JP3732646B2 - 多段伸縮式マストおよび燃料交換装置 - Google Patents

多段伸縮式マストおよび燃料交換装置 Download PDF

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段伸縮式マストと燃料交換装置に係り、特に原子力発電プラントにおいて原子炉および燃料プール内で燃料集合体の交換作業を行う際に用いられる多段伸縮式マストと燃料交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に原子力発電プラントにおいて、原子炉および燃料プールから燃料を取り出したりあるいは原子炉および燃料プールへ燃料を挿入したりする場合に、遠隔操作の燃料交換装置が使用されている。この燃料交換装置は円筒状の多段伸縮式マストを備えている。
【0003】
図7に示すように、従来の多段伸縮式マスト60は最大径の固定部40に固定された固定管7e内に順次径を小とした可動管7d,7c,7b,7aが入り子式に挿入されている。また、下端にフック8を取り付けた最内周の可動管7a上端はプラグ30により閉鎖され、プラグ30の中心にはワイヤーロープ9の一端が連結固定され、ワイヤーロープ9の他端は伸縮駆動機構10に連なり、伸縮駆動機構10によりワイヤーロープ9の巻き込みと繰り出しがなされる。また、各可動管7a,7b,7c,7dの上端近傍の外周には上部外側ストッパー11a,11b,11c,11dが設けられており、可動管7a,7b,7c,7dの下端近傍には下部外側ストッパー12a,12b,12cがそれぞれ設けられている。さらに、可動管7b,7c,7dの内周下端近傍および固定管7eの内周下端近傍には、下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eが設けられている。
【0004】
多段伸縮式マスト6は、伸縮駆動機構10によってワイヤロープ9の巻き取りあるいは繰り出しが行われ、伸縮される。すなわち、縮みきった状態においては、最内周の可動管7aはワイヤーロープ9に吊り下げられた状態にあり、他の可動管7b,7c,7dはそれぞれ下端内側ストッパー13b,13c,13dを自身よりも内側にある可動管7a,7b,7cの下部外側ストッパー12a,12b,12cに当接させて停止している。
【0005】
この状態から多段伸縮式マスト60を伸張させるには、伸縮駆動機構10を駆動してワイヤーロープ9を繰り出せば、全可動管7a,7b,7c,7dが一斉に下降を開始する。この下降により最外周すなわち固定管7eの直ぐ内側の可動管7dの上部外側ストッパー11dが固定管7eの下部内側ストッパー13eに衡接すると可動管7dはその位置に抑止、停止させられる。以下同様にして順次可動管7c,7b,7aが停止し、多段伸縮式マスト60は最伸張状態となる。これで多段伸縮式マスト6は一杯に伸び切ったこととなるが、伸縮駆動機構10のワイヤーロープ9の繰り出し加減で中間位置に停止させられることは勿論である。
【0006】
上記のようにして伸張した多段伸縮式マスト60を縮小状態にするには、前記とは逆に伸縮駆動機構10によってワイヤーロープ9を巻き上げれぱよい。すると、先ず最内周の可動管7aが上昇を開始し、その下端外周ストッパー12aが次位の可動管7bの下部内側ストッパー13bに衝接すると、可動管7bとともに次位の可動管7cも上昇開始する。以下、同様にして順次可動管7dが上昇し、最縮小状態に復帰する。
【0007】
上記のようにして伸縮する多段伸縮式マスト60の伸張においては、伸縮駆動機構10のワイヤーロープ9の繰り出し速度を制御することにより、可動管7a,7b,7c,7dの上部外側ストッパー11a,11b,11c,11dと直ぐ外側管の下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eが衡接する前後の可動管の下降速度を落として、可動管7a,7b,7c,7dが停止するときの衝撃を和らげている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のように多段伸縮式マスト60の伸張において伸縮駆動機構10のワイヤーロープ9の繰り出し速度を制御することにより可動管7a,7b,7c,7dの下降速度を落とすことは、多段伸縮式マスト60の伸張時間が長くなることになり、原子炉の定期検査作業のクリティカルパスとなっている燃料取扱時間の長短に直接的に影響を与えているという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題を解消し、可動管のストッパーと隣接する管のストッパとが衡接する前後においても可動管の昇降速度を落とす必要がない多段伸縮式マストと燃料交換装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、互いに入れ子式に伸縮自在な複数の管と前記複数の管のいずれかを昇降する昇降手段とを備える多段伸縮式マストにおいて、前記複数の管の各々の管の管壁にストッパが固着されており、前記ストッパは、前記昇降手段を介して前記複数の管の互いに隣接する管と管を互いに伸張した状態あるいは互いに収縮した状態に保持するように、隣接する管の管壁に固着されたストッパと当接可能であり、互いに当接可能な前記ストッパ同士の当接に伴う衝撃を吸収する緩衝手段を備えることを特徴とするものである。
【0011】
さらに具体的には、前記複数の管は、固定部に固定された固定管とこの固定管内に入れ子式に伸縮自在な複数の可動管とを有し、前記複数の可動管は、最大径可動管と前記最大径可動管に隣接する第1隣接可動管と最小径可動管と前記最小径可動管に隣接する第2隣接可動管複数の可動管とを有し、前記昇降手段は前記最小径可動管を昇降するものであり、前記固定管の下部内壁に固着された固定管下部内側ストッパと、前記最大径可動管の上部外壁に固着され伸張した状態で前記固定管下部内側ストッパに上方から当接可能な最大径可動管上部外側ストッパと、前記最大径可動管の下部内壁に固着され最大径可動管下部内側ストッパと、前記第1隣接可動管の上部外壁に固着され伸張した状態で前記最大径可動管下部内側ストッパに上方から当接可能な第1隣接可動管上部外側ストッパと、第2隣接可動管の下部内壁に固着された第2隣接可動管下部内側ストッパと、前記最小径可動管の下部外壁に固着され収縮した状態で前記第2隣接可動管下部内側ストッパに下方から当接可能な最小径可動管下部外側ストッパと、前記最小径可動管の上部外壁に固着され伸張した状態で前記第2隣接可動管下部内側ストッパに上方から当接可能な最小径可動管上部外側ストッパと、を備え、前記緩衝手段は、前記固定管下部内側ストッパと最大径可動管上部外側ストッパとの間と、前記最大径可動管下部内側ストッパと前記第1隣接可動管下部外側ストッパとの間と、前記最大径可動管下部内側ストッパと前記第1隣接可動管上部外側ストッパとの間と、前記第2隣接可動管下部内側ストッパと前記最小径可動管下部外側ストッパとの間と、前記第2隣接可動管下部内側ストッパと前記最小径可動管上部外側ストッパとの間に、それぞれ配設されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、前記緩衝手段は、ピストンと、前記ピストンとの間で上部シリンダ空間を形成する上部シリンダと、前記上部シリンダ空間に配設され前記上部シリンダを前記ピストンに対し上下動可能に支持する上部スプリングと、前記ピストンとの間で下部シリンダ空間を形成する下部シリンダと、前記下部シリンダ空間に配設され前記下部シリンダを前記ピストンに対し上下動可能に支持する下部スプリングと、前記上部シリンダ空間と前記下部シリンダ空間とを連通する前記ピストンに形成された連通孔と、前記上部シリンダ空間と前記下部シリンダ空間のいずれか一方に収容される非圧縮性流体と、前記上部シリンダ空間と前記下部シリンダ空間の他方に収容される圧縮性流体と、を備え、前記上部スプリングと前記下部スプリングのうち、非圧縮性流体が収容された空間に配設された方がより小さい弾性定数を有することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係る燃料交換装置は、原子力発電プラントの原子炉ウェルと燃料プールとの間を前後動する走行台車と、前記走行台車上と直行する方向に走行する横行台車と、前記横行台車上に設置され多段伸縮式マストとを備える燃料交換装置であって、前記多段伸縮式マストは、前述の多段伸縮式マストであることを特徴とするものである。
【0014】
上述の発明において、複数の管の隣接する管のストッパの間に緩衝手段を配設したので、昇降手段によって複数の管が昇降しストッパがぶつかる際に衝撃を吸収することができ、従って隣接するストッパ同士が当接する前後に昇降速度を小さくする必要がなくなり、複数の管を短時間で昇降することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図示を参照し、本発明の実施形態ついて説明する。
【0016】
まず、図6を参照して本発明に係る燃料交換装置100について説明する。
【0017】
一般に原子力発電プラントにおいて、原子炉および燃料プールから燃料を取り出したりあるいは原子炉および燃料プールへ燃料を挿入したりする場合に、遠隔操作の燃料交換装置100が使用されている。この燃料交換装置100は以下のように構成されている。
【0018】
原子炉ウェル1の両側には一対の走行レール2が付設されており、一対の走行レール2に沿って走行台車3が前後に移動する。走行台車3上には、一対の走行レール2と直行する方向に別の一対の横行レール5が付設されており、一対の横行レール5上を横行台車4が走行台車3と直行する方向に走行する。横行台車4上には燃料交換装置100が設置されている。
【0019】
燃料交換装置100は円筒状の以下に詳細に説明する多段伸縮式マスト6を備えており、多段伸縮式マスト6は鉛直方向に伸縮自在に構成されている。したがって燃料交換装置50は走行台車3、横行台車4および多段伸縮式マスト6の動きによって三次元の動きを成し得るようになっている。また、燃料交換装置50はその下端にエアシリンダ機構により作動するフック8を備えており、フック8により交換用の燃料集合体を把持する。
【0020】
以下に、図1乃至図5を参照して、本発明に係る多段伸縮式マストの実施形態について詳細に説明する。図7に示した従来の多段伸縮式マスト60における部材と同一部材には同一の符号をつけ、重複する説明を省略する。
【0021】
図1およびは図2は本発明の多段伸縮式マスト6の一実施形態を示す。図1は多段伸縮式マスト6が収縮した状態を示し、図2は多段伸縮式マスト6が伸張した状態を示す。
【0022】
図1または図2において、多段伸縮式マスト6は、固定部40に固定された最大径の固定管7e内に順次径を小とした可動管7d,7c,7b,7aが入り子式に挿入されている。また、下端にフック8を取り付けた最内周の可動管7a上端はプラグ30により閉鎖され、プラグ30の中心にはワイヤーロープ9の一端が連結固定され、ワイヤーロープ9の他端は伸縮駆動機構10に連なり、伸縮駆動機構10によりワイヤーロープ9の巻き込みと繰り出しがなされる。
【0023】
各可動管7a,7b,7c,7dの上端近傍の外周には上部外側ストッパー11a,11b,11c,11dが設けられている。可動管7a,7b,7c,7dの下端近傍には下部外側ストッパー12a,12b,12cがそれぞれ設けられており、下部外側ストッパー12a,12b,12cのそれぞれの上部には後述する緩衝装置14が取り付けられている。
【0024】
さらに、可動管7b,7c,7dの内周下端近傍および固定管7eの内周下端近傍には、下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eが設けられており、下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eのそれぞれの上部には緩衝装置14が取り付けられている。
【0025】
ここで、可動管7dが最大径可動管に相当し、可動管7cが最大径可動管7dに隣接する第1隣接可動管に相当し、可動管7aが最小径可動管に相当し、可動管7bが最小径可動管7aに隣接する第2隣接可動管に相当する。
【0026】
多段伸縮式マスト6は、伸縮駆動機構10によってワイヤロープ9の巻き取りあるいは繰り出しが行われ、伸縮される。すなわち、図1に示すように縮みきった状態においては、最内周の可動管7aはワイヤーロープ9に吊り下げられた状態にあり、他の可動管7b,7c,7dはそれぞれ下端内側ストッパー13b,13c,13dを自身よりも内側にある可動管7a,7b,7cの下部外側ストッパー12a,12b,12cに取り付けられた緩衝装置14に当接させて停止している。
【0027】
この状態から多段伸縮式マスト6を伸張させるには、伸縮駆動機構10を駆動してワイヤーロープ9を繰り出せば、全可動管7a,7b,7c,7dが一斉に下降を開始する。図2に示すように、この下降により最外周すなわち固定管7eの直ぐ内側の可動管7dの上部外側ストッパー11dが固定管7eの下部内側ストッパー13eの上部に取り付けられた緩衝装置14に衡接すると可動管7dはその位置に抑止、停止させられる。以下同様にして順次可動管7c,7b,7aが緩衝装置14を介して停止し、多段伸縮式マスト6は最伸張状態となる。これで多段伸縮式マスト6は一杯に伸び切ったこととなる。なお、伸縮駆動機構10のワイヤーロープ9の繰り出し加減で中間位置に停止させられることは勿論である。
【0028】
上記のようにして伸張した多段伸縮式マスト6を縮小状態にするには、前記とは逆に伸縮駆動機構10によってワイヤーロープ9を巻き上げれぱよい。すると、先ず最内周の可動管7aが上昇を開始し、その下端外周ストッパー12aの上部に取り付けられた緩衝装置14が次位の可動管7bの下部内側ストッパー13bに衝接すると、可動管7bとともに次位の可動管7cも上昇開始する。以下、同様にして順次可動管7dが上昇し、最縮小状態に復帰する。
【0029】
上記のようにして伸縮する多段伸縮式マスト6の伸張においては、可動管7a,7b,7c,7dの上部外側ストッパー11a,11b,11c,11dと直ぐ外側管の下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eとが、下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eの上部に取り付けられた緩衝装置14を介して衡接するので衝撃を和げることができ、従って、可動管7a,7b,7c,7dの上部外側ストッパー11a,11b,11c,11dと直ぐ外側管の下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eとが衡接する前後に可動管7a,7b,7c,7dの下降速度を落とす必要をなくすることができる。
【0030】
同様にして、伸縮する多段伸縮式マスト6の収縮においては、可動管7a,7b,7c,7dの下端外周ストッパー12a,12b,12cと直ぐ外側管の下部内側ストッパー13b,13c,13dとは、可動管7a,7b,7c,7dの下端外周ストッパー12a,12b,12cのそれぞれの上部に取り付けられた緩衝装置14を介して衡接するので衝撃を和らげることができ、従って、可動管7a,7b,7c,7dの下端外周ストッパー12a,12b,12cと直ぐ外側管の下部内側ストッパー13b,13c,13dとが衡接する前後に可動管7a,7b,7c,7dの上昇速度を落とす必要がなくなる。
【0031】
次に、図3または図4を参照して他の実施形態について説明する。
【0032】
図2に示す例では下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eのそれぞれの上部に緩衝装置14が取り付けられているのに対し、図3に示す例では上部外側ストッパー11a,11b,11c,11dのそれぞれの下部に緩衝装置14が取り付けられている。
【0033】
また、図2に示す例では、下部外側ストッパー12a,12b,12cのそれぞれの上部に緩衝装置14が取り付けられているのに対し、図4に示す例では下部内側ストッパー13b,13c,13dのそれぞれの下部には緩衝装置14が取り付けられている。
【0034】
このように、緩衝装置14が配設される位置は、図2に示す場合に限らず、図3または図4に示すように取り付けてもよい。
【0035】
なお、図2に示す例では、緩衝装置14を、下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eのそれぞれの上部と下部外側ストッパー12a,12b,12cのそれぞれの上部とに、固定せずに単に置くだけにすることも可能である。
【0036】
次に、図5を参照して緩衝装置14について詳細に説明する。
【0037】
図5は緩衝装置14の断面図である。緩衝手段14は、ピストン15と、ピストン15との間で上部シリンダ空間41を形成する上部シリンダ16と、上部シリンダ空間41に配設され上部シリンダ16をピストン15に対し上下動可能に支持する上部スプリング20と、ピストン15との間で下部シリンダ空間42を形成する下部シリンダ17と、下部シリンダ空間42に配設され下部シリンダ17をピストン15に対し上下動可能に支持する下部スプリング21と、上部シリンダ空間41と下部シリンダ空間42とを連通するピストン15に形成された連通孔43と、上部シリンダ空間41に収容される圧縮性流体18と、下部シリンダ空間42に収容される非圧縮性流体19とを備えている。上部スプリング20と下部スプリング21のうち、非圧縮性流体19が収容された空間に配設された下部スプリング21方が上部スプリング20より小さい弾性定数を有する。
【0038】
ピストン15の外壁と上部シリンダ16および下部シリンダ17の内壁との間には、互いの相対移動可能にシール21、22が装着されている。
【0039】
緩衝装置14に圧縮する力が働いたとき、最初は圧縮性流体18の入っている上部シリンダ16が圧縮するが、上部シリンダ16に入っている上部スプリング20の方が幾分大きい弾性定数を有するので時間の経過と共にピストン15に連通孔43を介して非圧縮性流体19が上部シリンダ空間41に流れ込み圧縮性流体18の圧力とスプリング20、21の反発力の差とでバランスするようになっている。
【0040】
上述の緩衝装置14の構成によれば、極めて簡易な構成で頑強な緩衝装置を構成することができる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態の構成によれば、上部外側ストッパー11a,11b,11c,11dと下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eとの間に緩衝装置14を配設したので、可動管7a,7b,7c,7dの上部外側ストッパー11a,11b,11c,11dと下部内側ストッパー13b,13c,13d,13eとが衡接する前後に可動管の下降速度を落とす必要をなくすることができる。また、下端外周ストッパー12a,12b,12cと下部内側ストッパー13b,13c,13dとの間に緩衝装置14を配設したので、下端外周ストッパー12a,12b,12cと下部内側ストッパー13b,13c,13dとが衡接する前後に可動管7a,7b,7c,7dの上昇速度を落とす必要がなくなる。
【0042】
この結果、多段伸縮式伸縮式マスト6の伸縮を短時間で行うことが可能にすることができる。
【0043】
また、原子炉の燃料取扱時間の短縮を可能にする燃料交換装置を提供することができ、原子力発電プラントの原子炉の定期検査作業のクリティカルパスを構成する燃料取扱期間を短縮することができ、プラント全体の定期検査期間を短縮することができ、原子力発電プラントの稼働率を向上することができる。
【0044】
なお、上述の説明において、複数の管を、固定部40に固定された固定管7eとこの固定管7e内に入れ子式に伸縮自在な複数の可動管7a,7b,7c,7dとから構成した例を示したが、全てが可動管であってもよい。
【0045】
また、固定管を最も外側に配設した例を示したが最も内側に配設してもよい。
【0046】
また、昇降手段9が最小径可動管7aを昇降するようにした例を示したが、昇降手段9は、最小径可動管7aに限らず、いずれか任意の可動管を昇降するようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の構成によれば、伸縮時間を極めて短くしても支障のない多段伸縮式伸縮式マストを提供することができる。
【0048】
また、原子力発電プラントの原子炉の定期検査作業のクリティカルパスを構成する燃料取扱期間を短縮することができ、プラント全体の定期検査期間を短縮することができ、原子力発電プラントの稼働率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多段伸縮式マストの一実施形態を示し、収縮された状態の多段伸縮式マストを示す断面図。
【図2】図1に対応し、伸張された状態の多段伸縮式マストを示す断面図。
【図3】他の実施形態の多段伸縮式マストを示し伸張された状態の多段伸縮式マストを示す断面図。
【図4】さらに他の実施形態の多段伸縮式マストを示し伸張された状態の多段伸縮式マストを示す断面図。
【図5】本発明の多段伸縮式マストに使用する緩衝装置の一実施形態を示す断面図。
【図6】本発明に係る燃料交換装置の一実施形態を示す断面図。
【図7】従来の多段伸縮式マストを示す断面図。
【符号の説明】
1 原子炉ウェル
2 走行レール
3 走行台車
4 横行台車
5 横行レール
6 多段伸縮式マスト
7a〜7d 可動管
7e 固定管
8 フック
9 ワイヤーロープ
10 伸縮駆動機構
11a〜11d 上部外側ストッパー
12a〜12c 下部外側ストッパー
13a〜13e 下部内側ストッパー
14 緩衝装置
15 ピストン
16 シリンダ1
17 シリンダ2
18 圧縮流体
19 非圧縮流体
20 上部スプリング
21 下部スプリング
22 シール1
23 シール2

Claims (1)

  1. 互いに入れ子式に伸縮自在な複数の管と前記複数の管のいずれかを昇降する昇降手段とを備える多段伸縮式マストにおいて、
    前記複数の管の各々の管の管壁にストッパが固着されており、
    前記ストッパは、前記昇降手段を介して前記複数の管の互いに隣接する管と管を互いに伸張した状態あるいは互いに収縮した状態に保持するように、隣接する管の管壁に固着されたストッパと当接可能であり、
    互いに当接可能な前記ストッパ同士の当接に伴う衝撃を吸収する緩衝手段を備え
    前記緩衝手段は、
    ピストンと、
    前記ピストンとの間で上部シリンダ空間を形成する上部シリンダと、
    前記上部シリンダ空間に配設され前記上部シリンダを前記ピストンに対し上下動可能に支持する上部スプリングと、
    前記ピストンとの間で下部シリンダ空間を形成する下部シリンダと、
    前記下部シリンダ空間に配設され前記下部シリンダを前記ピストンに対し上下動可能に支持する下部スプリングと、
    前記上部シリンダ空間と前記下部シリンダ空間とを連通する前記ピストンに形成された連通孔と、
    前記上部シリンダ空間と前記下部シリンダ空間のいずれか一方に収容される非圧縮性流体と、
    前記上部シリンダ空間と前記下部シリンダ空間の他方に収容される圧縮性流体と、
    を備え、
    前記上部スプリングと前記下部スプリングのうち、非圧縮性流体が収容された空間に配設された方がより小さい弾性定数を有する
    ことを特徴とする多段伸縮式マスト。
JP05078998A 1998-03-03 1998-03-03 多段伸縮式マストおよび燃料交換装置 Expired - Fee Related JP3732646B2 (ja)

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