JP3734229B2 - 消火用散水ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプリンクラー消火設備などの固定式消火設備に用いられる消火用散水ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の消火用散水ノズルが用いられるスプリンクラー消火設備としては、例えば図7に示すようなものがある。
図7において、1は揚水ポンプであり、モータ2により駆動され、モータ2の起動、停止は揚水ポンプ制御盤3により行われる。揚水ポンプ1の吸込管4は貯水槽5に降ろされ、揚水ポンプ1の起動により貯水槽5から汲み上げた消火用水を建物の垂直方向に立ち上げた給水配管6に逆止弁7、仕切弁8を介して供給している。建物の屋上には高架水槽9が設置され、高架水槽9には給水配管6から消火用水が供給される。
【0003】
10は高架水槽9の消火用水を汲み出して圧送する消火ポンプであり、消火ポンプ10はモータ11により駆動され、モータ11の起動、停止は消火ポンプ制御盤12により行われる。消火ポンプ10により汲み出された消火用水は、給水配管13に逆止弁14、仕切弁15を介して圧送される。
給水配管13から分岐する分岐配管16には圧力タンク17が接続され、圧力タンク17に給水配管13の圧力を導入して内部の空気を圧縮し、この圧縮空気は圧力センサ18により検出される。圧力タンク17は排水管19が接続され、排水管19は貯水槽5に開口する排水管20に接続されている。
【0004】
また、給水配管13から分岐する分岐配管21には流水検知装置22が接続され、流水検知装置22に続いて複数の散水ノズル23が接続されている。また、分岐配管21の管末には試験弁24が接続され、試験弁24には貯水槽5に開口する排水管20が接続されている。
散水ノズル23は、図8に示すように、ヘッド本体25の開口部26の下方に、ヘッド本体25内を流れる水流の軸線とほぼ垂直方向に広がるデフレクタ27を連結部材28を介して連結したもので、所定流量の連続放射を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の消火用散水ノズルにあっては、例えば80リットル/分以上という所定流量の連続放射となっていたため、火災消火能力に対して多くの水の量が必要であり、放射した水による二次災害、いわゆる水損が大きくなるという問題点があり、また設備的には、水槽、ポンプが大容量となる上、配管サイズも大きく、設備全体の費用が高くなるという問題点があった。また、かなり大容量の高架水槽もしくは加圧ポンプを併設する必要があり、ポンプを設置した場合であれば、制御盤およびそのバックアップ電源を含めると、さらに設備費用が高くなってしまう。
【0006】
また、火災検知器との組み合わせの場合には、火災を検知する以前は正確に火災を検知することができるが、散水中には、散水されている消火液によって火災感知器の視野が奪われ、消火液の温度により正確な火災の温度などを検知することができず、確実に火災を検知することができなかった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、消火能力を高め、水損の被害を小さくし、さらに消火中であっても火災感知器で確実に火災を検知することができる消火用散水ノズルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、次のように構成する。
まず、本発明は、消火剤または水が供給される消火用配管に接続され火災時に消火剤または水を散水する固定式消火設備の消火用散水ノズルを対象とする。
このような消火用散水ノズルについて本発明は、所定量の前記消火剤または水を圧縮性流体により瞬時間的に集中放射し該集中放射を定期的に繰り返すパルス放射機構を有し、パルス放射機構は、空気供給配管に接続され所定量の圧縮性流体を貯留する第1のタンク室と、給水配管に接続され所定量の消火剤または水を貯留する第2のタンク室と、弁開度が開と閉に交互に変化して、第1のタンク室の圧縮性流体を第2のタンク室に供給する、第1のタンク室と第2のタンク室の間に設けられる第1の開閉弁と、第1の開閉弁の開制御信号と閉制御信号を発生する開閉制御信号発生部と、開制御信号と閉制御信号にしたがって弁開度が開と閉に交互に変化して第2のタンク室から消火剤と水に圧縮性流体を混合して瞬時間的に集中放射し、これを定期的に繰り返させる第2の開閉弁とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明においては、圧縮性流体として空気、窒素、二酸化炭素のいずれかを用いる。
【0009】
また、本発明においては、消火用配管に供給される消火剤または水として水道水を直に用いても良い。
また、本発明のパルス放射機構は、開制御信号と閉制御信号にしたがって弁開度がに交互に変化して第2のタンク室から消火剤と水に圧縮性流体を混合して瞬時間的に集中放射しこれを定期的に繰り返させる第2の開閉弁を更に備える。
【0010】
また、本発明の開閉制御信号発生部は、火災検知部からの出力信号に応じて開制御信号および閉制御信号を交互に発生する
【0011】
また、本発明の開閉制御信号発生部は、2つ以上の散水ノズルが同時に作動しているときはそれぞれのパルス放射の位相をずらせた開閉制御信号を送出する。
【0012】
のような構成を備えた本発明の消火用散水ノズルによれば、従来の80リットル/分の連続放射と比較した場合、例えば1リットル/分/回で10秒間に1回ずつ放射した場合には、実質上6リットル/分の水量にもかかわらず、ほぼ同等の消火能力が得られる。
【0013】
また、少ない放射量で消火できるため、いわゆる水損の被害を非常に小さくすることができる。
また、放射水の水槽が小さくでき省スペースですむ。
また、消火剤を特に加圧する必要がないため、ポンプ、自家発電設備などバックアップ設備が非常に小さくなり、供給配管の耐圧を下げることができ、配管サイズが小さくなる。また、圧縮性流体の配管は小サイズとすることができる。
【0014】
また、消火用配管は水道直結にすることにより、消火用ポンプ、バックアップ電流を不要とすることができる。
また、瞬時間的には従来の散水ノズルより大流量が流れるため、1つのノズルの防護範囲が従来の散水ノズルと比較して大きくすることができ、ノズルの設置個数を減らすことができる。
【0015】
さらに、1回の放射後には視野を妨げる散水がないため、再度火災感知器にて確実に監視区域の監視をすることができ、消火が完了して火災感知器が復旧すれば早期に消火を終了することも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の消火用散水ノズルを示す図である。
図1において、31は空気供給配管であり、空気供給配管31には図示しないコンプレッサから圧縮性流体としての空気が供給される。圧縮性流体としては、空気に限らず、窒素や二酸化炭素を用いても良い。なお、この場合はボンベからの供給になる。
【0017】
32は給水配管であり、給水配管32には消火剤または水(以下、単に水という)が供給される。水は特に加圧して圧送する必要がなく、屋上の高架水槽などから供給されるもの、あるいは通常ビル設備に設けられている水道水を分岐してそのまま供給するもので良い。
空気供給配管31には空気供給分岐管33が分岐接続され、空気供給分岐管33には第1のタンク室としての空気タンク室34が設けられている。空気タンク室34には所定量の圧縮性流体としての空気が貯留される。
【0018】
また、給水配管32から分岐する給水分岐管35には第2のタンク室としての水タンク室36が設けられ、水タンク室36には所定量の水が貯留される。空気タンク室34と水タンク室36の間には第1の開閉弁としての電動弁または電磁弁(以下、第1の電動弁という)37が接続され、水タンク室36とノズル部38との間には第2の開閉弁としての電動弁または電磁弁(以下、第2の電動弁という)39が接続される。第1,第2の電動弁37,39は制御線40,41を介して防災制御盤42内に設けられた開閉制御信号発生部43にそれぞれ接続されている。第1,第2の電動弁37,39が開閉制御信号発生部43からの開制御信号または閉制御信号にしたがって弁開度を全開または全閉にする。すなわち、図2に示すように散水時、第1,第2の電動弁37,39は同期して弁開度を全開とし、水タンク室36に貯留された水を放射後弁開度を全閉とし、これを交互に繰り返す。
【0019】
44は火災検知部としての火災感知器であり、火災感知器44は火災を検知すると出力信号としての火災検出信号を防災制御盤42に出力する。防災制御盤42は火災感知器44からの火災検出信号を受信すると、第1,第2の電動弁37,39の開閉による消火を開始する。なお、火災感知器44が復旧したときの復旧信号により、第1、第2の電動弁37,39の開閉による消火を停止するようにしてもよいし、監視員の手動により停止するようにしてもよい。
【0020】
空気タンク室34、水タンク室36、第1,第2の電動弁37,39および開閉制御信号発生部43は、ノズル部38から所定量の水を瞬時間的に集中放射し、これを定期的に繰り返すパルス放射機構を構成している。
また、開閉制御信号発生部43は、図3に示すように、2個以上設けられた散水ノズルがともに作動している場合にあっては、それぞれ散水の位相をずらせるように開制御信号および閉制御信号を出力する。したがって、散水ノズルの防護範囲内において、所定量の水を瞬時間的に放射する集中放射が連続して行われることになる。
【0021】
次に、図1の動作を説明する。
通常監視時においては、空気タンク室34には空気供給配管31および空気供給分岐管33を介して空気が供給されている。また、水タンク室36には給水配管32および給水分岐管35を介して高架水槽などから水が供給され、所定量の水が貯留されている。第1,第2の電動弁37,39は、開閉制御信号発生部43からの開閉制御信号が入力しないためともに閉弁状態にある。したがって、ノズル部38からは散水は行われない。
【0022】
火災が発生すると、火災感知器44はこれを検知して火災検出信号を防災制御盤42に出力する。防災制御盤42は火災検出信号を受信すると、コンプレッサを始動し、空気供給分岐管33に圧縮空気を供給し、開閉制御信号発生部43に起動信号を出力し、開閉制御信号発生部43は開閉制御信号を同時に第1,第2の電動弁37,39に出力して開始する。
【0023】
第1,第2の電動弁37,39は、開閉制御信号発生部43からの開制御信号および閉制御信号にしたがって、図2に示すように弁開度を全開と全閉を交互に繰り返す。したがって、第1,第2の電動弁37,39の開により空気タンク室34の所定量の圧縮された空気は水タンク室36に入り、水タンク室36の所定量の水は所定量の空気により加圧されてノズル部38から瞬時間的に集中放射される。放射後、第1,第2の電動弁を閉め、再び空気タンク室34、水タンク室36に所定量の空気、水を貯留する。これが定期的に繰り返される。すなわち、図2に示すように、所定量の水がパルス的に放射される。放射するタイミングは開閉制御信号発生部43で適宜設定変更できる。
【0024】
なお、火災感知器44が現在の温度等のアナログ値を出力することができるアナログ感知器であれば、アナログ感知器からの出力信号であるアナログ値により集中放射の間隔を可変するようにしてもよい。つまり、火災の発生した初期火災時は、早期に消火するため放射の間隔を縮め、正常値に戻るにつれ放射の間隔を長くしてもよい。
【0025】
また、図3に示すように、2個以上設けられた散水ノズルがともに作動している場合には、それぞれの散水のパターンが位相がずれるように各ノズル部38に対する第1,第2の電動弁37,39の開閉を制御すれば消火設備全体としての瞬間放射水量を抑えることができる。
このように瞬時間的なノズル部38からの放射により消火が完了すると、火災感知器44は復旧信号を防災制御盤42に出力し、防災制御盤42の開閉制御信号発生部43は第1,第2の電動弁37,39に対する弁の開閉制御を停止するようにしてもよいし、監視員が手動により、復旧させるまで散水を継続するようにしてもよい。
【0026】
このように、本散水ノズルにおいては、従来の80リットル/分の連続放射と比較した場合、一定水量の連続放射よりも、所定水量の水の固まりを強く加圧して、一気に瞬時間的に散水するほうが高い消火能力が得られるため、例えば1リットル/分/回で10秒間に1回ずつ放射した場合には、実質上6リットル/分の水量にもかかわらず、ほぼ同等の消火能力が得られる。
【0027】
また、少ない放射量で消火することができるため、いわゆる水損の被害を非常に小さくすることができる。
また、放射水の水槽を小さくすることができ、また、散水時に加圧空気により貯留された水を加圧するため、水槽の水を水タンク室36に貯留することができればよく、水を消火散水用としての特別な加圧をする必要がなく、通常の水道水等の水圧でよいため、ポンプ、自家発電設備などバックアップ設備が非常に小さくなり、供給配管の耐圧を下げることができる。また、配管サイズが小さくなるため、低コストとなる。なお、高架水槽の場合は、水の重力だけで水タンク室に水を注入することができるため、特に水を加圧する必要はなく、ポンプは必要ない。
【0028】
また、水タンク室36に貯留された水を一気に放射するため瞬時間的には従来の散水ノズルより大流量が流れるため、1つのノズルの防護範囲が従来の散水ノズルと比較して大きくすることができ、ノズルの設置個数を減らすことができる。
例えば、取付ピッチが2.3mであって所定面積の監視区域に例えば8個の散水ノズルが設置されていた場合に対して、取付ピッチを例えば2.6mにすることができ、この場合には散水ノズルの個数は半分の4個ですむ。
【0029】
さらに、1回の放射後には次の放射を行うまで視野を妨げる散水がないため、再度火災感知器44にて確実に監視区域の監視を行うことができる。そのため、火災感知器から消火完了による復旧信号の受信により、散水ノズルからの放射を停止することもできる。
次に、図4は他の消火用散水ノズルが設けられるスプリンクラー消火設備を示す図である。
【0030】
図4において、51は貯水槽52から消火用水を揚水する揚水ポンプであり、揚水ポンプ51はモータ53により駆動され、モータ53の起動、停止は揚水ポンプ制御盤54により行なわれる。揚水ポンプ51によって揚水された消火用水は、逆止弁55と仕切弁56を接続した給水配管57により建物の屋上に設置された高架水槽58に圧送される。高架水槽58内に貯留された消火用水の水量は水位センサ59により検出される。高架水槽58には仕切弁60と逆止弁61を接続した給水配管62が接続され、給水配管62には給水分岐管63が分岐接続されている。給水分岐管63の途中には接続管64を介して複数の散水ノズル65が接続される。給水分岐管63の管末には試験弁66が設けられ、試験弁66には貯水槽52に開口する排水管67が接続されている。また、排水管67の途中には高架水槽58の上部に一端を接続した排水管68の他端が接続されている。また、この排水管68と高架水槽58の底部との間は接続管69が接続され、接続管69には仕切弁70が接続されている。
【0031】
71はコンプレッサであり、コンプレッサ71からは空気供給配管73が接続され、空気供給配管73から分岐する空気供給分岐管74の途中には電動弁または電磁弁(以下、電動弁という)75が接続され、空気供給分岐管74の管末は前記散水ノズル65が接続される。電動弁75およびコンプレッサ71は制御線76,77を介して制御盤72に接続され、電動弁75の開閉およびコンプレッサ71の起動、停止は制御盤72により制御される。
【0032】
また、散水ノズル65の近傍には火災検知部としての火災感知器78が設置され、火災感知器78は信号線79を介して制御盤72に接続される。火災が発生すると、火災感知器78は火災検出信号を制御盤72に出力し、制御盤72は火災検出信号によりコンプレッサ71を起動させると共に電動弁75を開弁させる。また、消火が完了して消火設備を停止する場合は、火災感知器78からの復旧信号を受信することによりコンプレッサ71を停止させるとともに電動弁75を閉弁させる方法でも良いし、監視員が手動で復旧するようにしても良い。
【0033】
次に、図5および図6は図4の消火設備に設けられる散水ノズルを示し、半断面図で示す。図5は放水孔が閉止されている放射前の状態、図6は放水孔が開放されて散水中の状態をそれぞれ示す。
図5および図6において、80はボディであり、ボディ80の下部は外周に放水孔81が形成されている。ボディ80の内部には可動筒83が上下動自在に収納され、また、ボディ80の外周には上下動自在に外筒84が設けられている。ボディ80の頭部85には水平方向に消火用水が供給される消火用水通路86が形成され、垂直方向にコンプレッサからの圧縮された空気が供給される空気通路87が形成されている。この空気通路87の一端はボディ87の上端に開口し、他端はボディ80の内部に形成された空間部88に開口している。また、ボディ80の頭部85には可動筒83に一体形成したガイドシャフト89が摺動自在に挿入される挿入孔90が形成されている。また、ボディ80の頭部85にはダンパ機能をもつダンパシリンダ91が形成され、ダンパシリンダ91には外筒84の上端部が入出可能となっている。また、頭部85の下端部内壁には溝92が形成され、溝92にはUリング93が介装され、上端部にはダンパシリンダ91と外部とを連通させる連通孔94が形成されている。
【0034】
なお、ダンパシリンダ91は、外筒84が急速に上昇してきたとき、頭部85をこわさないために、ダンパシリンダ91の空気が外筒84の上端部で圧縮させることにより、外筒84の上昇を止めるものである。
また、ボディ80の下部側には鋼球95が収納される収納部96が形成され、空間部88の下部97には、水の放射時に空気が通る空気孔98が形成されている。
【0035】
ボディ80の内部に形成された空間部88には可動筒83が上下動自在に収納され、可動筒83に一体形成され内側に突出するばね受け部99とボディ80の頭部85の内側突出部100の下面との間にはリターンスプリング101が介装され、通常監視時にはリターンスプリング101のスプリング力により可動筒83は図5に示す位置にある。なお、突出部100の内壁には溝102が形成され、溝102にはOリング103が介装されている。
【0036】
また、可動筒83の外周壁より内側のばね受け部99には複数のガイドシャフト89が一体に立設され、ボディ80の頭部85の挿入孔90に挿入され、その先端部はボディ80の頭部85から外側に突出している。ガイドシャフト89の外周には溝104が形成され、溝104にはOリング105が介装されている。
また、可動筒83の下部側の外周にはボディ80のテーパ部106に係合するテーパ部107が形成され、テーパ部107の下端側には薄肉部108が形成されており、通常監視時はテーパ部106,107により可動筒83が図5に示すように保持される。可動筒83が図5に示すように下側にあるときはボディ80の収納部96内に収納された鋼球95は可動筒83の外壁に押圧されてその一部分が外筒84に形成された嵌合溝109に入り、ボディ80と外筒84は鋼球95を介して嵌合し、外筒84は固定され、上下動することができない。可動筒83が上方に移動して、図6に示すように収納部96の位置に薄肉部108がくると、鋼球95は嵌合溝109から離れ、内側に移動して、薄肉部108に当接し、ボディ80と外筒84との嵌合は解除されて、外筒84はボディ80に対して自由に上方に移動することができるようになる。
【0037】
ボディ80の頭部85の内側の突出部100の内壁には段部110が形成され、また、空間部88の下部側のボディ80にも段部111が形成され、これらの段部110と段部111との間には消火用水を通流させる水パイプ112が設けられている。なお、水パイプ112が当接するボディ80の内壁には溝113が形成され、溝113にはOリング114が介装されている。
【0038】
水パイプ112の入口側は前記消火用水通路86に連通し、出口側はボディ80に形成した消火用水通路115に連通している。消火用水通路115の出口側には所定量の水を貯留する貯留室116が形成され、貯留室116の内側には開口部117が形成され、外側には放水孔81が形成されている。
通常監視時においては、開口部117はボディ80に形成された溝118に挿入される外筒84の中筒部119により閉止され、放水孔81は外筒84の内壁により閉止される。
【0039】
ボディ80の下側外周には溝120,121がそれぞれ形成され、溝120,121にはUリング122,123がそれぞれ介装される。また、ボディ80の溝118の上側にも溝124が形成され、溝124にはUリング125が介装される。
また、外筒84の嵌合溝109の上側には二つの溝126,127がそれぞれ形成され、溝126,127にはUリング128,129がそれぞれ介装される。また、外筒84の中筒部119の先端部は通常監視時は溝118に挿入され、外筒84が上方に移動すると、空気孔98と貯留室116が連通するとともに放水孔81を開く。
【0040】
空気通路87から供給される空気は空間部88、つまりボディ80と可動筒83と水パイプ112により形成される空間部130,132,97、ボディ80と水パイプ112により形成される空間部131およびボディ80と可動筒83との間隙134からなる空間部88とボディ80と外筒84との間隙133、空気孔98には空気が充満するようになっている。この充満された空気は、可動筒83および外筒84を上昇させる作用と、貯留室116に貯留された水を圧縮して、瞬時間的に放射、散水させる作用を持つ。
【0041】
可動筒83が上昇するのは、ガイドシャフト89が外部に突出しているためであり、可動筒83のガイドシャフト89の面積をS1、可動筒83の面積をS2とすると、ガイドシャフトの本数×S1の面積だけ、可動筒83を下げようとする面積が少なく、よって可動筒83は上昇していく。ガイドシャフト89が外部に突出している分、空間部132の空気が可動筒83を押し下げようとするために機能する可動筒83の上部の面積が減るからである。よって可動筒83はリターンスプリング101に抗してガイドシャフト89に案内されて上方に移動する。
【0042】
また、外筒84が上昇するのは間隙133を設けているからであり、水パイプ112の外周から外筒84の内壁までの径をR1、水パイプ112の外周からボディ80の外周までの径をR2とすると、R1>R2の関係となるように間隙133を設けて設定されているので外筒84が上に上昇するように空気の圧力が加わる。ガイドシャフト89の本数×S1の差圧により可動筒83が上昇して鋼球95が内側に作動し、外筒84の固定が解除され、外筒84は上方に移動する。なお、空間部88内の空気の圧力が所定の圧力に達したときに、鋼球95が内側に移動するようリターンスプリング101がばね力により可動筒83の上昇を制御している。
【0043】
次に、図4〜図6の動作を説明する。まず、通常の監視状態にあっては、コンプレッサ71は作動せず、電動弁75は閉弁状態にある。したがって、散水ノズル65には加圧空気は供給されない。一方、高架水槽58からの水は給水配管62、給水分岐管63、接続管64を通って散水ノズル65に供給され、また給水分岐管63を通った水は試験弁66で遮断されている。一方、散水ノズル65に入った水は、消火用水通路86、水パイプ112、消火用水通路115を通って貯留室116に入るが、開口部117は外筒84により閉止され、放水孔81も外筒84により閉止されているので、貯留室116に貯留されて放水孔81から放水されない(図5、参照)。また、可動筒83はリターンスプリング101により下方に付勢され、ボディ80のテーパ部106に支持されており、ボディ80の収納部96に収納されている鋼球95は可動筒83の外周により外側に押圧されて、一部が外筒84の嵌合溝109に入り、外筒84はボディ80に嵌合して固定され放水孔81を閉止している。
【0044】
ここで火災が発生すると、火災感知器78はこれを検知して、火災検出信号を制御盤72に送る。制御盤72は火災検出信号を受信すると、コンプレッサ71を起動させるとともに電動弁74を開弁させる(図4、参照)。
コンプレッサ71からの空気は、空気供給管73、空気供給分岐管74、電動弁75を通って散水ノズル65の空気供給通路87に入り、97,130,131,132からなる空間部88、間隙133,134および空気孔98に供給される。可動筒83はS1の面積分だけ上側に押し上げるように作用するため、空間部88等の空気圧が上昇するにつれ、可動筒83も上昇していき、空間部88等の空気圧が所定の空気圧に達すると、可動筒83の薄肉部108が収納部96の高さの位置になる。
【0045】
すると、外筒84はR1とR2の半径差により絶えず上昇しようとする力がかかっているため、外筒84の上昇する力により、図6に示すように、鋼球95は外筒84の嵌合溝109から離れて内側に移動し、可動筒83のテーパ部107および薄肉部108によりボディ80の収納部96内に保持される。そして外筒84は一気に上に上昇し、外筒84の先端部にはボディ80の頭部85のダンパシリンダ91に入るとともに、放水孔81を開放する。
【0046】
また、外筒84の上昇により、空気孔98と貯留室116が連通し、空間部88等の空気は空気孔98を通って貯留室116に入り、貯留室116に貯留されていた所定量の水を瞬時間的に集中的に放水孔81から放射、散水させる。空気が外部に放出されると、可動筒83に作用する空間部88の圧力は、一定値以下になるので、可動筒83はリターンスプリング101の付勢力により押し下げられる。
【0047】
また、外筒84も空気圧が作用しなくなるので、自重により下側に下降し、鋼球95は可動筒83の外周に押圧されて一部分が外筒84の嵌合溝109に入る。また、外筒84の中筒部119の先端部はボディ80の溝118の底部に当接し、放水孔81は外筒84で閉止される。こうして、放水孔81からの集中放射は停止され、図5に示すように元に戻る。このように、所定量の水は瞬時間的に集中放射され、この集中放射は、図2に示すように、所定時間間隔でパルス的に繰り返される。つまり、放射後に図5に戻った後、再び貯留室116に水を貯留し、空間室88等を所定の空気圧にすることで、再び瞬時間的に放射する。これを繰り返す。
【0048】
この実施形態においても図1の消火用散水ノズルと同様な効果が得られることは言うまでもない。なお、S1,S2、R1,R2の設定などを変更することで、集中放射する時間間隔を変えることができる。
なお、所定圧力の圧縮性流体が貯留されたときに、あらかじめ貯留された所定量の水を圧縮性流体により散水するような圧力作動機構であれば、本発明の図5,図6のような構成でなくとも、本発明を適用できる。
【0049】
また、図4の実施形態においてもコンプレッサによる空気の供給ではなく、窒素、二酸化炭素をボンベから供給しても良い。
本実施の形態においては、圧縮性流体を用いて放射を行う構成を示したが、圧縮性流体を使用せず、所定量の水が貯留されたら電動弁や電磁弁を開いて、所定量の水を一気にノズルから放射させるパルス放射機構でも良い。つまり図1において、大容量の水タンク室36、第2の電動弁39、ノズル部38、開閉制御信号発生部43を設けたパルス放射機構でも本発明を適用できる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、一定水量の連続放射よりも、所定水量貯留された水を強く加圧して一気に瞬時間的に放射するようにしたため、より高い消火能力が得られ、少ない放射量で消火することができるため水損の被害も小さくなる。また、水は消火散水用としての特別な加圧をする必要がないため、水槽、ポンプなどが小容量となり、特に水道水をそのまま使用した場合は水槽もポンプも必要なく配管サイズも小さくなる。また、貯留した水を一気に放射するため1つのノズルの防護範囲を広くすることができ、ノズルの設置個数も減らすことができ、その結果、コストを低減することができる。さらに、1回の放射後は次の放射まで視野を妨げる散水がないため、再度火災感知器で確実に火災の監視をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の消火用散水ノズルを示す図
【図2】弁開度と散水量の変化を示すグラフ
【図3】二つの散水ノズルの弁開度と散水量の変化を示すグラフ
【図4】スプリンクラー消火設備を示す図
【図5】図5で用いる散水ノズルの閉弁時の断面図
【図6】図5で用いられる散水ノズルの開弁時の断面図
【図7】従来の消火設備を示す図
【図8】従来の散水ノズルを示す図
【符号の説明】
31:空気供給配管
32:給水配管
34:空気タンク室(第1のタンク室)
36:水タンク室(第2のタンク室)
37:第1の電動弁(第1の開閉弁)
38:ノズル部
39:第2の電動弁(第2の開閉弁)
42:防災制御盤
43:開閉制御信号発生部
44:火災感知器
65:散水ノズル
80:ボディ
81:放水孔
83:可動筒
84:外筒
95:鋼球

Claims (5)

  1. 消火剤または水が供給される消火用配管に接続され火災時に消火剤または水を散水する固定式消火設備の消火用散水ノズルに於いて、
    所定量の前記消火剤または水を圧縮性流体により瞬時間的に集中放射し該集中放射を定期的に繰り返すパルス放射機構を有し、
    前記パルス放射機構は、
    空気供給配管に接続され所定量の圧縮性流体を貯留する第1のタンク室と、
    給水配管に接続され所定量の消火剤または水を貯留する第2のタンク室と、
    弁開度が開と閉に交互に変化して、前記第1のタンク室の圧縮性流体を前記第2のタンク室に供給する、前記第1のタンク室と前記第2のタンク室の間に設けられる第1の開閉弁と、
    前記第1の開閉弁の開制御信号と閉制御信号を発生する開閉制御信号発生部と、
    前記開制御信号と閉制御信号にしたがって弁開度が開と閉に交互に変化して前記第2のタンク室から消火剤と水に前記圧縮性流体を混合して瞬時間的に集中放射し、これを定期的に繰り返させる第2の開閉弁と、
    を備えたことを特徴とする消火用散水ノズル。
  2. 請求項1記載の消火用散水ノズルに於いて、前記圧縮性流体として空気、窒素、二酸化炭素のいずれかを用いることを特徴とする消火用散水ノズル。
  3. 請求項1又は2記載の消火用散水ノズルに於いて、前記消火用配管に供給される消火剤または水として水道水を直に用いることを特徴とした消火用散水ノズル。
  4. 請求項1乃至のいずれかに記載の消火用散水ノズルに於いて、前記開閉制御信号発生部は、火災検知部からの出力信号に応じて開制御信号および閉制御信号を交互に発生することを特徴とする消火用散水ノズル。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載の消火用散水ノズルに於いて、前記開閉制御信号発生部は、2つ以上の散水ノズルが同時に作動しているときはそれぞれのパルス放射の位相をずらせた開閉制御信号を送出することを特徴とする消火用散水ノズル。
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