JP3733100B2 - 光スイッチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は自由空間伝播光ビームの光路を切り替える光スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の光スイッチの従来構造の一例を図4に示す。方形状をなす可動電極板11はこの例ではその互いに対向する2つの角部が支持ビーム12に支持されており、これら支持ビーム12は可動電極板11の2辺に沿うようにそれぞれ配設されて、その他端が基板13上に形成された一対のアンカー14にそれぞれ連結支持されている。
枠状をなす基板13の他面側には固定電極板15が配置されており、基板13の枠内に位置された可動電極板11は固定電極板15と所定の間隙を介して平行対向されると共に、2本の支持ビーム12により、その板面と垂直方向に、つまり固定電極板15の板面に対して垂直方向に変位可能とされている。
【0003】
可動電極板11の上面中央部にはマイクロミラー16が直立されて形成されており、マイクロミラー16は直方体形状をなすものとされる。
上記のような構造を有する光スイッチ17はフォトリソグラフィやエッチングといったマイクロマシニング技術、いわゆるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術と称される技術を使用して作製され、基板13及び固定電極板15にはシリコン基板が用いられ、可動電極板11、支持ビーム12及びアンカー14はポリシリコン膜によって一体形成される。
【0004】
マイクロミラー16は厚膜タイプのレジストをフォトリソグラフィによりパターニングして形成した基体の表面に金(Au)をスパッタすることによって作製される。
このような光スイッチ17においては、固定電極板15と可動電極板11との間に電圧を印加して、それら電極板間に互いに吸引する静電気力を発生させることにより、その静電気力によって可動電極板11が固定電極板15側に駆動変位され、これによりマイクロミラー16を可動電極板11の板面に対して垂直方向に変位させることができるため、可動電極板11の板面と平行方向から入射する光ビームの光路切り替えを行うことができるものとなっている。
【0005】
図4A中、21〜23は例えばこの光スイッチ17の周囲に配置される光ファイバを示し、31は光スイッチ17に入射される入射光ビーム、32,33は出射光ビームを示す。
光路にマイクロミラー16が挿入されている状態においては、入射光ビーム31はマイクロミラー16によって反射され、その出射光ビーム32は光ファイバ22に入射される。一方、可動電極板11が静電駆動され、マイクロミラー16が変位して光路から外れた状態では、入射光ビーム31はそのまま直進して出射光ビーム33となり、光ファイバ23に入射される(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−121967号公報(図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した光スイッチ17においては、例えば可動電極板11上へのマイクロミラー16の作製時に、入射光ビーム31の光軸に対してマイクロミラー16のなす角度がずれると、光の結合効率の大幅な低下を招き、性能不良になるといった問題があった。
図5はこの様子を示したものであり、マイクロミラー16が破線で示した正規の位置(角度位置)から角度δ回転した状態で作製されると、出射光ビーム32の出射方向は破線で示した正規の方向から角度δの2倍の2δずれることになり、光ファイバ22に入射する出射光ビーム32に大きな損失が生じるものとなる。
【0008】
従って、従来の光スイッチ17においてはマイクロミラー16の作製精度に極めて高い精度が要求されるものとなっており、この点で光スイッチ17の歩留りは良好とは言えず、高価なものとなっていた。
一方、この種の光スイッチにおいては、例えば直方体形状をなすマイクロミラー16の裏面側も反射面として使用し、表裏両面の反射面によって2つの入射光ビームの光路切り替えを同時に行うといったことが考えられる。
図6はこのようなことを考えた場合のマイクロミラーと光ファイバの配置構成例を示したものであり、この例では直交する2軸の交点にマイクロミラー16が配置され、それら2軸上に4本の光ファイバ21〜24が配置されている。
【0009】
この配置構成において、まずマイクロミラー16が光路から外れている場合を考えると、光ファイバ21と23及び24と22はそれぞれ光軸が一致しているため、光ファイバ21からの入射光ビーム31は光ファイバ23に、光ファイバ24からの入射光ビーム34は光ファイバ22にそれぞれ入射する。
これに対し、マイクロミラー16が光路に挿入された状態では、入射光ビーム31及び34がそれぞれマイクロミラー16によって反射されて出射する出射光ビーム32及び35の光軸は、マイクロミラー16に厚みtがあるため、図6に示したように直交2軸に対して、それぞれd=(√2/2)tのオフセットがかかり、よって光ファイバ22及び23の光軸と一致せず、光結合することができないものとなっていた。
【0010】
つまり、このように4本の光ファイバ21〜24が配置される4ポートの光スイッチを考えた場合、マイクロミラー16の厚みtがあるために、スルー(光ファイバ21→23,24→22)と反射(光ファイバ21→22,24→23)のすべての光軸を合わせることはできないものとなっていた。
この発明の目的はこれら問題に鑑み、マイクロミラー作製時における回転許容公差を緩和でき、その点で歩留り向上、ローコスト化を図ることができ、さらには上述したような4ポート化に対してもすべての光軸を合わせることができ、その点でスイッチングの自由度が大きい光スイッチを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明は、固定電極板と対向配置された可動電極板上にマイクロミラーが直立形成され、可動電極板をその板面と垂直方向に静電駆動してマイクロミラーを変位させることにより、入射する光ビームの光路切り替えを行う光スイッチを前提とする。
【0012】
特にこの発明によれば、上記マイクロミラーが入射光ビームを2回反射して入射方向に対し直角に出射させる2つの反射面を、表裏両面にそれぞれ具備するものとされ、それら表裏両面の反射面によって、直交2軸上の2つの入射光ビームの光路切り替えを同時に行う構成とされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面を参照して実施例により説明する。
図1はこの発明による光スイッチの一実施例を示したものであり、図4と対応する部分には同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
この例では方形状をなす可動電極板11は4本の支持ビーム12によって、その板面と垂直方向に変位可能に支持されている。これら支持ビーム12は枠状をなす基板13の対向2辺上に形成された一対のアンカー14の各両端部からそれぞれ導出されており、それぞれ可動電極板11の2辺に沿うように、可動電極板11の回りに同じ向きに延伸されて可動電極板11の4つの角部に連結されている。
【0014】
可動電極板11上に搭載されたマイクロミラー41は、この例では従来のマイクロミラー16のような単なる直方体形状ではなく、その中央部がくびれた形状とされ、その表裏両面にはそれぞれくびれを構成する2つの反射面42,43及び44,45が形成されている。これら反射面42と43及び44と45とはいわゆるコーナーリフレクターの形状をなすものとされ、反射面42と43及び44と45とがなす角度θはこの例ではそれぞれ135°とされる。
上記のような形状を有するマイクロミラー41は例えば厚膜タイプのレジストをフォトリソグラフィによりパターニングして形成した基体の表面にAuをスパッタすることによって作製される。なお、このマイクロミラー41の高さは例えば100μm程度とされ、またこの図1に示した光スイッチ46の全体の寸法(チップの大きさ)は例えば500μm×250μm程度とされる。光スイッチ46はMEMS技術を使用して作製される。
【0015】
図2はこの光スイッチ46において、入射光ビームがマイクロミラー41によって反射される様子を示したものであり、図中、破線はマイクロミラー41が正規の位置(角度位置)に作製された状態及びその時の光ビームの進行を示し、実線はマイクロミラー41が正規の角度位置から角度δ回転して作製された状態及びその時の光ビームの進行を示す。
光ファイバ21からの入射光ビーム31はマイクロミラー41の反射面42と43とによって2回反射されるものとなっており、それら反射面42,43のなす角度θが135°とされているため、出射光ビーム32は入射光ビーム31の入射方向に対して90°の方向に出射される。
【0016】
マイクロミラー41が破線で示した正規の角度位置から角度δ回転した状態で作製されたとしても、この出射光ビーム32の方向は変わらず、つまり図5に示した従来例のように角度δの2倍、出射方向がずれてしまうといった状況は発生せず、図2に示したように出射光ビーム32は正規の位置に対して、つまり光ファイバ22の光軸に対してわずかにオフセットするだけとなる。
なお、図2はマイクロミラー41のくびれ部分の厚みの中央を中心とした回転を強調して、大きさsのオフセットを描いているが、例えば2つの反射面42,43の135°の角度をなしている交点を中心とした回転であれば、想定しうる有限の大きさの角度δに対して、オフセットsは事実上、ゼロといってよい。
【0017】
これに対して、図4,5に示した従来例では光スイッチ17の全体の寸法を500μm×250μm程度とすると、例えば、δ=1°の回転でも光ファイバ22の端面が位置する光スイッチ17の辺縁部において、図2におけるsと同じ方向に4μm以上のオフセットが生じ、結合光量は完全に失われてしまう。
このように、この例によれば従来のように大きな損失は発生せず、マイクロミラー41は作製時における回転許容公差が大きいものとなる。
図3はマイクロミラー41の表裏両面の反射面42,43及び44,45を使用し、2つの入射光ビームの光路切り替えを同時に行うように構成し、4ポートの光スイッチとした場合を、図6に示した従来例と同様に示したものであり、この図3から明らかなように、このマイクロミラー41においては2回反射させることにより、従来のマイクロミラー16のような厚みtによるオフセットは発生せず、スルー(光ファイバ21→23,24→22)と反射(光ファイバ21→22,24→23)のすべての光軸合わせが可能となる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による光スイッチによればマイクロミラーの作製における回転許容公差が緩和されるため、作製が容易となり、よって歩留りが向上し、その分ローコスト化を図ることができる。
しかも、この発明によれば、マイクロミラーの表裏両面を反射面として使用し、2つの入射光ビームの光路切り替えを同時に行う4ポートの光スイッチに対しても、光軸ずれのない、すべてのポートの光軸が合った光スイッチを提供することができるため、その点でスイッチングの自由度が大きく、高性能な光スイッチが得られ、また複数の光スイッチをアレイ状に配列した光スイッチアレイも容易に構成できるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による光スイッチの一実施例を示す斜視図。
【図2】図1に示した光スイッチにおけるマイクロミラーの回転による出射光ビームの変化を説明するための図。
【図3】図1に示した光スイッチにおいてマイクロミラーの表裏両面を反射面として使用する4ポート構成とした時の配置及び光ビームの進行を示す図。
【図4】Aは従来の光スイッチを示す平面図、Bはその断面図。
【図5】図4に示した光スイッチにおけるマイクロミラーの回転による出射光ビームの変化を説明するための図。
【図6】図4に示した光スイッチにおいてマイクロミラーの表裏両面を反射面として使用する4ポート構成とした時の、マイクロミラーの厚みによって生じるオフセットを説明するための図。
Claims (1)
- 固定電極板と対向配置された可動電極板上にマイクロミラーが直立形成され、可動電極板をその板面と垂直方向に静電駆動してマイクロミラーを変位させることにより、入射する光ビームの光路切り替えを行う光スイッチにおいて、
上記マイクロミラーは入射光ビームを2回反射して入射方向に対し直角に出射させる2つの反射面を、表裏両面にそれぞれ具備するものとされ、
それら表裏両面の反射面によって、直交2軸上の2つの入射光ビームの光路切り替えを同時に行う構成とされていることを特徴とする光スイッチ。
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