JP3734865B2 - 電磁ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微量の流体を確実に安定して供給することができる電磁ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、2サイクルエンジンにおいては、電磁ポンプによって所要の潤滑オイルが供給されるが、その電磁ポンプの従来例を図4に示す。
【0003】
即ち、図4は従来の電磁ポンプ101の要部断面図であり、該電磁ポンプ101はポンプ室125に開口する吸込油路110と吐出油路117を有し、これらの吸込油路110と吐出油路117はポンプ室125内に収納された吸込側ワンウェイバルブ112、吐出側ワンウェイバルブ121によってそれぞれ開閉される。尚、吸込側ワンウェイバルブ112はボール113とこれを付勢するスプリング114で構成され、これは吸込油路110からポンプ室125方向へのオイルの流れを許容するものである。又、吐出側ワンウェイバルブ121はボール122とこれを付勢するスプリング123で構成され、これはポンプ室125から吐出油路117へのオイルの流れを許容するものである。
【0004】
一方、ポンプ室125には図4の上下方向に往復動してポンピング作用を行うプランジャ111が臨んでおり、該プランジャ111はポンプ室125に収納されたスプリング116によって上方に付勢されており、ソレノイド104によって駆動される。
【0005】
而して、ソレノイド104に通電されない非通電時には、図示のようにスプリング116の付勢力によってプランジャ111が上動しており、この状態からソレノイド104に通電すると、電磁力によってプランジャ111がΔSだけ下動してポンプ室125内のオイルが容積ΔVだけ圧縮されてその圧力が高められるため、該オイルはその圧力で吐出側ワンウェイバルブ121を押し開け、結果的にΔVの量のオイルが吐出油路117へ吐出される。次に、ソレノイド104への通電が遮断されると、プランジャ111はスプリング116の付勢力によって上動して図示の状態に戻るため、ポンプ室125内に負圧が発生し、この負圧によって吸込側ワンウェイバルブ112が開いてΔVの量のオイルが吸込油路110からポンプ室125内に流入する。
【0006】
以上の作用を繰り返すことによってプランジャ111は上下に往復動し、当該電磁ポンプ101から所定量ΔVのオイルが間欠的に吐出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電磁ポンプ101においては、プランジャ111の往復動に伴うポンプ室125の容積Vの増減量(オイル吐出量)ΔVの容積Vに対する比率で定義される圧縮比ΔV/Vが小さいためにポンプ室125内でワンウェイバルブ112,121の作動安定性が害される場合があった。特に、ポンプ室125にエアーが混入するとポンプ室125に大きな負圧又は正圧が発生せず、ワンウェイバルブ112,121が作動しない現象であるエアーロックが発生し易いという問題があった。
【0008】
又、オイル吐出量ΔVの絶対値が比較的大きいため、例えば、エンジンの運転状態に応じたオイル供給量の高精度な制御ができず、運転状態によってはオイル供給量が過多となって排気に白煙が生じたり、オイルの消費量が増えて不経済であるという問題もあった。
【0009】
発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、簡単な構成で微量の流体を確実に供給することができる電磁ポンプを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、ポンプ室と、該ポンプ室に開口する2つの油路と、これら2つの油路をそれぞれ開閉するワンウェイバルブと、前記ポンプ室内で往復動するプランジャと、該プランジャを駆動するソレノイドとを備え、前記ソレノイドのON/OFFによって流体を吐出/吸入する電磁ポンプにおいて、
前記ソレノイドの上側に配設され、カム面が形成されたカム部材と、
前記プランジャと略同軸に配設され、前記カム部材の中心部に回転可能に挿通されるとともに上方に付勢された回転軸と、
前記回転軸に挿通保持され、前記カム部材のカム面に当接し、前記回転軸の回転により該回転手軸と共に上下動するピンと、
前記ソレノイドに挿通され、その下端がピエゾ素子を介して前記プランジャの上端に当接し、その上端が前記回転軸の下端面に当接するロッドと、
を含んで構成されるプランジャストローク可変手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記ポンプ室のデッドスペースV’(ポンプ室容積V−流体吐出量ΔV)を0.1cc以下、流体吐出量Δを0.001〜0.05cc/回に設定したことを特徴とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記ソレノイドのON時間を10mmsec以上に設定したことを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1,2又は3記載の発明において、前記プランジャのストロークと前記ソレノイドのOFF時間を可変としたことを特徴とする。
【0014】
従って、請求項1又は2記載の発明によれば、プランジャストローク可変手段の回転軸を回せば、これに挿通保持されたピンがカム部材のカム面に当接して回転軸と共にプランジャの摺動方向に移動するため、プランジャのストロークが調整される。特に、ポンプ室のデッドスペースV’(ポンプ室容積V−流体吐出量ΔV)を0.1cc以下に抑えれば、ポンプ室での流体の圧縮比ΔV/Vを高めることができ、エアーロックの発生が防がれてワンウェイバルブの作動安定性が高められる。そして、1回の流体吐出量ΔVも0.001〜0.05ccと小さく抑えられるため、微量の流体を確実に供給することができる。
【0015】
又、請求項3記載の発明によれば、ソレノイドのON時間を10mmsec以上に設定したため、ポンプ室のエアーが完全に排出された後に流体がポンプ室内に吸入されることとなり、ポンプ室に高い負圧が発生してエアーロックの発生が確実に防がれ、当該電磁ポンプの作動安定性が高められる。
【0016】
更に、請求項4記載の発明によれば、電磁ポンプのプランジャのストロークとソレノイドのOFF時間を可変としたため、従来の電磁ポンプに対してプランジャのストローク可変分だけ流体吐出量の制御範囲を拡大することができ、簡単な構成でダイナミックレンジを拡大することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は本発明に係る電磁ポンプの縦断面図、図2は同電磁ポンプの作用を説明するためのタイミングチャート、図3は同電磁ポンプを含む2サイクルエンジンの制御系の構成を示すブロック図である。
【0019】
先ず、図3に基づいて2サイクルエンジン50の制御系の構成について概説する。
【0020】
図3に示す2サイクルエンジン50において、51はシリンダボディ、52はクランクケース、53はシリンダヘッドであり、シリンダボディ51に形成されたシリンダ51aにはピストン54が摺動自在に嵌装されており、該ピストン54はクランクケース52内に回転自在に収納されたクランク軸55にコンロッド56を介して連結されている。尚、クランクケース52の側部にはエンジン回転数を検出するための回転センサー57が取り付けられており、該回転センサー57によって検出されたエンジン回転数はエンジン制御装置(以下、ECUと称す)60に入力される。
【0021】
又、シリンダボディ51には吸気通路58及び排気通路59が形成されており、吸気通路58にはキャブレタ61が接続され、排気通路59の途中にはロータリ式の排気タイミング可変バルブ62及び該排気タイミング可変バルブ62の開度を検出するためのバルブ開度センサー63が設けられている。
【0022】
上記キャブレタ61にはピストン型のスロットルバルブ64が設けられており、該スロットルバルブ64はスロットルワイヤー65を介して自動二輪車等のハンドル部に設けられたスロットルレバー66に連結されている。又、キャブレタ61にはスロットルバルブ64の開度を検出するためのスロットルセンサー67が設けられており、該スロットルセンサー67によって検出されたスロットル開度は前記ECU60に入力される。
【0023】
前記排気タイミング可変バルブ62はサーボモータ68によって駆動され、該サーボモータ68はECU60から出力される制御信号によってその駆動が制御される。又、前記バルブ開度センサー63によって検出された排気タイミング可変バルブ62の開度はECU60に入力される。
【0024】
ところで、シリンダヘッド53の頂部には点火プラグ69が螺着されており、該点火プラグ69はECU60からの制御信号によって制御されるイグニッションコイル70によって駆動される。
【0025】
而して、本実施の形態においては2つの電磁ポンプ1(1A,1B)が設けられており、両電磁ポンプ1(1A,1B)の吸込側は吸込ラインa及びフィルタ71を介してオイルタンク72に接続されており、一方の電磁ポンプ1Aは吐出ラインbを介して2サイクルエンジン50の吸気通路58にオイルを供給し、他方の電磁ポンプ1Bは吐出ラインbを介して2サイクルエンジン50のシリンダ51aとピストン54の摺動部にオイルを供給する。
【0026】
ここで、上記電磁ポンプ1(1A)の構成の詳細を図1に基づいて説明する。尚、他方の電磁ポンプ1(1B)の構成も同様であるため、その説明は省略する。
【0027】
本実施の形態に係る電磁ポンプ1は、図1に示すように、アルミニウム製のボディ2の上方に樹脂製の絶縁部材3を介してソレノイド4を配し、ボディ2の下半部に樹脂製のキャップ5を被着し、これら全体を板金製のカバー6によって覆って密閉構造として構成されている。
【0028】
上記キャップ5には吸込プラグ5Aと吐出プラグ5Bが下方に向かって一体に突設されており、同キャップ5のボディ2との接合面には凹部5cが形成され、該凹部5cにはフィルタ7が嵌装されている。又、吸込プラグ5Aと吐出プラグ5Bには吸込油路5aと吐出油路5bがそれぞれ貫設されており、これらの吸込油路5a、吐出油路5bには図3に示す吸込ラインa、吐出ラインbがそれぞれ接続されている。尚、図1において、8はシールリングである。
【0029】
又、前記ボディ2の中央部には大径の円孔9と小径の吸込油路10が形成されており、吸込油路10はキャップ5に形成された前記凹部5cに開口している。そして、円孔9には金属製のプランジャ11が上下動自在に嵌装されるとともに、吸込油路10を開閉する吸込側ワンウェイバルブ12を構成するボール13とスプリング14が設けられており、プランジャ11の上端面にはピエゾ素子30が取り付けられている。尚、吸込側ワンウェイバルブ12においては、スプリング14はボール13をこれが吸込油路10を閉じる方向に付勢するとともに、プランジャ11を上方へ付勢しており、プランジャ11はその上端外周に嵌着されたスプリング受け15とボディ2の間に縮装されたスプリング16によっても上方へ付勢されている。ここで、ボール13の径はプランジャ11の径よりも若干小さいか或はほぼ同等に設定されている。
【0030】
更に、ボディ2には小径の吐出油路17と大径の円孔18が前記円孔9及び吸込油路10に直交する方向(水平方向)に形成されており、吐出油路17は円孔9に連通している。そして、ボディ2には更に吐出油路19が上下方向(吸込油路10に対して平行)に形成されており、該吐出油路19の一端は円孔18に開口し、他端は前記吐出油路5bに連通している。
【0031】
又、上記円孔18の一端は樹脂製のキャップ20にて閉じられており、該円孔18内には吐出側ワンウェイバルブ21を構成するボール22とスプリング23が収納されている。尚、吐出側ワンウェイバルブ21においては、ボール22はスプリング23によって吐出油路17を閉じる方向に付勢されている。又、図1において、24はシールリングである。
【0032】
而して、本実施の形態においては、吸込側ワンウェイバルブ12とプランジャ11は該プランジャ11の移動方向(図1の上下方向)に同軸に配されており、円孔9と吐出油路17のボール13,22とプランジャ11で囲まれる部分がポンプ室25を構成している。
【0033】
他方、前記ソレノイド4はケース26内に収納されており、これの下半内周部には金属製のガイド部材27が嵌着されており、該ガイド部材27の中心部にはロッド28が上下動自在に挿通している。そして、このロッド28の上部外周にはストッパ29が結着されており、同ロッド28の下端は前記ピエゾ素子を30を介して前記プランジャ11の上端に当接する。尚、ボディ2の上端面に形成された凹部にはリング状のストッパ31とゴム製のオイルシール32が嵌着されており、オイルシール32の内周部は前記ピエゾ素子30の外周に弾接されている。
【0034】
又、前記カバー6内の上部には樹脂製のカム部材33が収納されており、該カム部材33の中心部には上下方向に長い回転軸34が回転自在に挿通している。そして、この回転軸34のカバー6外へ延出する上端部にはプーリ35が結着されており、同回転軸34の下端部には、前記カム部材33の下面に形成された凹部33a内に臨むピン36が水平に挿通保持されている。そして、回転軸34はスプリング37によって上方に付勢されており、これの下端に保持された前記ピン36はカム部材33に形成された凹凸状のカム面33bに係合している。
【0035】
而して、前記ロッド28とこれの上部に結着されたストッパ29は前記スプリング14によって上方に付勢されており、これらの上端面は前記回転軸34の下端面に当接している。
【0036】
ところで、カバー6内には4本のリード線35,34(34a,34b)が下方から導入されており、リード線35はソレノイド4に接続され、リード線34a,34bはロッド28、圧電素子30にそれぞれ接続されている。
【0037】
次に、本電磁ポンプ1の作用を図2を参照しながら説明する。
【0038】
ソレノイド4への通電がなされないOFF時においては、プランジャ11はスプリング14,16によって上方に付勢され、このとき、圧電素子30はロッド28から離間して両者の間には隙間が形成されている。又、ポンプ室25においては、プランジャ11はボール13からΔSだけ離間している。
【0039】
次に、リード線35を介してソレノイド4に通電されてこれがONすると、該ソレノイド4に発生する電磁力によってロッド28が下動してこれが圧電素子30を加圧すると、圧電素子30により発生するピエゾ静電気がリード線34a,34bを介してCPU60(図3参照)によって検知されてソレノイド4の作動が確認される。
【0040】
而して、上述のようにロッド28が圧電素子30を押圧すると、図2(a)に示すようにプランジャ11がスプリング14,16の付勢力に抗して下動するため、ポンプ室25内のオイルが圧縮されてその圧力が高められ、この圧力によって吐出側ワンウェイバルブ21のボール22がスプリング23の付勢力に抗して押し開けられ、ポンプ室25内のオイルが吐出油路19へ押し出され、図3に示す吐出ラインbを経てオイルが2サイクルエンジン50の吸気通路58に供給されてそこを流れる混合気に混入される。
【0041】
そして、プランジャ11がポンプ室25内でΔSだけ下動して図2(d)に示すようにボール13に当接して停止すると、オイルの吐出が終了し、ΔV(=プランジャ11の下端面の面積A×ストローク量ΔS)の量のオイルがポンプ室25から吐出油路19に吐出される。ここで、プランジャ11がストロークΔSだけ下動してボール13に当接するまでの時間は図2に示すΔTD であって、プランジャ11がボール13に当接して停止した後もソレノイド4はONされ続け、ソレノイド4はΔTD よりも長い時間ΔTON(ポンプ室25内のオイルに含まれるエアーを完全に排出するに十分な時間)だけONされる。
【0042】
而して、本実施の形態においては、電磁ポンプ1からの単位時間当たり(1min)のオイルの吐出回数N(1/min)は2サイクルエンジン50の回転数(rpm)に等しく設定されており、図2にはエンジン回転数が600rpmと6rpmの各場合におけるプランジャ11のストロークのタイミングチャートを示している。そして、本実施の形態においては、ソレノイド4のON時間ΔTONはエンジン回転数に拘らず一定(40msec)に設定されている。尚、ソレノイド4のON時間ΔTONはポンプ室25内のオイルに含まれるエアーを完全に排出するに十分な時間であれば良く、ΔTON=10mmsec以上が望ましい。
【0043】
その後、ソレノイド4への通電が遮断されてこれがOFFされると、電磁力が消失するため、図2(b)に示すようにロッド28は上動し、プランジャ11もスプリング14,16の付勢力によって上動する。すると、ポンプ室25に負圧が発生し、この負圧によって吸込側ワンウェイバルブ12のボール13がスプリング14の付勢力に抗して開き、図3に示すオイルタンク72に収容されたオイルが供給ラインa(図3参照)、吸込油路5a、フィルタ7及び吸込油路10を経てポンプ室25内に流入する。尚、本実施の形態においては、ポンプ室25のオイルに含まれるエアーが完全に排出された後にオイルがポンプ室25内に吸入されるため、ポンプ室25に高い負圧が発生してエアーロックの発生が確実に防がれ、当該電磁ポンプ1の作動安定性が高められる。
【0044】
そして、プランジャ11がポンプ室25内でΔSだけ上動して図2(c)に示すようにストッパ31に当接して停止すると、オイルの吸入が終了し、ΔV(=プランジャ11の下端面の面積A×ストローク量ΔS)の量のオイルがポンプ室25内に吸入に吐出される。ここで、プランジャ11がストロークΔSだけ上動してストッパ31に当接するまでの時間は図2に示すΔTS である。
【0045】
而して、本実施の形態に係る電磁ポンプ1おいては、オイルの吐出開始から吸入終了までのサイクル時間ΔTは2サイクルエンジン50の運転状態に応じて当該電磁ポンプ1に要求されるオイル吐出量(単位時間当たりのオイル吐出回数Nであって、本実施の形態ではエンジン回転数に等しい)に基づいて決定され、ソレノイド4のOFF時間ΔTOFF を要求されるオイル吐出量(エンジン回転数)に応じて制御している。
【0046】
ここで、ソレノイド4のOFF時間ΔTOFF は次式によって算出される。
【0047】
【数1】
60×1000/N−ΔTON …(1)
具体的には、エンジン回転数が高い程、電磁ポンプ1に要求されるオイル吐出量が大きくなるため、サイクル時間ΔTは小さく設定され、本実施の形態では、図2に示すようにエンジン回転数600rpm,6rpmでサイクル時間ΔTは100msec(1/10sec),10000msec(10sec)にそれぞれ設定される。従って、そのときのソレノイド4のOFF時間ΔTOFF を(1)式より算出すると、それぞれΔTOFF =60msec,9960msecとなる。
【0048】
而して、以上説明した動作を繰り返すことによってプランジャ11は上下に往復動し、電磁ポンプ1から所定量ΔVのオイルが間欠的に吐出される。
【0049】
ところで、本実施の形態では、ポンプ室125のデッドスペースV’(=ポンプ室25の容積Vからオイル吐出量ΔVを引いた値)が0.1ccに設定され、オイル吐出量ΔVが0.05cc/回に設定されている。
【0050】
上述のようにポンプ室25のデッドスペースV’を小さく(0.1cc)設定することによって、次式;
【0051】
【数2】
Figure 0003734865
で定義されるポンプ室25内でのオイル圧縮比が0.33に高められるため、ポンプ室25内には高い負圧又は正圧が発生し、従って、ワンウェイバルブ12,21の開弁圧が両者合わせて0.3kg/cm2 となる。この結果、エアーロックの発生が防がれてワンウェイバルブ12,21の作動安定性が高められる。そして、1回のオイル吐出量ΔVも小さく(0.05cc/回)抑えられるため、微量のオイルが確実に供給される。
【0052】
尚、上記効果を得るためには、ポンプ室25のデッドスペースV’を0.1cc以下、オイル吐出量ΔVを0.001〜0.05cc/回に設定する必要がある。
【0053】
又、本実施の形態に係る電磁ポンプ1においては、プランジャ11のストロークΔSを2サイクルエンジン50の運転状態に応じて変えることができる。
【0054】
即ち、2サイクルエンジン50の運転状態に応じてプーリ35に巻装された不図示のワイヤーを操作して回転軸34を所定角度だけ回動させれば、該回転軸34に挿通保持されたピン36がカム部材33のカム面33bに当接して上下に移動するため、回転軸34も一体に上下動する。すると、ロッド28が上下動するため、プランジャ11のストロークΔSが増減される。
【0055】
従って、本実施の形態に係る電磁ポンプ1においては、プランジャ11のストロークΔSとソレノイド4のOFF時間ΔTOFF が可変となるため、従来の電磁ポンプに対してプランジャ11のストロークΔSの可変分だけオイル吐出量の制御範囲を拡大することができ、当該電磁ポンプ1のダイナミックレンジを簡単な構成で拡大することができる。
【0056】
尚、以上は一方の電磁ポンプ1Aのみの作用について述べたが、他方の電磁ポンプ1Bも同様に作用し、図3に示す吐出ラインbを経て所定量のオイルをシリンダ51aとピストン54の摺動面に供給して潤滑に供する。
【0057】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、請求項1又は2記載の発明によれば、プランジャストローク可変手段の回転軸を回せば、これに挿通保持されたピンがカム部材のカム面に当接して回転軸と共にプランジャの摺動方向に移動するため、プランジャのストロークが調整される。特に、ポンプ室のデッドスペースV’(ポンプ室容積V−流体吐出量ΔV)を0.1cc以下に抑えれば、ポンプ室での流体の圧縮比ΔV/Vを高めることができ、エアーロックの発生が防がれてワンウェイバルブの作動安定性が高められる。そして、1回の流体吐出量ΔVも0.001〜0.05ccと小さく抑えられるため、微量の流体を確実に供給することができる。
【0058】
又、請求項3記載の発明によれば、ソレノイドのON時間を10mmsec以上に設定したため、ポンプ室のエアーが完全に排出された後に流体がポンプ室内に吸入されることとなり、ポンプ室に高い負圧が発生してエアーロックの発生が確実に防がれ、当該電磁ポンプの作動安定性が高められる。
【0059】
更に、請求項4記載の発明によれば、電磁ポンプのプランジャのストロークとソレノイドのOFF時間を可変としたため、従来の電磁ポンプに対してプランジャのストローク可変分だけ流体吐出量の制御範囲を拡大することができ、簡単な構成でダイナミックレンジを拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁ポンプの縦断面図である。
【図2】本発明に係る電磁ポンプの作用を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】本発明に係る電磁ポンプを含む2サイクルエンジンの制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】従来の電磁ポンプ要部の断面図である。
【符号の説明】
1 電磁ポンプ
4 ソレノイド
10 吸込油路(油路)
11 プランジャ
12 吸込側ワンウェイバルブ(バルブ)
17 吐出油路(油路)
21 吐出側ワンウェイバルブ(バルブ)
25 ポンプ室

Claims (4)

  1. ポンプ室と、該ポンプ室に開口する2つの油路と、これら2つの油路をそれぞれ開閉するワンウェイバルブと、前記ポンプ室内で往復動するプランジャと、該プランジャを駆動するソレノイドとを備え、前記ソレノイドのON/OFFによって流体を吐出/吸入する電磁ポンプにおいて、
    前記ソレノイドの上側に配設され、カム面が形成されたカム部材と、
    前記プランジャと略同軸に配設され、前記カム部材の中心部に回転可能に挿通されるとともに上方に付勢された回転軸と、
    前記回転軸に挿通保持され、前記カム部材のカム面に当接し、前記回転軸の回転により該回転手軸と共に上下動するピンと、
    前記ソレノイドに挿通され、その下端がピエゾ素子を介して前記プランジャの上端に当接し、その上端が前記回転軸の下端面に当接するロッドと、
    を含んで構成されるプランジャストローク可変手段を設けたことを特徴とする電磁ポンプ。
  2. 前記ポンプ室のデッドスペースV’(ポンプ室容積V−流体吐出量ΔV)を0.1cc以下、流体吐出量Δを0.001〜0.05cc/回に設定したことを特徴とする請求項1記載の電磁ポンプ。
  3. 前記ソレノイドのON時間を10mmsec以上に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の電磁ポンプ。
  4. 前記プランジャのストロークと前記ソレノイドのOFF時間を可変としたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の電磁ポンプ。
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