JP3736470B2 - 真空用筐体の製造方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、センサの真空パッケージの製造方法に関し、特に遠赤外線検出器のように断熱性を必要とし、且つ、耐熱性の低い部材を用いて構成するセンサの真空パッケージの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
内部を真空に保ち、電子機器等を収納する実装形態において、特開平10−148578号では、センサを固定し外部との接続端子を設けた下部ステムと、受光窓を備えたキャップとを合わせて周縁を気密封止してパッケージを形成する技術が開示されている。
【0003】
このような実装形態には、封止後に真空パッケージを構成する部材から発生されるガスを吸収するためのゲッタが、真空パッケージの内部に挿入されている。
【0004】
当該ゲッタを少量とするために、製造工程において、超高真空に到達した状態で当該真空パッケージの封止が行われ、また、内部の超高真空を維持するために、電力を供給するピン上に、活性化のためのヒータを内蔵したゲッタを固定し、当該ゲッタを真空排気時または真空封止後に加熱して活性化が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、真空パッケージの超高真空までの真空排気に多くの時間を必要とし、且つ、上述のヒータ内蔵型ゲッタが非常に高価である事が、真空実装のセンサのコストが上がる要因となっている。
【0006】
また、初期排気圧力と、センサの設計寿命とから決定されるゲッタの必要挿入量を、何ら障害なく真空パッケージ内に挿入するためには、設計、コスト、組立方法などの点において、多大な労力を必要とする。
【0007】
したがって、真空実装のセンサのコストダウンを図るためには、排気時間を短縮し、任意の量のゲッタを簡単な方法で挿入した真空パッケージを製造可能な工程が必要である。
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、排気時間の短縮及び任意の量のゲッタを真空容器内へ容易に封入する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明によれば、真空用筐体に設けられた開口部を介して、排気を行う排気工程と、前記開口部を封止するための封止栓に充填された非蒸発型ゲッタを活性化させるゲッタ活性化工程と、前記真空用筐体の前記開口部に前記封止栓を係合させて封止する封止工程と、を有する真空用筐体製造方法が提供される。
【0010】
真空用筐体製造方法において、排気工程で真空用筐体に具備された開口部を介して真空用筐体の排気を行い、ゲッタ活性化工程で真空用筐体の封止を行うための封止栓に充填された非蒸発型ゲッタの活性化を行い、封止工程で、真空用筐体の開口部に非蒸発型ゲッタが充填された封止栓を係合させて封止することにより、真空用筐体への非蒸発型ゲッタの挿入を容易に行うことが可能となる。
【0011】
(2)上記発明においては、特に限定されないが、前記排気工程において、前記真空用筐体に設けられた前記開口部を排気チャンバに接続し、前記排気チャンバが、前記真空用筐体の排気を行い、前記ゲッタ活性化工程において、前記排気チャンバの内部に設けられたゲッタ活性化装置が、前記真空用筐体の前記開口部を封止するための封止栓に充填された非蒸発型ゲッタを活性化させ、前記封止工程において、前記排気チャンバの内部に設けられた封止装置が、前記真空用筐体の前記開口部に前記封止栓を係合させて封止することがより好ましい。
【0012】
真空用筐体の製造方法の排気工程において、真空用筐体の開口部を排気チャンバに接続し、当該排気チャンバが、当該真空用筐体の内部を排気することにより、真空用筐体の内部が真空に達する。次に、ゲッタ活性化工程において、排気チャンバの内部に設けられたゲッタ活性化装置が、真空用筐体の開口部を封止するための封止栓に充填された非蒸発型ゲッタを加熱し、活性化させる。次に、封止工程において、排気チャンバの内部に設けられた封止装置が、当該封止栓を真空用筐体の開口部に挿入し、係合させて当該真空用筐体を封止することにより、真空用筐体の真空封止を短時間で行うことが可能となる。
【0013】
(3)上記発明においては、特に限定されないが、前記真空用筐体の前記開口部の中心の法線上に、前記封止栓の中心と、前記ゲッタ活性化装置の中心と、が配置され、前記封止工程において、前記封止装置が、前記封止栓を前記法線上に移動させて、前記真空用筐体の前記開口部を封止することがより好ましい。
【0014】
真空用筐体の開口部の中心の法線上に、封止栓の中心と、ゲッタ活性装置の中心とを配置し、封止工程において、封止装置による封止栓の動作を当該法線上のみの動作にすることにより、真空用筐体製造装置の簡略化することが可能となる。
【0015】
(4)上記発明においては、特に限定されないが、前記ゲッタ活性化工程後に、前記法線上に設けられた冷却装置により前記封止栓を冷却させる冷却工程を有し、前記封止工程において、前記封止装置が、前記冷却工程で冷却された前記封止栓を前記真空用筐体の前記開口部に係合させて封止することがより好ましい。
【0016】
真空用筐体製造装置の内部に冷却装置を設け、冷却工程において、当該冷却装置により、ゲッタ活性化工程において加熱された封止栓を冷却する。次に、封止工程において、当該冷却された封止栓を真空用筐体に挿入することにより、熱によるセンサの特性への影響を防止することが可能となる。
【0017】
(5)上記発明においては、特に限定されないが、前記ゲッタ活性化装置が、環状コイルを有し、前記ゲッタ活性化工程において、前記ゲッタ活性化装置が、直流電流、若しくは、低周波電流、或いは、高周波電流で前記環状コイルを加熱することにより、前記非蒸発型ゲッタを活性化させることがより好ましい。
【0018】
ゲッタ活性化装置に環状コイルを具備させ、ゲッタ活性化工程において、ゲッタ活性化装置が、直流電流、若しくは、低周波電流、或いは、高周波電流で当該環状コイルを加熱し、非蒸発型ゲッタを活性化することにより、封止栓の動作を真空用筐体の開口部の中心の法線上における直線動作とすることが可能となる。
【0019】
(6)上記発明においては、特に限定されないが、前記ゲッタ活性化装置が、前記環状コイルの周囲に設けられた熱反射板を有し、前記熱反射板の中心が、前記環状コイルの中心と一致しない位置にあり、且つ、前記熱反射板の焦点が、前記環状コイルの中心の法線上にあり、前記ゲッタ活性化工程において、前記ゲッタ活性化装置が、前記非蒸発型ゲッタを加熱し、活性化することがより好ましい。
【0020】
環状コイルの周囲に熱反射板を設け、当該熱反射板の中心が、環状コイルの中心と一致しない位置にあり、且つ、当該熱反射板の焦点が、環状コイルの中心の法線上とすることにより、ゲッタ活性化工程において、効率的に非蒸発型ゲッタを加熱することが可能となる。
【0021】
(7)上記発明においては、特に限定されないが、前記真空用筐体の開口部が、雌ねじ部を有し、前記封止栓が、雄ねじ部を有しており、前記封止工程において、前記雄ねじ部と、前記雌ねじ部とが係合することにより、前記真空用筐体の前記第1の開口部を封止することがより好ましい。
【0022】
真空用筐体の開口部が、雌ねじ部を有し、封止栓が雄ねじ部を有し、封止工程において、雌ねじ部と、雄ねじ部とが係合することにより、真空用筐体の開口部が封止されることにより、封止における適切な圧力を容易に印加することが可能となる。
【0023】
(8)上記発明においては、特に限定されないが、前記封止装置が、前記封止栓を保持するためのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、タングステンの内いずれか1種若しくは2種以上の合金或いは熱間金型用鋼で形成された治具を有し、前記ゲッタ活性化工程において、前記治具に保持された前記封止栓が加熱されることがより好ましい。
【0024】
封止装置が、封止栓を保持する治具を有し、当該治具をチタン、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、タングステンの内いずれか1種若しくは2種以上の合金或いは熱間金型用鋼で形成することにより、ゲッタ活性化工程における封止栓の加熱時に当該治具と、封止栓との溶着を防止することが可能となる。
【0025】
(9)上記発明においては、特に限定されないが、前記封止装置が、前記治具を支持する支持部を有しており、当該支持部が前記冷却装置に接触しており、前記冷却工程において、前記治具が、前記真空用筐体の前記開口部の中心の法線上に移動し、前記冷却装置の近傍に位置することがより好ましい。
【0026】
封止装置の治具の支持部と冷却装置とを接触させ、冷却工程において、当該治具が、真空用筐体の開口部の中心の法線上を移動し、当該治具を冷却装置の近傍に位置させ、封止栓の動作を当該法線上の直線動作にすることにより、真空用筐体製造装置の簡略化することが可能となる。
【0027】
(10)上記発明においては、前記封止工程において、前記封止栓の前記雄ねじ部が形成されてない領域が、前記雄ねじ部が形成された領域より薄い肉厚を有し、前記封止工程において、前記封止栓が、前記真空用筐体の前記開口部に係合し、封止することがより好ましい。
【0028】
封止工程において、雄ねじ部が形成された領域より、雄ねじ部が形成されていない領域の肉厚の方が薄く形成された封止栓により、真空用筐体の開口部を封止することにより、封止栓に充填可能な非蒸発型ゲッタの量を調整することが可能となる。
【0029】
(11)上記目的を達成するために、本発明によれば、真空用筐体に設けられた開口部と接続し、前記真空用筐体の排気を行う排気チャンバと、前記真空用筐体の前記開口部を封止する封止栓に充填された非蒸発型ゲッタの活性化を行うゲッタ活性化装置と、前記ゲッタ活性化装置により加熱された前記封止栓の冷却を行う冷却装置と、前記真空用筐体の前記開口部に前記封止栓を挿入し、前記真空用筐体を封止する封止装置と、を有する真空用筐体製造装置であって、前記ゲッタ活性化装置の中心と、前記封止栓の中心と、前記冷却装置とが、前記真空用筐体の前記開口部の中心の法線上に配置され、前記封止装置が、前記封止栓を前記法線上に移動させることによって前記真空用筐体の前記開口部を封止する真空用筐体製造装置が提供される。
【0030】
真空用筐体製造装置が、真空用筐体の開口部と接続し、当該真空用筐体の排気を行う排気チャンバと、当該真空用筐体の開口部を封止するための封止栓に充填された非蒸発型ゲッタの活性化を行うゲッタ活性化装置と、当該ゲッタ活性化装置により加熱された封止栓の冷却を行う冷却装置と、当該冷却された封止栓により真空用筐体の開口部を封止する封止装置とを有し、ゲッタ活性化装置の中心と、封止栓の中心と、冷却装置とが、真空用筐体の開口部の中心の法線上に配置され、封止栓を当該法線上を移動させ、真空用筐体の開口部の封止を行うことにより、短時間で真空用筐体の真空封止を行うことが可能となると共に、当該製造装置の構造の簡略化及び設備コストの低減を図ることが可能となる。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、真空用筐体の内部にゲッタを活性化するための加熱機構を具備させる必要がなくなり、また、真空用筐体への安価なゲッタの容易な挿入が可能となり、安価な真空用筐体を提供することが可能となる。また、初期排気圧力と、センサの設計寿命とから決定されるゲッタの必要挿入量に対して、封止栓の形状、或いは、構造で対応することにより、任意の量のゲッタを真空用筐体に封入することが可能となり、設計、コスト、組立方法などの点において、多大な労力を費やす必要がなくなる。
【0032】
請求項2記載の発明によれば、排気チャンバの内部に具備されたゲッタ活性化装置により、ゲッタの活性化を行い、排気チャンバの内部に具備された封止装置により真空用筐体の封止を行うことにより、短時間で真空用筐体の真空封止を行うことが可能になる。
【0033】
請求項3記載の発明によれば、封止栓に充填されたゲッタの活性化と、当該封止栓による真空用筐体の封止と、を同軸上で行うことにより、真空用筐体製造装置の構造の簡略化及び設備コストの低減を図ることが可能となる。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、封止栓を冷却することにより、ゲッタ活性化工程において加熱された封止栓の熱が、真空用筐体に熱伝導することがなく、真空用筐体に実装されたセンサの特性の変化を防止する。また、真空用筐体の封止後における当該封止栓の加熱後の冷却収縮によるエアリークが発生せず、真空用筐体の内部の真空を維持することが可能となる。
【0035】
請求項5記載の発明によれば、ゲッタ活性化装置を環状コイルとすることにより、真空用筐体の開口部の中心の法線上での封止栓の動作を妨げることなく、直線動作とすることが可能となるので、真空用筐体製造装置を簡略化することが出来、設備コストの低減を図ることが可能となる。
【0036】
請求項6記載の発明によれば、環状コイルのみによるゲッタの加熱の場合と比較して、効果的に加熱することが可能となり、且つ、熱反射板の後方の温度上昇を防止し、真空用筐体に実装されたセンサの特性の変化を防止する。
【0037】
請求項7記載の発明によれば、真空用筐体の開口部への封止栓による封止において、適切な圧力を容易に印加することが可能となる。
【0038】
請求項8記載の発明によれば、ゲッタ活性化工程における加熱において、封止栓を保持する封止装置の治具が、封止栓と溶着するのを防止することが可能となる。
【0039】
請求項9記載の発明によれば、封止栓の動作を当該法線上の直線動作にすることにより、真空用筐体製造装置の構造の簡略化及び設備コストの低減を図ることが可能となる。また、ゲッタ活性化工程において加熱された封止栓の熱が、真空用筐体に伝わることがないので、真空用筐体に実装されたセンサの特性の変化を防止する。
【0040】
請求項10記載の発明によれば、封止栓内部の容積を増加させることにより、ゲッタの充填量を増加させることが可能となり、真空用筐体への必要挿入量に容易に対応することが可能となる。
【0041】
請求項11記載の発明によれば、短時間で真空用筐体の真空封止を行うことが可能となると共に、真空用筐体製造装置の内部における封止栓の動作を1軸上の運動に限定することにより、当該製造装置の構造の簡略化及び設備コストの低減を図ることが可能となる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0043】
[第1実施形態]図1から図8は、本発明の第1実施形態における図である。
【0044】
図1は、赤外線センサ6の真空用筐体である真空パッケージ1の製造のための真空封止装置100の断面図及び真空封止の第1工程である排気工程を示す図である。図2は、真空パッケージ1の断面図である。図3及び図4は、封止栓であるプラグ21の断面図を示す図である。なお、図3は非蒸発型のピル状ゲッタ22aを充填した場合のプラグ21を示し、図4はペースト状若しくは粉体ゲッタ22bを充填した場合のプラグ21を示す。図5は、ゲッタ22を活性化するためのゲッタ活性化装置30の環状コイル31及び環状反射鏡32の配置を示す図である。
【0045】
図1に示すように、本発明の第1実施形態における真空封止装置100は、排気装置10と、封止装置20と、ゲッタ活性化装置30と、冷却装置40とから構成され、排気装置10の上部に真空用筐体である真空パッケージ1が装着されている。
【0046】
図2に示すように、当該真空パッケージ1は、上部に受光部となる赤外線透過窓2がキャップ3に支持されており、当該赤外線透過窓2とキャップ3とは、気密接着されている。さらに、当該キャップ3は、ステム4に支持されており、キャップ3と、ステム4との間の接合部9は、気密溶接されている。
【0047】
そして、赤外線透過窓2と対向するステム4上の中央部には、赤外線センサ6が実装されている。また、当該赤外線センサ6の周囲のステム4には、周囲から絶縁され、真空パッケージ1の外部との電気的接続用の貫通端子5が設けられている。さらに、当該赤外線センサ6と、貫通端子5との間には、ボンディングワイヤ7が具備されており、当該ボンディングワイヤ7を介して、赤外線センサ6と、貫通端子5とが電気的に接続されている。
【0048】
ステム4には、図2に示すように、排気装置10による排気のための第1の開口部8が具備されており、後述するように、当該第1の開口部8より排気が行われ、プラグ21により封止が行われる。
【0049】
排気装置10は、赤外線センサ6を実装した真空パッケージ1の内部に存在するガスの排気を行い、当該真空パッケージ1の内部を真空にするための手段である。当該排気装置10には、図1に示すように、排気チャンバ11の上部に装着された真空パッケージ1の第1の開口部8から排気可能なように、当該真空パッケージ1の外寸より小さな第2の開口部12が設けられている。そして、真空パッケージ1と当該排気チャンバ11との装着部の気密性を高めるために、当該第2の開口部12の周囲には、真空用O−リング13が具備されている。当該排気装置10による真空パッケージ1の内部のガスの排気は、排気チャンバ11の下部に設けられた排気配管14を介して真空ポンプ(不図示)によって行われる。
【0050】
封止装置20は、ゲッタ22を真空パッケージ1の内部に挿入し、当該真空パッケージ1を封止するための手段であり、封止栓であるプラグ21を移動させるための、プラグ保持治具27と、ロッド28とから構成されている。
【0051】
図3に示すように、プラグ21は、金属製で中空の概略円錐形状を有しており、その頂点部は、第3の開口部24となっており、他端が閉じた形状である。そして、その内部には、成形された非蒸発型のピル状ゲッタ22aが充填されている。
【0052】
当該プラグ21の外側側面部には、真空パッケージ1に具備された第1の開口部8の直径と実質的に同一径を有する同径部25が具備されている。さらに、当該同径部25及びその近傍の領域である同径部近傍領域23は、真空パッケージ1の第1の開口部8の外側縁8aとの気密性を高めるために、鏡面仕上げ、若しくは、円周方向への切削仕上げがなされている。
【0053】
なお、プラグ21に充填されるゲッタ22は、上記ピル状ゲッタ22aに限定されず、図4に示すように、プラグ21に成形焼結前のペースト状若しくは粉体ゲッタ22bを充填してもよく、或いは、さらにこれを成形焼結させたゲッタでもよい。図4に示すプラグ21の形状は、図3の場合と同様に、金属製で中空の概略円錐形状を有しており、その頂点部は、第3の開口部24となっており、他端が閉じた形状である。そして、その外側側面部に同径部25が具備されており、当該同径部25及びその近傍領域23は、鏡面仕上げ、若しくは、円周方向への切削仕上げがなされている。
【0054】
図5に示すように、プラグ保持治具27及びロッド28は、プラグ21を真空パッケージ1の第1の開口部8の中心の法線26上に直動運動及び当該法線26を中心に回転運動させる手段である。図1に示すように、プラグ保持治具27は、プラグ21を当該プラグ21の底面部で保持しており、当該プラグ保持治具27は、ロッド28の先端部に固定されている。当該ロッド28は、排気チャンバ11の外部から駆動されており、真空パッケージ1の第1の開口部8の中心の法線26上で直線運動可能であり、また、法線26を中心に回転運動可能となっており、後述するゲッタ活性化装置30及び冷却装置40へのプラグ21の移動と、真空パッケージ1の第1の開口部8へのプラグ21の挿入及び係合とを可能としている。当該ロッド26の排気チャンバ11における外部への貫通箇所には、気密性への影響が生じないように、真空シール29が設けられいる。
【0055】
以上のように、プラグ21の移動を、真空パッケージ1の第1の開口部8の中心の法線26上の直線運動及び回転運動のみとすることにより、真空封止装置100の構造の簡略化及び設備コストの低減を図ることが可能となる。
【0056】
ゲッタ活性化装置30は、プラグ21の内部のゲッタ22を加熱して、活性化させるための手段であり、環状コイル31と、環状反射鏡32とから構成されている。図1に示すように、環状コイル31は、上述のプラグ21の移動及び回転の軸である法線26を中心とするように設けられており、当該環状コイル31の内径は、プラグ21が通り抜けて法線26上を直動運動可能な大きさとなっている。当該環状コイル31は、排気チャンバ11の外部からの供給される直流電流、若しくは、低周波電流、或いは高周波電流により加熱される。
【0057】
環状反射鏡32は、図5に示すように、その内面に凹面反射鏡が具備されており、当該環状反射鏡32の中心Rが、環状コイル31の周囲を囲むように設けられており、環状コイル31の中心Cと一致しない位置にあり、且つ、当該環状反射鏡32の焦点が、環状コイル31の中心Cの法線26上になるように設けられている。なお、図5の場合は、環状反射鏡32の焦点と、環状コイル31の中心Cとが一致している。
【0058】
以上のように、ゲッタ活性化装置30として、環状コイル31を設けることにより、法線26上におけるプラグ21の動作を妨げずに、当該プラグ21の動作を法線26上のみの運動に限定することにより、真空封止装置100を簡略化が可能となり、設備コストの低減を図ることが可能となる。また、環状反射鏡32を設けることにより、環状コイル31のみによる加熱の場合と比較して、プラグ21に充填されたゲッタ22を効果的に加熱することが可能となり、且つ、当該熱反射鏡32の後方の温度上昇を防止し、真空パッケージ1に実装された赤外線センサ6の特性を変化させることがなくなる。
【0059】
冷却装置40は、上記環状コイル31により加熱されたプラグ21を冷却し、また、ロッド28から真空シール29への熱伝導を防止するための手段であり、冷却器41と、冷媒配管42とから構成されている。冷却器41は、図1に示すように、排気チャンバ11の内部における下方に設けられている。そして、当該冷却器41は、封止装置20のロッド28の円周に接触して囲むような形状であり、法線26上に位置するロッド28は、当該冷却器41を貫通している。当該冷却器41には、排気チャンバ11の外部から冷却配管42を介して冷却媒体が供給される。
【0060】
当該冷却装置40の冷却器41を、真空パッケージ1の第1の開口部8の中心の法線26上のプラグ21と真空用シール29との間に配置することにより、プラグ21の動作を法線26上のみとし、真空封止装置100の構造の簡略化及び設備コストの低減を図ることが可能となる。また、プラグ21と、真空シール29との間のロッド28を当該冷却器41に常時接触させることにより、プラグ21の加熱時におけるロッド28の熱伝導による真空用シール29の劣化を防止することが可能となる。
【0061】
次に、作用について説明する。
【0062】
図1は、真空封止における第1工程を示す図であり、図6は第2工程を、図7は第3工程を、図8は、第4工程を示す図である。以下にこれらの図に基づいて順に各工程について説明する。
【0063】
図1に示すように、第1工程である排気工程においては、排気装置10の排気チャンバ11の上部にある第2の開口部12に、その周囲に配置された真空用O−リング13を介して、赤外線センサ6を実装した真空パッケージ1を装着する。次に、真空ポンプを作動させ、排気チャンバ11の下部に設けられた排気配管14を介してガスの排気が行われ、真空パッケージ1内のガスも第1の開口穴8から排気され真空状態となっていく。
【0064】
次に、第2工程であるゲッタ活性化工程において、図6に示すように、上記の排気装置10によるガスの排気を続け、排気チャンバ11の内部が、1×10−3[Pa]程度以下となったら、環状コイル31の中心Cにプラグ21が位置するように、プラグ保持治具27を支持するロッド28を鉛直方向に移動させる。図3に示すようなプラグ21の内部に既に焼結された非蒸発型のピル状ゲッタ22a(例えば、サエスゲッタース(SAES Getters)社製ST070型)が充填されている場合には、環状コイル31に通電してプラグ21の温度が約450℃となるまで加熱して昇温し、この状態で約10分間加熱する。
【0065】
なお、プラグ保持治具27は、当該環状コイル31による加熱において強度が変化しない熱間金型用鋼(例えば、JIS G4404のSKD4〜8、61、62、SKT3、4等)やチタン、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、タングステンなどを用いて製作し、窒化処理を行うことによって、当該プラグ保持治具27の強度が低下させず、且つ、プラグ21の底面部が、プラグ保持治具27に溶着するのを防止することが可能となる。
【0066】
なお、図4に示すように、プラグ21内にペースト状ゲッタ22bを充填した場合は、バインダーの蒸発に必要な温度まで昇温して、さらに活性化温度に達するまで昇温する。ペースト状ゲッタ22bの場合、当該ペースト状ゲッタ22bの焼結作業と、活性化作業とが連続して実施できるので、ゲッタの製作コストの低減が可能となる。
【0067】
真空パッケージ1の第1の開口部8に、プラグ21を挿入する際に、プラグ21が高温のままでは、挿入後のプラグ21の冷却により収縮が生じ、第1の開口部8の外側縁8aと、当該プラグ21との間に隙間が生じ、エアリークにより真空パッケージ1の気密性が維持されないため、プラグ21の冷却を行う必要がある。
【0068】
そのために、次に、第3工程である冷却工程において、図7に示すように、プラグ保持治具27を支持するロッド28を法線26上の下方(図7において、矢印の方向)に移動させ、冷却器41の近傍にプラグ保持治具27を位置させ、プラグ21の冷却を行う。
【0069】
以上のように、冷却工程において、プラグ21を保持するプラグ保持治具27を当該冷却器41の近傍に移動させることにより、プラグ21の冷却速度を速めることが可能となる。
【0070】
次に、第4工程である封止工程において、図8に示すように、ロッド28を法線26を中心に回転させながら上昇(図8において、矢印の方向)させて真空パッケージ1の第1の開口部8に、収縮しない程度に冷却されたプラグ21を挿入し、係合させる。
【0071】
この際、上述のプラグ21の同径部25の近傍領域23と同様に、真空パッケージ1の第1の開口部8の側面部にも鏡面仕上げ、若しくは、円周方向の切削仕上げを行うことにより、真空パッケージ1の気密性を高めることが可能となる。プラグ21の挿入、係合時において、鏡面仕上げ、若しくは円周方向の切削仕上げが行われているプラグ21の同径部25と、真空パッケージ1の第1の開口部8の外側縁8aとが密着し、塑性変形することにより、効果的に真空封止される。
【0072】
以上のような真空パッケージの製造方法により、簡単な排気設備で、真空パッケージの真空封止を短時間で効率よく行うことが可能となり、真空封止に必要とされるコストを削減することが可能となる。また、真空封止装置内部におけるプラグの動作を真空パッケージの第1の開口部の法線上の直動動作及び回転動作とすることにより、真空封止装置の構造及び動作が単純となり、設備コストが大幅に低減され、実質的に調整が不要となり、メンテナンスが容易になる。
【0073】
さらに、ゲッタを活性化するための加熱機構を真空パッケージに内蔵させる必要がなくなり、また、真空パッケージへのゲッタの容易な挿入が可能となるため、安価な真空パッケージを提供することが可能となる。
【0074】
第1実施形態の真空パッケージの真空封止においては、真空パッケージの第1の開口部にプラグを挿入し、押圧する方法について説明したが、以下に、第2実施形態として、真空パッケージの第1の開口部の側面部及びプラグの側面部にねじ部を設け、ねじ込みにより加圧を行い、真空封止する方法について説明する。
【0075】
[第2実施形態]真空パッケージ1の第1の開口部8及びプラグ21以外の真空封止装置100及び真空パッケージ1の構造は、上記の第1実施形態と同様の構造である。
【0076】
図9は、第2実施形態における真空パッケージ1を示している。当該真空パッケージ1は、第1の開口部8以外は、第1実施形態と同様の構造である。第1の開口部8の側面部には、後述のプラグ21に形成された第1の雄ねじ部52と係合する第1の雌ねじ部51が形成されている。
【0077】
図10は、第2実施形態におけるプラグ21を示す図である。図10に示すように、当該プラグ21は、中空の形状であり、一端が第3の開口部24となっており、他端が閉じた形状である。その内部にはペースト状或いは粉体ゲッタ22bが充填されている。そして、当該プラグ21の側面部の一部には、上記真空パッケージ1の第1の開口部8の側面部に形成された第1の雌ねじ部51に係合するための、第1の雄ねじ部52が形成されている。当該第1の雄ねじ部52より下部には、真空パッケージ1の第1の開口部8の直径と同一径の同径部25と、当該同径部25の近傍の領域である同径部近傍領域23と、を有する頂点の無い概略円錐の形状が具備されており、当該同径部25及び同径部近傍領域23は、第1の開口部8の外側縁8aとの気密性を高めるために、鏡面仕上げ、若しくは、円周方向の切削仕上げがなされている。
【0078】
当該真空パッケージ1の真空封止の方法においては、第1実施形態と同様に、第1工程において、排気装置10の排気チャンバ11の上部に設けられた第2の開口部12に真空パッケージ1を装着し、真空ポンプを作動させ、排気を開始する。
【0079】
排気により排気チャンバ11の内部が1×10−3[Pa]程度以下の圧力に達したら、次に、第2工程として、ロッド28を移動させ、プラグ21を環状コイル31の中心に位置するように移動させ、加熱を行い、ペースト状ゲッタ22bを焼結させ、活性化させる。
【0080】
次に、第3工程においては、ロッド28を法線26上を下向きに移動させ、活性化したペースト状ゲッタ22bを有するプラグ21を冷却器41の近傍に位置させ、冷却を行う。
【0081】
次に、第4工程においては、ロッド28を法線26上に回転させながら上昇させ、真空パッケージ1のステム4に具備された第1の開口部8に挿入する。プラグ21の側面部に形成された第1の雄ねじ部52が、第1の開口部8の側面部に形成されている第1の雌ねじ部51に当接するまで挿入し、当接後、ロッド28の回転により、第1の開口部8の第1の雌ねじ部51と、プラグ21の第1の雄ねじ部52とが螺合する。当該回転は、図10に示すプラグ21の同径部25が、ステム4に密着し、当該同径部25と、第1の開口部8の外側縁8aとが塑性変形するまで行われる。真空パッケージ1へのプラグ21の封止をねじ込みとすることにより、効率的に圧力の印加を行え、第1の開口部8の外側縁8aと、同径部25との接触面における塑性変形量が増し、真空パッケージ1の気密性が飛躍的に向上する。
【0082】
なお、プラグ21内部には、非蒸発型のピル状ゲッタ22aが充填されていてもよい。
【0083】
上記第1実施形態及び第2実施形態においては、プラグ21の内部に充填可能なゲッタの量が限定されているため、初期排気圧力とセンサの設計寿命から決定されるゲッタの必要挿入量が多い場合、当該挿入量を十分に充填出来ない場合がある。以下に、第3実施形態として、ゲッタの必要挿入量が多い場合に対応するためのプラグ21の構造について説明する。
【0084】
[第3実施形態]第3実施形態における封止装置20のプラグ21以外の真空封止装置100及び真空パッケージ1の構造は、上記の第2実施形態と同様の構造である。
【0085】
図11は、第3実施形態におけるプラグ21を示す図である。当該プラグ21は、第2実施形態と同様に、中空の形状であり、一端が第3の開口部24となっており、他端が閉じた形状である。その内部にはペースト状或いは粉体ゲッタ22bが充填されている。そして、当該プラグ21の側面部の一部には、上記真空パッケージ1の第1の開口部8の側面部に形成された第1の雌ねじ部51に係合するための、第1の雄ねじ部52が形成されている。当該第1の雄ねじ部52より下部には、真空パッケージ1の第1の開口部8の直径と同一径の同径部25と、当該同径部25の近傍の領域である同径部近傍領域23と、を有する概略円錐の形状が具備されており、当該同径部25及び同径部近傍領域23は、第1の開口部8の外側縁8aとの気密性を高めるために、鏡面仕上げ、若しくは、円周方向の切削仕上げがなされている。
【0086】
そして、充填されるペースト状或いは粉体ゲッタ22bの充填可能量を増加させるために、当該プラグ21の側面部の第1の雄ねじ部52より上部の雄ねじが形成されていない領域であるねじ非形成領域53の内側の肉厚を薄くし、中空部分の容積を増加している。
【0087】
なお、プラグ21の第1の雄ねじ部52の肉厚を変更せずに、ねじ非形成領域53のみの肉厚を変更しているので、封止工程の第1の開口部8の第1の雌ねじ部51と、プラグ21の第1の雄ねじ部52との係合において、機械的強度に問題はない。
【0088】
ゲッタの充填可能量を増加させるプラグ21の他の構造を図12に示す。図12に示すように、当該プラグ21は、中空の形状であり、一端が第3の開口部24となっており、他端の開口部に概略円柱形状のキャップ54が具備されている。当該キャップ54内部にプラグ21の中空の領域が拡大され、ゲッタの充填量を増加することが可能となっている。そして、プラグ21とキャップ54とは、溶接面55でシールがなされており、当該キャップ54の長さを変えることによりゲッタ22bの必要挿入量に対応することが可能となっている。
【0089】
当該プラグ21の側面部には、真空パッケージ1の第1の開口部8の側面部に形成された第1の雌ねじ部51と係合可能な第1の雄ねじ部52が形成されている。当該第1の雄ねじ部52の下部には、真空パッケージ1の第1の開口部8の直径と同一径の同径部25と、当該同径部25の近傍の領域である同径部近傍領域23と、を有する概略円錐の形状が具備されており、当該同径部25及び同径部近傍領域23は、第1の開口部8の外側縁8aとの気密性を高めるために、鏡面仕上げ、若しくは、円周方向の切削仕上げがなされている。この形状は、特にペースト状或いは粉体ゲッタ22bに適している。
【0090】
ゲッタの充填可能量を増加させるプラグ21のさらに他の構造を図13に示す。図13に示すように、当該プラグ21は、中空の形状であり、一端が第3の開口部24となっており、他端の開口部の外側側面部に第2の雄ねじ部56が形成されている。また、キャップ54の内側には、当該第2の雄ねじ部56と係合するための第2の雌ねじ部57が形成されており、当該プラグ21の雄ねじ部56と、キャップ54の雌ねじ部57とが係合することにより、ゲッタの充填される空間が形成される。
【0091】
さらに、図12の場合と同様に、プラグ21の上部の側面部には、真空パッケージ1の第1の開口部8の側面部に形成された第1の雌ねじ部51と係合可能な第1の雄ねじ部52が形成されている。当該第1の雄ねじ部52の下部には、真空パッケージ1の第1の開口部8の直径と同一径の同径部25と、当該同径部25の近傍の領域である同径部近傍領域23と、を有する概略円錐の形状が具備されており、当該同径部25及び同径部近傍領域23は、第1の開口部8の外側縁8aとの気密性を高めるために、鏡面仕上げ、若しくは、円周方向の切削仕上げがなされている。
【0092】
当該プラグ21と、キャップ54とから形成される内部空間に非蒸発型のピル状ゲッタ22aを充填後、ゲッタ活性化工程でプラグ21を加熱し、封止工程において、当該プラグ21の真空パッケージ1の第1の開口部8へのねじ込み封止と同時に、当該プラグ21とキャップ54とのねじ込みも同時に可能となる。この形状は、特に、プラグ21の上部の第3の開口部24から充填出来ないピル状ゲッタ22aに適している。
【0093】
当該真空パッケージ1の真空封止の方法においては、第2実施形態と同様に、第1工程において、真空封止装置100の上部に設けられた第2の開口部12に真空パッケージ1を装着し、真空ポンプを作動させ、ガスの排気を開始する。
【0094】
当該排気により排気チャンバ11の内部が、1×10−3[Pa]程度以下の圧力に達したら、次に、第2工程として、プラグ保持治具を支持するロッド28を移動させ、プラグ21を環状コイル31の中心に位置させ、加熱を行い、ゲッタ22を活性化させる。なお、図11、図12に示すように、ペースト状ゲッタ22bが充填されている場合は、加熱し、焼結させ、活性化させる。
【0095】
次に、第3工程においては、ロッド28を鉛直下向きに移動させ、活性化したゲッタ22を有するプラグ21を冷却器41の近傍に位置させ、冷却を行う。
【0096】
次に、第4工程においては、ロッド28を回転させながら鉛直上向きに上昇させ、冷却されたプラグ21を真空パッケージ1のステム4に具備された第1の開口部8に挿入する。プラグ21の側面部に形成された第1の雄ねじ部52が、第1の開口部8の側面部に形成されている第1の雌ねじ部51に当接するまで挿入し、当接後、ロッド28の回転により、第1の開口部8の第1の雌ねじ部51と、プラグ21の第1の雄ねじ部52とが螺合する。
【0097】
なお、プラグ21の形状が図13に示すような場合は、当該第1の雌ねじ部51と、第1の雄ねじ部52との螺合と同時に、第2の雄ねじ部56と、第2の雄ねじ部57との螺合が行われる。
【0098】
当該回転は、当該回転は、図11、図12、図13に示すプラグ21の同径部25が、ステム4に密着し、当該同径部25と、第1の開口部8の外側縁8aとが塑性変形するまで行われる。
【0099】
以上のように、真空パッケージ1へのゲッタ22a、22bの必要挿入量に対応して、プラグ21の形状或いは構造で対応することにより、任意の量のゲッタ22a、22bを容易に真空パッケージ1に封入することが可能となる。
【0100】
なお、以上の説明で使用した全ての図は、本発明における構成要素の構造及び工程の説明を容易にするために、便宜上簡略化されており、厳密な寸法等を記載したものではない。
【0101】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における真空封止装置の断面図及び真空封止の第1工程を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態における真空パッケージの断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるプラグの断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態における他のプラグの断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態における環状コイル及び熱反射鏡の配置を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態における真空封止の第2工程を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態における真空封止の第3工程を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態における真空封止の第4工程を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態における真空パッケージの断面図である。
【図10】本発明の第2実施形態におけるプラグの断面図である。
【図11】本発明の第3実施形態におけるプラグの断面図である。
【図12】本発明の第3実施形態における他のプラグの断面図である。
【図13】本発明の第3実施形態におけるさらに他のプラグの断面図である。
【符号の説明】
1…真空パッケージ
2…赤外線透過窓
3…キャップ
4…ステム
5…貫通端子
6…赤外線センサ
7…ボンディングワイヤ
8…第1の開口部
8a…第1の開口部の外側縁
9…接合部
10…排気装置
11…排気チャンバ
12…第2の開口部
13…真空用O−リング
14…排気用配管
20…封止装置
21…プラグ
22…ゲッタ
22a…ピル状ゲッタ
22b…ペースト状或いは粉体ゲッタ
23…同径部近傍領域
24…第3の開口部
25…第1の開口部と同径部
26…法線
27…プラグ保持治具
28…ロッド
29…真空シール
30…ゲッタ活性化装置
31…環状コイル
32…環状反射鏡
40…冷却装置
41…冷却器
42…冷媒配管
51…第1の雌ねじ部
52…第1の雄ねじ部
53…ねじ非形成領域
54…キャップ
55…溶接面
56…第2の雄ねじ部
57…第2の雌ねじ部
100…真空封止装置
C…環状コイルの中心
R…環状反射鏡の中心

Claims (11)

  1. 真空用筐体に設けられた開口部を介して、排気を行う排気工程と、
    前記開口部を封止するための封止栓に充填された非蒸発型ゲッタを活性化させるゲッタ活性化工程と、
    前記真空用筐体の前記開口部に前記封止栓を係合させて封止する封止工程と、を有する真空用筐体製造方法。
  2. 前記排気工程において、前記真空用筐体に設けられた前記開口部を排気チャンバに接続し、前記排気チャンバが、前記真空用筐体の排気を行い、
    前記ゲッタ活性化工程において、前記排気チャンバの内部に設けられたゲッタ活性化装置が、前記真空用筐体の前記開口部を封止するための封止栓に充填された非蒸発型ゲッタを活性化させ、
    前記封止工程において、前記排気チャンバの内部に設けられた封止装置が、前記真空用筐体の前記開口部に前記封止栓を係合させて封止する請求項1記載の真空用筐体製造方法。
  3. 前記真空用筐体の前記開口部の中心の法線上に、前記封止栓の中心と、前記ゲッタ活性化装置の中心と、が配置され、
    前記封止工程において、前記封止装置が、前記封止栓を前記法線上に移動させて、前記真空用筐体の前記開口部を封止する請求項2記載の真空用筐体製造方法。
  4. 前記ゲッタ活性化工程後に、前記法線上に設けられた冷却装置により前記封止栓を冷却させる冷却工程を有し、
    前記封止工程において、前記封止装置が、前記冷却工程で冷却された前記封止栓を前記真空用筐体の前記開口部に係合させて封止する請求項3記載の真空用筐体製造方法。
  5. 前記ゲッタ活性化装置が、環状コイルを有し、
    前記ゲッタ活性化工程において、前記ゲッタ活性化装置が、直流電流、若しくは、低周波電流、或いは、高周波電流で前記環状コイルを加熱することにより、前記非蒸発型ゲッタを活性化させる請求項2から4の何れかに記載の真空用筐体製造方法。
  6. 前記ゲッタ活性化装置が、前記環状コイルの周囲に設けられた熱反射板を有し、
    前記熱反射板の中心が、前記環状コイルの中心と一致しない位置にあり、且つ、前記熱反射板の焦点が、前記環状コイルの中心の法線上にあり、
    前記ゲッタ活性化工程において、前記ゲッタ活性化装置が、前記非蒸発型ゲッタを加熱し、活性化する請求項5記載の真空用筐体製造方法。
  7. 前記真空用筐体の開口部が、雌ねじ部を有し、
    前記封止栓が、雄ねじ部を有しており、
    前記封止工程において、前記雄ねじ部と、前記雌ねじ部とが係合することにより、前記真空用筐体の前記第1の開口部を封止する請求項1から6の何れかに記載の真空用筐体製造方法。
  8. 前記封止装置が、前記封止栓を保持するためのチタン、ジルコニウム、ハフニウム、モリブデン、タングステンの内いずれか1種若しくは2種以上の合金或いは熱間金型用鋼で形成された治具を有し、
    前記ゲッタ活性化工程において、前記治具に保持された前記封止栓が加熱される請求項2から7のいずれかに記載の真空用筐体製造方法。
  9. 前記封止装置が、前記治具を支持する支持部を有しており、
    当該支持部が前記冷却装置に接触しており、
    前記冷却工程において、前記治具が、前記真空用筐体の前記開口部の中心の法線上に移動し、前記冷却装置の近傍に位置する請求項8記載の真空用筐体製造方法。
  10. 前記封止栓の前記雄ねじ部が形成されてない領域が、前記雄ねじ部が形成された領域より薄い肉厚を有し、
    前記封止工程において、前記封止栓が、前記真空用筐体の前記開口部に係合し、封止する請求項7から9の何れかに記載の真空用筐体製造方法。
  11. 真空用筐体に設けられた開口部と接続し、前記真空用筐体の排気を行う排気チャンバと、
    前記真空用筐体の前記開口部を封止する封止栓に充填された非蒸発型ゲッタの活性化を行うゲッタ活性化装置と、
    前記ゲッタ活性化装置により加熱された前記封止栓の冷却を行う冷却装置と、
    前記真空用筐体の前記開口部に前記封止栓を挿入し、前記真空用筐体を封止する封止装置と、を有する真空用筐体製造装置であって、
    前記ゲッタ活性化装置の中心と、前記封止栓の中心と、前記冷却装置とが、前記真空用筐体の前記開口部の中心の法線上に配置され、
    前記封止装置が、前記封止栓を前記法線上に移動させることによって前記真空用筐体の前記開口部を封止する真空用筐体製造装置。
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