JP3736499B2 - 灌注・散布作業車 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴルフ場等の芝地に液体を注入して土壌を活性化する灌注・散布作業車に関する。
【0002】
【従来技術】
ゴルフ場において、薬液を芝地に表面散布する装置と土中に高圧液体を注入する灌注装置とを1つの機械で行うものは現在、存在していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、芝地の表面散布をする場合と灌注作業を行う場合には、種類の異なる別々の機械を準備しなければならず、管理コストが高くなると共に、同時に作業を行なう場合には、2台の作業機を作業場に持っていかなければならないから煩雑となる欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は前記の課題に鑑みて提案するものであって、次のような技術的手段を講じた。
即ち、請求項1に記載の発明は、移動車両の荷台(2)に土中灌注用の薬液を収容するタンク(3)と表面散布用の薬液を収容するタンク(4)とを設け、該移動車両の荷台(2)の後部に、前記土中灌注用薬液を収容するタンク(3)から高圧ポンプ(14)によって送り出された薬液を高圧状態で土中へ注入する灌注機(28)と、前記表面散布用薬液を収容タンク(4)から低圧ポンプ(15)によって送り出された薬液を地表面に向かって散布する散布機(30)とを設けるに、前記灌注機(28)は荷台(2)に昇降自在に設けられ前記薬液を土中に注入するノズル(33…)を備え、前記散布機(30)は該灌注機(28)の上方に配設される中央フレーム(37a)と、この中央フレーム(37a)の左右両側にあって上方へ開閉自在に設ける側部フレーム(38,38)とからなり、これら中央フレーム(37a)及び側部フレーム(38,38)に前記薬液を地表面に向かって散布する噴出部を設けたことを特徴とする灌注・散布作業車とする。
また、請求項2に記載の発明は、上記において、土中灌注用の薬液を収容するタンク(3)と表面散布用の薬液を収容するタンク(4)とを連通する連通パイプ(5)を設け、 この連通パイプ(5)の途中に切替弁(7)を設けてなる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施の形態に基づいて、この発明の実施例を説明する。まず、構成から説明すると、1は荷台2を有する移動車輌としてのトラックであり、荷台2には2個のタンク3、4を前後方向に接近させて搭載している。両タンク3、4の底部には両タンク3、4を相互に連通させる連通パイプ5が設けられ、連通パイプ5の途中には切替弁7が設けられている。
【0006】
8、9はタンク3、4上面に設けられた蓋、10、11はタンク3、4側面に設けられた水位計である。前部タンク3には土中灌注用の薬液が収容され、後部タンク4には表面散布用の薬液が収容されている。後部タンク4の後方には駆動源としてのエンジン12が載置され、このエンジン12の左右横側部には高圧ポンプ14と低圧ポンプ15が夫々クラッチ17、18を介して接続されている。
【0007】
高圧ポンプ14と低圧ポンプ15には圧力変動を吸収するアキュムレ−タ20、21が取り付けられている。22、23は圧力を調整する調圧弁、24、25は圧力計である。高圧ポンプ14の下手側には高圧の液体を土中に注入する灌注機28が設けられ、低圧ポンプ15の下手側には低圧の液体を散布する散布機30が設けられている。
【0008】
灌注機28は6個の電磁バルブ31、31…と、6個のノズルランス32…と、各ノズルランス32…に4個ずつ取り付けられているノズル33…とからなり、図示外のマイコンからなるコントロ−ラによって電磁バルブ31…が制御され、高圧(350kg/cm2)の液体がこのノズル33…から噴出されるように構成している。
【0009】
灌注機28は図1に示すように、トラック1の荷台後部において、昇降リンク34にて昇降回動自在に連結されており、地面の上を滑走できるように構成されている。なお、符号35は灌注機28の外周を覆っている樹脂性のカバ−であり、ノズル33…周辺部のみを開口し、その他の部分はカバ−35で覆うように構成している。
【0010】
灌注機28は油圧若しくは電動モ−タ等を利用して上下方向に移動させられることができるものであり、非作業中は昇降リンク34を上方へ回動させる。一方、図2に示すように、散布機30は機体後部において3分割されたフレ−ム37a、37b、37cに複数個の噴出部を有するホ−ス38が取り付けられ、噴出部から薬液等が噴出できるように構成している。
【0011】
なお、中央のフレ−ム37aに対して左右両側のフレ−ム37b、37cは手動で開閉させても良いが、電動モ−タ等の動力源を利用して開閉するようにしても良い。次に上例の作用を説明する。ゴルフ場等において芝地に高圧の液体を注入あるいは薬液を注入するときには、タンク3に水あるいは薬液を充填し、クラッチ16を繋いでエンジン12により高圧ポンプ14を駆動させる。
【0012】
そして、図示外のコントロ−ラに対して、1回当たりのノズルの噴出量や単位時間当たりの注入回数等の出力条件を設定し、電磁バルブ31に駆動パルスを与える。すると、所定の圧力に調整された高圧の液体がノズル33先端から勢い良く断続的に噴出し、土中に深く細孔をあけながら硬い土壌を粉砕する。なお、このとき、散布作業を行わず、灌注作業のみを行うのであれば散布用のタンク4にも同じ液体を充填し、切替弁7を連通側に切り替えることにより、タンク容量を増やした状態で灌注作業を継続できる。
【0013】
また、散布作業のみを行う場合には、クラッチ16を切り、反対側のクラッチ17を接続して低圧ポンプ15を駆動する。すると、35kg/cm2程度の低圧の液体がこのポンプ15によって送り出され、ホ−ス38の噴出口から芝生の表面に散布される。この場合、散布作業のみであれば前記の場合と同様、切替弁7を連通側に切り替え、タンク3、4に同じ薬液を充填して散布作業を行うことができる。
【0014】
【発明の効果】
この発明に係る灌注・散布作業車は、請求項1に記載の発明によると、1台の機械で灌注作業と散布作業の異なる2種類の作業を行うことができることになり、灌注作業と散布作業の同時作業によって、あるいはこれら作業の切換えが容易であることによって作業の能率が向上すると共に、1台ずつ異なる機械を持つ場合に比べ維持管理も容易になる。
また、請求項 2 に記載の発明によると、同時作業を行わず、灌注作業又は散布作業のいずれかの作業のみを行う場合は土中灌注用の薬液収容タンク(3)と表面散布用の薬液収容タンク(4)とを連通することによりタンク容量を増やした状態で各作業を継続できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 装置全体の斜視図である。
【図2】 装置全体の側面図である。
【図3】 制御系のブロック図である。
【符号の説明】
1 トラック
2 荷台
3 タンク
4 タンク
28 灌注機
30 散布機
33 ノズル
37a中央フレーム
38 側部フレーム

Claims (2)

  1. 移動車両の荷台(2)に土中灌注用の薬液を収容するタンク(3)と表面散布用の薬液を収容するタンク(4)とを設け、
    該移動車両の荷台(2)の後部に、前記土中灌注用薬液を収容するタンク(3)から高圧ポンプ(14)によって送り出された薬液を高圧状態で土中へ注入する灌注機(28)と、前記表面散布用薬液を収容タンク(4)から低圧ポンプ(15)によって送り出された薬液を地表面に向かって散布する散布機(30)とを設けるに、
    前記灌注機(28)は荷台(2)に昇降自在に設けられ前記薬液を土中に注入するノズル(33…)を備え、
    前記散布機(30)は該灌注機(28)の上方に配設される中央フレーム(37a)と、この中央フレーム(37a)の左右両側にあって上方へ開閉自在に設ける側部フレーム(38,38)とからなり、これら中央フレーム(37a)及び側部フレーム(38,38)に前記薬液を地表面に向かって散布する噴出部を設けたことを特徴とする灌注・散布作業車。
  2. 土中灌注用の薬液を収容するタンク(3)と表面散布用の薬液を収容するタンク(4)とを連通する連通パイプ(5)を設け、この連通パイプ(5)の途中に切替弁(7)を設けてなる請求項1に記載の灌注・散布作業車。
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