JP3737356B2 - 成形用プレス装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下ダイセットに複数個の下型を取付けるとともに、これらの下型に対応する複数個の上型を上ダイセットに取付けた成形用プレス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は従来の成形用プレス装置の概要図であり、成形用プレス装置150の上・下ダイセット151,152に、トリム成形型153、粗曲げ成形型154及び仕上げ曲げ成形型155を一括して組付け、上ダイセット151をプレス機156のスライダ156aに取付け、下ダイセット152をプレス機156のベース156bに取付けた状態を示す。
【0003】
この成形用プレス装置150によれば、プレス機156のスライダ156aを昇降させて1ショット操作することにより、トリム成形型153でワークをトリム成形体160にトリミングし、粗曲げ成形型154でトリム成形体160を粗曲げ成形体161に成形し、仕上げ曲げ成形型155で粗曲げ成形体161を仕上げ曲げ成形体162に成形する。
【0004】
成形後、上ダイセット151を上死点に静止した状態(図に示す状態)において、仕上げ曲げ成形型155の下型155aから仕上げ曲げ成形体162を矢印aの如く後工程に搬送する。次に、粗曲げ成形型154の下型154aから粗曲げ成形体161を矢印bの如く仕上げ曲げ成形型162の下型162aに移す。
【0005】
次いで、トリム成形型153の下型153aからトリム成形体160を矢印cの如く粗曲げ成形型154の下型154aに移し、続いて、絞り成形型157から絞り成形体(図示しない)を矢印dの如くトリム成形型153の下型153aに移す。以下、上記工程を順次繰り返すことにより、ワークを連続的に加工する。
【0006】
このように、上・下ダイセット151,152に、トリム成形型153、粗曲げ成形型154及び仕上げ曲げ成形型155を一括して組付けることで、一基の成形用プレス装置150でトリム成形、粗曲げ成形及び仕上げ曲げ成形を実施することができるので、設備費を抑えることが可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年自動車は多量生産から多品種少量生産に変りつつあり、多品種少量生産に対応するために一基の成形用プレス装置150で多品種の車体パネルを成形する傾向にある。
車体パネルの品種を代える際には、既設の上・下ダイセット151,152をプレス機156から外して、新たな上・下ダイセットをプレス機156に取付ける。プレス機156から取り外した上・下ダイセット151,152は、下ダイセット152に上ダイセット151を重ねた状態で保管スペースに保管する。この状態を次図で説明する。
【0008】
図10は従来の成形用プレス装置の上・下ダイセットを重ねた状態を示す側面図である。
ここで、トリム成形型153、粗曲げ成形型154及び仕上げ曲げ成形型155は、それぞれ成形型の形状が異なるので、各々の成形型を同じ高さに揃えることは難しい。よって、下ダイセット152に上ダイセット151を重ねた際に、上ダイセット151を下ダイセット152に対して平行に配置することはできない。
【0009】
一例として、トリム成形型153、粗曲げ成形型154及び仕上げ曲げ成形型155のうちで、仕上げ曲げ成形型155が最も高い場合について説明する。
下ダイセット152を床面158に置いた後、下ダイセット152に上ダイセット151を重ねた場合、上ダイセット151の高さがh1のとき仕上げ曲げ成形型155の上型154bが下型154aに当接する。このとき、トリム成形型153の上型153bや粗曲げ成形型154の上型154bは、それぞれの下型153a,154aにまだ当接していない。
【0010】
そして、上ダイセット151の左端の高さがh2になるまで下降すると、トリム成形型153の上型153bや粗曲げ成形型154の上型154bがそれぞれの下型153a,154aに当接する。このため、上ダイセット151の右端の高さh1が左端の高さh2より高くなり、上ダイセット151を下ダイセット152に対して平行に配置することはできない。
【0011】
従って、下ダイセット152に上ダイセット151を重ねて保管した際に、この上・下ダイセット151,152の上に、別の上・下ダイセットを積み重ねて(いわゆる、段積)保管することができない。よって、保管用の上・下ダイセットを床面158に並べて保管することになり、保管スペースを大きく確保する必要がある。
【0012】
加えて、トリム成形型153、粗曲げ成形型154及び仕上げ曲げ成形型155のそれぞれの高さが異なるので、下ダイセット152に上ダイセット151を載せた際に、一部の成形型に荷重が集中して成形型が破損する虞れもある。
この不具合を解消する例を次図で説明する。
【0013】
図11は従来の成形用プレス装置の上・下ダイセットを重ねた状態を示す側面図である。
下ダイセット152と上ダイセット151との間に第1支柱165及び第2、第3の支柱166,167(奥側は図示しない)の3本の支柱を介在させることにより上ダイセット151を支える。
しかし、第1〜第3の支柱165〜167で上ダイセット151を支えるためには、作業者が第1〜第3の支柱165〜167を上・下ダイセット151,152の間にセットする必要がある。このため、上・下ダイセット151,152を保管する際に、作業者の手間がかかるので上・下ダイセット151,152の交換に時間がかかる。
【0014】
そこで、本発明の目的は、成形型の破損を防ぐとともに上・下ダイセットの段積みが可能で、かつ作業者の手間をかけないで簡単に上・下ダイセットを保管することができる成形用プレス装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1は、下ダイセットに複数個の下型を取付け、これらの下型に対応する複数個の上型を上ダイセットに取付けた成形用プレス装置において、前記下型が付いたままでプレス機から外した下ダイセットに、前記上型が付いたままでプレス機から外した上ダイセットを各々の上・下型を合せる状態で載せたときに、下ダイセットに対して上ダイセットを略平行に支持する支持部材を上・下ダイセットのうち、一方のダイセットに常設した成形用プレス装置であって、前記支持部材は、前記一方のダイセットに支柱を常設し、支柱にクッション部材を介在させ、前記上ダイセットを上死点位置から下死点位置まで下降した際に、支持部材が他方のダイセットに僅かに接触した状態、又は接触しない状態となるように支持部材の高さを設定したことを特徴とする。
【0016】
下ダイセット又は上ダイセットに支持部材を常設した。よって、下ダイセットに上ダイセットを載せたときに、支持部材で上ダイセットを支えることができる。このため、下ダイセットに対して上ダイセットを略平行になる様に支えることができる。従って、上・下のダイセットの下型や上型の一部に荷重が集中してかかることを防ぐことができる。
【0017】
加えて、上ダイセットを下ダイセットに対して略平行になる様に支えることができるので、上・下ダイセットの上に別の上・下ダイセットを段積みすることができる。
さらに、支持部材を下ダイセット又は上ダイセットに常設したので、上・下ダイセットを保管する際に、作業者が支持部材を下ダイセットと上ダイセットとの間にセットする手間を省くことができる。
また、支持部材の支柱にクッション部材を介在させた。よって、上ダイセットを下ダイセットに載せる際の衝撃を緩和することができる。このため、下ダイセットに上ダイセットを載せ易くすることができる。
さらに、上ダイセットを下死点位置まで下降した際に、支持部材が他方のダイセットに僅かに接触した状態、又は接触しない状態となるように支持部材の高さを設定した。
よって、支持部材は、上ダイセットを下死点位置に下降してプレス加工を実施することを妨げない。
【0018】
請求項2において、支持部材は、上・下型を回避する位置に、且つ平面視で多角形の頂点をなす位置に少なく共3本以上設けたことを特徴とする。
【0019】
支持部材を上・下型に干渉せぬ位置に設けたので、下ダイセット又は上ダイセットに支持部材を常設しても、支持部材がプレス加工の妨げになることはない。
加えて、支持部材を平面視で多角形の頂点をなす位置に少なく共3本以上設けることにより、上ダイセットを確実に支えることができる。
【0020】
請求項3は、下ダイセットに複数個の下型を取付け、これらの下型に対応する複数個の上型を上ダイセットに取付けた成形用プレス装置において、前記下型が付いたままでプレス機から外した下ダイセットに、前記上型が付いたままでプレス機から外した上ダイセットを各々の上・下型を合せる状態で載せたときに、下ダイセットに対して上ダイセットを略平行に支持する支持部材を常設した成形用プレス装置であって、前記支持部材は、前記上・下ダイセットのうち、一方のダイセットに支柱を設け、他方のダイセットにクッション部材を設け、前記上ダイセットを上死点位置から下死点位置まで下降した際に、支柱がクッション部材に僅かに接触した状態、又は接触しない状態となるように支持部材の高さを設定したことを特徴とする。
【0021】
上・下ダイセットのうち、一方のダイセットに支柱を設け、他方のダイセットにクッション部材を設けることで、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る成形用プレス装置の分解図である。
成形用プレス装置10は、絞り成形体を縁切りするトリム成形型12と、得られたワーク(トリム成形体)を粗曲げ成形する粗曲げ成形型20と、得られたワーク(粗曲げ成形体)を仕上げ曲げ成形する仕上げ曲げ成形型30と、これらの成形型12,20,30を支える上・下ダイセット50,55と、上ダイセット50に取付けた第1〜第3の支持部材60,61,62(図3も参照)と、上・下ダイセット50,55を組付けて下ダイセット55へ上ダイセット50を進退させる一基のプレス機70とからなる。
なお、トリム成形型12、粗曲げ成形型20、仕上げ曲げ成形型30及び第1〜第3の支持部材60〜62については図2で詳しく説明する。
【0023】
上ダイセット50は、トリム成形型12の上型13、粗曲げ成形型20の上型21及び仕上げ曲げ成形型30の上型31を一括して組付け、トリム成形型12の上型13と粗曲げ成形型20の上型21の間の上ダイセット下面51aに第1支持部材60を取付け、粗曲げ成形型20の上型21と仕上げ曲げ成形型30の上型31との間の上ダイセット下面51bに第2、第3の支持部材61,62を紙面に直交する方向に一定間隔をおいて取付けたものである。
【0024】
下ダイセット55は、トリム成形型12の下型18、粗曲げ成形型20の下型26、仕上げ曲げ成形型30の下型36、仕上げ曲げ加工部40及びピアス加工部45を一括して組付け、トリム成形型12の下型18と粗曲げ成形型20の下型26との間の下ダイセット上面56aに第1段部57aを形成し、粗曲げ成形型20の下型26と仕上げ曲げ成形型30の仕上げ曲げ加工部40との間の下ダイセット上面56bに第2、第3の段部57b,57cを紙面に直交する方向に一定間隔をおいて取付けたものである。
【0025】
トリム成形型12、粗曲げ成形型20及び仕上げ曲げ成形型30のそれぞれの上型13,21,31は、トリム成形型12、粗曲げ成形型20及び仕上げ曲げ成形型30のそれぞれの下型18,26,36にそれぞれ対応する位置に備えたものである。
また、第1〜第3の支持部材60,61,62は、それぞれ第1〜第3の段部57a,57b,57cに対応する位置に設けた部材である。
【0026】
プレス機70は、ベース71に一対のコラム72,72を取付け、コラム72,72にガイド73,73を取付け、ガイド73,73間にスライダ74を昇降自在に取付け、スライダ74を昇降する昇降手段75を梁部76に取付けたものである。ベース71には支持部材78を介して下ダイセット55を取付け、スライダ74には上ダイセット50を取付ける。
昇降手段75は、梁部76に一対のシリンダ77,77を取付け、シリンダ77,77のロッド77a,77aをスライダ74に連結したものである。
【0027】
図2は本発明に係る成形用プレス装置の要部拡大図であり、トリム成形型12、粗曲げ成形型20及び仕上げ曲げ成形型30を上・下ダイセット50,55に取付け、かつ第1〜第3の支持部材60〜62を上ダイセット50に取付けた状態を示す。
トリム成形型12は、上型13と下型18との間に絞り成形体19をセットし、上ダイセット50を下死点位置P2まで下げることにより、上型13と下型18とで絞り成形体19の縁切りを行うものである。
【0028】
上型13は、上ダイセット50にホルダ14を取付け、ホルダ14に上下方向に移動自在に押えパッド15を取り付け、押えパッド15とホルダ14との間に押えばね16,16を取り付け、押えパッド15の外側にカッタ17を取り付けたものである。
【0029】
押えパッド15は、下面周縁に押え面15aを形成し、この押え面15aで絞り成形体19の周囲を押え付ける部材である。
押えばね16は、絞り成形体19の周縁19aの縁切りを行う際に、押えパッド15を絞り成形体19に押し付ける部材である。
下型18は、下ダイセット55に取り付けて絞り成形体19をセットし、上型13とともに絞り成形体19の縁切りを行うダイである。
【0030】
粗曲げ成形型20は、上型21と下型26との間にトリム成形体29をセットし、上ダイセット50を下死点位置P2まで下げることにより、上型21と下型26とでトリム成形体29に粗曲げ加工を施すものである。
上型21は、上ダイセット50にホルダ22を取付け、ホルダ22に上下方向に移動自在に押えパッド23を取り付け、押えパッド23とホルダ22との間に押えばね24,24を取り付け、押えパッド23の外側に粗曲げ押付ダイ25を取り付けたものである。
【0031】
押えパッド23は、下面周縁に押え面23aを形成し、この押え面23aでトリム成形体29の周囲を押え付ける部材である。
押えばね24は、トリム成形体29に粗曲げ加工を施すときに、押えパッド23をトリム成形体29に押し付ける部材である。
粗曲げ押付ダイ25は、左側下面に傾斜曲げ押付面25aを備え、右側下面に直角曲げ押付面25bを備えたものである。
下型26は、下ダイセット55に取り付けてトリム成形体29をセットし、上型21とともにトリム成形体29に粗曲げ加工を施すダイである。
【0032】
仕上げ曲げ成形型30は、上型31と下型36との間に粗曲げ成形体39をセットし、上ダイセット50を下死点位置P2まで下げることにより、仕上げ曲げ加工部40で粗曲げ成形体39に仕上げ曲げ加工を施すと共にピアス加工部45で粗曲げ成形体39に孔を開けるものである。
【0033】
上型31は、上ダイセット50にホルダ32を取付け、ホルダ32に上下方向に移動自在に押えパッド33を取り付け、押えパッド33とホルダ32との間に押えばね34,34を取り付け、押えパッド33の外側に仕上げ曲げ押付ダイ35を取り付けたものである。
【0034】
押えパッド33は、下面周縁に押え面33aを形成し、この押え面33aで粗曲げ成形体39の周囲を押え付ける部材である。
押えばね34は、粗曲げ成形体39に仕上げ曲げ加工やピアス加工を施すときに、押えパッド33を粗曲げ成形体39に押し付ける部材である。
仕上げ曲げ押付ダイ35は、仕上げ曲げ加工部40を作動する第1押付面35aを左側下面に備え、ピアス加工部45を作動する第2押付面35bを右側下面に備えたものである。
【0035】
下型36は、下ダイセット55に取り付けて粗曲げ成形体39をセットするダイである。この下型36は、粗曲げ成形体39の傾斜曲げ面39aを仕上げ曲げ成形する仕上げ曲げ加工面36aを備え、粗曲げ成形体39の直角曲げ面39bに孔を開けるピアス加工面36bを備えたものである。
【0036】
仕上げ曲げ加工部40は、下型36の左側に取付けた案内ガイド41と、案内ガイド41に移動自在に取付けた移動体42と、移動体42の先端に取付けた仕上げ曲げ刃43とからなる。
ピアス加工部45は、下型36の右側に取付けた案内ガイド46と、案内ガイド46に移動自在に取付けた移動体47と、移動体47の先端に取付けた孔開け用のポンチ48とからなる。
【0037】
第1支持部材60は、トリム成形型12と粗曲げ成形型20との間の間隙に配置し、第2、第3の支持部材61,62は粗曲げ成形型20と仕上げ曲げ成形型30との間の間隙に、紙面に直交する方向に一定間隔をおいて配置したものである(図3も参照)。
これにより、第1〜第3の支持部材60〜62をトリム成形型12、粗曲げ成形型20及び仕上げ曲げ成形型30を回避した位置(すなわち、上・下型を回避した位置)で、かつ図3に示すように平面視で三角形の頂点をなす位置に設けることができる。
【0038】
第1支持部材60は、上ダイセット下面51aに支柱65を取付け、支柱65の下端部65aにクッション部材67を取付けたものである。
支柱65は、一例として鋼材を円柱状に形成した部材であって、上端部にフランジ66を設け、このフランジ66をボルト68・・・で上ダイセット下面51aに取付けたものである。
なお、第1支持部材60を上ダイセット下面51aに取付ける手段はこれに限るものではなく、その他の手段で取付けることも可能である。
【0039】
クッション部材67は、一例としてウレタンゴムを円柱状に形成した弾性変形可能な部材であって、支柱65の下端部65aに焼付けやボルト止めなどで取付けたものである。なお、クッション部材67を支柱65への取付手段はこれに限るものではなく、その他の取付手段で取付けることも可能である。
【0040】
この第1支持部材60は、上ダイセット50を上死点位置P1に静止させた状態で、第1支持部材60の下端部67a、すなわちクッション部材の下端部67aから下ダイセット55の第1段部57aまでの距離がS1になるように、第1支持部材60の高さHを設定したものである。
ここで、上ダイセット50のストローク量(すなわち、上死点位置P1から下死点位置P2までの距離)をS2に設定すると、ストローク量S2及び距離S1は、S1≧S2の関係が成立する。
【0041】
よって、上ダイセット55を下死点位置P2まで下降した際に、第1支持部材60は、クッション部材67の下端部67aが第1段部57aに僅かに接触した状態、又はクッション部材67の下端部67aが第1段部57aに接触しない状態に保つことができる。
【0042】
第2、第3支持部材61,62は、上ダイセット下面51bに、紙面に直交する方向に一定間隔をおいて取付けたものである。これら第2、第3の支持部材61,62は、第1支持部材60と同一構成部材なので同じ符号を付して構成の説明を省略する。
【0043】
上ダイセット50に第1〜第3の支持部材60〜62を常設した。このため、下型18,26,36が付いたままでプレス機70から下ダイセット55を外すとともに、上型13,21,31が付いたままでプレス機70から上ダイセット50を外し、下ダイセット55に上ダイセット50を載せたときに、下ダイセット55に対して上ダイセット50が略平行になる様に上ダイセット50を支えることができる。
従って、それぞれの下型18,26,36や上型13,21,31の一部に荷重が偏ってかかることを防ぐことができるので、これらの型が破損することを防ぐことができる。
【0044】
加えて、上ダイセット50を下ダイセット55に対して略平行になる様に支えることができるので、上・下ダイセット50,55の上に別の上・下ダイセットを段積みすることができる。
また、第1〜第3の支持部材60〜62を上ダイセット50に常設したので、上・下ダイセット50,55を保管する際に、作業者が下ダイセット55と上ダイセット50との間に第1〜第3の支持部材をセットする手間を省くことができる。
【0045】
さらに、第1〜第3の支持部材60〜62の支柱65・・・にそれぞれクッション部材67・・・を介在させた。このため、上ダイセット50を下ダイセット55に載せる際の衝撃を緩和することができる。このため、下ダイセット50に上ダイセット55を載せ易くすることができ、作業者の負担をより軽減することができる。
【0046】
第1〜第3の支持部材60〜62を上述した構成とすることで、プレス成形装置10を稼働してワークをプレス加工する際に、第1〜第3の支持部材60〜62がプレス成形装置10のプレス加工を妨げることはない。
加えて、プレス成形装置10を稼働してワークをプレス加工する際に、第1〜第3の支持部材60〜62のそれぞれのクッション部材67,67,67が第1〜第3の段部57a〜57cに強く当ることを防ぐことができる。よって、第1〜第3の支持部材60〜62のクッション部材67,67,67の損耗を抑えることができる。
【0047】
図3は図2の3−3線断面図であり、第1支持部材60をトリム成形型12と粗曲げ成形型20との間に配置し、第2、第3の支持部材61,62を粗曲げ成形型20と仕上げ曲げ成形型30との間に一定間隔Lをおいて配置することにより、第1〜第3の支持部材60,61,62をそれぞれの成形型12,20,30(上・下型)から回避した位置に、且つ平面視で三角形の頂点をなす位置に設けた状態を示す。
第1〜第3の支持部材60,61,62は、一例としてフランジ66,66,66をボルト68・・・で締め付けることにより上ダイセット下面51aや上ダイセット下面51b(図2に示す)に取付ける。
【0048】
第1〜第3の支持部材60,61,62をそれぞれの成形型12,20,30(上・下型)から回避した位置に設けたので、上ダイセット50に第1〜第3の支持部材60〜62を常設しても、第1〜第3の支持部材60〜62がプレス加工の妨げになることはない。
加えて、第1〜第3の支持部材60〜62を平面視で三角形の頂点をなす位置に3本設けた。上ダイセット50を確実に支えるために必要な支持部材の本数を3本に抑えることで、設備を簡素にすることができる。
【0049】
図4は本発明に係る成形用プレス装置の側面図であり、上・下ダイセット50,55に、トリム成形型12、粗曲げ成形型20及び仕上げ曲げ成形型30を一括して組付け、上・下ダイセット50,55をプレス機70に取付けた状態を示す。
【0050】
この成形用プレス装置10によれば、プレス機70の1ショットにて絞り成形体19をトリム成形型12で縁切りした後、トリム成形体29を粗曲げ成形型20に移し、次のショットでトリム成形体29を粗曲げ加工した後、粗曲げ成形体39を仕上げ曲げ成形型30に移し、次のショットで粗曲げ成形体39を仕上げ曲げ成形するごとくに一基のプレス機70で複数工程の成形を実施可能にすることができる。
これにより、トリム成形型12による縁切り加工、粗曲げ成形型20による粗曲げ加工及び仕上げ曲げ成形型30による仕上げ曲げ加工の複数工程を同時に実施することができる。
【0051】
次に、成形用プレス装置10の作用を説明する。
成形用プレス装置10の作用を図2及び図4〜図5に基づいて説明する。
図4で説明したようにプレス機70のショットを複数回繰り返すことにより、トリム成形型12の下型18に絞り成形体19をセットし、粗曲げ成形型20の下型26にトリム成形体29をセットし、仕上げ曲げ成形型30の下型36に粗曲げ成形体39をセットした状態(図2も参照)になる。
【0052】
この状態で、図4に示すプレス機70の昇降手段75を操作して、スライダ74を下げる。これにより、上ダイセット50を上死点位置P1から矢印▲1▼の如く下げて、トリム成形型12の上型13、粗曲げ成形型20の上型21及び仕上げ曲げ成形型30の上型31を同様に矢印▲1▼の如く下げる。
【0053】
図5は本発明に係る成形用プレス装置の第1作用説明図であり、上ダイセット50を下死点位置P2に下降した状態を示す。
第1〜第3の支持部材60,61,62は、それぞれのクッション部材67,67,67の下端部67a,67a,67aが第1〜第3の段部57a,57b,57cに僅かに触れた状態、又はそれぞれのクッション部材67,67,67の下端部67a,67a,67aが第1〜第3の段部57a,57b,57cに接触しない状態に保つことができる。
【0054】
従って、第1〜第3の支持部材60〜62は、上ダイセット50を下死点位置P2に下降してプレス加工を実施することを妨げない。
加えて、上ダイセット50を下死点位置P2まで下降した際に、第1〜第3の支持部材60〜62のそれぞれのクッション部材67,67,67が第1〜第3の段部57a〜57cに強く当ることを防ぐことができるので、第1〜第3の支持部材60〜62のクッション部材67,67,67が損耗することを防ぐことができる。
【0055】
上ダイセット50を下死点位置P2に下降することで、上ダイセット50と共にトリム成形型12の上型13を下げて押えパッド15で下型18の絞り成形体19(図2参照)を押える。この状態からカッタ17を矢印▲2▼の如くさらに下げて、カッタ17の刃部17aで絞り成形体19(図2に示す)の周縁19aを縁切りする。これにより、トリム成形体29を得る。
【0056】
また、上ダイセット50と共に粗曲げ成形型20の上型21を下げて押えパッド23で下型26のトリム成形体29(図2参照)を押える。この状態から粗曲げ押付ダイ25を矢印▲2▼の如くさらに下げて、粗曲げ押付ダイ25の傾斜曲げ面押付面25aで傾斜曲げ面39aを曲げ形成する。
このとき、同時に粗曲げ押付ダイ25の直角曲げ面25bで直角曲げ面39bを曲げ形成する。これにより、粗曲げ成形体39を得る。
【0057】
さらに、上ダイセット50と共に仕上げ曲げ成形型30の上型31を下げて押えパッド33で下型36の粗曲げ成形体39(図2参照)を押える。この状態から仕上げ曲げ押付ダイ35を矢印▲2▼の如くさらに下げて、仕上げ曲げ押付ダイ35の第1押付面35aが仕上げ曲げ加工部40の移動体42を押す。
【0058】
これにより、移動体42と共に仕上げ曲げ刃43を矢印▲3▼如く移動して傾斜曲げ面39aを仕上げ曲げ縁49aに曲げ成形する。
このとき、同時に仕上げ曲げ押付ダイ35の第2押付面35bが、ピアス加工部45の移動体47を押す。従って、移動体47とともにポンチ48を矢印▲4▼の如く移動して直角曲げ面39bに孔49bを開ける。これにより、ワーク(仕上げ曲げ成形体)49を得る。
【0059】
曲げ成形型として粗曲げ成形型20と仕上げ曲げ成形型30との2セットの成形型に準備することで、粗曲げ成形型20でトリム成形体29に予め粗曲げ加工を施し、得られた粗曲げ成形体39を仕上げ曲げ成形型30で仕上げ曲げ加工を施すことができる。よって、曲げ成形を2段階に分けて実施できるので、仕上げ曲げ成形体49を所望の形状に曲げ成形することができ、さらに曲げ加工の精度を高めることができる。
【0060】
図6(a),(b)は本発明に係る成形用プレス装置の第2作用説明図である。
(a)において、プレス機70の昇降手段75を操作して、スライダ74と共に上ダイセット50を矢印▲5▼の如く上げる。
(b)において、上ダイセット50を上死点位置P1に静止させた状態で、仕上げ曲げ成形型30の下型36から仕上げ曲げ成形体49を矢印▲6▼の如く後工程に搬送する。次に、粗曲げ成形型20の下型26から粗曲げ成形体39を矢印▲7▼の如く仕上げ曲げ成形型30の下型36に移す。
【0061】
次いで、トリム成形型12の下型18からトリム成形体29を矢印▲8▼の如く粗曲げ成形型20の下型26に移し、続いて、絞り成形型80から絞り成形体(図2に示す)23を矢印▲9▼の如くトリム成形型12の下型18に移す。
この後、上記工程を順次繰り返すことにより、ワークを連続的に加工することができる。
前記▲6▼〜▲9▼の移動は吸盤を備えた移載ロボット若しくは同等の移載手段で行うが、簡易的に人手で行うことは差支えない。
【0062】
次に、成形用プレス装置10の上下ダイセット50,55及び成形型12,20,30を保管する例を図7に基づいて説明する。
図7は本発明に係る成形用プレス装置の第3作用説明図であり、上・下ダイセットの保管状態を示す。
この図は、成形型12,20,30の下型18,26,36が付いたままで成形用プレス装置10から外した下ダイセット55に、成形型12,20,30の上型13,21,31が付いたままでプレス機70(図1に示す)から外した上ダイセット50の上型13,21,31を下ダイセット55の下型18,26,36に合せる状態で載せた際に、下ダイセット55に対して上ダイセット50(すなわち、上ダイセット50の上面52)が略平行になる様に第1〜第3の支持部材60,61,62で上ダイセット50を支えた状態を示す。
なお、59は床面である。
【0063】
第1〜第3の支持部材60,61,62のそれぞれのクッション部材67,67,67を、下ダイセット55の第1〜第3の段部57a,57b,57cに当接することで、上型13,21,31が付いた上ダイセット55を第1〜第3の支持部材60,61,62で支える。
ここで、第1〜第3の支持部材60,61,62を平面視で三角形の頂点をなす位置に設け(図3参照)、それぞれの高さH(図2参照)を均一に設定することで、上ダイセット50を下ダイセット55に対して略平行になる様に支えることができる。
【0064】
この状態において、粗曲げ押付ダイ25は、左側下面に傾斜曲げ押付面25aが下型26に載るとともに、仕上げ曲げ成形型30の仕上げ曲げ押付ダイ35の第1、第2押付面35a,35bがそれぞれ仕上げ曲げ加工部40及びピアス加工部45に載る。
さらに、トリム成形型12は上型131の押えパッド15が下型18に当接し、粗曲げ成形型20は上型21の押えパッド23が下型26に当接し、仕上げ曲げ成形型30は上型31の押えパッド33が下型36に当接する。
【0065】
ここで、上ダイセット50の保管位置P3は、下死点位置P2より僅かに下降した位置になる。以下、この理由を図5及び図7に基づいて説明する。
図5の下死点位置P2では、それぞれの成形型12,20,30には成形体29,39,49(以下、「ワーク」という)をセットしている。
よって、上ダイセット50は、粗曲げ成形型20の傾斜曲げ押付面25aがワーク39aに当接するとともに、仕上げ曲げ加工部40の仕上げ曲げ刃43がワーク49aに当接した位置で静止する。
【0066】
これに対して、図7の保管位置P3では、それぞれの成形型12,20,30にワーク29,39,49をセットしていない。よって、上ダイセット50は、粗曲げ成形型20の傾斜曲げ押付面25aが下型26に当接するとともに、仕上げ曲げ加工部40の仕上げ曲げ刃43が下型36に当接した位置で静止する。
【0067】
このため、図7に示す上ダイセット50の保管位置P3は、図5に示す上ダイセット50の下死点位置P2よりワーク29,39,49の板厚寸法分だけ下方に位置する。このとき、第1〜第3の支持部材60,61,62のクッション部材67,67,67は僅かに弾性変形して外周が外側に拡径する。
【0068】
次に、第2実施形態〜第5実施形態を図8に基づいて説明する。なお、第1実施形態と同一構成部材については同じ符号を付して説明を省略する。
図8(a)〜(d)は本発明に係る成形用プレス装置の別実施形態を示す要部拡大図であり、(a)は第2実施形態、(b)は第3実施形態、(c)は第4実施形態、(d)は第5実施形態を示す。
【0069】
なお、第1実施形態で説明したように、第1〜第3支持部材は同一構成部材なので、以下の実施形態においては第1支持部材について説明して、第2〜第3の支持部材の説明を省略する。
また、第2実施形態〜第5実施形態において、第1〜第3の支持部材を構成する支柱、クッション部材の取付け手段は、第1実施形態と同一でもよく、その他の手段で取付けることも可能である。
【0070】
(a)において、第2実施形態の成形用プレス装置90は、第1支持部材91の支柱92を上ダイセット50の下面51aに取付け、第1支持部材91のクッション部材93を下ダイセット55の上面56aに設けたものである。
支柱92は第1実施形態の支柱65と同一構成で、クッション部材93は第1実施形態のクッション部材67と同じ構成である。
【0071】
第2実施形態の第1支持部材91によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、支柱92からクッション部材93を分離したので、第1支持部材91の長さを抑えることができる。このため、それぞれの成形型からのワークの移動を比較的簡単に行うことができる。
【0072】
(b)において、第3実施形態の成形用プレス装置95は、第1支持部材96の支柱92を下ダイセット55の上面56aに取付け、第1支持部材96のクッション部材93を上ダイセット50の下面51aに設けたものである。
【0073】
第3実施形態の第2支持部材96によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、支柱92を下ダイセット55に取付けたので、上ダイセット50の重量を軽減することができる。このため、クッション部材93にかかる荷重を減らすことができるので、クッション部材93の寿命を長く保つことができる。
【0074】
(c)において、第4実施形態の成形用プレス装置100は、第1支持部材101の支柱102を上ダイセット50の下面51aに取付け、第1支持部材101のクッション部材103を下ダイセット55の凹部55aに埋め込み、クッション部材103の上端部103aを下ダイセット55の上面56aから突出させたものである。
支柱102は第1実施形態の支柱65と比較してクッション部材103の埋込み量だけ長くしたものでその他の構成は支柱65と同じである。また、クッション部材103は第1実施形態のクッション部材67と同じ構成である。
【0075】
第4実施形態の第3支持部材101によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、クッション部材103を下ダイセット55の凹部55aに埋め込むことにより、下ダイセット55からの突出量を抑えることができる。このため、各々の成形型へワークを容易にセットすることができ、各々の成形型からワークを容易に搬出することができる。
加えて、クッション部材103を下ダイセット55の凹部55aに埋め込むことにより、必要に応じてクッション部材103の長さを大きく確保することができる。
【0076】
(d)において、第5実施形態の成形用プレス装置105は、第1支持部材106の支柱102を下ダイセット55の上面56aに取付け、第1支持部材106のクッション部材103を上ダイセット50の凹部50aに埋め込み、クッション部材103の下端部103bを上ダイセット50の下面51aから突出させたものである。
【0077】
第5実施形態の第4支持部材106によれば、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、クッション部材103を上ダイセット50の凹部50aに埋め込むことにより、上ダイセット50からの突出量を抑えることができる。このため、各々の成形型へワークを容易にセットすることができ、各々の成形型からワークを容易に搬出することができる。
加えて、クッション部材103を上ダイセット50の凹部50aに埋め込むことにより、必要に応じてクッション部材103の長さを大きく確保することができる。
【0078】
なお、前記実施形態では、クッション部材としてウレタンゴムを使用した例について説明したが、その他の弾性変形可能なゴムや樹脂、或は圧縮ばねをクッション部材として使用することも可能である。加えて、クッション部材を使用した例について説明したが、クッション部材は使用しなくてもよい。
【0079】
また、前記実施形態の支持部材では、支柱の上端や下端にクッション部材を取付けた例や、支柱の上端や下端にクッション部材を当接する例について説明したが、例えば支柱を分割して、支柱間にクッション部材を介在させることも可能である。
【0080】
さらに、前記実施形態では、支持部材から下ダイセットまでの距離をS1、上ダイセット50のストローク量をS2とし、S1≧S2の関係が成立するように支持部材の高さHを設定することで、プレス加工の際にクッション部材が下ダイセットに緩衝しないようにした。
しかしながら、支持部材にクッション部材を備えることで、プレス加工の際にクッション部材が下ダイセットに緩衝しても、クッション部材を弾性変形させてプレス加工の妨げないようすることができる。
このため、S1<S2の関係が成立するように支持部材の高さHを設定することも可能である。
【0081】
また、前記実施形態では、上・下ダイセットにトリム成形型12、粗曲げ成形型20、仕上げ曲げ成形型30の3種の成形型を取付けた例について説明したが、その他の成形型を取付けることも可能であり、加えて上・下ダイセットに取付ける成形型の数は任意に設定することが可能である。
さらに、本実施形態では、支持部材を3本常設したものとしているが、成形型構造や加工形態等に応じて、支持部材の数を任意に設定することも可能である。
【0082】
さらに、前記実施形態では、昇降手段75としてシリンダ77を使用してスライダ74を昇降させる例につて説明したが、その他にシリンダ77に代えてクランク軸を回転させてスライダ74を昇降させる構成にしてもよい。
【0083】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の成形用プレス装置によれば、下ダイセット又は上ダイセットに支持部材を常設した。よって、下ダイセットに上ダイセットを載せたときに、支持部材で上ダイセットを支えることができる。このため、下ダイセットに対して上ダイセットを略平行になる様に支えることができる。従って、上・下のダイセットの下型や上型の一部に荷重が集中してかかることを防ぐことができるので、下型や上型の破損を防止することができる。
【0084】
加えて、上ダイセットを下ダイセットに対して略平行になる様に支えることができるので、上・下ダイセットの上に別の上・下ダイセットを段積みすることができる。従って、保管スペースを有効に利用して上・下ダイセットを保管することができる。
【0085】
さらに、支持部材を下ダイセット又は上ダイセットに常設したので、上・下ダイセットを保管する際に、作業者が支持部材を下ダイセットと上ダイセットとの間にセットする手間を省くことができる。従って、作業者の手間をかけないで簡単に上・下ダイセットを保管することができる。
加えて、支持部材の支柱にクッション部材を介在させた。よって、上ダイセットを下ダイセットに載せる際の衝撃を緩和することができる。このため、下ダイセットに上ダイセットを載せ易くなり、作業者の負担を軽減することができる。
さらに、上ダイセットを下死点位置まで下降した際に、支持部材が他方のダイセットに僅かに接触した状態、又は接触しない状態となるように支持部材の長さを設定した。
よって、支持部材は、上ダイセットを下死点位置に下降してプレス加工を実施することを妨げない。
【0086】
請求項2によれば、支持部材を上・下型に干渉せぬ位置に設けたので、下ダイセット又は上ダイセットに支持部材を常設しても、支持部材がプレス加工の妨げになることはない。
加えて、支持部材を平面視で多角形の頂点をなす位置に少なく共3本以上設けることにより、上ダイセットを確実に支えることができるので、上・下型に対する荷重も分散でき、型寿命が大幅にアップすることができる。
【0087】
請求項3によれば、上・下ダイセットのうち、一方のダイセットに支柱を設け、他方のダイセットにクッション部材を設けることで、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る成形用プレス装置の分解図
【図2】本発明に係る成形用プレス装置の要部拡大図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】本発明に係る成形用プレス装置の側面図
【図5】本発明に係る成形用プレス装置の第1作用説明図
【図6】本発明に係る成形用プレス装置の第2作用説明図
【図7】本発明に係る成形用プレス装置の第3作用説明図
【図8】本発明に係る成形用プレス装置の別実施形態を示す要部拡大図
【図9】従来の成形用プレス装置の概要図
【図10】従来の成形用プレス装置の上・下ダイセットを重ねた状態を示す側面図
【図11】従来の成形用プレス装置の上・下ダイセットを重ねた状態を示す側面図
【符号の説明】
10,90,95,100,105…成形用プレス装置、12…トリム成形型、13…トリム成形型の上型、18…トリム成形型の下型、20…粗曲げ成形型、21…粗曲げ成形型の上型、26…粗曲げ成形型の下型、30…仕上げ曲げ成形型、31…仕上げ曲げ成形型の上型、36…仕上げ曲げ成形型の下型、50…上ダイセット、55…下ダイセット、60,91,96,101,106…第1支持部材、61…第2支持部材、63…第3支持部材、65,92,102…支柱、67,93,103…クッション部材、70…プレス機、P1…上死点位置、P2…下死点位置。
Claims (3)
- 下ダイセットに複数個の下型を取付け、これらの下型に対応する複数個の上型を上ダイセットに取付けた成形用プレス装置において、
前記下型が付いたままでプレス機から外した下ダイセットに、前記上型が付いたままでプレス機から外した上ダイセットを各々の上・下型を合せる状態で載せたときに、下ダイセットに対して上ダイセットを略平行に支持する支持部材を上・下ダイセットのうち、一方のダイセットに常設した成形用プレス装置であって、
前記支持部材は、前記一方のダイセットに支柱を常設し、支柱にクッション部材を介在させ、
前記上ダイセットを上死点位置から下死点位置まで下降した際に、支持部材が他方のダイセットに僅かに接触した状態、又は接触しない状態となるように支持部材の高さを設定したことを特徴とする成形用プレス装置。 - 前記支持部材は、上・下型を回避する位置に、且つ平面視で多角形の頂点をなす位置に少なく共3本以上設けたことを特徴とする請求項1記載の成形用プレス装置。
- 下ダイセットに複数個の下型を取付け、これらの下型に対応する複数個の上型を上ダイセットに取付けた成形用プレス装置において、
前記下型が付いたままでプレス機から外した下ダイセットに、前記上型が付いたままでプレス機から外した上ダイセットを各々の上・下型を合せる状態で載せたときに、下ダイセットに対して上ダイセットを略平行に支持する支持部材を常設した成形用プレス装置であって、
前記支持部材は、前記上・下ダイセットのうち、一方のダイセットに支柱を設け、他方のダイセットにクッション部材を設け、
前記上ダイセットを上死点位置から下死点位置まで下降した際に、支柱がクッション部材に僅かに接触した状態、又は接触しない状態となるように支持部材の高さを設定したことを特徴とする成形用プレス装置。
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