JP2011185853A - 曲率中心検出装置及びこれを使用した孔位置検出方法 - Google Patents

曲率中心検出装置及びこれを使用した孔位置検出方法 Download PDF

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【課題】球面部を有する球状体の曲率中心の位置を精度良く、且つ効率的に検出することのできる曲率中心検出装置及びこれを使用した孔位置検出方法を提供する。
【解決手段】一定の曲率半径を有して形成された球状体1の曲率中心を検出する曲率中心検出装置であって、前記球状体1の断面形状を計測する2次元変位センサ21と、該2次元変位センサ21より計測された前記断面形状に関する情報に基づいて、前記球状体1の曲率中心を演算する演算部23とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、球面部を有する球状体の曲率中心の位置を精度良く検出することのできる曲率中心検出装置及びこれを使用した孔位置検出方法に関する。
特許文献1には、ワークに形成された円孔の中心位置をセンシングする方法が開示されている。この検出方法は、先ずロボットアームに取付けたレーザスキャンニングセンサをワークの円孔上に配置した後、異なる2種類の走査方向に移動させる。これによりワーク表面から得られる凹凸形状曲線に基づいて、円孔の中心位置を求めようとするものである。
特開平5−264219号公報
ところで、円孔の検出手段としてのレーザスキャニングセンサは、その特性上、光軸方向と平行となる部位、即ち円孔周縁部分に於ける検出精度に欠けるという難点を有している。このことは、円孔周縁部を構成する円孔の外形線を利用して円孔の中心位置を求めようとする、上記従来のものに於いては致命的である。
また、レーザスキャニングセンサは、少なくとも異なる2方向に走査させる必要があるために、ロボットアームの動作が複雑なものになると共に、一連の検出作業を効率良く行えないという欠点もあった。
それ故に、本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、球面部を有する球状体の曲率中心の位置を精度良く、且つ効率的に検出することのできる曲率中心検出装置及び孔位置検出方法を提供することにある。
本発明に係る曲率中心検出装置は、一定の曲率半径を有して形成された球状体の曲率中心を検出する曲率中心検出装置であって、前記球状体の断面形状を計測する2次元変位センサと、該2次元変位センサより計測された前記断面形状に関する情報に基づいて、前記球状体の曲率中心を演算する演算部とを備えていることを特徴としている。
このような曲率中心検出装置に於いては、2次元変位センサにより球状体の任意の一断面形状に関する情報を取得すれば、これに基づく演算部の演算処理により、球状体の曲率中心を検出することが可能となる。従って、複数個所のセンシングを必要としていた従来のものと比較して、一連の検出操作が効率良く迅速に行えるようになる。
また、2次元変位センサによる検出対象を球状体としているために、その断面形状を精度良く的確に計測することができる。これにより、球状体の曲率中心の検出精度が向上することになる。尚、本発明にいう「球状体」は、一部に球面部分を有しているものを全て含む広い概念である。
また、前記情報は、前記2次元変位センサに設定された3次元直交センサ座標系に於ける、前記断面形状の一部を形成する円弧部上に存する複数の座標点としてもよい。
これによると、3次元直交センサ座標系に於いて、断面形状の一部を形成する円弧部上にある複数の座標点を内容とする断面情報に基づき、演算部により球状体の曲率中心が演算される。
更に、前記曲率中心検出装置は作業ロボットに備えさせるようにしても構わない。
この場合、一般に2次元変位センサは作業ロボットのアームに設けられることになるが、このアームに所定の動作を行わせることにより、球状体の断面形状を適切に計測することができる。また、2次元変位センサは作業対象となるワークの位置を検出するためにアームに装備されることが多いので、その有効利用を図ることができ、製作コストが嵩むようなこともない。ここに、作業ロボットとは、一般に種々のツールが装備されて、ワークに対して各種作業を行うことのできる機械である。
また、前記演算部の演算により得られる曲率中心は、前記3次元直交センサ座標系から変換された、前記作業ロボット上に定義される3次元直交機械座標系に於ける曲率中心とすることも可能である。
これによると、球状体の曲率中心は作業ロボット上に定義された3次元機械座標系に於けるものに変換されるために、作業ロボットによる球状体等に対する各種の作業を精度良く正確に行うことが可能になる。
更に、前記球状体は真球又は半真球で構成するようにしてもよい。
これによれば、真球又は半真球状の球状体の曲率中心を良好な精度で正確に検出することができる。
また、前記球状体は、ワークに形成された孔に挿入される固定部を備え、該固定部は前記球状体の曲率中心及び前記孔の中心を通過する軸心を有するようにしてもよい。
これによると、検出された球状体の曲率中心に基づいて、ワークの孔の中心位置を求めることができる。よって、ワークの孔に対する各種作業を的確に行うことが可能になる。
更に、本発明に係る孔位置検出方法は、球状体が備えた固定部を前記ワークの孔に挿入し、該孔の中心が前記固定部の軸心上に配されるように固定した後、一定の曲率中心を有して形成された前記球状体の球面部についての断面形状を2次元変位センサにより計測し、その後、該球面部の断面形状に関する情報に基づいて、前記孔の中心位置を演算することにより検出することを特徴としている。
これによると、2次元変位センサの計測対象は球状体の球面部であるために、その断面形状に関する情報を確実且つ正確に得ることができ、これに基づく演算部に演算によって孔の中心位置を高精度に検出することができる。
また、前記情報は、前記2次元変位センサに設定された3次元直交センサ座標系に於ける、前記断面形状の一部を形成する円弧部上に存する複数の座標点であり、且つ前記情報に基づいて演算されるのは、前記3次元直交センサ座標系から変換された、前記作業ロボット上に定義される3次元直交機械座標系に於ける孔の中心位置であり、しかも前記球状体の球面部は半球状に形成されると共に、前記固定部の軸心は前記球面部の曲率中心を通過するように構成してもよい。
これによれば、半球状の球状体の曲率中心が孔の中心位置として検出されることになる。また、演算される孔の中心位置は作業ロボット上に定義された3次元機械座標系に於けるものに変換されるために、作業ロボットによる孔に対する各種の作業を精度良く正確に行うことが可能になる。
更に、本発明に係る曲率中心検出装置は、全体が非常に簡易に構成できるために、その製作も容易に且つ安価に行うことが可能になる。
以上のように、本発明によれば、球面部を有する球状体の曲率中心の位置を精度良く、且つ効率的に検出することのできる曲率中心検出装置及び孔位置検出方法が得られる。
本発明の一実施形態に係る球状体を示し、(a)は平面図で、(b)は正面図である。 同作業ロボットによる検出状態を示す斜視図である。 (a)及び(b)は断面情報からセンサ座標系に於ける球面部の曲率中心を求めるための説明図である。 一連の検出手順の流れを示すフローチャートである。 他の実施形態に係る球状体の正面図である。
以下、本発明の一実施形態について図面に従って説明する。検出対象となる球状体1は、図1に示すように、一定の曲率半径Rを有して半真球状に形成された球面部2と、球面部2の底面中央に突設された円柱状の固定部3とからなっている。固定部3の直径Dは、同図(b)に示すように、略平板状のワークWに形成された円形の孔10の内径dと略同一に設定されている。球面部2の曲率中心Pは、ワークWの孔10の中心と一致している。また、固定部3の軸心Sは、球面部2の曲率中心Pを通過するように構成されている。尚、ワークWに形成される孔10の形状は、必ずしも円形である必要はなく、角形としてもよい。球状体1の固定部3の形状は、孔10の形状に応じて適宜変更される。また、固定部3の直径Dは孔10の内径dと略同一に形成する必要はなく、例えば固定部3の外周面と孔10の内周面間にバネ部材が介装されるように、該バネ部材を固定部3に設けても構わない。但し、この場合に於いても、固定部3の軸心Sを孔10の中心を通過するように構成する。
図2に示す作業ロボットTは所謂多自由度ロボットであり、そのアーム20には2次元変位センサ21が取付けられている。本実施形態では、2次元変位センサ21として2次元レーザセンサを使用しており、これは帯状のレーザ光を球状体1の球面部2に照射し、その反射光をCCDで撮像することにより、球面部2の断面形状を計測することのできる非接触型センサである。但し、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば接触式や超音波式等、その他の2次元変位センサ21を使用してもよい。尚、2次元変位センサ21は、その光軸を一軸(Z軸)とする3次元直交座標系(X−Y−Z)、即ち2次元変位センサ21の位置姿勢により一義的に定まる3次元直交センサ座標系(以下、「センサ座標系」という)30を有している。しかるに、必ずしもこのように構成する必要はなく、2次元変位センサ21に設定される3次元直交座標系は、2次元変位センサ21の種類等に応じて適宜変更することが可能である。これに対して、作業ロボットTは、ロボット上に定義された3次元直交機械座標系(以下、「機械座標系」という)31を有している。また、アーム20には、ワークWに対して例えば溶接や研磨等の作業を行うためのツール22が取付けられている。
作業ロボットTは、アームの20の動作を制御する制御装置25を備えている。制御装置25は、各種演算を行う演算部23としてのパーソナルコンピュータに接続されている。演算部23は、図3(a)に示すように、先ず2次元変位センサ21により計測した球面部2の断面形状に関する情報、即ち前記センサ座標系30に於いて、球面部2の円弧部40上にある複数の座標点を任意に選定して記憶する。尚、選定する座標点の具体的な数は何ら限定されず、適宜変更が可能である。また、演算部23はこれらの各座標点から、後述する数式1と三平方の定理とに基づいて、センサ座標系30からみた球面部2の曲率中心P′(a,b,c)の座標を演算することが可能である。
また、作業ロボットTは、機械座標系31からみたセンサ座標系30の位置姿勢(X,Y,Z,α,β,γ)、即ち機械座標系31からみた2次元変位センサ21の位置姿勢情報を取得する機能を有している。ここに、「X,Y,Z」は機械座標系31からみたセンサ座標系30の原点位置情報であり、「α,β,γ」は機械座標系31からみたセンサ座標系30の姿勢情報である。また、「α,β,γ」はZ−Y−Z系のオイラー角で表される。ただし、上記原点位置情報及び上記姿勢情報の表記方法は、これらに限定されるものではない。
演算部23は、このような機械座標系31からみたセンサ座標系30の位置姿勢情報と、センサ座標系30からみた球面部2の位置情報とから、後述する数式2により機械座標系31からみた球面部2の曲率中心P″の位置(座標Xc,Yc,Zc)を演算することができる。
本実施形態に係る曲率中心検出装置は、以上のように構成されている。次に、これを使用してワークWに形成された孔10の中心位置を検出する方法について説明する。
一連の検出作業は、図4に示すようにステップ100から開始される。先ず、図1(b)及び図2に示すように、ワークWに形成された孔10に球状体1の固定部3を挿入して固定する(ステップ101)。この場合、固定部3の軸心Sは、球面部2の曲率中心Pを通過するように構成されているので、孔10の中心はワークWの上面を含む平面上に於いて、球面部2の曲率中心Pと一致する。従って、孔10の中心の位置を求めるには、球面部2の曲率中心Pを求めればよいことになる。
次に、作業ロボットTのアーム20を前記球面部2の上方位置に移動させた後(ステップ102)、2次元変位センサ21により球面部2にレーザを照射して、球面部2の断面形状を計測する。更に、計測した断面形状に関する情報を演算部23のメモリに記憶させる(ステップ103)。尚、断面形状に関する情報については後述する。
上記2次元変位センサ21によるレーザの照射は、球面部2の一箇所について1度だけ行えばよく、しかも球面部2に対して任意の角度で照射すればよいために、検出作業を煩雑化せしめるようなことはなく、効率的に一連の作業を行うことができる。また、レーザが照射可能な範囲内にあれば、ワークWは作業ロボットTに対してどのような姿勢で配置されていても問題はなく、細かな位置調整等の操作は一切不要である。
更に、2次元変位センサ21によるレーザの照射は、直接ワークWの孔10に対して行うのではなく、孔10に固定した球状体1の球面部2に対して行われる。これによれば、光軸方向と平行な部位に於ける検出精度に欠ける2次元変位センサ21の欠点を適切に補完しつつ、球面部2の断面形状を精度良く的確に計測することができる。その結果、球面部2の曲率中心P″の検出精度が向上することになる。
前記断面形状に関する情報は、図3(a)に示すように、センサ座標系30の原点Oを基準とするものであり、Y−Z平面に於いて、球面部2から取得した円弧部40の曲線上にある複数の座標点(y,z)を内容とするものである。かかる断面情報から、演算部23は円の最小二乗法等を用いてセンサ座標系30からみた球面部2の曲率中心P′の座標(a,b,c)を求める。
−Z平面に於ける中心座標(b,c)、半径rからなる円の一般式は、(y−b)+(z−c)=rで表されるが、先ずこの円の方程式に関する最小二乗法を用いて、下記の数式1からA、B、Cの値を求める。
Figure 2011185853
これにより得られるA、B、Cは、A=−2a、B=−2b、C=a+b−rという関係を有している。これらから、演算部23はセンサ座標系30からみた円弧部40の中心(b,c)とその半径rを演算する。
次に、球面部2の曲率中心P′(a,b,c)の残りのX軸成分aを演算する。図3(b)に示すように、センサ座標系30のX−Z平面に着目すれば、X軸成分aは前記円弧部40の半径rと既知である球面部2の半径Rとから、三平方の定理a=R−rで求めることができる(ステップ104)。
更に、以上により得られたセンサ座標系30からみた球面部2の位置情報と、作業ロボットTが取得した、機械座標系31からみたセンサ座標系30の位置姿勢(X,Y,Z,α,β,γ)とから、次のような数式2により、機械座標系31からみた球面部2の曲率中心P″の位置(Xc,Yc,Zc)が演算部23により演算される。
Figure 2011185853
ここで、R,Rは夫々Y軸回り、Z軸回りの回転行列である。このようにして求められた球面部2の曲率中心P″は、ワークWの上面を含む平面上に於ける孔10の中心でもあり、このようにして孔10の中心を検出することができる。その結果、機械座標系31に基づいて作業ロボットTのツール22は、ワークWに対して所定の作業を精度良く行うことが可能になる。
以上で説明したように、本実施形態に係る曲率中心検出装置は、非常に簡易な構成からなるために、その製作も容易に且つ安価に行うことができる。また、これを使用した孔位置検出方法も簡易な作業により、孔10の中心位置を検出することができる。
尚、上記実施形態に於ける球状体1の球面部2は半真球状に形成されているが、例えば図5に示すように、真球状に形成してもよい。この場合にも、上記実施形態と同様に2次元変位センサ21による計測により断面情報を得ることができ、球面部2の曲率中心の位置を求めることが可能である。また、真球部2bの半径R′は既知であるために、これをオフセット量としてワークWの孔10の中心位置も同様に検出することができる。
また、球状体1の球面部2は、極力半真球状又は真球状に形成されることが好ましいが、さほど厳格な検出精度が要求されないような場合は、必ずしも半真球状又は真球状に形成する必要はない。
更に、上記実施形態では、曲率中心検出装置の一使用例としてワークWの孔10の中心位置を検出する場合について説明したが、本発明に係る曲率中心検出装置は、一定の曲率半径を有して形成された球状体1の曲率中心を検出する場合に幅広く適用可能である。従って、球状体1の固定部3は必要に応じて設ければよく、省略しても構わない。
また、センサ座標系30からみた球面部2の曲率中心P′や、機械座標系31からみた曲率中心P″を求める具体的な手法は、決して上記実施形態のものに限定されず、その他の既存の演算法等を使用することも可能である。
また、上記実施形態では、曲率中心検出装置を作業ロボットTに備えさせた場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の装置等に適用することも可能である。
その他、作業ロボットTの各部の具体的な構成も、本発明の意図する範囲内に於いて任意に設計変更自在である。
1 球状体
2 球面部
3 固定部
10 孔
21 2次元変位センサ
23 演算部
30 3次元直交センサ座標系
31 3次元直交機械座標系
40 円弧部
P′、P″ 球状体の曲率中心
T 作業ロボット
S 固定部の軸心
W ワーク

Claims (8)

  1. 一定の曲率半径を有して形成された球状体の曲率中心を検出する曲率中心検出装置であって、
    前記球状体の断面形状を計測する2次元変位センサと、
    該2次元変位センサより計測された前記断面形状に関する情報に基づいて、前記球状体の曲率中心を演算する演算部とを備えてなることを特徴とする曲率中心検出装置。
  2. 前記情報は、前記2次元変位センサに設定された3次元直交センサ座標系に於ける、前記断面形状の一部を形成する円弧部上に存する複数の座標点である請求項1記載の曲率中心検出装置。
  3. 請求項1又は2に記載の曲率中心検出装置は、作業ロボットに備えられている曲率中心検出装置。
  4. 前記演算部の演算により得られる曲率中心は、前記3次元直交センサ座標系から変換された、前記作業ロボット上に定義される3次元直交機械座標系に於ける曲率中心である請求項3記載の曲率中心検出装置。
  5. 前記球状体は、真球又は半真球である請求項1〜4の何れか一つに記載の曲率中心検出装置。
  6. 前記球状体は、ワークに形成された孔に挿入される固定部を備え、該固定部は前記球状体の曲率中心及び前記孔の中心を通過する軸心を有している請求項1〜5の何れか一つに記載の曲率中心検出装置。
  7. ワークに形成された孔の中心を検出する孔位置検出方法であって、
    球状体が備えた固定部を前記ワークの孔に挿入し、該孔の中心が前記固定部の軸心上に配されるように固定した後、
    一定の曲率中心を有して形成された前記球状体の球面部についての断面形状を2次元変位センサにより計測し、
    その後、該球面部の断面形状に関する情報に基づいて、前記孔の中心位置を演算することにより検出する孔位置検出方法。
  8. 前記情報は、前記2次元変位センサに設定された3次元直交センサ座標系に於ける、前記断面形状の一部を形成する円弧部上に存する複数の座標点であり、且つ前記情報に基づいて演算されるのは、前記3次元直交センサ座標系から変換された、前記作業ロボット上に定義される3次元直交機械座標系に於ける孔の中心位置であり、しかも前記球状体の球面部は半球状に形成されると共に、前記固定部の軸心は前記球面部の曲率中心を通過する請求項7記載の孔位置検出方法。
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