JP3735421B2 - 中心座標測定用ターゲット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、測量用のターゲットに関し、特に橋梁部材の測定において、測点にターゲットを配し測距測角儀で視準することにより測点の三次元座標を求める中心座標測定用ターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、橋梁を完成させるためには、まず橋梁を構成する橋梁部材の設計データを作成し、前記データに基づいて橋梁部材を作成し、この橋梁部材を巻尺またはノギスにより測定して設計データと測定データの異同を決定し、必要に応じて橋梁部材を修正している。
【0003】
橋梁部材を測定するためには、上記のように巻尺またはノギスを使用して作業を行っている。このとき、図14に示すように、複数あるボルト穴121のうち測定するボルト穴、例えば121a,121b間の中心距離lを測定するために、まず全長Lを巻尺を用いて測定し、次に橋梁端部122からボルト穴121aと121bとの中心までの距離l1,l2をノギスによって測定して、橋梁端部122,122間の長さから橋梁端部122とボルト穴121aとの距離l1及び橋梁端部122とボルト穴121bとの距離l2を差し引くことによりボルト穴121a,121b中心間における距離lを求めている。
【0004】
以上のようにして得られた測定データと設計データとの異同を決定し、必要に応じて修正された橋梁部材を、さらに仮組立することにより不整合な箇所を特定し、橋梁部材の修正を行っていた。そして一度仮組立した橋梁部材を解体してから現場に運搬し、実際の組立作業を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のような橋梁部材における測定作業では、測定に巻尺またはノギスを使用しているため、測定精度が悪く、また長い距離を測りにくいため正確な値を測定することが不可能であった。さらに測定作業が手作業であるため、効率化が図れないという不都合があった。
【0006】
また、それぞれの橋梁部材は非常に大きな部材であるため、これらの橋梁部材で実際の状態の仮組立を行うには、広い組立てスペースが必要であり、かつ組立て及び解体は大がかりで時間を要するものになるという不都合があった。
【0007】
本発明の目的は、橋梁部材を仮組立する工程を省略して、作業効率を向上することができる、中心座標測定用ターゲットを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本例請求項1の中心座標測定用ターゲットは、長尺部材の所定位置に設けられた孔の中心位置を計測するための中心座標測定用ターゲットであって、該中心座標測定用ターゲットは、前記孔と係合する孔係合部及び前記孔の周縁部に当接する係合部を一体に形成したターゲット本体と、前記孔の中心位置を示すための孔中心対応指標を設けた再帰反射面と、を備え、該再帰反射面を前記ターゲット本体に対して傾動可能に支持する支軸回りに傾動できるように配設し、該支軸の中心線と、前記孔中心対応指標上における前記孔の中心位置を示す点は、前記孔が形成された前記長尺部材の表面と同一の面上に位置することを特徴とする。
【0009】
本例請求項2の中心座標測定用ターゲットは、橋梁部材の設計データの作成工程と、該工程において作成された設計データに基づいて橋梁部材を作成する工程と、前記作成された橋梁部材の測定データを作成する工程と、該橋梁部材の測定データと前記設計データの異同を決定する工程と、を備えた測定システムに用いられる中心座標測定用ターゲットであって、該中心座標測定用ターゲットは前記橋梁部材の所定位置に設けられた孔に配置されて、前記中心座標測定用ターゲットにおいて前記橋梁部材の表面と同一の面上に位置する傾動軸まわりに傾動可能に配設された再帰反射面を傾動させ、該再帰反射面に設けた孔中心対応指標上における前記孔の中心位置を示す点が、前記橋梁部材の表面と同一の面上に位置された状態で前記再帰反射面を測距測角儀に対面させ、前記再帰反射面を測距測角儀で視準し、前記孔の中心における三次元座標を求めることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る中心座標測定用ターゲット10は、長尺部材の所定位置に設けられた孔21の中心間を計測するための中心座標測定用ターゲット10である。この中心座標測定用ターゲット10は、ターゲット本体13と、孔中心対応指標16bを設けた再帰反射面16と、を備えている。この再帰反射面16をターゲット本体13において水平支軸回りに傾動できるように配設する。このとき孔中心対応指標16bは孔21が形成された長尺部材の表面と同一の面上に位置する。
【0011】
橋梁部材20の測定において、従来のような巻尺またはノギスによる手作業に代わって、任意に座標の原点及び第2測定点を特定し、三次元座標系を設定した後、測距測角儀30で測定点に配置した中心座標測定用ターゲット10の再帰反射面16を視準して原点からの測定点の座標を求め、正確な橋梁部材の測定データを算出することができる。
【0012】
以上のようにして得られた、橋梁部材20の測定データと設計段階での設計データとを比べて異同を決定し、橋梁部材20を修正する。このため、橋梁部材20を仮組立して更に橋梁部材20の整合性を確認する必要がなくなり、仮組立工程を省略することができ、作業効率を向上することができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0014】
図1乃至図13は、本発明の一実施例を示すものであり、図1は中心座標測定用ターゲットの斜視図、図2は中心座標測定用ターゲットの平面図、図3は中心座標測定用ターゲットの底面図、図4は中心座標測定用ターゲットの縦断面図、図5は再帰反射面の説明図、図6は図5におけるG視図、図7は板ばねを示す説明図、図8及び図9は中心座標測定用ターゲットの使用状態を示す説明図、図10及び図12は中心座標測定用ターゲットを用いた測定方法を示す説明図、図11は図10のH部拡大図、図13は測定における計測ポイントを示す説明図である。
【0015】
本例の中心座標測定用ターゲット10は、長尺部材における測点の三次元座標を測定するためのものであり、孔係合部11と、この孔係合部と一体に形成されてターゲット本体13を構成する係合部12と、再帰反射面16と、を主要構成要素とする。
【0016】
本例における長尺部材は、橋梁等を構成するH鋼からなる橋梁部材20であり、図10で示すように、端部には組立時に必要なボルトを挿入するための複数の孔21が設けられている。
【0017】
本例の中心座標測定用ターゲット10における、孔係合部11は、図1で示すように橋梁部材20の孔21内に位置させる円柱状のものであり、橋梁部材20の孔21に嵌入可能に形成されている。
【0018】
また、図4で示すように、孔係合部11の橋梁部材20の孔21に嵌入する側の端部にはテーパ部11aが設けられており、孔係合部11を孔21に嵌入しやすいように構成されている。
【0019】
本例の中心座標測定用ターゲット10の係合部12は、孔係合部11と一体に形成されており、図2に示すように、孔21及び孔係合部11と同心で、孔係合部11よりも大きめの径で形成された円12aの一部分12bを切り欠いた形状に形成されており、切欠端部12cを有している。この円12aの中心をCとする。
【0020】
係合部12の径は孔係合部11の径より大きめに形成されているので、この係合部12が橋梁部材20における孔21に埋没しないように孔21の周縁部で係止することにより、ターゲット本体13が橋梁部材20の孔21周縁部において係合する。
【0021】
本例の係合部12は開口部12dを有しており、この開口部12dは、前記切欠端部12cにおいて、両側にそれぞれ幅Xを残して、孔係合部11の径よりも若干小さめの幅A及び孔係合部11の径よりも若干小さめの奥行きBの大きさで形成されている。
【0022】
上記開口部12dの周縁部には、ねじを螺合するための孔(図示せず)が形成されており、この孔へねじ14が螺合されている。この孔は、ねじ14を螺合したときに、それぞれのねじ14の中心を結ぶ線が、円12aの中心Cを通るように形成されている。
【0023】
また図1及び図4で示すように、係合部12の上端外周部には円12aより大きい径の縁部12eが形成されている。この縁部12eはターゲット本体13を手で持ったときに作業者の指がかかって滑りにくくし、ターゲット本体13を円孔21へ嵌入しやすくするためのものである。
【0024】
さらに係合部12にはマグネット19が設けられている。このマグネット19は、永久磁石であり、係合部12において、橋梁部材20の孔21周縁部との係合面で周方向等間隔になるように配設されて、係合部12から露見して孔21の周縁部に接合し、ターゲット本体13を橋梁部材20にマグネット固定する。
【0025】
前記孔係合部11と係合部12とからなるターゲット本体13には、図4に示すように前記係合部12の開口部12dと連続して後述するターゲット板16aを配設する中空部15が形成されている。中空部15は、大きさの違う中空部15aと中空部15bが連続して形成されているものであり、中空部15aは、前記開口部12dから連続して、係合部12内から孔係合部内にかけて深さDで形成されている。
【0026】
中空部15bは、前記中空部15aに連続して、孔係合部11内において形成されているものであり、前記開口部12dの幅Aよりも小さめな幅A′及び前記開口部12dの奥行きBよりも小さめな奥行きB′で形成されている。この中空部15bは、中空部全体の深さD′が孔係合部11を貫通しない深さで形成される。
【0027】
前記中空部15においては中空部15aよりも中空部15bの方が小さめに形成されているので、中空部15aと中空部15bとの境目において段差15cが形成される。
【0028】
さらに中空部15aの内壁には、図7で示すように溝15dが設けられている。この溝15dは後述する水平支軸17,17を配置するためのものであり、前記ねじ14のねじ孔に隣接して、係合部12の開口部12dから段差15cの間において幅Yで形成されている。このとき溝15dは、2つのねじ孔を結ぶ直線によって、幅方向に二等分されるように形成される。
【0029】
そして上記溝15dには、板ばね18が配設されている。この板ばね18は、図7に示すように係合部12におけるねじ14に固定されて、前記溝15d内に配設されているものであり、ねじ14で固定することができるように、ねじ14の孔よりも大きめに形成された端部18aと、この端部18aから連続して形成される長尺の本体18bと、本体18bから連続して形成される、端部18cとから構成されている。そして水平支軸17,17を圧接している。また端部18aにはねじ14の孔と同一径の孔(図示せず)が形成されている。
【0030】
そして板ばね18の端部18aを係合部12におけるねじ14でねじ止めし、本体18bを溝15d内に沿って配設する。このとき、端部18cは中空部15側へ向くように配設される。
【0031】
次に本例における再帰反射面16について説明する。再帰反射面16は、図5で示すように矩形のターゲット板16aに反射プリズムシートが貼着されて形成されており、この反射プリズムシートには孔中心対応指標16bが設けられている。
【0032】
本例におけるターゲット板16aは、中空部15bの幅A′と略同一幅の辺E及び、中空部15の深さD′よりも小さめの長さの辺Fで矩形に形成されており、周囲2箇所において、水平支軸17,17を有している。
【0033】
本例の水平支軸17,17は、ターゲット板16aの辺Eと平行になるように形成される。また、水平支軸17,17は前記溝15dの幅Yと略同一の幅に形成されて、溝15dに隙間なく嵌合されるような構成となっている。また水平支軸17,17は溝15dに配置するときに、それぞれの水平支軸17の端部17aと溝15dとの間に隙間ができないような長さに形成されている。さらに、水平支軸17,17の長尺方向の中心線は、前記2つのねじ14,14を結んだ線と一致するように形成されている。
【0034】
図6はターゲット板16aの図5におけるG視図である。図6に示すように、水平支軸17,17の長尺方向の中心線、即ち前記2つのねじ14の中心を結んだ線は、ターゲット板16aの孔中心対応指標16bを形成する側の面と一致するように形成されている。
【0035】
本例の反射プリズムシートは、マイクロプリズムが密集状態に形成された可撓性の透明な反射体で、入射した光を入射方向に向けてそのまま反射する性質がある。
【0036】
この反射プリズムシートの平滑な表面に設けられた孔中心対応指標16bは、十字線16cと円形16dからなる。そして反射プリズムシートを前記ターゲット板16aに貼着する事で再帰反射面16を形成する。このとき反射プリズムシートは、反射プリズムシートに付された孔中心対応指標16bの十字線16cの中心が、ターゲット板16aをターゲット本体13に配置したときに、孔21の形成された橋梁部材20の表面と同一面になるように配設される。
【0037】
また孔中心対応指標16bの十字線16c中心が、ターゲット板16aにおいて、水平支軸17,17の端部17a,17aからそれぞれ同一の距離に位置するように配設される。
【0038】
次に再帰反射面16をターゲット本体13へ組付けて中心座標測定用ターゲット10を形成し、この中心座標測定用ターゲット10を橋梁部材20の孔21へ配置する方法について説明する。
【0039】
まず再帰反射面16を構成する反射プリズムシートを貼着したターゲット板16aをターゲット本体13の中空部15に位置させる。このときターゲット板16aに形成された水平支軸17,17を中空部15の溝15dに配設し、段差15c上に配置する。
【0040】
そして溝15dに配設された板ばね18の端部18cと段差15cで水平支軸17,17を圧接して保持する。
【0041】
ターゲット板16aは辺Eが中空部15bの幅A′と略同一に形成されているので、ターゲット板16aの中空部15b内に位置する部分が、中空部15bの内周壁と摺動して、この摺動による摩擦によりターゲット板16aを保持する。
【0042】
上記のように構成されているので、ターゲット本体13において、ターゲット板16aは、段差15c上の水平支軸17,17によって傾動可能に配設される。
【0043】
このとき、ターゲット板16aの孔中心対応指標16bを形成する側の面と、2つのねじ14の中心を結んだ線とは、一致するように形成されている。即ち、孔中心対応指標16b上に、円12aの中心Cが位置している。円12aは橋梁部材20における孔21と同心であるから、孔中心対応指標16b上には孔21の中心が位置していることになる。
【0044】
また孔中心対応指標16bの十字線16cの中心が孔21の形成された橋梁部材20の表面と同一面上にあり、さらに十字線16c中心は、水平支軸17,17のそれぞれの端部17a,17aから同一の距離に位置するように形成されているので、十字線16c中心は、橋梁部材20の孔21の中心に一致する。
【0045】
図13において橋梁部材20の孔21における中心は、測点Pとして示されている。本例の中心座標測定用ターゲット10を視準して、測点Pの三次元座標を求め、この三次元座標より橋梁部材20上の2つの測点間距離を算出する。
【0046】
本例における橋梁部材20は、図10で示すように、測距測角儀30を用いて測定する。本例の測距測角儀30は光波を利用して、反射光と、参照光との相差により距離を測定するものであり、距離計測を行う光波の軸とターゲット10の再帰反射面16を視準する軸とが同軸となっている。また高度角水平角は測定エンコーダにより行われている。そして測距測角儀30にはCPUが内蔵されており、得られた測定値を気象条件などにより補正して、測定距離をデジタル表示する。なお、この測距測角儀30は三脚31上に載置される。
【0047】
まず測距測角儀30を三脚31上に載置して整準作業を行う。そして中心座標測定用ターゲット10を橋梁部材20の孔21に係合させて測距測角儀30に対向させる。このとき中心座標測定用ターゲット10の再帰反射面16が測距測角儀30側を向くようにする。
【0048】
このとき、本例に於ける中心座標測定用ターゲット10は、ターゲット13内の中空部15において、再帰反射面16が水平支軸17によって傾動可能に配設されているので、橋梁部材20上におけるいずれの孔21に、中心座標測定用ターゲット10を設置しても、再帰反射面16を自由な角度で設定できるため、測距測角儀30に対向させることができる。
【0049】
上記のように橋梁部材20上に配設した中心座標測定用ターゲット10の再帰反射面16からの反射光を測距測角儀30が受光し中心座標測定用ターゲット10の三次元座標、即ち孔の中心座標を測定する。
【0050】
次に上記構成からなる中心座標測定用ターゲット10を用いた橋梁部材20における測定方法について説明する。
【0051】
まず測定すべき中心座標測定用ターゲット10をそれぞれ別の孔21に位置させる。そしてそれぞれの中心座標測定用ターゲット10の三次元座標、即ち孔21の中心座標(x1,y1,z1)及び(x2,y2,z2)の2点を測定し、これらの三次元座標から孔21の中心間の距離lが次の式によって算出できる。
【0052】
【式1】
【0053】
このように橋梁部材20上に数カ所の測点を設置し、測点に配された中心座標測定用ターゲット10を測距測角儀30で視準することにより、視準された測点の位置データを三次元座標系で取り込み、座標計算により測点2間の距離を求めることができる。
【0054】
上記実施例において、再帰反射面16を構成するターゲット板16aを矩形にした例を示したが、中空部15内で傾動可能な大きさであれば円形その他自由な形に形成して良い。
【0055】
上記実施例において、係合部12においてマグネット19を3箇所設けた例を示したが、3箇所に限らず1箇所以上であれば良い。
【0056】
また上記実施例において、中空部15がターゲット本体13を貫通しない例を示したが、これに限らず貫通していても良い。
【0057】
また、上記実施例における橋梁部材20上のボルト孔である孔21は、円孔の他、楕円形或いは多角形等中心座標測定用ターゲット10が嵌入可能な形であればどのような形に形成されていても良い。
【0058】
次に上記実施例によって橋梁部材を測定し、橋梁を完成するまでの流れについて説明する。
【0059】
まず、橋梁建設のために必要な橋梁部材20についての設計データを作成し、この設計データに基づいて橋梁部材20を作成する。
【0060】
次に、橋梁部材20の孔21に中心座標測定用ターゲット10を配置させて、測距測角儀30によりこの中心座標測定用ターゲット10の再帰反射面16を視準し、孔21の中心における三次元座標値を求めることにより橋梁部材20の測定データを作成する。
【0061】
そして設計データと、測定データとを比較して、異同を決定する。設計データと測定データが異なれば、必要に応じて橋梁部材20を修正する。
【0062】
上記測定データを使用して異同を決定することにより、橋梁部材20を仮組立して更に橋梁部材20の整合性を確認する必要がなくなり、仮組立工程を省略することができる。そして、修正済みの橋梁部材20を直接現場に運搬して、実際の組立作業を行うことができる。
【0063】
なお、本例においては、橋梁部材20に中心座標測定用ターゲット10を配設して、橋梁部材20上における2つの孔21の中心間距離lを求める例を示したが、橋梁部材20に限らず複数の孔21を有する長尺部材の孔21の中心間距離を測定するのにも好適に用いることができる。
【0064】
即ち、本例の中心座標測定用ターゲット10は、長尺部材における測定システムに用いられる。この測定システムは、長尺部材の設計データの作成工程と、この工程において作成された設計データに基づいて長尺部材を作成する工程と、作成された長尺部材の測定データを作成する工程と、この長尺部材の測定データと前記設計データの異同を決定する工程と、を備えている。
【0065】
本例の中心座標測定用ターゲット10は作成された長尺部材の孔21に配置され、中心座標測定用ターゲット10に傾動可能に配設された再帰反射面16を測距測角儀30に対面させて視準し、孔21中心における三次元座標を求める。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明は、橋梁部材等の長尺部材上の2点間の距離測定において、それぞれの測点であるボルト孔にターゲットを用い、測距測角儀でターゲットに形成された再帰反射面を視準してボルト孔における三次元座標を求め、この三次元座標より測点2点間の正確な距離を得ることができるので、正確な橋梁部材の測定データを得ることができ、橋梁部材における仮組立等の工程を省略して作業効率を向上することができる。
【0067】
また、いつでも測定が可能であり、必要に応じて適宜取り外しかつ再度同じ位置に復元することも容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中心座標測定用ターゲットの斜視図である。
【図2】本発明に係る中心座標測定用ターゲットの平面図である。
【図3】本発明に係る中心座標測定用ターゲットの底面図である。
【図4】本発明に係る中心座標測定用ターゲットの縦断面図である。
【図5】本発明に係る再帰反射面を示す説明図である。
【図6】図5におけるG視図である。
【図7】本発明に係る板ばねを示す説明図である。
【図8】本発明に係る中心座標測定用ターゲットの使用状態を示す説明図である。
【図9】本発明に係る中心座標測定用ターゲットの使用状態を示す説明図である。
【図10】本発明に係る中心座標測定用ターゲットを用いた測定方法を示す説明図である。
【図11】図10のH部拡大図である。
【図12】本発明に係る中心座標測定用ターゲットを用いた測定方法を示す説明図である。
【図13】円孔中心座標測定用ターゲットを用いた測定における計測ポイントを示す説明図である。
【図14】従来例を示す説明図である。
【符号の説明】
10 中心座標測定用ターゲット
11 孔係合部
12 係合部
13 ターゲット本体
14 ねじ
15 中空部
16 再帰反射面
17,17 水平支軸
18 板ばね
19 マグネット
20 橋梁部材
21 孔
30 測距測角儀
31 三脚
C 中心
P 計測ポイント
Claims (2)
- 長尺部材の所定位置に設けられた孔の中心位置を計測するための中心座標測定用ターゲットであって、該中心座標測定用ターゲットは、前記孔と係合する孔係合部及び前記孔の周縁部に当接する係合部を一体に形成したターゲット本体と、前記孔の中心位置を示すための孔中心対応指標を設けた再帰反射面と、を備え、該再帰反射面を前記ターゲット本体に対して傾動可能に支持する支軸回りに傾動できるように配設し、該支軸の中心線と、前記孔中心対応指標上における前記孔の中心位置を示す点は、前記孔が形成された前記長尺部材の表面と同一の面上に位置することを特徴とする中心座標測定用ターゲット。
- 橋梁部材の設計データの作成工程と、該工程において作成された設計データに基づいて橋梁部材を作成する工程と、前記作成された橋梁部材の測定データを作成する工程と、該橋梁部材の測定データと前記設計データの異同を決定する工程と、を備えた測定システムに用いられる中心座標測定用ターゲットであって、該中心座標測定用ターゲットは前記橋梁部材の所定位置に設けられた孔に配置されて、前記中心座標測定用ターゲットにおいて前記橋梁部材の表面と同一の面上に位置する傾動軸まわりに傾動可能に配設された再帰反射面を傾動させ、該再帰反射面に設けた孔中心対応指標上における前記孔の中心位置を示す点が、前記橋梁部材の表面と同一の面上に位置された状態で前記再帰反射面を測距測角儀に対面させ、前記再帰反射面を測距測角儀で視準し、前記孔の中心における三次元座標を求めることを特徴とする橋梁部材を測定するための中心座標測定用ターゲット。
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