JP3731503B2 - 水中における地盤の造成方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、水中に異なる粒径の土層を複数層区分け状態に形成して地盤を造成するのに好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、海水淡水化技術において、海水を取水するには集水管を海中に配管し、ここより取入れた海水を海浜近くの陸上部にある淡水化処理設備側へと導く。この場合、海水を直接取水管内に取入れると、海水とともに小型の海中生物を吸引したり、取水水質が変動する場合もあるため、自然環境に影響を与えたり、導入後の二次処理、および処理に伴う汚泥の発生などの維持管理に問題が生ずる。
【0003】
このような直接取水方式に代えて、最近では、浸透取水方式が採用されている。この方式は、多孔管からなる集水管回りに砕石層を造成し、これの上部にフィルタとなる粒調砕石層および濾過砂層の順に造成しておくことにより、海水から浸透した水はこれらの各層からなる浸透濾過層を通過することで生物その他の混雑物が濾過され、常時一定の水質が得られることになる。
【0004】
この取水設備の具体的な造成方法は、図2に示すごとく、海底の現地砂1を掘削して平らに均し、この現地砂1上に海面WL上の図示しない作業船などによりトレミー管2を垂下し、このトレミー管2を通じて砕石3を投入し、次いで砕石3の表層を均した後、同じくトレミー管2を用いて粒調砕石4を投入し、これの表層を均し、次いで同じくトレミー管2を用いて図示しない濾過砂を投入することで行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以上の造成方法にあっては、層の造成にしたがって砂や砕石を静かに投入したとしても、動的な衝撃力が作用するため、図2の一部に拡大して示すごとく、砕石3の粒子間隙に粒調砕石4が落込み、層間に上下層の構成粒子が広く混在する遷移層5が形成されてしまう。このため、所定の粒度構成が確保された層の深度や層厚が場所によって異なり、浸透取水部の所定断面確保が難しくなる。
【0006】
したがって、浸透取水部の設計層厚を確保するためには、遷移層を考慮した設計が必要となり、初期の掘削深度を大きくしたり、使用材料の食込み率を大きく見込む必要が生じ、施工工程や、コスト面で課題が生ずる。
【0007】
また、遷移層5が厚く造成された場合、浸透濾過層全体の平均的な透水性評価にも影響することになるため、これらの層の透水性評価が設計時に必要となる。
【0008】
本発明は、以上の技術課題を解決するものであって、その目的は、水中に異なる粒径の土層を複数層区分け状態に形成して地盤を造成する方法において土層境界部での遷移層の形成を抑制し、層境界を確保できるようにした水中における地盤の造成方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明方法は、粒径を合わせた土質材料を水中に順次投入し、水中に粒径の異なる複数層の土層からなる地盤を造成する方法において、前記投入される土質材料の粒径が異なる毎に、その土層境界部に時間経過に応じて分解されるシートを敷設して土層間を区画することを特徴とする。具体的には、前記シートが、生分解性素材、水溶性素材からなるものであったり、前記シートが熱融解性素材からなり、敷設後に通電等により加熱することにより、実現することができる。
【0010】
したがって、本発明方法では、シートによって層境界を確保しつつ地盤造成ががなされ、各層の層厚、造成深度を均一にすることができ、しかも供用時には各土層が融合して所定の浸透濾過層が形成される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、添付図面を参照して詳細に説明する。図1(a),(b)は本発明方法を浸透取水方式の海中地盤造成に適用した場合を示すものである。なお、前記と同一箇所には同一符号を付し、新たに説明する箇所にのみ新たな符号を用いて説明する。
【0012】
同図(a)は造成直後の海中薄層地盤を示すものである。図において、先ず海底の現地砂1を所定の深さ掘削し、平らに敷き均した後、遮水シート10を敷設して現地砂1の表面を覆い、周囲を仮固定した状態で前記トレミー管2を用いて大粒径の砕石3を所定厚み撒き出し、次いで表面を平らに均す。なお、図中符号12は砕石3の内部に埋設された多孔管からなる集水管の端部を示し、この集水管12は海浜近くの陸上部にある淡水化処理設備側に接続されている。均し作業後は、透水シート14を敷設して周囲を仮固定し、砕石3の層を覆う。
【0013】
次に、同じくトレミー管2を用いて小粒径の粒調砕石4を透水シート上に所定厚み撒き出し、同じく敷き均し作業を行った後、透水シート16を敷設し、砕石4の層を覆う。最終的に、トレミー管2を用いて濾過砂18を透水シート上に撒きだし、(a)のごとく、工事を完了する。
【0014】
なお、砕石3の粒径は20〜40mm程度、粒調砕石4の粒径は2.5〜13mm程度、濾過砂の粒径は0.3〜0.45mm程度のものが用いられる。
【0015】
透水シート14、16は、それぞれの粒径に応じたメッシュのシートが用いられ、各層間を区画する。また、遮水シート10、透水シート14,16の仮固定作業はダイバーなどによってなされる。
そして、以上述べた透水シート14,16および遮水シート10は、時間経過によって消失する素材が用いられる。具体的には、生分解性素材、水溶性素材、或は熱融解性素材などが用いられ、所定時間経過後には(b)に示すごとく、これらシート10,14,16は分解消滅する。
【0016】
このうち、熱融解性素材を用いたシートの場合には、ヒータなどを織り込んでおき、電気を通電することで融解するもので、工事完了後、任意の時期に除去が可能である。また、生分解性或は水溶性素材のシートの場合には、材料に応じて数日から一年程度の時間を掛けて徐々に分解消滅することになる。
【0017】
シートの消滅により、各土層間には重量のみが作用し、その静圧により境界部では粒子間隙に落込んで遷移層が形成されるが、その落込み量は僅かであり、ほぼ層境界を保った状態で各土層の粒度分布が一定に保たれることになる。
【0018】
なお、以上の実施形態では、海中に地盤を造成する場合について説明したが、同様の要領で河川、湖沼などにも適用可能であることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明により明らかなように、本発明による水中における地盤の造成方法によれば、水中に異なる粒径の土層を複数層区分け状態に形成して地盤を造成する方法において、土層境界部での遷移層の形成を抑制し、層境界を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明を浸透取水方式の海中地盤造成に適用した場合の造成初期段階を示す断面説明図である。
(b)は同経時後の海中地盤の断面説明図である。
【図2】従来の水中地盤造成方法を示す一部拡大部分を含む断面説明図である。
【符号の説明】
1 海底現地砂
3 砕石
4 粒調砕石
10 遮水シート
14,16 透水シート
18 濾過砂
Claims (3)
- 粒径を合わせた土質材料を水中に順次投入し、水中に粒径の異なる複数層の土層からなる地盤を造成する方法において、
前記投入される土質材料の粒径が異なる毎に、その土層境界部に時間経過に応じて分解されるシートを敷設して土層間を区画することを特徴とする水中における地盤の造成方法。 - 前記シートが、生分解性素材、水溶性素材からなるものであることを特徴とする請求項1に記載の地盤の造成方法。
- 前記シートが熱融解性素材からなり、敷設後に通電等により加熱することを特徴とする請求項1に記載の地盤の造成方法。
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JP2001200711A JP3731503B2 (ja) | 2001-07-02 | 2001-07-02 | 水中における地盤の造成方法 |
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- 2001-07-02 JP JP2001200711A patent/JP3731503B2/ja not_active Expired - Fee Related
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