JP3731092B2 - ポリスチレン製エンボスキャリアーテープ用カバーテープ - Google Patents

ポリスチレン製エンボスキャリアーテープ用カバーテープ Download PDF

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Description

【0001】
【従来技術】
IC、トランジスター、ダイオード、圧電素子レジスター、コンデンサー等の表面実装用チップ型電子部品は、▲1▼電子部品の形状に合わせて収納できるエンボス成形されたポケットを連続的に形成したプラスチック製エンボスキャリアーテープと、▲2▼エンボスキャリアーテープに熱接着可能なカバーテープとからなる包装体に包装されて供給される。
【0002】
内容物である電子部品は、エンボスキャリアーテープ内に収納された状態で輸送され、保管される。そして、使用時において、電子部品実装自動機によってカバーテープがエンボスキャリアーテープの熱接着面において剥離開封され、内容物が包装体から取り出されて電子回路基板に表面実装される。エンボスキャリアーテープには、使用後の焼却処理の際の環境汚染が少ないことからポリスチレン製のものが主として使用されている。
【0003】
しかしながら、上記従来のカバーテープでは、下記の諸特性のすべてを満たすものがなく、これらの点においてなお改善の余地がある。
【0004】
(1)カバーテープとエンボスキャリアーテープとの熱接着強度が包装体の剥離開封時に易剥離性が得られる範囲にあること
殊に、後述する試験条件で測定したときの熱接着強度が500〜1500g/15mm幅程度であり、かつ、熱接着強度にバラツキがなく均一であることが望ましい。500g/15mm幅未満の場合には、エンボスキャリアーテープとカバーテープとの間でデラミ現象が起こるため、包装体の搬送中に内容物である電子部品がエンボスキャリアーテープ内から飛び出したり、外部からの塵埃等が包装体内に侵入し、内容物の電子部品が汚染されるおそれがある。
【0005】
一方、熱接着強度が1500g/15mm幅を超える場合には、スムーズな剥離が妨げられるため、この場合にも内容物の電子部品がエンボスキャリアーテープ内から飛び出すおそれがある。
【0006】
また、たとえ熱接着強度が上記範囲内であっても、その強度にバラツキがある場合には開封時にスムーズな剥離が妨げられる。即ち、内容物の電子部品がエンボスキャリアーテープからカバーテープを剥離開封する際に、スリップステイック現象が起こるため、開封性が阻害される。スリップステイック現象とは、エンボスキャリアーテープからカバーテープを剥離開封していく過程で、最初はスムーズに抵抗なく剥がれていくが、次第に抵抗が生じてスムーズな剥離ができなくなる結果、剥離が断続的になる現象を言う。
【0007】
(2)カバーテープとエンボスキャリアーテープとをできるだけ低温で熱接着できること
高温での熱接着を必要とする場合は、内容物である電子部品がその熱の影響を受けて品質劣化するおそれがある。好ましい熱接着温度は、エンボスキャリアーテープの大きさ、形状等及びその内容物の種類、大きさ、形状等によって異なるが、一般的には140℃程度以下であり、好ましくは120℃程度以下である。
【0008】
(3)帯電防止効果が十分であること
殊に、後述する試験条件においてカバーテープの外層面及び内層面の表面抵抗率が1012Ω/cm2以下であることが好ましい。
【0009】
カバーテープにおける帯電防止効果が不十分である場合には、カバーテープの製造段階、電子部品の熱接着包装工程及びカバーテープの剥離開封時において、カバーテープが帯電して作業雰囲気中の塵埃、異物等が吸着される結果、精密な電子部品が塵埃、異物等により汚染され、電子部品の性能に悪影響を及ぼす。また、たとえエンボスキャリアーテープ側に帯電防止処理がなされていても、内容物の電子部品が小型であればそれだけカバーテープ側に静電付着し易くなり、エンボスキャリヤーテープのキャビティ(ポケット)から脱落し又は位置ずれを起こし、電子部品の自動実装が困難になる。さらに、帯電したカバーテープへの接触によって放電が生じ、電子部品の静電破壊をもたらすおそれもある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、ポリスチレン製エンボスキャリアーテープ用として好適なカバーテープを提供することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記従来技術の問題に鑑み、鋭意研究を重ねた結果、特定構成の積層体がカバーテープとして優れた性能を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
即ち、本発明は、外層フィルム層、補強フィルム層、接着強化層及び熱接着剤層を順次積層させたポリスチレン製エンボスキャリアーテープ用カバーテープであって、
(a)接着強化層が、ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物から形成され、
(b)熱接着剤層が、ポリアクリレート系樹脂及びテトラアルキルアンモニウムクロライドを含む樹脂組成物から形成されている
ことを特徴とするカバーテープに係るものである。
【0013】
【発明の実施の態様】
以下、本発明をその実施の態様とともに説明する。
【0014】
▲1▼ 外層フィルム層
外層フィルム層の材質としては、公知の樹脂フィルムを使用でき、例えばポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン等を使用できる。これらのフィルムは、特に二軸延伸フィルムを用いることが好ましい。
【0015】
また、これらのフィルムは、帯電防止処理が施されていることが好ましい。帯電防止方法としては、公知の方法が採用できるが、コロナ放電処理によって帯電防止処理されていることがより好ましい。なお、帯電防止処理は、外層フィルム層の少なくとも一面(片面又は両面)に施されていれば良い。
【0016】
外層フィルム層の厚さは、内容物、用途等によって適宜変更することができるが、通常6〜50μ程度、好ましくは6〜25μである。
【0017】
▲2▼ 補強フィルム層
補強フィルム層の材質は、特にその種類に制限はなく、公知の樹脂フィルムを使用することができる。例えば、ポリエチレン(直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン等)、エチレンー酢酸ビニル共重合体、ナイロン等を使用できる。
【0018】
これらのフィルムは、帯電防止処理がなされていることが好ましい。帯電防止処理方法は、公知の方法が採用できるが、コロナ放電処理によって帯電防止処理されていることがより好ましい。帯電防止処理は、補強フィルム層の少なくとも一面にされていれば良い。
【0019】
補強フィルム層の厚さは、内容物、用途等によって適宜変更することができるが、通常20〜80μ程度、好ましくは20〜40μである。
【0020】
なお、上記外層フィルム層と補強フィルム層との積層には、必要に応じて接着剤を用いることができる。従って、この場合には、両層の間に接着剤層が存在することとなるが、接着剤層を含む状態も本発明に包含される。本発明において接着剤層を含むカバーテープを図1に示す。
【0021】
▲3▼ 接着強化層
接着強化層は、ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物から形成されている。この中でも特に線状飽和ポリエステル樹脂とイソシアネート樹脂(硬化剤)との二液反応型樹脂が好ましい。また、上記樹脂組成物は、溶剤可溶性のものを用いるのが好ましい。これらは市販のものを用いることができる。
【0022】
また、接着強化層には、必要に応じて帯電防止剤等を適宜配合することができる。帯電防止剤は、公知のものを使用することができる。
【0023】
接着強化層の塗布量は、内容物、用途等によって適宜変更することができるが、通常0.5〜2.0g/m2(固形分)程度とすれば良い。接着強化層の存在により、熱接着剤層と補強フィルムとの接着性を高めて強固なものとする。
【0024】
▲4▼ 熱接着剤層
熱接着剤層は、ポリアクリレート系樹脂及びテトラアルキルアンモニウムクロライドを含む樹脂組成物から形成されている。
【0025】
ポリアクリレート系樹脂は、公知のものが使用でき、また市販品も用いることができる。その中でも、特に、溶剤可溶性のものが好ましい。
【0026】
テトラアルキルアンモニウムクロライドは、その少なくとも1つのアルキル基が炭素数12〜20であるテトラアルキルアンモニウムクロライドが好ましい。この中でも特に、一般式(〔RN(CH33+Cl- ,R:アルキル基)で示される、アルキルトリメチルアンモニウムクロライドがより好ましい。これらは、市販されているものも使用することができる。
【0027】
上記テトラアルキルクロライドの含有割合は、ポリアクリレート系樹脂100重量部(固形分)に対し、通常2.5〜14.0重量部(固形分)程度、好ましくは5.0〜10.0重量部(固形分)とすれば良い。 熱接着剤層における塗布量は、樹脂固形分換算で通常1.0〜6.0g/m2程度とし、より好ましくは1.0〜2.0g/m2である。
【0028】
本発明カバーテープは、これら各層を公知の方法に従って積層することにより得られる。例えば、まず、外層フィルム層として、予めコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリエステルフィルムを使用し、ドライラミネーターにより補強フィルムと貼り合わせる。この場合、外層フィルムと補強フィルムの積層には、公知の接着剤を使用することもでき、例えば二液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を樹脂固形分換算で塗布量4〜5g/m2程度となるように塗布し、乾燥させれば良い。次に、グラビアコーター等を用いて補強フィルムの下面に、所定の塗布量となるように接着強化層を形成する。最後に、再びグラビアコーター等を使用して、接着強化層の下面に、前記熱接着剤を塗布し、乾燥して熱接着剤層を形成すれば、本発明カバーテープを得ることができる。
【0029】
本発明カバーテープは、例えば図2に示すように、エンボスキャリアーテープの開口縁部に熱接着して使用することができる。熱接着条件は、熱接着剤層の組成、エンボスキャリアーテープの種類等に応じて適宜設定すれば良い。
【0030】
【発明の効果】
本発明のカバーテープによれば、低温熱接着性に優れているため、特に内容物である電子部品等の熱による品質劣化を回避することができる。また、内容物の電子部品を取り出す際には、カバーテープの熱接着層が易開封性を有するため、キャリアーテープのキャビティからの電子部品の脱落、位置ずれが生じないので電子部品の自動実装が容易に行うことができる。
【0031】
また、本発明カバーテープは、その帯電防止効果が優れているため、作業雰囲気中の塵埃、異物等による電子部品への障害がない。しかも、カバーテープに電子部品が接触しても放電現象による電子部品の静電破壊を起こさない。
【0032】
このような特徴を有するカバーテープは、特にポリスチレン製エンボスキャリアーテープ用に好適に使用することができる。
【0033】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
【0034】
実施例1〜3及び比較例1〜14
表1〜3に示す材料を用いてカバーテープをそれぞれ製造した。
【0035】
まず、外層フィルム層を形成するフィルムとして、下面(即ち、補強フィルムとの貼合わせ面)に予めコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリエステルフィルムを使用し、ドライラミネーターにより補強フィルムと貼り合わせた。
【0036】
ドライラミネーターの塗布ゾーンにおいて、外層フィルムの下面に二液硬化型ウレタン系ドライラミネート用接着剤を樹脂固形分換算で塗布量4〜5g/m2となるように塗布し、乾燥ゾーンにおいて乾燥した後、貼り合わせゾーンにおいて補強フィルムと貼り合わせた。
【0037】
次に、グラビアコーターを用いて補強フィルムの下面に、樹脂固形分換算で 1.5g/m2の塗布量となるように接着強化層を形成した。
【0038】
次いで、再びグラビアコーターを使用して、接着強化層の下面に、樹脂固形分換算で1.5g/m2の塗布量となるように熱接着剤を塗布し、乾燥して熱接着剤層を形成し、カバーテープを得た。但し、テトラアルキルアンモニウムクロライドとして、それを含む市販の帯電防止剤を用いた。
【0039】
なお、比較例4については、接着強化層の形成工程が省略されているほかは、上記と同様の方法で作製した。比較例12〜14は、市販のカバーテープであり、その構成を表4及び表5に示す。比較例12は、外層フィルム層、補強フィルム層、及び帯電防止剤として無機質顔料が配合されている溶剤不溶解タイプの熱接着剤層が順次積層されたものである。比較例13は、外層フィルムの下面に帯電防止剤として無機質顔料が配合されている溶剤不溶解タイプの熱接着剤層が設けられたものである。
【0040】
比較例14は、外層フィルム層、補強フィルム層、帯電防止剤として無機質顔料が配合されている二軸延伸PETフィルム層、及び帯電防止剤として無機質顔料が配合されている溶剤可溶解タイプの熱接着剤層が順次に積層されたものである。
【0041】
【表1】
Figure 0003731092
【0042】
【表2】
Figure 0003731092
【0043】
【表3】
Figure 0003731092
【0044】
【表4】
Figure 0003731092
【0045】
【表5】
Figure 0003731092
【0046】
なお、表1〜表3において使用した樹脂等は、以下に示す通りである。
【0047】
*外層フィルム層(実施例1〜3及び比較例1〜11)
二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(東洋紡績(株)製「エスペットT6140」、厚さ12μ)
*補強フィルム層
直鎖状低密度ポリエチレン(サーモ(株)製「サモハンLS30」)
*接着強化層(1)
ポリエステル系樹脂(「ディクシールA970」大日本インキ化学工業(株)製)と硬化剤(「KX75」大日本インキ化学工業(株)製)との配合樹脂:配合比率100/5
*接着強化層(2)
ポリウレタン系樹脂(「アドコートAD335AE」東洋モートン(株)製)とイソシアネート系硬化剤(「CAT10」東洋モートン(株)製)との配合樹脂:配合比率100/10
*接着強化層(3)
ポリイソシアネート系樹脂(「EL150」東洋モートン(株)製)とアミン樹脂系反応促進剤(「CAT200」東洋モートン(株)製)との配合樹脂:配合比率100/2
*接着強化層(4)
ポリエチレンイミン系一液樹脂(「EL420」東洋モートン(株)製)
*熱接着剤層
ポリアクリレート系樹脂(「ディクシールA450A」大日本インキ化学工業(株)製)
*帯電防止剤(1)
モノアルキルアンモニウムクロライド(「アーカードT50」ライオン(株)製)
*帯電防止剤(2)
モノアルキルアンモニウムクロライド(「アーカードC50」ライオン(株)製)
*帯電防止剤(3)
アルキルアミン系化合物(「エソミンC/15」ライオン(株)製)
*帯電防止剤(4)
アルキルアミン系化合物(「エソミンT/15」ライオン(株)製)
*帯電防止剤(5)
アルキルアミン系化合物(「エソミンS/15」ライオン(株)製)
得られたカバーテープについて、下記の方法により低温熱接着性、スリップステイック現象の有無及び透明性についてそれぞれ評価した。その結果を表6〜 10に示す。
【0048】
(1)低温熱接着性及びスリップステイック現象の有無
試料を300μのHIPSシート(住友化学社製「M583」)と3kg/cm2×1秒間でヒートシーラー(東洋精器(株)製)にて熱接着した。この際、熱接着温度を120℃、140℃及び160℃に変えて各温度での熱接着強度を測定した。
【0049】
熱接着強度の測定は、JIS.K6854に準拠して行った。但し、試料は、15mm幅の短冊型に切断したものを用意し、剥離角度は180゜(試料を180゜に折り曲げる)とし、剥離速度は300mm/分とした。
【0050】
熱接着強度は、自記録式チャート紙に記録したが、バラツキがみられるものは、スリップステイック現象を生じているものである。これをさらに確認するために熱接着した15mm幅の試料を手で一定の力で180度に剥離し、剥離状況を肉眼で観察した。判定基準としては、連続した一定の抵抗でスムースに剥離する場合を「無し」とし、抵抗が不連続でぎくしゃくと剥離する場合を「有り」とした。
【0051】
また、市販品である比較例12〜14については、120〜160℃の低い熱接着温度ではバラツキのない安定した熱接着強度(500〜1500g/15mm幅)が得られなかったので、さらに180〜220℃の高温で熱接着させた場合の熱接着強度も測定した。
【0052】
(2)表面抵抗
表面抵抗計(三菱化学(株)製「MCPーHT250」)により、25℃で関係湿度35%雰囲気中で測定した。測定は、外層面(外層フィルム層側)と内層面(熱接着剤層側)の両面で行った。
【0053】
(3)透明性
自記分光光度計((株)島津製作所製「MPS5000」測定器)によって実施例1〜3及び比較例1〜14のカバーテープの可視光線の透過率を測定した。
【0054】
【表6】
Figure 0003731092
【0055】
【表7】
Figure 0003731092
【0056】
【表8】
Figure 0003731092
【0057】
【表9】
Figure 0003731092
【0058】
【表10】
Figure 0003731092
【0059】
実施例1〜3及び比較例4〜7の結果から、溶剤可溶解型ポリエステル樹脂にイソシアネート架橋した接着強化層は低温熱接着性が良好であるのに対し、比較例4〜7の接着強化層は低温熱接着性に劣ることがわかる。
【0060】
また、実施例1〜3の熱接着剤層は、低温熱接着性に優れている溶剤可溶解型ポリアクリレート系樹脂からなっており、これは120℃の低温で易開封性能がある溶剤可溶解樹脂タイプである。これに対して、従来品の比較例12〜13は180℃以上の熱接着温度を必要とすることから、低温熱接着性能に劣る。特に、比較例13は、スリップステイック現象が生じた。また、比較例である従来品は、低温及び高温のいずれでも十分な熱接着強度が得られなかった。
【0061】
さらに、比較例1及び2からわかるように、溶剤可溶解型ポリアクリレート系樹脂100重量部(固形分)に対するテトラアルキルアンモニウムクロライド(帯電防止剤)の添加量が2.5重量部未満(固形分で)である樹脂組成物の場合には、表面抵抗(内層面)が1014Ω/ cm2と大きく、帯電防止効果が認められない。一方、比較例3のように溶剤可溶解型ポリアクリレート100重量部(固形分)に15.0重量部(固形分で)を添加してなる樹脂組成物の場合では、表面抵抗(内層面)が108Ω/cm2と比較的良好な性能を示すものの、低温熱接着性は十分でない。これらに対し、実施例1〜3の溶剤可溶解型ポリアクリレート系樹脂100重量部(固形分)に対して 3.3〜13.3重量部(固形分で)を添加した樹脂組成物においては、低温熱接着性及び表面抵抗値が良好であることがわかる。
【0062】
比較例8〜11は、熱接着剤層において本発明のテトラアルキルアンモニウムクロライドを使用していないので、低温熱接着性に劣ることがわかる。
【0063】
他方、エンボスキャリアーテープのキャビティ内に、内容物である電子部品が所定の状態で収納されているかどうか(収納の有無、収納の方向等)を目視によって検査される。検査は、包装体のエンボスキャリアーテープ側からもカバーテープ側からも行えることが好ましい。このため、カバーテープは透明性に優れていることが要求されるが、従来品である比較例12〜14の可視光透過率が80〜85%であるのに対し、実施例1〜3はいずれも90%であって透明性に優れていることがわかる。
【0064】
以上の結果から明らかなように、本発明によるカバーテープは、低温熱接着性、表面抵抗(外層面・内層面)、スリップステイック性、透明性の諸特性において、総合的に優れていることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明カバーテープの層構成を示す断面図である。
【図2】本発明カバーテープをキャリアーテープに熱接着した状態を示す概略図である。

Claims (4)

  1. 外層フィルム層、補強フィルム層、接着強化層及び熱接着剤層を順次積層させたポリスチレン製エンボスキャリアーテープ用カバーテープであって、
    (a)接着強化層が、ポリエステル系樹脂を含む樹脂組成物から形成され、
    (b)熱接着剤層が、ポリアクリレート系樹脂及びテトラアルキルアンモニウム
    クロライドを含む樹脂組成物から形成されている
    ことを特徴とするカバーテープ。
  2. テトラアルキルアンモニウムクロライドにおいてそのアルキル基の少なくとも1つが炭素数12〜20である請求項1記載のカバーテープ。
  3. テトラアルキルアンモニウムクロライドが、モノアルキルトリメチルアンモニウムクロライドであって、そのアルキル基の炭素数が12〜20である請求項1記載のカバーテープ。
  4. 熱接着剤層が、ポリアクリレート系樹脂100重量部(固形分)に対し、テトラアルキルアンモニウムクロライドを2.5〜14.0重量部(固形分)含む樹脂組成物から形成されている請求項1乃至3のいずれかに記載のカバーテープ。
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