JP3736076B2 - 液晶装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内面上に電極を備えた2枚の基板の間に液晶層を挟持した構造の各種の液晶装置が製造されている。これらの中には、液晶層の裏面側に反射層を形成した反射型の液晶装置があり、この反射型の液晶装置にも、カラーフィルタを備えたカラー液晶装置が形成される場合がある。
【0003】
図10には、従来の反射型のカラー液晶装置の構造例を模式的に示す。ガラスなどで構成される表面側基板10の内面上には予め設定された画素領域毎に形成され、所定の配列順に各色配列されたいずれかの色調を備えた着色層R,G,Bと、これらの着色層R,G,Bを覆う透明な保護膜Tとからなるカラーフィルタ11が形成される。このカラーフィルタ11の表面上にはITO(インジウムスズ酸化物)などの透明導電性材料からなる透明電極12が上記着色層R,G,Bのいずれかに合わせて形成されている。透明電極12の表面上にはポリイミドやポリビニルアルコールなどからなる配向膜13が塗布、焼成などの工程を経て成膜され、その表面に公知のラビング処理が施される。
【0004】
一方、裏面側基板20の内面上には反射層と画素電極とを兼ねた反射電極21がAlやCrなどの金属により形成される。また、この裏面側基板20の内面上には図示しない配線層と反射電極21との間に接続されたMOSFETやTFT(薄膜トランジスタ)などのトランジスタ素子、MIM(金属−絶縁体−金属)素子に代表されるTFD(薄膜ダイオード)などのダイオード素子などからなる公知のスイッチング素子22が形成される。
【0005】
上述の表面側基板10と裏面側基板20とは図示しないシール材を介して張り合わされ、表面側基板10と裏面側基板20との間に液晶が注入される。この従来例では表面側基板10と裏面側基板20との間に高分子分散型の液晶層30を設けている。この高分子分散型の液晶層30は、屈折率異方性及び誘電異方性を備えた液晶と高分子とが分散混合してなる液晶層のうちの一形態であり、液晶層30の中には液晶分子31と高分子粒子32とが分散混合されている。図10はこの液晶層30を模式的に描いたものであり、たとえば、液晶中に高分子粒子が図示のように離散的に分散されている場合もあり、或いは高分子粒子が相互に接近してブドウの房状に配置されている場合もある。
【0006】
この液晶装置の製造工程においては、表面側基板10と裏面側基板20との間隙は通常数μm程度であり、この間隙内に所定の液晶と、光重合性を備えた高分子前駆体(モノマー、プレポリマーなど。)との相溶した溶液が注入され、その後、表面側基板10の側から液晶セルに紫外線を照射し、上記溶液中の高分子前駆体を光重合させ高分子粒子を析出させて上記の液晶層30を形成する。
【0007】
液晶層30中の液晶分子31と高分子粒子32は、電界無印加状態においては図10に示すように配向膜13,23に施されたラビング方向(水平方向)に沿ってそれぞれ配向されている。透明電極12と反射電極21との間に所定の閾値を越える電圧を印加すると、誘電異方性を有する液晶分子31は電界方向(垂直方向)に配向され、姿勢を変える。この結果、屈折率異方性を備えた液晶分子31の外部から見た屈折率は変わるため、高分子粒子32とほぼ同方向に液晶分子31が配向されていた電界無印加状態に対して、液晶分子31と高分子粒子32との光屈折率の差も変化する。
【0008】
上記液晶層30において、たとえば、電界無印加状態において液晶分子31と高分子粒子32との屈折率の差がほぼ0であるとすると、液晶層30はほぼ透明状態になるため、セルに入射した光は液晶層30を透過して反射電極21にて反射され、そのまま再び外部へと放出される。逆に電界印加状態においては液晶分子31の屈折率が変わることにより高分子粒子32との屈折率に差が生ずるので、液晶層30は白濁状態になり、セルに入射した光は液晶層30にて散乱される。もちろん、電界無印加状態で液晶層を散乱状態に、電界印加状態で液晶層を透過状態にすることも可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の高分子分散型の液晶装置の製造工程においては、表面側基板10の内面上にカラーフィルタ11が形成されていることから、液晶セルに紫外線を照射した場合、紫外線はカラーフィルタ11の各着色層R,G,Bを透過して溶液に照射される。この場合、着色層R,G,Bの紫外線に対する透過率は一般的に異なるので、各画素領域の着色層R,G,Bの色調により光照射量が増減するため、以下に述べるように駆動電圧に対する光学特性が着色層の色調毎に大きく異なってしまう。
【0010】
たとえば、図4には、可視光領域における最低透過率が30%である各着色層R(30),G(30),B(30)における紫外線領域の透過率を測定した結果を示す。通常、上述の液晶層30の形成過程においては350〜360nm程度の波長域の紫外線を用いるが、この波長域の各着色層の光透過率は着色層の色調毎に大きく異なるとともに、波長に対する透過率の変化が急峻である。この結果、図5に示すように、各画素領域において形成された着色層R,G,B毎にその画素の駆動電圧と液晶セルの反射率との関係を測定すると、着色層の色調により駆動特性、電気光学特性が大きく変化することが判る。この変化により、液晶セルの光学的閾値電圧Vthと光学的飽和電圧Vsatとが図6及び図7に示すように同じ紫外線照射強度において相互に大きく異なることとなり、しかも、紫外線照射強度を変えると色調間の特性差もまた変化するという複雑な状況になる。
【0011】
このような電気光学特性の色調及び製造工程条件(光照射量)によるばらつきはカラー液晶装置の色調間の輝度の不整合を招くため、色表示の不良や色の再現性を損ない、重大な欠陥を生み出す原因になるという問題点がある。特に、中間調における色シフト量が発生したり、色再現性を有する駆動範囲が限定されてしまうため表示品位が低下する。
【0012】
そこで本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、高分子分散型などの液晶と高分子とを分散混合させた液晶層を備えた反射型のカラー液晶装置において、液晶セルの構造及び製法を改善することにより、色表示の不良や色の再現性その他の表示品位を向上させることのできる技術を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明が講じた手段は、一対の基板間に液晶層が挟持されてなる液晶装置であって、一方の基板の前記液晶層側に配置されるカラーフィルタと、
前記カラーフィルタ上に配置される透明電極とを有し、前記透明電極の厚さが前記カラーフィルタの着色層の色調にほぼ一致した波長の光に対して干渉可能な厚さに形成されていることを特徴とする。
この手段によれば、透光性電極がカラーフィルタの着色層の色調にほぼ対応した波長の光に干渉可能な厚さに形成されていることにより、各画素の色調をより鮮やかに表示することができるので、表示品位やコントラストを高めることができる。
【0014】
更に本願発明は、前記透明電極の厚さは、対応する前記カラーフィルタの着色層の波長をλとし、当該透明電極の屈折率をεとした時に、λ/ε で求まる値、若しくは当該値の自然数倍の厚さであることは好ましい。
【0015】
更に本願発明は、前記カラーフィルタが赤、緑、青の三色のいずれかからなり、各々のカラーフィルタの着色層の波長をλr、λg、λbとし、前記カラーフィルタの赤、緑、青の各々の色のカラーフィルタに対応する前記透明電極の厚さをdr、dg、dbとし、当該透明電極の屈折率をεとした時に前記カラーフィルタが赤、緑、青の各々に対応する前記透明電極の厚さがdr= λr/ ε、dg= λg/ ε、db= λb/ εで求まる値、若しくは当該値の自然数倍の厚さであることは好ましい。
【0016】
更に本願発明は、前記液晶層は、液晶の中に高分子を分散して形成されてなる事が好ましい。
【0017】
更に本願発明は、前記カラーフィルタの表面に保護層が形成されており、当該保護層の表面が粗面化されてなることが好ましい。
【0018】
更に本願発明は、前記一方の基板と前記カラーフィルタの間に反射層が形成されていることが好ましい。
【0019】
更に本願発明は、前記反射層は前記透明電極とほぼ同じ平面パターンにて形成されていることが好ましい。
【0020】
この手段によれば、表面側基板の内面上に対向電極とスイッチング素子とが形成されていることにより、不良発生率の高いスイッチング素子の形成基板と反射層の形成基板とを別基板とすることができるとともに、別々の製造工程にて製造することができるので、液晶装置全体としての歩留まりを向上させることができ、製造コストの低減を図ることができる。
【0021】
次に、一対の基板間に液晶を挟持してなり、一方の基板に反射層、及びカラーフィルターが形成されてなる液晶装置の製造方法において、
前記一方の基板の液晶層側の面に反射層、カラーフィルタ、及び電極を形成する工程と、
他方の基板に対向電極を形成する工程と、
前記一対の基板を貼り合わせて液晶セルを形成する工程と、
該液晶セルの内部に液晶層を注入する工程と、
を少なくとも有することを特徴とする液晶装置の製造方法。
【0022】
ここで、前記反射層は前記透光性電極とほぼ同じ平面パターンにて形成することが好ましい。また、液晶セルに光を照射して液晶の中に高分子が分散した液晶層を形成することが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、添付図面を参照して本発明に係る実施形態について説明する。なお、以下において参照する図1〜図3においては各実施形態の液晶装置の構造を簡略化して模式的に示しており、配線層やスイッチング素子の細部構造などを省略して描いてある。
【0024】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る液晶装置の第1実施形態の概略構成を示すものである。図10に示す液晶装置と同様の表面側基板40及び裏面側基板50を備えた液晶セルの内部に液晶層30が封止されており、この液晶層30には、液晶分子31と高分子粒子32とが互いに分散配置されている。本実施形態において形成されている液晶層30は、液晶中に高分子が分散配置されてなる高分子分散型の液晶層である。
【0025】
この高分子分散型の液晶層としては、液晶と高分子前駆体とを相溶させた溶液から、高分子前駆体を重合させ、液晶と高分子とを相分離させてなるものが好ましい。一方、液晶としては、誘電異方性と屈折率異方性とを備えたネマチック液晶その他の各種液晶を用いることができる。液晶としては、たとえば、カイラル成分を添加したネマチック液晶など、液晶層内においてツイスト角を持たせてもよい。ツイスト角が0〜180度の範囲では光の入射方向による電気光学特性が発生するが、270度以上のツイスト角をもたせることにより光による電気光学特性の異方性を低減することができる。
【0026】
また、高分子前駆体としては、重合制御可能な種々の高分子前駆体(モノマー、プレポリマーなど)を用いることができるが、特に、ベンゼン骨格あるいはビフェニル骨格を有するものであれば、熱可塑性高分子、熱硬化性高分子、光硬化性高分子の別を問わず、広く使用することができる。たとえば、フェニルフェノールのメタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステルあるいはこれらの化合物の誘導体を用いることができ、また、ヒドロキシターフェニルのメタクリル酸エステルあるいはアクリル酸エステルあるいはこれらの化合物の誘導体を用いることが可能である。また、前記高分子前駆体として前記エステルにビフェノールのメタクリル酸エステル誘導体あるいはアクリル酸エステル誘導体を混合したものを用いてもよい。
【0027】
また、上記高分子分散型の液晶層としては、初期状態(電界無印加状態)において液晶分子及び高分子粒子を同一方向に配向させることが好ましい。この場合には、溶液中の液晶分子と高分子前駆体とを同一方向に配向させ、高分子前駆体の重合時に配向状態を保ったまま相分離させることが望ましい。このようにすると液晶層の屈折率の制御が確実に行えるため、液晶層の光学特性を高めることができる。
【0028】
さらに、高分子としては、熱可塑性の高分子前駆体を用いて冷却硬化させて生成したものでも、熱硬化性や光硬化性の高分子前駆体を用いて加熱したり光照射を行ったりして重合させるものであってもよい。しかしながら、製造工程上の管理を容易化したり、他の材質への影響を防止したりするために、光硬化性の高分子前駆体を用い、光重合により高分子粒子を相分離させることが最も効果的である。特に紫外線照射による重合が最も現実的な方法である。
【0029】
液晶層に含まれる液晶の割合は、全体の50〜97wt%が最適である。液晶含有量がこれより少ないと電界に対して応答しにくくなり、また、これより多いとコントラストが低下する。
【0030】
本実施形態では、上述の表面側基板40の内面上にはITOなどからなる透明電極41及びスイッチング素子42が形成されている。スイッチング素子42は図示しない配線層と透明電極41との間に設けられ、透明電極41へ所定の電位を給断するスイッチング素子として用いられる。透明電極41及びスイッチング素子42の表面上には配向膜43が形成され、ラビング処理が施される。
【0031】
一方、裏面側基板50の内面上には画素領域に対応して形成されたAl,Cr,Agなどを蒸着、スパッタリングなどにより堆積させた反射層51が形成される。各反射層51の表面上には着色層R(赤色),G(グリーン),B(青)のいずれかが形成され、全ての着色層R,G,Bは透明な保護膜Tによって被覆されてカラーフィルタ52が構成されている。カラーフィルタ52の着色層の製法は一般に着色材料の塗布と、フォトリソグラフィ法によるパターニングを各色毎に繰り返し行うものである。各着色層R,G,Bのうちの2層若しくは3層を互いに重ねたり、R,G,Bの顔料を共に含む黒色層を形成したりすることにより各画素領域の間の領域にブラックマトリクス層を形成してもよい。
【0032】
カラーフィルタ52の保護膜Tの表面上には、画素領域に対応してITOなどからなる透明電極53が形成される。透明電極53の表面には配向膜54が被覆され、所定方向にラビング処理される。カラーフィルタの形成位置としては基板上に形成した反射層を兼ねた反射電極上にカラーフィルタを形成する構造も考えられるが、反射電極と液晶との間にカラーフィルタが介在することからカラーフィルタによる静電容量が液晶容量に対して無視できなくなるため、液晶層に充分な実効電圧がかからずコントラストの低下を招いたり、素子の閾値電圧の上昇や立ち上がりの急峻さを損なうという問題点がある。本実施形態では上記構造を採用することにより、液晶の駆動性能の低下を防止している。
【0033】
一方、上記構造を採用すると、本実施形態のように反射層51が金属などの導電体で形成されている場合に、反射層51と透明電極53とによって静電容量が形成されるので、反射層51が裏面側基板50の内面上に全面的に形成されていたり、ストライプ状に形成されていたりすると、画素間のクロストークが発生する恐れがある。しかしながら、本実施形態では反射層51は透明電極53とほぼ同一の平面パターンに形成されているので、反射層51と透明電極53との間の静電容量がクロストークを引き起こすことのないように構成されている。また、スイッチング素子42は表面側基板40の内面上に形成されているため、スイッチング素子と反射層51との容量成分による影響も防止される。
【0034】
なお、表面側基板40の表面上に走査線が形成されている場合、上記反射層51を走査線毎にストライプ状に設けてもよい。このようにすれば、同一の走査線に接続された画素間において反射層51が連続していても、これらの画素には同一の電位が供給されるために反射層との間の静電容量に起因するクロストークは発生しないからである。
【0035】
本実施形態では、表面側基板40と裏面側基板50とを図示しないシール材を介して数μm程度の間隔で貼り合わせて液晶セルを形成し、この液晶セル内に上述の溶液を注入すると配向膜のラビング方向(水平方向)に溶液中の液晶分子及び高分子前駆体が配向する。この状態で紫外線を照射することにより、高分子粒子を相分離させ、液晶層30を形成することができる。紫外線は表面側基板40の側から溶液に照射させる。
【0036】
従来の液晶装置では紫外線がカラーフィルタを介して溶液に照射されていたので、図6及び図7に示すように光学的しきい値電圧Vth及び光学的飽和電圧Vsatがカラーフィルタの着色層の色調及び紫外線の照射量の双方に対して大きくばらついていた。しかし、このような場合であっても、図8及び図9に示すように各着色層の紫外線透過率と紫外線照射強度との積と光学的しきい値電圧Vth及び光学的飽和電圧Vsatとの関係はカラーフィルタの着色層の色調に依らず所定の曲線(図示点線)上に載ることが判明した。すなわち、従来の電気光学的特性のばらつきは、カラーフィルタによる紫外線の光透過率にのみほぼ影響されていることになる。
【0037】
上記の図8及び図9のデータが示すように、本実施形態では表面側基板40の側から紫外線をカラーフィルタを介することなく照射することにより、高分子の光重合を均一に行うことができるので、カラーフィルタの着色層の色調に影響されずに均一な液晶層の駆動状態を実現することができ、表示色の精度を向上せ、表示色のばらつきを低減することができる。特に、図5に示す電気光学的特性に起因する中間調での色シフト量が抑制され、表示色の再現性を確保できる範囲を広げることができる。
【0038】
本実施形態では、透明電極41と透明電極53とによって適宜の画素が選択されて白濁状態になり、選択されない画素は透明状態に保持される。隣接する着色層R,G,Bを備えた3つの画素が共に選択されていない場合には黒色に視認され、隣接する着色層R,G,Bを備えた画素のうちいずれか1つ又は2つが選択されると、選択された画素の白色と残りの画素の着色層の色調により生成される色調が視認される。全ての色調の画素が選択されると白色に視認される。勿論、各画素に印加される駆動電圧を調節することによって各画素において中間状態を構成することもでき、この場合には各画素の中間状態を他の色調の画素と合成した種々の色調が再現可能である。
【0039】
本実施形態に限らず、薄膜トランジスタや非線形素子などのスイッチング素子を備えた反射型カラー液晶装置の製造工程において歩留まり上の最も重要な観点は、スイッチング素子と反射層である。スイッチング素子はその構造や膜質などによって特性が大きく影響されることから歩留まりが悪い。特にMIM素子においてその特性は絶縁膜の膜質や接合面積に対して極めて敏感である。また、反射層も金属表面の酸化などにより不良が発生するが、高い反射性能を備えたAlやAgなどは特に酸化し易いことから歩留まりが比較的悪い。従来の構造では、図10に示すように裏面側基板20の内面上に反射電極とスイッチング素子とをほぼ同時に形成するため、スイッチング素子の歩留まりと反射電極の歩留まりの積により決定されることから裏面側基板20の歩留まりはかなり低くなり、製造コストの増大要因となっていた。
【0040】
これに対して本実施形態においてスイッチング素子は表面側基板40の内面上に形成し、反射層は裏面側基板50の内面上に形成するとともに、スイッチング素子と反射層とを別々の工程にて形成するようにしているため、スイッチング素子の不良は表面側基板40の製造工程におけるスイッチング素子形成後の検査にて排除し、反射層の不良は裏面側基板50の製造工程における比較的初期の段階の検査にて排除することができるので、液晶装置全体の歩留まりを従来よりも大幅に向上させることができる。
【0041】
さらに、図10に示す従来例では、表面側基板10の内面上にカラーフィルタを形成しているために、表側から液晶層30に入射する光の波長が着色層により異なるため、液晶複合層30の光散乱状態において、散乱の波長依存性(光の散乱強度は光の振動数の4乗に比例するから光の波長に大きく影響される。)に起因してカラーフィルタを透過した光の色調により光の散乱状態が変化する。このため、異なる色調を呈する画素間の散乱強度は相互に異なるため、カラー表示の色調や明るさの再現性が悪いという問題点があった。しかし、本実施形態では表面側基板40にはカラーフィルタを設けていないため、入射光はいずれの画素においてもほぼ外光そのものであり、散乱の波長依存性に起因する散乱強度のばらつきが大きく低減されるか若しくはほとんど生じないという利点もある。
【0042】
本実施例では、高分子が分散した液晶について説明したが、通常のTN型液晶もしくはSTN型液晶も適用することができる。更には、垂直配向する液晶についても適用可能である。これらの液晶を使用する際は、少なくとも光が入射する側の基板に偏光板などの偏光手段を配置し液晶装置を形成する。また、これらの液晶を用いた場合、位相差板などのフィルムを少なくとも1枚配置し、着色補償、視角補償することも可能である。なお、以下の実施例においても同様にこれら液晶については使用できることは言うまでもない。
【0043】
(第2実施形態)
次に図2を参照して本発明に係る液晶装置の第2実施形態について説明する。この実施形態では、上記第1実施形態とほぼ同様の液晶層30、表面側基板40、透明電極41、スイッチング素子42、配向膜43、裏面側基板50、反射層51、カラーフィルタ52、透明電極53、配向膜54を備えているが、カラーフィルタ52の保護膜T’の表面が粗面に形成されている点が異なる。保護膜T’としては、例えば熱硬化型のアクリル樹脂をスピンコート法などにより塗布した後に180℃で30分程度焼成して形成するものなどがある。保護膜T’は形成後にソフトエッチング、ドライエッチングなどの方法により表面を粗面化して微細な凹凸構造を形成し、保護膜T’と透明電極53との界面にて光学的に光が散乱されるように構成されている。
【0044】
この実施形態では、保護膜T’の表面が粗面化されているため、屈折率の異なる上層の透明電極53との界面にて散乱が生じ、その結果、反射層51にて反射された光が着色層を透過した後、散乱されて液晶層30、表面側基板40を通過して視認者の目に入る。このため、液晶層30が光透過状態にある場合でも背景や外光の写り込みが低減され、視認性を向上させることができる。
【0045】
(第3実施形態)
図3は本発明に係る液晶装置の第3実施形態を示すものである。この実施形態もまた上記第1実施形態とほぼ同様の構造を備えているが、着色層R,G,Bの上方にそれぞれ配置された透明電極53r,53g,53bの厚さが相互に異なる点が相違する。
【0046】
この実施形態では、透明電極53rは着色層Rが透過する赤色光の代表的な波長に合わせた光学的厚さに形成されている。すなわち、赤色光の代表的な波長がλr (例えば650〜750nm程度)であり、透明電極53rの屈折率がεITO であるとすると、透明電極53rの厚さdr をほぼλr /εITO或いはその自然数倍の厚さにした場合、透明電極53rによる干渉色とカラーフィルタ52からの透過光との色調がほぼ一致するので、カラー表示の色の鮮やかさやコントラストを向上させることができる。
【0047】
上記と同様に、透明電極53g,53bについてもそれぞれ、緑色光の代表的な波長をλg 、青色光の代表的な波長をλb とすると、
g =λg /εITO
b =λb /εITO
になるように厚さを調節して成膜すればよい。具体的には、厚さを変えた3つの透明電極の成膜工程を設けたり、より薄い2種の透明電極のみをエッチング処理するなどの方法が考えられる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、カラーフィルタが液晶層よりも裏面側に配置されているので、高分子を生成するための光重合を行う場合に表面側から光を照射してもカラーフィルタの各着色層間の光透過率の相違に起因する光の照射量差が生じないため、液晶層内におけるカラーフィルタの着色層の色調による電気光学的特性の依存性が低減され、特に中間調での色シフト量の抑制や色再現性のある電界印加範囲の増大などを図ることができる。また、光の入射する表面側基板の内面上にカラーフィルタを設ける必要がないので、散乱の波長依存性に起因する、異なる色調を呈する画素間の光散乱状態のばらつきを抑制することができる。さらに、カラーフィルタよりも液晶層の側に透光性電極が配置されているので、カラーフィルタによる電圧降下をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の液晶装置の概略構造を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る第2実施形態の液晶装置の概略構造を示す概略断面図である。
【図3】本発明に係る第3実施形態の液晶装置の概略構造を示す概略断面図である。
【図4】従来の液晶装置のカラーフィルタの色調別の光透過率を紫外線領域にて示したグラフである。
【図5】従来の液晶装置のカラーフィルタの色調別の電気光学的特性を示すグラフである。
【図6】従来の液晶装置のカラーフィルタの色調別に光学的しきい値電圧と紫外線照射強度との関係を示すグラフである。
【図7】従来の液晶装置のカラーフィルタの色調別に光学的飽和電圧と紫外線照射強度との関係を示すグラフである。
【図8】従来の液晶装置の各画素における光学的しきい値電圧と、当該画素におけるカラーフィルタの着色層の紫外線透過率と紫外線照射強度との積との関係を示すグラフである。
【図9】従来の液晶装置の各画素における光学的飽和値電圧と、当該画素におけるカラーフィルタの着色層の紫外線透過率と紫外線照射強度との積との関係を示すグラフである。
【図10】従来の液晶装置の構造を示す概略断面図である。
【符号の説明】
30 液晶層
31 液晶分子
32 高分子粒子
40 表面側基板
41 透明電極
42 スイッチング素子
43 配向膜
50 裏面側基板
51 反射層
52 カラーフィルタ
53 透明電極
54 配向膜
R,G,B 着色層
T,T’ 保護膜

Claims (7)

  1. 一対の基板間に液晶層が挟持されてなる液晶装置であって、
    一方の基板の前記液晶層側に配置されるカラーフィルタと、
    前記カラーフィルタ上に配置される透明電極と
    を有し、
    前記透明電極の厚さが前記カラーフィルタの着色層の色調にほぼ一致した波長の光に対して干渉可能な厚さに形成されていることを特徴とする液晶装置。
  2. 請求項1に記載の液晶装置において、
    前記透明電極の厚さは、対応する前記カラーフィルタの着色層の波長をλとし、当該透明電極の屈折率をεとした時に、λ/ε で求まる値、若しくは当該値の自然数倍の厚さである
    ことを特徴とする液晶装置。
  3. 請求項3に記載の液晶装置において、
    前記カラーフィルタが赤、緑、青の三色のいずれかからなり、各々のカラーフィルタ
    の着色層の波長を
    λr、λg、λbとし、
    前記カラーフィルタの赤、緑、青の各々の色のカラーフィルタに対応する前記透明電極の厚さを
    dr、dg、dbとし、
    当該透明電極の屈折率をεとした時に
    前記カラーフィルタが赤、緑、青の各々に対応する前記透明電極の厚さが
    dr= λr/ ε
    dg= λg/ ε
    db= λb/ ε
    で求まる値、若しくは当該値の自然数倍の厚さである
    ことを特徴とする液晶装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の液晶装置において、
    前記液晶層は、液晶の中に高分子を分散して形成されてなる
    ことを特徴とする液晶装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の液晶装置において、
    前記カラーフィルタの表面に保護層が形成されており、当該保護層の表面が粗面化されてなることを特徴とする液晶装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の液晶装置において、
    前記一方の基板と前記カラーフィルタの間に反射層が形成されていることを特徴とする液晶装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の液晶装置において、
    前記反射層は前記透明電極とほぼ同じ平面パターンにて形成されていることを特徴とする液晶装置。
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