JP3733047B2 - 切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、本出願人が特願平11−79572号で提案したズームレンズ系を搭載した切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来技術及びその問題点】
ズームレンズ系において、高ズーム比と小型化は、二律背反的要求であった。例えば、小型にできる2群ズームレンズ系において、ズーム比を大きくするべく構成レンズ群の移動軌跡を定める(移動軌跡の解を求める)と、テレ側でのレンズ群の干渉、あるいはワイド側での像面との干渉が生じる。一方、3群ズームレンズ系では、2群ズームレンズ系よりズーム比を大きくできるが、小型化が困難である。また、さらなる高ズーム比を得るべく構成レンズ群のパワーを定めると、機構上、精度が出ない。
【0003】
本出願人は、以上の二律背反的要求を満足する、高ズーム比でありながら小型化できるズームレンズ系として、従来の常識を破るズームレンズ系を提案した(特願平11−79572号)。このズームレンズ系は、焦点距離を変化させる可動の複数の変倍レンズ群を有すること;少なくとも一つの変倍レンズ群は、2つのサブ群を有し、その一方のサブ群が、他方のサブ群との関係において光軸方向の両移動端のいずれか一方に選択して位置する可動サブ群である切替群であること;短焦点距離端から中間焦点距離に至る短焦点距離側ズーミング域と、中間焦点距離から長焦点距離端に至る長焦点距離側ズーミング域とで、切替群中の可動サブ群は互いに異なるいずれか一方の移動端に位置すること;及び切替群と他の変倍レンズ群のズーミング基礎軌跡は、上記中間焦点距離において不連続であり、可動サブ群の位置に応じ、所定の像面に結像するように定められていること;に特徴がある。中間焦点距離点は、単数箇所であっても、複数箇所であってもよい。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、以上のような切替群を有するズームレンズ系からなるズームレンズを備えたカメラにおけるズーミング、フォーカシングを制御するカメラのレンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、焦点距離を変化させる可動の複数の変倍レンズ群を有し、少なくとも一つの変倍レンズ群は、2つのサブ群を有し、その一方のサブ群が、他方のサブ群との関係において光軸方向に移動可能な可動サブ群である切替群であるズームレンズが装着されたカメラにおいて、上記複数の変倍レンズ群を短焦点距離端と長焦点距離端との間を所定の移動軌跡移動させるメイン駆動手段と、短焦点距離端から中間焦点距離に至る短焦点距離側ズーミング域と、中間焦点距離から長焦点距離端に至る長焦点距離側ズーミング域とで、上記切替群中の可動サブ群を、ズーミング域に応じた互いに異なるいずれか一方の移動端に移動させるサブ駆動手段とを備えたことに特徴を有する。
本発明のサブ駆動手段は、上記メイン駆動手段が動作したときに、あるいはメイン駆動手段が動作し、停止したときに上記可動サブ群を上記変倍レンズ群の現在のズーミング域に対応する移動端に移動させる態様とする。
本発明のカメラは測光手段および測距手段を備え、上記サブ駆動手段は、上記測光手段または測距手段が動作したときに、上記可動サブ群を上記変倍レンズ群の現在のズーミング域に対応する移動端に移動させることができる。
本発明の他の実施形態においてカメラはさらに、シャッタ手段を備え、上記測光手段または測距手段が動作した後、上記シャッタ手段が動作する前に、上記可動サブ群を上記変倍レンズ群の現在のズーミング域に対応する移動端に移動させる。そして測距手段が動作した後に、測距手段の測距結果に基づいて、可動サブ群を反対側の移動端方向に移動させて焦点調節することが望ましい。
さらに別の実施形態においてサブ駆動手段は、上記変倍レンズ群を上記変倍レンズ群の現在のズーミング域に対応する移動端に移動させた後に、測距手段の測距結果に基づいて、可動サブ群を反対側の移動端方向に移動させて焦点調節する。
【0006】
【発明の実施の形態】
[本発明レンズ駆動制御装置が対象とする切替群を有するズームレンズ系の説明]
最初に、本出願人が特願平11−79572号で提案した切替群を有するズームレンズ系の各態様を、図1から図9を参照して説明する。なお、図1ないし図9のIMは、フィルム面などの像面を示しており、この像面IMは移動しない。図1は、切替群によるズームレンズ系の第1の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、全体として正のパワーの第1変倍レンズ群10と、全体として負のパワーの第2変倍レンズ群20からなっており、第1変倍レンズ群10は、物体側から順に、負のパワーの第1レンズ群L1(第1サブ群S1)と正のパワーの第2レンズ群L2(第2サブ群S2)とからなり、第2変倍レンズ群20は負のパワーの第3レンズ群L3からなっている。第1変倍レンズ群10中の第2サブ群S2は、第1群枠11に固定されており、第1サブ群S1の可動サブ群枠12は、第1群枠11に形成したガイド溝13内で光軸方向に一定距離移動可能である。第1サブ群S1は、可動サブ群枠12がガイド溝13の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。第3レンズ群L3は、第2群枠21に固定されている。
【0007】
このズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)との移動、及びガイド溝13内での可動サブ群枠12(第1サブ群S1)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と一緒に移動する。
【0008】
A;短焦点距離端fwから中間焦点距離fmまでの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0009】
B;中間焦点距離fmにおいて、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第1サブ群S1は、第1群枠11のガイド溝13内で像面側の移動端に達し、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2をとる。
【0010】
C;中間焦点距離fmから長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第1サブ群S1は、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔)d2を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、中間焦点距離fmでの像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0011】
図は、簡易的なもので、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に移動させて(つまり第1変倍レンズ群10(第1群枠11)を移動させて)行う。
【0012】
図2は、切替群を有するズームレンズ系の第2の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、正のパワーの第1変倍レンズ群10、全体として正のパワーの第2変倍レンズ群20、負のパワーの第3変倍レンズ群30からなっている。第1変倍レンズ群10は正のパワーの第1レンズ群L1からなり、第2変倍レンズ群20は、物体側から順に、負のパワーの第2レンズ群L2(第1サブ群S1)と正のパワーの第3レンズ群L3(第2サブ群S2)とからなり、第3変倍レンズ群30は負のパワーの第4レンズ群L4からなっている。第1レンズ群L1は、第1変倍レンズ群枠11に固定されている。第2変倍レンズ群20中の第2サブ群S2は、第2群枠21に固定されており、第1サブ群S1の可動サブ群枠22は、第2群枠21に形成したガイド溝23内で光軸方向に一定距離移動可能である。第1サブ群S1は、可動サブ群枠22がガイド溝23の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。第4レンズ群L4は、第3群枠31に固定されている。
【0013】
この第2の態様のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)及び第3変倍レンズ群30(第3群枠31)の移動、及びガイド溝23内での可動サブ群枠22(第1サブ群S1)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)と一緒に移動する。
【0014】
A;短焦点距離端fwから中間焦点距離fmまでの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)、及び第3変倍レンズ群30(第3群枠31)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0015】
B;中間焦点距離fmにおいて、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)、及び第3変倍レンズ群30(第3群枠31)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第1サブ群S1は、第2群枠21のガイド溝23内で像面側の移動端に達し、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2をとる。
【0016】
C;中間焦点距離fmから長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第1サブ群S1は、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔)d2を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)、及び第3変倍レンズ群30(第3群枠31)は、中間焦点距離fmでの像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0017】
図は、簡易的なもので、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)、第2変倍レンズ群20(第2群枠21)及び第3変倍レンズ群30(第3群枠31)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0018】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に移動させて(つまり第2変倍レンズ群20(第2群枠21)を移動させて)行う。
【0019】
以上のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1の態様と同じく、中間焦点距離fmにおいて不連続であるが、短焦点距離端fw、中間焦点距離fm(不連続点)及び長焦点距離端ftでの第1レンズ群L1、第1サブ群S1(第2レンズ群L2)、第2サブ群S2(第3レンズ群L3)及び第4レンズ群L4の位置を適当に定めることにより、常時正しく像面に結像するような解が存在する。そして、このようなズーミング基礎軌跡によると、高ズーム比でありながら小型のズームレンズ系が得られる。
【0020】
図3は、切替群を有するズームレンズ系の第3の態様を示している。この態様は、第2の態様における最も物体側の正レンズ群L1を負レンズ群L1に代えたもので、他は第2の態様と同様である。
【0021】
図4は、切替群を有するズームレンズ系の第4の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、全体として正のパワーの第1変倍レンズ群10と、全体として負のパワーの第2変倍レンズ群20からなっており、第1変倍レンズ群10は、物体側から順に、負のパワーの第1レンズ群L1(第1サブ群S1)と正のパワーの第2レンズ群L2(第2サブ群S2)とからなり、第2変倍レンズ群20は、物体側から順に、正のパワーの第3レンズ群L3(第3サブ群S3)と負のパワーの第4レンズ群L4(第4サブ群S4)とから構成されている。
【0022】
第1変倍レンズ群10中の第2サブ群S2は、第1群枠11に固定されており、第1サブ群S1を支持した可動サブ群枠12は、第1群枠11に形成したガイド溝13内で光軸方向に一定距離移動可能である。第1サブ群S1は、可動サブ群枠12がガイド溝13の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。同様に、第2変倍レンズ群20中の第4サブ群S4は、第2群枠21に固定されており、第3サブ群S3を支持した可動サブ群枠22は、第2群枠21に形成したガイド溝23内で光軸方向に一定距離移動可能である。第3サブ群S3は、可動サブ群枠22がガイド溝23の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。
【0023】
このズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)との移動、及びガイド溝13と23内での第1群枠11(第1サブ群S1)と第2群枠21(第3サブ群S3)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と一緒に移動する。
【0024】
A;短焦点距離端fwから中間焦点距離fmまでの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d3をとる。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0025】
B;中間焦点距離fmにおいて、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第1サブ群S1は、第1群枠11のガイド溝13内で像面側の移動端に達し、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2をとり、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d4をとる。
【0026】
C;中間焦点距離fmから長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第1サブ群S1は、第2サブ群S2に対して接近した間隔(狭間隔)d2を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して接近した間隔(狭間隔)d4を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、中間焦点距離fmでの像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0027】
図では、便宜上、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0028】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に移動させて(つまり第1変倍レンズ群10(第1群枠11)を移動させて)行う。
【0029】
以上のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1ないし第3の態様と同じく、中間焦点距離fmにおいて不連続であるが、短焦点距離端fw、中間焦点距離fm(不連続点)及び長焦点距離端ftでの第1サブ群S1(第1レンズ群L1)、第2サブ群S2(第2レンズ群L2)、第3サブ群S3(第3レンズ群L3)及び第4サブ群S4(第4レンズ群L4)の位置を適当に定めることにより、常時正しく像面に結像するような解が存在する。そして、このようなズーミング基礎軌跡によると、高ズーム比でありながら小型のズームレンズ系が得られる。
【0030】
図5は、切替群を有するズームレンズ系の第5の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、全体として正のパワーの第1変倍レンズ群10と、全体として負のパワーの第2変倍レンズ群20からなっており、第1変倍レンズ群10は、物体側から順に、負のパワーの第1レンズ群L1(第1サブ群S1)と正のパワーの第2レンズ群L2(第2サブ群S2)とからなり、第2変倍レンズ群20は、物体側から順に、正のパワーの第3レンズ群L3(第3サブ群S3)と負のパワーの第4レンズ群L4(第4サブ群S4)とから構成されている。
【0031】
第1変倍レンズ群10中の第2サブ群S2は、第1群枠11に固定されており、第1サブ群S1を支持した可動サブ群枠12は、第1群枠11に形成したガイド溝13内で光軸方向に一定距離移動可能である。第1サブ群S1は、可動サブ群枠12がガイド溝13の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。同様に、第2変倍レンズ群20中の第4サブ群S4は、第2群枠21に固定されており、第3サブ群S3を支持した可動サブ群枠22は、第2群枠21に形成したガイド溝23内で光軸方向に一定距離移動可能である。第3サブ群S3は、可動サブ群枠22がガイド溝23の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。
【0032】
このズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)との移動、及びガイド溝13と23内での第1群枠11(第1サブ群S1)と第2群枠21(第3サブ群S3)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と一緒に移動する。
【0033】
A;短焦点距離端fwから第一の中間焦点距離fm1までの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d3をとる。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0034】
B;中間焦点距離fm1において、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)及び第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第1サブ群S1は、第1群枠11のガイド溝13内で像面側の移動端に達し、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2をとる。
【0035】
C;第一の中間焦点距離fm1から第二の中間焦点距離fm2までの中間ズーミング域Zmでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d3を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、第一の中間焦点距離fm1での像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0036】
D;第二の中間焦点距離fm2において、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)及び第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、中間ズーミング域Zm内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第3サブ群S3は、第2群枠21のガイド溝23内で像面側の移動端に達し、第4サブ群S4に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d4をとる。
【0037】
E;第二の中間焦点距離fm2から長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第1サブ群S1は、第2サブ群S2に対して接近した間隔(狭間隔)d2を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して接近した間隔(狭間隔)d4を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、第二の中間焦点距離fm2での像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0038】
図は、簡易的なもので、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0039】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に移動させて(つまり第1変倍レンズ群10(第1群枠11)を移動させて)行う。
【0040】
以上のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1ないし第4の態様と同じく、中間焦点距離fmにおいて不連続であるが、短焦点距離端fw、第一、第二の中間焦点距離fm1、fm2(不連続点)及び長焦点距離端ftでの第1サブ群S1(第1レンズ群L1)、第2サブ群S2(第2レンズ群L2)、第3サブ群S3(第3レンズ群L3)及び第4サブ群S4(第4レンズ群L4)の位置を適当に定めることにより、常時正しく像面に結像するような解が存在する。そして、このようなズーミング基礎軌跡によると、高ズーム比でありながら小型のズームレンズ系が得られる。
【0041】
図6は、切替群を有するズームレンズ系の第6の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、全体として正のパワーの第1変倍レンズ群10と、全体として負のパワーの第2変倍レンズ群20からなっており、第1変倍レンズ群10は、物体側から順に、負のパワーの第1レンズ群L1(第1サブ群S1)と正のパワーの第2レンズ群L2(第2サブ群S2)とからなり、第2変倍レンズ群20は、物体側から順に、正のパワーの第3レンズ群L3(第3サブ群S3)と負のパワーの第4レンズ群L4(第4サブ群S4)とから構成されている。
【0042】
第1変倍レンズ群10中の第2サブ群S2は、第1群枠11に固定されており、第1サブ群S1を支持した可動サブ群枠12は、第1群枠11に形成したガイド溝13内で光軸方向に一定距離移動可能である。第1サブ群S1は、可動サブ群枠12がガイド溝13の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。同様に、第2変倍レンズ群20中の第4サブ群S4は、第2群枠21に固定されており、第3サブ群S3を支持した可動サブ群枠22は、第2群枠21に形成したガイド溝23内で光軸方向に一定距離移動可能である。第3サブ群S3は、可動サブ群枠22がガイド溝23の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。
【0043】
このズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)との移動、及びガイド溝13と23内での第1群枠11(第1サブ群S1)と第2群枠21(第3サブ群S3)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と一緒に移動する。
【0044】
A;短焦点距離端fwから第一の中間焦点距離fm1までの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して離間した間隔(第1の間隔、広間隔)d3をとる。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0045】
B;中間焦点距離fm1において、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)及び第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第3サブ群S3は、第2群枠21のガイド溝23内で像面側の移動端に達し、第4サブ群S4に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d4をとる。
【0046】
C;第一の中間焦点距離fm1から第二の中間焦点距離fm2までの中間ズーミング域Zmでは、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離隔した間隔(第1の間隔、広間隔)d1を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d4を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、第一の中間焦点距離fm1での像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0047】
D;第二の中間焦点距離fm2において、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)及び第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、中間ズーミング域Zm内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第1サブ群S1は、第1群枠11のガイド溝13内で像面側の移動端に達し、第2サブ群S2に対して接近した間隔(第2の間隔、狭間隔)d2をとる。
【0048】
E;第二の中間焦点距離fm2から長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第1サブ群S1は、第2サブ群S2に対して接近した間隔(狭間隔)d2を保持し、第3サブ群S3は第4サブ群S4に対して接近した間隔(狭間隔)d4を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、第二の中間焦点距離fm2での像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0049】
図は、簡易的なもので、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0050】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に移動させて(つまり第1変倍レンズ群10(第1群枠11)を移動させて)行う。
【0051】
以上のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1ないし第5の態様と同じく、中間焦点距離fmにおいて不連続であるが、短焦点距離端fw、第一、第二の中間焦点距離fm1、fm2(不連続点)及び長焦点距離端ftでの第1サブ群S1(第1レンズ群L1)、第2サブ群S2(第2レンズ群L2)、第3サブ群S3(第3レンズ群L3)及び第4サブ群S4(第4レンズ群L4)の位置を適当に定めることにより、常時正しく像面に結像するような解が存在する。そして、このようなズーミング基礎軌跡によると、高ズーム比でありながら小型のズームレンズ系が得られる。
【0052】
図7は、切替群を有するズームレンズ系の第7の態様を示している。このズームレンズ系は、物体側から順に、全体として正のパワーの第1変倍レンズ群10と、負のパワーの第2変倍レンズ群20からなっている。第1変倍レンズ群10は、物体側から順に、正のパワーの第1レンズL1(第1サブ群S1)、負のパワーの第2レンズ群L2(第2サブ群S2)、及び正のパワーの第3レンズ群L3(第3サブ群S3)からなり、第2変倍レンズ群20は負のパワーの第4レンズ群L4からなっている。第1変倍レンズ群10の第1サブ群S1と第3サブ群S3は、第1群枠11に固定されており、第2サブ群S2を支持する可動サブ群枠12は、第1群枠11に形成したガイド溝13内で光軸方向に一定距離移動可能である。第2サブ群S2は、可動サブ群枠12がガイド溝13の前端部に当接する物体側の移動端と、後端部に当接する像面側の移動端との2位置を択一してとる。第4レンズ群L4は、第2群枠21に固定されている。
【0053】
このズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)との移動、及びガイド溝13内での第1群枠11(第2サブ群S2)の移動を伴って、次のように設定されている。ズーミングに際し、絞りDは、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と一緒に移動する。
【0054】
A;短焦点距離端fwから中間焦点距離fmまでの短焦点距離側ズーミング域Zwでは、第2サブ群S2は第1サブ群S1に対して接近した狭間隔、第3サブ群S3に対して離間した広間隔を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0055】
B;中間焦点距離fmにおいて、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、短焦点距離側ズーミング域Zw内の長焦点側端部における位置よりも像面側に移動する。また、第2サブ群S2は、第1群枠11のガイド溝13内で像面側の移動端に達し、第1サブ群S1に対して離隔した広間隔、第3サブ群S3に対して接近した狭間隔をとる。
【0056】
C;中間焦点距離fmから長焦点距離端ftまでの長焦点距離側ズーミング域Ztでは、第2サブ群S2は、第1サブ群S1に対して離隔した広間隔、第3サブ群S3に対して接近した狭間隔を保持する。そして、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)は、中間焦点距離fmでの像面側への移動後の位置を基準にして、互いの空気間隔を変化させながらともに物体側に移動する。
【0057】
図は、簡易的なもので、第1変倍レンズ群10(第1群枠11)と第2変倍レンズ群20(第2群枠21)のズーミング基礎軌跡を直線で描いているが、実際には直線であるとは限らない。
【0058】
フォーカシングは、全ての可変焦点距離域において、第1サブ群S1ないし第3サブ群S3を一体に移動させて(つまり第1変倍レンズ群10(第1群枠11)を移動させて)行う。
【0059】
以上のズームレンズ系のズーミング基礎軌跡は、第1ないし第6の態様と同じく、中間焦点距離fmにおいて不連続であるが、短焦点距離端fw、中間焦点距離fm(不連続点)及び長焦点距離端ftでの第1サブ群S1(第1レンズ群L1)、第2サブ群S2(第2レンズ群L2)、第3サブ群S3(第3レンズ群L3)及び第4レンズ群L4の位置を適当に定めることにより、常時正しく像面に結像するような解が存在する。そして、このようなズーミング基礎軌跡によると、高ズーム比でありながら小型のズームレンズ系が得られる。
【0060】
前述のように、以上の切替群を有するズームレンズ系は、撮影レンズ系とファインダ光学系が別々の光軸を有するカメラの撮影レンズ系として用いるのが実際的である。そして、各レンズ群の撮影時のズーミング時の停止位置は、ズーミング基礎軌跡上において、ステップワイズに定める、つまり複数段の焦点距離ステップとするのがよい。図8、図9は、各レンズ群のズーミング時の停止位置をステップワイズにした場合の例を示している。この例は、図1の第一の態様を例にしたもので、図1の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付している。ズーミング基礎軌跡は、破線で示しており、撮影時の第1群枠11と第2群枠21のズーミング時の停止位置を、破線のズーミング軌跡上に黒丸で示している。また、図9は、図8の黒丸を滑らかな曲線で接続した移動軌跡を実線で描いたもので、実際の機械構成では、第1群枠11と第2群枠21をこのように移動させることができる。
【0061】
以上の各態様では、便宜上、各レンズ群を単レンズとして図示したが、これらは勿論複数のレンズから構成することができる。
【0062】
[切替群を有するズームレンズ鏡筒の全体構造の説明]
以上の各態様において、図1、図8、図9の態様の第1変倍レンズ群10、図2の態様の第2変倍レンズ群20、図3の態様の第2変倍レンズ群20、図4の態様の第1変倍レンズ群10、図5の態様の第1変倍レンズ群10、図6の態様の第1変倍レンズ群10、及び図7の態様の第1変倍レンズ群10(第1レンズL1と第3レンズL3を一体とする)はそれぞれ切替群であり、かつ全焦点距離域においてフォーカスレンズ群として機能する。
【0063】
本発明は、以上の切替群に適応できるレンズ鏡筒を適用されるもので、以下、図1、図8、図9の態様の第1変倍レンズ群(切替群)10と第2変倍レンズ群20を有するズームレンズ鏡筒に適用した実施形態を説明する。図10以下に示す実施形態のズームレンズ鏡筒(系)では、切替群10を構成する第1サブ群S1とS2の一方を第1群枠11に固定した図1、図8、図9のズームレンズ系とは異なり、第1サブ群S1とS2は、ともに切替群枠に対して光軸方向に可動である。この態様では、ズーミング動作時に切替群枠に与える移動軌跡と、切替群枠内で第1サブ群S1、第2サブ群S2に与える移動軌跡との合成軌跡を、図1、図8、図9のズーミング基礎軌跡に一致させればよい。また、フォーカシング時には、切替群枠内において第1サブ群S1と第2サブ群S2を一体に光軸方向に移動させる。実際の動作は、操作者によって設定される焦点距離情報と検出される被写体距離情報に応じて、シャッタのレリーズが始まる前までに、切替群枠の動きと、切替群枠内での第1サブ群S1と第2サブ群S2の動きにより、同第1サブ群S1と第2サブ群S2が光軸方向の所定の位置に位置すればよい。
【0064】
図10に示すように、カメラボディ41に固定される固定筒42には、その内周面に雌ヘリコイド43が形成されている。この雌ヘリコイド43には、カム環44の後端部外周に形成された雄ヘリコイド45が螺合している。一方、固定筒42の外側には、ズーミング用モータ46mによって回転駆動されるピニオン47が位置しており、このピニオン47に、雄ヘリコイド45の一部を切除し該雄ヘリコイド45のリードと同一の方向に傾斜させてカム環44の外周に形成したギヤ(図示せず)が噛み合っている。従って、ズーミング用モータ46mを介してカム環44に正逆の回転運動が与えられると、該カム環44は、雌ヘリコイド43と雄ヘリコイド45に従って光軸方向に進退する。
【0065】
カム環44には、該カム環44と相対回動が可能で光軸方向には一緒に移動する(光軸方向への相対移動ができない)直進案内環48が支持されている。この直進案内環48は、カメラボディ41に光軸方向の直進移動のみ可能にして支持されている。カム環44の内側には、その前方から順に、第1変倍レンズ群10(第1サブ群S1、第2サブ群S2)を有する切替群枠50と、第2変倍レンズ群20を固定した後群レンズ枠49とが位置しており、この切替群枠50と後群レンズ枠49が直進案内環48によって光軸方向に直進案内されている。
【0066】
カム環44の内周面には、切替群枠50と後群レンズ枠49用の有底カム溝44fと44rが形成されている。図11は、この有底カム溝44fと44rの展開形状を示している。有底カム溝44fと44rはそれぞれ周方向に等角度間隔で3組形成されており、切替群枠50と後群レンズ枠49には、これらの有底カム溝44fと44rに嵌まるフォロアピン50pと49pが径方向に突出形成されている。
【0067】
有底カム溝44f、44rはそれぞれ、フォロアピン50p、49pの導入位置44f-a、44r-a、ズームレンズ系の収納位置44f-r、44r-r、ワイド端位置44f-w、44r-w、及びテレ端位置44f-t、44r-tを備えている。導入位置44f-a、44r-aから収納位置44f-r、44r-rへの回転角はθ1、収納位置44f-r、44r-rからワイド端位置44f-w、44r-wへの回転角はθ2、ワイド端位置44f-w、44r-wからテレ端位置44f-t、44r-tへの回転角はθ3である。テレ端位置44f-t、44r-tを超える回転角θ4は、組立用の回転角である。後群レンズ枠49用のカム溝44rは、図1、図8、図9の態様の第2変倍レンズ群20のズーミング基礎軌跡に対応する中間不連続位置fmを有している。
【0068】
これに対し、第1変倍レンズ群10用のカム溝44fは、ワイド端位置44f-wからテレ端位置44f-tまでの間、滑らかに形状が変化していて、見掛け上、不連続位置が存在しない。これは、本実施形態では、図1の中間焦点距離fmを挟む短焦点距離側ズーミング域Zwと長焦点距離側ズーミング域Ztで、サブ群S2の位置が不連続とならないように切替群枠50とサブ群S2を移動させていることによる。図1に模式的に示す接続線CCは、中間焦点距離fmを挟む短焦点距離側ズーミング域Zwと長焦点距離側ズーミング域Ztのズーミング基礎軌跡を接続したもので、カム溝44fの形状は、この接続線CCで接続したズーミング基礎軌跡に対応している。フォロアピン50pがこの接続線CCに対応する区間を移動する間に、サブ群S1は前方移動端から後方移動端に移動する。この接続線CCに対応するカム溝44fの区間は、実際のズーミング域として撮影には用いない(カム環44を停止させない)制御をする。勿論、カム溝44fに、カム溝44rと同様に、不連続部分を設けることも可能である。
【0069】
上記構成のズームレンズ鏡筒は、ズーミング用モータ46mを介してピニオン47を正逆に回転駆動すると、カム環44が回転しながら光軸方向に進退し、カム環44内で光軸方向に直進案内されている切替群枠50(第1変倍レンズ群10)と後群レンズ枠49(第2変倍レンズ群20)が、有底カム溝44fと44rに従う所定の軌跡で光軸方向に直進移動する。
【0070】
このズームレンズのレンズ位置、焦点距離を検出する手段の一実施例としてのコード板およびブラシを、図31に示した。この実施例のレンズ位置コード板80およびブラシ81は、直進案内環48とカメラボディ41との間に装着され、カム環44の回転位置を直進案内環48の光軸方向位置として検知する構成である。
レンズ位置コード板80は、3ビットコード800、801、802からなり、カム環44を停止させる回転位置、つまりレンズを停止させる位置を検知するようにコード800、801、802のランド部800a〜800d、801a〜801d、802a〜802dが所定の組み合わせで形成されている。本実施例はいわゆるステップズームであり、収納位置と、ワイド端およびテレ端を含む6つの異なる焦点距離を検知できる構成である。なお、ランド部800a〜800d、801a〜801d、802a〜802dはフレキシブルプリント基板など、可撓性の絶縁材上に形成され、アースされている。
一方、ブラシ81は、レンズ位置コード板80と摺接可能な3枚の独立した切片ZC0、ZC1、ZC2を備えていて、切片ZC0、ZC1、ZC2の電位はズームコード出力回路46cを介して制御回路66の入力ポートに入力される。
【0071】
本実施例では、カム環44の回転位置をズームコードとレンズ位置で識別している。ズームコードは、収納位置が0、収納位置とワイド端位置の間が7、ワイド端が6、テレ端が1、ワイド端とテレ端の間が5、4、3、2となり、その間が7となるように設定されている。また、レンズ位置は、収納位置を0、ワイド端を1、テレ端を6、ワイド端とテレ端の間を2、3、4、5としてある。
また、フォーカスモードは、レンズ位置1(ワイド端)からレンズ位置3までをワイドフォーカスモード(短焦点距離側ズーミング域Zw)とし、レンズ位置4からレンズ位置6(テレ端)までをテレフォーカスモード(長焦点距離側ズーミング域Zt)としてある。
【0072】
さらに本実施形態では、レンズ位置コード板80は、接続線CC(図1)に対応するカム溝44fの回転位置を中間のズームコード7として検出し、制御回路66は、少なくともこの区間ではカム環44を停止させないように設定してある。
【0073】
切替群枠50と後群レンズ枠49とに以上のような動作を与えるズームレンズ鏡筒は周知であり、以上はその一例を示すものである。本実施形態の特徴は、切替群枠50に対する第1サブ群S1と第2サブ群S2の支持構造及びその駆動構造にある。切替群枠50内の具体的構造を図12以下で説明する。
【0074】
切替群枠50内には、前方シャッタ保持環51、後方シャッタ保持環52、前方サブ群枠53、後方サブ群枠54、駆動リング55及びギヤ押え環56が位置している。この前方シャッタ保持環51、後方シャッタ保持環52及びギヤ押え環56は、切替群枠50の一部を構成している。第1サブ群S1は前方サブ群枠(第1レンズ群枠、保持環)53に固定され、第2サブ群S2は後方サブ群枠(第2レンズ群枠、保持環)54に固定されている。前方サブ群枠53、後方サブ群枠54及び駆動リング55は、前方サブ群枠53と後方サブ群枠54(第1サブ群S1と第2サブ群S2)の接離切替動作とフォーカシング動作を行うための可動部材であり、前方シャッタ保持枠51の中心開口51p内に嵌まっている。そのうちの駆動リング55は、後方シャッタ保持環52のスラスト面52a(図13、図15、図16)により後端位置を規制され、前方と後方のシャッタ保持環51、52の間に回動自在に支持されている。この駆動リング55は、その正逆回転により、第1サブ群S1と第2サブ群S2の接離切替動作とフォーカシング動作を行う駆動部材である。前方シャッタ保持環51の前方にはギヤ押え環56が固定されており、後方シャッタ保持環52は、レンズシャッタ57及び絞り機構58(図12、図15、図16)を支持している。
【0075】
前方サブ群枠53は、筒状をしていて、その直径方向の外方二カ所に、直進案内リブ53aを備えている。この直進案内リブ53aに穿設したガイド穴53bには、直進案内ロッド59が緩い嵌合で挿入(遊嵌)され、該直進案内ロッド59の後端部はギヤ押え環56の底部の固定穴56qに固定され、前端部は、固定ブラケット60及び固定ねじ61を介して、ギヤ押え環56の先端面に固定されている。直進案内ロッド59の外周には、固定ブラケット60と直進案内リブ53aの間に位置して、前方サブ群枠53を後方サブ群枠54側に向けて移動付勢する圧縮コイルばね62が嵌まっており、ギヤ押え環56には、直進案内ロッド59と圧縮コイルばね62を収納する断面U字状の凹部56rが形成されている(図25ないし図27参照)。この収納凹部56rは、前方シャッタ保持環51の中心開口51pに連通している。前方サブ群枠53は、その回転方向を180゜反転した2つの位置で、その直進案内リブ53aを前方シャッタ保持環51の直進案内ロッド59に係合させて組み立てることができる。
【0076】
前方サブ群枠53には、その後端面を開放した端面カムの態様で、円周方向に等角度間隔で4組の接離リード面(接離カム面)53cが形成されており、この接離リード面53cの開放端部の外側を覆うように、環状遮光補強リブ53dが形成されている。図23は、接離リード面53cの拡大展開図であり、円周方向に対して傾斜角度αで傾斜した直線状をなし、その両端部に、この接離リード面53cを浅いV字状に深くしたフォロア安定凹部53e、53fが形成されている。フォロア安定凹部53eは、前方サブ群枠53と後方サブ群枠54(第1サブ群S1と第2サブ群S2)のワイド側離隔位置を規制し、フォロア安定凹部53fは同テレ側接近位置を規制する。
【0077】
後方サブ群枠54には、その外周面に、前方サブ群枠53の4組の接離リード面53cに対応させて、4組のフォロア突起54aが形成されている。このフォロア突起54aは、前方サブ群53の接離リード面53cに対応する傾斜面54bの最も接離リード面53c側に位置する部分の先端に設けられている。このフォロア突起54aの先端は、左右対称な略半円状をなしており、フォロア安定凹部53e、53fは、このフォロア突起54aの先端部形状に対応している。後方サブ群枠54には、このフォロア突起54aと傾斜面54bの内側に位置させて環状遮光補強リブ54cが形成されている。この前方サブ群枠53に形成した接離リード面53cと後方サブ群枠54に形成したフォロア突起54aが、該レンズ群枠53、54を接離させる接離カム機構を構成する。前方サブ群枠53の4組の接離リード面53cと後方サブ群枠54の4個のフォロア突起54aとは、前述のように等角度間隔で形成されており、180゜毎の異なる相対回転位置で係合できる。また、この接離リード面53cとフォロア突起54aの数(N、実施例では4)は、前方サブ群枠53の直進案内リブ53aと前方シャッタ保持環51の直進案内ロッド59の数(M、実施例では2)は、MはNの倍数で、NはMの約数の関係がある。この関係により、回転方向の選択組立性が得られ、例えば最も好ましい光学性能が得られる組立位置の選択ができる。
【0078】
後方サブ群枠54にはまた、その外周面に、4個のフォロア突起54aのうちの直径方向に対向する2個のフォロア突起54aと周方向位置を同じく、該フォロア突起54aより光軸方向の後方に位置させて、直進案内突起54dが突出形成されている。さらに、後方サブ群枠54の外周面には直進案内突起54dより光軸方向の後方に位置させて、等角度間隔で3個の被動突起54eが突出形成されている。この被動突起54eは、一対の周方向離隔被動面N1、N2と、該被動面N1、N2の間の滑らかな円形状の円筒状面N3を有し、被動面N1、N2の周方向の中心を通り光軸と平行な線(中心線)に関し左右対称形状をなしている。
【0079】
前方シャッタ保持環51には、その内周面に、後方サブ群枠54の各直進案内突起54dに対応させて、回転しない前方シャッタ保持環51に対する後方サブ群枠54の回動範囲を規定する一対の回動規制面51a、51bが形成されている(図24参照)。すなわち、この回動規制面51a、51bは、後方サブ群枠54が正逆に回動するとき、直進案内突起54dの周方向離隔ストッパ面M1、M2とそれぞれ係合して回動端を規制する。この回動規制面51aは、直進案内突起54dのストッパ面M2と係合する案内面51cとの間にワイド側直進案内溝51dを構成し、回動規制面51bは、直進案内突起54dのストッパ面M1と係合する案内面51eとの間にテレ側直進案内溝51fを構成する。すなわち、ワイド側直進案内溝51dとテレ側直進案内溝51fの周方向の幅は、直進案内突起54dの同方向の幅と対応していて、同案内突起54dが実質的に隙間なく係合する。このワイド側またはテレ側の直進案内溝51d、51fと直進案内突起54dとのクリアランスは、前方サブ群枠53のガイド穴53bと直進案内ロッド59とのクリアランスより小さく(厳しく)設定されている。この後方サブ群枠54の直進案内突起54dは、直径方向の対向位置に存在し、前方シャッタ保持環51の直進案内溝51d、51fは、2つの直進案内突起54dを回転位置を選択して(つまり後方サブ群枠54の回転位置を180゜反転して)嵌合させることができるように一対が設けられている。
【0080】
駆動リング55は、その前端面に、後方サブ群枠54の3個の被動突起54eと対応する3組の制御凹部55aを有している(図22参照)。この制御凹部55aは、光軸と平行な方向の中心線cに関して左右対称形状をしていて、被動突起54eの周方向離隔被動面N1、N2にそれぞれ係合する一対の回動付与面55b、55cと、被動突起54eの円筒状面N3に当接するテレ側とワイド側のフォーカスリード面(フォーカスカム面)55d、55eとを有している。このテレ側フォーカスリード面55dとワイド側フォーカスリード面55eは、回動付与面55b、55cの間に、その前端面を開放した端面カムの態様で形成されており、周方向に対する傾斜が方向反対、絶対値同一である。駆動リング55の制御凹部55aの外周側前方は、環状遮光補強リブ55fによって覆われている。この駆動リング55のフォーカスリード面55d、55eと、後方サブ群54に形成した被動突起54eとがフォーカスカム機構を構成する。後方サブ群枠54の3個の被動突起54eと駆動リング55の3組の制御凹部55aとは、前述のように等角度間隔で設けられており、120゜毎の異なる相対回動位置で係合できる。
【0081】
前方サブ群枠53を後方に押圧付勢する前述の圧縮コイルばね62は、前方サブ群枠53の接離リード面53cと後方サブ群枠54のフォロア突起54a、後方サブ群枠54の被動突起54e(円筒状面N3)と駆動リング55のテレ側またはワイド側のフォーカスリード面55d、55eを常時接触させる。駆動リング55は、前述のように、その後端面を後方シャッタ保持環52のスラスト面52aに当接させており、圧縮コイルばね62の力だけで、これら前方サブ群枠53、後方サブ群枠54、駆動リング55及び後方シャッタ保持環52(スラスト面52a)の接触関係が維持される。これらの接触状態では、図15、図16に明らかなように、前方サブ群枠53の内周に後方サブ群枠54の先端部が入り込み、後方サブ群枠54の外周に駆動リング55が位置している。
【0082】
図21(A)ないし(H)は、駆動リング55の回動付与面55bと55cによる前方サブ群枠53と後方サブ群枠54(第1サブ群S1と第2サブ群S2)のテレ側接近状態とワイド側離隔状態との切替動作を示している。なお、図21では、実線の矢印が駆動リング55の回転方向を表している。図21の上左端に示す(A)の状態は、駆動リング55の回動付与面55bが被動突起54eに当接し、後方サブ群枠54の直進案内突起54dがワイド側直進案内溝51dから脱しているワイド側離隔状態である。この状態で駆動リング55が同図の右方向に移動すると(時計方向に回転すると)、回動付与面55bが被動突起54eの被動面N1を押して後方サブ群枠54を同方向に回転させ、やがて直進案内突起54dを回動規制面51bに当接させる。すなわち図21の(A)から(C)の状態へ移行する。この間、前方サブ群枠53(第1サブ群S1)は、接離リード面53cと後方サブ群枠54のフォロア突起54aに従い、後方サブ群枠54(第2サブ群S2)に対して接近し(図21(B))、最終的にフォロア突起54aはフォロア安定凹部53fに係合して安定状態となる(図21(C))。フォロア突起54aとフォロア安定凹部53fは、円周方向に等角度間隔でそれぞれ4つ形成されているため、これらが全て係合することにより、前方サブ群53と後方サブ群54の偏心が除去される。以上でワイド側離隔状態からテレ側接近状態への切替が終了し、第1サブ群S1は第2サブ群S2に接近した状態(接近移動端)となる。駆動リング55のこれ以上の同方向への回転はできない。
【0083】
このテレ側接近状態への切替が完了すると、駆動リング55は逆転する。すると、被動突起54e(後方サブ群枠54)がテレ側フォーカスリード面55dに従って後方に移動するため、直進案内突起54dはテレ側直進案内溝51fに入って光軸方向の直進移動のみ可能となる。このテレ側フォーカスリード面55による後方サブ群枠54と前方サブ群枠53の接近移動端での一体移動で、中間焦点距離から長焦点距離端までのテレ側でのフォーカシングが行われる(図21(D))。
【0084】
そして、回動付与面55cが被動突起54eの被動面N2に当接するまで駆動リング55が回転すると、後方サブ群枠54の直進案内突起54dは、テレ側直進案内溝51fから脱する(図21(E))。
【0085】
この状態で駆動リング55が回転方向を逆転し同図の左方向に移動すると(反時計方向に回転すると)、回動付与面55cが被動突起54eの被動面N2を押して後方サブ群枠54を同方向に回転させ、やがて直進案内突起54dのストッパ面M1を回動規制面51aに当接させる。すなわち図21の(E)から(G)の状態へ移行する。この間、前方サブ群枠53は、接離リード面53cと後方サブ群枠54のフォロア突起54aに従い、後方サブ群枠54に対して離隔し、最終的にフォロア突起54aはフォロア安定凹部53eに係合して安定状態となる(図21(G))。フォロア突起54aとフォロア安定凹部53eは、円周方向に等角度間隔でそれぞれ4つ形成されているため、これらが全て係合することにより、前方サブ群53と後方サブ群54の偏心が除去される。以上でテレ側接近状態からワイド側離隔状態への切替が終了し、第1サブ群S1は第2サブ群S2に対して離隔した状態(離隔移動端)となる。駆動リング55のこれ以上の同方向への回転はできない。
【0086】
このワイド側離隔状態への切替が完了すると、駆動リング55は逆転する。すると、被動突起54e(後方サブ群枠54)がワイド側フォーカスリード面55eに従って後方に移動するため、直進案内突起54dはワイド側直進案内溝51dに入って光軸方向の直進移動のみ可能となる。このテレ側フォーカスリード面55dによる後方サブ群枠54と前方サブ群枠53の離隔移動端での一体移動で、中間焦点距離から短焦点距離端までのワイド側でのフォーカシングが行われる(図21(H))。
【0087】
そして、回動付与面55bが被動突起54eの被動面N1に当接するまで駆動リング55が回転すると、後方サブ群枠54の直進案内突起54dは、テレ側直進案内溝51dから脱し、説明の最初に戻る(図21(A))。
【0088】
図22は、駆動リング55のテレ側フォーカスリード面55dとワイド側フォーカスリード面55eによるフォーカス原理を示している。後方サブ群枠54の被動突起54eの円筒状面N3がテレ側のフォーカスリード面55dに当接した状態で駆動リング55がそのテレ側フォーカス領域pt(無限遠撮影位置∞から最短撮影位置n)内で回転すると、テレ側の直進案内溝51fと直進案内突起54dの係合で回転を拘束されている後方サブ群枠54(と前方サブ群枠53(第1サブ群S1と第2サブ群S2))が一体に光軸方向に進退してフォーカシングが行われる。同様に、被動突起54eの円筒状面N3がワイド側のフォーカスリード面55eに当接した状態で駆動リング55がそのワイド側フォーカス領域pw(無限遠撮影位置∞から最短撮影位置n)内で回転すると、ワイド側の直進案内溝51dと直進案内突起54dの係合で回転を拘束されている後方サブ群枠54(と前方サブ群枠53(第1サブ群S1と第2サブ群S2))が一体に光軸方向に進退してフォーカシングが行われる。
【0089】
具体的には、テレ側とワイド側のフォーカシングは、後方サブ群枠54の直進案内突起54dが回動規制面51aまたは51bに当接する位置(駆動リング55の回転方向が逆転する位置)を基準として、駆動リング55を駆動するフォーカスモータ64mの回転数をフォーカスパルス出力回路64eから出力されるフォーカスパルス数で制御して行う。例えば、フォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)をこの基準位置から最短撮影位置n、無限遠撮影位置∞及び任意の被写体距離に移動させるためのフォーカスパルス数は、フォーカスリード面55d、55eのリード角等を考慮して予め知ることができるから、これらのフォーカスパルス数を管理することによって、被写体距離情報に応じたフォーカシングを行うことができる。また、図示実施形態では、駆動リング55のテレ側フォーカスリード面55dとワイド側フォーカスリード面55eは、周方向に対する傾斜が方向反対、絶対値同一であり、被動突起54eは、一対の周方向離隔被動面N1、N2の周方向の中心に関し左右対称形状である。このため、以上のテレ側、ワイド側でのフォーカシングは、同一の基準で行うことができ、制御が容易になるという利点がある。
ここで、テレ側フォーカス領域ftにおけるフォーカシングをテレフォーカスモード、ワイド側フォーカス領域fwにおけるフォーカシングをワイドフォーカスモードという。
【0090】
図17は、前方サブ群枠53(第1サブ群S1)と後方サブ群枠54(第2サブ群S2)のワイド側離隔状態における無限遠合焦状態、図18は同ワイド側離隔状態における最短撮影距離合焦状態、図19は同テレ側接近状態における無限遠合焦状態、図20はテレ側接近状態における最短撮影距離合焦状態における構成部材(前方サブ群枠53、後方サブ群枠54、駆動リング55及び前方シャッタ保持環51)の位置関係を示している。各図の(A)はこれら構成要素を光軸方向に離間させて描いた図、(B)は実際の作動状態の図である。
【0091】
駆動リング55の後端部外周面には、ギヤ55gが形成されている。ギヤ55gは、図12、図29、図30に示すように、減速ギヤ列63aに噛み合い、フォーカス用スリット円板64pを有するフォーカスモータ64mによって正逆に回転駆動される。減速ギヤ列63aは、前方シャッタ保持環51とギヤ押え環56の間に挟着されており、フォーカスモータ64mは、後方シャッタ保持環52に保持されている。駆動リング55のギヤ55gは、全周に形成されているため、その3組の制御凹部55aと後方サブ群枠54の3個の被動突起54eとを120゜毎の異なる相対回動位置で係合させることが容易になる。フォーカスモータ64mは、フォーカス駆動回路64dを介して駆動制御回路66により正逆駆動される。そしてフォーカスモータ64mの駆動量は、連動するエンコーダが出力するフォーカスパルス数によって制御回路66により制御される。エンコーダは、フォーカスモータ64mの回転に連動回転するフォーカス用スリット円板64p、フォーカス用スリット円板64pのスリットの通過によって光路が開閉され、出力が変化するフォトインタラプタ64i、フォトインタラプタ64iの出力変化をフォーカスパルスとして出力するフォーカスパルス出力回路64e(図32)を備えている。
【0092】
レンズシャッタ57と絞り機構58は原理的にそれ自体周知であり、これらが後方シャッタ保持環52に搭載されている。すなわち、図12、図15、図16に示すように、レンズシャッタ57は、シャッタセクター支持板57a、3枚のシャッタセクター57b、及びこのシャッタセクター57bを開閉駆動するシャッタ駆動リング57cを有し、絞り機構58は、絞セクター支持板58a、3枚の絞セクター58b、及びこの絞セクター58bを開閉駆動する絞駆動リング58cを有していて、これらがセクター押さえ環57dによって後方シャッタ保持環52に支持されている。周知のように、シャッタセクター57b、絞セクター58bは、一対のダボを備え、その一方が支持板57a、58aに回転自在に支持され、他方が駆動リング57c、58cに回動自在に嵌まっている。そして、レンズシャッタ57は、シャッタ駆動リング57cの往復回転駆動によりシャッタセクター57bによる開口を開閉し、絞り機構58は、絞駆動リング58cの回動により絞セクター58bによって形成される開口の大きさを変化させる。
【0093】
シャッタ駆動リング57cには、その外周一部にセクターギヤ57gが形成されており、このセクターギヤ57gがシャッタ駆動モータ57mからの減速ギヤ列63bに噛み合っている(図12)。シャッタ駆動モータ57mが正逆に回転駆動されると、シャッタセクター57bによって閉じられていた開口が瞬間的に開いて再び閉じる。本ズームレンズ鏡筒では、シャッタセクター57bは、任意の絞り値を決定する可変絞り機能とシャッタ機能とを兼用する羽根であり、シャッタレリーズ時に露出値に応じて該シャッタセクター57bの開放量(絞り値)及び開放時間(シャッタスピード)が変化するように、シャッタ駆動モータ57mが制御される。また、絞駆動リング58cはその外周に被動突起58gを有し、該被動突起58gは、直進案内環48の内周面に形成した絞制御カム溝48sに係合している(図10)。ズーミングに際し、直進案内環48と後方シャッタ保持環52(絞駆動リング58c)は光軸方向に相対移動する。すると、絞制御カム溝48sに従って被動突起58gが周方向に移動され、絞駆動リング58が所定角度回動し、絞セクター58bによって形成される開口の大きさが変化する。この絞セクター58bは、特にワイド側撮影距離での撮影開口径の最大値を規制するために設けられており、ズームレンズ鏡筒全体の繰出状態に応じて機械的に(強制的に)開き量が変化する。
【0094】
シャッタ駆動リング57cの回転角は、シャッタ駆動リング57cに形成されたスリット板57sと、スリット板57sの通過を検知するフォトインタラプタ57iの出力変化をシャッタパルスとして出力するシャッタパルス出力回路57eとを介して制御回路(CPU)66が検知する。シャッタ駆動モータ57mは、制御回路66によりシャッタ駆動回路57dを介して正逆駆動され、シャッタ速度は、シャッタパルス出力回路57eが出力するシャッタパルスおよび、その正逆の切替時間によって制御される。
【0095】
絞駆動リング58cは、ズームレンズ鏡筒の進退に連動して駆動され、これにより絞りセクター58bの開閉動作を行う。絞りセクター58bは、ズームレンズの広角側でレンズの周辺性能が低下するために設けられ、ズーミング用モータ46mの駆動によるレンズ位置変化に連動して自動的に開閉制御される。
【0096】
以上の通り、カム環44用のズーミング用モータ46m、駆動リング55用のフォーカスモータ64m、及びレンズシャッタ57のシャッタ駆動モータ57mは、制御回路66によって制御される。図32に、このカメラのレンズ駆動制御装置の制御系の要部実施例をブロックで示した。なお、図示実施形態では、可変絞り機構58をズームレンズ鏡筒の進退動に連動した電動駆動機構としたが、絞駆動リング58cを手動で回動させる手動絞り機構としてもよい。さらに、より簡易には、可変絞り機構を省略し、レンズシャッタ57のみで露出制御を行うことも可能である。
【0097】
ズームコード出力回路46cを介して入力した焦点距離情報、測光回路69を介して測定した被写体輝度、測距回路68を介して測定した撮影距離情報などに基づいて、設定された焦点距離により適正な露出条件で露光が行われるように、ズーミング用モータ46m、フォーカスモータ64m、及びシャッタ駆動モータ57mが制御される。
【0098】
また、制御回路66には、スイッチ類として、操作者によって操作される測光スイッチSWS、レリーズスイッチSWR、テレズームスイッチSWT、ワイドズームスイッチSWW、電源スイッチSWMと、裏蓋の開閉を検知する裏蓋スイッチSWUが接続されている。制御回路66は、電池73が装填されると起動し、所定の初期化動作後、間欠的にスイッチチェックなどを実行して、いずれかのスイッチがONするのを待つ。EEPROM70には、撮影者によって選択されるフォーカスモードI、II、IIIなど、撮影に必要な各種のパラメータが書き込まれている。
カメラ内外には表示パネル71が設けられ、この表示パネル71には、ズームコード出力回路46cを介して入力したズームコードに対応する焦点距離情報やフィルム撮影枚数情報などが表示される。
【0099】
この制御系にはさらに、フィルム給送用のフィルム給送モータ72mが備えられている。フィルム給送モータ72mは、フィルムのローディング、巻上げおよび巻戻しを行う給送モータであって、フィルム給送回路72dを介して駆動され、フィルムの給送を検知するパルスエンコーダを備えた給送信号出力回路72cの出力に基づいてフィルム巻上げ量などが制御される。
【0100】
ところで、前述の切替群を有するズームレンズ鏡筒(撮影光学系)の切替群の設定およびフォーカシングは、シャッタレリーズを行う直前までに完成されればよい。そこで本実施形態では、テレ、ワイドフォーカスモードのフォーカスモード切替えを、ズーミング動作終了時に実行するフォーカスモードIと、測光スイッチSWSがONしたときに行うフォーカスモードIIと、レリーズスイッチSWRがONしたときに行うフォーカスモードIIIの中から選択可能に構成してある。本実施例では、使用者が設定したいずれかのフォーカスモードI、II、IIIがEEPROM70に書き込まれる。
【0101】
なお、本実施例は、操作者によって設定される焦点距離は、少なくとも撮影光学系とは別の図示しないファインダ光学系によって確認できる構成である。
【0102】
[本実施形態の機構的特徴部分の説明]
以上の実施形態において、本実施形態の特徴部分は、一方のサブ群(第1サブ群S1)が第一サブ群枠(前方サブ群枠53)に支持されており、他方のサブ群(第2サブ群S2)が第二サブ群枠(後方サブ群枠54)に支持されている。そして、この第一サブ群枠と第二のサブ群の双方が切替群枠50に光軸方向に可動に支持されており、駆動リング55(サブ群枠選択移動機構)の正逆の回転で、この切替群枠50内の第一サブ群枠と第二サブ群枠とが接近状態と離隔状態の2つの位置に選択移動される。切替群枠50自体は、カム環44及び駆動用のズーミング用モータ46m(切替群枠移動機構)によって焦点距離を変化させるべく所定の軌跡で移動され、このサブ群枠選択移動機構と切替群枠移動機構との合成運動で、切替群中の2つのサブ群のズーミング基礎軌跡が実現されている。
したがって、特願平11−79572号で本出願人が提案した切替群を有するズームレンズ系を容易に実現することができる。
【0103】
また、サブ群枠選択移動機構は、さらに接近状態または離隔状態の第一サブ群枠と第二サブ群枠をそれぞれ一体にして光軸方向に進退させるフォーカシング機構を兼ねているため、構成が簡単である。
【0104】
サブ群枠選択移動機構と切替群枠移動機構は、上記実施形態のように、中間焦点距離を挟む短焦点距離側ズーミング域と長焦点距離側ズーミング域で、第二サブ群枠の位置が不連続とならないように切替群枠を移動させれば、滑らかなズーミング動作を実現できる。
【0105】
本発明の切替群用レンズ鏡筒を用いたズームレンズ鏡筒では、切替群枠、第一サブ群枠及び第二サブ群枠の撮影時の停止位置を、ズーミング基礎軌跡上において、ステップワイズに定めるのが実際的である。
【0106】
図示実施形態では、正逆に回転駆動される駆動リング55と、前方サブ群枠53及び後方サブ群枠54に形成したカム機構とがサブ群枠選択移動機構を構成しているが、前方サブ群枠53と後方サブ群枠54は、送りねじ機構やソレノイド機構等の周知の機構によって進退させることが可能であり、これらの直進進退機構を用いることを妨げない。また、実施形態では、駆動リング55がフォーカシング機構の駆動源を兼ねているが、駆動リング55あるいは他の直進移動機構とは別に、前方サブ群53と後方サブ群54をそれぞれの接離端で一体に移動させる機構を用いることもできる。さらに、切替群枠50を光軸方向に移動させる機構は、多様のズームレンズ機構によって多数が知られており、図示例は簡単な一例である。
【0107】
以上の実施形態は、図1、図8、図9の態様の第1変倍レンズ群10について本発明を適用したものであるが、図2の態様の第2変倍レンズ群20、図3の態様の第2変倍レンズ群20、図4の態様の第1変倍レンズ群10(第1レンズL1)および第2変倍レンズ群20(第3レンズL3)、図5の態様の第1変倍レンズ群10(第1レンズL1)および第2変倍レンズ群20(第3レンズL3)、図6の態様の第1変倍レンズ群10(第1レンズL1)および第2変倍レンズ群20(第3レンズL3)、及び図7の態様の第1変倍レンズ群10(第1レンズL1と第3レンズL3を一体とする)にも、本発明は同様に適用可能である。
【0108】
次に、この実施の形態の動作について、図33〜図43に示したフローチャートを参照して説明する。このフローチャートの処理は、制御回路66によって統括的に制御され、実行される処理である。
図33は、本カメラのメイン処理を示すフローチャートである。
メイン処理に入ると、先ず制御回路66はシステムを初期化し(S101)、撮影レンズを初期化する(S103)。このレンズの初期化処理の詳細は後述するが、レンズを繰り出してレンズ位置をコードで確認し、シャッタを初期位置まで駆動し、フォーカスレンズを初期位置に移動し、レンズを収納位置に戻す処理である。以上の処理は、電池が脱着されたときに一度実行し、電池が装着されている状態では、以下、電源ON状態か否か、電源スイッチSWMがOFFしているか否か、裏蓋スイッチSWUが変化したか否か、テレスイッチSWTがONしたかどうか、ワイドスイッチSWWがONしたか否か、測光スイッチSWSがOFFからONに変化したか否かのチェック処理を繰り返し実行し、チェック結果に応じた処理を実行する。
【0109】
先ず、電源ON状態かどうかをチェックし(S105)、電源オン状態でなければ、低消費電力モードに移行して待機し、電源スイッチSWMがONするのを待つ(S105;N、S107)。電源スイッチSWMがONすると低消費電力モードから抜け、レンズ繰り出し処理を実行してS105に戻る(S107、S109、S105)。レンズ繰り出し処理は、ズームレンズを収納位置からワイド端位置まで繰り出す処理である。
【0110】
電源スイッチSWMがON状態のときは、電源スイッチSWMがオフしたかどうかをチェックし(S105;Y、S111)、電源スイッチSWMがオフしたときはレンズを収納位置まで引き込むレンズ収納処理を実行してS105に戻る(S111;Y、S113、S105)。
電源スイッチSWMがオフしていないときは、裏蓋スイッチSWUが変化したかどうかをチェックし(S111;N、S115)、裏蓋スイッチSWUが変化していれば、裏蓋開閉処理を実行してS105に戻る(S115;Y、S117、S105)。裏蓋開閉処理では、裏蓋が開放されたときはフィルムカウンタなどをクリアし、裏蓋が閉じられたときはフィルムの頭出し処理などを実行する。
【0111】
裏蓋スイッチSWUが変化していないときは(S115;N)、テレスイッチSWT、ワイドスイッチSWWがオンしているかどうかをチェックし(S119、S123)、テレスイッチSWTがONしているときはテレズーム処理を実行してS105に戻り(S119;Y、S121、S105)、ワイドスイッチSWWがONしているときはワイドズーム処理を実行してS105に戻る(S123;Y、S125、S105)。
【0112】
さらに、測光スイッチSWSがOFFからONに変化したかどうかをチェックし、ONに変化したときは撮影処理を実行し(S127;Y、S129)、フィルム巻上げが必要ないときはそのままS105に戻る(S131;N、S105)。フィルム巻上げが必要なときはフィルム巻上げ処理を実行し(S131;Y、S133)、フィルム終了でなければS105に戻り(S135;N、S105)、フィルム終了のときはフィルム巻戻処理を実行してS105に戻る(S135;Y、S139、S105)。測光スイッチSWSがONに変化していないときはそのままS105に戻る(S127;N、S105)。
【0113】
次に、S103で実行されるレンズ初期化処理について、図34に示したフローチャートを参照して説明する。レンズ初期化処理に入ると、先ずズーミング用モータ(ズームモータ)46mを正転させる(S201)。ここで、ズーミング用モータ46mの正転は、ズームレンズを繰り出す方向、つまり収納位置からテレ端方向に移動する方向である。
次に、レンズ位置判定処理を実行し、レンズ位置が1以上であるかどうかをチェックし(S203、S205)、1以上になるのを待つ(S205;N、S203)。レンズ位置判定処理は、ブラシ81から出力されるズームコード信号によりレンズ位置を検知する処理であり、レンズ位置1はワイド端である(図31)。
レンズ位置が1以上であることを検知したら(S205;Y)、ズーミング用モータ46mを停止させる(S207)。つまり、レンズをワイド端からテレ端のいずれかのステップズーム位置で停止させる。
【0114】
次に、シャッタモータ57mを逆転(閉鎖方向回転)させて100ms待ってシャッタモータ57mを停止させる(S209、S211、S213)。このシャッタ初期化処理により、シャッタ駆動リング57cが初期位置に確実に当て着く。
【0115】
次に、フォーカスモータ64mを逆転させ(S215)、フォーカスパルス出力回路64eが出力するフォーカスパルスを入力してそのレベルをチェックするフォーカスパルス入力処理を繰り返しながら、フォーカスパルスが50ms以上変化しなくなるのを待つ(S217、S219;N、S217)。フォーカスモータ64mの逆転は、フォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)をワイドフォーカスモード、つまりワイド側移動端まで移動させる処理である。パルス変化が50ms以上無くなると、つまりフォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)がワイド側移動端に行き着いて停止すると、フォーカスモータ64mを停止させる(S219;Y、S221)。そして、フォーカシングモードをワイドフォーカスモードに設定する(S222)。
【0116】
フォーカスモータ64mを停止させたら、ズーミング用モータ46mを逆転(S223)、つまり収納方向に回転させ、レンズ位置判定処理をレンズ位置が0になるまで繰り返す(S225、S227;N、S225)。レンズ位置が0、つまりレンズが収納位置に収納されたらズーミング用モータ46mを停止させてリターンする(S227;Y、S229)。
【0117】
以上のレンズ初期化処理により、シャッター、フォーカスレンズおよびズームレンズが初期化され、初期状態となる。
【0118】
S109で実行されるレンズ繰り出し処理について、図35に示したフローチャートを参照して詳細に説明する。レンズ繰り出し処理は、収納位置にあるズームレンズをワイド端まで繰り出す処理である。
レンズ繰り出し処理に入ると、ズーミング用モータ46mを正転させ(S301)、つまりズームレンズ繰り出し方向に回転させる。そしてレンズ位置判定処理を、レンズ位置が1になるまで繰り返す(S303、S305;N、S303)。
レンズ位置が1になったら(S305;Y)、つまりズームレンズがワイド端に達したらズームモータを停止させ(S307)、電源ON状態をセットしてリターンする(S309)。
【0119】
以上のレンズ繰り出し処理によりズームレンズは、収納位置からワイド端まで繰り出される。
【0120】
S113で実行されるレンズ収納処理について、図36に示したフローチャートを参照して詳細に説明する。この処理は、フォーカスレンズを初期状態まで移動してからズームレンズを収納位置まで引き込む処理である。
【0121】
レンズ収納処理に入ると、先ずフォーカスモータ64mを逆転させる(S401)。次に、フォーカスパルス出力回路64eが出力するフォーカスパルス入力処理を繰り返して、パルス変化が50ms以上無くなるのを待つ(S403、S405;N)。フォーカスモータ64mの逆転は、フォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)をワイドフォーカスモード、つまりワイド側移動端まで移動させる処理である。パルス変化が50ms以上無い場合、つまりフォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)がワイド側移動端に行き着いて停止すると、フォーカスモータ64mを停止させる(S405;Y、S407)。
【0122】
フォーカスモータ64mを停止させたら、ズーミング用モータ46mを逆転(S409)、つまり収納方向に回転させて、レンズ位置判定処理をレンズ位置が0になるまで繰り返す(S411、S413;N、S411)。レンズ位置が0、つまりレンズが収納位置に収納されたらズーミング用モータ46mを停止させ、電源OFF状態をセットしてリターンする(S413;Y、S415、S417)。
【0123】
以上のレンズ収納処理により、フォーカスレンズは初期位置に戻り、ズームレンズは収納位置に戻る。
【0124】
S121で実行されるテレズーム処理ついて、図37に示したフローチャートを参照して説明する。この処理に入ると、先ず、レンズ位置が6であるかどうか、つまりテレ端にあるかどうかをチェックする(S501)。レンズ位置が6であればこれ以上テレ方向にはズーミングできないのでリターンする(S501;Y)。レンズ位置が6でなければ、ズーミング用モータ46mを正転(テレ回転)させる(S501;N、S503)。
【0125】
そして、レンズ位置判定処理を実行し(S505)、次のレンズ位置に到達したかどうかをチェックする(S507)。次のレンズ位置に到達していなければS505に戻って次のレンズ位置に到達するのを待つ(S507;N、S505)。次のレンズ位置に到達したら、レンズ位置が6かどうかをチェックし(S507;Y、S509)、レンズ位置が6でなければテレスイッチSWTがONしているかどうかをチェックし、ONしていればS505に戻る(S509;N、S511;Y、S505)。次のレンズ位置に到達したときにレンズ位置が6になっていればズーミング用モータ46mを停止し(S509;Y、S513)、フォーカスモードIであればフォーカスモード切替処理を実行してリターンし(S515;Y、S517)、フォーカスモードIでなければそのままリターンする(S515;N)。次のレンズ位置に到達したときにレンズ位置が6でなくてもテレスイッチSWTがONしていなければ、同様に、ズーミング用モータ46mを停止し(S511;N、S513)、フォーカスモードIが選択されていればフォーカスモード切替処理を実行してリターンし(S515;Y、S517)、フォーカスモードIが選択されていなければそのままリターンする(S515;N)。
【0126】
S125で実行されるワイドズーム処理について、図38に示したフローチャートを参照して説明する。ワイドズーム処理に入ると、先ずレンズ位置が1であるかどうか(S551)、つまりズームレンズがワイド端にあるかどうかをチェックし、レンズ位置が1であればワイド端にあるのでそのままリターンする(S551;Y)。レンズ位置が1で無い場合はズーミング用モータ46mを逆転(ワイド方向回転)させる(S551;N、S553)。
【0127】
そして、レンズ位置判定処理を実行し(S555)、次のレンズ位置に到達したかどうかをチェックする(S557)。次のレンズ位置に到達していなければS555に戻って次のレンズ位置に到達するのを待つ(S557;N、S555)。次のレンズ位置に到達したら、レンズ位置が1かどうかをチェックし(S557;Y、S559)、レンズ位置が1でなければワイドスイッチSWWがONしているかどうかをチェックし(S561)、ONしていればS555に戻る(S559;N、S561;Y、S555)。次のレンズ位置に到達したときにレンズ位置が1になっているか(S559;Y)、1になっていなくてもワイドスイッチSWWがONしていなければ(S559;N、S561;N)、ズームコード入力処理を実行し(S563)、ズームコードが7かどうかをチェックする(S565)。そして、7でなければS563に戻る(S565;N、S563)。つまり、レンズがワイド端からテレ端までの各停止位置(検知領域)を越えるのを待つ。
【0128】
ズームコードが7になったら、20ms待ってズーミング用モータ46mを正転させる(S565;Y、S567、S569)。そしてズームコード入力処理を実行し(S571)、ズームコードが7かどうかをチェックし、7であればS571に戻り(S573;Y、S571)、7でなくなるのを、つまりレンズ位置1〜6を検知するのを待つ。ズームコードが7でなくなると、ズーミング用モータ46mを停止させる(S573;N、S575)。この処理によってレンズは、テレズーム処理のときと同様に、ズーミング用モータ46mをテレ方向に駆動しながらレンズ位置1〜6を検知したときに停止させることができる。
【0129】
ズーミング用モータ46mを停止させると、フォーカスモードIかどうかをチェックし、フォーカスモードIであればフォーカスモード切替処理を実行してリターンし(S577;Y、S579)、フォーカスモードIでなければそのままリターンする(S577;N)。
【0130】
以上のテレズーム処理およびワイドズーム処理において、フォーカスモードIが選択されている場合は、ズーミング終了時のレンズ位置に対応してフォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)をワイドフォーカスモード、またはテレフォーカスモードに設定する。また、ワイドズーム処理のときは、ズーミング用モータ46mを逆転させてズームレンズをワイド端側へ駆動するとともに、レンズ位置7を検知すると所定時間経過後にズーミング用モータ46mを正転させてズームレンズをテレ側へ駆動し、レンズ位置1〜6を検知したときにズーミング用モータ46mを停止させることで、バックラッシュを除去している。
【0131】
S129で実行される撮影処理について、図39に示したフローチャートを参照して説明する。ここで、
フォーカスモードIは、ズーミング処理終了時にフォーカスモードを切り替え、レリーズスイッチSWRがONしたときにフォーカスドライブ処理を実行するモードであり、
フォーカスモードIIは、測光スイッチSWSがONしたときにフォーカスモードを切り替え、少なくとも測距後にフォーカスドライブ処理を実行するモードであり、
フォーカスモードIIIは、レリーズスイッチSWRがONしたときにフォーカスモードを切り替え、フォーカスドライブ処理を実行するモードである。
撮影処理に入ると、先ず測光処理を実行して測光回路69から測光値を入力し(S601)、測光値に基づき露出演算処理を実行して絞り、シャッタパルス数を演算する(S603)。さらに、測距処理を実行して測距回路68から被写体距離情報を入力し(S605)、被写体距離情報に基づきフォーカスパルス数を演算する(S605、S607)。
【0132】
次に、フォーカスモードIIかどうかをチェックする(S609)。フォーカスモードIIであればフォーカスモード切替処理を実行してフォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)を現在のレンズ位置に対応する位置まで移動させ(S609;Y、S611)、フォーカスドライブ処理を実行してフォーカスパルス数演算結果に対応する位置までフォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)を移動させて合焦させてからS615に処理を進める(S613、S615)。フォーカスモードIIでなければS611、S613をスキップしてS615に処理を進める。
【0133】
次に測光スイッチSWSがONしているかどうかをチェックし(S615)、ONしていなければ、フォーカスモードIIであるかどうかをチェックする(S615;N、S617)。フォーカスモードIIであればフォーカスリターン処理を実行して、合焦位置まで移動させたフォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)を初期位置まで戻してリターンし(S617;Y、S619)、フォーカスモードIIでなければS619をスキップしてリターンする(S617;N)。
【0134】
測光スイッチSWSがONしていれば、レリーズスイッチSWRがONしているかどうかをチェックし(S621)、ONしていなければS615に戻って、測光スイッチSWS、レリーズスイッチSWRのチェックを繰り返す(S621;N、S615)。
【0135】
レリーズスイッチSWRがONすると、フォーカスモードIIIであるかどうかをチェックする(S621;Y、S623)。フォーカスモードIIIであれば、フォーカスモード切替処理を実行してフォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)を現在のレンズ位置に対応する位置まで移動させる(S623;Y、S625)。S627では、フォーカスモードIかIIIのいずれかであるかどうかをチェックする。フォーカスモードIまたはIIIのときはフォーカスドライブ処理を実行してS631に進み(S627;Y、S629、S631)、フォーカスモードIまたはIIIではないとき、すなわちフォーカスモードIIのときはS629をスキップしてS631に進む(S627;N、S631)。
【0136】
S631では、露出処理を実行する。露出処理は、演算したシャッタパルス数に基づいてシャッタモータ57mを駆動して露光を行う処理である。露出処理が終了っっしたら、フォーカスリターン処理を実行してリターンする(S633)。
【0137】
次に、フォーカスモード切替処理について、図40に示したフローチャートを参照して説明する。このフォーカスモード切替処理は、テレズーム処理におけるS517、ワイドズーム処理におけるS579、撮影処理におけるS611、S625で実行される。フォーカスモード切替処理は、現在のズームレンズの焦点距離(レンズ位置)に応じてワイド、テレフォーカスモードを設定し、フォーカスレンズ群(サブ群S1とS2)を対応する移動端まで移動させる処理である。
【0138】
フォーカスモード処理に入ると、先ずレンズ位置が3以下であるかどうかをチェックする(S701)。レンズ位置が3以下であれば、ワイドフォーカスモードが設定されているかどうかをチェックし、すでにワイドフォーカスモードが設定されていればリターンする(S703;Y)。ワイドフォーカスモードが設定されていなければ、フォーカスモータ64mを逆転させてフォーカスレンズ群のワイド側移動端への移動を開始し(S703;N、S705)、フォーカスパルス入力処理を繰り返しながらフォーカスパルスが50ms以上変化しなくなるのを待つ(S707、S709;N、S707)。フォーカスパルスが50ms以上変化しなくなったら、フォーカスモータ64mを停止させ(S709;Y、S711)、ワイドフォーカスモードを設定してリターンする(S712)。
【0139】
レンズ位置が3以下でなかった場合、つまり4以上であった場合は、テレフォーカスモードが設定されているかどうかをチェックする(S701;N、S713)。すでにテレフォーカスモードが設定されていればリターンする(S713;Y)。テレフォーカスモードが設定されていなければ、フォーカスモータ64mを正転させてフォーカスレンズ群のテレ側移動端への移動を開始し(S713;N、S715)、フォーカスパルス入力処理を繰り返しながらフォーカスパルスが50ms以上変化しなくなるのを待つ(S717、S719;N、S717)。フォーカスパルスが50ms以上変化しなくなったら、フォーカスモータ64mを停止させ(S719;Y、S721)、テレフォーカスモードを設定してリターンする(S722)。
【0140】
以上のフォーカスモード切替処理によって、ズームレンズがワイド領域にあるときにはフォーカスレンズ群がワイド側移動端に位置するワイドフォーカスモードに切り替わり、ズームレンズがテレ領域にあるときにはフォーカスレンズ群がテレ側移動端に位置するテレフォーカスモードに切り替わる。
【0141】
フォーカスパルス入力処理について、図41に示したフローチャートを参照して説明する。この処理は、フォーカスパルス出力回路64eの出力(フォーカスパルス)の立ち上がりを検知する処理である。
フォーカスパルス入力処理に入ると、フォーカスパルスがロー(L)からハイ(H)に変化したかどうかチェックし、変化していなればリターンする(S751;N)。フォーカスパルスレベルが変化したらパルスカウンタを1減算し(S751;Y、S753)、50msタイマを初期化してリターンする(S755)。50msタイマは、この初期化によってスタートする。
【0142】
フォーカスドライブ処理について、図42に示したフローチャートを参照して説明する。フォーカスドライブ処理に入ると、先ずワイドフォーカスモードかどうかをチェックし(S803)、ワイドフォーカスモードであればフォーカスモード46mを逆転させて可動サブ群であるフォーカスレンズ群をワイド側端点方向に駆動し(S803;Y、S805)、ワイドフォーカスモードでなければ(テレフォーカスモードなので)フォーカスモータ46mを正転させてフォーカスレンズ群をテレ側端点方向に駆動する(S803;N、S807)。そして、フォーカスパルス入力処理を実行して、フォーカスパルスが50ms変化しなくなるのを待つ(S809、S811;N)。つまり、フォーカスレンズ群を、設定されているワイド、テレフォーカスモードに対応する初期位置まで移動させるのである。
【0143】
フォーカスパルスが50ms変化しなくなったら(S811;Y)、パルスカウンタに演算したフォーカスパルス数をセットする(S812)。次に、ワイドフォーカスモードであればフォーカスモータ64mを正転させ(S813;Y、S815)、ワイドフォーカスモードでなければフォーカスモータ64mを逆転させる(S813;N、S817)。そして、フォーカスパルス入力処理を実行して、パルスカウンタを減算し、パルスカウンタが20になるのを待つ(S819、S821;N、S819)。
パルスカウンタが20になったら、フォーカスモータ64mを減速させる(S821;Y、S823)。そして、フォーカスパルス入力処理を実行し、フォーカスパルスを入力したらパルスカウンタを減算し、パルスカウンタが0になるのを待つ(S825、S827;N、S825)。そして、パルスカウンタが0になったら、フォーカスモータ64mを停止させる(S827;Y、S829)。ここで、フォーカスモータ64mの減速は、例えば直流駆動からPWM制御に変える処理であり、フォーカスモータ64mの停止は、入力端子に逆方向通電し、その後入力端子をショートさせてから開放する処理である。
以上のフォーカスドライブ処理により、フォーカスレンズ群を合焦位置に移動できる。
【0144】
フォーカスリターン処理について、図43を参照して説明する。この処理は、フォーカスドライブ処理で移動させたフォーカスレンズ群をワイド、テレフォーカスモードに応じた初期位置まで戻す処理である。
フォーカスリターン処理に入ると、先ずワイドフォーカスモードかどうかをチェックする(S851)。ワイドフォーカスモードであれば、フォーカスモータ64mを逆転させ(S851;Y、S853)、ワイドフォーカスモードでなければフォーカスモータ64mを正転させる(S855)。そして、フォーカスパルス入力処理を繰り返しながらフォーカスパルスが50ms以上変化しなくなるのを待つ(S857、S859;N、S857)。フォーカスパルスが50ms以上変化しなくなったら、フォーカスモータ64mを停止させてリターンする(S859;Y、S861)。
【0145】
以上の通り本実施形態において、フォーカスモードIは、ズーミング終了時にフォーカスモード切替処理を実行するので、その後測光スイッチSWS、レリーズスイッチSWRをON時から露出開始、つまりシャッタモータ57m正転開始時までのタイムラグが短くてすむ。
フォーカスモードIIは、測光スイッチSWSがONして測光、測距が終了した後に、フォーカスモードIIIはさらにレリーズスイッチSWRがONしたときにフォーカスモード切替処理を実行するので、フォーカスモータ64mを駆動する機会が少なくなり、省電力を図ることができる。
さらにフォーカスモードIIでは、フォーカシングをフォーカスモード切替処理終了直後に実行するので、その後レリーズスイッチSWRがONされてからャッタモータ57m正転開始時までのタイムラグが短くなる。また、フォーカスロック機構としても機能する。
【0146】
以上、図1、図8、図9の態様の第1変倍レンズ群(切替群)10と第2変倍レンズ群20を有する図10に示したズームレンズ鏡筒に適用した実施形態について説明したが、本発明は他の態様のズームレンズ系についても適用できることはいうまでもない。
【0147】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り本発明は、短焦点距離端から中間焦点距離に至る短焦点距離側ズーミング域と、中間焦点距離から長焦点距離端に至る長焦点距離側ズーミング域とで、上記切替群中の可動サブ群を、サブ駆動手段によりズーミング域に応じた互いに異なるいずれか一方の移動端に移動させることができるので、高ズーム比で小型のズームレンズ系のパワーズーミング、フォーカシングを簡易な構成で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第1の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図2】 本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第2の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図3】 本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第3の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図4】 本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第4の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図5】 本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第5の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図6】 本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第6の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図7】 本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の第7の態様のズーミング基礎軌跡を示す図である。
【図8】 本発明の対象とする切替群を有するズームレンズ系の構成レンズ群の撮影時の停止位置の例を示す図である。
【図9】 同停止位置の例と、実際のレンズ群の移動軌跡の例を示す図である。
【図10】 図1、図8及び図9に示した切替群を有するズームレンズ系を具体化したズームレンズ鏡筒の実施形態を示す断面図である。
【図11】 図10のズームレンズ鏡筒のカム環のカム溝形状例を示す、該カム環の内面の展開図である。
【図12】 切替群枠回りの分解斜視図である。
【図13】 切替群枠回りの一部の分解斜視図である。
【図14】 切替群枠回りの一部の異なる組立状態における斜視図である。
【図15】 切替群枠の第1サブ群と第2サブ群のワイド側離隔状態における上半断面図である。
【図16】 同テレ側接近状態における上半断面図である。
【図17】 第1サブ群と第2サブ群のワイド側離隔状態における無限遠合焦状態での構成部材の位置関係を示す、各構成部材を光軸方向に離間させた展開図(A)と実際の係合状態の展開図(B)である。
【図18】 第1サブ群と第2サブ群のワイド側離隔状態における最短撮影距離合焦状態での構成部材の位置関係を示す、各構成部材を光軸方向に離間させた展開図(A)と実際の係合状態の展開図(B)である。
【図19】 第1サブ群と第2サブ群のテレ側接近状態における無限遠合焦状態での構成部材の位置関係を示す、各構成部材を光軸方向に離間させた展開図(A)と実際の係合状態の展開図(B)である。
【図20】 第1サブ群と第2サブ群のテレ側接近状態における最短撮影距離合焦状態での構成部材の位置関係を示す、各構成部材を光軸方向に離間させた展開図(A)と実際の係合状態の展開図(B)である。
【図21】 駆動リングの正逆回動によるテレ側接近状態とワイド側離隔状態との切替を説明する展開図である。
【図22】 駆動リングによるフォーカシングの説明図である。
【図23】 前方サブ群枠のフェイスカムの拡大展開図である。
【図24】 前方シャッタ保持環に対する前方サブ群枠、後方サブ群枠及び駆動リングの関係を示す展開拡大図である。
【図25】 図14のXXV-XXV線方向からみた前方サブ群枠と前方シャッタ保持環の関係を示す正面図である。
【図26】 図25のXXVI部拡大図である。
【図27】 図14のXXVII-XXVII線方向からみた後方サブ群枠と前方シャッタ保持環の関係を示す正面図である。
【図28】 図27のXXVIII部拡大図である。
【図29】 前方シャッタ保持環とギヤ押さえ環との間に保持される、駆動リングの駆動系の減速ギヤ配置を示す正面図である。
【図30】 図29の展開平面図である。
【図31】 図10に示すレンズ鏡筒のレンズ位置(カム環の回転位置)を検知するコード板およびブラシの実施例を展開して示す図である。
【図32】 図10に示す切り替え群を有するズームレンズ鏡筒を備えたカメラのレンズ駆動装置の制御系をブロックで示す図である。
【図33】 同レンズ駆動装置のメイン動作をフローチャートで示す図である。
【図34】 同レンズ駆動装置のレンズ初期化処理をフローチャートで示す図である。
【図35】 同レンズ駆動装置のレンズ繰り出し処理をフローチャートで示す図である。
【図36】 同レンズ駆動装置のレンズ収納処理をフローチャートで示す図である。
【図37】 同レンズ駆動装置のテレズーム処理をフローチャートで示す図である。
【図38】 同レンズ駆動装置のワイドズーム処理をフローチャートで示す図である。
【図39】 同レンズ駆動装置の撮影時の処理をフローチャートで示す図である。
【図40】 同レンズ駆動装置のフォーカスモード切替をフローチャートで示す図である。
【図41】 同レンズ駆動装置のフォーカスパルス入力処理をフローチャートで示す図である。
【図42】 同レンズ駆動装置のフォーカスドライブ処理をフローチャートで示す図である。
【図43】 同レンズ駆動装置のフォーカスリターン処理をフローチャートで示す図である。
【符号の説明】
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L4 第4レンズ群
S1 第1サブ群
S2 第2サブ群
S3 第3サブ群
S4 第4サブ群
10 第1変倍レンズ群
11 第1群枠
12 可動サブ群枠
13 ガイド溝
20 第2変倍レンズ群
21 第2群枠
22 可動サブ群枠
23 ガイド溝
41 カメラボディ
42 固定筒
43 雌ヘリコイド
44 カム環
45 雄ヘリコイド
46c ズームコード出力回路
46d ズームレンズ駆動回路
46m ズーミング用モータ(メイン駆動手段)
47 ピニオン
48 直進案内環
49 後群レンズ枠
50 切替群枠
51 前方シャッタ保持環(保持環)
51a 51b 回動規制面
51d ワイド側直進案内溝
51f テレ側直進案内溝
51p 中心開口
52 後方シャッタ保持環
52a スラスト面
53 前方サブ群枠
53a 直進案内リブ
53b ガイド穴
53c 接離リード面
53d 環状遮光補強リブ
53e 53f フォロア安定凹部
54 後方サブ群枠
54a フォロア突起
54b 傾斜面
54c 環状遮光補強リブ
54d 直進案内突起
54e 被動突起
55 駆動リング
55a 制御凹部
55b 55c 回動付与面
55d テレ側フォーカスリード面
55e ワイド側フォーカスリード面
55f 環状遮光補強リブ
55g ギヤ
56 ギヤ押え環
56q 固定穴
56r 収納凹部
57 レンズシャッタ
57a シャッタセクター支持板
57b シャッタセクター
57c シャッタ駆動リング
57d セクター押さえ環
57e シャッタパルス出力回路
57g シャッタセクターギヤ
57s スリット板
57i フォトインタラプタ
57m シャッタ駆動モータ
58 可変絞り機構
58a 絞セクター支持板
58b 絞セクター
58c 絞駆動リング
58d 絞り駆動回路
58e 絞りパルス出力回路
58g 絞りセクターギヤ
59 直進案内ロッド
60 固定ブラケット
61 固定ねじ
62 圧縮コイルばね
63a 切替及び駆動減速ギヤ列
63b シャッタ駆動減速ギヤ列
64d フォーカス駆動回路
64e フォーカスパルス出力回路
64m フォーカスモータ(サブ駆動手段)
64p フォーカス用スリット円板
64i フォーカス用インタラプタ
64e シャッタパルス出力回路
66 制御回路
68 測距回路(測距手段)
69 測光回路(測光手段)
80 レンズ位置コード板
81 ブラシ
Claims (12)
- 焦点距離を変化させる可動の複数の変倍レンズ群を有し、少なくとも一つの変倍レンズ群は、2つのサブ群を有し、その一方のサブ群が、他方のサブ群との関係において光軸方向に移動可能な可動サブ群である切替群であるズームレンズが装着されたカメラにおいて、
上記複数の変倍レンズ群を短焦点距離端と長焦点距離端との間を所定の移動軌跡で移動させるメイン駆動手段と、
短焦点距離端から中間焦点距離に至る短焦点距離側ズーミング域と、中間焦点距離から長焦点距離端に至る長焦点距離側ズーミング域とで、上記切替群中の可動サブ群を、ズーミング域に応じた互いに異なるいずれか一方の移動端に移動させるサブ駆動手段と、を備えたことを特徴とする切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。 - 請求項1記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置において、上記メイン駆動手段が動作したときに上記サブ駆動手段は、上記可動サブ群を上記変倍レンズ群の現在のズーミング域に対応する移動端に移動させる切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
- 請求項2記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置において、上記サブ駆動手段は、上記メイン駆動手段が停止したときに、上記可動サブ群を上記変倍レンズ群の現在のズーミング域に対応する移動端に移動させる切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
- 請求項1記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置において、上記カメラは測光手段および測距手段を備え、上記サブ駆動手段は、上記測光手段または測距手段が動作した後に、上記可動サブ群を上記変倍レンズ群の現在のズーミング域に対応する移動端に移動させる切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
- 請求項1記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置において、上記カメラは測光手段、測距手段およびシャッタ手段と、上記測光手段および測距手段を作動させる測光スイッチと、上記シャッタ手段を作動させるレリーズスイッチとを備え、上記サブ駆動手段は、上記測光スイッチの操作を受けて上記測光手段または測距手段が動作した後、上記レリーズスイッチの操作状態にかかわらず、上記可動サブ群を上記変倍レンズ群の現在のズーミング域に対応する移動端に移動させる切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
- 請求項1記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置において、上記カメラは測光手段、測距手段およびシャッタ手段と、上記測光手段および測距手段を作動させる測光スイッチと、上記シャッタ手段を作動させるレリーズスイッチとを備え、上記サブ駆動手段は、上記測光スイッチ操作を受けて上記測光手段または測距手段が動作した後、さらに上記レリーズスイッチの操作を受けたときに、上記シャッタ手段が動作する前に、上記可動サブ群を上記変倍レンズ群の現在のズーミング域に対応する移動端に移動させる切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
- 請求項1乃至3のいずれか一項記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラは測距手段を備え、上記サブ駆動手段は、該測距手段の測距結果に基づいて、上記可動サブ群を上記ズーミング域に応じた移動端から反対の移動端方向に移動させて焦点調節する切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
- 請求項4または5記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置において、上記サブ駆動手段は、上記可動サブ群を上記ズーミング域に応じた移動端に移動させた後、上記測距手段の測距結果に基づいて該移動端から反対の移動端方向に移動させて焦点調節する切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
- 請求項6記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置において、上記サブ駆動手段は、上記可動サブ群を上記ズーミング域に応じた移動端に移動させた後、上記測距手段の測距結果に基づいて該移動端から反対の移動端方向に移動させて焦点調節する切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
- 請求項8記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置において、上記サブ駆動手段は、上記可動サブ群を上記測距手段の測距結果に基づいて該移動端から反対の移動端方向に移動させた後、上記測光スイッチの操作が解除されたときは、上記可動サブ群を移動前の移動端まで移動させる切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
- 請求項9記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置において、上記サブ駆動手段は、上記可動サブ群を上記測距手段の測距結果に基づいて該移動端から反対の移動端方向に移動させた後、シャッタ手段が動作終了した後、上記可動サブ群を移動前の移動端まで移動させる切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
- 請求項7から11のいずれか一項記載の切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置において、上記サブ駆動手段は、上記2つのサブ群を、相対回転により接離移動するサブ群枠と、該2つのサブ群枠のうちの一方のサブ群枠と係合可能な2つの係合部およびこれらの係合部間に形成されたカム部を有し、上記一方のサブ群枠を所定回動領域内で回動および光軸方向移動させる駆動リングと、上記可動のサブ群枠の回動領域を規制し、各回動端においては前記可動のサブ群枠のレンズ光軸方向への移動のみ許容する案内部を有する保持環と、前記駆動リングを正逆に回転させるモータと、を備え、該モータにより駆動リングを第1の回動方向に駆動して、前記可動のサブ群枠を一方の回動端から他方の回動端まで回動させて切替え動作を行った後、前記モータにより駆動リングを第2の回動方向に駆動して前記案内部と前記カム部により前記可動のサブ群枠を前記他方の回動端から一方の回動端に向かって光軸方向に移動させてフォーカシング動作を行う切替群を有するズームレンズを備えたカメラのレンズ駆動装置。
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