JP3732107B2 - 電子ビーム制御装置、電子ビーム発生装置及び電子ビーム制御方法 - Google Patents
電子ビーム制御装置、電子ビーム発生装置及び電子ビーム制御方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、電子ビーム制御装置、電子ビーム発生装置及び電子ビーム制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図18は、従来の電子ビーム発生装置の構成を示したブロック図である。図中の10は信号波発生器、11はE/O変換器(電気光変換器)、12dは電子銃制御部、13は電子銃、14は、前段増幅器(Pre-Amplifier )、15はRF(Radio Frequency; 高周波) 増幅器、16は加速管、17はパルス発生器である。
【0003】
信号波発生器10は、周波数fの単一周波数からなるマイクロ波信号Se1を生成する。電気信号としてのマイクロ波信号Se1 は、E/O変換器11により光信号So1に変換され、光ケーブルを介して電子銃制御部12dに入力される。電子銃制御部12dは、電子銃13に対し制御電圧(カソード、グリッド間の印可電圧)を供給する高電圧回路であり、所定のバイアス電圧とマイクロ波信号とを合成して電子銃13に供給する。
【0004】
電子銃13は、電子銃制御部12dからの制御電圧に基づきカソードから電子ビーム30を放出する。この電子ビーム30は、加速管16内の加速空洞33を貫通する空洞30を通過して放出される。
【0005】
信号波発生器10で生成されたマイクロ波信号Se1は、前段増幅器14にも入力されている。このマイクロ波信号Se1は、前段増幅器14で増幅され、更にRF増幅器15で増幅される。増幅されたマイクロ波は、RF窓35を介して加速管16内の加速空洞36に供給されマイクロ波電場を形成する。このマイクロ波電場により、電子ビーム30を加速させることができる。
【0006】
加速管16内で形成されるマイクロ波電場の電界強度は、マイクロ波信号に基づき変化し、マイクロ波信号の位相に応じて、マイナス電界とプラス電界が交互に現われている。プラス電界の場合には、マイクロ波電場によって加速管16内の電子は加速されるが、マイナス電界の場合には、加速管16内の電子は減速する。従って、電子ビームを加速させるためには、電子銃13の制御電圧と、加速管16内の高周波電場のタイミングを合わせることが必要となる。
【0007】
図19は、図18中の電子銃制御部12d及び電子銃13の構成を示したブロック図である。図中のDKは高電圧デッキ、40はヒータ電源、41はバイアス電源、42はO/E変換器(光電気変換器)、43はRFアンプ、44は高電圧電源、45は絶縁碍子である。また、31はヒータ、32はカソード、33はグリッド、34はアノードである。
【0008】
電子銃制御部12dは、ヒータ電源40,バイアス電源41、O/E変換器42、RFアンプ、コンデンサC1、インダクタンスL1、L2及び抵抗R1からなり、高電圧デッキDKに格納されている。高電圧デッキDKは、その筐体に高電圧電源44から高電圧が供給されており、絶縁碍子45を用いて設置される。
【0009】
E/O変換器11からの光信号So1は、光ケーブルを介してO/E変換器42に入力され、電気信号に変換される。その後、RFアンプ43で増幅され、カップリングコンデンサC1を介してバイアス電圧と合成され、電子銃13のカソード32に印加される。グリッド33は、高電圧デッキDKの筐体に接続され、高電圧電源44から高電圧が供給され、アノード34は、高電圧電源のアース側が接続される。
【0010】
カソード32は、電子銃ヒータ31により温度制御されるとともに、所定のバイアス電圧及びマイクロ波信号が印加される。このため、RFアンプ43からバイアス電圧よりも高い電圧が印加されると、カソード32から電子ビームが放出されるように調整することができる。
【0011】
図20は、RFアンプ43から出力されるグリッド電圧Vaを示した図であり、バイアス電源42から供給されるバイアス電圧Vbとともに示されている。RFアンプ43の出力波形Vaは単一周波数の波形であり、バイアス電圧Vbを越えるグリッド電圧が印加された場合に、カソード32から電子ビームが放出される。この図では、幅τ1のパルス状の電子ビームが出力されることになる。
【0012】
この様な従来の電子ビーム発生装置を開示した文献として、例えば特開平4−118844号がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
電子銃13の電源である高電圧電源44における消費電力は、電子ビーム電流と電子ビーム電圧の積として与えられる。従来の電子加速装置では、バイアス電圧によって電子ビームのパルス幅が調整され、電子銃電源は、このパルス幅に応じた電力容量が必要とされる。つまり、パルス幅の狭小化により、電子銃電源の電力容量を低減することができる。しかしながら、バイアス電圧の制御によりパルス幅を狭小化するには限界があり、消費電力を十分に低減することができないという問題があった。
【0014】
また、電子ビームのパルス幅が広いほど、RF加速空洞において良い位相で加速されない電子が増加する。これらの電子は、加速管や真空ダクトに衝突してX線を発生させ、あるいは温度上昇を招く。バイアス電圧の制御によりパルス幅を狭小化するには限界があることから、これらの現象を抑制するにも限界があるという問題があった。
【0015】
本発明は上記のような事情に鑑みてなされたものであり、電子ビームのパルス幅を低減することにより、電子銃電源の消費電力を低減する電子ビーム発生装置を提供することを目的とする。
【0016】
また、電子ビームのパルス幅を低減することにより、加速管や真空ダクトにおけるX線の発生又は温度上昇を抑制する電子ビーム発生装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明による電子ビーム制御装置は、基本マイクロ波信号から高調波信号を生成する逓倍手段と、基本マイクロ波信号及びその高調波信号を合成して合成マイクロ波信号を生成する合成手段と、この合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を発生させる電圧制御手段とを備えて構成される。
【0018】
この様な構成により、逓倍手段により周波数が基本マイクロ波信号の整数倍である高調波信号を生成し、合成手段により基本マイクロ波信号と高調波信号を合成し、電圧制御手段により合成マイクロ波信号に基づく電子銃の制御電圧を発生させることができる。このため、パルス幅のより小さなマイクロ波信号を生成することができる。
【0019】
請求項2に記載の本発明による電子ビーム制御装置は、逓倍手段が、基本マイクロ波信号の奇数次の高調波信号を生成し、合成手段が、基本マイクロ波信号及びその奇数次の高調波信号を合成するように構成される。
【0020】
請求項3に記載の本発明による電子ビーム制御装置は、逓倍手段が、基本マイクロ波信号の3次高調波信号を生成し、合成手段が、基本マイクロ波信号及びその3次高調波信号を合成するように構成される。
【0021】
請求項4に記載の本発明による電子ビーム制御装置は、逓倍手段が、基本マイクロ波信号の3次高調波信号及び5次高調波信号を生成し、合成手段が、基本マイクロ波信号、その3次高調波信号及び5次高調波信号を合成するように構成される。
【0022】
請求項5に記載の本発明による電子ビーム制御装置は、基本マイクロ波信号又は高調波信号の位相を制御する位相制御手段を備え、合成手段における基本マイクロ波信号及び高調波信号の位相差を制御するように構成される。
【0023】
請求項6に記載の本発明による電子ビーム制御装置は、合成マイクロ波信号をパルス信号により変調するパルス変調手段を備え、電圧制御手段が、パルス変調された合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を制御するように構成される。
【0024】
請求項7に記載の本発明による電子ビーム制御装置は、低電圧回路及び高電圧回路が光ケーブルを介して接続され、高電圧回路から電子銃の制御電圧を供給する電子ビーム制御装置である。低電圧回路は、基本マイクロ波信号を生成する基本波発生器と、基本マイクロ波信号から高調波信号を生成する逓倍手段と、基本マイクロ波信号及びその高調波信号を光信号に変換する電気光変換手段とを備えて構成される。また、高電圧回路部は、入力された光信号を電気信号に変換する光電気変換手段と、変換された基本マイクロ波信号及びその高調波信号を合成して合成マイクロ波信号を生成する合成手段と、この合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を発生させる制御電圧発生手段とを備えて構成される。
【0025】
請求項8に記載の本発明による電子ビーム制御装置は、低電圧回路及び高電圧回路が光ケーブルを介して接続され、高電圧回路から電子銃の制御電圧を供給する電子ビーム制御装置である。低電圧回路は、基本マイクロ波信号を生成する基本波発生器と、基本マイクロ波信号を光信号に変換する電気光変換手段とを備えて構成される。また、高電圧回路は、入力された光信号を電気信号に変換する光電気変換手段と、変換された基本マイクロ波信号から高調波信号を生成する逓倍手段と、基本マイクロ波信号及びその高調波信号を合成して合成マイクロ波信号を生成する合成手段と、この合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を発生させる制御電圧発生手段とを備えて構成される。
【0026】
請求項9に記載の本発明による電子ビーム制御装置は、高電圧回路に、合成マイクロ波信号をパルス信号により変調するパルス変調手段を備えて構成される。
【0027】
請求項10に記載の本発明による電子ビーム制御装置は、合成マイクロ波信号をパルス信号により変調するパルス変調手段を備えた高電圧回路に高電圧を供給する電圧供給ラインをフィルタコンデンサを介して接地して構成される。
【0028】
請求項11に記載の本発明による電子ビーム発生装置は、電子ビームを生成する電子銃と、生成された電子ビームを加速する加速管とを備えた電子ビーム発生装置であって、基本マイクロ波信号から高調波信号を生成する逓倍手段と、基本マイクロ波信号及び高調波信号を合成して合成マイクロ波信号を生成する合成手段とを備え、基本マイクロ波を加速管へ供給するとともに、合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を制御するように構成される。
【0029】
請求項12に記載の本発明による電子ビーム発生装置は、基本パルス波及び合成マイクロ波信号をパルス信号により変調するパルス変調手段を備え、パルス変調された基本マイクロ波を加速管へ供給するとともに、パルス変調された合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を制御するように構成される。
【0030】
請求項13に記載の本発明による電子ビーム制御方法は、基本マイクロ波信号を逓倍して高調波信号を生成する逓倍ステップと、基本マイクロ波信号及びその高調波信号を合成して合成マイクロ波信号を生成する合成ステップと、この合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を制御し電子ビームを生成させる電圧制御ステップを備えて構成される。
【0031】
請求項14に記載の本発明による電子ビーム制御方法は、基本マイクロ波を加速管へ供給し、上記電圧制御ステップにより発生された電子ビームを加速する加速ステップを備えて構成される。
【0032】
請求項15に記載の本発明による電子ビーム制御方法は、合成マイクロ波信号をパルス信号により変調するパルス変調ステップを備え、電圧制御ステップが、パルス変調された合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を制御するように構成される。
【0033】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1による電子ビーム発生装置(電子加速装置)の構成例を示したブロック図である。図中の10は信号波発生器、12aは電子銃制御部、13は電子銃、14は前段増幅器、15はRF増幅器、16は加速管、18は低電圧側の高調波RF制御ユニットであり、図18の従来装置と比較すれば、電子制御部12a及び高調波制御RFユニット18が異なっている。
【0034】
信号波発生器10は、基本波として、単一周波数からなるマイクロ波信号Se1を生成する。この基本マイクロ波信号Se1は、高調波RF制御ユニット18に入力され、これを基本波とする高調波が生成された後、電気光変換されて光信号としての基本波信号So1及び高調波信号So2が出力される。これらの光信号So1、So2は、光ケーブルを介して電子銃制御部12aに入力される。電子銃制御部12aは、電子銃13に対し制御電圧Vgを供給する高電圧回路であり、制御電圧Vgは基本波信号So1及び高調波信号So2に基づき生成される。
【0035】
信号波発生器10で生成された基本マイクロ波信号Se1は、前段増幅器14にも入力されている。このマイクロ波信号Se1は、前段増幅器14で増幅され、更にRF増幅器15で増幅される。増幅されたマイクロ波は、RF窓35を介して加速管16内の加速空洞36に供給されマイクロ波電場を形成する。
【0036】
電子銃13は、電子銃制御部12aからの制御電圧Vgに基づきカソードから電子ビーム30を放出する。この電子ビーム30は、加速管16内の加速空洞36を貫通する空洞37を通過して放出される。このとき、電子銃制御部12aからのグリッド電圧と加速管16内の高周波電場のタイミングを合わせれば、電子ビームは加速される。
【0037】
図2は、図1中の電子銃制御部12a及び電子銃13の一構成例を示したブロック図であり、RF印加電子銃システムの一例が示されている。図中のDKは高電圧デッキ、40はヒータ電源、41はバイアス電源、46aは高電圧側の高調波RF制御ユニット、44は高電圧電源、45は絶縁碍子である。また、31はヒータ、32はカソード、33はグリッド、34はアノードであり、図19の従来装置と比較すれば、高調波RF制御ユニット46aが異なっている。
【0038】
電子銃制御部12aは、ヒータ電源40、バイアス電源41、高電圧側の高調波RF制御ユニット46a、コンデンサC1、インダクタンスL1、L2及び抵抗R1からなり、高電圧デッキDKに格納されている。高電圧デッキDKは、その筐体に高電圧電源44から高電圧が供給されており、絶縁碍子45に設置される。
【0039】
高電圧デッキDK及び電子銃13は、高電圧が印可されており、他の低電圧機器との間で放電の危険性があるため、コーナー部には高電圧部の電界強度を緩和するためのコロナリングが設けられている。
【0040】
低電圧側の高調波RF制御ユニット18からの光信号So1及びSo2は、光ケーブルを介して高電圧側の高調波RF制御ユニット46aに入力され、光電気変換された後、基本波及び高調波に基づく波形信号に変換される。制御ユニット46aからの出力信号は、カップリングコンデンサC1を介して交流成分のみがバイアス電圧と合成され、電子銃13のカソード32に印加される。
【0041】
グリッド33は、高電圧デッキDKの筐体に接続され、高電圧電源44から一定の高電圧が供給されており、カソード32への印加電圧を制御することにより、カソード32、グリッド33間の電圧が制御される。また、アノード34には、高電圧電源44のアース側が接続される。
【0042】
電子銃ヒータ31は、一端がインダクタンスL2を介してヒータ電源40に接続されるとともに、他端がカソード32と共通になっている。カソード32は、インダクタンスL1及び抵抗R1を介してバイアス電源41に接続されるとともに、コンデンサC1を介してRFアンプ43に接続される。つまり、カソード32は、電子銃ヒータ31により温度制御されるとともに、所定のバイアス電圧及びマイクロ波信号が印加されており、RFアンプ43からバイアス電圧よりも高い電圧が印加されると、カソード32から電子ビームが放出されるように調整される。
【0043】
図3は、図1の高調波RF制御ユニット(低電圧側)18の一構成例を示したブロック図である。図中の50は方向性結合器、51a及び51bは前段増幅器、52a及び52bは位相制御器、53a及び53bはE/O変換器、54は逓倍器である。
【0044】
信号波発生器10から出力された基本マイクロ波信号Se1は、方向性結合器50により分岐されて前段増幅器51a及び逓倍器54に入力される。前段増幅器51aで増幅された基本マイクロ波信号は、位相制御器52aにより位相制御され、E/O変換器53aにより光信号So1に変換された後、光ケーブルを介して高圧側の高調波RF制御ユニット46aへ伝送される。
【0045】
逓倍器54は、入力波信号の整数倍の周波数を有する波形信号を出力する。ここでは、基本マイクロ波信号の3倍の周波数を有する3次の高調波を生成する。生成された3次高調波は、前段増幅器51bで増幅され、位相制御器52bにより位相制御され、E/O変換器53bにより光信号So2に変換された後、光ケーブルを介して高圧側の高調波RF制御ユニット46aへ伝送される。
【0046】
なお、位相制御器52a、52bは、方向性結合器50で分岐された波形信号が、後述するミキサで合成されるまでの伝搬経路により生ずる位相差を補償するとともに、合成される際の位相差を制御するためのものである。
【0047】
図4は、図2の高調波RF制御ユニット(高電圧側)46aの一構成例を示したブロック図である。図中の60a及び60bはO/E変換器、61a及び61bはRF増幅器、62はミキサ、63はサーキュレータ、64は終端抵抗器である。
【0048】
光信号として入力された基本波信号So1は、O/E変換器60aにより光電気変換され、RF増幅器61aにより増幅されて、ミキサ62に入力される。同様にして、光信号として入力された3次高調波信号So2は、O/E変換器60bにより光電気変換され、RF増幅器61bにより増幅されて、ミキサ62に入力される。
【0049】
ミキサ62は、入力信号を合成し、合成マイクロ波信号を生成する。合成マイクロ波信号は、サーキュレータ63を介して、電子銃のグリッド波形Vaとして出力される。サーキュレータ63は、無反射終端器としての終端抵抗器64に接続され、この終端抵抗器に反射波を導いて終端させる。
【0050】
ここでは、ミキサ62が、符号を異ならせて基本波信号3次高調波信号の和を求めている。すなわち、図3の位相制御器52a又は52bにより、基本波信号と3次高調波信号の位相差がπとなるように制御される。従って、基本波信号So1、3次高調波信号So2、グリッド波形Vaは、それぞれ次式で表される(Voは最大電圧)。
【0051】
So1 =Vo・sin(2πft)
So2 =Vo・sin(6πft)
Va =Vo・{sin(2πft) −sin(6πft) }/2
【0052】
図5は、高電圧側の高調波RFユニット46aから出力される高調波信号の一例を示した図であり、本実施の形態及び従来装置によるグリッド波形が示されている。図中のVaは本実施の形態におけるグリッド波形であり、Vaoは従来装置におけるグリッド波形であり、Vbは共通のバイアス電圧である。
【0053】
グリッド波形Va、Vaoは、カップリングコンデンサC1を介して、バイアス電圧Vbと結合されており、両者が合成された制御電圧Vgが電子銃13のカソードに印加される。このため、グリッド電圧がバイアス電圧Vbを超える期間において、電子銃13からパルス状の電子ビームが放出される。
【0054】
グリッド電圧がバイアス電圧Vbを越える期間は、交流成分Vaoの場合がτ1で、3次高調波を含む交流成分Vaの場合がτ2となる。つまり、従来装置では、電子ビームのパルス幅がτ1であるのに対し、本実施の形態の場合には電子ビームのパルス幅がτ2となり、パルス幅をより短くすることができる。
【0055】
一方、加速管16には、基本波信号から生成されたマイクロ波が供給されており、従来装置と同じ高周波電場が形成されている。つまり、パルス幅τ1の従来の電子ビームを加速する場合と同様の電場が形成されている。従って、電子銃13から生成される電子ビームは、その出力タイミングに同期し、かつ、加速期間が電子ビームのパルス幅より広い加速管において加速される。従って、電子ビームを落ちこぼしなく加速し、効率的に電子ビームを生成することができる。
【0056】
本実施の形態によれば、従来装置に比べて、パルス幅がより短い電子ビームを発生させることができる。このため、電子銃にグリッド電圧を供給する高電圧電源の電力容量を小さくすることができる。また、加速管や真空ダクトにおけるX線の発生又は温度上昇を抑制することができる。
【0057】
なお、本実施の形態においても、バイアス電圧Vbを変化させることにより、電子銃からのエミッション電流波形を調整できる。すなわち、バイアス電圧Vbにより電子ビームのパルス幅を制御でき、バイアス電圧を高くすることにより、パルス幅をより狭小化することができる。
【0058】
実施の形態2.
実施の形態1では、基本波に3次高調波を合成する場合の例について説明したが、本実施の形態では、基本波に3次高調波及び5次高調波を合成する場合について説明する。なお、図1、図2に示された構成については、実施の形態1の場合と同様である。
【0059】
図6及び図7は、実施の形態2による電子ビーム発生装置の要部の一構成例を示した図であり、図6は、図1の高調波RF制御ユニット( 低電圧側)18の他の構成例を示したブロック図である。図3と比較すれば、前段増幅器51c、位相制御器52c、E/O変換器53cが追加されている。
【0060】
逓倍器54は、方向性結合器50から入力される基本波信号を逓倍し、奇数次の高調波を生成する。ここでは、3次高調波及び5次高調波を生成している。3次高調波は前段増幅器51bで増幅され、位相制御器52bで位相制御された後に、E/O変換器53bにより電気光変換されて光信号So2となる。一方、5次高調波は前段増幅器51cで増幅され、位相制御器52cで位相制御された後に、E/O変換器53cにより電気光変換されて光信号So3となる。
【0061】
図7は、図2の高調波RF制御ユニット(高電圧側)46aの他の構成例を示したブロック図である。図4と比較すれば、O/E変換器60c、RF増幅器61cが追加されている。
【0062】
光信号として入力された基本波信号So1、3次高調波信号So2、5次高調波信号So3は、それぞれO/E変換器60a〜60cで光電気変換され、RF変換器61a〜61cで増幅された後にミキサ62に入力される。ミキサ62は、基本波信号、3次高調波信号及び5次高調波信号を合成し、合成マイクロ波信号を生成する。合成マイクロ波信号は、サーキュレータ63を介して、グリッド波形Vbとして出力される。
【0063】
ここでは、ミキサ62が、3次高調波のみ符号を異ならせて3つの波形信号の和を求めている。すなわち、図6の位相制御器52a又は52cにより、合成時における基本波信号と5次高調波信号の位相が一致するように位相制御するとともに、位相制御器52a〜52cにより、合成時における基本波信号と3次高調波信号の位相差がπとなるように位相制御する。従って、基本波信号So1、3次高調波信号So2、5次高調波信号So3、グリッド波形Vaは、それぞれ次式で表される。
【0064】
So1 =Vo・sin(2πft)
So2 =Vo・sin(6πft)
So3 =Vo・sin(10πft)
Va =Vo・{sin(2πft) −sin(6πft) +sin(10πft) }/3
【0065】
図8は、高電圧側の高調波RFユニット46aから出力される高調波信号の他の例を示した図であり、本実施の形態及び従来装置によるグリッド波形が示されている。図中のVa’は本実施の形態におけるグリッド波形であり、Vaは実施の形態1におけるグリッド波形であり、Vbは共通のバイアス電圧である。
【0066】
グリッド波形Va、Va’は、カップリングコンデンサC1を介して、バイアス電圧Vbと結合されており、両者が合成された制御電圧Vgが電子銃13のカソードに印加される。このため、グリッド電圧がバイアス電圧Vbを超える期間において、電子銃13からパルス状の電子ビームが放出される。
【0067】
グリッド電圧がバイアス電圧Vbを越える期間は、3次高調波を含む交流成分Vaの場合がτ2で、3次及び5次高調波を含む交流成分Va’の場合がτ3となる。従って、実施の形態1の場合には電子ビームのパルス幅がτ2であるのに対し、本実施の形態の場合には電子ビームのパルス幅がτ3となり、パルス幅をより短くすることができる。
【0068】
本実施の形態では、基本波に3次及び5次の高調波を合成して電子銃の制御電圧を発生させる場合の例について説明したが、本発明はこのような場合に限られず、奇数次の高調波を合成することにより、電子ビームのパルス幅を小さくすることができる。
【0069】
実施の形態3.
本実施の形態では、実施の形態2の電子ビーム発生装置における合成マイクロ波信号に対しパルス変調を行い、パルス変調後の合成マイクロ波信号に基づき電子銃を制御する装置について説明する。
【0070】
図9は、実施の形態3による電子ビーム発生装置の一構成例を示したブロック図である。図中の10は信号波発生器、12bは電子銃制御部、13は電子銃、14は前段増幅器、15はRF増幅器、16は加速管、18は低電圧側の高調波RF制御ユニット、17はパルス発生器、19はE/O変換器であり、図1の電子ビーム発生装置と比較すれば、電子銃制御部12b、パルス発生器17及びE/O変換器19が異なる。
【0071】
信号波発生器10により生成された単一周波数からなるマイクロ波信号Se1は、高調波RF制御ユニット18及び前段増幅器14に入力される。高調波RF制御ユニット18はマイクロ波信号Se1を基本波とする2種類以上の高調波を生成し、高電圧の電子銃制御部12bへ出力する。
【0072】
パルス発生器17により生成されたパルス信号Peは、前段増幅器14、RF増幅器15及びE/O変換器19に入力される。前段増幅器14は、パルス信号Peに基づいて、マイクロ波信号Se1の増幅及びパルス変調を行い、更にRF源6がパルス増幅を行う。パルス増幅されたマイクロ波は加速管7に投入され、加速管内にマイクロ波電場を作り出す。一方、E/O変換器19に入力されたパルス信号Peは、電気光変換され、光信号Poとして高電圧の電子銃制御部12bへ出力される。
【0073】
電子銃制御部12bは、高調波RF制御ユニット18から入力されるマイクロ波信号So1〜So3及びパルス信号Poに基づき生成された波形を電子銃13のカソードに印加し、パルス変調のかかった電子ビームを発生させる。
【0074】
図10は、図9中の電子銃制御部12a及び電子銃13の構成を示したブロック図である。図中のDKは高電圧デッキ、40はヒータ電源、41はバイアス電源、46bは高電圧側の高調波RF制御ユニット、44は高電圧電源、45は絶縁碍子である。また、R1及びR2は抵抗、L1及びL2はインダクタンス、C1及びC2はコンデンサであり、図2と比較すれば、高調波RF制御ユニット46b、抵抗R2及びコンデンサC2が異なっている。
【0075】
低電圧側の高調波RF制御ユニット18からの光信号So1、So2及びSo3、並びにE/O変換器からの光信号Poは、光ケーブルを介して高電圧側の高調波RF制御ユニット46aに入力される。これらの光信号は、光電気変換された後、基本波及び高調波に基づく波形信号が生成され、更にパルス信号によりパルス変調された後に出力される。
【0076】
抵抗R2およびコンデンサC2は直列接続され、高電圧電源44から高電圧が供給されている高電圧デッキDKの筐体は、抵抗R2及びコンデンサC2を介して接地されている。
【0077】
電子銃13からパルス的に電子ビームが放出されると、そのビーム電流により高電圧電源44の電源電圧が低下するので、静電容量の大きなフィルタコンデンサC2を設け、パルス的に出力される電荷を当該コンデンサC2から供給することにより、電子銃制御部12cにおける電源電圧の低下を防止することができる。すなわち、高電圧の電子銃制御部12c内でのパルス変調を行うことに伴ってパルス期間に生ずる高電圧電源ラインの電圧低下を抑制し、電子ビーム電流をパルス期間内で安定させることができる。
【0078】
図11は、図10の高電圧側の高調波RF制御ユニット46bの一構成例を示したブロック図である。図7と比較すれば、O/E変換器60dが追加され、RF増幅器61a〜61cへパルス信号が入力されている点で異なる。
【0079】
光信号として入力されたSo1〜So3が、それぞれO/E変換器60a〜60cで光電気変換されるとともに、光信号として入力されたパルス信号PoもO/E変換器60dで光電気変換される。光電気変換後のパルス信号は、各RF増幅器61a〜61cに入力され、光電気変換された各マイクロ波信号は、RF増幅器61a〜61cにおいて適切な大きさに増幅されるとともに、パルス信号に基づきパルス変調される。パルス変調された各マイクロ波信号は、ミキサ62で合成され、サーキュレータ63を介して出力される。
【0080】
実施の形態4.
実施の形態1から3では、高調波RF制御ユニットを低電圧側及び高電圧側に備える場合の例について説明したが、本実施の形態では、実施の形態2の構成を変更し、高電圧側にのみ高調波RF制御ユニットを備えた電子ビーム発生装置について説明する。
【0081】
図12は、実施の形態4による電子ビーム発生装置の一構成例を示したブロック図である。図中の10は信号波発生器、11はE/O変換器、12cは電子銃制御部、13は電子銃、14は前段増幅器、15はRF増幅器、16は加速管、20は前段増幅器であり、図1の電子ビーム発生装置と比較すれば、E/O変換器11、前段増幅器20及び電子銃制御部12cが異なる。
【0082】
信号波発生器10により生成された単一周波数からなるマイクロ波信号Se1は、前段増幅器14及び20に入力される。前段増幅器20で増幅されたマイクロ波信号は、E/O変換器11により電気光変換され、光信号So1として電子銃制御部12cへ出力される。つまり、低電圧回路内に高調波RF制御回路を設けて高調波を生成するのではなく、基本マイクロ波を電気光変換して高電圧の電子銃制御部12cに伝送している。
【0083】
図13は、図12中の電子銃制御部12c及び電子銃13の一構成例を示したブロック図であり、図2と比較すれば、高調波RF制御ユニット46cが異なっている。高調波RF制御ユニット46cには、E/O変換器11からは基本波信号So1が入力され、高調波信号So2、So3は入力されない。
【0084】
図14は、図13中の高調波RF制御回路46cの一構成例を示した図である。図中の50は方向性結合器、51a〜51cは前段増幅器、52a〜52cは位相制御器、54は逓倍器、60はO/E変換器、61a〜61cはRF増幅器、62はミキサ、63はサーキュレータ、64は終端抵抗器である。
【0085】
光信号として入力された基本マイクロ波信号So1は、方向性結合器50により分岐されて前段増幅器51a及び逓倍器54に入力される。逓倍器54は、基本マイクロ波信号を基本波とする3次高調波信号及び5次高調波信号を生成し、3次高調波は前段増幅器51bへ出力され、5次高調波は前段増幅器51cへ出力される。
【0086】
その後、基本波信号、3次高調波信号、5次高調波信号は、それぞれ前段増幅器51a〜51cで増幅され、位相制御器52aで位相制御され、RF増幅器61a〜61cで増幅される。増幅された3種類のマイクロ波信号は、ミキサ62で合成され、サーキュレータ63を介して電子銃13へ出力される。
【0087】
実施の形態1、2によれば、低電圧側の高調波RF制御ユニットに位相制御器を設けている。このため、低圧回路において基本マイクロ波信号とその高調波信号の位相調整を行うことができ、高圧側の高調波RF制御ユニットにおける調整手段を減少させることができる。従って、高電圧デッキDKを小型化することができる。
【0088】
これに対し、本実施の形態によれば、高調波RF制御ユニットを高圧側にのみ設けている。すなわち、逓倍器、位相制御器、ミキサ等を高圧デッキDK内に設けることにより、E/O変換器、O/E変換器の数を低減することができ、コストを低減することができる。
【0089】
実施の形態5.
実施の形態1から3では、高調波RF制御ユニットを低電圧側及び高電圧側に備える場合の例について説明したが、本実施の形態では、実施の形態3の構成を変更し、高電圧側にのみ高調波RF制御ユニットを備えた電子ビーム発生装置について説明する。
【0090】
図15は、実施の形態5による電子ビーム発生装置の一構成例を示したブロック図である。図中の10は信号波発生器、11はE/O変換器、12dは電子銃制御部、13は電子銃、14は前段増幅器、15はRF増幅器、16は加速管、20は前段増幅器であり、図9の電子ビーム発生装置と比較すれば、E/O変換器11、前段増幅器20及び電子銃制御部12dが異なる。
【0091】
信号波発生器10により生成された単一周波数からなるマイクロ波信号Se1は、前段増幅器14及び20に入力される。前段増幅器20で増幅されたマイクロ波信号は、E/O変換器11により電気光変換され、光信号So1として電子銃制御部12cへ出力される。つまり、低電圧回路内に高調波RF制御回路を設けて高調波を生成するのではなく、基本マイクロ波を電気光変換して高電圧の電子銃制御部12dに伝送している。
【0092】
図16は、図15中の電子銃制御部12d及び電子銃13の一構成例を示したブロック図であり、図2と比較すれば、高調波RF制御ユニット46cが異なっている。高調波RF制御ユニット46dには、E/O変換器11からの光信号So1及びE/O変換器19からのパルス信号が入力され、高調波信号So2、So3は入力されない。
【0093】
図17は、図16中の高調波RF制御回路46dの一構成例を示した図である。図中の50は方向性結合器、51a〜51cは前段増幅器、52a〜52cは位相制御器、54は逓倍器、60a〜60dはO/E変換器、61a〜61cはRF増幅器、62はミキサ、63はサーキュレータ、64は終端抵抗器である。図14と比較すれば、O/E変換器65を備える点で異なる。
【0094】
O/E変換器64dは、光信号として入力されたパルス信号Poを光電気変換し、各RF増幅器61a〜61cへ出力する。RF増幅器61a〜61cは、それぞれ基本波信号、3次高調波信号、5次高調波信号をパルス変調され、ミキサ62で合成された後に、サーキュレータ63を介して電子銃13へ出力される。
【0095】
【発明の効果】
本発明の電子ビーム制御装置、電子ビーム発生装置及び電子ビーム制御方法によれば、基本マイクロ波信号とその高調波信号とを合成して合成マイクロ波信号を生成し、この合成マイクロ波信号に基づき電子銃の電圧制御を行うことによって、従来の電子ビーム発生装置に比べ、電子銃から放出される電子ビームのパルス幅を短くすることができる。
【0096】
電子銃から放出される電子ビームのパルス幅をより短くすることにより、例えば、電子銃に高電圧を供給する高電圧電源の電源容量を小さくすることができ、RF加速空洞で良い位相で加速されない電子が加速管や真空ダクトに衝突しすることによるX線の発生、温度上昇の抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態1による電子ビーム発生装置の構成例を示したブロック図である。
【図2】 図1における電子銃制御部12a及び電子銃13の一構成例を示したブロック図であり、RF印加電子銃システムの一例が示されている。
【図3】 図1における高調波RF制御ユニット(低電圧側)18の一構成例を示したブロック図である。
【図4】 図2における高調波RF制御ユニット(高電圧側)46aの一構成例を示したブロック図である。
【図5】 高調波RFユニット(高電圧側)46aから出力される高調波信号の一例を示した図であり、本実施の形態及び従来装置によるグリッド波形が示されている。
【図6】 実施の形態2による電子ビーム発生装置の要部の一構成例を示した図であり、図1における高調波RF制御ユニット(低電圧側)18の他の構成例を示したブロック図である。
【図7】 実施の形態2による電子ビーム発生装置の要部の一構成例を示した図であり、図2の高調波RF制御ユニット(高電圧側)46aの他の構成例を示したブロック図である。
【図8】 高電圧側の高調波RFユニット46aから出力される高調波信号の他の例を示した図であり、実施の形態2及び従来装置によるグリッド波形が示されている。
【図9】 実施の形態3による電子ビーム発生装置の一構成例を示したブロック図である。
【図10】 図9における電子銃制御部12a及び電子銃13の構成を示したブロック図である。
【図11】 図10の高電圧側の高調波RF制御ユニット46bの一構成例を示したブロック図である。
【図12】 実施の形態4による電子ビーム発生装置の一構成例を示したブロック図である。
【図13】 図12における電子銃制御部12c及び電子銃13の一構成例を示したブロック図である。
【図14】 図13における高調波RF制御回路46cの一構成例を示した図である。
【図15】 実施の形態5による電子ビーム発生装置の一構成例を示したブロック図である。
【図16】 図15における電子銃制御部12d及び電子銃13の一構成例を示したブロック図である。
【図17】 図16における高調波RF制御回路46dの一構成例を示した図である。
【図18】 従来の電子ビーム発生装置の構成を示したブロック図である。
【図19】 図18における電子銃制御部12d及び電子銃13の構成を示したブロック図である。
【図20】 RFアンプ43から出力されるグリッド波形Vaを示した図であり、バイアス電源42から供給されるバイアス電圧Vbとともに示されている。
【符号の説明】
10 信号波発生器、11 E/O変換器、12a〜12d 電子銃制御部、
13 電子銃、14 前段増幅器、15 RF増幅器、16 加速管、
17 パルス発生器、18 高調波RF制御ユニット(低電圧側)、
19 E/O変換器、20 前段増幅器、30 電子ビーム、
31 電子銃ヒータ、32 電子銃カソード、33 電子銃グリッド、
34 電子銃アノード、35 RF窓、36 加速空洞、40 ヒータ電源、
41 バイアス電源、42 O/E変換器、43 RF増幅器、
44 高電圧電源、45 絶縁碍子、
46a〜46d 高調波RF制御ユニット(高電圧側)、
50 方向性分配器、51a〜51c 前段増幅器、
52a〜52c 位相制御器、53a〜53c E/O変換器、
54 逓倍器、60、60a〜60d O/E変換器、
61a〜61c RF増幅器、62 ミキサ、63 サーキュレータ、
64 終端抵抗器、DK 高電圧デッキ、R1、R2 抵抗、
C1、C2 コンデンサ、L1、L2 インダクタンス、Va、Va’ グリッド電圧、Vb バイアス電圧、Vg 制御電圧、
Pe パルス信号(電気信号)、Po パルス信号(光信号)、
Se1 基本波信号(電気信号)、So1 基本波信号(光信号)、
Se2 3次高調波信号(電気信号)、So2 3次高調波信号(光信号)、
Se3 5次高調波信号(電気信号)、
So3 5次高調波信号(光信号)。
Claims (15)
- 基本マイクロ波信号から高調波信号を生成する逓倍手段と、基本マイクロ波信号及びその高調波信号を合成して合成マイクロ波信号を生成する合成手段と、この合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を発生させる電圧制御手段とを備えた電子ビーム制御装置。
- 上記逓倍手段は、基本マイクロ波信号の奇数次の高調波信号を生成し、上記合成手段は、基本マイクロ波信号及びその奇数次の高調波信号を合成することを特徴とする請求項1に記載の電子ビーム制御装置。
- 上記逓倍手段は、基本マイクロ波信号の3次高調波信号を生成し、上記合成手段は、基本マイクロ波信号及びその3次高調波信号を合成することを特徴とする請求項2に記載の電子ビーム制御装置。
- 上記逓倍手段は、基本マイクロ波信号の3次高調波信号及び5次高調波信号を生成し、上記合成手段は、基本マイクロ波信号、その3次高調波信号及び5次高調波信号を合成することを特徴とする請求項3に記載の電子ビーム制御装置。
- 基本マイクロ波信号又は高調波信号の位相を制御する位相制御手段を備え、合成手段における基本マイクロ波信号及び高調波信号の位相差を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電子ビーム制御装置。
- 合成マイクロ波信号をパルス信号により変調するパルス変調手段を備え、電圧制御手段が、パルス変調された合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電子ビーム制御装置。
- 低電圧回路及び高電圧回路が光ケーブルを介して接続され、高電圧回路から電子銃の制御電圧を供給する電子ビーム制御装置において、
低電圧回路には、基本マイクロ波信号を生成する基本波発生器と、基本マイクロ波信号から高調波信号を生成する逓倍手段と、基本マイクロ波信号及びその高調波信号を光信号に変換する電気光変換手段とを備え、
高電圧回路部には、入力された光信号を電気信号に変換する光電気変換手段と、変換された基本マイクロ波信号及びその高調波信号を合成して合成マイクロ波信号を生成する合成手段と、この合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を発生させる制御電圧発生手段とを備えた電子ビーム制御装置。 - 低電圧回路及び高電圧回路が光ケーブルを介して接続され、高電圧回路から電子銃の制御電圧を供給する電子ビーム制御装置において、
低電圧回路には、基本マイクロ波信号を生成する基本波発生器と、基本マイクロ波信号を光信号に変換する電気光変換手段とを備え、
高電圧回路には、入力された光信号を電気信号に変換する光電気変換手段と、変換された基本マイクロ波信号から高調波信号を生成する逓倍手段と、基本マイクロ波信号及びその高調波信号を合成して合成マイクロ波信号を生成する合成手段と、この合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を発生させる制御電圧発生手段とを備えた電子ビーム制御装置。 - 上記高電圧回路には、合成マイクロ波信号をパルス信号により変調するパルス変調手段を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の電子ビーム制御装置。
- 上記高電圧回路に高電圧を供給する電圧供給ラインをフィルタコンデンサを介して接地したことを特徴とする請求項9に記載の電子ビーム制御装置。
- 電子ビームを生成する電子銃と、生成された電子ビームを加速する加速管とを備えた電子ビーム発生装置において、基本マイクロ波信号から高調波信号を生成する逓倍手段と、基本マイクロ波信号及び高調波信号を合成して合成マイクロ波信号を生成する合成手段とを備え、基本マイクロ波を加速管へ供給するとともに、合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を制御する電子ビーム発生装置。
- 基本パルス波及び合成マイクロ波信号をパルス信号により変調するパルス変調手段を備え、パルス変調された基本マイクロ波を加速管へ供給するとともに、パルス変調された合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を制御する請求項11に記載の電子ビーム発生装置。
- 基本マイクロ波信号を逓倍して高調波信号を生成する逓倍ステップと、基本マイクロ波信号及びその高調波信号を合成して合成マイクロ波信号を生成する合成ステップと、この合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を制御し電子ビームを生成させる電圧制御ステップを備えたことを特徴とする電子ビーム制御方法。
- 基本マイクロ波を加速管へ供給し、上記電圧制御ステップにより発生された電子ビームを加速する加速ステップを備えたことを特徴とする請求項13に記載の電子ビーム制御方法。
- 合成マイクロ波信号をパルス信号により変調するパルス変調ステップを備え、電圧制御ステップが、パルス変調された合成マイクロ波信号に基づき電子銃の制御電圧を制御することを特徴とする請求項13又は14に記載の電子ビーム制御方法。
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