JP3735970B2 - 燐酸液中の有機物を分解除去する方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燐酸液中の有機物を分解除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
燐酸は、肥料を主用途とする肥料用燐酸と金属表面処理、食品添加物等を主用途とする工業用燐酸に大別される。前者は高純度を必要とせず、通常有機物除去は必要としない。後者は高純度が要求されるため、有機物の他、カルシウム、マグネシウム、鉄等のカチオン系不純物及び弗素、硫酸、ケイ酸等のアニオン系不純物をその使用目的に適う十分低いレベルまで除去しなければならない。例えば、食品添加物等としての用途のある縮合燐酸を該工業用燐酸の加熱脱水により製造する際、有機物の含有量によっては製品の着色を引き起こし、その価値が著しく損なわれることがある。
【0003】
工業用燐酸の代表的製造方法としては、燐鉱石の硫酸分解により得られる湿式燐酸を原料とする湿式精製法がある。この方法において有機物除去は、活性炭等の吸着剤処理、溶媒抽出、酸化処理等により実施されるが、含有される有機物の種類、量等により適宜前記手段が選択される。しかし、その有機物レベルが極めて高い場合には上記処理技術では十分除去できず、縮合燐酸製造時に着色問題が発生する。更に有機物によって、溶媒抽出における抽出相と抽出残液相の分離不良が発生し、精製操作自体が不能となる場合さえある。それ故、湿式精製法において使用される原料は、人為的な焼成処理等により、有機物含量を低減した燐鉱石を硫酸分解して製造されたものが多い。このようにして得られる湿式燐酸はその有機炭素濃度が100重量ppm未満であり、その精製処理は容易であるが、反面原料は高価である。
【0004】
また前述の湿式燐酸の他に、産業廃棄物として大量に排出される燐酸分を工業用燐酸製造用の原料としてリサイクル使用する試みも為されている。特開平6−16403号公報には、金属表面を燐酸により化成処理する際に発生する燐酸スラッジを精製燐酸の原料として使用する技術の記載がある。しかしながら該スラッジには通常油脂分等多くの有機物が付着しており、この燐酸液をそのまま湿式精製法の原料として使用することは困難である。
【0005】
以上のような問題点を解決するため、酸化剤による有機物分解技術が検討されてきた。例えば、特開昭54−93695号公報には過マンガン酸塩及び硝酸の混合酸化剤を用いる技術が記載されている。この方法は、用いる酸化剤が高価であり、また添加したマンガンを後工程において除去しなければならず、更に硝酸の分解により窒素酸化物が生成しその除害を必要とする等、問題が多い。特開昭56−109805号公報には少量の触媒存在下において、過酸化水素により有機物を分解する技術が開示されている。この処理においては、発生ガスが炭酸ガス、酸素であり、また燐酸液中の残留成分は水であり全く無害である点で前記技術に比較し優れているが、過酸化水素の自己分解性が大きいため有機物酸化効果が不十分となる。
【0006】
英国特許第1215664号明細書及び特開昭53−88691号公報には酸化剤として次亜塩素酸塩を用いる方法が記載されている。前者は湿式燐酸の脱色を目的とするものであり、処理後の燐酸液中には未だ多くの有機物が残留しているため、これを工業用燐酸の原料として使用することは困難である。また後者は、湿式燐酸中の有機物を高温加熱処理により炭化物固体とし分離除去する方法において、任意付加的事項として次亜塩素酸塩を使用するというものである。この方法で十分な効果を得るためにはかなりの高温が必要であり、装置材質面で、工業的には困難性大である。
【0007】
特開平3−232711号公報には塩素酸塩により有機物を分解する方法の記載があり、該方法は有機物分解効果が大きく、これにより原料の選択肢が広がり、より効率的な工業用燐酸製造が可能となる。しかしながら、この処理においては燐酸液中に未反応の塩素酸塩が多く残留するため、その後処理が必要である。該方法においてはそれを塩酸により還元分解するが、その際塩素ガスの他、除害処理の難しい二酸化塩素ガスが生成する。塩素の許容濃度は日本産業衛生学会1995年度勧告によれば1ppm(3mg/m)、また米国産業衛生専門官会議(ACGIH1994〜1995年版)による短時間暴露限界(15分以下)は1ppm,時間加重平均(8時間)は0.5ppmである。これらの値は、ほぼ完全に除害処理を行わなければならないことを意味する。塩素については、苛性ソーダ等のアルカリ水溶液に吸収させれば効率良く除かれるが、一方、二酸化塩素はアルカリによる吸収効率が低く、還元剤を使用しなければ十分な除害は困難である。従って、塩素及び二酸化塩素ガスが同時に排出される場合は、一段目でアルカリにより塩素を吸収し、2段目で還元剤により二酸化塩素を吸収する2段階の設備が必要となる。例えば、TAPPI Pulping Conf(Tech Assoc Pulp Pup Ind)VOL.1982 PAGE365−370 1982にはパルプ漂白プラントより排出される塩素と二酸化塩素よりなる排ガスを、充填塔により2段階処理した例が記載されているが、これは操作の複雑化と設備費の上昇を招く。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、塩素系酸化剤を用いて燐酸液中の有機物を効率的、効果的に分解除去でき、なおかつ排ガス処理が容易な方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した。その結果、分解処理を2段階とし各段において用いる酸化剤及びその添加量を適切に選択すれば、有機物の効率的な分解が可能であり、更に処理燐酸液中に塩素酸塩が殆ど残留しないため、これまでの技術で問題であった残留塩素酸塩の塩酸による還元分解及び排ガスの除害処理が容易に効率的に実施できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、1)有機物を含有する燐酸液中に100℃以上の温度において塩素酸塩を添加する第一工程と、2)第一工程で得られた燐酸液に、塩化物イオンの含有量が次亜塩素酸イオンの含有量に対して重量比で0.35以下である次亜塩素酸塩を添加する第二工程よりなることを特徴とする燐酸液中の有機物を分解除去する方法である。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明においては第一工程で塩素酸塩、第二工程で次亜塩素酸塩の順に添加することが必須である。それらの添加順序を変え、第二工程で塩素酸塩を使用すると処理燐酸液中に塩素酸塩が多く残留し、その還元分解処理の際に二酸化塩素が発生し、除害処理が煩雑となり発明の効果が失われる。
【0013】
本発明の第一工程で使用する塩素酸塩としては、カリウム塩、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩等を用いることができるが、これらのうちナトリウム塩が特に好ましい。第二工程において使用する次亜塩素酸塩としては、アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属の次亜塩素酸塩が好ましく、特にナトリウム塩、カルシウム塩が好ましい。また湿式燐酸のように硫酸根を含む燐酸液の場合、カルシウム塩を用いると硫酸カルシウムの結晶が析出しスケールを生じる等操作性が低下することがあるが、このような場合にはナトリウム塩が好適に使用される。
【0014】
本発明において次亜塩素酸塩としては、塩化物イオンの含有量が次亜塩素酸イオンの含有量に対して重量比で0.35以下である次亜塩素酸塩を使用する。共存する塩化物イオンの量は少ないほど有機物分解効果は大きく、この重量比は0.25以下が特に好ましい。このレベルを越えて塩化物イオンが含まれる場合、有機物分解効果は著しく損なわれ、本発明の効果を得ることはできない。例えば、広く産業用に使用されている並次亜曹又は普通次亜曹と称される次亜塩素酸ナトリウム水溶液は低濃度の苛性ソーダ水溶液を塩素化反応により製造されているが、その塩化物イオンは次亜塩素酸イオンに対して、重量比で0.69以上である。その他、消石灰又は石灰乳に塩素ガスを作用させて製造されるサラシ粉又はサラシ液と称される次亜塩素酸のカルシウム塩があるがこれらもまた次亜塩素酸イオンに対する塩化物イオンの量が重量比で0.69以上であるため、満足できる有機物分解効果を得ることはできない。
【0015】
したがって、本発明の方法において使用できる次亜塩素酸塩としては具体的には次のようなものが挙げられる。即ちナトリウム塩としては、高濃度の苛性ソーダ水溶液を塩素化し析出する塩化ナトリウムを濾別して得られる低食塩次亜塩素酸ナトリウム水溶液(低塩次亜曹)や、更に共存塩化ナトリウム量を少なくした極低塩品(極低塩次亜曹)等が例示され、カルシウム塩としては、高濃度石灰乳を塩素化し析出する次亜塩素酸カルシウム2水和物結晶を濾過乾燥して得られる高度サラシ粉等が例示される。
【0016】
本発明の処理対象となる燐酸液は、特に限定はしないがP25として54重量%程度を含有する濃縮酸で、その有機物濃度は100〜1500重量ppmの範囲に入るものが好適に使用できる。例えば湿式燐酸の場合、モロッコ、タイバ、ヨルダン、中国等の産地の燐鉱石から得られるものがこれに該当する。また、前述の特開平6−16403号公報記載の燐酸スラッジから得られる粗製燐酸液等も本発明の処理対象液として挙げられる。これらの湿式燐酸及び粗製燐酸液はそのまま単独で又は混合して用いても良い。有機物濃度が高い場合は本発明の方法と他の方法を組み合わせても良い。例えば、活性炭吸着等の手段により有機物濃度が100〜1500重量ppmの範囲となるように処理しておくと効率良く本発明の方法を実施できる。
【0017】
本発明において処理対象となる燐酸液の燐酸濃度は、工業用燐酸の通常の製品濃度が75重量%又は85重量%(P25として54重量%又は62重量%)であるため、低すぎると濃縮のためのエネルギーコスト及び生産性の面で好ましくない。したがって本発明の方法に供される燐酸液の濃度はP25として30〜60重量%含有するものが好適である。
【0018】
第一工程、第二工程いずれも処理温度は高いほど有機物分解効果が大きく有利であるが、沸点を越えるような高温での実施には加圧型の反応器が必要となり、またその場合装置腐食が顕著となる。したがって、100℃から燐酸液の沸点を越えない範囲での実施が好ましい。特に第一工程の塩素酸塩処理については温度が低いと処理効果が大きく損なわれる他、処理中に発生する塩素系排ガス中の二酸化塩素濃度が著しく増大し除害処理が難しくなる。燐酸液の沸点はその燐酸濃度によって変化するが、P25濃度が50重量%のとき沸点は概ね120℃となる。
【0019】
第一工程の塩素酸塩の添加量は処理対象となる燐酸液の有機物濃度に応じて増減するが、燐酸液の酸化還元電位が有効な制御手段となる。即ち、飽和塩化銀電極に対する値(以下同じ)が0.9〜1.2Vとなるように調節すれば効果的、効率的に処理できる。第一工程での塩素酸塩使用の有利な点は、その有効塩素含量が高く(45重量%水溶液の有効塩素含量は90重量%)、添加による燐酸液の希釈が抑制されるため沸点の低下が抑えられ、より高温で効率よく処理することができることにある。また高濃度燐酸の製造において、濃縮エネルギーの消費量を少なくできる点でも有利である。
【0020】
第二工程における次亜塩素酸塩の添加量も第一工程と同様に酸化還元電位で制御でき、その電位が1.2V以上となるように調節すれば効果的である。次亜塩素酸ナトリウム水溶液を使用する場合、その有効塩素濃度は15重量%以上が好ましく、20重量%以上が更に好ましい。低すぎると取扱量が増加し、添加により燐酸液が希釈され、処理効果及び経済性が損なわれる。
【0021】
本発明の方法の実施においては半回分式又は連続式、いずれの操作方式を用いてもよいが、連続式が好ましい。反応装置としては、完全混合槽型の反応槽を複数シリーズに連結したものが効率が良く適しており、この場合反応槽の数は第一工程1槽、第二工程1槽又は2槽という構成が好ましい。効率的な処理効果を得るための好ましい滞在時間は1反応槽につき2〜10時間である。
【0022】
本発明の方法においては処理時に塩素系のガスが発生するが実質的に塩素ガスであり、その除害処理はアルカリとの接触により容易に実施できる。このことは本発明の大きな特徴である。またこのときの吸収装置としては、アルカリ溶液中に排ガスを吹き込む撹拌槽形式でも、気泡塔、段塔又は充填塔等いずれの吸収形式を用いてもよい。
【0023】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、燐酸液中の有機物を効率的に分解除去することができる。以下本発明の効果を列記する。
【0024】
(1)従来の塩素酸塩を用いる方法では、処理燐酸液中に塩素酸塩が多く残留し、その還元処理に多くのHClが必要となる。また有機物分解及び還元処理時に塩素ガスのみならず除害処理の難しい二酸化塩素が排出される。その結果、除害設備は複雑となり操作は煩雑となる。しかし本発明の方法によれば、処理燐酸液中の有効塩素化合物の残留量はわずかであり、少量のHClにより容易に還元処理可能である。また操作時に発生する塩素系ガスは実質的に塩素のみであり、アルカリによる簡単な設備で容易に除害処理することができる。
【0025】
(2)有効塩素含量の高い塩素酸塩を併用することで、燐酸液の希釈が抑制され、高濃度燐酸製造のための濃縮エネルギーが少なくて済み、効率のよい工業用燐酸製造が可能である。
【0026】
【実施例】
以下実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
実施例1
テフロン製2Lの撹拌翼付き反応槽をオーバーフロー方式で2槽シリーズに連結しオイルバス中に設置した。この処理装置に、中国鉱を硫酸分解しついで濃縮して得られた湿式燐酸(P2554%、有機物濃度600重量ppm)を400ml(640g)/Hrの流速で連続的にフィードした。また45重量%塩素酸ナトリウム水溶液を第一反応槽へ20g/Hrの流速で連続供給した。第一反応槽からのオーバーフロー液が流入する第二反応槽へは次亜塩素酸イオンに対する塩化物イオンの含有量が重量比で0.22である次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度25重量%)を38g/Hrで連続導入した(有効塩素換算の添加量はトータル27.5g/Hr)。運転開始36Hr後十分な定常状態に到達したところで、温度は第一及び第二工程反応槽ともに120℃であった。また電位はそれぞれ1.19V及び1.41Vであり第一工程反応槽液の塩素酸ナトリウム濃度はほぼゼロであった。この処理の結果、有機物濃度が92重量ppmに激減した燐酸液が得られた。
【0028】
次に得られた処理液中に残留する酸化剤の還元処理を110℃にて行った。処理は連続式で行い、第二工程反応槽からの流出液1kgに対し35重量%HClの必要量は1.4gであり容易に実施できた。またこの時の発生塩素ガス量は極少量であった。
【0029】
以上の酸化処理及び還元処理において発生するガスを144L/Hrのエアーと共に、塔径30mm,充填高さ300mmの吸収塔(充填物:ラシヒリング(3mmφ))の下部より導入し1Nの苛性ソーダ水溶液(2L/Hr)と向流接触させた。塔頂部より排出されるガスを10%ヨウ化カリウム水溶液を満たした吸収瓶に導入したが、ヨウ素の遊離に基づく着色は認められず塩素ガスの完全吸収を確認した。
【0030】
比較例1
実施例と同一の燐酸原料及び装置を用い、第一、第二工程反応槽いずれにも酸化剤として塩素酸ナトリウムを用いる以外は実施例と同様に操作した。即ち、第一反応槽へ燐酸液を400ml(640g)/Hrで供給し、45重量%塩素酸ナトリウム水溶液を第一工程反応槽へ20g/Hr、また第二工程反応槽へ10g/Hrの流速で添加した(有効塩素換算の添加量はトータル27.5g/Hrであり実施例と同一)。定常状態において、温度は第一及び第二工程反応槽ともに120℃、処理液の電位はそれぞれ1.18及び1.28Vであった。この処理により有機物濃度100重量ppmの燐酸液が得られた。この処理液中には塩素酸ナトリウムが0.21重量%の濃度で含まれており、これはフィードした塩素酸ナトリウムのうち約10%が未分解で残留したことになる。
【0031】
つぎに、これをHClにより110℃にて還元分解処理を行った。その結果、35重量%HClの必要量は処理液1kgに対し4.1gであり実施例の約3倍要した。
【0032】
以上の酸化処理及び還元処理において発生したガスを実施例と同様の充填塔に導き除害処理を行った。塔頂部よりの排出ガスを10%ヨウ化カリウム水溶液を満たした吸収瓶に導入したところ、液はヨウ素の遊離によって赤褐色に変色し、大量の有効塩素成分が排出されていることが判った。吸収剤である苛性ソーダ水溶液の濃度及び流量を増加しても、完全に除害することはできなかった。これは、発生ガス中に塩素ガス以外に二酸化塩素が含まれていることが原因であることが判った。そこで充填塔頂部よりフィードする苛性ソーダ水溶液に還元剤である亜硫酸イオンを大量に共存させ発生ガスの吸収を行った。この操作により、塔頂部よりの排出ガスはヨウ素を遊離することはなく塩素系のガスを除害することができた。
【0033】
比較例2
第二工程反応槽に次亜塩素酸イオンに対する塩化物イオンの含有量が重量比で0.69である普通次亜曹(有効塩素濃度25重量%)を用いたほかは、実施例1と同じ燐酸原料及び装置を用い、同様の操作を行った。
【0034】
定常状態において、温度は第一工程反応槽及び第二工程反応槽ともに120℃、処理液の電位はそれぞれ1.17V及び1.14Vであった。この処理により得られた燐酸液中の有機物濃度は205重量ppmであり、実施例1と比較して、有機物分解効果が著しく劣化した。
【0035】

Claims (2)

  1. 1)有機物を含有する燐酸液中に100℃以上の温度において塩素酸塩を添加する第一工程と、2)第一工程で得られた燐酸液に、塩化物イオンの含有量が次亜塩素酸イオンの含有量に対して重量比で0.35以下である次亜塩素酸塩を添加する第二工程よりなることを特徴とする燐酸液中の有機物を分解除去する方法。
  2. 第一工程で添加する塩素酸塩が塩素酸ナトリウム、第二工程で添加する次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウムであり、且つ第一工程と第二工程の有機物処理を連続的に行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
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