JP3730974B2 - メディア伝送方法及びその送信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラやマイクからの音声・映像データ、すなわちメディアデータを高品質で伝送するためのメディア伝送方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
イントラネット、インターネットといった、IP(Internet Protocol)ネットワーク上では、様々な接続形態があり、接続形態により利用可能な帯域が数Kbps〜数百Mbpsと大きく異なる。しかも、他のフロー(伝送データ)の影響により、利用可能な帯域が時間的に変動する。このようなネットワークでメディアデータ伝送を行うためには、利用可能な伝送帯域にあわせて伝送レートを調整する伝送レート制御が必要になる。
【0003】
メディアデータをインターネットでリアルタイムに伝送するプロトコルとしてRTP(Realtime Transport Protocol)/RTCP(RTP Control Protocol)が知られている(非特許文献1参照)。このRTP/RTCPによれば、受信端末から送信端末へパケットロス率、伝播遅延時間、ジッタなどに関する情報をフィードバックし、このフィードバック情報に基づいてメディアデータの伝送レートを決定する。受信端末からのフィードバック情報の送信間隔(通知間隔)は固定値、例えば5秒であった。
【0004】
フィードバック情報を利用した伝送レート制御方法の1つとして、TFRC(TCP Friendly Rate Control)が知られている(非特許文献2参照)。このTFRCによれば、パケットロスが発生するまで伝送レートを上昇させ、パケットロスが発生した場合に伝送レートを下げるという制御を行うことで、メディアデータの伝送に適した円滑な伝送レートの更新が達成される。伝送レートの更新間隔は、1×RTT(Round Trip Time:往復伝播遅延時間)、例えば数十〜数百msである。
【0005】
一方、RTPに誤り訂正能力を付加する技術であるRFC2733方式も知られている(非特許文献3参照)。このRFC2733方式では、前方誤り訂正(FEC:Forward Error Correction)のための冗長データであるFECデータが、送信すべきデータに付加される。
【0006】
【非特許文献1】
H. Schulzrinne et al., "RTP: A Transport Protocol for Real-Time Applications", RFC 1889, Internet Engineering Taskforce, Jan. 1996
【非特許文献2】
M. Handley et al., "TCP Friendly Rate Control (TFRC): Protocol Specification", RFC 3448, Internet Engineering Taskforce, Jan. 2003
【非特許文献3】
J. Rosenberg et al., "An RTP Payload Format for Generic Forward Error Correction", RFC 2733, Internet Engineering Taskforce, Dec. 1999
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
メディアデータに基づく符号化データを伝送する場合、TFRCに従って伝送レートを数十〜数百ms間隔で更新し、伝送レートが更新されるたびに符号化レートを更新することとすると、符号化レートが頻繁に変化する。したがって、例えば伝送する映像の画質が頻繁に変化することとなるため、主観画質が低下してしまう。
【0008】
また、受信端末から送信端末へのフィードバック情報の通知間隔を短くすると、利用可能な伝送帯域にすばやく追従し、伝送帯域を効率良く利用できるという利点がある反面、送信端末での伝送レートの更新頻度が高くなり、メディアデータの品質が頻繁に変化することになり、安定した品質でメディア伝送ができなくなる。また、他のフローとのスループットの公平性が低下する。逆に、フィードバック情報の通知間隔を長くすると、伝送レートの更新頻度が低くなり、伝送レートが安定するが、伝送帯域の変動にすばやく追従できなくなり、伝送帯域の効率的な利用ができなくなる。また、通知間隔が長い場合には、利用可能な伝送帯域が狭くなるとパケットがバースト的にロスすることになり、メディアデータの伝送品質が極端に劣化する。
【0009】
更に、従来は、データのパケットサイズが一定であったため、伝送レートが低下すると、送出するパケット数が少なくなる。パケットロス率Lは通常、受信端末において、
L=1−(期間Tのうちに受信端末に到達したデータパケットの数)/(期間Tのうちに送信端末が送信したデータパケットの数)
で算出される。期間Tは通常、前回のフィードバック情報を送信してから、今回のフィードバック情報を送信するまでの時間間隔である。この式から、送信端末が送出するパケット数が少なくなると、1つのパケットのパケットロスがパケットロス率を大きく変化させることが判る。例えば、伝送レートが極端に低くなり、期間Tのうちに1つしかパケットを送出できない状況であった場合には、パケットロス率は、そのパケットがロスしなかった場合には0%となり、ロスした場合には100%となる。このような状況では、パケットロス率をきめ細かく観測できないことが原因で、ネットワークの輻輳状態を正確に把握することができなくなる。
【0010】
更に、TFRCに代表される、TCPとの公平性を主眼に置いた方式においては、伝送レートを決定するための計算式の分母にRTTを含んでいる。RTTは、送信端末と受信端末との間をパケットが往復するのに要する時間であり、送信端末と受信端末との間の距離が短ければ1ms以下の値をとり得る。このような状況下では、RTTの測定結果が、送信端末からパケットを送信する処理を行うオペレーティングシステムの処理遅延の揺らぎや、パケットの転送処理を行うルータなどの転送処理の遅延の揺らぎなど、ネットワークの輻輳状態とは関連のない遅延の揺らぎによる影響を受け、その結果として伝送レートが大きく揺らいでしまう。
【0011】
本発明の目的は、利用可能な帯域が大きく変動する環境下で高品質のメディアデータ伝送を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、符号化レートの頻繁な更新を抑制することとしたものである。
【0013】
具体的に説明すると、本発明は、メディアデータに基づく符号化データの伝送において、ネットワークの伝送状態に応じて伝送レートを更新し、かつ伝送レートの更新頻度より少ない頻度で符号化レートを更新することとしたものである。例えば、伝送レートの更新間隔より長いタイムアウト時間が設定されたタイマがタイムアウトした時、あるいは伝送レートが所定の範囲を外れる値に更新された時に、ある時間内の伝送レートの最小値に応じて符号化レートを更新する。符号化データに誤り訂正のための冗長データを付加する場合には、伝送レートと符号化レートとの差を冗長データの送出レートに割り当てればよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るメディア伝送方法並びにその送信装置及び受信装置の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1及び図2は、メディアデータに基づく符号化データを伝送するためのメディア伝送システムの構成を示している。図1はメディア送信装置(送信端末)100の内部構成例を、図2はメディア受信装置(受信端末)200の内部構成例をそれぞれ示す。これら送信端末100と受信端末200とは、ネットワーク150を介して互いに接続されている。ネットワーク150は、有線網、無線網のいずれでもよく、有線網と無線網とを相互接続したネットワークであってもよい。送信端末100と受信端末200との間の伝送プロトコルとして、例えばRTP/RTCPを採用する。
【0019】
図1の送信端末100は、音声・映像入力部101と、符号化部102と、FEC生成部103と、伝送部104と、伝送レート決定部105と、符号化レート及びFECデータ送出レート決定部106と、パケットサイズ決定部108と、RTT計算部109とで構成されている。音声・映像入力部101は、符号化すべき音声・映像データ(メディアデータ)を入力するためのカメラ、マイクなどの手段である。符号化部102は、指定された符号化レートRcに従ってメディアデータから符号化データを生成するための手段である。例えばMPEG(Moving Picture Coding Experts Group)1/2/4、AMR(Audio/Modem Riser)などの標準化された圧縮・符号化方式を採用すればよい。また、この符号化部102は、パケットサイズ決定部108により決定されたパケットサイズでデータを出力する機能を有する。FEC生成部103は、指定されたFECデータ送出レートRfに従って符号化データから、誤り訂正用の冗長データであるFECデータを生成するための手段である。伝送部104は、符号化データとともにFECデータをネットワーク150へ送信し、かつネットワーク150の伝送状態を示すフィードバック情報(パケットロス率、伝播遅延時間、ジッタなど)が受信端末200から得られるように制御情報を送受信するための手段である。伝送レート決定部105は、フィードバック情報と、RTT計算部109により計算されたRTTとに基づいて伝送レートRsを更新し、かつFEC生成部103へパケットロス率を伝えるための手段である。伝送レートRsの決定アルゴリズムとして、例えばTFRCを採用する。符号化レート及びFECデータ送出レート決定部106は、Rc更新タイマ107を用いて伝送レートRsの更新頻度より少ない頻度で符号化レートRcを更新し、かつ伝送レートRsと符号化レートRcとの差をFECデータ送出レートRfに割り当てるための手段である。パケットサイズ決定部108は、伝送レート決定部105より通知された伝送レートRsからパケットサイズを決定し、その結果を符号化部102に通知するための手段である。RTT計算部109は、伝送部104よりフィードバック情報を受け取り、このフィードバック情報から、伝送レートRsの計算に使用する往復伝播遅延時間(RTT)を算出するための手段である。
【0020】
図2の受信端末200は、伝送部201と、パケットロス回復部202と、復号部203と、再生部204と、フィードバック情報生成部205と、通知間隔制御部206とで構成されている。伝送部201は、送信端末100からネットワーク150を介して伝送されてきた符号化データ及びFECデータを受信し、かつ当該ネットワーク150の伝送状態を示すフィードバック情報を生成できるように制御情報を送受信するための手段である。パケットロス回復部202は、ネットワーク150でロスしたパケット中の符号化データを、FECデータを用いて復元するための手段である。復号部203は、符号化データを復号することによりメディアデータを得るための手段である。再生部204は、復号結果を再生するためのディスプレイ、スピーカなどの手段である。フィードバック情報生成部205は、ネットワーク150の伝送状態を示すフィードバック情報を生成するための手段である。生成されたフィードバック情報は、伝送部201によりネットワーク150を介して送信端末100へ通知される。通知間隔制御部206は、ネットワーク150の伝送状態に応じてフィードバック情報の通知間隔Tfを制御するための手段である。
【0021】
図3は、図1中の符号化レート及びFECデータ送出レート決定部106の初期動作を示している。送信端末100が起動すると、まず定数U及びVの値を取得する。定数Uは伝送レートRsの小変動幅を定義するための値(U>1)であり、定数Vは符号化レートRcが伝送レートRsを上回ることがないようにするための値(0<V<1)である。次に、Rc更新タイマ107のタイムアウト時間To(1×RTTより長く、例えば3秒)と、伝送レートRsの初期値とをそれぞれ取得する。次に、符号化レートRcの初期値をV×Rsとし、FECデータ送出レートRfの初期値をRs−Rcとする。そして、最大伝送レートRs_maxを変数Rs_minにセットしたうえ、Rc更新タイマ107をスタートしてWAIT(待機)状態になる。Rs_minは、ある時間内の伝送レートRsの最小値を求めるための変数である。
【0022】
図4は、図1中の符号化レート及びFECデータ送出レート決定部106の割り込み動作を示している。同決定部106に割り込みが入ってWAIT状態を脱するのは、伝送レート決定部105により伝送レートRsが更新された時と、Rc更新タイマ107がタイムアウトした時である。なお、伝送レートRsは、受信端末200からのフィードバック情報の到着毎に、伝送レート決定部105によりTFRC方式に従って更新されるものとする。
【0023】
更新された伝送レートRsが符号化レート及びFECデータ送出レート決定部106に通知されると(ステップ301)、通知された伝送レートRsが現在の符号化レートRcにより定義される変動幅(Rc<Rs<U×Rc)に収まっているかどうかが調べられる(ステップ302)。伝送レートRsが当該変動幅に収まっている場合には、現在の符号化レートRcを更新せずに、通知された伝送レートRsに従ってFECデータ送出レートRfを更新する(Rf=Rs−Rc:ステップ303)。更に、通知された伝送レートRsが、Rc更新タイマ107をスタートしてから現在までの間で最小の伝送レートであれば、これを変数Rs_minに保存して(ステップ304)、WAIT状態に戻る。
【0024】
一方、Rc更新タイマ107のタイムアウトが発生した場合には(ステップ305)、その時点での変数Rs_minの値を用いて符号化レートRcを更新し(Rc=V×Rs_min)、現在の伝送レートRs及び更新された符号化レートRcに従ってFECデータ送出レートRfを更新し(Rf=Rs−Rc)、Rc更新タイマ107をリスタートさせ、最大伝送レートRs_maxを変数Rs_minに再度セットしたうえ(ステップ306)、WAIT状態に戻る。
【0025】
上記変動幅(Rc<Rs<U×Rc)を外れるほど伝送レートRsが大きく変動させられた場合には、通知された伝送レートRsを変数Rs_minにセットしたうえ(ステップ307)、符号化レートRcの更新などの上記ステップ306の動作を行い、WAIT状態に戻る。
【0026】
以上のアルゴリズムにより、符号化レートRcの更新頻度が抑制され、かつ適切なFECデータ送出レートRfが得られる。
【0027】
次に、図1中のFEC生成部103の動作例を説明する。FECデータの生成には、例えばRFC2733のXOR(排他的論理和)演算を用いる。簡易的には、固定の誤り耐性を前提として、例えば2つの連続したパケットのロスを回復できるようにFECデータを生成する。ただし、連続して何個のパケットにロスが発生するかを検出して、誤り訂正能力を変更してもよい。図3及び図4のアルゴリズムで決定されたFECデータ送出レートRfよりも生成されたFECデータ量の方が小さければ全てのFECデータを送出し、大きければ送出するFECデータ量を調整する。送出すべきFECデータ量が多過ぎる場合は、誤り訂正能力を低くすることでFECデータ量を削減してもよい。XOR演算以外に、パリティやリードソロモンといった誤り訂正方式も利用できる。
【0028】
FECデータ送出レートRfや、パケットロス率に応じて、複数の誤り訂正方式を動的に切り替えることとしてもよい。例えば、パケットロス率が高い場合にはリードソロモンとインターリーブとを組み合わせた強い誤り耐性を、パケットロス率が低い場合にはパリティのような弱い誤り耐性をそれぞれ選択する。
【0029】
FECデータ送出レートRfが一定期間、閾値D2(固定値)より高い場合には、誤り訂正の演算処理量が少ないが、誤り耐性の低いパリティ方式を用いる。逆に、FECデータ送出レートRfが一定期間、閾値D2以下の場合には、誤り訂正の演算処理量が多いが、誤り耐性の高いリードソロモン方式を用いる。このようにすることで、FECデータの送出量が多い場合にはパリティ方式で受信端末200の処理負荷を抑え、FECデータの送出量が少ない場合にはリードソロモン方式で誤り耐性を高く保つことができる。なお、パリティ方式で受信端末200の処理負荷を下げることにより、より多くの送信端末100からの映像データを受信することができ、また処理遅延が小さくなり低遅延でメディアデータ再生が可能となるといった利点がある。
【0030】
また、FEC生成部103において、パケットロス率に応じて誤り耐性を付与するデータを選択したり、データ数を決定することとしてもよい。パケットロス率が高い場合には、例えば映像データの場合はイントラフレームや、ビデオヘッダ、音声データの場合は有音部分など、復号に重要なデータに対して選択的に誤り耐性を付与するのである。
【0031】
これを詳細に説明すると、MPEG2の映像符号化データにおいて、パケットロス率が低い場合には、映像符号化データ全体にFECデータを付加する(方式Xとする)。一方、パケットロス率が高い場合には、I(Intra)、P(Predictive)フレームにのみFECデータを付加し、B(Bidirectionally predictive)フレームにはFECデータを付加しないこととする(方式Yとする)。方式X、YともFECデータの量は同じであるため、I、Pフレームに関しては、方式Xの方が方式Yよりも弱い誤り耐性が付与されることになる。
【0032】
このようにパケットロス率に応じて方式X、Yを切り替えることで、方式X、Yをそれぞれ単独で使用した場合よりも、受信端末200で再生可能なフレーム数を増加させることができる。例えば、パケットロス率が低い場合には、弱い誤り訂正能力でもロスしたパケットを回復できるため、映像符号化データ全体に誤り耐性を付与する方式Xの方が再生フレーム数は多くなる。一方、パケットロス率が高くなると、方式XではI、Pフレームの再生フレーム数が少なくなるため、これらを参照するP、Bフレームが再生できなくなり、再生フレーム数が急激に少なくなる。これと違って方式Yでは、I、Pフレームに強い誤り耐性を付与しているため、パケットロス率が高くなっても、参照されるフレーム(I、Pフレーム)がロスせず、再生フレーム数が多くなる結果となるのである。
【0033】
なお、上記説明ではI、P、Bフレームを対象としたが、階層符号化を使用し、I、Pフレームの代わりに基本レイヤを、Bフレームの代わりに拡張レイヤを使用することとしてもよい。
【0034】
図5は、図2中のフィードバック情報生成部205及び通知間隔制御部206の主要動作を示している。フィードバック情報生成部205は、伝送部201と協働してパケットロス率を計測する(ステップ401)。通知間隔制御部206は、パケットロス率が閾値L1(固定値)よりも高い場合には、フィードバック情報の通知間隔Tfを、その最小値Tfminを下回らない範囲で、現在の通知間隔よりも固定値Tc1だけ短くする(ステップ402)。これにより、利用可能な伝送帯域に伝送レートRsをすばやく追従させ、パケットロスの発生を少なくすることができる。また、通知間隔制御部206は、パケットロス率が閾値L2(L1より小さい固定値)よりも低い場合には、フィードバック情報の通知間隔Tfを現在の通知間隔よりも固定値Tc2だけ長くする(ステップ403)。これにより、伝送レートRsの頻繁な切り替えを抑え、更に、他のフローとの間の公平性を向上させることができる。
【0035】
図6は、図1及び図2の送受信端末100,200によるメディアデータ伝送における伝送レートRs及び符号化レートRcの変動例を示している。図6によれば、伝送レートRsが頻繁に更新される状況下でも、符号化レート及びFECデータ送出レート決定部106の動作により符号化レートRcの更新頻度が抑制されることが判る。また、パケットロス率が低い場合には、通知間隔制御部206の動作により伝送レートRsの無用の更新も抑制される。
【0036】
図7は、図1中のパケットサイズ決定部108の動作を示している。図7によれば、伝送レートRsが低下した場合にデータのパケットサイズを小さくすることで、パケットロス率をきめ細かく観測することができる。
【0037】
まず、パケットサイズ決定部108は、伝送レート決定部105により決定された伝送レートRsを受信する(ステップ701)。その後、Sを予め定められた通常時のパケットサイズとして、観測期間Tにおいて伝送レートRsで伝送可能なパケット数Nを
N=Rs×T/S
により求め、当該パケット数Nの値が予め定められた閾値Nminよりも小さいかどうかを判定する(ステップ702)。NがNminよりも小さくないと判定された場合には、通常時のパケットサイズSを採用する(ステップ703)。NがNminよりも小さいと判定された場合には、採用すべきパケットサイズS’を、
S’=Rs×T/Nmin
により計算する(ステップ704)。そして、ステップ703又はステップ704により決定されたパケットサイズを符号化部102に通知して(ステップ705)、処理を終了する。
【0038】
なお、図5で説明したとおり、図1及び図2の実施形態ではフィードバック情報の通知間隔Tfが変化するため、それにつれて観測期間Tが変動する。ただし、観測期間の最小値Tfminを用いれば、最低限Nmin個のパケットを送信することができる。
【0039】
図8は、図1中のRTT計算部109の動作を示している。図8によれば、RTTにオフセットを加算することで、RTTが小さい場合に、ネットワーク150の輻輳状態とは関連のない遅延の揺らぎにより発生する伝送レートRsの揺らぎを抑えることが可能となる。
【0040】
まず、RTT計算部109は、受信端末200からのフィードバック情報を受信し(ステップ801)、このフィードバック情報から、測定された往復伝播遅延時間RTTtを取得する(ステップ802)。続いて、RTTtが予め定められた閾値RTTminよりも小さいかどうかを判定する(ステップ803)。RTTtがRTTminよりも小さくない場合には、伝送レートRsの計算に使用する往復伝播遅延時間RTTcalcとしてRTTtを採用する(ステップ804)。また、RTTtがRTTminよりも小さい場合には、
RTTcalc=RTTt+ofs×(RTTmin−RTTt)/RTTmin
により、計算に使用する往復伝播遅延時間RTTcalcを求める(ステップ805)。ここで、ofsは予め定められた定数である。そして、ステップ804又はステップ805により決定されたRTTcalcを伝送レート決定部105に通知して(ステップ806)、処理を終了する。
【0041】
図9は、上記RTTtとRTTcalcとの関係を示している。図9では、横軸がRTTtであり、縦軸がRTTcalcである。上記アルゴリズムにより得られる、RTTtとRTTcalcとの関係を太い実線の折れ線により表している。破線は、RTTcalc=RTTtの場合、すなわち測定されたRTTをそのまま計算に用いる場合を示している。図9に示すとおり、RTTtがRTTminよりも小さい場合に正の加算オフセットが採用される。したがって、RTTtが小さい場合でもRTTcalcは小さくなり過ぎることがない。
【0042】
輻輳による伝播遅延の増大は数百ms以上であり、機器の処理遅延は数msのオーダーである。したがって、上記RTTminやofsを数十ms以下のオーダーに設定することで、上記オフセット加算が輻輳発生時の伝播遅延時間に影響を与えることはなくなる。
【0043】
なお、送信端末100と受信端末200との間の伝送プロトコルは、IP以外の独自プロトコルであってもよい。接続形態も1対1型に限らず、1対Nの放送型(マルチキャスト、ブロードキャスト)、あるいはN対Mのメッシュ型であってもよい。メディアデータは、単一で伝送されていても、また並列に同時に伝送されていてもよい。標準化された符号化方式に限らず、独自の符号化方式を用いてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明してきたとおり、本発明によれば、符号化レートの頻繁な更新を抑制することとしたので、利用可能な帯域が大きく変動する環境下で高品質のメディアデータ伝送を実現することができる。したがって、本発明は、インターネット電話に利用されるVoIP(Voice Over Internet Protocol)、TV電話、ネットワークを利用した監視・放送などの様々なアプリケーションに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るメディア送信装置(送信端末)の内部構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るメディア受信装置(受信端末)の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】図1中の符号化レート及びFECデータ送出レート決定部の初期動作を示すフローチャート図である。
【図4】同決定部の割り込み動作を示すフローチャート図である。
【図5】図2中のフィードバック情報生成部及び通知間隔制御部の主要動作を示すフローチャート図である。
【図6】図1及び図2の装置によるメディアデータ伝送における伝送レート及び符号化レートの変動例を示すタイムチャート図である。
【図7】図1中のパケットサイズ決定部の動作を示すフローチャート図である。
【図8】図1中のRTT計算部の動作を示すフローチャート図である。
【図9】図8の動作により実現するRTTオフセット加算を説明するための図である。
【符号の説明】
100 送信端末(メディア送信装置)
101 音声・映像入力部
102 符号化部
103 FEC生成部
104 伝送部
105 伝送レート決定部
106 符号化レート及びFECデータ送出レート決定部
107 Rc更新タイマ
108 パケットサイズ決定部
109 RTT計算部
150 ネットワーク
200 受信端末(メディア受信装置)
201 伝送部
202 パケットロス回復部
203 復号部
204 再生部
205 フィードバック情報生成部
206 通知間隔制御部
Rc 符号化レート
Rf FECデータ送出レート
Rs 伝送レート
RTTcalc 伝送レートの計算に使用するRTT
RTTt 測定されたRTT
Tf フィードバック情報の通知間隔

Claims (11)

  1. ネットワークを介して、メディアデータに基づく符号化データを伝送するためのメディア伝送方法であって、
    前記ネットワークの伝送状態に応じて伝送レートを更新する第1のステップと、
    前記伝送レートの更新頻度より少ない頻度で符号化レートを更新する第2のステップとを備えたことを特徴とするメディア伝送方法。
  2. 請求項1記載のメディア伝送方法において、
    前記第2のステップは、前記伝送レートの更新間隔より長いタイムアウト時間が設定されたタイマがタイムアウトした時に前記符号化レートを更新するステップを有することを特徴とするメディア伝送方法。
  3. 請求項1記載のメディア伝送方法において、
    前記第2のステップは、前記伝送レートが所定の範囲を外れる値に更新された時に前記符号化レートを更新するステップを有することを特徴とするメディア伝送方法。
  4. 請求項1記載のメディア伝送方法において、
    前記第2のステップは、ある時間内の前記伝送レートの最小値に応じて前記符号化レートを更新するステップを有することを特徴とするメディア伝送方法。
  5. 請求項1記載のメディア伝送方法において、
    前記伝送レートと前記符号化レートとの差を誤り訂正のための冗長データの送出レートに割り当て、前記符号化データに前記冗長データを付加して伝送する第3のステップを更に備えたことを特徴とするメディア伝送方法。
  6. 請求項5記載のメディア伝送方法において、
    前記第3のステップは、前記冗長データの送出レートに応じて誤り訂正方式を変更するステップを有することを特徴とするメディア伝送方法。
  7. 請求項5記載のメディア伝送方法において、
    前記第3のステップは、前記ネットワークのパケットロス率に応じて誤り訂正方式を変更するステップを有することを特徴とするメディア伝送方法。
  8. 請求項7記載のメディア伝送方法において、
    前記第3のステップは、前記ネットワークのパケットロス率が低い場合には全ての符号化データに誤り耐性を付与し、前記ネットワークのパケットロス率が高い場合には重要度の高い符号化データにのみ誤り耐性を付与するステップを有することを特徴とするメディア伝送方法。
  9. 請求項1記載のメディア伝送方法において、
    前記第1のステップは、前記ネットワークの伝送状態を示すフィードバック情報を受信端末から通知するステップを有することを特徴とするメディア伝送方法。
  10. 請求項9記載のメディア伝送方法において、
    前記フィードバック情報の通知間隔を前記ネットワークの伝送状態に応じて可変に制御するステップを更に備えたことを特徴とするメディア伝送方法。
  11. メディアデータに基づく符号化データをネットワークへ送信するためのメディア送信装置であって、
    前記メディアデータから前記符号化データを生成するための手段と、
    前記符号化データから誤り訂正用の冗長データを生成するための手段と、
    前記ネットワークの伝送状態に応じて伝送レートを更新するための手段と、
    前記伝送レートの更新頻度より少ない頻度で符号化レートを更新するための手段と、
    前記伝送レートと前記符号化レートとの差を前記冗長データの送出レートに割り当てるための手段と、
    前記符号化データに前記冗長データを付加して送信するための手段とを備えたことを特徴とするメディア送信装置。
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