JP3735019B2 - 超音波診断可能な医療用器具または部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は施術前、施術中、施術後にその位置、形状を超音波により安全に検知、診断出来るような医療用器具または部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療用器具または部材の検知部分にはX線不透過の金属部材等を全体またはマーカー部に使用されており、生体内に挿入、留置、移植された場合の該器具または部材の位置、形状、作動に関する検知、診断はX線透視により実施されている。
上記X線による診断には放射線障害に対する防護が必要であり、装置も大きくなり設置場所の配慮も必要となる。
【0003】
一方、安全性と簡易性により超音波診断装置を利用して生体内の医療用器具または部材の検知を行なう方式も提供されているが、該器具または部材を構成する材料は、一般に超音波の伝播透過、減衰により反射波による検知が十分出来ない。そこで超音波診断装置の検知性能を上げるため、超音波発信信号の生体内よりの反射エコーの画像処理の研究開発が進展し、その性能は向上してきている。
【0004】
さらに超音波診断装置を用いての被検体内の医療用器具または部材の検知については、超音波反射波を増強するため、造影剤として微小気泡の投与が行われている(特開平11−318901号公報、特開平11−269100号公報)。該微小気泡は、球状であり、超音波診断装置からの超音波発信信号周波数との整合性、気泡径のコントロール等に配慮が必要となる。またさらに、超音波診断用に超音波造影剤を循環回流させ超音波ドップラー効果を利用して診断することも考案されている(特開平08−131548号公報)。しかし超音波診断に造影剤を用いることは体内における医療用器具または部材の検知に適切な方法とは言えない。
【0005】
更に医療用器具および部材であるカテーテルシャフトの表面に螺旋溝切りを行なうことにより、反射波の増強を行なう構成(特開2000−051219号公報)、あるいは患者の体内に挿入される細長のプローブの所定位置に発泡高分子材料を設ける構成(特開平06−327671号公報)等が提案されているが、前者の構成では反射波の増強は充分とは言えず、後者の構成では前述の造影剤としての気泡の利用と同様、気泡径のコントロールが困難なためと、限られた表面層からのみの反射波では器具あるいは部材の位置検知が充分に行ない難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
生体内に挿入、留置、移植する医療用器具あるいは部材は多種に及び、これらの器具あるいは部材の体内への挿入あるいは体内に留置、移植の施術を実施する時の検知、あるいは術後における診断を超音波によることが出来ればX線とは異なり安全であり、また簡易に実施が可能となる。本発明はこれら医療用器具あるいは部材の全部または一部を超音波診断装置で検知可能に構成することを課題とする。
【0007】
生体内に超音波診断装置のプローブより超音波信号を送信すると、体内の各部組織の構成により超音波の伝播媒体としての伝播速度が異なるため、該超音波信号は各部組織の境界部において超音波信号の一部が反射し、一部は界面を通して内部に伝播し透過する。さらに組織を伝播、透過した超音波は次の組織界面に達し、この界面において一部は反射し、他は伝播、透過し、これを繰り返す。この際の反射波をエコーとしてプローブで受信し、電気信号に変換し画像処理することにより体内構造を検知し、またその組織活動を経時的に観察、診断する。ただし肺、気管等は外気を吸入する臓器で、空気層が大きく超音波信号は臓器界面で反射し、内部への伝播はほとんどないので、超音波診断装置による内部観察は困難である。
【0008】
生体内に挿入された医療用器具あるいは部材を、超音波診断で位置確認等の検知を行なう場合、該器具あるいは部材を構成する材料が金属、プラスチック等の固体材料であると、生体内で伝播した超音波信号はこれら固体界面に到達すると、その界面において反射すると共に透過伝播する。しかし、体内組織から器具あるいは部材を構成する固体表面へ伝播した超音波信号の反射は、超音波信号の固体表面各部への入射角に対応する角度で反射し、反射率が高いわりには定位置におかれたプローブへの反射波の返信が悪い。例えば円断面の丸棒の場合に、実寸に対して極端に細い丸棒としてしか認識されず大部分の反射波はプローブの受信領域外への反射となり、超音波診断装置での観察が困難である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
超音波信号の伝播は、液体より固体へ、固体より液体へは、ある反射率をもって反射するが、一部は次の媒体中へ透過する。一方、液体より気体へ、固体より気体への場合は、界面においてほとんどが反射することになる。これは超音波の伝播媒体としての液体と気体、固体と気体では、超音波の伝播速度cおよび媒体比重ρに大きな差があり、その積ρcの格差が大きく、液体と気体、固体と気体との界面においては超音波の伝播の整合がとれず、これら界面において超音波のほとんどが反射することになる。
【0010】
本発明は上記従来の課題を解決するための手段として、体内に挿入、あるいは留置、移植する医療用器具あるいは部材の全部または一部に伸線された多孔質金属線材または圧延された多孔質金属薄板材であって表面に開口していない独立気泡を有する多孔質金属材を用いるか、あるいは取付けることにより、超音波診断装置において独立気泡を有する該多孔質金属材による超音波の反射波で位置確認、検知、診断を可能とすることを見出した。即ち体内組織内で伝播された超音波信号が多孔質金属材表面に当たると、非多孔質金属材料に当たった時と同様に該超音波信号は入射角に対応する角度で反射し、定位置に置かれたプローブへ向かっての反射波は限られたものとなるが、多孔質金属内へ透過伝播した超音波信号は、気孔中の気体層との界面でほとんどが反射されると共に、その反射波はあらゆる方向に散乱して反射し、プローブによる受信信号が増大するためである。
【0011】
ここで独立気泡を有する多孔質金属材としては、水素、窒素等の気体の溶解度の溶融金属と固体金属との差を利用して、溶融金属に溶解した気体を、溶融金属を冷却し固体化する際に溶解度差により遊離発生させることにより金属内に微細独立気孔を形成させたものである(特開平10−88254号公報、特願平10−227624号公報、特願平11−198109号公報)。
【0012】
この多孔質金属は溶融金属の冷却時の冷却方法により図1に示すように気孔Pの形状を小球状(A)、放射状(B)、長孔状(C)等に制御することが可能で、医療用器具あるいは部材の構成材料として充分の機械強度を持たせたものを作ることが出来る。また、生体への挿入、留置、移植に支障のない金属材料の選択も可能であり、ここでは図2に示したような気孔Pが細長く一方向に伸びたステンレス鋼の多孔質金属を利用した。
【0013】
しかし、医療用器具あるいは部材の性能あるいは使途により、図1(A)に示したような球状の気孔を持った材料を必要とすることもある。この場合は該器具あるいは部材の構成金属の全部または一部に球状の気孔、あるいは異なった径の気孔を分散させた多孔質金属材料を使用する。この多孔質金属の気孔形状あるいは大きさの異なる気孔の分布は、多孔質金属の製造過程の条件の制御により作製可能である。さらに、多孔質金属を伸線または圧延等の後加工をすることにより、気孔の形状を変えることも可能である。
【0014】
このような多孔質金属を超音波診断に使用すると、超音波信号は多孔質金属部材中に透過伝播しても気孔の界面においてほとんどが反射され、反射波は増強され、球状の気孔を器具あるいは部材の表面層に形成したものと比較し強力なものとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本実施例では生体挿入用多孔質金属として主として多孔質ステンレス鋼材を用いることにしたが、X線不透過マーカーに用いられる金属の多孔材の利用も考えられる。
【0016】
多孔質金属の作製はステンレス鋼の場合、水素または窒素雰囲気の加圧容器中でステンレス鋼を溶融し、気体を溶解させ、該溶融材を細孔を介して一方向に引き出しつゝ冷却凝固させると、固化の際過飽和気体原子が遊離し、目的とする方向性を持った気孔を分散した多孔質金属線材を作製することができる。この際の溶融金属の冷却過程の引き出し条件により、気孔径数μm〜数十μm、気孔長5mm〜80mm、気孔率5%〜50%の多孔質金属線材を作製することが可能で、用途に合わせた多孔質金属線材を作製することが出来る。上記多孔質金属線材以外に多孔質金属ブロック材の裁断あるいは圧延することにより多孔の薄板材を作製することもできる。これらの多孔質金属線材または薄板材を各種医療用器具あるいは部材において超音波診断の際、視認を必要とする個所に使用することにした。
【0017】
一方、超音波診断装置としてはプローブからの発信周波数が6〜12MHz程度のものよりさらに高周波領域のものまで実用されている。超音波信号の周波数を上げれば解像度は向上するが視認深度が浅くなり、減衰も大きくなるので、医療診断用途により周波数を選定、使用するべきである。
【0018】
超音波診断装置の超音波発信周波数を12MHzとすると、解像度は向上し、約0.1mm程度の大きさのものを画像にとらえ視認が可能となるので、これを基準に各種医療用器具あるいは部材への多孔質金属の適用を検討した。今後、さらに、診断装置の性能向上は行われると考えられるので、本発明の多孔質金属の超音波診断への利用は、実施例の記載に限定されるものではない。また本発明の医療用器具あるいは部材としては、超音波診断装置によるばかりでなく、X線検知も可能なようにX線不透過マーカーも併設することも考慮に入れている。
【0019】
図5に示すような血管挿入用カテーテルのガイドワイヤーは、一般に手元部においてステンレス線が使用され、先端部はセンタレスグラインダーで切削し、この先端部に細線コイルを取付けている。このコイル部の手元側はステンレス鋼線よりなり、途中または先端部には、X線不透過マーカーとして白金合金線が取付けられている。
【0020】
本発明では手元部より先端部に至るステンレス線全体を多孔質金属線とするかあるいは先端コイル線の一部を多孔質金属線とすることにより、超音波診断装置において視認可能とすることにした。
【0021】
このような直径0.1mm〜0.5mm程度の多孔質金属線材は、水素または窒素等を溶解した溶融ステンレス材を加圧溶融炉中で、溶解坩堝に取付けた冷却引き出し用細孔より冷却しながら引き出し、過飽和のガスを遊離させながら、引き出し軸方向に細長い気孔を持たせた線材を作製する。さらにこの原線材をダイシングすることにより必要とする線径に加工した。
【0022】
このような多孔質金属線材の内部には独立気孔が分散した構造となっている。また細線の加工により表面に気孔切断面が露出することがあるが、従来の非多孔質線材を用いている場合もその表面にはテフロンコーティング(17)を行なっており、この場合もテフロンコーティング(17)をすることにより、気孔切断面は閉塞され独立気孔となる。
【0023】
多孔質金属の薄板材を医療用器具あるいは部材に利用する事例としては、血管狭窄部の拡張用ステント、組織補強の部材等がある。この場合、ステンレス鋼材、チタン材等の生体挿入、留置、移植可能な金属材料で多孔質金属ブロックを作製し、それを裁断して薄板にするか、あるいは圧延加工することにより薄板とし、これを必要形状に切断加工して利用する。
【0024】
気孔径、気孔率、薄板の厚さは、独立気孔を利用する部材の寸法、形状に合わせて多孔質金属原材を作製する。また前記線材の利用の場合と同様に加工、成形された部材の表面をテフロンコーティングする等表面処理を行なって使用される場合も多く、この場合は気孔の切断面が表面に存在してもコーティング材で閉塞して独立気孔とすることも可能である。
【0025】
人工骨等のブロック状の多孔質金属を成型、使用する場合は、独立気孔を部材中に分散させることは容易であり、また気孔切断面が表面に出てもコーティング材により、気孔断面を閉塞し独立気孔として介在させることができる。
【0026】
上記、生体内に挿入、留置あるいは移植する医療用器具あるいは部材の全体または一部に多孔質金属を利用する場合、その加工前の原材料中の気孔の孔径を数μmより数十μm単位とし、また加工後の使用目的に合わせて気孔率を設定することにより部材を生体内に挿入した際に超音波診断可能とすることができる。
【0027】
〔実施例1〕
肝臓、脳等の血管への薬剤の注入、または塞栓物質の挿入に使用するマイクロカテーテル(1) は図3に示した全体構造をもち、基端部は保護チューブ(8) およびハネコネクター(9) よりなる。本体部は先端チューブ(6) と胴体シャフト(7) よりなり、該先端チューブ(6) と胴体シャフト(7) とはウレタン樹脂を用いて管状に成型され基端部に接合されている。
【0028】
図4に示すように、該カテーテル(1) の先端部においては、該カテーテル(1) を血管に挿入する際の位置確認用に最先端部のマーカー取付け部(4) にX線不透過の白金合金マーカー(3) を埋込み取付けているが、本実施例においてはこの白金合金マーカー(3) と隣接してステンレス多孔質金属の超音波検知用マーカー(2) を同様に埋込み取付け、該超音波検知用マーカー(2) および該白金合金マーカー(3) の上にカバーチューブ(5) を被着している。
【0029】
この実施例では、先端チューブ(6) は外径φ0.9mm、内径φ0.6mmのウレタン樹脂チューブよりなり、先端より1.2mmの所に超音波検知用マーカー(2) としてφ0.05mmのステンレスSUS304の多孔質金属細線をコイル状に巻き長さ0.9mmとしたものを埋込み、同様にこの超音波検知用マーカー(2) に手元部側に隣接し、白金合金マーカー(3) としてφ0.05mmの白金合金細線をコイル状に巻いたものを長さ0.9mm埋め込み、この上をウレタン樹脂チューブ(6) で被覆し、最先端部の外径をφ0.7mmに、マーカー部を外径φ0.9mmに仕上げた。
【0030】
〔実施例2〕
血管中へ実施例1のカテーテル(1) を挿入する際、案内として図5に示すようなガイドワイヤー(21)が用いられる。このガイドワイヤー(21)は現行ではX線透視下で操作が行われ、その先端にはX線不透過の白金合金マーカー(3A)が取付けられている。
【0031】
このガイドワイヤー(21)が超音波診断装置にて視認可能になるようにコア線(10)をステンレス多孔質金属線で構成することにした。このコア線(10)は、図2(B)に示したような軸方向に沿って細長く伸びた気孔を有するSUS304多孔質金属線材とし、素線径はφ0.33mm、テフロンコーティング(17)後の直径がφ0.35mmとしている。該コア線(10)は全長1800mmで基端側1450mmをテフロンコーティングしている。先端部は外径を段差をつけて漸減し、最終端の直径を0.028mmまで切削加工している。更に該コア線(10)の基端はエクステンションチューブ(19)を介してエクステンションワイヤー(20)が接続できるよう段加工(18)が施されている。該コア線(10)の先端部にはコイルスプリング(11)および白金合金マーカー(3A)が半田溶着されている。
【0032】
該コイルスプリング(11)は直径がφ0.07mmのSUS316素線を外径φ0.35mmに密着巻コイルとしたもので、長さ170mmとし、その先端部には直径φ0.07mmの白金・ニッケル合金線を同じく外径φ0.35mmに密着巻し長さ30mmとして溶着している。該コイルスプリング(11)は、先端溶着部(12)、中間溶着部(13,14,15,16) の各部でコア線(10)と半田溶着している。
【0033】
〔実施例3〕
心臓血管の狭窄部等の拡張には、血管拡張用ステントが用いられている。該ステントは血管中に挿入したのち内装したバルーンで拡張し、患部に留置されるもので、挿入時にX線透視下で挿入留置しても、術後の検診を超音波診断装置で行なうことができるよう、ステントの構成材料に多孔質金属を用いることにした。
【0034】
図6(A)に示したように多孔質金属薄板を巻回し、突合わせ部を溶着し筒状部材(24)とする。該筒状部材(24)は外径φ1.5mm、長さ15.5mmとし、これを図6(B)に示したパターン模様にレーザー加工し、網状のステント素材(23)とする。この場合薄板のレーザー加工断面の気孔は端面の溶融で閉塞される。薄板の板厚は0.05mmとし、網目模様の線巾は0.15mmとした。該ステント素材(23)は図6(C)に示すように筒状に成形されてステント(22)とされる。
【0035】
〔実施例4〕
生体内に挿入し、留置、移植する人工骨、組織材料補強部材として金属、セラミック等の固体材料が利用されるが、これ等を超音波診断装置で探知しようとすると、プローブより発信された超音波信号は、これ等挿入部材の表面での反射波をうまく捕集できず、視認が困難である。本実施例はこれ等生体挿入部材の挿入位置確認必要部位に多孔質金属の薄板または細線を部材に挿入、貼付けあるいは巻付け固定することにより、超音波診断装置にて視認可能とした。図7は金属製人工骨(31)で、その超音波診断装置での視認確認となるようにφ0.2mmのステンレスSUS304の多孔質金属線材よりなる超音波診断用マーカー(3B)を要所に巻付け固定した。
【0036】
〔実施例5〕
図8(A),(B),(C)にはカテーテルを体内に挿入する際の案内として先に血管に挿入するガイドワイヤー(41)が示される。本実施例の構成は以下に示した。外径φ0.28mmの2本のSUS304細線(42)と、同じく、一本の外径φ0.28mmのステンレスSUS304多孔質金属細線(43)を、超音波検知用マーカー(2) として撚り線とし、スウェージングにより外径φ0.56mmとし、長さ1800mmのコア線原材(44)とした。このコア線原材(44)の先端より90mmの部位から先端まで研削してテーパを付け、先端20mmを外径φ0.17mmとしてコア線(45)とした。該コア線(45)の表面全体を外径φ0.76mmになるように樹脂コーティング(46)を施し、さらにこの表面に親水性ポリマーコーティング(47)を行ない、外径φ0.89mmとしたものである。
【0037】
以上本発明の実施例を示したが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施に当たっての多孔質金属の材質、孔形状、細孔の部材に対する方向等は、目的に適合するよう任意に選択されるものとする。
【0038】
【発明の効果】
本発明においては、生体内に挿入、留置あるいは移植する医療用器具あるいは部材の全部または一部に多孔質金属を用いて、施術時、施術前後における医療器具あるいは部材の生体内での位置確認をX線検知以外に超音波診断装置により視認可能とすることが出来た。該多孔質金属は医療用器具あるいは部材として適切な材料の選択が可能であり、また医療用器具あるいは部材の全部または一部の構成部材として線材、薄板材を適切な寸法形状に加工利用することが可能である。多孔質金属の線材は溶解炉中で線引きした線材をそのまま、あるいはダイジングして細線として利用する。また薄板は溶解炉中で薄板として引出したもの、多孔質金属ブロックを切出したものをそのまま、あるいは圧延して利用する。
【0039】
また、超音波診断の診断内容により超音波の信号周波数はそれぞれ特定され、この際の医療用器具あるいは部材の視認を確実にするためには、医療用器具あるいは部材に用いられる多孔質金属の気孔率、気孔の寸法、形状を適当なものとすることと、機械的強度を配慮しなければならないが、これらの要件を満たした多孔質金属は、その作製時の条件の設定制御により容易に得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
図1〜図8は本発明の一実施例を示すものである。
【図1】多孔質金属気孔Pの形状の違いを示す。
(A)小球状気孔
(B)軸心より放射状気孔
(C)軸方向に伸びた長孔状気孔
【図2】軸方向に細長く伸びた気孔を持つ多孔質金属を示す。
(A)軸方向に直角の断面図
(B)軸方向断面図
【図3】マイクロカテーテルの全体図
【図4】マイクロカテーテルの先端マーカー取付部の断面図
【図5】ガイドワイヤーの一部省略全体図
【図6】血管狭窄部拡張用ステントの作製過程を示した図
(A)多孔質金属薄板の筒状部材の斜視図
(B)レーザー加工機で穴明け加工する際のパターン模様
(C)完成したステントの斜視図
【図7】人工骨の斜視図
【図8】
(A)カテーテル挿入用プラスチックガイドワイヤーの全体図
(B)AのA−A断面図
(C)AのB−B断面図
【符号の説明】
1 マイクロカテーテル(医療用器具)
2 超音波検知用マーカー(部材)
3B 超音波診断用マーカー
10 コア線(部材)
21,41 ガイドワイヤー(医療用器具)
22 ステント(部材)
31 人工骨
43 多孔質金属の細線(部材)
Claims (6)
- 体内へ挿入する医療用器具または部材において、その金属部分の全体または一部を伸線された多孔質金属線材または圧延された多孔質金属薄板材であって表面に開口していない独立気泡を有する多孔質金属材で構成したことを特徴とする超音波診断可能な医療用器具または部材
- 該超音波診断可能な医療用器具または部材は、マーカー部の全部または一部に伸線された多孔質金属線材または圧延された多孔質金属薄板材であって表面に開口していない独立気泡を有する多孔質金属材を用いた体内挿入用カテーテルである請求項1に記載の超音波診断可能な医療用器具または部材
- 該超音波診断可能な医療用器具または部材は、金属線の全部または一部に伸線された多孔質金属線材であって表面に開口していない独立気泡を有する多孔質金属材を使用した体内挿入用カテーテルのガイドワイヤーである請求項1に記載の超音波診断可能な医療用器具または部材
- 該超音波診断可能な医療用器具または部材は、全部または一部に圧延された多孔質金属薄板材であって表面に開口していない独立気泡を有する多孔質金属材を用いた血管等狭窄部拡張用ステントである請求項1に記載の超音波診断可能な医療用器具または部材
- 該超音波診断可能な医療用器具または部材は、全部または一部に伸線された多孔質金属線材または圧延された多孔質金属薄板材であって表面に開口していない独立気泡を有する多孔質金属材を用いた人体挿入用人工関節、人工骨または組織材料補強部材である請求項1に記載の超音波診断可能な医療用器具または部材
- 該超音波診断可能な医療用器具または部材は撚り線であり、該撚り線を構成する細線の少なくとも一本を表面に開口していない独立気泡を有する伸線された多孔質金属細線とした請求項1に記載の超音波診断可能な医療用器具または部材
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