回転駆動し、
上記第2の固定偏心重錘9Bが、可逆回動機構20を介して第1の可動偏心重錘10Aを、位相差調節可能に回転駆動し、
該第1の可動偏心重錘10Aが、第2の可動偏心重錘10Bを同期回転駆動している。
【0023】
ところが、2重管の内軸と外管との接続相手部材が、図9と図10とが入れ替わっている。
このような差異に因る相異として、次のような差を生じている。すなわち、
起振機ケース18に対して回転自在に、かつ平行に配設されて、それぞれ固定偏心重錘1個と可動偏心重錘1個との重力荷重および遠心荷重を主として支承している2本の軸が、図9においては2本とも固定偏心重錘軸であるのに対して、
図10においては、図の下段の軸は固定偏心重錘軸、上段の軸は可動偏心重錘軸である。
【0024】
上述のような差は有っても、可動偏心重錘と固定偏心重錘との位相差を調節することによって、両者の総合偏心モーメントを制御し、これにより起振力を増減調節できるという機能は、図9の実施例と図10の実施例とに共通である。
【0025】
図9および図10を参照して以上に説明した未公知の先願発明によって、偏心重錘式起振機の運転を中断すること無く継続しつつ、その起振力を増減調節して振動公害を防止ないし軽減することができた。
本出願人は、上記未公知の先願について特許出願した後、実用化試験を実施し、実用条件において所期の効果を発揮し得ることを確認した。その反面、特殊な作業条件によっては更に改良すべき余地の有ることも判明した。その詳細を以下に説明する。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
例えば図9に示した未公知の発明に係る起振機において、起振機ケース18の幅寸法はW1であるが、この起振機ケース18から側方へ回転駆動機器19が寸法W2だけ突出するとともに、可逆回動機構20が寸法W3だけ突出している。
本例においてはW3>W2であるから、起振機全体の幅寸法W4はW1+W3となる。
【0027】
起振機を用いて杭を打ち抜きする場合の作業条件は著しく多様であるから一概には言えないが、起振機の全幅寸法が制約される場合も有り、全高寸法が制約される場合も有る。
図9および図10に例示した未公知の発明に係る起振機は、全高寸法が制約される場合には好適であるが全幅寸法を制約される作業条件下においては具合が良くない。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、起振機の全幅寸法を拡大せしめること無く、かつ、起振機の運転を中断することなく継続しつつ、該起振機の起振力を増減調節し得る偏心重錘式起振機の起振力制御技術を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために創作した本発明の基本的原理について、その実施形態に対応する図1を参照して略述すると次のとおりである。すなわち、
固定偏心重錘9Bおよび同期伝動歯車22bを装着された内軸・固定偏心重錘軸16Aと、可動偏心重錘10Aおよび同期伝動歯車22cを装着された外管・可動偏心重錘軸17Aとから成る偏心重錘式起振機のケース18′の幅寸法W1に比して、起振機全体の全幅寸法を拡大させないように改良するため、
上記2種類の偏心重錘を支承している軸と平行に、駆動・制御同心二重軸25MVを設け、この軸に回転駆動機器19および可逆回動機構20を接続するとともに、この軸に装着した駆動用同期歯車26Mを前記同期伝動歯車22bに、制御用同期歯車26Vを前記同期伝動歯車22cに、それぞれ噛合せしめる。
【0029】
以上に説明した原理に基づいて、請求項1に係る発明装置の構成は、(図1参照)
複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御装置において、
前記偏心重錘軸と平行に、駆動軸,制御軸兼用の軸が配設されていて、
上記駆動兼制御軸は、相対的に回動可能な内軸と外管とからなる二重軸であり、
上記同心二重軸の内軸もしくは外管の何れか一方は、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に対して、該同期伝動歯車と同様ないし類似の同期伝動歯車を介して連結されるとともに、回転駆動機器によって回転駆動されるようになっていて、
前記同心二重軸の内軸もしくは外管の何れか他方は、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に対して、該同期伝動歯車と同様ないし類似の同期伝動歯車を介して連結されており、
かつ、前記同心二重軸の内軸が可逆回動機構の回動軸に接続されるとともに、該同心二重軸の外管が可逆回動機構の筺体に接続されていて、該可逆回動機構によって内軸と外管とが相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるようになっていることを特徴とする。
【0030】
以上に説明した請求項1の発明装置によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸兼制御軸が設けられていて、
上記駆動,制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、この駆動,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動,制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動,制御用の同心二重軸に対して回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器および可逆回動機構を連結した駆動,制御軸の全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(詳しくは偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動,制御軸の全長寸法は、回転駆動機器や可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0031】
請求項2に係る発明装置の構成は(図2および図3(B)を併せて参照)、複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御装置において、
前記偏心重錘軸と平行に、内軸と外管とが相対的回動可能に嵌合された同心二重軸の2本が配置されていて、
上記2本の同心二重軸の片方は、その内軸に回転駆動機器を接続された内軸駆動同心二重軸であって、その内軸に装着された駆動用同期歯車が、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されるとともに、その外管に装着された制御用同期歯車が、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されており、
かつ、前記2本の同心二重軸の他方は、その内軸を可逆回動機構の回動軸に、その外管を該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続された外管制御同心二重軸であって、その内軸に装着された駆動用同期歯車が前記内軸駆動同心二重軸の駆動用同期歯車に噛合するとともに、その外管に装着された制御用同期歯車が前記内軸駆動同心二重軸の制御用同期歯車に噛合していて、
前記回転駆動機器の駆動による回転力は2系統に伝動され、その片方の伝動系統は駆動用同期歯車を介して固定偏心重錘を回転させ、他方の伝動系統は駆動用同期歯車、可逆回動機構、制御用同期歯車を順次に介して可動偏心重錘を回転させる構造であって、前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動させることにより前記制御用同期歯車が駆動用同期歯車に対して相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるようになっていることを特徴とする。
【0032】
以上に説明した請求項2の発明装置によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、 上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0033】
請求項3に係る発明装置の構成は(図3(C)参照)、複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御装置において、
前記偏心重錘軸と平行に、内軸と外管とが相対的回動可能に嵌合された同心二重軸の2本が配置されていて、
上記2本の同心二重軸の片方は、その内軸を可逆回動機構の回動軸に、その外管を該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続された外管制御同心二重軸であって、
その内軸に装着された駆動用同期歯車が前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されるとともに、その外管に装着された制御用伝動歯車が、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されており、
かつ、前記2本の同心二重軸の他方は、その内軸を回転駆動機器に接続された内軸駆動同心二重軸であって、その内軸に装着された駆動用同期歯車が前記外管制御同心二重軸の駆動用同期伝動歯車に噛合するとともに、その外管に装着された制御用同期歯車が前記外管制御同心二重軸の制御用同期歯車に噛合していて、
前記回転駆動機器の駆動による回転力は2系統に伝動され、その片方の伝動系統は駆動用同期歯車を介して固定偏心重錘を回転させ、他方の伝動系統は駆動用同期歯車、可逆回動機構、制御用同期歯車を順次に介して可動偏心重錘を回転させる構造であって、前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動させることにより前記制御用同期歯車が駆動用同期歯車に対して相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるようになっていることを特徴とする。
【0034】
以上に説明した請求項3の発明装置によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0035】
請求項4に係る発明装置の構成は(図3(D)参照)、複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御装置において、
前記偏心重錘軸と平行に、駆動軸と制御軸とが設けられており、
上記駆動軸に回転駆動機器が接続されるとともに駆動歯車が装着されていて、該駆動歯車は前記固定偏心重錘を連動させている同期伝動歯車に噛合され、
かつ、前記制御軸は、内軸に対して外管を相対的回動可能に嵌合した同心二重軸であって、
上記同心二重軸の内軸は可逆回動機構の回動軸に、同じく外管は該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続されており、
かつ、上記内軸と外管との何れか片方に装着された駆動用同期歯車が、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されるとともに、
前記内軸と外管との何れか他方に装着された制御用同期歯車が、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されていて、
前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動せしめることにより、内軸と外管とが相対的に回動せしめられて、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化し、起振力が増減制御されるようになっていることを特徴とする。
【0036】
以上に説明した請求項4の発明装置によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0037】
請求項5に係る発明装置の構成は、前記請求項1ないし請求項4の発明装置の構成要件に加えて(図3(B),(C),(D)参照)、前記複数の偏心重錘軸のそれぞれについて、回転自在かつ相対的回動可能に支承されている固定偏心重錘と可動偏心重錘とは、それぞれ同期伝動歯車に装着されていて、該偏心重錘軸の設置個数は少なくとも4本であり、各偏心重錘軸ごとに、固定偏心重錘に装着された同期伝動歯車と、可動偏心重錘に装着された同期伝動歯車とが「同期伝動歯車対」を形成しており、
前記4本の偏心重錘軸の中心線は、仮想の正四角柱の稜線に沿わしめて配置されていて、
4組の同期伝動歯車対を構成している8個の同期伝動歯車の内の、固定偏心重錘に装着された4個の同期伝動歯車、および、可動偏心重錘に装着された4個の同期伝動歯車が、正方形の環状歯車列を形成していることを特徴とする。
【0038】
以上に説明した請求項5の発明を前記請求項1ないし請求項4の発明装置の何れかに適用すると、該請求項1ないし請求項4の発明装置における「起振機の幅寸法を拡大せしめることなく、かつ該起振機の運転を中断することなく、その起振力を増減調節して、振動杭打抜作業における振動公害を抑制することができる」という効果を損なう虞れ無く、少なくとも4本の偏心重錘軸によって支承されている少なくとも4組の「固定偏心重錘と可動偏心重錘」の回転位相を規制している少なくとも4組の「固定偏心重錘用同期伝動歯車と可動偏心重錘用伝動歯車との同期伝動歯車対」を相互に適正に噛合せしめて、確実な位相制御を可能ならしめることができる。
特に、前記4本の偏心重錘軸を正四角柱の稜に沿わしめて配設してあるので、4個の固定偏心重錘用同期伝動歯車、および、4個の可動偏心重錘用同期伝動歯車のそれぞれについて、
4個の歯車の内の何れの任意の1個の歯車を採り上げてみても、隣接する2個の歯車に噛合していて、伝動負荷が均等である。
【0039】
請求項6に係る発明装置の構成は、前記請求項1ないし請求項4の発明装置の構成要件に加えて(図4,図5参照)、前記複数の偏心重錘軸のそれぞれについて、回転自在かつ相対的回動可能に支承されている固定偏心重錘と可動偏心重錘とは、それぞれ同期伝動歯車に装着されていて、該偏心重錘軸の設置個数は少なくとも4本であり、
各偏心重錘軸ごとに、固定偏心重錘に装着された同期伝動歯車と、可動偏心重錘に装着された同期伝動歯車とが「同期伝動歯車対」を形成しており、
前記4本の偏心重錘軸の中心線は、仮想の正四角柱の稜線に沿わしめて配置されていて、
前記4本の偏心重錘軸のそれぞれによって支承されている4組の同期伝動歯車対を構成している8個の同期伝動歯車の内の、固定偏心重錘に装着された4個の同期伝動歯車、および、可動偏心重錘に装着された4個の同期伝動歯車が、変形コの字状の歯車列を形成していて、該歯車列の両端の同期伝動歯車相互は噛合しておらず、
かつ、前記駆動用同期歯車および制御用同期歯車が、前記変形コの字状歯車列を構成している同期伝動歯車の何れかに噛合していることを特徴とする。
【0040】
以上に説明した請求項6の発明を前記請求項1ないし請求項4の発明装置の何れかに適用すると、該請求項1ないし請求項4の発明装置における「起振機の幅寸法を拡大せしめることなく、かつ該起振機の運転を中断することなく、その起振力を増減調節して、振動杭打抜作業における振動公害を抑制することができる」という効果を損なう虞れ無く、少なくとも4本の偏心重錘軸によって支承されている少なくとも4組の「固定偏心重錘と可動偏心重錘」の回転位相を規制している少なくとも4組の「固定偏心重錘用同期伝動歯車と可動偏心重錘用伝動歯車との同期伝動歯車対」を相互に適正に噛合せしめて、確実な位相制御を可能ならしめることができる。
特に、前記4本の偏心重錘軸を正四角柱の稜に沿わしめて配設してあるので、4個の固定偏心重錘用同期伝動歯車、および、4個の可動偏心重錘用同期伝動歯車のそれぞれについて、
4個の歯車の内の何れの任意の1個の歯車を採り上げてみても、隣接する2個の歯車に噛合していて、伝動負荷が均等である。
【0041】
請求項7に係る発明装置の構成は、前記請求項1ないし請求項6の何れかの発明装置の構成要件に加えて、前記可逆回動機構は、油圧力もしくは電磁力により、回動軸を筐体に対して正,逆転せしめ得る構造であり、
かつ、筐体が固定偏心重錘と同位相で回転し、回動軸が可動偏心重錘と同位相で回転するように接続され、
もしくは、回動軸が固定偏心重錘と同位相で回転し、筐体が可動偏心重錘と同位相で回転するように接続されていることを特徴とする。
【0042】
以上に請求した請求項7の発明装置によると、可逆回転機構の動力伝達が油圧力もしくは電磁力によって行なわれ、従来技術におけるネジ手段のように金属部材相互のクサビ作用を利用しないので、金属部材と金属部材とが局部的な圧力を受けながら滑る箇所が無い。このため、耐久性,信頼性が高い。
上記可逆回動機構の筐体の回転位相が固定偏心重錘の回転位相と一致するように拘束するとともに、該可逆回動機構の回動軸の回転位相が可動偏心重錘の回転位相と一致するように拘束しても、
これと反対に、前記可逆回動機構の筐体の回転位相が可動偏心重錘の回転位相と一致するように拘束するとともに、該可逆回動機構の回動軸が固定偏心重錘の回転位相と一致するように拘束しても、同様の作用,効果が得られる。本請求項7の発明装置は上述の機能から理解されるように設計的自由度が大きく、実用的価値が高い。
【0043】
請求項8に係る発明方法の構成は(図1参照)、複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御方法において、
前記偏心重錘軸と平行に、駆動軸,制御軸兼用の軸を配設するとともに、
上記駆動兼制御軸は、相対的に回動可能な内軸と外管とからなる同心二重軸で構成し、
上記同心二重軸の内軸もしくは外管の何れか一方は、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に対して、該同期伝動歯車と同様ないし類似の同期伝動歯車を介して連結するとともに、回転駆動機器によって回転駆動されるようにし、
前記同心二重軸の内軸もしくは外管の何れか他方は、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に対して、該同期伝動歯車と同様ないし類似の同期伝動歯車を介して連結し、
かつ、前記同心二重管の内軸と外管とが可逆回動機構の回動軸と筐体とにそれぞれ接続することにより、該可逆回動機構によって内軸と外管とが相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるようにすることを特徴とする。
【0044】
以上に説明した請求項8の発明方法によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸兼制御軸が設けられていて、
上記駆動,制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、この駆動,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動,制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動,制御用の同心二重軸に対して回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器および可逆回動機構を連結した駆動,制御軸の全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(詳しくは偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動,制御軸の全長寸法は、回転駆動機器や可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0045】
請求項9に係る発明方法の構成は(図2、および図3(B)を併せて参照)、複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御方法において、
前記偏心重錘軸と平行に、内軸と外管とが相対的回動可能に嵌合された同心二重軸を2本配置し、
上記2本の同心二重軸の片方を、その内軸に回転駆動機器を接続された内軸駆動同心二重軸で構成し、その内軸に装着された駆動用同期歯車を、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合させるとともに、その外管に装着された制御用同期歯車を、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合せしめ、
かつ、前記2本の同心二重軸の他方は、その内軸を可逆回動機構の回動軸に、その外管を該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続された外管制御同心二重軸で構成し、その内軸に装着された駆動用同期歯車を前記内軸駆動同心二重軸の駆動用同期歯車に噛合させるとともに、その外管に装着された制御用同期歯車を前記内軸駆動同心二重軸の制御用同期歯車に噛合せしめて、
前記回転駆動機器の駆動による回転力を2系統に伝動させ、その片方の伝動系統は駆動用同期歯車を介して固定偏心重錘を回転させ、他方の伝動系統は駆動用同期歯車、可逆回動機構、制御用同期歯車を順次に介して可動偏心重錘を回転させるように構成し、前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動させることにより前記制御用同期歯車が駆動用同期歯車に対して相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるように作動させることを特徴とする。
【0046】
以上に説明した請求項9の発明方法によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0047】
請求項10に係る発明方法の構成は、複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御方法において、
前記偏心重錘軸と平行に、内軸と外管とが相対的回動可能に嵌合された同心二重軸の2本を配置するとともに、
上記2本の同心二重軸の片方を、その内軸を可逆回動機構の回動軸に、その外管を該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続された外管制御同心二重軸で構成し、
その内軸に装着された駆動用同期歯車が前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合させるとともに、その外管に装着された制御用伝動歯車を、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合せしめ、
かつ、前記2本の同心二重軸の他方は、その内軸を回転駆動機器に接続された内軸駆動同心二重軸で構成し、その内軸に装着された駆動用同期歯車を前記外管制御同心二重軸の駆動用同期伝動歯車に噛合させるとともに、その外管に装着された制御用同期歯車が前記外管制御同心二重軸の制御用同期歯車に噛合せしめて、
前記回転駆動機器の駆動による回転力は2系統に伝動させ、その片方の伝動系統は駆動用同期歯車を介して固定偏心重錘を回転させ、他方の伝動系統は駆動用同期歯車、可逆回動機構、制御用同期歯車を順次に介して可動偏心重錘を回転させるように構成し、前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動させることにより前記制御用同期歯車が駆動用同期歯車に対して相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるように作動させることを特徴とする。
【0048】
以上に説明した請求項10の発明方法によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0049】
請求項11に係る発明方法の構成は、複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御方法において、
前記偏心重錘軸と平行に、駆動軸と制御軸とを設けるとともに、
上記駆動軸に回転駆動機器を接続するとともに駆動歯車を装着して、該駆動歯車は前記固定偏心重錘を連動させている同期伝動歯車に噛合させ、
かつ、前記制御軸は、内軸に対して外管を相対的回動可能に嵌合した同心二重軸で構成し、
上記同心二重軸の内軸を可逆回動機構の回動軸に、同じく外管を該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続し、
かつ、上記内軸と外管との何れか片方に装着された駆動用同期歯車を、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合させるとともに、
前記内軸と外管との何れか他方に装着された制御用同期歯車を、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合せしめ、
前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動せしめることにより、内軸と外管とが相対的に回動せしめられて、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化し、起振力が増減制御されるように作動させることを特徴とする。
【0050】
以上に説明した請求項11の発明方法によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る偏心重錘式起振機の起振力制御装置の1実施形態を説明するために示したものであって、模式的な垂直断面図に、「先行技術に係る起振力制御装置における回転駆動機器および可逆回動機構の設置位置」を仮想線で付記した図である。
この実施形態(図1)は、前掲の図9に示した未公知の先願に係る発明装置に本発明適用し改良したものであって、
固定偏心重錘9Aは固定偏心重錘軸23に固着され、該固定偏心重錘軸23に対して同期伝動歯車22aが固着されている。
固定偏心重錘9Bは内軸・固定偏心重錘軸16Aに固着され、この内軸・固定偏心重錘軸16Aに対して同期伝動歯車22bが固着されている。
上記1対の同期伝動歯車22a,22bは相互に噛合され、これにより1対の固定偏心重錘9A,9Bは同位相で同期回転するよう、歯車を介して連結されている。
【0052】
一方、可動偏心重錘10Bは同期伝動歯車22dと一体的に連設されて、固定偏心重錘軸23に対する相対的回転自在に支承されている。
可動偏心重錘10Aは同期伝動歯車22cと一体的に連設されて、内軸・固定偏心重錘軸16Aに対する相対的回転自在に支承されている。
上記1対の同期伝動歯車22c,22dは相互に噛合され、これにより1対の可動偏心重錘10A,10Bは相互に同位相で同期回転するよう、歯車を介して連結されている。
【0053】
図1を参照して以上に説明した構成部分は、前掲の図9に示した未公知の先願に係る装置と本質的に同様であり、図面参照符号も同じである。
ただし、図9の先行技術における同期伝動歯車22a〜22dのサフィックスは、回転動力が伝達される順のアルファベットを付していたが、本発明を適用しての改良に伴って動力伝達順序が変わったので、本図1における同期伝動歯車22a〜22dのサフィックスは動力伝達の順序どおりになっていない。
また、図9の先行技術の実施形態における固定偏心重錘9A,9B、および可動偏心重錘10A,10Bにおける符号のA,Bは、原動側をAとし、従動側をBとしたが、本発明の実施形態においては必ずしもこの通りにならない場合が有る。
なお、固定偏心重錘と可動偏心重錘とは基本的に同期回転し、共振を防止するために位相差を調節される。このように、固定偏心重錘と可動偏心重錘とは相対的に定められる呼称であって、相互に変換して呼称することも可能である。
本発明においては、回転駆動用の機器の回転軸に対して同位相に拘束されている偏心重錘を固定偏心重錘と呼び、回転駆動機器の回転軸に対して位相を変化せしめられる偏心重錘を可動偏心重錘と呼ぶ。
【0054】
次に、本図1が前掲の図9に比して異なるところ、すなわち、本発明を適用して改良した点について述べる。
起振機ケース18′に対して、駆動・制御同心二重軸25MVを、回転自在に支承し、その内軸を片方(図において左方)に突出させて回転駆動機器19(例えば油圧モータ、もしくは電気モータ)に接続し、回転駆動できるようにする。
1対の同径,同モジュールの歯車、駆動用同期歯車26Mと、制御用同期歯車26Vとから成る駆動・制御用同期歯車対26MVを構成し、上記駆動用同期歯車26Mを前記駆動・制御同心軸25MVの内軸に固着して、前記同期伝動歯車22bに噛合せしめる。
【0055】
前記駆動・制御同心二重軸25MVの他方の端部(図において右方)を、内軸,外管ともに起振機ケース18′の外に突出させ、可逆回動機構20を装着する。
すなわち、該可逆回動機構の筐体20aを外管に、回動軸20bを内軸に、それぞれ接続,固着する。
上記駆動・制御同心二重軸25MVの外管に制御用同期歯車26Vを固着し、同期伝動歯車22cに噛合させる。
これにより、可逆回動機構20の筐体20aに対する回動軸20bの相対的な回動角だけ、可動偏心重錘10A,10Bの回転位相が変化せしめられる。
可動偏心重錘10A,10Bと固定偏心重錘9A,9Bとま位相差が変化すると、総合偏心モーメントが変化して、起振力が増減調節される。
【0056】
本図1の実施形態を、図9の未公知先願発明に比較すると、図9においては可逆回動機構20および回転駆動機器19が起振機ケース18の側方に突出していた。図1において、比較参照のため仮想線で付記したごとくである。
図9に示す起振機の全幅寸法W4は、起振機ケースの幅寸法W1に比較して、回転駆動機器19の突出寸法W2もしくは可逆回動機構20の突出寸法W3の、いずれか大きい方だけ拡大される。
図1(本発明)においては、固定偏心重錘軸23および内軸・固定偏心重錘軸16Aを起振機ケースの側方へ突出させることなく、かつ、これらの軸の延長線上に回転駆動機器19や可逆回動機構20を配置することなく、
上記偏心重錘軸と平行に、駆動・制御用同期歯車対26MVを装着した駆動・制御同心二重軸25MVを設けた。
【0057】
上記駆動・制御同心二重軸25MVには、偏心重錘が装着させず、かつ、該駆動・制御同心二重軸25MVは軸心方向に移動しない。このため、この駆動・制御同心二重軸の延長線上に回転駆動機器19および可逆回動機構20を配置して接続しても、これらの機器類を含めた全長寸法が、起振機ケース18′の幅寸法W1よりも大きくならない。
しかも、回転駆動機器19および可逆回動機構20が起振機ケース18′の外側に位置しているので、その点検整備が容易である。
【0058】
図2は、前掲の図1と異なる実施形態の断面図である。ただし、切断面は単純な垂直面ではない。
本図2に示したh−h線から下方は前掲の図1と同様の構成である。
h−h線よりも上方は、背の高い機器のように見えるが、これは、折れ曲った面で切断して展開してあるからである。その実体的な配置については図3(C)を参照して後に説明する。
次に、本実施形態(図2)について、前記実施形態(図1)と異なる点について述べる。
【0059】
図2に示した内軸駆動同心二重軸25Mは、図1における駆動・制御同心二重軸25MVに対応する類似の部材であるが、2重管部分が起振機ケース18′を貫通しておらず、二重軸の外管には制御用同期歯車26Vが固着されているだけであり、該外管は内軸に対して相対的に回動可能である。
さらに、上記内軸駆動同心二重軸25Mと平行に、外管制御同心二重軸25Vが設けられて、駆動・制御用同期歯車対26MVが装着されている。
上記双方の同心二重軸25M,25Vのそれぞれに装着された駆動用同期歯車26M同士が噛合され、同じく制御用同期歯車26V同士が噛合されているので、内軸駆動同心二重軸25Mと外管制御同心二重軸25Vとは、反対方向に同期回転し、かつ、内軸同士が同位相、外管同士が同位相となるように、歯車を介して伝動されている。
【0060】
前記の外管制御同心二重軸25Vの片方の端が、起振機ケース18′の壁を貫通し、その先端に可逆回動機構20が装着されている。
本実施形態(図2)においては、可逆回動機構20が図の右側に、すなわち、回転駆動機器19の反対側に配設されているが、図の左側(回転駆動機器19と同じ側)に配設することも可能である。同じ側に配設すると、起振機全体の横幅寸法を小さく構成することが容易になる。
図2の実施形態をとると、図1の実施形態に比して伝動経路が複雑になり、回転軸の数も歯車の数も増えるが、伝動経路が分散されて騒音が減少するという優れた長所を有している。
【0061】
以下に、図3,図4,および図5を順次に参照しつつ、本発明における同期伝動歯車の配置、噛合関係、および伝動経路について説明する。
図1および図2は、同期伝動歯車の軸に対して直角方向から見たところを描いてあり、図3,図4,および図5は同期伝動歯車の軸と平行な方向に見たところを描いてある。このため、図1,図2では重なって区分できない構成部分も有り、また図3,図4,図5では重なって見分けられない構成部分も有る。
図1および図2については既に述べたので、この図1,図2に表わされている構成の中で、図3,図4,図5で重なってしまう構成部分に、次のような符号を付し、名称を付することにする。
【0062】
図3は、偏心重錘式起振機の起振力制御装置における同期伝動歯車と、偏心重錘と、その駆動手段と、位相制御手段との配置を模式的に描いた伝動系統の構造機能説明図である。
図3(A)は説明の便宜のために掲げたものであって、図9に示した未公知の先願に係る発明装置を表している。
図3(A)においては、図9の同期伝動歯車22aと同22dとが重なって1個の歯車外形が現れ、同期伝動歯車22bと同22cとが重なって1個の歯車外形が現れている。その代り、図9では同期伝動歯車22a〜22dと重なって隠されていた同期伝動歯車22a′〜22d′が現れている。ただし、同期伝動歯車22a′と同22d′とが重なって1個の歯車外形が現れ、同期伝動歯車22b’と同22c′とが重なって1個の歯車外形が現れている。
【0063】
図9においては、同期伝動歯車22aおよび同22dと同軸に回転駆動機器19が配設されていた。この状態を図3(A)に示した回転駆動機器19(M印)のように表す。
また、図9において同期伝動歯車22b,同22cと同軸に配置されていた可逆回動機構20は、図3(A)に示した可逆回動機構20(V印)のように表す。この表現方法は、以下図3,図4,図5において用いる。
【0064】
図3(A)において、同期伝動歯車22b′と同期伝動歯車22c′とは重なり合って1個の歯車外形として表されている。これらを纏めて同図(A′)に示したように同期伝動歯車対26Aと名付ける。
同様に、同期伝動歯車22a′と同22d′とを同期伝動歯車対26B、
同期伝動歯車22aと同22dとを同期伝動歯車対C、
同期伝動歯車22bと同22cとを同期伝動歯車対Dと、それぞれ名付ける。
上記図3(A′)に示した4組の同期伝動歯車対は、例えば図9における同期伝動歯車22bと同22cとの対のように、また例えば同期伝動歯車22aと同22dとの対のように、「固定偏心重錘と一体的に連設された同期伝動歯車」と、「可動偏心重錘と一体的に連設された同期伝動歯車」とから成っている。
これらの対をなす同期伝動歯車は、相互にピッチ円の径が同じであることを要する。
【0065】
同期伝動歯車相互の関係を図9について見ると、図に現れている4個の同期伝動歯車22a,同22b,同22c,および同22dについて、
イ.これら4個の同期伝動歯車は、ピッチ円の径が相互に等しくなければならない。
ロ.同期伝動歯車22aと同22b、および、同期伝動歯車22cと同22dとは、相互にモジュールが等しくなければならない。
ハ.同期伝動歯車22aと同22dとは、必ずしもモジュールが等しいことを要しない。(ただし、構成部品の互換性という観点から、モジュールの等しいことが望ましい)。
【0066】
図3(A′)において、4組の同期伝動歯車対26A,同26B,同26C,同26Dの歯車軸の中心点は正方形をなしている。これを立体的に考察すると、4本の歯車軸の中心線が、正四角柱の稜線に沿って配設されている。
このように構成すると、4組の同期伝動歯車対の内の何れの1組の歯車対も、隣接する2組の歯車対に対して均等に噛合する。従って、4組の歯車対全体として均衡に相互伝動状態を現出する。
偏心重錘式起振機における同期伝動歯車は、稼働中、常に激しい変動荷重を受けるので、4組の歯車対が均等な伝動系を構成していることは、耐久性の面から望ましい。
【0067】
そこで、先に図1に示した実施形態を同期伝動歯車対の組合せとして表すと、図3(B)のようになる。これは請求項5に記載した構成に対応している。
すなわち、4組の同期伝動歯車対26A,同26B,同26C,同26Dの歯車軸の中心線が正四角柱の稜線に沿わしめて配設され、
かつ、上記4組の歯車対の内の何れか1組の同期伝動歯車対に対して駆動・制御同期歯車対26MVが噛合され、かつ、駆動・制御同心二重軸25MVに対して回転駆動機器19(M印・以下同様)および可逆回動機構20(V印・以下同様)が接続されている。
これにより、図1を参照して先に説明した作用効果が得られる。
【0068】
同様に、先に図2に示した実施形態は図3(C)のように表される。
この図3(C)の構成を前掲の図3(B)の構成に比較すると、制御軸歯車対26Vを追加して、回転駆動機器19の軸と可逆回動機構20の軸とを分離したものと見ることができる。構成部材が増加したというデメリットは有るが、後に詳しく述べるように騒音発生を軽減できるというメリットが有る。
次に、図2と図3(C)とを併せて参照しつつ、本実施形態における回転動力の伝達経路を説明する。
【0069】
伝達経路を、固定偏心重錘の回転駆動と、可動偏心重錘の回転駆動とに区分して考察する。
回転駆動機器19が回転すると、駆動用同期歯車26Mが回転し、これに噛合している同期伝動歯車対26Aが回される。詳しくは、該同期伝動歯車対26Aを構成している同期伝動歯車22b,同22cの内、固定偏心重錘9Bに固着された同期伝動歯車22bが回転せしめられる。
同期伝動歯車22bが回転すると(図2参照)これに固着された固定偏心重錘9Bが回転せしめられるとともに、該同期伝動歯車22bに噛合された同期伝動歯車22a、および、これに固着された固定偏心重錘9Aが回転せしめられる。
【0070】
図2における参考線h−hの下方には8個の同期伝動歯車が設けられている。しかし、歯車軸と直角方向に見ているため、2個の同期伝動歯車が重なって1個の歯車外形が図に現れるので、計4個の歯車外形が表されている。
図3(C)における4組の同期伝動歯車対のそれぞれも、2個の同期伝動歯車が歯車軸と平行な方向に重なり合っていて、その実数は前記と同様に8個である。
そして、上記8個の同期伝動歯車の内の4個は固定偏心重錘と一体的に連設され、他の4個は可動偏心重錘と一体的に連設されている。
このようにして、4個の固定偏心重錘は相互に同期伝動歯車を介して同位相で同期回転せしめられ、4個の回動偏心重錘は相互に同期伝動歯車を介して同位相で同期回転せしめられる。
【0071】
以上のような構造になっているので、段落0069で説明したようにして同期伝動歯車22bに噛合された同期伝動歯車22aが回転し、固定偏心重錘9Bおよび固定偏心重錘9Aが同位相で同期回転した状態を図3(B)に照合して考察すると、図2では半数が隠れていた4個の固定偏心重錘の全部が同位相で同期回転することが理解される。
以上は、図3(C)において回転駆動機器19が回転したときの、固定偏心重錘の伝動経路である。
【0072】
図2において回転駆動機器19が回転して駆動用同期歯車26Mが回転せしめられると、前述のようにして計4個の固定偏心重錘が同位相で同期回転されるが、上記回転駆動機器19の回転は、これと同時に駆動用同期伝動歯車26M,同26Mを介して外管制御同心二重軸25Vの内軸にも伝えられる。
上記の内軸に接続されている可逆回動機構20の回動軸20bは、回転駆動機器19と同位相で同期回転せしめられる。
上記可逆回動機構20の筐体20aは、その回動軸20bに対して基本的には同期回転せしめられるが、該筐体に対して回動軸が回動すると、その回動角に相当する角度だけ位相が変化する。これにより、外管制御同心二重軸25Vの内軸に対して外管の位相が変化せしめられる。
【0073】
外管制御同心二重軸25Vの外管が、その位相を制御された状態で回転すると、その回転は同期伝動歯車22c,22dを回転させ、これらの歯車と一体に連設されている可動偏心重錘10A,同10Bを、「位相制御された状態」て回転せしめる。
これにより、計4個の可動偏心重錘の全数が、「可動偏心重錘相互では同位相で」、かつ「固定偏心重錘に対しては位相差を制御されて」回転せしめられる。
可逆回動機構20は回転駆動機器19の回転軸と同じ回転速度で回転せしめられるが、その筐体20a(図2)に対する回動軸20bの相対的な回動を任意に操作することができるので、固定偏心重錘に対する可動偏心重錘の位相差を任意に制御することができる。
【0074】
図3(C)について考察すると、固定偏心重錘の伝動経路は回転駆動機器19から駆動軸歯車対26Mを介して4組の同期伝動歯車対26A,26B,26C,26Dに対して直接的に伝動されるが、可動偏心重錘の伝動経路は先に述べたように複雑である。すなわち、
回転駆動機器19の回転は、駆動軸歯車対26Mを介して制御軸歯車対26Vに伝動される。詳しくは、制御同心二重軸25Vの内軸に固着された同期伝動歯車26M(図2)を介して可逆回動機構20に伝えられ、該可逆回動機構で位相制御された回転が、制御同心二重軸25Vの外管に固着された同期伝動歯車26V(図2)に伝えられる。
【0075】
図3(C)において制御軸歯車対26Vに伝えられた「位相制御された回転」は、駆動軸歯車対26M(の内の片方)をアイドラー歯車として、同期伝動歯車対26Aに伝えられ、さらに同期伝動歯車対26B,同26Dを介して同期伝動歯車対26cに伝えられ、これらの同期伝動歯車対の内の可動偏心重錘と一体に連設された同期伝動歯車が「位相を制御された状態」で、相互に同期回転する。
これにより、計4個の可動偏心重錘の全数が、前記計4個の固定偏心重錘に対して位相制御され、総合偏心重錘モーメントが調節され、起振力が増減調節される。
【0076】
図3(C)を図3(B)に比較したとき、一見無駄と思われるように迂回した伝動経路で可動偏心重錘を回転駆動するようになっている。
しかし、本図(C)の実施形態によると、本図(B)の実施形態に比して騒音の発生が少ない。騒音が減少する理由は、理論的に完全には解明されていないが、実験によって確認された事実である。本図3(C)において同期伝動歯車対26Mの中の1個の同期伝動歯車がアイドラーとして作用していることが、何らかの形で騒音減少に寄与しているものと思われる。
【0077】
図3(C)における回転駆動機器19(M印)と可逆回動機構20(V印)との配置を入れ換えると図3(D)のようになる。このように構成しても前述した図3(C)の実施形態におけると同様ないし類似の効果(起振機の全幅寸法を拡大することなく総合偏心モーメントを増減調節し、かつ騒音発生を抑制する)が得られる。
(図1,図2参照)以上に挙げた実施形態においては、可逆回動機構20の筐体20aを固定偏心重錘と同位相に拘束し、回動軸20bを可動偏心重錘と同位相に拘束した。図示を省略するが上記の連動(同位相拘束)関係を置換することもできる。
【0078】
図4は、前掲の図3と異なる3種類の実施形態を示し、図3と同じ方向から見て描いた模式図である。
本図4の実施形態が図3の実施形態に比して基本的に異なるところは、4組の同期伝動歯車対の配置と噛合関係である。
すなわち、図3における4組の同期伝動歯車対26A,26B,26C,26Dの歯車軸の中心点を結ぶ形状が正方形をなしていたのに比して、図4における4組の同期伝動歯車対26E,26F,26G,26Hの歯車軸の中心点を順次に結ぶと変形コの字状をなしている。
【0079】
上記変形コの字状は、請求項6の構成に欠くことのできない事項であるから、その詳細と定義とを次に述べる。
例えば図4(A)における同期伝動歯車対26Eの中心点、同26Fの中心点、同26Gの中心点、同26Hの中心点を順次に結ぶと、コの字に似た形状となる。そして、前記4組の同期伝動歯車対のピッチ円の径が相互に等しいので、コの字を形成する3つの辺の長さは必然的に等しくなる。
しかしながら、等長の3辺を相互に直角ならしめたコの字状は、実質的な正方形と等しくなり、図4(A)は図3(B)と等しくなってしまう。
いま、図3(B)の変形例として、同期伝動歯車対26Bと同26Aとの噛合、同26Aと同26Dとの噛合、および同26Dと同26Cとの噛合を保ったままで、同期伝動歯車対26Bと同26Cとを若干離間させて両者の噛合関係を解消すると、図4(A)と等価な状態になる。
本発明において変形コの字状とは、コの字に類似した形状であって3辺が等長であり、2個の隅の角の内の少なくとも1つが鈍角をなしていることをいう。
【0080】
図4(A)の実施形態は、上述したように図3(B)の実施形態の変形例と見ることができる。この変形に伴って次の構成部分も変化する。
図3(B)における4組の同期伝動歯車対26A,同26B,同26C,同26Dは相互に均等に噛合していた。従って、これら4組の同期伝動歯車対の何れに対して駆動・制御軸歯車対26MVを噛合させても実質的な差は無かった。
しかし、図4(A)における4組の同期伝動歯車対は、端から順に、同期伝動歯車対26E,同26F,同26G,同26Hという歯車列を形成しているので端部の同期伝動歯車対26E,同26Hと、中央部の同期伝動歯車対26F,同26Gとは等価でない。
【0081】
本実施形態(図4(A))においては駆動・制御歯車対26MVを、中央部の同期伝動歯車対26Fに噛合せしめた。
中央部の同期伝動歯車対という意味において、同期伝動歯車対26Gは同26Fと等価であるから、前記駆動・制御歯車対26MVを同期伝動歯車対26Fに噛合させる代りに同期伝動歯車対26Gに噛合させても、本図4(A)の実施形態に比して実質的に同様である。
この図4(A)においては、変形コの字状に配置された4組の同期伝動歯車対の内の中央部の同期伝動歯車対に対して駆動・制御歯車対26MVが噛合されているので伝動経路が短く、図3(B)における作用効果に類似した作用効果が得られる。
【0082】
図4(B)の実施形態は図3(C)の実施形態の変形例であって、変形箇所は次のとおりである。
図3(C)における4組の同期伝動歯車対26A〜26Dが正方形状に配置されていたのに比して、図4(B)における4組の同期伝動歯車対26E〜26Gは変形コの字形に配設されている。そして駆動軸歯車対26Mおよび制御軸歯車対26Vは、それぞれ変形コの字形歯車列の中央部に位置する同期伝動歯車対26Fおよび同26Gに噛合している。このように構成すると、前記図3(C)の実施形態と類似の作用,効果が得られる。しかし、両図を比較して明らかなように、図4(B)における制御軸歯車対26Vから可動偏心重錘に至る伝動経路は図3(C)よりも短い。このため伝動エネルギー効率が優れている。
図4(C)の実施形態は前記図4(B)の実施形態における「回転駆動機器」9および駆動軸歯車対26M」と、「可逆回動機構20および制御軸歯車対26V」とを置換した構成である。しかし、前記4組の同期伝動歯車対26E〜同26Hの歯車列は図の左右に対称であるから、図4(C)の実施形態は図4(B)の実施形態に比して実質的に同一である。
【0083】
図5は、前記と更に異なる3種類の実施形態を示し、歯車軸と平行な方向から見て描いた模式図である。
本図5の実施形態も、「前掲の図2と異なり、図3と同様に」4組の同期伝動歯車対を変形コの字状に配列してある。
図3の実施形態のように4組の同期伝動歯車対を正方形状に配列すると、該4組の同期伝動歯車対それぞれの噛合状態が均等になるという長所が有るが、このように配列した同期伝動歯車対の相互を正確に噛合させて、そのバックラッシを正確に調節するには高精度の機械加工および組立てを必要とし、それなりの製造コストを要する。これに比して、4組の同期伝動歯車対を変形コの字状に配列して1本の歯車列を構成することは、工作技術的に容易であり、製造コストが低廉である。
【0084】
図5(A)の実施形態は前掲の図4(A)の実施形態の変形例であって、図4(A)においては変形コの字状に配列された4組の同期伝動歯車対の内で中央部の同期伝動歯車に噛合させた駆動・制御歯車対26MVを、図5(A)においては変形コの字状に配列された4組の同期伝動歯車対の内で端部に位置する同期伝動歯車対26Eに噛合させてある。このように構成すると、固定偏心重錘を回転させる伝動経路も長くなり、可動偏心重錘を回転させる駆動経路も長くなるが、騒音低減には有効である。
【0085】
図5(B)の実施形態は図4(B)の実施形態の変形例であって、駆動軸制御歯車対26Mを変形コの字形の端部の同期伝動歯車対26Eに噛合させ、かつ、制御軸歯車対26Vを上記駆動軸歯車対26Mのみに噛合させ、同期伝動歯車対26E〜26Hの何れにも噛合させていない。
上述のごとく制御軸歯車対26Vを同期伝動歯車対に対して直接的には噛合させないという点について見れば、本図5(B)の実施形態は図2(C)の実施形態に類似している。しかし、本図5(B)においては4組の同期伝動歯車対から成る歯車列を介して固定偏心重錘を回転させる伝動経路が長い。伝動経路が長いためエネルギー効率は若干落ちるが騒音低減効果は大きい。
【0086】
図5(C)の実施形態は前記図5(B)の実施形態の変形例である。
本実施形態においては、回転駆動機器19に直結された駆動軸27に対して装着された駆動歯車28を、制御軸歯車対26Vに対して噛合せしめることなく、該制御軸歯車対26Vが噛合されている同期伝動歯車対26Eの反対端の歯車列に位置する同期伝動歯車対26Hに噛合している。
従って、変形コの字形をなす4組の同期伝動歯車対の歯車列に着目して見ると、回転駆動機器19と可逆回動機構20とが、互いに反対端に配置されている。
このため、前掲の各実施形態に比して可動偏心重錘の伝動経路が最も長い。
【0087】
駆動歯車28が回転駆動されると、その回転は「同期伝動歯車対26Hを構成している2個の歯車の内の固定偏心重錘と一体に連設された同期伝動歯車」に伝わり、同様にして順次に同期伝動歯車対26Eに伝わる。これにより4個の固定偏心重錘が相互に同位相で同期回転せしめられる。
上記同期伝動歯車対26Eの回転は制御軸歯車対26V、および外管制御同心二重軸25Vの内軸を順次に経由して可逆回動機構20に伝えられ、ここで位相制御される。
位相制御された同期回転は先刻と逆順に外管制御同心二重軸25Vの外管および制御軸歯車対26Vを順次に経由して同期伝動歯車対26Eに伝えられて「この歯車対の内の1個と一体連設された可動偏心重錘」を、位相制御された状態で同期回転させる。この回転は、さらに同期伝動歯車対26F,同26Gを経て同26Hに伝わり、これにより計4個の可動偏心重錘の総数が互いに同期して、かつ固定偏心重錘に対する位相差を制御されて回転する。
以上に説明した図5(C)の実施形態は、前述した他の実施形態に比して伝動経路が最も長い。このため伝動エネルギー効率は一番低いが、騒音低減効果が優れている。
【0088】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明装置によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸兼制御軸が設けられていて、
上記駆動,制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、この駆動,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動,制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動,制御用の同心二重軸に対して回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器および可逆回動機構を連結した駆動,制御軸の全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(詳しくは偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動,制御軸の全長寸法は、回転駆動機器や可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0089】
請求項2の発明装置によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0090】
請求項3の発明装置によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0091】
請求項4の発明装置によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0092】
請求項5の発明を前記請求項1ないし請求項4の発明装置の何れかに適用すると、該請求項1ないし請求項4の発明装置における「起振機の幅寸法を拡大せしめることなく、かつ該起振機の運転を中断することなく、その起振力を増減調節して、振動杭打抜作業における振動公害を抑制することができる」という効果を損なう虞れ無く、少なくとも4本の偏心重錘軸によって支承されている少なくとも4組の「固定偏心重錘と可動偏心重錘」の回転位相を規制している少なくとも4組の「固定偏心重錘用同期伝動歯車と可動偏心重錘用伝動歯車との同期伝動歯車対」を相互に適正に噛合せしめて、確実な位相制御を可能ならしめることができる。
特に、前記4本の偏心重錘軸を正四角柱の稜に沿わしめて配設してあるので、4個の固定偏心重錘用同期伝動歯車、および、4個の可動偏心重錘用同期伝動歯車のそれぞれについて、
4個の歯車の内の何れの任意の1個の歯車を採り上げてみても、隣接する2個の歯車に噛合していて、伝動負荷が均等である。
【0093】
請求項6の発明を前記請求項1ないし請求項4の発明装置の何れかに適用すると、該請求項1ないし請求項4の発明装置における「起振機の幅寸法を拡大せしめることなく、かつ該起振機の運転を中断することなく、その起振力を増減調節して、振動杭打抜作業における振動公害を抑制することができる」という効果を損なう虞れ無く、少なくとも4本の偏心重錘軸によって支承されている少なくとも4組の「固定偏心重錘と可動偏心重錘」の回転位相を規制している少なくとも4組の「固定偏心重錘用同期伝動歯車と可動偏心重錘用伝動歯車との同期伝動歯車対」を相互に適正に噛合せしめて、確実な位相制御を可能ならしめることができる。
特に、前記4本の偏心重錘軸を正四角柱の稜に沿わしめて配設してあるので、4個の固定偏心重錘用同期伝動歯車、および、4個の可動偏心重錘用同期伝動歯車のそれぞれについて、
4個の歯車の内の何れの任意の1個の歯車を採り上げてみても、隣接する2個の歯車に噛合していて、伝動負荷が均等である。
【0094】
請求項7の発明装置によると、可逆回転機構の動力伝達が油圧力もしくは電磁力によって行なわれ、従来技術におけるネジ手段のように金属部材相互のクサビ作用を利用しないので、金属部材と金属部材とが局部的な圧力を受けながら滑る箇所が無い。このため、耐久性,信頼性が高い。
上記可逆回動機構の筐体の回転位相が固定偏心重錘の回転位相と一致するように拘束するとともに、該可逆回動機構の回動軸の回転位相が可動偏心重錘の回転位相と一致するように拘束しても、
これと反対に、前記可逆回動機構の筐体の回転位相が可動偏心重錘の回転位相と一致するように拘束するとともに、該可逆回動機構の回動軸が固定偏心重錘の回転位相と一致するように拘束しても、同様の作用,効果が得られる。本請求項7の発明装置は上述の機能から理解されるように設計的自由度が大きく、実用的価値が高い。
【0095】
請求項8の発明方法によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸兼制御軸が設けられていて、
上記駆動,制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、この駆動,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動,制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動,制御用の同心二重軸に対して回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器および可逆回動機構を連結した駆動,制御軸の全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(詳しくは偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動,制御軸の全長寸法は、回転駆動機器や可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0096】
請求項9の発明方法によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0097】
請求項10の発明方法によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【0098】
請求項11の発明方法によると、偏心重錘式起振機を構成している偏心重錘軸と別体に同心二重軸から成る駆動軸および制御軸が設けられていて、
上記駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸は軸心周りの回転を必要とするが軸心方向に移動させる必要は無く、その上、これら駆動用,制御用の同心二重軸に対しては偏心重錘が装着されていないので、偏心重錘軸に比して格段に短く構成することができる。このようにして該駆動用の同心二重軸および制御用の同心二重軸が偏心重錘軸よりも短縮された寸法の範囲内で、該駆動用,制御用の同心二重軸に対して、それぞれ回転駆動機器,可逆回動機構を配設して接続するように配慮(これは設計的考慮である)することにより、回転駆動機器を連結した駆動用同心二重軸、および可逆回動機構を連結した制御用同心二重軸それぞれの全長を前記偏心重錘軸の長さ寸法よりも短かく構成することができる。
一方、起振機ケースの幅寸法(偏心重錘軸方向の寸法)は、前記偏心重錘軸の長さ寸法とほぼ等しい。
以上を総合して、本請求項の構成に係る駆動用同心二重軸の全長寸法および制御用同心二重軸の全長寸法は、回転駆動機器または可逆回動機構を含めても起振機ケースの幅方向にハミ出す虞れが無く、起振機全体としての全幅方向を拡大せしめることが無い。
そして、前記同心二重軸の内軸および外管は、それぞれ駆動用同期歯車および同期伝動歯車を介して固定偏心重錘と同期回転するとともに、制御用同期歯車および同期伝動歯車を介して可動偏心重錘と同期回転するので、前記可逆回動機構を作動させてその回動軸を筐体に対して回動せしめると、前記の外管に対して内軸が相対的に回動せしめられる。すなわち内軸と外管との位相差が変化する。
上述のようにして内軸と外管との位相差が変化すると、該内軸および外管のそれぞれに対して同期回転している固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化して、これらの偏心重錘の総合偏心モーメントが変化し、回転速度を変えなくても起振力を変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偏心重錘式起振機の起振力制御装置の1実施形態を説明するために示したものであって、模式的な垂直断面図に、「先行技術に係る起振力制御装置における回転駆動機器および可逆回動機構の設置位置」を仮想線で付記した図である。
【図2】前掲の図1と異なる実施形態の断面図である。ただし、切断面は単純な垂直面ではない。
【図3】偏心重錘式起振機の起振力制御装置における同期伝動歯車と、偏心重錘と、その駆動手段と、位相制御手段との配置を模式的に描いた伝動系統の構造機能説明図である。
【図4】前掲の図3と異なる3種類の実施形態を示し、図3と同じ方向から見て描いた模式図である。
【図5】前記と更に異なる3種類の実施形態を示し、歯車軸と平行な方向から見て描いた模式図である。
【図6】杭打ち作業における振動公害を説明するための模式図である。本図は、クレーンブーム5で振動装置6を吊持するとともに、該振動装置6のチャック6aで杭7の上端を把持し、この杭7に振動を与えて地中に打設している状態を模式的に描いてある。
【図7】振動装置の運転開始時および運転停止時における振動数の変化を示す図表で、横軸は時間である。
【図8】2個の偏心重錘の組み合わせによって起振力を変化させる公知技術を説明するために示したものであって、(A)は2個の偏心重錘が最大起振力を発揮する状態を表す模式図、(B)は起振力中程度である状態を表す模式図、(C)は起振力がやや小さい状態を表す模式図、(D)は起振力がゼロの状態を表す模式図である。
【図9】未公知の先願に係る起振力可変型の偏心重錘式起振機の1実施例を示す断面図である。
【図10】未公知の先願に係る起振力の調節可能な起振機であって、前掲の図9と異なる実施例の断面図である。
【図11】共通の回転軸に対して固定偏心重錘を固着するとともに可動偏心重錘を上記共通の回転軸に対する相対的な回動角位置を調節できるようにした機構の模式図である。
【符号の説明】
2…回転軸
2B…固定偏心重錘軸
2C…可動偏心重錘軸
4B,4C…同期伝動歯車
5…クレーンブーム
6…振動装置(起振機)
9,9A,9B…固定偏心重錘
10,10A,10B…可動偏心重錘
16A,16B…内軸・固定偏心重錘軸
17A,17B…外管・可動偏心重錘軸
18,18′…起振機ケース
19,19′…回転駆動機器
20…可逆回動機構
20a…筐体
20b…回動軸
22,22a〜22d…同期伝動歯車
22e…駆動用同期伝動歯車
22f…制御用同期伝動歯車
23…固定偏心重錘軸
25MV…駆動・制御同心二重軸
25M…内軸駆動同心二重軸
25V…外管制御同心二重軸
26A〜26D…同期伝動歯車対
26MV…駆動・制御用同期歯車対
26M…駆動用同期歯車対
26V…制御用同期歯車対
27…駆動軸
28…駆動歯車
Claims (11)
- 複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御装置において、
前記偏心重錘軸と平行に、駆動軸,制御軸兼用の軸が配設されていて、
上記駆動兼制御軸は、相対的に回動可能な内軸と外管とからなる二重軸であり、
上記同心二重軸の内軸もしくは外管の何れか一方は、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に対して、該同期伝動歯車と同様ないし類似の同期伝動歯車を介して連結されるとともに、回転駆動機器によって回転駆動されるようになっていて、
前記同心二重軸の内軸もしくは外管の何れか他方は、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に対して、該同期伝動歯車と同様ないし類似の同期伝動歯車を介して連結されており、
かつ、前記同心二重軸の内軸が可逆回動機構の回動軸に接続されるとともに、該同心二重軸の外管が可逆回動機構の筺体に接続されていて、該可逆回動機構によって内軸と外管とが相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるようになっていることを特徴とする偏心重錘式起振機の起振力制御装置。 - 複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御装置において、
前記偏心重錘軸と平行に、内軸と外管とが相対的回動可能に嵌合された同心二重軸の2本が配置されていて、
上記2本の同心二重軸の片方は、その内軸に回転駆動機器を接続された内軸駆動同心二重軸であって、その内軸に装着された駆動用同期歯車が、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されるとともに、その外管に装着された制御用同期歯車が、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されており、
かつ、前記2本の同心二重軸の他方は、その内軸を可逆回動機構の回動軸に、その外管を該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続された外管制御同心二重軸であって、その内軸に装着された駆動用同期歯車が前記内軸駆動同心二重軸の駆動用同期歯車に噛合するとともに、その外管に装着された制御用同期歯車が前記内軸駆動同心二重軸の制御用同期歯車に噛合していて、
前記回転駆動機器の駆動による回転力は2系統に伝動され、その片方の伝動系統は駆動用同期歯車を介して固定偏心重錘を回転させ、他方の伝動系統は駆動用同期歯車、可逆回動機構、制御用同期歯車を順次に介して可動偏心重錘を回転させる構造であって、前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動させることにより前記制御用同期歯車が駆動用同期歯車に対して相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるようになっていることを特徴とする偏心重錘式起振機の起振力制御装置。 - 複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御装置において、
前記偏心重錘軸と平行に、内軸と外管とが相対的回動可能に嵌合された同心二重軸の2本が配置されていて、
上記2本の同心二重軸の片方は、その内軸を可逆回動機構の回動軸に、その外管を該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続された外管制御同心二重軸であって、
その内軸に装着された駆動用同期歯車が前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されるとともに、その外管に装着された制御用伝動歯車が、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されており、
かつ、前記2本の同心二重軸の他方は、その内軸を回転駆動機器に接続された内軸駆動同心二重軸であって、その内軸に装着された駆動用同期歯車が前記外管制御同心二重軸の駆動用同期伝動歯車に噛合するとともに、その外管に装着された制御用同期歯車が前記外管制御同心二重軸の制御用同期歯車に噛合していて、
前記回転駆動機器の駆動による回転力は2系統に伝動され、その片方の伝動系統は駆動用同期歯車を介して固定偏心重錘を回転させ、他方の伝動系統は駆動用同期歯車、可逆回動機構、制御用同期歯車を順次に介して可動偏心重錘を回転させる構造であって、前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動させることにより前記制御用同期歯車が駆動用同期歯車に対して相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるようになっていることを特徴とする偏心重錘式起振機の起振力制御装置。 - 複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御装置において、
前記偏心重錘軸と平行に、駆動軸と制御軸とが設けられており、
上記駆動軸に回転駆動機器が接続されるとともに駆動歯車が装着されていて、該駆動歯車は前記固定偏心重錘を連動させている同期伝動歯車に噛合され、
かつ、前記制御軸は、内軸に対して外管を相対的回動可能に嵌合した同心二重軸であって、
上記同心二重軸の内軸は可逆回動機構の回動軸に、同じく外管は該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続されており、
かつ、上記内軸と外管との何れか片方に装着された駆動用同期歯車が、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されるとともに、
前記内軸と外管との何れか他方に装着された制御用同期歯車が、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合されていて、
前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動せしめることにより、内軸と外管とが相対的に回動せしめられて、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化し、起振力が増減制御されるようになっていることを特徴とする偏心重錘式起振機の起振力制御装置。 - 前記複数の偏心重錘軸のそれぞれについて、回転自在かつ相対的回動可能に支承されている固定偏心重錘と可動偏心重錘とは、それぞれ同期伝動歯車に装着されていて、該偏心重錘軸の設置個数は少なくとも4本であり、
各偏心重錘軸ごとに、固定偏心重錘に装着された同期伝動歯車と、可動偏心重錘に装着された同期伝動歯車とが「同期伝動歯車対」を形成しており、
前記4本の偏心重錘軸の中心線は、仮想の正四角柱の稜線に沿わしめて配置されていて、
4組の同期伝動歯車対を構成している8個の同期伝動歯車の内の、固定偏心重錘に装着された4個の同期伝動歯車、および、可動偏心重錘に装着された4個の同期伝動歯車が、正方形の環状歯車列を形成していることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れかに記載した偏心重錘式起振機の起振力制御装置。 - 前記複数の偏心重錘軸のそれぞれについて、回転自在かつ相対的回動可能に支承されている固定偏心重錘と可動偏心重錘とは、それぞれ同期伝動歯車に装着されていて、該偏心重錘軸の設置個数は少なくとも4本であり、
各偏心重錘軸ごとに、固定偏心重錘に装着された同期伝動歯車と、可動偏心重錘に装着された同期伝動歯車とが「同期伝動歯車対」を形成しており、
前記4本の偏心重錘軸の中心線は、仮想の正四角柱の稜線に沿わしめて配置されていて、
前記4本の偏心重錘軸のそれぞれによって支承されている4組の同期伝動歯車対を構成している8個の同期伝動歯車の内の、固定偏心重錘に装着された4個の同期伝動歯車、および、可動偏心重錘に装着された4個の同期伝動歯車が、変形コの字状の歯車列を形成していて、該歯車列の両端の同期伝動歯車相互は噛合しておらず、
かつ、前記駆動用同期歯車および制御用同期歯車が、前記変形コの字状歯車列を構成している同期伝動歯車の何れかに噛合していることを特徴とする、請求項1ないし請求項4の何れかに記載した偏心重錘式起振機の起振力制御装置。 - 前記可逆回動機構は、油圧力もしくは電磁力により、回動軸を筐体に対して正,逆転せしめ得る構造であり、
かつ、筐体が固定偏心重錘と同位相で回転し、回動軸が可動偏心重錘と同位相で回転するように接続され、
もしくは、回動軸が固定偏心重錘と同位相で回転し、筐体が可動偏心重錘と同位相で回転するように接続されていることを特徴とする、請求項1ないし請求項6の何れかに記載した偏心重錘式起振機の起振力制御装置。 - 複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御方法において、
前記偏心重錘軸と平行に、駆動軸,制御軸兼用の軸を配設するとともに、
上記駆動兼制御軸は、相対的に回動可能な内軸と外管とからなる同心二重軸で構成し、
上記同心二重軸の内軸もしくは外管の何れか一方は、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に対して、該同期伝動歯車と同様ないし類似の同期伝動歯車を介して連結するとともに、回転駆動機器によって回転駆動されるようにし、
前記同心二重軸の内軸もしくは外管の何れか他方は、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に対して、該同期伝動歯車と同様ないし類似の同期伝動歯車を介して連結し、
かつ、前記同心二重管の内軸と外管とが可逆回動機構の回動軸と筐体とにそれぞれ接続することにより、該可逆回動機構によって内軸と外管とが相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるようにすることを特徴とする偏心重錘式起振機の起振力制御方法。 - 複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御方法において、
前記偏心重錘軸と平行に、内軸と外管とが相対的回動可能に嵌合された同心二重軸を2本配置し、
上記2本の同心二重軸の片方を、その内軸に回転駆動機器を接続された内軸駆動同心二重軸で構成し、その内軸に装着された駆動用同期歯車を、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合させるとともに、その外管に装着された制御用同期歯車を、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合せしめ、
かつ、前記2本の同心二重軸の他方は、その内軸を可逆回動機構の回動軸に、その外管を該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続された外管制御同心二重軸で構成し、その内軸に装着された駆動用同期歯車を前記内軸駆動同心二重軸の駆動用同期歯車に噛合させるとともに、その外管に装着された制御用同期歯車を前記内軸駆動同心二重軸の制御用同期歯車に噛合せしめて、
前記回転駆動機器の駆動による回転力を2系統に伝動させ、その片方の伝動系統は駆動用同期歯車を介して固定偏心重錘を回転させ、他方の伝動系統は駆動用同期歯車、可逆回動機構、制御用同期歯車を順次に介して可動偏心重錘を回転させるように構成し、前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動させることにより前記制御用同期歯車が駆動用同期歯車に対して相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるように作動させることを特徴とする偏心重錘式起振機の起振力制御方法。 - 複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御方法において、
前記偏心重錘軸と平行に、内軸と外管とが相対的回動可能に嵌合された同心二重軸の2本を配置するとともに、
上記2本の同心二重軸の片方を、その内軸を可逆回動機構の回動軸に、その外管を該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続された外管制御同心二重軸で構成し、
その内軸に装着された駆動用同期歯車が前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合させるとともに、その外管に装着された制御用伝動歯車を、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合せしめ、
かつ、前記2本の同心二重軸の他方は、その内軸を回転駆動機器に接続された内軸駆動同心二重軸で構成し、その内軸に装着された駆動用同期歯車を前記外管制御同心二重軸の駆動用同期伝動歯車に噛合させるとともに、その外管に装着された制御用同期歯車が前記外管制御同心二重軸の制御用同期歯車に噛合せしめて、
前記回転駆動機器の駆動による回転力は2系統に伝動させ、その片方の伝動系統は駆動用同期歯車を介して固定偏心重錘を回転させ、他方の伝動系統は駆動用同期歯車、可逆回動機構、制御用同期歯車を順次に介して可動偏心重錘を回転させるように構成し、前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動させることにより前記制御用同期歯車が駆動用同期歯車に対して相対的に回動せしめられて、前記固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が増減調節されるように作動させることを特徴とする偏心重錘式起振機の起振力制御方法。 - 複数の偏心重錘軸のそれぞれによって、固定偏心重錘と可動偏心重錘とが回転自在に、かつ相対的回動可能に支承されていて、
複数の固定偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されるとともに、複数の可動偏心重錘相互が同期伝動歯車によって同位相で回転するように連動されており、
前記複数の固定偏心重錘および可動偏心重錘を偏心重錘軸の周りに回転せしめつつ、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差を変化させて該固定偏心重錘と可動偏心重錘との総合偏心モーメントを変化させることにより、運転を中断することなく継続しつつ起振力を変化せしめる方式の偏心重錘式起振機の起振力制御方法において、
前記偏心重錘軸と平行に、駆動軸と制御軸とを設けるとともに、
上記駆動軸に回転駆動機器を接続するとともに駆動歯車を装着して、該駆動歯車は前記固定偏心重錘を連動させている同期伝動歯車に噛合させ、
かつ、前記制御軸は、内軸に対して外管を相対的回動可能に嵌合した同心二重軸で構成し、
上記同心二重軸の内軸を可逆回動機構の回動軸に、同じく外管を該可逆回動機構の筐体に、それぞれ接続し、
かつ、上記内軸と外管との何れか片方に装着された駆動用同期歯車を、前記固定偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合させるとともに、
前記内軸と外管との何れか他方に装着された制御用同期歯車を、前記可動偏心重錘相互を連動させている同期伝動歯車に噛合せしめ、
前記可逆回動機構の回動軸を筐体に対して回動せしめることにより、内軸と外管とが相対的に回動せしめられて、固定偏心重錘と可動偏心重錘との位相差が変化し、起振力が増減制御されるように作動させることを特徴とする偏心重錘式起振機の起振力制御方法。
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