JP3732009B2 - 電子制御装置間通信時の故障検出方法 - Google Patents
電子制御装置間通信時の故障検出方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の電子制御装置が情報通信を行いながら全体として1つのシステムとして動作する場合に、システムを構成する電子制御装置の故障を、通信情報に基づいて検出する電子制御装置間通信時の故障検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、マイクロコンピュータなどを利用する電子制御装置では、ノイズなどの外乱によって正規のプログラム実行状態から逸脱する暴走などの動作異常を生じる可能性がある。この対策としては、プログラムの動作状態をウォッチドッグタイマと呼ばれる手法で監視し、暴走検出時にはリセットをかける処理などが行われている。特開平1−116739には、上位CPUと下位CPUとを含むシステムで、下位CPUの動作を監視するウォッチドッグタイマが下位CPUの動作異常を検出すると、下位CPUの動作を停止させ、上位CPUに割込みをかける先行技術が開示されている。
【0003】
特開平5−71410には、複数のマイクロコンピュータ間でエンジンの回転に同期してデータ通信を行う車両用電子制御装置に関連する先行技術が開示されている。データ通信を行うマイクロコンピュータのうちの少なくとも一方には、ウォッチドッグタイマが備えられ、他方のマイクロコンピュータは一方のマイクロコンピュータのウォッチドッグタイマの出力信号を検出して、マイクロコンピュータの動作異常また通信データの異常を検出している。
【0004】
車両用電子制御装置では、エンジンの点火に伴って発生するノイズも大きく、誤動作が生じ得る環境にある。マイクロコンピュータが単なる誤動作ではなく、故障を生じると、車両の各部に対して高度な制御を行うことが困難となる。このため、複数のマイクロコンピュータなどのうちの1つでも故障が生じるときには、早急に故障を検出して、修理等の対策を施す必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
車両に複数のマイクロコンピュータを搭載して、マイクロコンピュータ間でデータ通信を行い、総合的な電子制御装置を構成するのは、車両の各部でデータを収集し、また車両の各部に設けられる被制御部分の制御を適切に行う必要があるからである。複数のマイクロコンピュータ間で通信を行う場合には、一方のマイクロコンピュータが主となり、他方のマイクロコンピュータが従となる。主となるマイクロコンピュータは、従となるマイクロコンピュータの故障を、従となるコンピュータに設けられるウォッチドッグタイマの動作結果から検出する。特開平1−116739や特開平5−71410の先行技術では、ウォッチドッグタイマの出力を直接伝達して、従となるマイクロコンピュータの動作異常を主となるマイクロコンピュータに知らせている。しかしながら、データ通信と別にウォッチドッグタイマの動作検知用の通信線を設ける必要が生じてしまう。車載用の電子制御装置では、マイクロコンピュータ間の配線を、ワイヤハーネスを用いて行っており、必要な通信線が1本でも増加することは、接続用のコネクタなどを含めてコストアップと重量増加とをもたらす。
【0006】
ウォッチドッグタイマは、マイクロコンピュータが一連のプログラム動作を行う際に、一定の時間間隔内に必ずアクセスするようにプログラムが設定される。マイクロコンピュータが暴走すると、一定時間内でのアクセスが行われなくなる可能性がある。前回のアクセスから一定時間が経過するとしても、ウォッチドッグタイマがアクセスされない場合、ウォッチドッグタイマ監視回路は、マイクロコンピュータが暴走したと判断し、マイクロコンピュータのリセット入力を発生する。リセット入力が与えられるマイクロコンピュータは、暴走しているプログラムを、所定の初期動作に戻し、あらためて初期動作からプログラムの実行を再開する。
【0007】
従となるマイクロコンピュータの異常を、従となるマイクロコンピュータから主となるマイクロコンピュータに送信する情報に基づいて検出する方法も考えられる。従となるマイクロコンピュータが暴走すると、データの送信も異常となり、あるいは送信されるデータの内容が異常となる。ウォッチドッグタイマによるリセットが生じると、送信されるデータの異常は一旦は解消される。しかしながら、従となるマイクロコンピュータから送信されるデータに基づいてリセットを検出する方法は、常に送信データが異常となるような高い頻度でリセットが発生するような場合でないと充分に検出することはできない。
【0008】
本発明の目的は、従となる電子制御装置でウォッチドッグタイマが作動してリセットが生じることを、主となる電子制御装置で容易に検出し、故障が生じているか否かを判断することができる電子制御装置間通信時の故障検出方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、主となる電子制御装置であるマスタ装置が従となる電子制御装置であるスレーブ装置に電源ラインを介して供給する電源を制御し、
前記スレーブ装置は、パワーオンリセット機能とウォッチドッグリセット機能とを備え、通常の情報通信を予め定める複数の情報単位からなる情報フレームによって前記電源ラインを介してマスタ装置に送信し、リセット後の第1回目の通信で最初の情報単位として第1回目特定情報を設定した前記情報フレームをマスタ装置に送信し、
前記マスタ装置は、電源ON直後のパワーオンリセット機能によるリセット後の第1回目特定情報を除き、受信する前記情報フレームの前記第1回目特定情報に従って、前記スレーブ装置のリセットの検出を行い、リセットの発生回数が予め設定されている複数回を越えるとき、前記スレーブ装置に故障が生じていることを検出することを特徴とする電子制御装置間通信時の故障検出方法である。
【0010】
本発明に従えば、主となる電子制御装置であるマスタ装置と、従となる電子制御装置であるスレーブ装置との間で通信が行われる。マスタ装置はスレーブ装置の電源を制御し、スレーブ装置はパワーオンリセット機能とウォッチドッグリセット機能とを備えるので、電源投入時と、プログラム動作の暴走時とに、スレーブ装置はリセットされる。スレーブ装置は、予め定める情報を定期的にマスタ装置に送信する通信を行う。マスタ装置は、スレーブ装置から送信される情報に基づいて、スレーブ装置のリセットの回数を検知する。リセットの発生回数が予め設定される複数回を越えるときには、パワーオンリセット機能による1回のリセットとともに、ウォッチドッグリセット機能によるリセットが発生しているのでマスタ装置はスレーブ装置の故障を検出する。予め設定される複数回のリセットの検出でマスタ装置はスレーブ装置の故障を検出するので、ウォッチドッグリセット機能によるリセットが1回だけでなく検出されるときに故障検出と判断するように設定すれば、故障検出の精度を高めることができる。
【0014】
また、マスタ装置はスレーブ装置からリセット後の第1回目の通信が送信される予め定める第1回目特定情報を受信するときに、スレーブ装置のリセットを検出するので、第1回目特定情報を他の情報と識別しやすくしておくことによって、容易にリセットの検出を行うことができる。
さらに、スレーブ装置は通常の情報通信を、複数の情報単位からなる情報フレームによってマスク装置に送信し、第1回目特定情報は、リセット後に送信される情報フレームの最初の情報単位となるので、スレーブ装置のリセットが生じていることをリセット発生時に迅速に検出することができる。
【0016】
さらに、スレーブ装置にはパワーオンリセット機能が備えられているので、マスタ装置が電源を一旦遮断して投入する制御を行うと、スレーブ装置にはリセットがかかる。リセット後には、第1回目特定情報の送信が行われるけれども、このときには故障検出のためのリセットの発生回数には加えないので、ウォッチドッグタイマの動作に基づくリセットのみを正確に検出することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態としての電子制御装置間通信時の故障検出を行う電気的構成を示す。主となる電子制御装置(以下、「ECU」と略称することもある)であるマスタECU1と、従となる電子制御装置であるスレーブECU2との間は、電源ライン3で接続される。自動車のバッテリや発電機などの電源4からの出力は、マスタECU1で制御されて、電源ライン3を介してスレーブECU2に与えられる。マスタECU1およびスレーブECU2は、自動車の異なる位置に搭載され、それぞれの位置で受ける衝撃の大きさを衝撃センサ5,6によってそれぞれ検出する。マスタECU1は、たとえば運転席近傍に設置され、スレーブECU2はドア近傍に設置される。マスタECU1は、たとえばステアリング装置に備えられるエアバッグ7とドアに備えられるエアバッグ8との点火を制御する。スレーブECU2は、ドアに加えられる衝撃を確実に衝撃センサ6で検出し、検出した信号をマスタECU1に確実に伝達するために設けられる。マスタECU1には、スレーブECU2の故障時などに、点灯されるランプ9も設けられる。
【0022】
マスタECU1内には、予め設定されるプログラムに従って動作するマイコン10が備えられる。マスタECU1は、電源ライン3を介してスレーブECU2に供給する電源の制御を行うために、電源制御回路11を備える。電源制御回路11は、自動車の電源4から供給される電力を、電源ライン3を介してスレーブECU2に供給するか遮断するかの制御を行う。電源ライン3は、スレーブECU2からの情報通信にも利用され、受信回路12によって受信される。マスタECU1は、受信回路12が受信するスレーブECU2からの情報に基づいてスレーブECU2のリセットの発生を検出し、その発生回数をカウンタ13で計数する。
【0023】
スレーブECU2側には予め設定されるプログラムに従って動作するマイコン20が含まれ、その暴走をウォッチドッグタイマ(以下、「WDT」と略称することもある)が含まれるWDT付電源回路21で監視する。マスタECU1から電源ライン3を介して供給される電源電圧は、WDT付電源回路21の+B端子に入力され、電源出力端子であるVcc端子から出力されてマイコン20などに与えられる。送信回路22は、電源ライン3を介して供給される電流の消費量を変化させ、マスタECU1側に情報の伝達を行う。送信回路22による電流変化分は、スレーブECU2内の他の構成要素の消費電流の変化分よりも大きく設定され、シリアル信号としてデジタルデータの伝送が行われる。
【0024】
WDT付電源回路21は、電源ライン3を介して供給される電源電圧を安定化して、マイコン20、送信回路22および衝撃センサ6などに供給する。WDT付電源回路21内には、ウォッチドッグタイマ監視回路が内蔵される。ウォッチドッグタイマ監視回路は、マイコン20からクロック端子CKに対するアクセスが抵抗23の抵抗値およびコンデンサ24の容量値の積である時定数に対応する時間内に行われないときに、リセット端子RSTを介してマイコン20にリセット信号を与える。WDT付電源回路21は、パワーオンリセット機能も有し、電源ライン3が所定の電圧以下に低下している状態から立上ると、リセット端子RSTからマイコン20のリセット端子にリセット信号を与える動作も行う。
【0025】
図2は、図1の電源ライン3を介して送信回路22から受信回路12まで伝達される信号の形式を示す。図2(a)は、スレーブECU2に供給される電源電圧が立上ってから行われる通常の情報通信の基準を示す。送信回路22では、電源電圧投入後一定の待ち時間TWAIT経過後に、スタートビットおよびストップビットを前後にそれぞれ付加し、調歩式でデータの送出を行う。1ビット分の送出時間は、たとえば20m秒であるので、1バイト分のデータの送出には200m秒の時間を要する。受信回路12では、電源制御回路11を介してスレーブECU2の電源電圧を供給した後、たとえば50m秒経過後に受信許可の状態とする。待ち時間TWAITは、たとえば500m秒と充分な長さにしておく。
【0026】
図2(b)は、点火信号が送信回路22から送出される場合の通信状態を示す。点火信号は、スレーブECU2内の衝撃センサ6が、エアバッグ7,8を膨らませるための点火を行うことが必要と判断するときの信号であり、通常の情報通信に使用するタイミングよりも、より短いタイミングで情報を伝達する。受信回路12を介して点火信号を受信すると、マスタECU1側では、点火信号の終了後50m秒間は通常通信を禁止する。送信回路22は、点火信号が含まれている情報フレームの送出後、たとえば300m秒であるアイドル期間後に、再び同一の情報フレームについての送信を再開する。
【0027】
図3は、図2(a)に示す通常通信での信号のフォーマットを示す。図3(a)は、キャラクタフォーマットを示し、LSB側のD0からMSB側のD7まで8ビットで1バイト分の1キャラクタを表すデータの先頭に、論理レベル「0」のスタートビットが付加され、後端には論理レベル「1」のストップビットが付加されている状態を示す。図3(b)は、フレームフォーマットを示し、情報フレームが、先頭のヘッダと、1からnまでのデータと、チェックサムとで構成されていることを示す。情報フレーム間には、たとえば300±25m秒のアイドル期間が設けられる。図3(c)は、図3(b)のヘッダの内容を示す。LSB側のD0からD3までの4ビットは、予め設定されるコマンド情報を示す。D4からMSB側のD7までの4ビットは、データの長さを示し、図3(b)のnの値に相当する。nの値は、4ビットで表されるので、最大長は15バイトで最小長は0バイトとなる。図3(b)のチェックサムは、たとえばヘッダからデータnまで加算して、下位8ビット分の値の2の補数を取る。このようにすると、ヘッダからチェックサムまでの1フレーム分の全データを加算すれば、伝送中に謝りが生じない限り、合計値は0になる。逆に合計値が0でないときには、データに誤りがあると判断することができる。
【0028】
本実施形態では、スレーブECU2から、WDT付電源回路21がパワーオンリセットあるいはウォッチドッグリセットをかけた後に、最初に送出するデータとして、図3(c)のコマンド部分に特定の値、たとえば「0110」を与え、データ長は0バイトとする第1回目特定情報を設定しておく。すなわち、図3(b)のヘッダおよびチェックサムの2バイト分が送出されるようにし、ヘッダのリセット後の第1回目に送信される情報フレームであることが容易に判別可能にしておく。
【0029】
図4は、図2に示す通常通信波形をサンプリングする状態を示す。通常通信の波形は、1ビット分の長さが20m秒であるので、たとえば2.5m秒の周期でサンプリングを行う。8回のサンプリングの結果の多数決で、そのビットのレベルが確定される。すなわちハイレベルであると判定するサンプリングの回数がローレベルであると判定するサンプリングの回数よりも大きいときには、全体としてハイレベルであると判断し、逆の場合はローレベルであると判断する。受信回路12は、アイドル状態でハイレベルの通信ラインが、5回以上続けてローレベルと判定すると、ローレベルのスタービットの検出を示すフラグを出力する。
【0030】
図5は、図2(b)に示す点火信号のフォーマットを示す。図5(a)は、通常信号のハイレベルのときに発生する点火信号のフォーマットを示し、図5(b)は通常信号がローレベルのときの点火信号のフォーマットを示す。点火信号は、通常信号の1ビット分の送出時間である20m秒よりも短い時間で送出される。その時間間隔は、たとえば8μ秒であり、論理値「0」のスタートビットに続いてLSB側からMSB側に、「011011」のデータが続き、最後の論理値「1」のストップビットが続いて形成される。
【0031】
図6は、図1のスレーブECU2側の動作手順を示す。図6(a)は通常通信動作を示し、図6(b)はウォッチドッグリセット動作を示す。図6(a)に示すように、ステップa1で電源ライン3から供給される電源電圧が立上ると動作を開始する。ステップa2では、WDT付電源回路21によるパワーオンリセットが行われる。ステップa3では、図2(a)に示す待ち時間TWAITが経過するのを待ち、時間経過後にステップa4で、第1回目特定情報を1バイト目とする情報フレームを送信する。ステップa5では、WDT付電源回路21のクロック端子CKをマイコン20が読出しまたは書込みを行って、ウォッチドッグタイマのアクセスを行う。ステップa6では、アイドル時間が経過するのを待ち、ステップa7で次の情報フレームの送信を行う。以下、ステップa6のウォッチドッグタイマアクセスからステップa7の情報フレーム送信を繰返して行う。マイコン20が暴走すると、ステップa5のウォッチドッグタイマアクセスが、抵抗23およびコンデンサ24によって設定される時定数に対応する時間内に行われなくなるので、図6(b)に示すようなウォッチドッグリセット動作が行われる。すなわちステップb1でWDT付電源回路21のリセット端子RSTからマイコン20にリセット信号が与えられ、マイコン20はステップb2でウォッチドッグリセット動作を行い、図6(a)のステップa3に移る。構成を簡略化するため、マイコン20のステップa2のパワーオンリセット動作とステップb2のウォッチドッグリセット動作とは同一の動作にしておく。
【0032】
図7は、図1のマスタECU1側の動作を示す。ステップc1で、たとえば車両のイグニッションスイッチを投入すると、動作を開始する。ステップc2では、カウンタ13を初期化して0に設定する。ステップc3で、電源制御回路11を制御して、スレーブECU2の電源をON状態とする。ステップc4では、データ受信を行う。ステップc5で、受信されるデータからエラーを検出する。通常通信の情報フレームは、図3(b)に示すようにチェックサムが設けられているので、情報フレーム毎の合計値の下位8ビット分が0にならなければ、データに誤りがあると判断することができる。ステップc5でエラーが検出されなければ、ステップc6でステップc3でスレーブ電源をONにした直後のデータ受信であるか否かを判断する。直後のデータであると判断されるときには、ステップc4に戻る。直後のデータでないと判断されるときには、ステップc7で、受信された情報が第1回目特定情報であるか否かを判断する。第1回目特定情報でないと判断されるときには、ステップc4に戻る。ステップc7で、第1回目特定情報であると判断されるときには、ステップc8でカウンタ13の計数値を1増加させる。ステップc3でスレーブ電源をONにした直後にも、第1回目特定情報を受信するけれども、ステップc6からステップc4に移行して、次のデータ受信を行うので、ステップc8のカウンタ13の計数の増加は行われない。
【0033】
ステップc8でカウンタ13の計数を増加させると、ステップc9で、増加した計数値が基準回数、たとえば4回以上となっているか否かを判断する。カウンタ13の計数値が基準回数未満であるときには、ステップc4に戻る。ステップc9で、カウンタ13の計数値が基準回数以上であると判断されるときには、ステップc10でランプ9を点灯し、スレーブECU2が故障を起こしていることを表示する。ステップc5で、エラーが検出されるときには、ステップc11でスレーブ電源をOFFにした後、ステップc3で再びスレーブ電源をONとする。本実施形態では、スレーブECU2にウォッチドッグリセットが複数の基準回数、たとえば4回以上行われたときにスレーブECUが故障していると判定する。スレーブECU2が故障していれば、ウォッチドッグリセットの回数は多くなり、複数回の検知も短時間で行われるようになる。1回だけのウォッチドッグリセットの検知で故障と判断すると、ノイズなどによる誤動作も故障と判定してしまう恐れがある。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、スレーブ装置のウォッチドッグタイマの動作によるリセット状態を、マスタ装置はスレーブ装置から送信される情報に基づいて検知し、リセットの発生数が予め設定される複数回を越えるときにスレーブ装置の故障を検出するので、ウォッチドッグタイマ用に専用の通信線を設けないでもスレーブ装置の故障を容易に検出することができる。
【0036】
また、マスタ装置は、スレーブ装置から送信される第1回目特定情報の受信でリセットの発生を検知することができるので、リセットの発生を確実に検知することができる。
さらに、スレーブ装置から送信される情報フレームのうちの最初の情報単位に第1回目特定情報が設定されるので、マスタ装置はスレーブ装置のリセットの発生をリセット発生後に迅速に検知することができる。
【0037】
さらに、マスタ装置はスレーブ装置の電源を制御し、一旦遮断してから投入するときに、スレーブ装置はパワーオンリセット機能でリセット状態となり、第1回目特定情報を送信するけれども、マスタ装置では自身の制御によるリセットは故障検出の発生回数には含めないので、マスタ装置側からの電源の制御に伴うリセットの発生の繰返しでスレーブ装置が故障と判定される恐れを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の概略的な電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施形態で通常通信を行う場合の信号のフォーマットを示す図である。
【図3】図2の通常通信でのデータ構成を示す図である。
【図4】図2の通常通信時のサンプリング状態を示す図である。
【図5】図2(b)に示す点火信号のフォーマットを示す図である。
【図6】図1のスレーブECU2の動作を示すフローチャートである。
【図7】図1のマスタECU1の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 マスタECU
2 スレーブECU
3 電源ライン
5,6 衝撃センサ
7,8 エアバッグ
9 ランプ
10,20 マイコン
21 WDT付電源回路
22 送信回路
23 抵抗
24 コンデンサ
Claims (1)
- 主となる電子制御装置であるマスタ装置が従となる電子制御装置であるスレーブ装置に電源ラインを介して供給する電源を制御し、
前記スレーブ装置は、パワーオンリセット機能とウォッチドッグリセット機能とを備え、通常の情報通信を予め定める複数の情報単位からなる情報フレームによって前記電源ラインを介してマスタ装置に送信し、リセット後の第1回目の通信で最初の情報単位として第1回目特定情報を設定した前記情報フレームをマスタ装置に送信し、
前記マスタ装置は、電源ON直後のパワーオンリセット機能によるリセット後の第1回目特定情報を除き、受信する前記情報フレームの前記第1回目特定情報に従って、前記スレーブ装置のリセットの検出を行い、リセットの発生回数が予め設定されている複数回を越えるとき、前記スレーブ装置に故障が生じていることを検出することを特徴とする電子制御装置間通信時の故障検出方法。
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