JP3734243B2 - 接着性シリコーンゴムシート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、接着性シリコーンゴムシートに関し、特に半導体チップとフィルム基板との間を接着し、応力緩和に使用される接着性シリコーンゴムシート及びそれを用いた半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体チップの接着には、半導体チップと取付けタブ間の応力緩和効果を持つシリコーンゴム系接着剤が使用されていた。これらは、付加硬化タイプであり、接着成分としては、分子中にケイ素原子に結合したアルコキシ基と、ケイ素原子に結合したアルケニル基又はケイ素結合水素原子を、それぞれ1以上含有する有機ケイ素化合物が用いられてきた(特開昭61−5530号、特許第2882823号)。
【0003】
半導体パッケージが小型化し、多ピン化対応としてボールグリッドアレイ(BGA)等のグリッドアレイ構造が実用化されていくのに伴い、半導体チップに掛かる応力を緩和する方法が各種提案されている。即ち、従来タブに接着された半導体チップは金属製リードフレーム共々樹脂封止されてパッケージ中に収められており、実装基板との間の歪みは、金属製接続端子部分で吸収され、チップ、パッケージに応力がかからないようになっていた。これに対し、最近のBGAパッケージにおいては、半導体チップは配線層を有するフィルム基板を介して、実装基板と全面的に密着するため、実装基板の歪みや熱による応力が半導体チップに伝わりやすく、半導体チップ接着部分にかかる応力が増大して配線の接続に問題が生じやすい。
この応力を緩和する対策が各種提案されているが、その一つとして接着部分に、内部で応力を緩和するに必要な一定厚以上の、ゴム弾性を有する材料を使用する方法が考案され(米国特許第5,148,265号、同第5,148,266号)、これらは実用化されている。
【0004】
また特開平11−12546号には、接着成分を内添して加硫させたシリコーンゴムシート両面を樹脂製キャリアフィルムで挟んだ3層構造のシートで供給されるゴム弾性を有する材料が開示されている。このシートは、半導体チップの大きさに合わせて切断して、片側のフィルムを剥離した後、ポリイミド等のフィルム基板にゴムシートの剥離面を押付け、加圧し、加熱(0.4〜0.8MPa/1〜5秒/190〜250℃)し、フィルム基板に接着する。ついで反対側のフィルムを剥離した後、半導体チップにゴムシートの剥離面を押付け、加圧し、加熱(0.4〜0.8MPa/1〜5秒/190〜250℃)し、半導体チップに接着する。そして、ダイボンディング後、最終加熱(150℃/30分)を行ない接着を完結させる。接着成分としては、ビニル基、エポキシ基、ケイ素結合水素原子等の反応性官能基及びアルコキシ基の両方を持つケイ素化合物を用いることが開示されている。
この方法においては、接着成分を内添した後にシリコーンゴムの加硫の際に熱が加えられるために、接着成分にも熱が加えられて反応性官能基が反応してしまい接着性能が失活したりポットライフが短くなる可能性があり、シリコーンゴムの加硫条件が制限される。
【0005】
また、上記ゴム弾性を有する材料として、接着性を有する熱硬化性樹脂と低弾性樹脂成分からなるシートを使用する方法(特開平11−97578号)や、ミラブル型シリコーンゴムに接着成分及び架橋剤を配合した未加硫ゴムシートを使用する方法(特開平11−92718号)も提案されているが、このような未加硫ゴムシートを使用して半導体チップとフィルム基板を接着する場合には、寸法精度が低くなったり、接着面の平滑性が悪く接着性にばらつきがでるといった問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、半導体チップとフィルム基板間の接着性が良好で、接着性能を発揮するポットライフが長く、冷凍保存の必要もなく、保存安定性に優れた、接着性シリコーンゴムシート及びそれを用いた半導体装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために、予め加硫させたシリコーンゴムシートの片面のみに、エポキシ基及びケイ素結合水素原子を有する有機ケイ素化合物から成る接着成分が塗布され、前記シリコーンゴムシート内部に該接着成分が拡散されて成る接着性シリコーンゴムシートを提供する。即ち、接着成分としてエポキシ基及びケイ素結合水素原子を有する有機ケイ素化合物を使用し、予め加硫成形されたシリコーンゴムシートにこの接着成分を塗布して、シート内部に拡散させることにより、加硫成形時の加熱による接着成分中の反応性官能基の反応や不活性化を防止し、半導体チップとフィルム基板との間の接着性を改良することを可能にした。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の接着性シリコーンゴムシートは、主ポリマーとしてオルガノポリシロキサンを含むシリコーンゴム組成物を硬化させてシリコーンゴムシートを作成し、これに接着成分を塗布することにより、作成される。
本発明に用いるシリコーンゴムシートとしては、通常のミラブル型又は液状の未加硫シリコーンゴムをシート状に加硫成形したものが用いられる。この加硫方法には付加加硫、有機過酸化物による加硫及び縮合加硫等があり、接着性及び加硫に際して分解残渣や縮合による低分子化合物が生成しないという観点から付加加硫が好ましい。この付加加硫の場合には、主ポリマーたるオルガノポリシロキサンとして、ケイ素原子に直結したアルケニル基を2個以上有し、ケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用し、触媒として白金又は白金系化合物を使用して、これらの付加反応によって加硫硬化させることができる。
【0009】
ベースポリマーであるオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(1)
SiO(4−m)/2 ‥‥(1)
で表される。式中、Rは、同一であっても異なっていてもよく、水酸基又は一価有機基であり、mは1.98〜2.02である。Rが一価有機基の場合には、Rは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、ブタニエル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部若しくは全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基、又は架橋点となるような有機基であるメトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基等である。付加加硫により硬化させる場合には、一分子中にアルケニル基を2個以上有する必要がある。
【0010】
また、このオルガノポリシロキサンは直鎖状又は分枝状でもよいが、直鎖状であることが好ましく、その分子鎖末端がトリメチルシリル基、ジメチルフェニル基、ジメチルヒドロキシシリル基、ジメチルビニル基、トリビニルシリル基等で封鎖されたものであることが好ましく、また分子構造の異なる2種以上の混合物であってもよい。このオルガノポリシロキサンの平均重合度は100〜100,000、好ましくは500〜10,000であり、25℃における粘度は100〜100,000,000センチストークス(cSt)、好ましくは5,000〜10,000,000cStである。
【0011】
付加加硫に使用されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、分子中にケイ素原子に直結した水素原子(≡SiH)を2以上有するものであれば特に制限されるものではなく、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよく、好ましくは重合度が300以下である。このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、例えば、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたジオルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン単位、メチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位の共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位(H(CHSiO0.5単位)並びにSiO単位及び/又はRSiO3/2単位(式中、Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素、水酸基又は飽和若しくは不飽和の一価炭化水素基である。)からなる低粘度流体、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,8,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシルー1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサンである。またこのオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、ベースポリマーのオルガノポリシロキサンのアルケニル基に対してケイ素原子に直結する水素原子の比が0.2〜5.0、特に0.5〜3.0となる量であることが好ましい。
【0012】
付加反応の触媒として使用する白金又は白金系化合物は、白金元素単体、白金化合物又は白金複合体の何れであってもよく、例えば、塩化白金第一酸、塩化白金第二酸等の塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物、エーテル化合物、各種オレフイン類とのコンプレックス等である。この付加反応の触媒は、ベースポリマーのオルガノポリシロキサンに対して白金原子として0.1〜2,000ppm、特に1〜500ppmとなる量であることが好ましい。
【0013】
本発明に用いるシリコーンゴム組成物は、オルガノポリシロキサンを主成分とし、通常、補強性シリカ系充填材及び/又はシリコーンレジンを含有するものであるが、接着性の点で、シリコーンレジンを含有するものが好ましい。シリコーンレジンとしては、RSiO1/2単位、SiO単位、RSiO3/2単位、RSiO2/2単位(式中、Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素、水酸基又は飽和若しくは不飽和の一価炭化水素基であり、その90モル%以上は炭化水素基である。)から成り、RSiO1/2単位は20〜70モル%、SiO単位は20〜70モル%、RSiO3/2単位は0〜70モル%、RSiO2/2単位は0〜50モル%の割合で存在するものが好ましい。シリコーンレジンの配合量は、ベースポリマーのオルガノポリシロキサン100重量部に対して1〜100重量部、特に5〜50重量部であることが好ましい。
【0014】
本発明に用いるシリコーンゴム組成物には、上記の成分のほか、重合度が100以下のシラノール基含有シロキサン、シラノール基含有シラン、アルコキシ基含有シランなどの分散助剤、アセチレンアルコールその他付加加硫の制御剤、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等の金属のキレート化合物又はアルコキサイド、けいそう土、石英粉末、溶融石英粉末、クレー、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、タルク等の無機充填材、セリウム又はセリウム系化合物、赤ベンガラ、黒ベンガラ、フェライト、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、炭酸マンガン、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの耐熱、耐油向上剤、カーボンブラック、群青などの着色のための顔料、離型剤、その他通常のシリコーンゴム組成物に添加される添加剤を適宜配合することができる。
【0015】
本発明の接着性シリコーンゴムシートの成形方法としては、ダイコーター、カレンダーによる分出し後、常圧熱空気加硫によるほか、金型を使用した圧縮成形によることもできる。本発明の接着性シリコーンゴムシートは最終的には、図1に示すように、表面を保護するために樹脂製キャリアフィルムで表面を覆われた状態で供給されるため、樹脂製キャリアフィルム上にカレンダーによる分出し後、常圧で熱空気による加硫を行なうか、樹脂製キャリアフィルムに乗せた状態で圧縮成形を行なうことが好ましい。シリコーンゴムシートの厚さは、実装基板と半導体チップ間で応力を緩和するに必要な厚さ以上であればよく、5〜300μmが適当である。
【0016】
樹脂製キャリアフィルムは、接着性シリコーンゴムシートの表面を挨や水分等の接着性を低下させる要因から保護し、取扱いを容易にするものであり、接着性シリコーンゴムシートは、両面をフィルムで挟んだ3層構造で供給される。接着性シリコーンゴムシートをフィルム基板や半導体チップに接着する際には、この樹脂製キャリアフィルムは容易に剥離されなければならず、かつ片側のフィルムを剥離した後、接着の際にかかる熱によってもう片面のフィルムの剥離性や接着力が低下したり、熱溶融や変形しない必要がある。さらにフィルム自体から溶出する成分によってフィルムの剥離性や接着力が低下しない必要がある。好ましい樹脂製キャリアフィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)等が挙げられる。接着性シリコーンゴムシートの接着性を妨げない範囲で、フィルムの剥離性を高めるために表面コーティング、離型剤塗布を行なってもよい。樹脂製キャリアフィルムの厚さは、薄すぎると3層構造のシートが軟らかすぎて取扱いが困難となり、厚すぎると所定の大きさに切断するのが困難となりまたロール状に巻き取るのも困難となるため、10〜100μmが適当である。
【0017】
本発明で使用する接着成分は、エポキシ基及びケイ素結合水素原子を有する有機ケイ素化合物から成ることを特徴とする。この接着成分は、1)有機ケイ素化合物単体、2)有機ケイ素化合物のオルガノポリシロキサン溶液、3)有機ケイ素化合物を揮発性有機溶媒に溶解させた溶液、又は4)有機ケイ素化合物、ケイ素原子に直結したアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン及び白金若しくは白金系化合物の混合物として使用してもよい。この有機ケイ素化合物としては、エポキシ基含有アルキル基及びケイ素原子結合水素原子を有するケイ素数3〜10の環状又は直鎖状シロキサン、特にメチル基の一部がエポキシ基含有アルキル基及びケイ素原子結合水素原子で置換されたケイ素数3〜10の環状又は直鎖状ジメチルシロキサンが好ましく、下記構造式
【0018】
【化1】
Figure 0003734243
【0019】
【化2】
Figure 0003734243
【0020】
【化3】
Figure 0003734243
で示されるシロキサンがより好ましい。
【0021】
これらの接着成分はシリコーンゴムシートに塗布された後、放置されるとシート内部に均一に拡散することで接着性を発揮するものであるが、塗布方法としては、ダイコーター、スプレー、刷毛塗り等によりシリコーンゴムシートに直接塗布する方法、接着成分中にシリコーンゴムシートを浸漬する方法、樹脂製キャリアフィルムやその他接着成分が浸透又は吸着されない平板上に接着成分をコーテイングし、ついでシリコーンゴムシートを重ね合わせて放置することで接着成分をゴム中に均一に浸透させる方法等が挙げられる。接着成分を均一に一定量塗布できる点、及び接着成分塗布後のシリコーンゴムシートは表面を保護するために樹脂製キャリアフィルムで表面を覆われた状態で供給する点から、樹脂製キャリアフィルム上に接着成分をコーティングし、ついでシリコーンゴムシートを重ね合わせる方法が好ましい。この方法及び接着成分をシリコーンゴムシートに直接塗布する方法においては、厚さ5〜300μmのシリコーンゴムシートの片面に塗布することで、放置により接着成分はシリコーンゴムシート全体に均一に拡散し、もう片面に塗布しなくともシリコーンゴムシートの両面に接着性が付与されるが、シリコーンゴムシートの両面に塗布したり、片面をフィルム基板に接着した後にもう片面に上記の方法で塗布してもよい。
【0022】
本発明による接着性シリコーンゴムシート(図1)の製造方法として例えば次の工程が挙げられる。
▲1▼ 未加硫シリコーンゴムを樹脂製キャリアフィルム上にカレンダーによる分出した後、常圧で熱空気により加硫する工程、
▲2▼ 別の樹脂製キャリアフィルム上に接着成分をコーティングする工程、及び
▲3▼ ▲1▼のゴム面と▲2▼のコーティング面を重ね合わせて、接着成分をゴムに拡散させる工程から成り、更に必要に応じて
▲4▼ 所定の幅にスリットし、テープ状にする工程、及び
▲5▼ 半導体のチップのサイズに合わせ抜き加工する工程により実際に使用される。
このうち工程▲5▼はフィルム基板メーカーや半導体組立てメーカーで行なってもよい。
【0023】
このようにして製造された接着性シリコーンゴムシートは、例えば、以下のように使用され、図2に示すような半導体装置が製造される。なお使用法はこれらに限定されない。
(1)半導体組立てメーカーで全ての製造を行なう場合
▲1▼一次加熱:接着性シリコーンゴムシートの片側の樹脂製キャリアフィルムを剥離後、ポリイミド等のフィルム基板にゴムシートの剥離面を押付け、加圧し、加熱(0.4〜0.8Mpa/1〜5秒/190〜250℃)して、フィルム基板に接着する。
▲2▼二次加熱:反対側の樹脂製キャリアフィルムを剥離後、半導体チップにゴムシートの剥離面を押付け、加圧し、加熱(0.4〜0.8Mpa/1〜5秒/190〜250℃)し、半導体チップに接着する。
▲3▼三次加熱:ダイボンディング後、最終加熱(150℃/30分)を行ない接着を完結させる。
【0024】
(2)フィルム基板メーカー及び半導体組立てメーカーで分担して製造を行なう場合
▲1▼一次加熱:フィルム基板メーカーにて接着性シリコーンゴムシートの片側の樹脂製キャリアフィルムを剥離後、ポリイミド等のフィルム基板にゴムシートの剥離面を押付け、加圧し、加熱(0.4〜0.8Mpa/1〜5秒/190〜250℃)し、フィルム基板に接着する。
▲2▼半導体組立てメーカーへ輸送する。
▲3▼二次加熱:反対側の樹脂製キャリアフィルムを剥離後、半導体チップにゴムシートの剥離面を押付け、加圧し、加熱(0.4〜0.8Mpa/1〜5秒/190〜250℃)し、半導体チップに接着する。
▲4▼三次加熱:ダイボンディング後、最終加熱(150℃/30分)を行ない接着を完結させる。
【0025】
(3)フィルム基板メーカー及び半導体組立てメーカーで分担して製造を行なう場合(別法)
▲1▼一次加熱:フィルム基板メーカーにて接着性シリコーンゴムシートの片側の樹脂製キャリアフィルムを剥離後、ポリイミド等のフィルム基板にゴムシートの剥離面を押付け、加圧し、加熱(0.4〜0.8Mpa/1〜5秒/190〜250℃)し、フィルム基板に接着する。
▲2▼反対側の樹脂製キャリアフィルムを、接着成分をコーティングした別の樹脂製キャリアフィルムに張り替える。
▲3▼半導体組立てメーカーヘ輸送する。
▲4▼二次加熱:反対側の樹脂製キャリアフィルムを剥離後、半導体チップにゴムシートの剥離面を押付け、加圧し、加熱(0.4〜0.8Mpa/1〜5秒/190〜250℃)し、半導体チップに接着する。
▲5▼三次加熱:ダイボンディング後、最終加熱(160℃/30分)を行ない接着を完結させる。
【0026】
このように本発明による接着性シリコーンゴムシートは、半導体組立てメーカーで全ての製造を行なう場合でも、フィルム基板メーカー及び半導体組立てメーカーで分担して製造を行なう場合でも、その工程に応じた使用方法をとることが可能である。
【0027】
【発明の効果】
本発明の、シリコーンゴムシートに、エポキシ基及びケイ素結合水素原子を有する有機ケイ素化合物を含有する接着成分を、表面塗布して、シート内部に拡散させることで製造された接着性シリコーンゴムシートは、半導体チップとフィルム基板との間の接着性が良好で、接着性性能を発揮し得るポットライフが長く、冷凍保存の必要もなく、保存安定性に優れており、一次加熱と二次加熱の間で放置が可能なためフィルム基板メーカーにおいてフィルム基板上にシリコーンゴムシートを接着して供給し、半導体パッケージ組立てメーカーにおいて半導体チップを接着するという工程も可能となり、生産効率の向上が可能であり、実装基板と半導体チップとの間で応力を綬和する接着性ゴムシートとして有用に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下の例において、部は重量部を示す。
【0028】
【実施例】
実施例1〜4、比較例1
分子鎖両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された粘度が100,000 cStのオルガノポリシロキサン100部、ジメチルビニルシロキサン単位((CH=CH)(CHSiO0.5単位)、トリメチルシロキサン単位((CHSiO0.5単位)及びSiO単位からなるシリコーンレジン30部、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位(H(CHSiO0.5単位)及びSiO単位からなる低粘度流体6部、環状メチルビニルシロキサン0.8部を均一に混合し、液状シリコーンゴム組成物を得た。
上記シリコーンゴム組成物100部に、更に硬化触媒として、塩化白金酸の2−エチルヘキサノール溶液(白金含有量2%)0.08部を添加して混合し、50μm厚のポリエーテルサルフォン製フィルム(樹脂製キャリアフィルム)上に、厚さが50μmとなる様にダイコーターを用いてコーティングし、ついで120℃で10分間の常圧で熱空気により加硫成形を行うことによりフィルムに乗った状態のシリコーンゴムシートを作製した。
【0029】
別の50μm厚のポリエーテルサルフォン製フィルム(樹脂製キャリアフィルム)上に、表1に示す組成成分を混合してなる接着成分をコーターを用いて塗布し(15g/m2)、この接着成分のコーティング面と上記シリコーンゴムシートのゴム面とを重ね合わせ、24時間放置することで、3層構造のシートを作製した。
【0030】
このようにして作成した3層構造の接着性シリコーンゴムシートについて以下の試験を行った。
試験1: 上記シートを5mm角に切断し、片側のフィルムを剥離後、ポリイミド製フィルム(フィルム基板)にゴムシートの剥離面を押付け、加圧し、加熱(0.8Mpa/5秒/250℃)し(一次加熱)、ポリイミド製フィルムへの接着性を調べた。
試験2: 試験1に引続き反対側のフィルムを剥離後、別のポリイミド製フィルム(フィルム基板)にゴムシートの剥離面を押付け、加圧し、加熱(0.8Mpa/5秒/250℃)し(二次加熱)、ポリイミド製フィルムへの接着性を調べた。
試験3: 作製した3層構造のシートを25℃で14日間放置し、試験1と同様の試験を行なった。
試験4: 試験3で使用した試験片の反対側について、試験1と同様の試験を行なった。
試験5: 試験1で使用した試験片について、試験片を25℃で14日間放置し、試験4と同様の接着試験を行なった。
【0031】
これらの試験結果を表1に示す。
【表1】
Figure 0003734243
【0032】
【化4】
Figure 0003734243
【0033】
これらの結果より、接着成分としてエポキシ基を有し、ケイ素結合水素原子を有しない有機ケイ素化合物を用いた場合(比較例1)、試験3〜5の接着性が試験1及び2に比べて劣ることから、接着性能を発揮し得るポットライフが短い欠点があることがわかる。
これに対し本発明の接着性シリコーンゴムシートは、ポリイミド(フィルム基板)との接着性が良好で、接着性能を発揮し得るポットライフが長く、試験5のように一次加熱と二次加熱との間で放置も可能であり、優れた接着性能を示すことが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】接着性シリコーンゴムシートの断面図である。
【図2】接着性シリコーンゴムシートを使用した半導体装置の断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂製キャリアフィルム
2、4 シリコーンゴムシート
3 半導体チップ
5 フィルム基板を構成するポリイミドフィルム
6 フィルム基板を構成する配線
7 半田バンプ
8 絶縁膜

Claims (9)

  1. 予め加硫させたシリコーンゴムシートの片面のみに、エポキシ基及びケイ素結合水素原子を有する有機ケイ素化合物から成る接着成分が塗布され、前記シリコーンゴムシート内部に該接着成分が拡散されて成る接着性シリコーンゴムシート。
  2. 前記有機ケイ素化合物が、ケイ素数3〜10の環状又は直鎖状シロキサンである請求項1に記載の接着性シリコーンゴムシート。
  3. 前記シリコーンゴムシートがシリコーンレジンを含むシリコーンゴム組成物の硬化物である請求項1又は2に記載の接着性シリコーンゴムシート。
  4. 前記シリコーンゴムシートが付加加硫により硬化したものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着性シリコーンゴムシート。
  5. 前記接着性シリコーンゴムシートの両面を樹脂製キャリアフィルムで挟んだ3層構造の請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着性シリコーンゴムシート。
  6. 前記樹脂製キャリアフィルムの樹脂が、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリエーテルイミド(PEI)である請求項5に記載の接着性シリコーンゴムシート。
  7. 半導体チップとフィルム基板との間に使用される請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着性シリコーンゴムシート。
  8. 半導体チップとフィルム基板との間に請求項1〜6に記載の接着性シリコーンゴムシートを有する半導体装置。
  9. 半導体チップとフィルム基板との間に請求項1〜6に記載の接着性シリコーンゴムシートを挟み、加熱及び圧着することにより接着させる段階から成る半導体装置の製造方法。
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