JP3736629B2 - 燃焼装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器等に好適に使用可能な燃焼装置に関するものであり、特に周期的に開閉可能な間欠開閉弁を備えた燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、給湯装置等に代表される湯水加熱装置には、石油等の液体燃料を噴霧して燃焼させる燃焼装置が多用されている。図13は、燃料を噴霧して燃焼させる燃焼装置を内蔵した給湯装置の断面図である。図13において、130は給湯装置であり、131は燃焼装置である。図13に示す燃焼装置131は、燃焼ケース132を有し、燃焼ケース132の下方に、熱交換器133が設けられている。熱交換器133は、燃焼ケース132内に水管が挿通されたものである。
【0003】
燃焼装置131は、燃料噴射ノズル135とノズル収納筒136と燃焼筒137と送風機138とを具備している。燃料噴射ノズル135は、ノズル収納筒136内に収納され、外部から供給された燃料を燃焼筒137内に噴霧するものである。
【0004】
図14は、燃焼装置131における燃料系統を示す概念図である。燃料噴射ノズル135は、燃料を噴霧する噴霧開口を有し、内部に噴霧開口に至る往き側流路と、噴霧開口から戻る戻り側流路が設けられている。燃料噴射ノズル135の入り側には、第1ポンプ140及び第2ポンプ141が直列的に接続されており、電磁弁142を介して燃料タンク143に接続されている。ここで第1ポンプ140は吐出量を任意に変更できる電磁ポンプであり、第2ポンプ141は定差圧ポンプである。一方、燃料噴射ノズル135の戻り側には、逆止弁145及び比例弁146が直列的に接続されており、往き側流路の第1ポンプ140よりも上流側に接続されている。
【0005】
図15は、従来の燃焼装置131に採用されている比例弁146の模式図である。比例弁146は、ケーシング150内に燃料流路151が形成されている。ケーシング150には、戻り側流路中を流れる燃料の圧力を緩衝すべく、アキュームレータ154が取り付けられ一体化されている。燃料流路151の端部には逆止弁145が接続される燃料流入口152と、燃料が流出する燃料流出口153とが形成されており、燃料流路151の中途には、弁座155が設けられている。弁座155には、接離自在なように球状の弁体156が配設されている。弁体156に当接する位置には、プランジャ157が配置されている。プランジャ157の周囲には、コイル158が設けられている。コイル158に通電すると、プランジャ157は、ケーシング150の軸線上を進退し、弁体156を押し動かす。
【0006】
弁体156がプランジャ157に押し動かされると、燃料流路151の流路面積が変化し、燃料流入口152から燃料流出口153へと流れ出る燃料の流量が変化する。よって、比例弁146は、図示しない電力調整手段によりコイル158に流す電力を変化させることで戻り側流路を流れる燃料の流量を調整することができる。
【0007】
従来技術の燃焼装置131では、燃料タンク143から供給された燃料が第1ポンプ140によって加圧され、第2ポンプ141の吸入側に供給される。燃料は、第2ポンプ141によってさらに加圧され、燃料噴射ノズル135へと流入する。
【0008】
加圧され高圧状態の燃料は、燃料噴射ノズル135の突端の噴霧開口に至り、その一部が外部に開放されて霧状に噴射される。燃料噴射ノズル135に供給されたものの噴霧されなかった残余の燃料は、逆止弁145を通過して比例弁146の燃料流入口152に流入する。燃料流入口152から比例弁146内に流入した燃料は、コイル158に流される電流量に応じた流量で往き側流路の上流側へと戻される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来の燃焼装置131において、燃料噴霧ノズル135から噴霧される燃料の噴霧量の調整は、比例弁146から往き側流路に戻される燃料の流量の調整により行われていた。即ち、従来の燃焼装置131は、要求される燃焼量に応じて、比例弁146のコイル158に所定の電力を印加することにより、弁体156の開度を調整し、燃料の噴霧量を調整していた。
【0010】
燃焼装置131を燃焼駆動させると、雰囲気温度の変化などにより次第に比例弁146の温度が変化し、ケーシング150内のコイル158の温度も変化する。コイル158は、温度変化によりその抵抗値が増減する。そのため、コイル158の温度が不安定な場合には、コイル158に流れる電流量が不安定となり、戻り流路を流れる燃料の流量の調整が困難である。よって、従来の燃焼装置131は、燃料の噴霧量を精度よく調整し、燃焼状態を安定化することが困難であり、供給電流量を安定化すべく定電流回路を別途設ける必要があった。
【0011】
また、比例弁146は、プランジャ157を進退させることにより、弁体156と燃料流路151との隙間を微調整し、燃料の流量を調整するものである。そのため、比例弁146は、燃料流路151や弁体156の形状などの機械的バラツキにより、燃料の流量が大きく変化してしまう。そのため、従来の燃焼装置131では、燃料を安定燃焼させるために、コイル158に接続された電力調整手段に上記した機械的バラツキを調整するための調整手段を別途設ける必要があった。
【0012】
そこで、上記した問題を解決すべく、本発明者らは、燃料の流量制御弁として図3に示すようなインジェクター弁10(間欠開閉弁)を採用し、実験を行った。ここで、インジェクター弁10とは、極めて短い時間で断続的に弁体33を開閉できるものである。さらに詳細には、インジェクター弁10は、ケーシング30の内部にアクチュエーター31と、電磁コイル32と、弁体33とを備えている。インジェクター弁10は、電磁コイル32に電流が流れると、アクチュエーター31が駆動し、弁体33が開く。
【0013】
上記したインジェクター弁10を流量制御弁として用いれば、比例弁等を流量制御弁として採用する場合に比べて、より一層精度よく燃焼量を調整できる。しかし、インジェクター弁10を採用した場合、燃焼装置131が燃焼駆動すると、弁体33の開閉に伴う騒音が発生する。燃焼装置131の燃焼量が多い場合、この騒音は燃焼騒音に掻き消されるが、燃焼装置131の燃焼量が少ない場合には、インジェクター弁10の開閉に伴う騒音が際だつ。インジェクター弁10の開閉に伴い発生する騒音は、弁体33とケーシング30との衝突により発生する金属的で耳障りな騒音であり、使用者等に不快感を与えるものである。
【0014】
そこで本発明は、上記した問題に鑑み、燃料の噴霧量を精度よく調整でき、燃焼駆動時に発生する騒音が小さい燃焼装置の提供を目的とした。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そこで上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、燃料を噴霧する噴霧手段と、燃料が流通する燃料回路とを有する燃焼装置において、前記燃料回路の中途には、周期的に開閉可能な間欠開閉弁が設けられており、当該間欠開閉弁の燃料導入側には導入側継手が接続され、間欠開閉弁の燃料噴出側には噴出側継手が接続されており、前記間欠開閉弁の一部又は全部は、前記導入側継手および噴出側継手により構成される遮音部材により包囲されており、遮音部材と、間欠開閉弁との間に弾性部材が介在し、遮音部材と間欠開閉弁との隙間を埋めていることを特徴とする燃焼装置である。
【0016】
本発明の燃焼装置は、間欠開閉弁の一部又は全部が導入側継手および噴出側継手により包囲されている。そのため、燃焼駆動に伴い間欠開閉弁の開閉頻度が上昇した場合であっても、間欠開閉弁の開閉に伴う騒音の漏洩を大幅に低減することができる。
【0017】
上記した構成によれば、燃焼駆動に伴う間欠開閉弁の開閉により発生する騒音や振動の大部分を弾性部材に吸収させることができる。そのため、上記した構成によれば、間欠開閉弁の駆動時に発生する騒音を燃焼駆動により発生する燃焼騒音に掻き消される程度にまで低減することができる。
【0018】
また、本発明の燃焼装置は、導入側継手および噴出側継手と、間欠開閉弁との隙間に配置されている弾性部材により間欠開閉弁の取付位置を精度良く調整できる。そのため、上記した構成によれば、燃焼駆動時における間欠開閉弁のがたつきが起こらず、間欠開閉弁のがたつきによる騒音も発生しない。
【0019】
請求項2に記載の発明は、燃料を噴霧する噴霧手段と、燃料が流通する燃料回路とを有する燃焼装置において、前記燃料回路の中途には、周期的に開閉可能な間欠開閉弁が設けられており、間欠開閉弁は、燃料流入口と燃料流出口とを有し、当該間欠開閉弁の燃料流入口側には導入側継手が接続され、間欠開閉弁の燃料流出口側には噴出側継手が接続されており、前記間欠開閉弁の一部又は全部は、前記導入側継手および噴出側継手により構成される遮音部材により包囲されており、導入側継手及び噴出側継手には凹部が設けられており、間欠開閉弁の端部が前記凹部に挿入されており、導入側継手の凹部と間欠開閉弁の端部との間、および、噴出側継手の凹部と間欠開閉弁の端部との間には弾性部材が介在されていることを特徴とする燃焼装置である。
【0020】
請求項3に記載の発明は、燃料を噴霧する噴霧手段と、燃料が流通する燃料回路とを有する燃焼装置において、前記燃料回路の中途には、周期的に開閉可能な間欠開閉弁が設けられており、間欠開閉弁は、燃料流入口と燃料流出口とを有し、当該間欠開閉弁の燃料流入口側には導入側継手が接続され、間欠開閉弁の燃料流出口側には噴出側継手が接続されており、前記間欠開閉弁の一部又は全部は、前記導入側継手および噴出側継手により構成される遮音部材により包囲されており、導入側継手及び噴出側継手には凹部が設けられており、間欠開閉弁の端部が前記凹部に挿入されており、間欠開閉弁と凹部との隙間が、弾性部材により封止されていることを特徴とする燃焼装置である。
【0021】
請求項4に記載の発明は、燃料を噴霧する噴霧手段と、燃料が流通する燃料回路とを有する燃焼装置において、前記燃料回路の中途には、燃料流入口と燃料流出口とを有し、周期的に往復動を行い弁体を開閉するアクチュエータを内蔵した間欠開閉弁が設けられており、当該間欠開閉弁の燃料流入口側には導入側継手が接続され、間欠開閉弁の燃料流出口側には噴出側継手が接続されており、前記間欠開閉弁の一部又は全部は、前記導入側継手および噴出側継手により構成される遮音部材により包囲されており、導入側継手及び噴出側継手には凹部が設けられており、間欠開閉弁の端部が前記凹部に挿入されており、導入側継手又は噴出側継手と、間欠開閉弁とによりアクチュエーターの往復動の方向に形成される隙間には、弾性部材が介在しており、間欠開閉弁と凹部との隙間が、弾性部材により封止されていることを特徴とする燃焼装置である。
【0022】
請求項2乃至4に記載の燃焼装置は、間欠開閉弁の一部又は全部が導入側継手および噴出側継手により包囲されている。そのため、燃焼駆動に伴い間欠開閉弁の開閉頻度が上昇した場合であっても、間欠開閉弁の開閉に伴う騒音の漏洩を大幅に低減することができる。
【0023】
請求項5に記載の発明は、導入側継手と噴出側継手とは互いに嵌合しており、間欠開閉弁は、前記導入側継手および噴出側継手により閉塞された空間内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0024】
本発明の燃焼装置において、導入側継手と噴出側継手とは互いに嵌合しており間欠開閉弁は前記導入側継手と噴出側継手とによって包囲されている。そのため、燃焼駆動時に間欠開閉弁で発生した振動が伝播しても、導入側継手および噴出側継手の位置ズレが発生しない。
【0025】
また、上記した構成によれば導入側継手および噴出側継手の位置ズレが発生しないため、間欠開閉弁が配置されている空間の閉塞状態が変化しない。そのため、上記した構成によれば、燃焼駆動に伴う間欠開閉弁の振動や騒音の漏洩を最小限に抑制することができる。
【0026】
請求項6に記載の発明は、間欠開閉弁が、周期的に開閉する弁体と、当該弁体を内蔵する弁体収納部とを有し、当該弁体収納部には弾性部材が装着されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0027】
弁体収納部は、周期的に開閉動作を行う弁体を収納した部分であるため、間欠開閉弁の駆動時に最も振動や騒音が発生する部分である。本発明の燃焼装置においては、振動や騒音が最も大きいと想定される弁体収納部に弾性部材を装着したものである。そのため、本発明の燃焼装置は、間欠開閉弁の駆動に伴い発生する振動や騒音の大部分を前記弾性部材により吸収できる。
【0028】
上記した発明と同様の課題を解決すべく提供される請求項7に記載の発明は、導入側継手および噴出側継手と、間欠開閉弁との間には、充填部材が充填されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0029】
かかる構成によれば、間欠開閉弁の駆動により発生する騒音や振動を充填部材に吸収させることができる。従って、本発明の燃焼装置は、間欠開閉弁の開閉による金属的で耳障りな騒音が外部にほとんど漏洩せず、使用者等に不快感を与えることなく燃焼駆動することができる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、間欠開閉弁と導入側継手および噴出側継手との接続部のうち、少なくとも噴出側継手との接続部は弾性部材を介して密閉固定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0031】
本発明の燃焼装置は、間欠開閉弁と導入側継手および噴出側継手との接続部のうち、少なくとも噴出側継手との接続部が弾性部材を介して密閉固定されているため、当該接続部における燃料の漏洩が起こらない。さらに、上記した構成によれば、間欠開閉弁の振動の伝播を最小限に抑制することができ、間欠開閉弁の駆動に伴う振動や騒音の漏洩を抑制することができる。
【0032】
また、本発明の燃焼装置は、間欠開閉弁の一部又は全部が遮音部材により包囲された構造であるため、間欠開閉弁の開閉に伴う騒音がほとんど外部に漏洩しない。
【0033】
上記したように、本発明の燃焼装置は、間欠開閉弁において発生する振動や騒音を弾性部材および遮音部材の双方において吸収する構造であり、騒音の漏洩を防止する方策が2重になされている。そのため、本発明の燃焼装置は、間欠開閉弁の開閉に伴う耳障りな騒音がほとんど漏洩せず、使用者に不快感を与えることなく燃焼駆動を行える。
【0034】
請求項9に記載の発明は、燃料回路が、燃料を噴霧する噴霧手段と、燃料が流通する燃料回路と、前記噴霧手段に燃料を送る燃料ポンプとを備えており、導入側継手あるいは噴出側継手は、燃料ポンプおよび噴霧手段に直接的に接続されているいることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0035】
本発明の燃焼装置は、導入側継手あるいは噴出側継手が燃料ポンプおよび噴霧手段に直接的に接続されている。即ち、本発明の燃焼装置は、間欠開閉弁と燃料ポンプおよび噴霧手段とを繋ぐ配管が導入側継手又は噴出側継手に一体化されている。そのため、上記した構成によれば、噴霧手段に繋がる燃料回路を簡素化することができる。
【0036】
本発明の燃焼装置は、間欠開閉弁と燃料ポンプおよび噴霧手段とを繋ぐ配管が導入側継手又は噴出側継手に一体化したものであるため、燃焼装置の組み立てが容易である。また、上記した構成によれば、従来の燃焼装置よりも構成部品の点数を削減することができ、製造コストを削減することができる。
【0037】
請求項10に記載の発明は、間欠開閉弁に繋がる配線を導入側継手および噴出側継手により閉塞された空間から導出するための配線導出孔を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の燃焼装置である。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態である燃焼装置を備えた給湯装置(湯水加熱装置)について説明する。図1は、本実施形態の給湯装置の要部の一部を破断した正面図である。また、図2は、本実施形態の燃焼装置における燃料系統を示す模式図である。図3は、本実施形態の燃焼装置が具備しているインジェクター弁の断面図である。図4は、図3に示すインジェクター弁と導入側継手および噴出側継手との接続状態を示す斜視図である。また、図5は図4に示す導入側継手を底面側から見た状態を示す斜視図である。図6は、図4に示す噴出側継手の破断図である。図7は図3に示すインジェクター弁に導入側継手と噴出側継手とを接続した状態を示す断面図である。また、図8(a)は、図4に示す導入側継手の変形実施形態を示す斜視図であり、同(b)は噴出側継手の変形実施形態を示す斜視図である。図9は、図3に示すインジェクター弁に装着される弾性部材の変形実施形態を示す斜視図である。また、図10は、本発明の別の実施形態を示す斜視図であり、図11は図10のA−A断面図である。図12は、本発明のさらに別の実施形態を示す正面図である。なお、図12において、導入側継手および噴出側継手については説明の都合により断面形状を図示している。
【0039】
図1において、1は本実施形態の給湯装置(湯水加熱装置)であり、2は本実施形態の給湯装置1に用いられる燃焼装置である。3は本実施形態の燃焼装置2に採用される燃料噴射ノズルである。本実施形態の給湯装置1は、燃焼ケース4を有し、その下方に熱交換器5が設けられたものである。熱交換器5は、燃焼ケース4内に水管が挿通されたものである。本実施形態の燃焼装置2は、従来の燃焼装置101と同様に、空気ケース6の内部に端部が開放したノズル収納筒7と、ノズル収納筒7の端部に接続された燃焼筒8とを備えている。空気ケース6には、燃焼筒8内に空気を送り込む送風機9が接続されている。
【0040】
本実施形態の燃焼装置2は、従来の燃焼装置131の燃料系統が備えている比例弁116に代わってインジェクター弁10(間欠開閉弁)が採用されている点が大きく異なる。本実施形態の燃焼装置2は、図2に示すような燃料系統に接続されている。燃焼装置2のノズル収納筒7に収納されている燃料噴射ノズル3は、燃料を噴霧する噴霧開口を有する。燃料噴射ノズル3は、内部に噴霧開口に至る往き側流路と、噴霧開口から戻る戻り側流路とを有する。
【0041】
燃料噴射ノズル3に接続されている燃料系統は、従来の燃焼装置101に採用されている燃料系統とほぼ同一である。即ち、燃料噴射ノズル3の入り側には、図2に示すように燃料往路11が接続されている。燃料往路11は、燃料タンク12、電磁弁13およびポンプ15が直列的に接続されたものである。一方、燃料噴射ノズル3の戻り側には、噴霧されずに残った燃料を燃料往路11に戻す燃料復路17が接続されている。燃料復路17は、逆止弁18とアキュームレータ20とインジェクター弁10とが直列的に接続されたものである。アキュームレータ20は、燃料復路17中を流れる燃料の圧力を緩衝するものである。燃料復路17は、燃料往路11の電磁弁13とポンプ15との間に接続されている。
【0042】
本実施形態の燃焼装置2は、図3に示すようなインジェクター弁10を具備しており、極めて短い時間で断続的に開閉する機能を備えている。インジェクター弁10は、ケーシング30内にアクチュエータ31と、アクチュエータ31を駆動させるための電磁コイル32と、アクチュエータ31に連動する弁体33とを有する。ケーシング30の両端部には、ケーシング30内に燃料を供給するための燃料流入口35と、燃料を流出する燃料流出口36とが設けられている。また、ケーシング30の内部には、燃料流入口35から流入した燃料が流通する燃料流路37が設けられている。
【0043】
ケーシング30は樹脂製であり、インジェクター弁10の燃料流入口35側の端部から、燃料流出口36側に至る大部分を被覆している。即ち、インジェクター弁10は、燃料流出口36側の端部を除く部分が、ケーシング30により被覆されている。インジェクター弁10の燃料流出口36側の端部には、弁体33を収納している金属製の弁体収納部39の一部が露出している。
【0044】
ケーシング30の軸方向の中間部には、接続端子38が設けられている。接続端子38は、電磁コイル32に接続されており、接続端子38に電流を供給すると電磁コイル32が励磁される。その結果、ケーシング30内のアクチュエータ31が駆動し、アクチュエータ31と連動して弁体33が開く。即ち本実施形態で採用する燃料噴射ノズル3は、接続端子38に電流が供給されている間、弁体33が開き、電流が停止すると弁体33が閉じる。弁体33は、極めて鋭敏に反応し、瞬間的に開閉される。
【0045】
ケーシング30の燃料流入口35側の端部および弁体収納部39の燃料流出口36側の端部には、それぞれ環状の凹部40,41が設けられている。凹部40,41にはそれぞれOリング43,45(弾性部材)が係合している。Oリング43,45は、インジェクター弁10と後述する導入側継手46および噴出側継手47との隙間を埋めるものであると共に、インジェクター弁10の振動が導入側継手46や噴出側継手47等に伝搬するのを防止する防震部材としても機能する。
【0046】
また、特にOリング45は、インジェクター弁10と噴出側継手47とにより、アクチュエーター31の往復動の方向に形成される隙間、即ちインジェクター弁10の往復動の方向の力が作用する位置に装着されている。そのため、Oリング45は、インジェクター弁10の往復動の方向に発生する振動を確実に吸収することができる。
【0047】
インジェクター弁10には、図4および図5に示すように導入側継手46と噴出側継手47とが接続されている。さらに詳細には、インジェクター弁10の燃料流入口35側には、導入側継手40が接続されており、燃料流出口36側には、噴出側継手41が接続されている。
【0048】
導入側継手46は、図4,図6に示すように全体が金属製で略箱形の部材である。導入側継手46は、大別してインジェクター弁10の燃料流入口35と嵌合する流入口接続部51と、インジェクター弁10の接続端子38を収納する収納部52とにより構成されている。
【0049】
流入口接続部51は、導入側継手46の底面50側に、インジェクター弁10の燃料流入口35側と略同一径の凹部53を有する。また、導入側継手46の天面55側には、配管接続部56が設けられている。配管接続部56には連通孔57が設けられており、連通孔57は前記した凹部53に連通している。流入口接続部51は、凹部53および配管接続部56により構成されており、連通孔57を介して燃料をインジェクター弁10の燃料流入口35に供給する部分として機能する。
【0050】
収納部52は、導入側継手46の流入口接続部51に隣接する位置に設けられており、底面50側が開口した凹状の部分である。収納部52の側面には、接続端子38に繋がる配線を外部に導出するための配線導出孔58が設けられている。
【0051】
噴出側継手47は、図4,図6に示すように全体が金属製であり、インジェクター弁10の燃料流出口36側の部位が収納される部材である。噴出側継手47は、天面60が上記した導入側継手46の底面50と略合致する形状であり、天面60側が開口している。噴出側継手47は、大別してインジェクター弁10のケーシング30および弁体収納部39が嵌合する本体嵌合部61と、接続端子38を収納する膨出部62とにより構成されている。
【0052】
本体嵌合部61は、噴出側継手47の天面60側から底面63側に至る凹状の部位であり、上記した導入側継手47の流入口接続部51に相当する位置に設けられている。本体嵌合部61の天面60側は、平面視が略方形であるが、底面63側はインジェクター弁10のケーシング30および弁体収納部39に略合致する形状となっている。また、本体嵌合部61の底面には、弁体収納部39の先端が挿入される凹部42が形成されている。そのため、本体嵌合部61にインジェクター弁10を挿入すると、図7に示すようにケーシング30あるいは弁体収納部39と本体嵌合部61とが嵌合し、凹部42に弁体収納部39の先端側が挿入される。噴出側継手47の側面65,66であって、本体嵌合部61の下方に相当する位置には、本体嵌合部61に連通した接続部67,68が設けられている。接続部67はポンプ15が接続される部分であり、接続部68はインジェクター弁10から噴射された燃料を排出する部分である。
【0053】
膨出部62は、噴出側継手47の本体嵌合部61に隣接する位置に設けられており、上記した導入側継手46を重ね合わせた際に収納部52に対向する位置に設けられている。膨出部62は、天面60側が開口しているため、噴出側継手47に導入側継手46を被覆すると、収納部52および膨出部62によりインジェクター弁10の接続端子38を収納するための空間が形成される。
【0054】
導入側継手46は、図4に示すように噴出側継手47の天面60側に上部から導入側継手51の底面50が被覆するように重ね合わせられ、これによりインジェクター弁10が収納されるハウジング部70と、インジェクター弁10のケーシング30から突出している接続端子38を収納する端子収納部71とが形成される。インジェクター弁10は、燃料流入口35が導入側継手51側を向き、燃料流出口36が噴出側継手52側に向くようにハウジング70内に収納されている。また、インジェクター弁10の接続端子38は、端子収納部71内に収納されている。インジェクター弁10の接続端子38に繋がる配線は、配線導出孔58から外部に導出されている。
【0055】
インジェクター弁10の燃料流入口35側の端部は、導入側継手46の凹部53に挿入されている。インジェクター弁10と凹部53との隙間は、インジェクター弁10の凹部40に取り付けられているOリング43により封止されている。そのため、インジェクター弁10と凹部53との隙間から燃料が漏洩せず、インジェクター弁10の振動が導入側継手46にほとんど伝播しない。
【0056】
インジェクター弁10の燃料流出口36側の端部は、噴出側継手47の本体嵌合部61に挿入されている。インジェクター弁10と本体嵌合部61との隙間は、インジェクター弁10の燃料流出口36側に設けられている凹部41に取り付けられているOリング45により封止されている。そのため、インジェクター弁10の弁体収納部39と本体嵌合部61との隙間から燃料が漏洩しない。また、Oリング45はゴム製であるため弾性を有する。そのため、アクチュエーター31の往復動により発生するインジェクター弁10の軸方向への振動や衝撃を吸収することができる。また、Oリング45と弁体収納部39とは異なる材質で形成されており、両者の固有振動数が大幅に異なるため、弁体収納部39において発生した振動は増幅されない。
【0057】
一方、Oリング45が装着されている弁体収納部39は、ケーシング30に被覆されていない部分であり、振動や騒音が外部に漏洩しやすい部分である。さらに、弁体収納部39は、内部に弁体33が収納されている部分であるため、弁体33の開閉に伴い振動や騒音が発生しやすい部分でもある。しかし、本実施形態においては、インジェクター弁10と本体嵌合部61との間にOリングを介在させているため、インジェクター弁10の駆動により発生する振動がOリング45に吸収され、導入側継手46にはほとんど伝播しない。そのため、本実施形態の燃焼装置2においては、インジェクター弁10の駆動により発生する金属的な騒音がほとんど外部に漏洩しない。
【0058】
本実施形態の燃焼装置1において、インジェクター弁10は、両端がOリング43,45を介して導入側継手46および噴出側継手47に支持された構造である。そのため、インジェクター弁10の駆動により発生する振動の伝播を確実に防止すると共に、インジェクター弁10の軸ブレを最小限に抑制することができる。
【0059】
また、噴出側継手47とインジェクター弁10との隙間には、シリコン製の充填材が充填されており、インジェクター弁10のケーシング30および弁体収納部39を包囲している。シリコン製の充填材は、Oリング43,45と同様に弾性を有する部材であり、衝撃や振動を吸収することができる。また、前記充填材と弁体収納部39とは材質で形成されており、両者の固有振動数が大幅に異なるため、弁体収納部39において発生した振動は増幅されない。従って、インジェクター弁10の駆動により発生する騒音や振動の大部分は、噴出側継手47内に充填されている充填材に吸収され、外部に漏洩しない。
【0060】
上記した実施形態においては、噴出側継手47に充填材としてシリコン樹脂を注入した例を例示したが、インジェクター弁10の振動が比較的微小な場合などは充填材を充填しない構造とすることが可能である。また、上記した実施形態の燃焼装置2は、弁体収納部39において発生する振動や騒音が大きいため、噴出側継手47側にのみ充填材を充填する構造を例示したが、インジェクター弁10の構造等に応じて導入側継手46側のみに充填材を充填する構造や、導入側継手46および噴出側継手47の双方に充填材を充填する構造とすることも可能である。
【0061】
また、上記した実施形態において、噴出側継手47にシリコン樹脂を充填した例を例示したが、導入側継手46あるいは噴出側継手47に充填される充填材はいかなるものであっても良い。さらに詳細には、導入側継手46あるいは噴出側継手47に充填する充填材は、ゴムや樹脂等を切削加工し成形した固形の充填材や、ウレタン系充填材やエポキシ系充填材といった樹脂系充填材など、いかなる充填材であっても良い。
【0062】
また、導入側継手46および噴出側継手47は、図8に示すように導入側継手46の底面50に嵌合凹部48を設け、噴出側継手47の天面60に嵌合凸部48と嵌合可能な嵌合凸部49を設けた構成とすることも可能である。かかる構成によれば、インジェクター弁10で発生した振動が伝播することによる導入側継手および噴出側継手の位置ズレを防止することができる。そのため、インジェクター弁10が配置されているハウジング部70の閉塞状態が変化せず、燃焼駆動に伴う間欠開閉弁の振動や騒音の漏洩を最小限に抑制することができる。
【0063】
上記した実施形態においては、インジェクター弁10において発生した振動や騒音を緩衝する弾性部材として、インジェクター弁10に環状のOリング43,45を装着した構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに具体的には、インジェクター弁10に装着する弾性部材は、図9に示す弾性部材73であっても良い。図9に示す弾性部材73は、全体がゴム製であり、円筒形で弁体収納部39に合致する形状の本体部73aと、本体部73aの一端側に設けられたフランジ部73bとにより構成されている。弾性部材73を用いてインジェクター弁10を噴出側継手47に接続すると、本体部73aは、本体嵌合部61の底面に設けられた凹部42とインジェクター弁10の弁体収納部39とにより挟み込まれ、フランジ部73bは、ケーシング30と本体嵌合部61の底面との間に挟まれる。
【0064】
弾性部材73を用いてインジェクター弁10を噴出側継手47に接続すると、凹部42とインジェクター弁10の弁体収納部39との隙間が本体部73aによって埋められるため、インジェクター弁10の軸ブレを最小限に抑制すると共に、インジェクター弁10の振動の伝播をより一層低減することができる。
【0065】
また、弾性部材73のフランジ部73bは、インジェクター弁10と噴出側継手47によりアクチュエーター31の往復動の方向に形成される隙間を埋めることができる。そのため、フランジ部73bは、アクチュエーター31の往復動によるインジェクター弁10の軸方向の振動を吸収することができる。
【0066】
また、本発明の燃焼装置において、ハウジング70内に注入される充填材は、導入側継手および噴出側継手と材質が異なることが好ましい。上記した実施形態において、ハウジング70内に注入されている充填材であるシリコン樹脂と、導入側継手および噴出側継手を構成する金属とは固有振動数が大幅に異なるため、インジェクター弁10の振動の増幅が起こらない。そのため、上記した構成によれば、インジェクター弁10の振動の伝播や増幅がほとんど起こらず、インジェクター弁10の駆動時に発生する騒音がほとんど漏洩しない。
【0067】
上記した実施形態において燃焼装置2は、上記した導入側継手46および噴出側継手47に代わって、図10に示すような導入側継手80と噴出側継手81とがインジェクター弁10に接続されたものであっても良い。以下、導入側継手80および噴出側継手81の構造について説明する。
【0068】
導入側継手80は、全体が金属製であり、図10,11に示すようにインジェクター弁10のケーシング30の燃料流入口35側の部位を収納する部材である。導入側継手80は、底面82側が開口しており、インジェクター弁10のケーシング30の大部分を収納する弁収納部83が形成されている。弁収納部83は、内部にインジェクター弁10の燃料流入口35側と略同一径で天面85側に窪んだ凹部86が形成されている。
【0069】
また、導入側継手80の天面85側には、上記した導入側継手46と同様に配管接続部56が設けられている。配管接続部56に設けられた連通孔57は凹部86に連通している。
【0070】
一方、噴出側継手81は、全体が金属製の部材であり、インジェクター弁10の燃料流出口36側に接続される部材である。噴出側継手81は、大別してインジェクター弁10に接続される弁接続部87と、燃料噴射ノズル3およびポンプ15に接続される本体部88とにより構成されている。
【0071】
弁接続部87は、上記した導入側継手80の底面82と略同一形状で平坦な平坦部90と、インジェクター弁10の燃料流出口36に合致する凹部91とにより形成されており、後述する本体部88側に連通している。また、本体部88には、ポンプ15に接続される接続部92と、インジェクター弁10の燃料流出口36から噴出する燃料を排出する接続部93とを有する。
【0072】
導入側継手80と噴出側継手81とは、図10に示すように導入側継手80の底面が弁接続部87を被覆するように重ね合わせられ、一体化されており、導入側継手80の弁収納部83と平坦部90とによりハウジング部95が形成されている。インジェクター弁10は、燃料流入口35が導入側継手80側を向き、燃料流出口36側が噴出側継手81側を向くようにハウジング部95内に収納されている。
【0073】
ハウジング92の内部には、インジェクタ弁10を包囲する遮音壁96が設けられている。遮音壁96はゴム製で円筒形の部材であり、図11に示すようにハウジング92を形成している導入側継手80の弁収納部83に接触している。即ち、ハウジング92は、弁収納部83と遮音壁96とによる2重構造の壁面を有する構造である。インジェクター10において発生した振動や騒音は、遮音壁93において大幅に減衰された後に弁収納部83に伝達する。また、導入側継手80が金属製であるのに対して、遮音壁96はゴム製であり、両者の固有振動数は大幅に異なり、振動や騒音の増幅が起こらない。そのため、前記した振動や騒音は極めて小さく、インジェクター弁10の駆動により発生する騒音は、燃焼駆動により発生する燃焼騒音に掻き消される程度の大きさである。
【0074】
インジェクター弁10の燃料流入口35側の端部および燃料流出口36側の端部は、それぞれ導入側継手80の凹部86および噴出側継手81の凹部91に挿入されている。インジェクター弁10と凹部86,91との隙間は、Oリング43,45により封止されており、インジェクター弁10と凹部86,91との隙間からの燃料の漏洩が防止されている。また、Oリング43,45は共にゴム製で弾性を有するため、インジェクター弁10において発生した振動はOリング43,45によって吸収できる。即ち、Oリング43により、インジェクター弁10の径方向に発生する振動を吸収し、インジェクター弁10の軸ブレを防止することができる。また、Oリング45によりインジェクター弁10の往復動の方向に発生する力を吸収することができる。
【0075】
また、上記した導入側継手80に代わり、図12に示すような構造を有する導入側継手97を採用することも可能である。以下、導入側継手97について図面を参照しながら説明する。なお、導入側継手97は、上記した導入側継手80とほぼ同様の構成を有するため、共通する部分には同一の符号を付し、詳細の説明については省略する。
【0076】
導入側継手97は、導入側継手80と同様に、全体が金属製であり、本体部98と、燃料噴射ノズル3のノズルホルダー部100と、ポンプ15に繋がる分岐部101とにより構成されている。本体部98は、導入側継手97の主要部をなす部分であり、上記した導入側継手80と同様に底面102側が開口している。本体部98は、上記導入側継手80とほぼ同様の構造を有する。即ち、本体部98は、インジェクター弁10を収納する弁収納部87を有する。弁収納部87にはインジェクター弁10の燃料流入口35側の端部を嵌合可能な凹部91が形成されている。また、弁収納部87とインジェクター弁10との間には、シリコン製の充填材が充填されている。
【0077】
本体部98は、内部に弁収納部87に通じるノズル接続配管103を有する。また、本体部98の天面105側にはノズルホルダー部100が形成されている。ノズルホルダー部100には、燃料噴射ノズル3を装着するためのノズル装着孔106が形成されている。ノズル装着孔106は、ノズル接続配管103に連通している。そのため、燃料噴射ノズル3において噴射されずに戻る燃料は、ノズル接続配管103を通じて、本体部98に装着されているインジェクター弁10に流入する。
【0078】
分岐部101は、本体部98から分岐された部位であり、内部に燃料が流通可能なポンプ接続配管107が形成されている。ポンプ接続配管107は、本体部98に形成されたノズル装着孔106に連通している。即ち、分岐部101によって、燃料往路11の一部であるポンプ15と燃料噴射ノズル3とを繋ぐ配管が形成されている。
【0079】
上記した導入側継手97は、上記した導入側継手80と同様にして噴射側継手81と接続され、一体化されている。即ち、導入側継手97は、底面102が噴射側継手81の天面105に対向する向きに重ね合わせられ一体化される。導入側継手97の弁収納部87と、噴射側継手81の平坦部90により包囲されるハウジング部95が形成されている。インジェクター弁10は、ハウジング部95により包囲されているため、インジェクター弁10の駆動により発生する騒音は、ハウジング部95を形成する壁面において減衰し、外部にはほとんど漏洩しない。またさらに、導入側継手97のハウジング部95内には充填材が充填されているため、インジェクター弁10の騒音あるいは振動の大部分は充填材に吸収される。そのため、導入側継手97および噴射側継手81を用いてインジェクター弁10を接続すれば、インジェクター弁10における騒音や振動を最小限に抑制することができる。
【0080】
また、導入側継手97は、インジェクター弁10を接続する本体部98に加えて、ノズルホルダー部100と、分岐部101とを有し、インジェクター弁10と燃料噴射ノズル3とを繋ぐノズル接続配管103および燃料噴射ノズル3とポンプ15とを繋ぐポンプ接続配管107を一体的に成形したものである。そのため、導入側継手97によれば燃料噴射ノズル3に燃料を供給する燃料回路を簡素化することができ、燃焼装置2の組み立てを容易に行うことができる。また、上記した導入側継手97を採用すれば、燃焼装置2の部品点数を削減することができ、製造コストを削減することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4に記載の発明によれば、燃焼駆動時に間欠開閉弁が開閉することにより発生する騒音の漏洩を最小限に抑制することができる。
【0082】
また、請求項1〜4に記載の発明によれば、弾性部材に間欠開閉弁において発生する騒音や振動を吸収させることができ、騒音の漏洩を最小限に抑制できる。
【0083】
請求項4に記載の発明によれば、アクチュエーターの往復動により発生する振動を前記弾性部材において吸収し、間欠開閉弁の駆動時に発生する騒音や振動の漏洩を最小限に抑制することができる。
【0084】
また、請求項5に記載の燃焼装置は、間欠開閉弁が配置されている空間の閉塞状態を維持することにより間欠開閉弁の開閉時に発生する騒音の漏洩を大幅に低減することができる。
【0085】
請求項6に記載の発明によれば、振動や騒音が最も大きいと想定される弁体収納部において発生する振動や騒音の大部分を吸収し、外部への漏出を防止することができる。
【0086】
請求項7に記載の発明によれば、間欠開閉弁の駆動により発生する騒音を充填部材に吸収させることができ、外部に漏出する騒音や振動を最小限に抑制できる。
【0087】
請求項8に記載の発明によれば、間欠開閉弁の接続部における燃料の漏洩を防止すると共に、間欠開閉弁の駆動に伴う振動の伝播や騒音の漏洩を最小限に抑制することができる。
【0088】
請求項9に記載の発明によれば、噴霧手段に繋がる燃料回路を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態の給湯装置の要部の一部を破断した正面図である。
【図2】 図1に示す燃焼装置における燃料系統を示す模式図である。
【図3】 図1に示す燃焼装置が具備しているインジェクター弁の断面図である。
【図4】 図3に示すインジェクター弁と導入側継手および噴出側継手との接続状態を示す斜視図である。
【図5】 図4に示す導入側継手を底面側から見た状態を示す斜視図である。
【図6】 図4に示す噴出側継手の破断図である。
【図7】 図3に示すインジェクター弁に導入側継手と噴出側継手とを接続した状態を示す断面図である。
【図8】 (a)は、図4に示す導入側継手の変形実施形態を示す斜視図であり、同(b)は噴出側継手の変形実施形態を示す斜視図である。
【図9】 (a)は図3に示すインジェクター弁に装着される弾性部材の変形実施形態を示す斜視図であり、(b)は同(a)に示す弾性部材を用いて図3に示すインジェクター弁を導入側継手および噴出側継手に接続した状態を示す断面図である。
【図10】 本発明の別の実施形態を示す斜視図である。
【図11】 図10のA−A断面図である。
【図12】 本発明のさらに別の実施形態を示す正面図である。
【図13】 従来の給湯装置を示す正面図である。
【図14】 従来の燃焼装置における燃料系統を示す正面図である。
【図15】 従来の燃焼装置が具備している比例弁の断面図である。
【符号の説明】
1 給湯装置
2 燃焼装置
3 燃料噴射ノズル
10 インジェクター弁
35 燃料流入口
36 燃料流出口
43,45 Oリング
46 導入側継手
47 噴出側継手
48 嵌合凹部
49 嵌合凸部
70 ハウジング部
73 緩衝部材
80 導入側継手
81 噴出側継手
95 ハウジング部
96 遮音壁
97 導入側継手
Claims (10)
- 燃料を噴霧する噴霧手段と、燃料が流通する燃料回路とを有する燃焼装置において、
前記燃料回路の中途には、周期的に開閉可能な間欠開閉弁が設けられており、
当該間欠開閉弁の燃料導入側には導入側継手が接続され、間欠開閉弁の燃料噴出側には噴出側継手が接続されており、
前記間欠開閉弁の一部又は全部は、前記導入側継手および噴出側継手により構成される遮音部材により包囲されており、
遮音部材と、間欠開閉弁との間に弾性部材が介在し、遮音部材と間欠開閉弁との隙間を埋めていることを特徴とする燃焼装置。 - 燃料を噴霧する噴霧手段と、燃料が流通する燃料回路とを有する燃焼装置において、
前記燃料回路の中途には、周期的に開閉可能な間欠開閉弁が設けられており、
間欠開閉弁は、燃料流入口と燃料流出口とを有し、
当該間欠開閉弁の燃料流入口側には導入側継手が接続され、間欠開閉弁の燃料流出口側には噴出側継手が接続されており、
前記間欠開閉弁の一部又は全部は、前記導入側継手および噴出側継手により構成される遮音部材により包囲されており、
導入側継手及び噴出側継手には凹部が設けられており、間欠開閉弁の端部が前記凹部に挿入されており、
導入側継手の凹部と間欠開閉弁の端部との間、および、噴出側継手の凹部と間欠開閉弁の端部との間には弾性部材が介在されていることを特徴とする燃焼装置。 - 燃料を噴霧する噴霧手段と、燃料が流通する燃料回路とを有する燃焼装置において、
前記燃料回路の中途には、周期的に開閉可能な間欠開閉弁が設けられており、
間欠開閉弁は、燃料流入口と燃料流出口とを有し、
当該間欠開閉弁の燃料流入口側には導入側継手が接続され、間欠開閉弁の燃料流出口側には噴出側継手が接続されており、
前記間欠開閉弁の一部又は全部は、前記導入側継手および噴出側継手により構成される遮音部材により包囲されており、
導入側継手及び噴出側継手には凹部が設けられており、間欠開閉弁の端部が前記凹部に挿入されており、間欠開閉弁と凹部との隙間が、弾性部材により封止されていることを特徴とする燃焼装置。 - 燃料を噴霧する噴霧手段と、燃料が流通する燃料回路とを有する燃焼装置において、
前記燃料回路の中途には、燃料流入口と燃料流出口とを有し、周期的に往復動を行い弁体を開閉するアクチュエータを内蔵した間欠開閉弁が設けられており、
当該間欠開閉弁の燃料流入口側には導入側継手が接続され、間欠開閉弁の燃料流出口側には噴出側継手が接続されており、
前記間欠開閉弁の一部又は全部は、前記導入側継手および噴出側継手により構成される遮音部材により包囲されており、
導入側継手及び噴出側継手には凹部が設けられており、間欠開閉弁の端部が前記凹部に挿入されており、
導入側継手又は噴出側継手と、間欠開閉弁とによりアクチュエーターの往復動の方向に形成される隙間には、弾性部材が介在しており、
間欠開閉弁と凹部との隙間が、弾性部材により封止されていることを特徴とする燃焼装置。 - 導入側継手と噴出側継手とは互いに嵌合しており、間欠開閉弁は、前記導入側継手および噴出側継手により閉塞された空間内に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の燃焼装置。
- 間欠開閉弁は、周期的に開閉する弁体と、当該弁体を内蔵する弁体収納部とを有し、当該弁体収納部には弾性部材が装着されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の燃焼装置。
- 導入側継手および噴出側継手と、間欠開閉弁との間には、充填部材が充填されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の燃焼装置。
- 間欠開閉弁と導入側継手および噴出側継手との接続部のうち、少なくとも噴出側継手との接続部は弾性部材を介して密閉固定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の燃焼装置。
- 燃料回路は、燃料を噴霧する噴霧手段と、燃料が流通する燃料回路と、前記噴霧手段に燃料を送る燃料ポンプとを備えており、導入側継手あるいは噴出側継手は、燃料ポンプおよび噴霧手段に直接的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の燃焼装置。
- 間欠開閉弁に繋がる配線を導入側継手および噴出側継手により閉塞された空間から導出するための配線導出孔を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の燃焼装置。
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