JP3736985B2 - 溶融スラグの破砕方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみ焼却灰等の廃棄物を溶融して取り出したスラグを破砕する技術に係り、一般廃棄物および産業廃棄物を原料とする溶融スラグの破砕方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市ごみ焼却灰等の廃棄物は最終的に埋立処分を行なっていたが、埋立処分場の建設による環境破壊、ならびに埋立地において浸出水中に有害物質が溶出することによる地下水への有害物質の漏出を懸念するがために、新たに埋立処分場を確保することが困難となっている。
【0003】
このために、廃棄物を溶融炉において溶融処理して廃棄物溶融スラグを形成し、廃棄物の減容化、ならびに有害成分の固定化を果たしている。また、廃棄物溶融スラグの資源化を目的として廃棄物溶融スラグを破砕して土木建設用骨材や窯業原料化する試みが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この廃棄物溶融スラグは、気泡を含むもの、クラックを含むもの、気泡とクラックの両方を含むもの、気泡とクラックの両方を含まないものが存在する。気泡やクラックを含む廃棄物溶融スラグは、その強度が小さいものであり、逆に気泡もクラックも含ない廃棄物溶融スラグは、その強度が大きなものである。
【0005】
従来、廃棄物溶融スラグの破砕方法の一例として、湿式チューブミルを使用して破砕媒体である鉄球によって衝撃破砕を行なうものがある。しかし、この破砕方式では、強度の小さい廃棄物溶融スラグと強度の大きな廃棄物溶融スラグの双方へ一律に鉄球が衝突するので、鉄球の大きさの比率および量の選択を誤ると、強度の小さな廃棄物溶融スラグが過粉砕されたり、強度の大きな廃棄物溶融スラグの破砕が不足する事態が生じる。
【0006】
廃棄物溶融スラグを過粉砕すると、破砕物の粒度分布の幅が大きくなり、土木建設用骨材として使用する細骨材としては適さず、廃棄物溶融スラグを細骨材として資源化する際に歩留まりが悪くなる要因となっていた。
本発明は上記した課題を解決するものであり、廃棄物溶融スラグの破砕に際して、強度の小さなスラグの過粉砕を防止する一方で、強度の大きなスラグを適正な粒径に破砕することで、粒度分布の均一な破砕物を形成する溶融スラグの破砕方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明の溶融スラグの破砕方法は、廃棄物を溶融処理して後に冷却固化してなり、強度の小さい弱スラグ塊と、強度の大きい強スラグ塊とが混在する溶融スラグを破砕機で目標粒度に砕製する破砕方法であって、弱破砕能の下で溶融スラグを破砕して弱スラグ塊のみを選択的に砕製し、この砕製物を篩選別して弱スラグ塊を目標粒度に分級するとともに粗粒の強スラグ塊を選別分離し、分離した粗粒の強スラグ塊を強破砕能の下で砕製し、この強スラグの砕製物を篩選別して目標粒度に分級し、目標粒度の強スラグ塊および弱スラグ塊をそれぞれ単独で、もしくは強スラグ塊と弱スラグ塊を合わせて粒度の揃った目的砕製物を構成するものである。
【0008】
上記した構成により、都市ごみ焼却灰等の廃棄物を溶融処理して後に冷却固化してなる溶融スラグは、生成の過程で気泡を含有するものや、冷却時にクラックを生じたものからなる強度の小さい弱スラグ塊と、気泡やクラックを有しないものや、アルミやその他の金属等の異物を含むものからなる強度の大きい強スラグ塊とが混在している。
【0009】
この溶融スラグを目標粒度に砕製するに際し、弱スラグ塊と強スラグ塊を事前に選別することは、弱スラグ塊と強スラグ塊が様々な粒径を有して分級することが困難であるためにできない。
このため、弱スラグ塊を破砕するに必要で、強スラグ塊を破砕するに及ばない弱破砕能の下で、弱スラグ塊のみを破砕する。この弱破砕能は、例えば、自生破砕機によって具現することができる。自生破砕機による破砕は、弱スラグ塊と強スラグ塊の衝突、摩耗によって破砕を行なうものであり、砕料である強スラグ塊それ自体が弱スラグ塊に対して破砕媒体として機能し、弱スラグ塊のみを破砕する。
【0010】
したがって、弱スラグ塊と強スラグ塊をともに自生破砕機に投入して破砕することで、強スラグ塊が破砕することなく粗粒を維持し、弱スラグ塊のみを選択的に破砕することができ、破砕機の運転時間等を調整して弱スラグ塊を目標粒度に砕製し、その過粉砕を防止するとともに、篩選別によって弱スラグ塊と強スラグ塊との分級を可能にする。
【0011】
また、弱破砕能は破砕媒体を使用する破砕機によっても具現することができ、破砕媒体の比重、強度等を砕料である弱スラグ塊と強スラグ塊の比重、強度に応じて調整することにより、弱スラグ塊を破砕するに必要で、強スラグ塊を破砕するに及ばない弱破砕能を得ることができる。
目標粒度の弱スラグ塊および粗流の強スラグ塊を含む砕製物を篩選別して分級することで、弱スラグ塊を目標粒度に分級するとともに、強スラグ塊を弱スラグ塊から分離し、分離選別した粗粒の強スラグ塊を強破砕能の下で破砕する。
【0012】
この強破砕能は、破砕媒体を使用する破砕機によって具現することができ、破砕媒体の比重、強度等を砕料である強スラグ塊の比重、強度に応じて調整して強スラグ塊を破砕し、破砕機の運転時間等を調整して強スラグ塊を目標粒度に砕製し、この砕製物を篩選別して強スラグ塊を目標粒度に分級する。
したがって、弱破砕能による破砕によって弱スラグ塊の過粉砕を防止するとともに、分級による弱スラグ塊と強スラグ塊の選別を可能にし、分級により強スラグ塊のみを強破砕能の下で破砕でき、強度の異なる砕料である弱スラグ塊と強スラグ塊から粒度の揃えた砕製物が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、廃棄物溶融スラグ1は、都市ごみ焼却灰や産業廃棄物等の廃棄物を溶融し、溶融したスラグを水中に滴下して冷却固化した塊状物であり、生成の過程で気泡を含有するものや、冷却時にクラックを生じたものからなる強度の小さい弱スラグ塊と、気泡、クラック等を有しないものや、アルミやその他の金属等の異物を含むものからなる強度の大きい強スラグ塊とが混在している。
【0014】
弱スラグ塊と強スラグ塊は様々な粒度を有しているので、分級によって両者を選別することは困難であり、弱スラグ塊と強スラグ塊を別途に破砕機に投入することはできない。
このため、強度の異なる弱スラグ塊と強スラグ塊を含む溶融スラグを破砕媒体を使用しないチューブミルやタワーミル等の自生破砕機2に投入し、弱スラグ塊を破砕するに必要で、強スラグ塊を破砕するに及ばない弱破砕能の下で弱スラグ塊のみを選択的に破砕する。弱破砕能は、破砕媒体を使用する破砕機によっても具現することができるが、その構成は後述する。
【0015】
自生破砕機2による破砕は、弱スラグ塊と強スラグ塊の衝突、摩耗によって破砕を行なうものであり、砕料である強スラグ塊それ自体が弱スラグ塊に対して破砕媒体として機能する。このため、強スラグ塊は破砕されることなく粗粒を維持し、弱スラグ塊のみが選択的に破砕されので、破砕機の運転時間等を調整して弱スラグ塊を目標粒度に砕製することで、その過粉砕を防止するとともに、弱スラグ塊を強スラグ塊とは粒度の異なる砕製物とする。
【0016】
自生破砕機2は、図2に示すように、チューブミル10を使用する場合には、回転胴11の内部に、その内周面に沿って複数の衝撃棒12を固定もしくは回転可能に配置し、あるいは回転胴11の径を大きくすることで、その破砕能を弱スラグ塊13の強度に応じて調整できる。また、図3および図4に示すように、タワーミル20を使用する場合には、固定胴21の内周面に攪拌翼22の周囲において邪魔板23を設けることで、その破砕能を弱スラグ塊の強度に応じたものに調整できる。さらには、図5に示すように、チューブミル30を二重胴に構成し、内胴31の外周面および外胴32の内周面に複数の邪魔板33を設け、内胴31と外胴32を逆回転させることで、その破砕能を弱スラグ塊の強度に応じたものに調整できる。その他、クラッシャー形式のものなど、自生破砕機2としは種々のものが利用できる。
【0017】
図1において、粒度の異なる弱スラグ塊と強スラグ塊を含む廃棄物溶融スラグ1は、スラグ選別機3に投入し、その篩選別によって弱スラグ塊を目標粒度に分級するとともに、強スラグ塊を選別分離する。
分離した粗粒の強スラグ塊を破砕媒体を使用するチューブミル等の破砕機4に投入し、運転時間等を調整して強破砕能の下で強スラグ塊を目標粒度に砕製する。
【0018】
図6に示すように、ボールミル40は、回転胴41の内部に砕料である強スラグ塊42とともに水および破砕媒体43を投入し、破砕媒体43が強スラグ塊に衝突する衝撃力で強スラグ塊42を破砕する。
ここで、ボールミル40の破砕能について説明する。表1は破砕媒体43として3kgの鉄製ボールと5kgの磁器製ボールを使用し、砕料としての5kgの溶融スラグと5kgの水を投入した場合において、1時間および2時間の運転後における破砕結果を示すものであり、各粒径(粒度)の範囲を区間として、各区間に含まれるスラグ量を原スラグの粒度分布との比較において示している。図7は、表1をグラフ化したものである。
【0019】
【表1】
表1および図7より明らかなように、鉄製ボールを使用した場合にあっては、粒径の細かい画分の区間に属するスラグ量が多くなり、鉄製ボールによる強い衝撃力を受けて短時間に細画分が多くなる。一方、磁器製ボールを使用した場合にあっては、大きな画分の区間に属するスラグ量が多くなっている。
【0020】
したがって、破砕媒体の比重、物性(硬軟)、運転時間を選択することで、目標粒度の設定を制御することができる。このため、弱スラグ塊の破砕に際しても、破砕媒体の比重、物性(硬軟)、量、運転時間等を調整することで、破砕媒体の使用が可能となる。
この強スラグの砕製物をスラグ選別機5で分級選別し、強スラグ塊を目標粒度に分級し、目標粒度の強スラグ塊および弱スラグ塊をそれぞれ単独で、もしくは強スラグ塊と弱スラグ塊を合わせて粒度の揃った目的砕製物である細骨材粒度のスラグを得る。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、弱破砕能の下で弱スラグ塊のみを選択的に破砕することで、弱スラグ塊の過粉砕を防止するとともに、分級による弱スラグ塊と強スラグ塊の選別を可能にし、分級により強スラグ塊のみを強破砕能の下で破砕でき、強度の異なる砕料である弱スラグ塊と強スラグ塊から粒度の揃えた砕製物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における溶融スラグの破砕方法を示すフローシート図である。
【図2】同溶融スラグの破砕方法におけるチューブミルの断面図である。
【図3】同溶融スラグの破砕方法におけるタワーミルの縦断面図である。
【図4】同溶融スラグの破砕方法におけるタワーミルの平断面図である。
【図5】同溶融スラグの破砕方法におけるチューブミルの平断面図である。
【図6】同溶融スラグの破砕方法におけるボールミルの模式図である。
【図7】同溶融スラグの破砕方法におけるボールミルによるスラグの破砕結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 廃棄物溶融スラグ
2 自生破砕機
3 スラグ選別機
4 破砕機
5 スラグ選別機
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市ごみ焼却灰等の廃棄物を溶融して取り出したスラグを破砕する技術に係り、一般廃棄物および産業廃棄物を原料とする溶融スラグの破砕方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、都市ごみ焼却灰等の廃棄物は最終的に埋立処分を行なっていたが、埋立処分場の建設による環境破壊、ならびに埋立地において浸出水中に有害物質が溶出することによる地下水への有害物質の漏出を懸念するがために、新たに埋立処分場を確保することが困難となっている。
【0003】
このために、廃棄物を溶融炉において溶融処理して廃棄物溶融スラグを形成し、廃棄物の減容化、ならびに有害成分の固定化を果たしている。また、廃棄物溶融スラグの資源化を目的として廃棄物溶融スラグを破砕して土木建設用骨材や窯業原料化する試みが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この廃棄物溶融スラグは、気泡を含むもの、クラックを含むもの、気泡とクラックの両方を含むもの、気泡とクラックの両方を含まないものが存在する。気泡やクラックを含む廃棄物溶融スラグは、その強度が小さいものであり、逆に気泡もクラックも含ない廃棄物溶融スラグは、その強度が大きなものである。
【0005】
従来、廃棄物溶融スラグの破砕方法の一例として、湿式チューブミルを使用して破砕媒体である鉄球によって衝撃破砕を行なうものがある。しかし、この破砕方式では、強度の小さい廃棄物溶融スラグと強度の大きな廃棄物溶融スラグの双方へ一律に鉄球が衝突するので、鉄球の大きさの比率および量の選択を誤ると、強度の小さな廃棄物溶融スラグが過粉砕されたり、強度の大きな廃棄物溶融スラグの破砕が不足する事態が生じる。
【0006】
廃棄物溶融スラグを過粉砕すると、破砕物の粒度分布の幅が大きくなり、土木建設用骨材として使用する細骨材としては適さず、廃棄物溶融スラグを細骨材として資源化する際に歩留まりが悪くなる要因となっていた。
本発明は上記した課題を解決するものであり、廃棄物溶融スラグの破砕に際して、強度の小さなスラグの過粉砕を防止する一方で、強度の大きなスラグを適正な粒径に破砕することで、粒度分布の均一な破砕物を形成する溶融スラグの破砕方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した課題を解決するために、本発明の溶融スラグの破砕方法は、廃棄物を溶融処理して後に冷却固化してなり、強度の小さい弱スラグ塊と、強度の大きい強スラグ塊とが混在する溶融スラグを破砕機で目標粒度に砕製する破砕方法であって、弱破砕能の下で溶融スラグを破砕して弱スラグ塊のみを選択的に砕製し、この砕製物を篩選別して弱スラグ塊を目標粒度に分級するとともに粗粒の強スラグ塊を選別分離し、分離した粗粒の強スラグ塊を強破砕能の下で砕製し、この強スラグの砕製物を篩選別して目標粒度に分級し、目標粒度の強スラグ塊および弱スラグ塊をそれぞれ単独で、もしくは強スラグ塊と弱スラグ塊を合わせて粒度の揃った目的砕製物を構成するものである。
【0008】
上記した構成により、都市ごみ焼却灰等の廃棄物を溶融処理して後に冷却固化してなる溶融スラグは、生成の過程で気泡を含有するものや、冷却時にクラックを生じたものからなる強度の小さい弱スラグ塊と、気泡やクラックを有しないものや、アルミやその他の金属等の異物を含むものからなる強度の大きい強スラグ塊とが混在している。
【0009】
この溶融スラグを目標粒度に砕製するに際し、弱スラグ塊と強スラグ塊を事前に選別することは、弱スラグ塊と強スラグ塊が様々な粒径を有して分級することが困難であるためにできない。
このため、弱スラグ塊を破砕するに必要で、強スラグ塊を破砕するに及ばない弱破砕能の下で、弱スラグ塊のみを破砕する。この弱破砕能は、例えば、自生破砕機によって具現することができる。自生破砕機による破砕は、弱スラグ塊と強スラグ塊の衝突、摩耗によって破砕を行なうものであり、砕料である強スラグ塊それ自体が弱スラグ塊に対して破砕媒体として機能し、弱スラグ塊のみを破砕する。
【0010】
したがって、弱スラグ塊と強スラグ塊をともに自生破砕機に投入して破砕することで、強スラグ塊が破砕することなく粗粒を維持し、弱スラグ塊のみを選択的に破砕することができ、破砕機の運転時間等を調整して弱スラグ塊を目標粒度に砕製し、その過粉砕を防止するとともに、篩選別によって弱スラグ塊と強スラグ塊との分級を可能にする。
【0011】
また、弱破砕能は破砕媒体を使用する破砕機によっても具現することができ、破砕媒体の比重、強度等を砕料である弱スラグ塊と強スラグ塊の比重、強度に応じて調整することにより、弱スラグ塊を破砕するに必要で、強スラグ塊を破砕するに及ばない弱破砕能を得ることができる。
目標粒度の弱スラグ塊および粗流の強スラグ塊を含む砕製物を篩選別して分級することで、弱スラグ塊を目標粒度に分級するとともに、強スラグ塊を弱スラグ塊から分離し、分離選別した粗粒の強スラグ塊を強破砕能の下で破砕する。
【0012】
この強破砕能は、破砕媒体を使用する破砕機によって具現することができ、破砕媒体の比重、強度等を砕料である強スラグ塊の比重、強度に応じて調整して強スラグ塊を破砕し、破砕機の運転時間等を調整して強スラグ塊を目標粒度に砕製し、この砕製物を篩選別して強スラグ塊を目標粒度に分級する。
したがって、弱破砕能による破砕によって弱スラグ塊の過粉砕を防止するとともに、分級による弱スラグ塊と強スラグ塊の選別を可能にし、分級により強スラグ塊のみを強破砕能の下で破砕でき、強度の異なる砕料である弱スラグ塊と強スラグ塊から粒度の揃えた砕製物が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、廃棄物溶融スラグ1は、都市ごみ焼却灰や産業廃棄物等の廃棄物を溶融し、溶融したスラグを水中に滴下して冷却固化した塊状物であり、生成の過程で気泡を含有するものや、冷却時にクラックを生じたものからなる強度の小さい弱スラグ塊と、気泡、クラック等を有しないものや、アルミやその他の金属等の異物を含むものからなる強度の大きい強スラグ塊とが混在している。
【0014】
弱スラグ塊と強スラグ塊は様々な粒度を有しているので、分級によって両者を選別することは困難であり、弱スラグ塊と強スラグ塊を別途に破砕機に投入することはできない。
このため、強度の異なる弱スラグ塊と強スラグ塊を含む溶融スラグを破砕媒体を使用しないチューブミルやタワーミル等の自生破砕機2に投入し、弱スラグ塊を破砕するに必要で、強スラグ塊を破砕するに及ばない弱破砕能の下で弱スラグ塊のみを選択的に破砕する。弱破砕能は、破砕媒体を使用する破砕機によっても具現することができるが、その構成は後述する。
【0015】
自生破砕機2による破砕は、弱スラグ塊と強スラグ塊の衝突、摩耗によって破砕を行なうものであり、砕料である強スラグ塊それ自体が弱スラグ塊に対して破砕媒体として機能する。このため、強スラグ塊は破砕されることなく粗粒を維持し、弱スラグ塊のみが選択的に破砕されので、破砕機の運転時間等を調整して弱スラグ塊を目標粒度に砕製することで、その過粉砕を防止するとともに、弱スラグ塊を強スラグ塊とは粒度の異なる砕製物とする。
【0016】
自生破砕機2は、図2に示すように、チューブミル10を使用する場合には、回転胴11の内部に、その内周面に沿って複数の衝撃棒12を固定もしくは回転可能に配置し、あるいは回転胴11の径を大きくすることで、その破砕能を弱スラグ塊13の強度に応じて調整できる。また、図3および図4に示すように、タワーミル20を使用する場合には、固定胴21の内周面に攪拌翼22の周囲において邪魔板23を設けることで、その破砕能を弱スラグ塊の強度に応じたものに調整できる。さらには、図5に示すように、チューブミル30を二重胴に構成し、内胴31の外周面および外胴32の内周面に複数の邪魔板33を設け、内胴31と外胴32を逆回転させることで、その破砕能を弱スラグ塊の強度に応じたものに調整できる。その他、クラッシャー形式のものなど、自生破砕機2としは種々のものが利用できる。
【0017】
図1において、粒度の異なる弱スラグ塊と強スラグ塊を含む廃棄物溶融スラグ1は、スラグ選別機3に投入し、その篩選別によって弱スラグ塊を目標粒度に分級するとともに、強スラグ塊を選別分離する。
分離した粗粒の強スラグ塊を破砕媒体を使用するチューブミル等の破砕機4に投入し、運転時間等を調整して強破砕能の下で強スラグ塊を目標粒度に砕製する。
【0018】
図6に示すように、ボールミル40は、回転胴41の内部に砕料である強スラグ塊42とともに水および破砕媒体43を投入し、破砕媒体43が強スラグ塊に衝突する衝撃力で強スラグ塊42を破砕する。
ここで、ボールミル40の破砕能について説明する。表1は破砕媒体43として3kgの鉄製ボールと5kgの磁器製ボールを使用し、砕料としての5kgの溶融スラグと5kgの水を投入した場合において、1時間および2時間の運転後における破砕結果を示すものであり、各粒径(粒度)の範囲を区間として、各区間に含まれるスラグ量を原スラグの粒度分布との比較において示している。図7は、表1をグラフ化したものである。
【0019】
【表1】
表1および図7より明らかなように、鉄製ボールを使用した場合にあっては、粒径の細かい画分の区間に属するスラグ量が多くなり、鉄製ボールによる強い衝撃力を受けて短時間に細画分が多くなる。一方、磁器製ボールを使用した場合にあっては、大きな画分の区間に属するスラグ量が多くなっている。
【0020】
したがって、破砕媒体の比重、物性(硬軟)、運転時間を選択することで、目標粒度の設定を制御することができる。このため、弱スラグ塊の破砕に際しても、破砕媒体の比重、物性(硬軟)、量、運転時間等を調整することで、破砕媒体の使用が可能となる。
この強スラグの砕製物をスラグ選別機5で分級選別し、強スラグ塊を目標粒度に分級し、目標粒度の強スラグ塊および弱スラグ塊をそれぞれ単独で、もしくは強スラグ塊と弱スラグ塊を合わせて粒度の揃った目的砕製物である細骨材粒度のスラグを得る。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、弱破砕能の下で弱スラグ塊のみを選択的に破砕することで、弱スラグ塊の過粉砕を防止するとともに、分級による弱スラグ塊と強スラグ塊の選別を可能にし、分級により強スラグ塊のみを強破砕能の下で破砕でき、強度の異なる砕料である弱スラグ塊と強スラグ塊から粒度の揃えた砕製物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における溶融スラグの破砕方法を示すフローシート図である。
【図2】同溶融スラグの破砕方法におけるチューブミルの断面図である。
【図3】同溶融スラグの破砕方法におけるタワーミルの縦断面図である。
【図4】同溶融スラグの破砕方法におけるタワーミルの平断面図である。
【図5】同溶融スラグの破砕方法におけるチューブミルの平断面図である。
【図6】同溶融スラグの破砕方法におけるボールミルの模式図である。
【図7】同溶融スラグの破砕方法におけるボールミルによるスラグの破砕結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 廃棄物溶融スラグ
2 自生破砕機
3 スラグ選別機
4 破砕機
5 スラグ選別機
Claims (1)
- 廃棄物を溶融処理して後に冷却固化してなり、強度の小さい弱スラグ塊と、強度の大きい強スラグ塊とが混在する溶融スラグを破砕機で目標粒度に砕製する破砕方法であって、弱破砕能の下で溶融スラグを破砕して弱スラグ塊のみを選択的に砕製し、この砕製物を篩選別して弱スラグ塊を目標粒度に分級するとともに粗粒の強スラグ塊を選別分離し、分離した粗粒の強スラグ塊を強破砕能の下で砕製し、この強スラグの砕製物を篩選別して目標粒度に分級し、目標粒度の強スラグ塊および弱スラグ塊をそれぞれ単独で、もしくは強スラグ塊と弱スラグ塊を合わせて粒度の揃った目的砕製物を構成することを特徴とする溶融スラグの破砕方法。
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JP5752363B2 (ja) * | 2010-05-25 | 2015-07-22 | 啓一 納冨 | 都市ごみ溶融スラグの再利用方法 |
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