JP3730800B2 - 運転シミュレーション装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転に必要な各種操作機器、メータ類を有し、運転者を収容するコックピットと、前記コックピットをアクチュエータにより揺動可能な状態で支持するモーションベースとを備え、前記運転者の操作に応じて前記モーションベースを制御する運転シミュレーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転者の技能訓練や自動車の研究開発等に利用する装置として、運転シミュレーション装置が知られている。この運転シミュレーション装置は、運転者が搭乗し各種操作を行うためのコックピットと、走行路や他車を含む情景をコンピュータグラフィックスを用いて運転者の前面に表示するスクリーンと、コックピットを支持し、運転者の操作に応じてコックピットを揺動させるモーションベースと、これらの制御を行う制御部とから基本的に構成されている。
【0003】
ところで、このように構成される運転シミュレーション装置では、制御部が何らかの影響によって誤動作した場合、モーションベースの揺動動作が異常となる可能性を否定することはできない。また、運転者の気分が悪くなる等の事態が生じ、運転者自身がシミュレーションの停止を望む場合もある。
【0004】
このような事態に対処するためには、例えば、運転シミュレーション装置の全体に電力を供給する電源を、電源遮断器(ブレーカ)を用いて遮断することが容易に考えられる。
【0005】
しかしながら、このようにして電源遮断器を用いてモーションベースを停止させてしまうと、運転シミュレーション装置を構成する制御部もシャットダウンされてしまうため、設定されているデータやプログラム等が破壊されてしまうおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の不都合を解決すべくなされたものであって、データやプログラム等を破壊することなく、モーションベースの動作を容易且つ確実に停止させることのできる運転シミュレーション装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明では、車両の運転に必要な各種操作機器、メータ類を有し、運転者を収容するコックピットと、コックピットをアクチュエータにより揺動可能な状態で支持するモーションベースとを備え、運転者の操作に応じてモーションベースを制御する運転シミュレーション装置において、アクチュエータに供給される電力を遮断してモーションベースの動作を停止させる停止手段を前記アクチュエータのドライバに接続し、前記停止手段を用いてモーションベースの動作を直接、即座に停止させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本実施形態の運転シミュレーション装置10を示す。この運転シミュレーション装置10は、モーションベース12と、前記モーションベース12上に戴置されるキャビン14と、キャビン14内に収容されるコックピット16とを備える。
【0009】
一方、運転シミュレーション装置10は、ホストコンピュータ18によって全体が制御されており、このホストコンピュータ18には、モーションベース12を運転者の操作に基づいて揺動制御するモーションコントローラ20と、コックピット16内の各種操作機器とホストコンピュータ18との間で多数の信号の授受を行うためのコックピットインタフェースユニット22と、運転者に対して走行中の仮想効果音を提供するための音響コントローラ24と、コンピュータグラフィックスを用いて運転者に対し走行路や他車を含むシミュレーション画像を提供するCG発生装置26とがネットワーク回路であるLAN(Local Area Network)28によって接続される。また、コックピット16には、シミュレーションに係る複数の画面を合成する画面合成装置30が接続されており、この画面合成装置30によって合成された画面がオペレータのディスプレイ32に表示される。さらに、コックピット16には外部のスピーカ34が接続されており、このスピーカ34を用いて運転者の音声がオペレータに伝達される。
【0010】
モーションベース12は、図2に示すように、三角形状に連結される3本の下部支持バー36a〜36cと、三角形状に連結される3本の上部支持バー38a〜38cと、下部支持バー36a〜36cおよび上部支持バー38a〜38cを連結する6本のシリンダA〜Fとを備える。シリンダA〜Fは、下部支持バー36a〜36cによって構成される三角形の各頂点と上部支持バー38a〜38cによって構成される三角形の各頂点とを連結するボールねじ機構からなる。すなわち、シリンダA〜Fは、下部支持バー36a〜36c側に揺動自在に連結される筒状部40と、筒状部40に挿入され、上部支持バー38a〜38c側に揺動自在に連結されるロッド部42とから構成される。ロッド部42の下部支持バー36a〜36c側には、外周部に図示しない雄ねじが形成されており、この雄ねじが筒状部40内に配設される図示しない雌ねじ部材に螺合する。前記雌ねじ部材は、筒状部40の外周部に装着されたシリンダ駆動モータ44A〜44Fによって回転可能に構成される。
【0011】
なお、シリンダA〜Fは、図示しないブレーキ機構を備えており、シリンダ駆動モータ44A〜44Fに対して電力が供給されているときには、ブレーキ機構をオフとしてロッド部42の動作を可能とし、電力が供給されていないときには、ブレーキ機構をオンとしてロッド部42の動作を阻止するように構成されている。
【0012】
上部支持バー38a〜38cの上部には、ガイドブラケット46a〜46fが同一円周上となるように固定されており、これらのガイドブラケット46a〜46fに回転テーブル48が回転自在に支持される。この回転テーブル48の下面部には、上部支持バー38a〜38cの中央部に装着された装着板50を介してテーブル駆動モータ52が装着される。また、下部支持バー36a〜36cの中央部には、装着板54を介してモータドライバ56が配置される。このモータドライバ56は、各シリンダA〜Fのシリンダ駆動モータ44A〜44Fおよびテーブル駆動モータ52の駆動制御を行う。モータドライバ56には、シリンダ駆動モータ44A〜44Fおよびテーブル駆動モータ52に対して供給される電力を遮断するとともに、前記ブレーキ機構をオンさせて、モーションベース12の動作を停止させる停止手段としての非常停止スイッチ166が接続される。
【0013】
モーションベース12の上部に配置されるキャビン14は、モーションベース12を構成する回転テーブル48によって回転可能に支持される。すなわち、キャビン14は、図3〜図5に示すように、モーションベース12を構成する各シリンダA〜FによってX、Y、Zの各軸の周りにロール角φ、ピッチ角θ、ヨー角ψだけ揺動自在であるとともに、回転テーブル48によってZ軸の周りにヨー角ψY だけ揺動自在に構成される。また、キャビン14は、前後、左右、上下の各方向にも移動可能である。
【0014】
キャビン14は、略遮光状態とすべくその内部に収容されるコックピット16を壁面によって囲繞しており、コックピット16のドア近傍には、遮光カーテン58、60を有する出入口62および64が設けられる。また、コックピット16の正面および前方左右には、図6に示すように、走行路のシミュレーション画像を形成するための正面スクリーン66、左スクリーン68および右スクリーン70が配置される。キャビン14の上面部には、図6〜図8に示すように、正面スクリーン66に対向する2台の正面プロジェクタ72L、72Rと、左スクリーン68に対向する2台の左プロジェクタ74L、74Rと、右スクリーン70に対向する右プロジェクタ76L、76Rとが配置される。これらの6台の正面プロジェクタ72L、72R、左プロジェクタ74L、74Rおよび右プロジェクタ76L、76Rは、CG発生装置26に接続される。なお、正面スクリーン66、左スクリーン68および右スクリーン70に対応して、夫々2台の正面プロジェクタ72L、72R、左プロジェクタ74L、74Rおよび右プロジェクタ76L、76Rを配置するのは、図8に示すように、運転者が装着する偏光グラス77によってシミュレーション画像を立体化させるためである。
【0015】
コックピット16には、図6および図9に示すように、運転者による各種操作機器、各種センサ等が設けられる。すなわち、コックピット16内には、実車両の場合と同様に、ステアリングホイール80、ウィンカー等の操作を行うためのコンビネーションスイッチ82、シフトレバー84、サイドブレーキ86、シートベルト88、ブレーキペダル90、アクセルペダル92、空調ファン94、スピードメータ、タコメータ等のメータ類96、緊急自動車におけるサイレン等を操作するための操作スイッチ98、車内灯100等が備えられる。
【0016】
ステアリングホイール80には、ステアリングホイール80の切り角を検出するためのポテンショメータ、ロータリエンコーダ等のステアリング角度センサ102と、電動パワーステアリングギアボックス106と、電動パワーステアリングコントロールユニット108とが連結される。ブレーキペダル90には、制動倍力装置110とマスタシリンダ112と、ブレーキキャリパ114と、負圧タンク116およびマスタシリンダ112を介して制動倍力装置110に負圧を供給する負圧ポンプ118とが連結される。なお、マスタシリンダ112には、後輪用のブレーキキャリパ120が同様にして連結される。マスタシリンダ112には、ABS(アンチロックブレーキングシステム)コントロールユニット128が接続され、これによってブレーキのアンチロック制御が行われる。アクセルペダル92には、スロットル開度センサ122が連結される。シフトレバー84には、シフトポジションセンサ124が接続され、シートベルト88が装着される部位にはシートベルト装着検出センサ126が接続される。
【0017】
コックピット16内には、さらに、本実施形態の運転シミュレーション装置10として特有の構成要素が配設される。すなわち、運転席の上部には、車両後方のシミュレーション画像を表示するルームミラー用LCDディスプレイ130と、左右のドアミラー用LCDディスプレイ132L、132Rと、運転者の音声を外部オペレータに伝達するためのマイク134と、シミュレーション動作中における走行音等の効果音およびオペレータの音声を運転者に伝達するためのスピーカ136と、ルームミラー用LCDディスプレイ130の近傍に配置され、運転者の状態を撮影する運転者映像用CCDカメラ138と、ブレーキペダル90およびアクセルペダル92を撮影するための足元映像用CCDカメラ140と、ステアリングホイール80の近傍を撮影するためのステアリング映像用CCDカメラ142とを備える。なお、足元映像用CCDカメラ140の近傍には、照明灯144が配設される。さらに、コックピット16内には、当該運転シミュレーション装置10に対して補助電力を供給するためのバッテリ146と、運転者自身によってシミュレーション動作を中止させるためのシミュレーション中止スイッチ148と、コックピット16とホストコンピュータ18との間でLAN28を介して信号の授受を行うためのコックピットインタフェースユニット22が配設される。
【0018】
次に、図10〜図13に基づき、運転シミュレーション装置10の制御系の構成について説明する。
【0019】
図10において、ホストコンピュータ18は、LAN28を介して、モーションコントローラ20、コックピットインタフェースユニット22、音響コントローラ24およびCG発生装置26の間で信号の授受を行うLANインタフェース160と、運転者の操作に基づいて車両の運動情報を演算する車両運動計算部162と、シミュレーションの各種シナリオを記憶するシナリオ記憶部164と、オペレータの操作によりシミュレーション動作を中止させるためのシミュレーション中止スイッチ165と、運転者と会話するためのマイク168と、オペレータによる各種設定処理、モニタリング等を行うためのキーボード170およびディスプレイ172とを備える。
【0020】
図11において、CG発生装置26には、前述したように、キャビン14内に配設される正面プロジェクタ72L、72R、左プロジェクタ74L、74R、右プロジェクタ76L、76R、ルームミラー用LCDディスプレイ130、ドアミラー用LCDディスプレイ132L、132Rが夫々接続される。
【0021】
図12において、音響コントローラ24には、コックピット16内の音響アンプ135を介してスピーカ136が接続される。画面合成装置30には、コックピット16内の運転者映像用CCDカメラ138、足元映像用CCDカメラ140およびステアリング映像用CCDカメラ142が接続されるとともに、CG発生装置26が接続される。また、コックピットインタフェースユニット22には、スピードメータ161、タコメータ163、負圧ポンプ118、電動パワーステアリングコントロールユニット(EPS−ECU)108、ABSコントロールユニット(ABS−ECU)128、ステアリング角度センサ102、スロットル開度センサ122、ブレーキ圧センサ169、負圧ポンプ圧力センサ171、シフトポジションセンサ124、キーポジションセンサ173、シートベルト装着検出センサ126、ドアセンサ174、サイドブレーキスイッチ176、ヘッドライトスイッチ178、180、スモールライトスイッチ182、ウィンカースイッチ184、ハザードスイッチ186、ホーンスイッチ188、シミュレーション中止スイッチ148、前後Gセンサ190、横Gセンサ192、上下Gセンサ194、ロールレートセンサ196、ピッチレートセンサ198、ヨーレートセンサ200が夫々接続される。
【0022】
図13において、モーションコントローラ20には、モータドライバ56を介して各シリンダ駆動モータ44A〜44Fが接続される。各シリンダ駆動モータ44A〜44Fには、ストロークセンサ202A〜202Fが連結されており、それらの信号がモーションコントローラ20に供給される。また、モータドライバ56には、テーブル駆動モータ52が接続されており、このテーブル駆動モータ52の回転角が回転角センサ204によって検出され、モーションコントローラ20に供給される。さらに、モーションコントローラ20には、モーションベース12の動作を非常停止させるための非常停止スイッチ166が接続される。
【0023】
本実施形態の運転シミュレーション装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について図14および図15に示すフローチャートに従い説明する。
【0024】
先ず、オペレータは、ホストコンピュータ18のキーボード170等を操作することで当該運転シミュレーション装置10を起動させる。運転シミュレーション装置10が起動されると、ホストコンピュータ18は、運転シミュレーション装置10の各状態の初期化を行う(ステップS1)。
【0025】
次に、ホストコンピュータ18は、LANインタフェース160からLAN28を介して、モーションコントローラ20に対しシリンダ駆動モータ44A〜44Fの駆動指令信号を送信する。モーションコントローラ20は、前記駆動指令信号に基づいてモータドライバ56を制御し、モータドライバ56は、シリンダ駆動モータ44A〜44Fに前記駆動指令信号に基づく電力を供給する。この場合、シリンダA〜Fに設けられた図示しないブレーキ機構がオフとなり、ロッド部42の動作を可能とする。
【0026】
そこで、シリンダ駆動モータ44A〜44Fは、前記駆動指令信号に基づきシリンダA〜Fを構成するロッド部42を下部支持バー36a〜36c側へ移動させ、シリンダA〜Fに設けられたロータリエンコーダ等の絶対位置を持たない図示しないストロークセンサの初期化を行う。すなわち、ロッド部42を下降させ、シリンダA〜Fに設けられた図示しないリミットスイッチがオンになったときのロッド部42の位置を初期位置(最下端位置)とし、その位置における前記ストロークセンサの出力を初期値に設定する(ステップS2)。
【0027】
次いで、ホストコンピュータ18からの駆動指令信号に基づき、シリンダ駆動モータ44A〜44Fが再度駆動されることにより、シリンダA〜Fのロッド部42が所定量上昇し、キャビン14が乗車位置まで移動する(ステップS3)。この位置において、運転者の乗降、交代等が行われる。
【0028】
キャビン14が所定の乗降位置に設置された後、オペレータは、訓練条件の設定を行う(ステップS4)。この場合、訓練条件としては、例えば、市街地走行訓練、高速道路走行訓練、サーキット走行訓練等の選択条件、日中走行、夜間走行、霧中走行等の選択条件などを挙げることができる。
【0029】
訓練条件の設定を完了したならば、ホストコンピュータはシリンダA〜Fを駆動し、キャビン14がステップS3で設定された乗車位置から所定の訓練開始位置に移動する(ステップS5)。具体的には、キャビン14の前方に配置されたシリンダC〜Fを主として駆動し、キャビン14を前上がりの状態に設定する。すなわち、車両の急発進時における前部の上昇量と、急制動時における前部の下降量とを比較すると、急制動時における前部の下降量の方が大きく、従って、その可動範囲の分だけ予めキャビン14の前部を上昇させておくことにより、シリンダA〜Fの可動有効範囲を十分に確保することができる。
【0030】
以上のようにしてキャビン14が訓練開始状態に設定された後、運転者はコックピット16内の各種操作機器を操作して訓練を開始する(ステップS6)。
【0031】
そこで、図15に示すフローチャートに基づき、ホストコンピュータ18による制御動作を説明する。
【0032】
この場合、キャビン14内の正面スクリーン66、左スクリーン68および右スクリーン70には、オペレータにより設定された訓練条件に基づき、シナリオ記憶部164から選択されたシナリオの開始位置のシミュレーション画像がCG発生装置26によって作成され、正面プロジェクタ72L、72R、左プロジェクタ74L、74R、右プロジェクタ76L、76Rにより投影されている。また、コックピット16内のルームミラー用LCDディスプレイ130、ドアミラー用LCDディスプレイ132L、132Rにも、同様にして車両後部のシミュレーション画像が形成されている。
【0033】
運転者がイグニッションをONにするとキーポジションセンサ173からの信号がコックピットインタフェースユニット22を介してホストコンピュータ18に供給される。次いで、運転者がシフトレバー84、アクセルペダル92、ブレーキペダル90、ステアリングホイール80等を操作することにより、訓練が開始され、それに伴って生じる各操作信号がコックピットインタフェースユニット22を介してホストコンピュータ18に供給される(ステップS20)。コックピット16からの運転者による操作によって生成された操作信号を受信したホストコンピュータ18は、車両運動計算部162において車両運動の演算処理を開始する(ステップS21)。
【0034】
すなわち、図16に示すように、ホストコンピュータ18の車両運動計算部162は、コックピットインタフェースユニット22からLAN28を介して供給されたスロットル開度センサ122からの信号、ブレーキ圧センサ169からの信号、ステアリング角度センサ102からの信号、シフトポジションセンサ124からの信号等に基づき、実車両の運動情報である前後方向変位量αX 、横方向変位量αY 、上下方向変位量αZ 、ロールレート、ピッチレート、ヨーレートを求める。
【0035】
次に、ホストコンピュータ18は、ステップS21における実車両の運動情報の演算結果に基づき、モーション処理、コックピット処理、CG処理および音響処理の4つの処理を並列的に行う。
【0036】
モーション処理においては、ステップS21で求められた実車両の運動情報から、運転シミュレーション装置10のキャビン14の目標位置X、Y、Zおよび姿勢(ロール角φ、ピッチ角θ、ヨー角ψ、ψY )が演算によって求められる(ステップS22A)。なお、ヨー角ψはシリンダA〜Fによって制御されるヨー角の高周波成分であり、ヨー角ψY は回転テーブル48によって制御されるヨー角の低周波成分である。
【0037】
ホストコンピュータ18は、LAN28を介してモーションコントローラ20に対しこれらの演算結果である位置・姿勢目標値を出力する(ステップS23A)。これらの目標値を受信したモーションコントローラ20は、それをシリンダA〜FのストロークSA 〜SF および回転テーブル48の回転角度信号であるヨー角ψY に変換し、モータドライバ56を制御して各シリンダ駆動モータ44A〜44Fおよびテーブル駆動モータ52を駆動する。この結果、モーションベース12上に支持されたキャビン14内のコックピット16が運転者の操作に応じて揺動することになる。
【0038】
また、コックピット処理においては、ステップS21で求められた実車両の運動情報の演算結果に基づき、コックピット16内の各種操作機器の制御を行うための信号を出力する(ステップS22B)。例えば、ホストコンピュータ18は、スロットル開度センサ122によって検出されたアクセルペダル92の踏み込み量に基づき、スピードメータ161、タコメータ163等の表示値を演算し、コックピットインタフェースユニット22に送信する。コックピットインタフェースユニット22は、これらの表示値を読み込み、コックピット16内のメータ類96に送信する。コックピット16内のメータ類96は、送信された信号に基づき所望の表示を行う。また、ホストコンピュータ18は、各種機器の操作信号から路面反力値を演算し、その演算結果をコックピットインタフェースユニット22を介して電動パワーステアリングコントロールユニット108に供給する。電動パワーステアリングコントロールユニット108は、演算された路面反力値に従ってステアリングホイール80に対し所定の抵抗力を付与する。これにより、運転者は、あたかも、実車両における場合と同様のステアリングホイールの操作感覚を体感することができる。
【0039】
CG処理において、ホストコンピュータ18は、ステップS21で求められた実車両の運動情報の演算結果およびシナリオに基づき、他車の位置、方向に係る情報を求め(ステップS22C)、自車に係る情報とともにLAN28を介してCG発生装置26に出力する(ステップS23C、S24C)。CG発生装置26は、これらの情報に基づき走行路や他車等を含むシミュレーション画像を形成し、正面プロジェクタ72L、72R、左プロジェクタ74L、74R、右プロジェクタ76L、76R、ルームミラー用LCDディスプレイ130、ドアミラー用LCD132L、132Rに夫々画像信号を転送する。これらの画像信号に基づき、キャビン14内およびコックピット16内において、運転者の操作に応じた画像が形成される。
【0040】
音響処理において、ホストコンピュータ18は、ステップS21で求められた実車両の運動情報の演算結果およびシナリオに基づき、他車の状態、位置、方向、速度に係る情報を求め(ステップS22D)、自車両に係る情報とともにLAN28を介して音響コントローラ24にこれらの情報を出力する(ステップS23D、S24D)。音響コントローラ24は、これらの情報に基づき音響アンプ135を介しコックピット16内のスピーカ136より効果音を出力する。ここで、状態とは、エンジンの回転数、タイヤスキール音、クラクション、サイレン等を含む。
【0041】
なお、上記のような処理が行われている間、オペレータの前面に配置されているディスプレイ32には、図17に示すように、キャビン14内の正面スクリーン66に形成された画像(CG)と、運転者映像用CCDカメラ138によって撮影された運転者の画像(DRIVER)と、足元映像用CCDカメラ140によって撮影されたブレーキペダル90およびアクセルペダル92の操作状態の画像(PEDAL)と、ステアリング映像用CCDカメラ142によって撮影されたステアリングホイール80の操作状態の画像(STEERING)とが、画面合成装置30によって合成された状態で表示される。オペレータは、この画像に基づき運転者の訓練状態を把握することができる。
【0042】
以上のようにして所定の訓練が完了すると、シナリオを変更して訓練を継続するか否かを運転者に対して確認し(ステップS7)、継続する場合には、ステップS4に戻って訓練条件の再設定を行う。また、継続しない場合には、ステップS8へ進む。
【0043】
ステップS8において、運転者の交代がある場合には、ステップS3に戻ってキャビン14を乗車位置に移動させる。また、訓練を継続せず、且つ、運転者の交代もない場合には、キャビン14を乗車位置まで移動させ(ステップS9)、運転シミュレーション装置10を用いた訓練が完了する。
【0044】
ここで、本実施形態の運転シミュレーション装置10では、コックピット16およびホストコンピュータ18に設けられた各シミュレーション中止スイッチ148および165を用いることにより、当該運転シミュレーション装置の運転者の状況に応じてシミュレーションを中止させることができる。また、モータドライバ56に接続された非常停止スイッチ166を用いることにより、当該運転シミュレーション装置が仮に暴走した場合であっても、モーションベース12の動作を停止させることができる。
【0045】
すなわち、ホストコンピュータ18にシミュレーション中止スイッチ165が設けられているため、例えば、オペレータがディスプレイ32上で運転者の状態に異常を認めた場合等において、前記シミュレーション中止スイッチ165を操作すると、シミュレーションを終了させるためのプログラムが実行され、ステップS6(図14参照)の訓練状態からステップS9の乗降状態へ処理を移行させてシミュレーションを中止させることができる。
【0046】
また、モータドライバ56に接続された非常停止スイッチ166をオペレータが操作することにより、モーションベース12の動作を直接停止させることができる。すなわち、非常停止スイッチ166を操作すると、モータドライバ56を介してシリンダ駆動モータ44A〜44Fおよびテーブル駆動モータ52に供給される電力が遮断される。シリンダ駆動モータ44A〜44Fに対する電力が遮断されると、図示しないブレーキ機構がオンとなり、シリンダA〜Fのロッド部42の動作を阻止するように働く。従って、モーションベース12は、非常停止スイッチ166が操作されることで動作が停止することになる。この場合、例えば、ホストコンピュータ18のシミュレーションソフトが暴走し、あるいは、モーションコントローラ20が暴走するような事態が生じても、モーションベース12を確実に停止させて固定することができる。なお、この非常停止スイッチ166は、例えば、保守や開発のためにモーションベース12を固定させるような場合にも有用である。
【0047】
さらに、運転者自体がコックピット内に設けられたシミュレーション中止スイッチ148を操作して、シミュレーションを中止させることも可能である。この場合、シミュレーション中止スイッチ148によって生成された信号は、コックピットインタフェースユニット22を介してホストコンピュータ18に送信され、ホストコンピュータ18においてシミュレーションを終了させるためのプログラムが実行され、シミュレーションが中止される。
【0048】
以上のように、本発明は、車両の運転に必要な各種操作機器、メータ類を有し、運転者を収容するコックピット(16)と、前記コックピット(16)をアクチュエータ(シリンダA〜F)により揺動可能な状態で支持するモーションベース(12)とを備え、前記運転者の操作に応じて前記モーションベース(12)を制御する運転シミュレーション装置(10)において、前記運転者の操作に応じた車両運動情報を演算するホストコンピュータ(18)と、前記車両運動情報から前記モーションベース(12)を駆動制御する制御信号を演算し、前記制御信号に基づいて前記コックピット(16)を揺動制御するモーションコントローラ(20)と、前記モーションコントローラ(20)に接続され、前記モーションコントローラ(20)からの指令に従って前記各アクチュエータ(シリンダA〜F)に電力を供給するドライバ(56)と、前記ドライバ(56)に接続され、前記アクチュエータ(シリンダA〜F)に供給される電力を遮断し、前記モーションベース(12)の動作を停止させる停止手段(非常停止スイッチ166)とを備えて構成される。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る運転シミュレーション装置では、シミュレーションの状態に異常があると判断した場合、データやプログラム等を破壊することなく、モーションベースの動作を容易且つ確実に停止させることができる。例えば、オペレータが異常状態と判断した場合、アクチュエータのドライバに接続された停止手段を用いて、モーションベースを直接停止させることができる。この場合、モーションベースをその動作状態のままで停止させることにより、当該装置の損傷等の二次的に生じるおそれのある異常事態を未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】運転シミュレーション装置の全体構成ブロック図である。
【図2】モーションベースおよびキャビンの分解斜視図である。
【図3】キャビンのロールの説明図である。
【図4】キャビンのピッチの説明図である。
【図5】キャビンのヨーの説明図である。
【図6】キャビン内のコックピットの構成斜視図である。
【図7】キャビン内に配置されるプロジェクタの平面配置説明図である。
【図8】キャビン内のプロジェクタの側面配置説明図である。
【図9】コックピットにおける各種操作機器の説明図である。
【図10】運転シミュレーション装置全体の制御系の構成ブロック図である。
【図11】キャビン内のプロジェクタを含む制御系の構成ブロック図である。
【図12】コックピット内の各種操作機器およびセンサを含む制御系の構成ブロック図である。
【図13】モーションベースの制御系の構成ブロック図である。
【図14】運転シミュレーション装置の処理フローチャートである。
【図15】図14に示すサブルーチンにおける処理フローチャートである。
【図16】ホストコンピュータによる車両運動演算処理からモーションコントローラによるモーションベースの制御に至る処理の流れの説明図である。
【図17】オペレータのディスプレイに表示された監視画面の説明図である。
【符号の説明】
10…運転シミュレーション装置 12…モーションベース
14…キャビン 16…コックピット
18…ホストコンピュータ 20…モーションコントローラ
22…コックピットインタフェースユニット
24…音響コントローラ 26…CG発生装置
28…LAN 30…画面合成装置
32…ディスプレイ 44A〜44F…シリンダ駆動モータ
48…回転テーブル 52…テーブル駆動モータ
66…正面スクリーン 68…左スクリーン
70…右スクリーン 72L、72R…正面プロジェクタ
74L、74R…左プロジェクタ 76L、76R…右プロジェクタ
80…ステアリングホイール
108…電動パワーステアリングコントロールユニット
128…ABSコントロールユニット
130…ルームミラー用LCDディスプレイ
132L、132R…ドアミラー用LCDディスプレイ
138…運転者映像用CCDカメラ
140…足元映像用CCDカメラ
142…ステアリング映像用CCDカメラ
148、165、166…非常停止 A〜F…シリンダ

Claims (1)

  1. 車両の運転に必要な各種操作機器、メータ類を有し、運転者を収容するコックピットと、前記コックピットをアクチュエータにより揺動可能な状態で支持するモーションベースとを備え、前記運転者の操作に応じて前記モーションベースを制御する運転シミュレーション装置において、
    前記運転者の操作に応じた車両運動情報を演算するホストコンピュータと、
    前記車両運動情報から前記モーションベースを駆動制御する制御信号を演算し、前記制御信号に基づいて前記コックピットを揺動制御するモーションコントローラと、
    前記モーションコントローラに接続され、前記モーションコントローラからの指令に従って前記各アクチュエータに電力を供給するドライバと、
    前記ドライバに接続され、前記アクチュエータに供給される電力を遮断し、前記モーションベースの動作を停止させる停止手段と、
    を備えることを特徴とする運転シミュレーション装置。
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