JP2004167058A - 超音波医療チューブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】体内に挿入される超音波医療チューブであって、該超音波医療チューブは、樹脂を発泡成形せしめ、該超音波医療チューブの管壁内に多数の微細な発泡セルを形成させたことを特徴とする医療用チューブである。
【選択図】図1
Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、超音波医療チューブに係わり、特に超音波を用いて造影効果を得ることができる超音波医療チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、人体の診断、治療を行うために、人体内に挿入される医療用チューブとして、硫酸バリウムあるいは酸化ビスマスのような造影剤が含有された造影剤入りチューブが用いられており、この造影剤入りチューブにX線照射を行って造影効果を得ることにより、チューブの位置、状態などを確認することができる。この場合、X−線を照射しなければならないが、このX−線照射による人体へのX−線被爆が、人体に対し悪影響を与えるおそれがあり、安全性に問題が有ると共に、X−線照射装置が大掛かりなものとなるという問題もある。
【0003】
近年、人体の診断、治療を行う際、人体に対する安全性を高めるために、あるいは大掛かりな装置を避け簡便に診断、治療を行うことができるようにするために、上記したようにX−線を照射して造影効果を得るのではなく、超音波を利用して造影効果を得る医療用器具が提案されている。この種の医療用器具の一つとして、超音波に対する反射性の大きい気泡が取り込まれている高分子材料を、患者の体内に挿入される細長のプローブに沿った所定の位置に設けた医療器具が提案されており(例えば、特許文献1参照)、この医療器具では、高分子材料に取り込まれている気泡に超音波を発し、その反射超音波を好適な手段および信号処理を介して、高分子材料に対する造影効果を得、これを超音波画像装置に表示しようとするものである。
【0004】
しかし、この場合、超音波の反射は、細長のプローブの所定位置に設けられた超音波反射部としての高分子材料からのみの反射となり、医療器具全体の位置あるいは状態の確認が充分に行い難く、また気泡が取り込まれている高分子材料がプローブから離脱するおそれも有るという問題がある。
【0005】
また、超音波を利用して造影効果を得る医療用器具の他の例として、体内に挿入される医療用器具あるいは部材の全部または一部に独立気泡を有する多孔質金属を用い、超音波診断装置において独立気泡を有する多孔質金属による超音波の反射波で位置確認、検知、診断を可能とする提案がなされているが(例えば、特許文献2参照)、この医療用器具では、多孔質金属により構成されているので、可撓性が充分ではないという問題がある。
【特許文献1】
特開平6−327671
【特許文献2】
特開2002−52079
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、可撓性に優れ、超音波を用いて容易に位置および状態等の確認を行うことができる超音波医療チューブを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明に係わる超音波医療チューブによって達成される。すなわち、要約すれば、本発明は、体内に挿入される超音波医療チューブであって、この超音波医療チューブは、樹脂を発泡成形せしめ、この超音波医療チューブの管壁内に多数の微細な発泡セルを形成させたことを特徴とする超音波医療チューブである。
【0008】
【作用】
本発明の超音波医療チューブによれば、体内に挿入される超音波医療チューブであって、この超音波医療チューブは、樹脂を発泡成形せしめ、この超音波医療チューブの管壁内に多数の微細な発泡セルを形成させたことを特徴とする超音波医療チューブであり、この超音波医療チューブの管壁内に多数の微細な発泡セルを備えているので、この超音波医療チューブに対し、通常の超音波医療用途に使用されている超音波診断装置から超音波を発し、その反射超音波を受けて図示しない装置にて信号処理を行い、これを超音波画像装置に表示しようとする際、超音波が管壁内の多数の微細な発泡セルによって極めて効果的に反射され、超音波医療チューブ全体の位置およびその状態の確認を容易に行うことができる。また、本発明の超音波医療チューブは、発泡セルという超音波の反射部が、超音波医療チューブ自体に形成されているので、従来のように超音波反射部が離脱するというおそれもない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による超音波医療チューブを、好ましい実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明による超音波医療チューブの好ましい実施の形態の斜視図であり、図2は、図1に示す超音波医療チューブのA−A線についての断面図である。なお、図は、本発明の好ましい実施の形態を説明するためだけに用いたもので、各部分の尺度は考慮されていないことを理解すべきである。
【0010】
図1および図2を参照すると、本発明による超音波医療チューブ1が示されており、この超音波医療チューブ1は、図2の断面図から容易にわかるように、内側および外側にそれぞれ、内皮2及び外皮3を有しており、この内皮2及び外皮3の間、すなわち管壁4には、多数の微細な発泡セル5からなる発泡体層6が形成されている。内皮2の内側は、鉗子のような処置具あるいは薬液等の通路となる中空部7が形成されている。
【0011】
この超音波医療チューブ1は、例えば、熱溶融性ふっ素樹脂であるテトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(以下、FEPという)を発泡させて成形したもので、主にテトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)95〜99.95重量部に、発泡核剤として窒化ホウ素0.05〜5重量部を混合したものを、通常の押出し機のシリンダ内へ、ホッパを介して、供給すると共に、約200度C〜400度Cの温度に設定されたシリンダ内へ窒素ガスを0.1MPa〜5MPaの一定圧力で供給して、通常のチューブ成形用ダイ・マンドレル金型を通って押出し、発泡成形したものである。超音波医療チューブ1の外径及び内径は、医療分野で用いられる用途に応じて適宜設定することができ、例えば、外径0.5ミリメートル〜8.7ミリメートル、内径0.3ミリメートル〜8.0ミリメートルである。
【0012】
この発泡成形された超音波医療チューブ1は、図2に示すように、発泡体層6内に多数の発泡セル5を有し、これらの発泡セル5は、各発泡セルがそれぞれ独立した独立発泡を形成している。
【0013】
このように形成された超音波医療チューブ1に対し、超音波医療用途に使用されている超音波診断装置のプローブから超音波を発すると、超音波医療チューブ1の発泡体層6内の多数の微細な発泡セル5に超音波が衝突して反射し、その反射超音波を図示しない超音波処理装置を介して、画像化処理することにより超音波医療チューブ1に対する造影効果を得ることができる。その結果、例えば体内に挿入された超音波医療チューブ1の画像表示を行うことができ、その位置あるいは状態などの確認を行うことができる。
【0014】
なお、上記した本発明の好ましい実施の形態では、発泡核剤として窒化ホウ素を用い窒素ガスを導入する物理発泡について述べたが、発泡核剤にはその他にゼオライト、マイカ、雲母等を使用でき、他に発泡核剤を使用しないで炭酸ガスやフロンガスを用いた物理発泡で発泡成形させても良い。また、発泡核剤を使用しないで化学発泡を用いることも可能である。
さらに、上記した本発明の好ましい実施の形態では、FEPを用いた場合について述べたが、本発明の超音波医療チューブは、FEPに限られるものではなく、可撓性および減菌処理を行う際の耐熱性などを有すると共に、生体適合性などを有して医療分野において用いられる任意の樹脂を用いることができるが、好ましくは、テトラフルオロエチレンーパーフルオロアルコキシエチレン共重合体(以下、PFAという)、エチレンーテトラフルオロエチレン共重合体(以下、ETFEという)あるいはポリビニリデンフルオライド(以下、PVDFという)のような熱溶融性ふっ素樹脂などを用いることができる。
【0015】
上記のようになる本発明の超音波医療チューブは、上述したように、樹脂を発泡成形せしめ、その超音波医療チューブの管壁内に微細な発泡セルを多数形成させた、体内に挿入される超音波医療チューブであり、この超音波医療チューブは、その長手方向全体にわたる管壁内に多数の微細な発泡セルを備えているので、この超音波医療チューブに対し、通常の超音波医療用途に使用されている超音波診断装置から超音波を発し、その反射超音波を受けて図示しない装置にて信号処理を行い、これを超音波画像装置に表示しようとする際、超音波が管壁内の多数の微細な発泡セルによって極めて効果的に反射され、超音波医療チューブ全体の位置およびその状態の確認を容易に行うことができる。また、本発明の超音波医療チューブは、樹脂からなるので可撓性に富むと共に、発泡セルという超音波の反射部が、超音波医療チューブ自体に形成されているので、従来のように超音波反射部が離脱するというおそれもない。
【0016】
【実施例】
以下に実施例を示し本発明を説明する。
実施例1
FEP99.5重量部に、発泡核剤として窒化ホウ素0.5重量部を混合したものを、通常の押出し機のシリンダ内へ、ホッパを介して、供給すると共に、約300度C〜370度Cの温度に設定されたシリンダ内へ窒素ガスを0.4MPaの一定圧力で供給して押出し、外径0.7ミリメートル、内径0.3ミリメートルの超音波医療チューブ1を発泡成形した。この発泡成形された超音波医療チューブ1の発泡体層6内の発泡セル5径は、約10μ〜50μで、発泡率は、約50%であった。この超音波医療チューブ1を水中に入れ、この超音波医療チューブ1に対し、通常、超音波医療用途に使用されている超音波診断装置のプローブから3.5MHzの超音波を発すると、水中において、造影効果を有した超音波医療チューブ1の観察を行うことができた。
【0017】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の超音波医療チューブによれば、樹脂を発泡成形せしめ、その超音波医療チューブの管壁内に多数の微細な発泡セルを形成させたので、この超音波医療チューブに対し、超音波診断装置から超音波を発し、その反射超音波を受けて、これを、好適な手段を介して、超音波画像装置に表示しようとする際、超音波が管壁内の多数の微細な発泡セルによって極めて効果的に反射され、超音波医療チューブ全体の位置およびその状態の確認を容易に行うことができるという効果を奏する。また、本発明の超音波医療チューブは、樹脂からなるので可撓性に富むと共に、発泡セルという超音波の反射部が、超音波医療チューブ自体に形成されているので、従来のように超音波反射部が離脱するというおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超音波医療チューブの好ましい実施の形態の斜視図である。
【図2】図1に示す超音波医療チューブのA−A線についての断面図である。
【符号の説明】
1:超音波医療チューブ、 2:内皮、 3:外皮、 4:管壁、
5:発泡セル、 6:発泡体層、 7:中空部。
Claims (1)
- 体内に挿入される超音波医療チューブであって、該超音波医療チューブは、樹脂を発泡成形せしめ、該超音波医療チューブの管壁内に多数の微細な発泡セルを形成させたことを特徴とする超音波医療チューブ。
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JP2002337852A JP2004167058A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 超音波医療チューブ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002337852A JP2004167058A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 超音波医療チューブ |
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JP2004167058A true JP2004167058A (ja) | 2004-06-17 |
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JP2002337852A Pending JP2004167058A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 超音波医療チューブ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009028253A (ja) * | 2007-07-26 | 2009-02-12 | Fujita Gakuen | ニードルアセンブリ |
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JP3049179U (ja) * | 1993-05-14 | 1998-06-02 | ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー | 超音波画像診断用医療器具 |
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JP2002052079A (ja) * | 2000-08-09 | 2002-02-19 | Hideo Nakajima | 超音波診断可能な医療用器具または部材 |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002337852A patent/JP2004167058A/ja active Pending
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