JP3733171B2 - 位置検出系性能評価方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は物体の位置検出を行う際の位置検出系性能評価方法及びそれを用いた位置検出装置に関するもので、特に半導体ICやLSIを製造する半導体投影露光装置のように物体の像を観察してその位置を高精度に検出し、該検出情報に基づいて位置合わせを行う際に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体技術の進展は近年ますます速度を増しており、それに伴って微細加工技術の進展も著しいものがある。特にその中心の半導体投影露光装置を用いた光加工技術は1MDRAMを境にサブミクロンの領域に踏み込んだ。
【0003】
解像力を向上させる手段として半導体投影露光装置に対して過去行われてきたのは、波長を固定して投影光学系のNAを大きくする手法や、露光波長をg線からi線、さらにはエキシマレ−ザの発振波長というようにより短波長化する手法である。また最近では位相シフトマスクや変形照明等により、光露光による光加工の限界を広げる試みが行われている。
【0004】
一方、解像力向上に伴って、半導体投影露光装置におけるウエハとレチクルを相対位置合わせするアライメントについても高精度化が必要とされている。半導体投影露光装置は露光装置であると同時に位置検出装置でもある。
【0005】
図7は従来より行われている半導体投影露光装置のアライメント用の位置検出光学系の構成を示したものである。ウエハ4の表面内に図に示したようにx、y軸を取るが、本露光装置の位置検出系はx及びy方向が同等なので、ここではy方向の計測について説明する。尚、位置検出系とは光源から検出に到るまでの全ての光学系を総称した名称とする。
【0006】
不図示のHe-Ne レ−ザ−等の光源から出射した光は、ファイバ−12を通して照明光学系11に導かれる。照明光学系11からの光は偏光ビ−ムスプリッタ10により紙面に垂直なS偏光成分が反射され、λ/4板7を透過して円偏光に変換される。その後、光は結像光学系6、5、ミラー13、投影露光光学系1を介し、xyz方向に駆動可能なステ−ジ2の上に置かれたウエハ4上に作成されたマ−ク31をケ−ラ−照明する。マ−ク31からの反射光、あるいは散乱光は再び投影露光光学系1、ミラー13、結像光学系5、6を通過した後、λ/4板7を経て今度は紙面内成分であるP偏光に変換される。P偏光に変換されたため、光は偏光ビ−ムスプリッタ10を透過し、結像レンズ8によってCCDカメラ等の光電変換素子9上に前記マ−ク31の像を結像させる。該光電変換素子9で検出された信号は画像処理されてマ−ク31の中心位置が高精度で検出され、該検出値からステ−ジ2を駆動してウエハ4の位置合わせが行われる。
【0007】
【発明が解決しようする課題】
しかし、従来の位置検出系では本来同一であるべきマ−クの中心位置の検出が各プロセスによって異なる、所謂工程間オフセットが存在し、これに対し特に対策が抗じられていなかった。
【0008】
工程間オフセットが発生する要因は主に2つある。第1はアライメントマ−クの段差構造の非対称性、レジストの干渉等による検出波形の歪みによるもので、第2は位置検出系の調整状態に起因するものである。
【0009】
例えば位置検出系が偏心コマ収差を持つ場合、検出波形は以下のような原理で非対称になる。図8はその模式図である。図8(a)は計測方向の断面で段差形状を持ったマ−クを照明光41で照明した状態を示すもので、散乱光42a、42bは偏心コマを考慮すると図のように非対称となる。図8(b)は図8(a)の状態での基準マ−クの画像信号である。マ−クエッジ部からの検出光はマ−ク中心に対して非対称な波形となっている。
【0010】
位置検出系の調整には照明の問題もある。画像処理を用いるアライメント光学系ではアライメントマ−クをケ−ラ−照明することが多い。ケ−ラ−照明は検出面を一様に照明する手法であるが、位置検出系の瞳面の分布の一様性まで保証するものではない。実際には位置検出系の瞳面に対し光源が偏心し、検出面に対する照明光の入射角分布が非対称になり計測誤差を発生させる場合がある。
【0011】
図9(a)はy方向の計測マ−ク31の鳥瞰図、図9(b)は該マ−ク31をx方向から見た断面図、図9(c)は観察される信号波形を示す。図中、32aをマ−クに対して垂直に入射する光、32bと32cを垂直方向に対して角度は等しいが互いに方向の異なる方向からの入射光とし、これらの光32a、32b、32cで段差構造を持ったマ−ク31を照明して位置検出を行うケ−スを考える。図のように照明光32bの強度が照明光32cの強度より弱いとすると、マ−ク検出する時にマ−クエッジ部の散乱光強度に差が発生し、正確な位置検出ができない。マ−クの断面を完全に対称と仮定すれば、マ−クエッジからの散乱光の干渉条件の差は考慮しなくてよいが、このように理想的な場合でも、光32cの方が光32bよりも強度が強ければマ−クエッジ部での光の散乱の様子が異なり、得られるマ−クの画像信号は図9(C)に見られるように非対称となる。即ちマ−ク自体が対称でも、照明条件が非対称だと検出する画像信号の波形が歪んで、正確なマ−ク位置の検出が困難である。勿論、光32bと光32cの強度が等しければ対称性より、波形は完全に対称となる。
【0012】
波形の非対称性の解決には本出願人によりいくつかの提案が行われ、実際の製品で効果を発揮している。中でも有力な方法に前述の信号波形の非対称性の度合が、シリコンエッチングウエハーの段差量に対応することを利用した提案がある。この段差はエッチング等で容易に形成することができる。
【0013】
図6は位置検出系のコマ収差や照明系の不均一性で発生する信号非対称性の値をシリコンエッチングウエハ−の段差量に対して示したグラフである。図8の信号で一方のエッジの強度をa、もう一方のエッジの強度をb、マ−ク全体の強度をcとして、評価値Eを、
E=(a−b)/c (1)
と定義すると、評価値Eは波形歪みを表すパラメ−タ−となる。図6は矩形段差構造を持つSiのアライメントマ−クの段差の高さdを幾つか変え、位置検出系あるいは照明系が不完全な状態で評価値Eを計測した結果である。図6で横軸は検出光の HeNe レ−ザ−の波長λでmodulus を取った高さd、縦軸は評価値Eである。検討の結果、評価値Eは図6(a)に示すように周期関数的に変化することが実験及びシミュレ−ションから確認された。
【0014】
これに対し図6(b)は投影露光光学系を含む位置検出光学系に収差がない状態で、図7に示したファイバ−12の端面(瞳面)が偏心した時の段差対評価値Eを示したものである。偏心のため照明系の瞳の分布は不均一となっている。実線は瞳面での光学重心の偏心を計測方向に位置検出系のNAの 3% ずらした時の特性、破線は 1.5% 偏心させた時の特性である。縦軸、及び横軸は図6(a)と同じである。瞳面での光学重心の偏心量に応じて評価値Eが振幅を持って変化していることが分かる。本発明が着眼したのは位置検出系の非対称といったスコ−プの調整状態によらず、λ/4周期の段差で評価値Eが0になることである。
【0015】
図5(a)は1つのマ−ク部分を拡大したものである。マ−クエッジからの散乱光として左エッジの上部からの光を51、52、右エッジ上部からの光を54、55、左エッジ下部からの光を53、右エッジ下部からの光を56とする。同じエッジから出た光でも光52、光55は位置検出系の持つコマ収差等の収差の影響で光51、光54に対し、結像時それぞれ非対称な関係となる。
【0016】
ここで光51〜56それぞれの光の波面をθを位相として
【0017】
【数1】
として表す。最終波形の評価量Eとして表した式(3) のaは光51、52、53を、bは光54、55、56を合成したものである。従って検出される波形信号の差a−bは
で表される。
【0018】
数値計算の結果が図5(b)で、2つの曲線はコマ収差がλ/10 及びλ/20 に対応する。これに対応する実験結果が図6(a)で両者はよい合致を示すことが分かる。以上理論的シミュレ−ション、実験の双方からアライメントマ−クの段差量により信号波形が変化されることが確認された。
【0019】
このため本出願人から、位置検出光学系の調整には敏感な段差量(λ/8)のウエハーを使用し、アライメントマークの段差量には鈍感な段差量(λ/4*整数)となる縦構造とするという提案が行われている。この方法は敏感に検出系を調整することを可能とし、実素子での高精度位置合わせを可能とした。
【0020】
しかしながら(1) 式の評価量Eは信号波形の歪という間接的なもので、精度と直接定量的な対応がとれているわけではない。処理方式が変わる、例えば信号処理のパターンマッチングのウインドウ幅が変わっただけでも位置計測値は変化する。それに対応してこの歪量の規格値の対応をとる必要があり、手番が複雑である。
【0021】
また、歪量を計測する専用の評価ソフトも自動化のためには必要となり、その誤差検討等負荷が増大する。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は以上の問題点を顧みて、位置計測量を用いた直接的な評価を提案することにある。そのため本発明では物体(例えばウエハー)上に異なる二つの段差構造(例えば段差量)のアライメントマークを作成し、該物体を一体で回転して複数個の状態で計測して検出系の状態を確認することを特徴としている。例えば高精度移動可能なレーザー干渉計付ステージの移動で互いに異なる段差を持つ複数個のアライメントマーク間の距離を計測し、さらに該物体の姿勢を180度回転させて同じマーク間距離を計測した結果を比較して、検出系の状態を確認するものである。
【0023】
本発明の検出光学系の性能を評価する方法は、物体の位置を計測する位置検出装置の一要素を構成する検出光学系の調整状態を、予め所定の異なる段差構造を持つ複数個のアライメントマークの作成された物体を、複数の状態で計測して確認することを特徴としている。
具体的な本発明の検出光学系の性能を評価する方法は、
物体を光で照明し、前記物体からの前記光を検出光学系を介して受光手段で受光することにより、前記物体の位置を計測する位置検出装置の前記検出光学系の性能を評価する方法において、
前記物体には、前記受光手段による検出信号の波形の非対称性が互いに異なり、且つ、段差量が互いに異なる第一,第二のアライメントマークが設けられ、
前記第二のアライメントマークは、2つの前記第一のアライメントマークの間に設けられ、
前記2つの前記第一のアライメントマークの夫々と、前記第二のアライメントマークとの間の距離を夫々計測する第1の工程と、
前記第1の工程の後、前記検出光学系に対して前記物体を180°回転させて、前記距離を夫々計測する第2の工程と、
前記第1の工程で計測した前記距離及び前記第2の工程で計測した前記距離に基づいて、前記検出光学系の計測誤差を求める工程と、を有することを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態1に係る、ウエハー内に二つのアライメントマークを距離Lだけ離し互いに異なる段差量で構成したときの説明図である。距離Lは現行技術ではサブミクロンオーダーの誤差で作成可能であるが、計測誤差以下(例えばナノメーターのオーダー)で長さの絶対値が分かっている必要はない。距離Lの絶対値としての値を正確に知らなくても、アライメント検出系の状態を確認できることが、本発明の有効な点である。
【0025】
本実施形態ではアライメント検出系の使用波長をλとした時、一つのSiウエハー内に二つの異なる段差構造(縦構造)として、例えばλ/8及び3λ/8の量となるようにアライメントマークを作成する。この量は、図6に示すように信号歪が、互いに反対の符号でかつ最大値をとるものである。λの値はアライメントの検出波長が幅を持っている場合にはその中心波長とする。またλ/8の段差は(1+8N)*λ/8、3λ/8の段差は(3+8M)*λ/8というλでmodulus を取ったものでもよい。ここでN、Mは0、1、2、…という整数値をとるパラメ−タ−である。
【0026】
信号歪とオフセットの発生する方向は対応がとれているため、もし検出系に収差が残存していれば、図1で左側の3λ/8のマ−クに対しては矢印of1 で示した方向にΔ1、右側のλ/8のマ−クに対しては矢印of2 で示した方向にΔ2の計測誤差オフセットが発生する(Δ1、Δ2は正の値とする)。この時二つのアライメントマ−ク間の距離は真の値をLとすると、発生した誤差のため
L0 = L+Δ1+Δ2 (4)
として計測される。
【0027】
続いて本ウエハーを図2の様に180度回転して再び計測を行う。回転させたため二つのアライメントマ−クの位置は図1と入れ換わる。段差量に対応して発生するオフセットの方向は不変であるため、各マ−クについては図1の矢印of1、 of2の方向に同じく、それぞれΔ1、Δ2のオフセットが発生する。従って二つのアライメントマ−ク間の距離は今度は
L180 = L−Δ1−Δ2 (5)
として計測される。
【0028】
この二つの計測値L0、L180の差の半分から、
(L0−L180)/2 = Δ1+Δ2 (6)
としてΔ1+Δ2という発生したオフセットの和が求まる。従って、この発生オフセットの和が規格値以下となるよう位置検出系を調整することにより、直接的な評価量による調整が可能となる。
【0029】
異なる二つの段差量のアライメントマークが位置検出系の検出範囲に配置できれば、単純に検出範囲内で二つのアライメントマ−クを同時観察すればよい。しかし、例えば照明の不均一性等により検出範囲内の位置によって計測誤差がある場合には、ウエハ−を高精度で位置をモニタ−しながら移動可能なレーザー干渉計付ステージに載せて移動させ、位置検出系でアライメントマ−クを検出する位置をサブミクロンオーダーで同じにして計測する必要がある。
【0030】
Lの値が大きくて位置検出系の検出範囲内に異なる二つの段差量のアライメントマークを配置できない場合は、前記レーザー干渉計付ステージを移動させ、位置検出系に対するマ−クの位置を同じにして計測する。レーザー干渉計付ステージを移動させる計測では移動誤差が計測誤差となるため、同じ計測を繰り返し、複数回計測する平均化で高精度の計測を行うことができる。
【0031】
本実施形態の様に距離Lを評価量として用いる場合は、設定時の回転誤差εを考慮する必要がある。例えば距離Lを100μm、回転誤差εを100PPMとすると、回転誤差は10nmである。この誤差が無視できない場合には、回転誤差εを少なくするか、回転誤差εに影響されない計測方法を採用する必要がある。現行のハ−ドウエアでは10PPM以下の回転誤差を達成することが十分可能であるため、前述までの二種類二マークの使用を、二種類三マーク使用にすることで回転誤差εに影響されない計測を行うことができる。
【0032】
図3、図4はどちらかのマークを二つ用意して、その中間にもう一種類のマークを構成する本発明の実施形態2に係るマークの説明図である。図3は最初に計測を行う状態、図4は図3のウエハを180°回転して計測する状態を示す。図3ではλ/8のマ−クCをはさんで左側L1の距離に3λ/8の段差のマ−クA、右側L2の距離に3λ/8の段差のマ−クBが形成されている。図4では180°の回転でマークAとマークBの関係が入れ替わる。二つのマークを用いる実施形態1では距離Lを評価量としたが、実施形態2では距離L1と距離L2の差分、言い換えれば、マークCがマ−クA、Bに対しどの位置にあるかが評価量となる。図3の計測では
【0033】
【数2】
図4の計測では
【0034】
【数3】
回転誤差ε0 、ε180 としては10PPM以下、L1とL2の差分としてはサブミクロンオーダーの量を考えているので、
【0035】
【数4】
と考えられる。ここで、A−CとB−Cの計測値の差分を取り
【0036】
【数5】
更に両者の差分
σ0 ーσ180 = 4(Δ1+Δ2) (11)
から、回転誤差の影響を受けずに計測誤差Δ1+Δ2の値を求めることができる。従って、この発生オフセットの和を規格値以下となるよう位置検出系を調整することで、直接的な評価量による調整が可能となる。
【0037】
本実施例で示した二種類の段差量のアライメントマークを持つSiウエハ−は、現行のリソグラフィー技術で容易に製造することができる。製造に当ってはまず、Siウエハーにホトレジストを塗布し、半導体露光装置により所望のパターンの入ったレチクルのパターンをウエハー上に転写して現像した後、エッチング装置により所望の段差量となるようエッチングを行う。所望の段差量とは例えばアライメント検出系の使用波長λに対してλ/8となる段差量である。このときウエハ−上に形成されるパタ−ンは前記所望のパタ−ンと次の露光で用いられるアライメントマ−クである。なお、所望のパタ−ンをアライメントマ−クと共用することも可能である。
【0038】
エッチングしたウエハ−には再度ホトレジストが塗布され、先ほどエッチングして作成したアライメントマークでアライメントを実施した後、所望のパタ−ンの入ったレチクルで二回目の露光が行われる。二回目の露光時に転写する所望のパターンが、一回目の露光時に使用したパターンと異なる場合には、新しいレチクルが必要となる。また前の露光時に使用のレチクルパターンに工夫がされていてシフト露光で所望のパタ−ンをウエハ−上に形成できる場合には、同一のレチクルを用いて所定のシフト量だけずらして露光してもよい。露光されたウエハ−は再度現像後、エッチング装置により前回と異なる所望の段差量となるよう、エッチングされる。今回の所望の段差量は例えば3λ/8である。
【0039】
この手順により、二種類の異なった段差量のアライメントマークが入った、一枚のSiウエハーを作成できる。更に数種類の段差量の異なるマークを作成したい場合は前述の手順を繰り返せば良い。
【0040】
本実施形態では調整用の計測に用いるマ−クとアライメントマ−クが同一の形状である。従ってアライメントマークのX方向用マークとY方向用マークを用いれば、露光装置のマスキング機構と前述のウエハーシフトとの併用で、ウエハ−上の任意の位置に前記調整用のマ−クを作成することができる。
【0041】
図10のレチクルを例に取ると、一回目の露光で図11の様にウエハー上にパターン111X、111Yが形成される。これはレチクルパターンと相似形である。
【0042】
二回目の露光時は、アライメント後、図10のX方向マーク100Xのみ転写されるように、半導体露光装置内にあるマスキングブレードを設定し、ウエハーをシフトさせて露光する。こうするとX方向マーク100Xのみが転写され、ウエハー上には図12の様なパタ−ン121Xが形成される。次にマスキングブレードの設定を図10のY方向マークのみが転写されるように変更し、ウエハーシフト量を変更してシフト露光すると、ウエハー上には図13の様なパタ−ン131Yが形成される。
【0043】
以上説明した手順により、所望のパターンを任意な位置に構成することが可能である。
【0044】
調整用パターンの作成誤差要因としてはレチクルの製造誤差、アライメント誤差、レーザー干渉計付ステージの誤差などがあるが、これらは全て合わせてもサブミクロンレベルの値である。本発明は相対測定であるため、原理的にこれらの誤差の影響を受けにくく、また(9) 式に示されるようにサブミクロンの設定精度のため、誤差要因を無視できる大きさに抑えることができる。
【0045】
前述までの説明では調整にSiのエッチングウエハーを使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の基板を用いることができる。例えばオフセットの検出で問題とする段差構造のウエハ−を複数種用意して判断することが可能である。このようにすれば、はっきりとした対象に対し検出系の性能を(6) 式や(11)式といった評価量で直接判断することが可能となる。
【0046】
実際に異なる半導体プロセスを一つのウエハー上に形成することは、例えば、ゲート工程と金属配線工程のアライメントマークを、実際と同じプロセスで形成することは一般に困難である。そこで本発明の適用では、例えば二つの半導体プロセスウエハーのアライメントマーク部のみをウエハーから分離して、石英基板上に接着支持すれば良い。該基板を180度回転して検出系で計測することで、本発明の目的を達成することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば物体上に異なる二つの段差構造のアライメントマークを作成し、該物体を一体で回転して複数個の状態で計測して検出系の状態を確認することにより、位置検出系の性能を直接評価することが可能となった。半導体露光装置における位置検出系の状態を正確に評価できるため、発生するオフセットの値を規格値以下となるよう検出系を調整でき、高精度なアライメントを達成することが可能となった。
【0048】
また本発明によれば、実際に使用する時の一番クリティカルなプロセスに対して予め定量的に検出系の性能が評価できるため、検出系の調整状態を向上させることができ、アライメントの工程間オフセットを軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1に係るマ−クの配置図
【図2】 実施形態1のマ−クを180°回転した状態を示す説明図
【図3】 本発明の実施形態2に係るマークの説明図
【図4】 実施形態2のマ−クを180°回転した状態を示す説明図
【図5】 アライメントマ−クからの散乱光の状態を示す図
【図6】 位置検出系の調整状態と段差量の関係を示す図
【図7】 位置検出系の光学系の配置図
【図8】 位置検出系に収差がある場合の検出信号
【図9】 アライメントマ−クの鳥瞰図と検出信号
【図10】 実施形態1のウエハ−を作成するレチクルの例
【図11】 図10のレチクルによる第一露光で形成されるマ−ク
【図12】 図10のレチクルによる第ニ露光で形成されるマ−ク
【図13】 図10のレチクルによる第三露光で形成されるマ−ク
【符号の説明】
1 投影露光光学系、 2 XYZ駆動ステ−ジ、
3 ウエハ−チャック、 4 ウエハ−、
5、6、 検出光学系、 7 λ/4板、
8 結像光学系、 9 光電変換素子、
10 偏光ビ−ムスプリッタ、 11 照明光学系、
12 ファイバ−、 13 ミラ−、
31 アライメントマ−ク、 32 照明光、
34 マ−ク中心、
41 照明光、 42 エッジ散乱光、
51〜56 エッジ散乱光
Claims (4)
- 物体を光で照明し、前記物体からの前記光を検出光学系を介して受光手段で受光することにより、前記物体の位置を計測する位置検出装置の前記検出光学系の性能を評価する方法において、
前記物体には、前記受光手段による検出信号の波形の非対称性が互いに異なり、且つ、段差量が互いに異なる第一,第二のアライメントマークが設けられ、
前記第二のアライメントマークは、2つの前記第一のアライメントマークの間に設けられ、
前記2つの前記第一のアライメントマークの夫々と、前記第二のアライメントマークとの間の距離を夫々計測する第1の工程と、
前記第1の工程の後、前記検出光学系に対して前記物体を180°回転させて、前記距離を夫々計測する第2の工程と、
前記第1の工程で計測した前記距離及び前記第2の工程で計測した前記距離に基づいて、前記検出光学系の計測誤差を求める工程と、を有することを特徴とする検出光学系の性能を評価する方法。 - 前記第一,第二のアライメントマークの前記検出信号の波形の非対称性は、前記検出光学系の収差又は前記光の入射角分布の非対称性の少なくとも一方に依存して異なることを特徴とする請求項1記載の検出光学系の性能を評価する方法。
- 前記検出光学系の収差はコマ収差であることを特徴とする請求項2記載の検出光学系の性能を評価する方法。
- 前記第一,第二のアライメントマークは、前記光の波長をλとした時、段差量が(1+8N)*λ/8(N=0,1,2,・・・)近傍のアライメントマーク又は段差量が(3+8M)*λ/8(M=0,1,2,・・・)近傍のアライメントマークであることを特徴とする請求項1記載の検出光学系の性能を評価する方法。
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1996
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