JP3737314B2 - 受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、受信装置に関し、特にOFDM方式の移動体通信に用いられる受信装置及びその最大比合成ダイバーシチ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイバーシチ方式の一つとして、最大比合成ダイバーシチが提案されている。最大比合成ダイバーシチは、例えば等利得合成ダイバーシチと比較すると、誤り率特性に優れているという利点を持っている。
【0003】
従来提案されている最大比合成ダイバーシチ方法としては、例えば、信学論B−II Vol.J73−B−II No.4 pp.165−172において須永氏らから提案されている方法、及び信学技報RCS92−122において三瓶氏らより提案されている方法がある。両者の内容はほぼ同じであり、以下、両者をまとめて従来の方法と呼ぶ。
【0004】
従来の最大比合成ダイバーシチ方法は、最初に各ブランチからの受信信号に対して位相補償を行い、次に振幅補償を行い、最後に最大比合成を行うものである。
【0005】
以下、図4及び図5を用いて、従来の受信装置について説明する。図4は、従来の受信装置の概略構成を示す要部ブロック図であり、図5は、従来の受信装置の同期検波器の概略構成を示す要部ブロック図である。
【0006】
なお、前述の2つの文献には、最大比合成ダイバーシチを実現するための具体的な回路構成の開示はなく、具体的な方法としては下記計算式のみの開示がなされている。文献では、合成処理後の同期検波信号をy(t)として、
y(t)=a1(t)・v1(t)+a2(t)・v2(t)
と表わされている。但し、ブランチ数は2であり、受信複素ベースバンド信号をu1(t)及びu2(t)とし、振幅値をそれぞれr1、r2として、
1(t)=u1(t)・exp(−jθ1(t))
2(t)=u2(t)・exp(−jθ2(t))
1(t)=r1(t)/{r1 2(t)+r2 2(t)}
2(t)=r2(t)/{r1 2(t)+r2 2(t)}
である。
図5は、上記開示されている計算式を忠実に回路構成で表わしたものである。
【0007】
図4において、A/D変換器401、402は、各ブランチから受信された受信信号をA/D変換し、FFT処理部403、404は、A/D変換処理後の各ブランチからの受信信号をフーリエ変換処理し、同期検波器405は、フーリエ変換処理後の各ブランチからの受信信号を同期検波処理し、最大比合成処理し、復調信号として出力する。
【0008】
同期検波器405の概略構成を示す図5において、スイッチ501は、シンボル同期タイミングに応じて、FFT処理後のブランチ1からの受信信号中のパイロットシンボルは乗算器503に、データシンボルは乗算器516に、それぞれ出力する。スイッチ502は、シンボル同期タイミングに応じて、FFT処理後のブランチ2からの受信信号中のパイロットシンボルは乗算器504に、データシンボルは乗算器517に、それぞれ出力する。
【0009】
乗算器503は、ブランチ1からの受信信号中のパイロットシンボルと予め保持するパイロットシンボルを掛け合わせ、相関値を出力する。乗算器504は、ブランチ2からの受信信号中のパイロットシンボルと予め保持するパイロットシンボルを掛け合わせ、相関値を出力する。
【0010】
2乗和演算器505は、ブランチ1からの受信信号中のパイロットシンボルのI成分及びQ成分の2乗和、すなわちレベル情報を算出し、加算器507に出力する。2乗和演算器506は、ブランチ1からの受信信号中のパイロットシンボルのI成分及びQ成分の2乗和、すなわちレベル情報を算出し、加算器507に出力する。加算器507は、各ブランチからの受信信号中のパイロットシンボルのI成分及びQ成分の2乗和を加算し、除算器518及び除算器519に出力する。
【0011】
√2乗和演算器508は、ブランチ1からの受信信号中のパイロットシンボルのI成分及びQ成分の2乗和を算出し、更に√演算を行ってパイロットシンボル区間の振幅を算出し、除算器510及び除算器518に出力する。√2乗和演算器509は、ブランチ2からの受信信号中のパイロットシンボルのI成分及びQ成分の2乗和を算出し、更に√演算を行ってパイロットシンボル区間の振幅を算出し、除算器511及び除算器519に出力する。
【0012】
除算器510は、乗算器503の出力である相関値を√2乗和演算器508の出力である振幅情報で除する。除算器511は、乗算器504の出力である相関値を√2乗和演算器509の出力である振幅情報で除する。
【0013】
共役生成部512は、除算器510の出力信号を極性反転させて共役複素数を算出し、スイッチ514に出力する。共役生成部513は、除算器511の出力信号を極性反転させて共役複素数を算出し、スイッチ515に出力する。
【0014】
スイッチ514は、シンボル同期タイミングに基づいて、FFT処理後のブランチ1からの受信信号中のデータシンボル区間の信号が乗算器516に入力されている間だけ共役生成部512の出力である共役複素数を乗算器516に出力する。スイッチ515は、シンボル同期タイミングに基づいて、FFT処理後のブランチ2からの受信信号中のデータシンボル区間の信号が乗算器517に入力されている間だけ共役生成部513の出力である共役複素数を乗算器517に出力する。
【0015】
乗算器516は、FFT処理後のブランチ1からの受信信号中のデータシンボル区間の信号に、共役生成部512の出力である共役複素数を掛け合わせ、受信信号の位相回転を補償する。乗算器517は、FFT処理後のブランチ2からの受信信号中のデータシンボル区間の信号に、共役生成部513の出力である共役複素数を掛け合わせ、受信信号の位相回転を補償する。
【0016】
除算器518は、√2乗和演算器508の出力である振幅情報を、各ブランチからの受信信号のレベル情報の和で除し、ブランチ1からの受信信号に対する振幅補正係数を算出し、乗算器520に出力する。除算器519は、√2乗和演算器509の出力である振幅情報を、各ブランチからの受信信号のレベル情報の和で除し、ブランチ2からの受信信号に対する振幅補正係数を算出し、乗算器521に出力する。
【0017】
乗算器520は、乗算器516の出力である位相補償後のブランチ1からの受信信号に対して、除算器518の出力である振幅補正係数を掛け合わせ、振幅補償を行う。乗算器521は、乗算器517の出力である位相補償後のブランチ2からの受信信号に対して、除算器519の出力である振幅補正係数を掛け合わせ、振幅補償を行う。
【0018】
加算器522は、乗算器520の出力である位相及び振幅が補償されたブランチ1からの受信信号と、乗算器521の出力である位相及び振幅が補償されたブランチ2からの受信信号と、を加算し、最大比合成された同期検波信号を出力する。
【0019】
このように、従来の最大比合成ダイバーシチは、各ブランチからの受信信号の位相を補償し、次いで振幅を補償し、最後に最大比合成することによって、他のダイバーシチ方法に比べて優れた誤り率特性を実現する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の受信装置及びその最大比合成ダイバーシチ方法においては、ハード規模が大きくなるという問題がある。
【0021】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、誤り率特性を劣化させずにハード規模を削減する受信装置及びその最大比合成ダイバーシチ方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の骨子は、位相及び振幅を同時に補償する補償係数を算出し、各ブランチのレベル情報の和で除算してから対応する各受信信号に乗じ、加算することによって、受信信号に対して位相補償及び振幅補償及び最大比合成を同時に行い、最大比合成ダイバーシチを行う受信装置のハード規模削減を図ることである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の受信装置は、複数ブランチで信号を受信する受信手段と、受信信号の位相変動を補償するための位相補償係数をブランチ毎に算出する位相補償係数算出手段と、各ブランチの前記位相補償係数を全ブランチの受信信号のレベルの和で各々除することにより位相変動及び振幅変動を同時に補償し得る補償係数をブランチ毎に生成する補償係数生成手段と、各ブランチの前記補償係数を各ブランチの受信信号に乗じて各ブランチの受信信号の位相変動及び振幅変動を補償する補償手段と、前記補償手段にて補償された各ブランチの受信信号を加算する加算手段と、を具備する構成を採る。
【0024】
本発明の受信装置は、複数ブランチで信号を受信する受信手段と、受信信号の位相変動を補償するための位相補償係数をブランチ毎に算出する位相補償係数算出手段と、各ブランチの前記位相補償係数を各ブランチの受信信号に乗ずることにより各ブランチの受信信号の位相変動を補償する位相変動補償手段と、前記位相変動補償手段にて補償された各ブランチの受信信号を加算する加算手段と、前記加算手段にて加算された受信信号を全ブランチの受信信号のレベルの和で除することにより受信信号の振幅変動を補償する振幅変動補償手段と、を具備する構成を採る。
【0025】
本発明の最大比合成ダイバーシチ方法は、複数ブランチで信号を受信するステップと、受信信号の位相変動を補償するための位相補償係数をブランチ毎に算出するステップと、各ブランチの前記位相補償係数を全ブランチの受信信号のレベルの和で各々除することにより位相変動及び振幅変動を同時に補償し得る補償係数をブランチ毎に生成するステップと、各ブランチの前記補償係数を各ブランチの受信信号に乗じて各ブランチの受信信号の位相変動及び振幅変動を補償するステップと、補償された各ブランチの受信信号を加算するステップと、を具備するようにした。
【0026】
本発明の最大比合成ダイバーシチ方法は、複数ブランチで信号を受信するステップと、受信信号の位相変動を補償するための位相補償係数をブランチ毎に算出するステップと、各ブランチの前記位相補償係数を各ブランチの受信信号に乗ずることにより各ブランチの受信信号の位相変動を補償するステップと、補償された各ブランチの受信信号を加算するステップと、加算された受信信号を全ブランチの受信信号のレベルの和で除することにより受信信号の振幅変動を補償するステップと、を具備するようにした。
【0042】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、ここでは、既知信号としてパイロットシンボルを用いるものとする。
【0043】
(実施の形態1)
本実施の形態に係る受信装置は、同期検波回路において、位相補償及び振幅補償及び最大比合成を同時に行うことによって、ハード規模の削減を図るものである。
【0044】
以下、図1を用いて、本実施の形態に係る受信装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る受信装置の同期検波器の概略構成を示す要部ブロック図である。なお、受信装置全体のブロック図は、従来と同様であるため、省略する。
【0045】
図1において、スイッチ101は、シンボル同期タイミングに応じて、FFT処理後のブランチ1からの受信信号中のパイロットシンボルは乗算器103に、データシンボルは乗算器114に、それぞれ出力する。スイッチ102は、シンボル同期タイミングに応じて、FFT処理後のブランチ2からの受信信号中のパイロットシンボルは乗算器104に、データシンボルは乗算器115に、それぞれ出力する。
【0046】
乗算器103は、ブランチ1からの受信信号中のパイロットシンボルと予め保持するパイロットシンボルを掛け合わせ、相関値を出力する。乗算器104は、ブランチ2からの受信信号中のパイロットシンボルと予め保持するパイロットシンボルを掛け合わせ、相関値を出力する。
【0047】
2乗和演算器105は、ブランチ1からの受信信号中のパイロットシンボルのI成分及びQ成分の2乗和、すなわちレベル情報を算出し、加算器107に出力する。2乗和演算器106は、ブランチ1からの受信信号中のパイロットシンボルのI成分及びQ成分の2乗和、すなわちレベル情報を算出し、加算器107に出力する。加算器107は、各ブランチからの受信信号中のパイロットシンボルのI成分及びQ成分の2乗和を加算し、除算器110及び除算器111に出力する。
【0048】
共役生成部108は、乗算器103の出力信号を極性反転させて共役複素数を算出し、除算器110に出力する。共役生成部109は、乗算器104の出力信号を極性反転させて共役複素数を算出し、除算器111に出力する。
【0049】
除算器110は、共役生成器108から出力された位相補償係数である共役複素数を、乗算器107の出力である各ブランチからの受信信号のレベル情報の和で除する。除算器111は、共役生成器109から出力された位相補償係数である共役複素数を、乗算器107の出力である各ブランチからの受信信号のレベル情報の和で除する。
【0050】
スイッチ112は、シンボル同期タイミングに基づいて、FFT処理後のブランチ1からの受信信号中のデータシンボル区間の信号が乗算器114に入力されている間だけ除算器110の出力である共役複素数を乗算器114に出力する。スイッチ113は、シンボル同期タイミングに基づいて、FFT処理後のブランチ2からの受信信号中のデータシンボル区間の信号が乗算器115に入力されている間だけ除算器111の出力である共役複素数を乗算器115に出力する。
【0051】
乗算器114は、FFT処理後のブランチ1からの受信信号中のデータシンボル区間の信号に、除算器110の出力である位相・振幅補償係数を掛け合わせ、受信信号の位相及び振幅を補償する。乗算器115は、FFT処理後のブランチ2からの受信信号中のデータシンボル区間の信号に、除算器111の出力である位相・振幅補償係数を掛け合わせ、受信信号の位相及び振幅を補償する。
【0052】
加算器116は、乗算器114の出力である位相及び振幅が補償されたブランチ1からの受信信号と、乗算器115の出力である位相及び振幅が補償されたブランチ2からの受信信号と、を加算し、最大比合成された同期検波信号を出力する。
【0053】
次いで、上記構成を有する受信装置の位相補償及び振幅補償及び最大比合成の動作について説明する。
【0054】
ブランチ1から受信された受信信号をRX1と表わすものとすると、この受信信号には、位相変動及び振幅変動が生じているため、
RX1=R1・ej θ 1・TX
と表わすことができる。但し、ここで、R1はフェージング等による振幅変動を表わし、θ1はフェージング等による位相変動を表わし、TXは送信局における送信信号を表わしている。
【0055】
受信信号RX1は、スイッチ101によって、パイロットシンボル区間は乗算器103に出力され、データシンボル区間は乗算器114に出力される。
【0056】
ここで、パイロットシンボルをPiで表わすものとすると、乗算器103に入力される、受信信号RX1のパイロットシンボル区間の信号RXP1は、
RXP1=R1・ej θ 1・Pi
と表わすことができる。
【0057】
乗算器103に入力された信号RXP1は、乗算器103によって、予め保持されたパイロットシンボルPiの共役複素数Pi*が乗ぜられ、位相補償係数となる伝搬路推定結果が算出される。ここで、伝搬路推定結果をPr1とすると、|Pi|2=1であるから、
Figure 0003737314
となる。これが、ブランチ1の位相補償係数として、乗算器103から出力される。
【0058】
同様に、乗算器104から出力されるブランチ2の伝搬路推定結果Pr2は、Pr2=R2・ej θ 2
と表わすことができる。
【0059】
又、各ブランチからの受信信号のパイロットシンボル区間の信号RXP1及びRXP2は、共役生成部108、109によって、それぞれ極性反転され、共役複素数が出力される。
【0060】
又、各ブランチからの受信信号のパイロットシンボル区間の信号RXP1及びRXP2は、2乗和演算器105、106によって、それぞれ2乗和(R1 2、R2 2)が算出され、算出された各2乗和値は、加算器107によって加算され(R1 2+R2 2)、除算器110、111に出力される。
【0061】
共役生成部108、109の出力である極性反転された各ブランチの伝搬路推定結果Pr1 *、Pr2 *は、除算器110、111によって、乗算器107の出力である各ブランチのレベル情報の和(R1 2+R2 2)で除算処理され、振幅補償係数としての意味も含ませられる。
【0062】
除算器110の出力であるブランチ1からの受信信号に対する位相・振幅補償係数は、乗算器114においてブランチ1からの受信信号RX1に乗ぜられ、復調信号DEMOD1を得る。ここで、DEMOD1は、
Figure 0003737314
と表わすことができる。同様に、乗算器115の出力である復調信号DEMOD2は、
DEMOD2=R2 2・TX/(R1 2+R2 2
と表わすことができる。
【0063】
DEMOD1及びDEMOD2は、加算器116によって加算され、最大比合成後の同期検波信号DEMODを得る。ここで、DEMODは、
Figure 0003737314
と表わすことができ、位相変動及び振幅変動を取り除くことができる。
【0064】
このように、本実施の形態によれば、位相及び振幅を同時に補償する補償係数を算出し、各ブランチのレベル情報の和で除算してから受信信号に乗じ、加算することによって、受信信号に対して位相補償及び振幅補償及び最大比合成を同時に行うことができるため、最大比合成ダイバーシチを行う受信装置のハード規模を削減することができる。
【0065】
(実施の形態2)
本実施の形態に係る受信装置は、実施の形態1と同様の構成を有し、但し各ブランチのレベル情報の和による除算を合成処理後に行うものである。
【0066】
実施の形態1で述べた処理について、Pr1 *とPr2 *とを合成してから各ブランチのレベル情報の和(R1 2+R2 2)で除算しても結果は変わらないことに鑑み、本実施の形態においては、各ブランチのレベル情報の和での除算を合成後にまとめて行い、ハード規模を更に削減する。
【0067】
以下、図2を用いて、本実施の形態に係る受信装置について説明する。図2は、本発明の実施の形態2に係る受信装置の同期検波器の概略構成を示す要部ブロック図である。なお、実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0068】
図2において、加算器201は、各ブランチのレベル情報を加算し、除算器207に出力する。
【0069】
スイッチ202は、シンボル同期タイミングに基づいて、FFT処理後のブランチ1からの受信信号中のデータシンボル区間の信号が乗算器204に入力されている間だけ共役生成部108の出力であるPr1 *を乗算器204に出力する。スイッチ203は、シンボル同期タイミングに基づいて、FFT処理後のブランチ2からの受信信号中のデータシンボル区間の信号が乗算器205に入力されている間だけ共役生成部109の出力であるPr2 *を乗算器205に出力する。
【0070】
乗算器204は、FFT処理後のブランチ1からの受信信号中のデータシンボル区間の信号に、Pr1 *を掛け合わせ、ブランチ1からの受信信号の位相を補償する。乗算器205は、FFT処理後のブランチ2からの受信信号中のデータシンボル区間の信号に、Pr2 *を掛け合わせ、ブランチ2からの受信信号の位相を補償する。
【0071】
加算器206は、乗算器204の出力である位相が補償されたブランチ1からの受信信号と、乗算器205の出力である位相が補償されたブランチ2からの受信信号と、を加算する。
【0072】
除算器207は、加算器206の出力を加算器201の出力である各ブランチからの受信信号のレベル情報の和で除算し、位相及び振幅が補償され、最大比合成された同期検波信号を得る。
【0073】
このように、本実施の形態によれば、位相補償及び振幅補償及び最大比合成を同時に行う同期検波回路において、各ブランチのレベル情報の和での除算を合成後にまとめて行うため、ハード規模を更に削減することができる。
【0074】
なお、振幅に情報が重畳されていない変調方式(例えば、QPSK、8PSKなど)に適用した場合、振幅補償が必要でなく、すなわち合成後の信号を各ブランチのレベル情報の和で除算する必要がないため、図3に示すように、図2の場合と比較して、除算器207、2乗和演算器105、106、及び加算器201を省く更に簡素な構成とすることができる。
【0075】
なお、上記実施の形態1から実施の形態2においては、ブランチ数が2の場合について説明したが、本発明の適用は上記条件に限定されるものではなく、ブランチ数がいくつであっても本発明を適用し、本発明の効果を得ることができる。
【0076】
又、上記実施の形態1から実施の形態2においては、既知信号としてパイロットシンボルを用いる場合について説明したが、本発明の適用は上記条件に限定されるものではなく、いかなる既知信号であってもよい。
【0077】
又、上記実施の形態1から実施の形態2においては、OFDM方式の移動体通信に用いられる受信装置について説明したが、最大比合成ダイバーシチを行う受信装置であれば、本発明を適用することができる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、位相及び振幅を同時に補償する補償係数を算出し、各ブランチのレベル情報の和で除算してから対応する各受信信号に乗じ、加算することによって、受信信号に対して位相補償及び振幅補償及び最大比合成を同時に行う構成を採るため、誤り率特性を劣化させずにハード規模を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る受信装置の同期検波器の概略構成を示す要部ブロック図
【図2】本発明の実施の形態2に係る受信装置の同期検波器の概略構成を示す要部ブロック図
【図3】本発明の実施の形態2に係る受信装置の別の同期検波器の概略構成を示す要部ブロック図
【図4】従来の受信装置の概略構成を示す要部ブロック図
【図5】従来の受信装置の同期検波器の概略構成を示す要部ブロック図
【符号の説明】
105、106 2乗和演算器
107 加算器
110、111 除算器
116 加算器

Claims (8)

  1. 複数ブランチで信号を受信する受信手段と、
    受信信号の位相変動を補償するための位相補償係数をブランチ毎に算出する位相補償係数算出手段と、
    各ブランチの前記位相補償係数を全ブランチの受信信号のレベルの和で各々除することにより位相変動及び振幅変動を同時に補償し得る補償係数をブランチ毎に生成する補償係数生成手段と、
    各ブランチの前記補償係数を各ブランチの受信信号に乗じて各ブランチの受信信号の位相変動及び振幅変動を補償する補償手段と、
    前記補償手段にて補償された各ブランチの受信信号を加算する加算手段と、
    を具備することを特徴とする受信装置
  2. 複数ブランチで信号を受信する受信手段と、
    受信信号の位相変動を補償するための位相補償係数をブランチ毎に算出する位相補償係数算出手段と、
    各ブランチの前記位相補償係数を各ブランチの受信信号に乗ずることにより各ブランチの受信信号の位相変動を補償する位相変動補償手段と、
    前記位相変動補償手段にて補償された各ブランチの受信信号を加算する加算手段と、
    前記加算手段にて加算された受信信号を全ブランチの受信信号のレベルの和で除することにより受信信号の振幅変動を補償する振幅変動補償手段と、
    を具備することを特徴とする受信装置
  3. 請求項1または請求項2記載の受信装置を具備することを特徴とする通信端末装置。
  4. 請求項3記載の通信端末装置と無線通信を行うことを特徴とする基地局装置。
  5. 請求項1または請求項2記載の受信装置を具備することを特徴とする基地局装置。
  6. 請求項5記載の基地局装置と無線通信を行うことを特徴とする通信端末装置。
  7. 複数ブランチで信号を受信するステップと、
    受信信号の位相変動を補償するための位相補償係数をブランチ毎に算出するステップと、
    各ブランチの前記位相補償係数を全ブランチの受信信号のレベルの和で各々除することにより位相変動及び振幅変動を同時に補償し得る補償係数をブランチ毎に生成するステップと、
    各ブランチの前記補償係数を各ブランチの受信信号に乗じて各ブランチの受信信号の位相変動及び振幅変動を補償するステップと、
    補償された各ブランチの受信信号を加算するステップと、
    を具備することを特徴とする最大比合成ダイバーシチ方法。
  8. 複数ブランチで信号を受信するステップと、
    受信信号の位相変動を補償するための位相補償係数をブランチ毎に算出するステップと、
    各ブランチの前記位相補償係数を各ブランチの受信信号に乗ずることにより各ブランチの受信信号の位相変動を補償するステップと、
    補償された各ブランチの受信信号を加算するステップと、
    加算された受信信号を全ブランチの受信信号のレベルの和で除することにより受信信号の振幅変動を補償するステップと、
    を具備することを特徴とする最大比合成ダイバーシチ方法。
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