JP3730479B2 - 2次元光ファイバアレイ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の光ファイバが規則的に配列された2次元光ファイバアレイに関し、特に、高速複写機のイメージングヘッドや多心コネクタに好適に用いられる2次元光ファイバアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
2次元光ファイバアレイは、高速複写機のイメージングヘッドや光通信システムにおける多心コネクタなどに用いられている。従来、2次元光ファイバアレイは、以下の方法を用いて製造されている。
【0003】
まず、複数の光ファイバを1本ずつ手作業で俵積み(樽積み)する方法がある。この方法で製造された俵積み配列の2次元光ファイバアレイ400の断面を模式的に図4に示す。図4に示したように、俵積み配列の光ファイバアレイ400においては、複数の光ファイバ430が互いに接するように配列されるので、光ファイバ430の充填密度が高い。しかしながら、それぞれの光ファイバ430の位置決めをする部材がないので、光ファイバ430を正確に配列する作業は熟練を要するとともに効率が悪い。
【0004】
一方、特開平6−265736号公報に開示されているように、基板の表面に一定間隔で設けられた断面形状がV字状の溝(以下、「V溝」と称する)内に光ファイバを配置し、この基板を積層することによって、2次元光ファイバアレイを製造する方法がある。この方法は、それぞれのV溝内に光ファイバを配置することによって、光ファイバの位置決めがなされるので、熟練を要する作業は必要ない。
【0005】
また、西村他、1998年電子情報通信学会総合大会予稿集、B−10−18、479ページには、多心テープファイバ(複数の光ファイバを1列に配列しテープ状に加工したもの)を積層し、得られた積層体を樹脂成形することによって、2次元光ファイバアレイを製造する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来の2次元光ファイバアレイの製造方法は、光ファイバの2次元配列の多様性を全く考慮していない。すなわち、俵積み法では、俵積み配列しか形成できず、上記2つの文献は、直交配列しか想定していない。
【0007】
m本の光ファイバが1列に並べられた層がn層積層されている2次元光ファイバアレイについて、その配列の多様性を具体的に説明する。この2次元光ファイバアレイにおけるn×m本の光ファイバの端面は、n×m(n行m列)のマトリクス状に配列される。n×mマトリクスの配列は、各行(1〜n行)間のピッチPvおよび各列(1〜m列)間のピッチPhだけでなく、さらに、行間(または列間)の配列の位相のずれ量(例えば、第1列の光ファイバの行方向における位置が行ごとにずれる量、以下「シフト量S」という)も変化し得る。
【0008】
しかしながら、上述したように、俵積み法では、ピッチPhおよびPvならびにシフト量Sが、光ファイバの半径をrとしたときに、Ph=2r、Pv=31/2r、S=rの関係にある配列しか実現できない。また、上記文献は、シフト量Sがゼロの直交配列しか想定しておらず、有限のシフト量を有する2次元配列の光ファイバアレイおよびその製造方法を開示も示唆もしていない。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、多様で、且つ位置精度が高い2次元配列を有する2次元光ファイバアレイを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の2次元光ファイバアレイは、y方向にピッチPvで互いに積層されたn枚の基板と、それぞれの端面がxy面内にn×m(n、m>2)のマトリクス状に配列されたn×m本の光ファイバとを有する2次元光ファイバアレイであって、前記n枚の基板のそれぞれは、zx面に平行な主面と、前記主面に形成され、それぞれがz方向に延び、x方向にピッチPhで配列され、且つxy面内の断面形状がV字状のm本の溝とを有し、前記n×m本の光ファイバのそれぞれは、前記n枚の基板のそれぞれの前記m本の溝のそれぞれ内に、前記m本の溝のそれぞれの斜面が、前記n×m本の光ファイバのそれぞれの断面の円の接線となるように、配置されており、前記n×m本の光ファイバのそれぞれの半径をr、前記m本の溝のV字状断面形状の挟角をθ、前記n枚の基板のそれぞれの厚さをdとするとき、前記ピッチPvはd<Pv<d+r[1+cos{(π−θ)/2}]の関係を満足し、前記n枚の基板のそれぞれの前記m本の溝のx方向における位置は、隣接する基板ごとに、一定のシフト量Sだけ異なっており、そのことによって上記目的が達成される。
【0011】
以下、本発明の作用を説明する。
【0012】
本発明の2次元光ファイバアレイは、n枚の基板のそれぞれは主面に形成されたm本のV溝を有し、それぞれの光ファイバが各V溝内に配置されている。それぞれの光ファイバの位置は、V溝によって制限されるので、俵積み法に比較して高い位置精度が得られるとともに、光ファイバの位置決めに、特別な熟練を要する作業を必要としない。
【0013】
また、それぞれのV溝に対して所定の位置に光ファイバを固定すれば、光ファイバのx方向における位置精度をV溝の位置精度と実質的に同じにできる。特に、V溝の斜面が光ファイバの断面の円の接線となるように光ファイバを配置すると、光ファイバの直径にばらつきがあっても、光ファイバの中心はx方向にずれることがなく、光ファイバを高い位置精度で容易に配置することができる。
【0014】
さらに、n×m本の光ファイバのそれぞれは、m本の溝のそれぞれの斜面が、n×m本の光ファイバのそれぞれの断面の円の接線となるように配置され、それぞれの光ファイバの半径をr、溝のV字状断面形状の挟角をθ、それぞれの基板の厚さをdとするとき、ピッチPvがd<Pv<d+r[1+cos{(π−θ)/2}]の関係を満足する構成においては、それぞれの光ファイバは、V溝内において基板と接触するとともに、頂点は基板の主面よりも高い位置にある。すなわち、それぞれの光ファイバの外周面がV溝の両側の斜面に接する点は、基板の主面よりも低い位置にあるので、V溝内に配置された光ファイバがV溝外に移動することが効果的に防止されるとともに、光ファイバ上に配置する基板の底面で光ファイバを押さえて固定することができる。
【0015】
また、本発明の2次元光ファイバアレイは、y方向にピッチPvで互いに積層されたn枚の基板と、それぞれの端面がxy面内にn×m(n、m>2)のマトリクス状に配列されたn×m本の光ファイバとを有する2次元光ファイバアレイであって、前記n枚の基板のそれぞれは、zx面に平行な主面及び底面と、前記主面及び前記底面のそれぞれに形成され、それぞれがz方向に延び、x方向にピッチPhで配列され、且つxy面内の断面形状がV字状のm本の溝とを有し、前記n×m本の光ファイバのそれぞれは、前記n枚の基板のそれぞれの主面の前記m本の溝のそれぞれとそれに対向する隣接基板底面の溝とによって上下から挟まれるように配置されており、前記n×m本の光ファイバのそれぞれの半径をr、前記m本の溝のV字状断面形状の挟角をθ、前記n枚の基板のそれぞれの厚さをdとするとき、前記ピッチPvはd<Pv<d+2rcos{(π−θ)/2}]の関係を満足し、前記n枚の基板の主面のそれぞれの前記m本の溝のx方向における位置は、隣接する基板ごとに、一定のシフト量Sだけ異なっており、そのことによっても上記目的が達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明による実施形態を説明する。
【0017】
(実施形態1)
本発明による実施形態1の2次元光ファイバアレイ100Aを備えたアレイ部品100を図1に模式的に示す。図1(a)はアレイ部品100の外観図(正面図および側面図)であり、図1(b)は2次元光ファイバアレイ100Aの正面図である。このアレイ部品100は、例えば、レーザ光線がそれぞれの光ファイバファイ内に導かれる高速複写機用のイメージングヘッドであり得る。
【0018】
アレイ部品100は、ホルダ10内に2次元光ファイバアレイ100Aを備えている。この2次元光ファイバアレイ100Aは、4行6列(4×6)のマトリクス状に配列された24本の光ファイバ130を有している。勿論、光ファイバ130の本数はこの例に限定されず、本発明は、n×m(n、m>2)本の光ファイバを有する2次元光ファイバアレイに適用される。
【0019】
2次元光ファイバアレイ100Aの構成を説明するために、まず、図1に示したように、xyz座標系を規定する。光ファイバ130の端面がマトリクス状に配列されている面をxy面内にとる。マトリクス状配列における行方向がx方向で、列方向がy方向に対応する。それぞれの光ファイバファイバ130の軸方向(すなわちV溝120の延設方向)はz方向(紙面に垂直)に対応する。勿論、この座標系のとり方は例であり、例えば、z軸を中心に90°回転した座標系を設定(マトリクス状配列の行と列を入れ替えるのに相当)してもよい。本発明は座標系の取り方に依存しない。
【0020】
2次元光ファイバアレイ100は、y方向に沿って互いに積層された4枚の基板(4行に対応)110を有している。それぞれの基板110は、zx面に平行な主面110tおよび底面110bとを有している。それぞれの主面110tには、z方向に延びる6本のV溝120(6列に対応)が形成されている。それぞれのV溝120内に光ファイバ130が配置されている。光ファイバ130は、V溝120の斜面122(図2参照)と2点(厳密には光ファイバ軸方向に平行な2本の線)で接触している。また、それぞれの光ファイバ130の頂点(y方向における位置が最も高い点)は、隣接する基板110の底面110bまたは押さえ基板114の底面114bと接触している。このように、24本の光ファイバ130は、それぞれ、V溝120の2つの斜面122と隣接する基板の底面と接触し、そのことによって、位置決めされるとともに、保持されている。また、必要に応じて、隣接する基板110の間および基板110と押さえ基板114との間の任意の領域に接着層(不図示)を形成してもよい。勿論、光ファイバ130と基板110とを接着剤を用いて互いに固定してもよい。
【0021】
6本のV溝120は、x方向にピッチPhで規則的に設けられている。基板110の側面(xy面に平行)110lから最も近い位置に設けられているV溝120のx方向における位置(側面からの距離L)は、隣接する基板110ごとに、一定のシフト量Sだけ異ならせてあり、且つ4枚の基板110の側面110lが同一平面を形成するように積層されている。その結果、ピッチPhで規則的に配列された6本(6つの列に属する)の光ファイバ130が構成する各行における、それぞれの光ファイバ130のx方向における位置は、隣接する行(基板110)ごとにシフト量Sだけ異なっている。少なくとも押さえ基板114と最下層の基板110との間に配置される(ピッチPhにその厚さが影響する)基板110の厚さdを同一とし、V溝120の大きさおよび形状を同一に形成しておけば、隣接する基板110の間隙(主面と底面との距離)gも同一であり、光ファイバ130の列方向(y方向)に沿ったピッチPvは一定となる。勿論、製造工程を簡略化するため、および部品の共通化のために、全ての基板110および押さえ基板114の厚さを同一にしてもよい。
【0022】
上述した4×6マトリクス配列は、基板110の主面110tに形成される6本のV溝120の間隔によってx方向ピッチPhが規定され、基板110の厚さおよびV溝120の大きさおよび形状(例えば深さと挟角)によってy方向ピッチPvが規定され、それぞれの基板110において側面110lから最も近い位置に設けられるV溝120の位置(側面110lからの距離L)を変化させる量によってシフト量Sが規定されている。従って、ピッチPhおよびPvならびにシフト量Sを規定するパラメータを適宜変更することによって、多様な2次元配列を実現することができる。
【0023】
ピッチPhは、光ファイバ130の半径をr、直径のばらつきΔrとすると(以下同じ)、Ph>2rの範囲で任意に設定することができる。特に、ピッチPhは、2r+Δr以上で4r以下であることが好ましい。例えば、光ファイバの直径(2r)が125μmで、Δrが3μmの場合、ピッチPhは128μm以上で250μm以下であることが好ましい。ピッチPhが4rを越えると光ファイバ130の充填密度が低下し、実用性が低下するため好ましくない。
【0024】
ピッチPvは、基板110の厚さdよりも大きい領域で、任意に設定することができる。光ファイバアレイの用途に応じて適宜設定すればよい。典型的には、ピッチPvは、0.5〜2mm程度である。
【0025】
上記のピッチPhおよびPvならびにシフト量Sで設けられたそれぞれのV溝120の所定の位置に、光ファイバ130のそれぞれを固定すれば、光ファイバのx方向における位置精度をV溝の位置精度と実質的に同じにできる。特に、V溝120の斜面122が光ファイバ130の断面の円の接線となるように光ファイバ130を配置すると、光ファイバ130の直径にばらつきがあっても、光ファイバ130の中心はx方向にずれることはないので、光ファイバ130を高い位置精度で容易に配置することができる。さらに、光ファイバ130を安定に保持するためには、以下の条件を満足するように、V溝120の形状および大きさ(深さ、挟角θ等)を設定することが特に好ましい。
【0026】
光ファイバ130のそれぞれは、V溝120の斜面122が光ファイバ130の断面の円の接線となるように配置されており、且つ、V溝120のV字状断面形状の挟角をθ、基板110の厚さをdとすると、ピッチPvが、d<Pv<d+r[1+cos{(π−θ)/2}]の関係を満足する構成とすることが好ましい。図2に示したように、r[1+cos{(π−θ)/2}]は、V溝120内に配置された光ファイバ130の断面の円とV溝120の2つの斜面122との接点Pから、光ファイバ120が配置された基板110の上に積層された、隣接基板110の底面110bまでの距離hを表す。従って、ピッチPvが上記の範囲内である場合、光ファイバ130は、V溝120内において基板110の斜面122と接触するとともに、頂点は基板110の主面110tよりも高い位置にある。すなわち、光ファイバ130の外周面がV溝120の両側の斜面に接する点は、基板110の主面110tよりも低い位置にある。従って、V溝120内に配置された光ファイバ130がV溝120外に移動する(転がる)ことが効果的に防止される。
【0027】
さらに、ピッチPvが、d<Pv≦d+rの範囲内にあるように、V溝120の形状および大きさ(深さ、挟角θ等)を設定することが好ましい。このような構造にすることによって、光ファイバ130の重心(断面の中心)はV溝120内で基板110の主面110tより下に位置するようにできる。従って、光ファイバ130がV溝120外へ移動することをさらに効果的に抑制できる。
【0028】
シフト量Sは、V溝120の加工精度の制限は受けるが、基本的には任意に設定できる。ピッチPhと基板110の枚数(行数)等に応じて、適宜設定すればよい。また、図1に示したように、シフト量SがピッチPhと基板110の枚数(行数)nと、S=Ph/nで表されるように設定することによって、高速複写機のイメージングヘッドに好適に用いられる2次元ファイバアレイが得られる。上述した、光ファイバの直径(2r)が125μmで、Δrが3μmの場合、ピッチPhは128μm以上で250μm以下であることが好ましく、光ファイバの段数(行数)nは、典型的には2〜16段の範囲内にあるので、シフト量Sは15μm以上で64μm以下の範囲内にあることが好ましい。
【0029】
さらに、互いに積層された基板110および押さえ基板114とを接着剤を用いて相互に固定する場合、接合される主面110tと底面110b(および底面114b)との間隙g(図1(b)参照)を5μm以上設けることが好ましい。間隙gが5μmよりも小さいと、主面110tと底面110bとを重ねる作業において、基板主面の面精度の影響を受けやすくなるため、V溝によって複数の光ファイバ130をうまく挟持することが困難なことがある。この問題は、光ファイバ130(すなわちV溝120)の本数が多いほど顕著となる。また、間隙gが大きくなると、毛細管現象が起こりにくくなって接着剤がいきわたりにくくなるので、間隙gはr[1+cos{(π−θ)/2}]よりも小さいことが好ましく、0.3r以下であることがさらに好ましい。上述した例では、間隙gは10μmから30μmの範囲内にあることが好ましい。
【0030】
本実施形態の2次元光ファイバアレイ100Aおよびアレイ部品100の製造方法を以下に説明する。
【0031】
まず、基板110および押さえ基板114を用意する。基板110および押さえ基板114として、例えば、ジルコニア基板や石英基板(平行平板)を好適に用いることができる。勿論、これら以外のセラミックスまたはガラス基板を用いても良い。光ファイバ130を保持するのに十分な強度を有する材料であればよい。
【0032】
基板110の主面に、±1μm以内の加工精度で所定のV溝120を形成する。基板110の厚さ、V溝120の大きさおよび形状ならびにピッチPhは、目的に応じて、上述したように設定する。V溝120の形成は、公知の方法で実施することができる。例えば、ジルコニア基板や石英基板の主面を切削加工することによって、±1μm以内の加工精度でV溝120を形成することができる。
【0033】
次に、V溝120が形成された基板110の主面110t上に光ファイバ130を配置する。光ファイバ130としては、公知の光ファイバを広く用いることができる。V溝120は、上述したように、光ファイバ130を安定に保持するように形成されているので、光ファイバ130はそれぞれV溝120内に容易に配置される。このように、V溝120を用いることによって、特別な治工具や作業者の習熟度に頼ることなく、容易に光ファイバ130を所定の位置に配置することができる。
【0034】
続いて、それぞれ光ファイバ130が配置された基板110の主面110t上に、順次他の基板110を必要枚数だけ積層する。最上部の基板110の主面上には押さえ基板114が積層される。このとき、複数の基板110の側面110l(または側面110r)が同一平面を形成するように、治工具を用いて位置合わせする。積層された基板110および押さえ基板114の間隙gには、接着剤を注入して接着固定する。接着剤としては公知の材料を広く利用することができる。間隙gの大きさは、上述したように、用いる接着剤の粘性などを考慮して設定されていることが好ましい。このようにして、図1に示した2次元光ファイバアレイ100Aが得られる。
【0035】
2次元光ファイバアレイ100Aにおけるシフト量Sの精度は、ピッチPhの精度(V溝の加工精度)と複数の基板110の側面110l(または側面110r)の位置合わせの精度とに依存するが、±3μm以内の精度とすることができる。なお、ピッチPvのばらつきは、光ファイバ130の直径のばらつきΔrの影響を受けるが、Pvは1つの段を構成する光ファイバのうちの直径の大きいもの(上側に配置される基板の底面に当接する)によって規定されるので、PvのばらつきはΔrよりも小さくすることができる。
【0036】
なお、基板110を積層する工程と、光ファイバ130を配置する工程とを実行する順序は、任意でよい。例えば、光ファイバ130を配置した基板110の主面上に基板を積層した後、積層した基板110の主面110t上に光ファイバ130を配置し、さらにその上に基板110を配置する工程を繰り返してもよい。
【0037】
得られた2次元光ファイバアレイ100Aに、例えばステンレス製のホルダ10内に固定して、アレイ部品100が得られる。ホルダ10を樹脂成形法で形成することもできる。
【0038】
上述したように、実施形態1によると、多様な2次元配置を高い位置精度で有する2次元光ファイバアレイ100Aを得ることができる。また、この2次元光ファイバアレイ100Aの製造には、特別な熟練を要する作業を必要としない。
【0039】
(実施形態2)
図3は、実施形態2の2次元光ファイバアレイ200Aの断面図である。2次元光ファイバアレイ200Aにおける光ファイバ230のマトリクス配列は、実施形態1の2次元光ファイバアレイ100Aと同じである。2次元光ファイバアレイ200Aは、マトリクス状配列にシフト量Sを付与するための構造において、2次元光ファイバアレイ100Aと異なる。
【0040】
以下では、2次元光ファイバアレイ200Aにおけるマトリクス状配列にシフト量Sを付与するための構造を説明する。
【0041】
2次元光ファイバアレイ200Aが有する4枚の基板210は全て同じ構造を有している。すなわち、実施形態1の2次元光ファイバアレイ100Aの基板110と異なり、V溝220が形成されている位置(基板210それぞれの側面210lからの距離L)は、全て等しい。
【0042】
2次元光ファイバアレイ200Aにおけるマトリクス配列のシフト量Sは、互いに積層された基板210の側面210lに当接するように配置された支持部材250によって与えられている。支持部材250は、基板210側の側面210lに、所定のシフト量Sだけ高さが異なる段差250sを有している。複数の基板210は、それぞれの側面210lが支持部材250に当接するように配置されて、互いに段差250sずつずらされて位置合わせされ、シフト量Sが与えられる。2次元光ファイバアレイ200Aにおけるシフト量Sの精度は、V溝220の加工精度と複数の基板210の側面210lの位置合わせの精度とに依存するが、±3μm以内の精度とすることができる。
【0043】
2次元光ファイバアレイ200Aは、基本的に実施形態1の2次元光ファイバアレイ100Aと同様の方法で製造することができる。但し、基板210を互いに積層する工程において、支持部材250の段差250sを有する側面に、基板210の側面210lを押し当てながら、基板210を積層する点において、上述した2次元光ファイバアレイ100Aの製造方法と異なる。なお、支持部材250は、基板210および押さえ基板214を積層し、互いに接着した後は、不要であり、取り除けばよい。2次元光ファイバアレイ100Aに代えて、得られた2次元光ファイバアレイ200Aを用いることによって、図1に示したアレイ部品100を得ることができる。
【0044】
上述したように、本実施形態2の2次元光ファイバアレイ200Aは、同一の基板210を用いて製造することができるので、実施形態1で説明した利点に加えて、製造工程をさらに簡略化できる利点を有している。
【0045】
なお、上記の実施形態1および2においては、光ファイバを保持するための溝を基板の主面にのみ形成したが、必要に応じて、対向する底面にも溝を設けてもよい。このとき光ファイバ130のそれぞれは、図5に示したように、基板のV溝によって上下から挟まれるように配置される。V溝120および121の斜面122および123が光ファイバ130の断面の円の接線となるように配置され、且つ、V溝120および121のV字状断面形状の挟角をθ、基板110の厚さをdとすると、ピッチPvが、d<Pv<d+2rcos{(π−θ)/2}を満たす構成とすることが好ましい。
【0046】
図5に示したように、2rcos{(π−θ)/2}は、光ファイバ130の断面の円とV溝120の2つの斜面122との接点P1から、光ファイバ130の断面の円とV溝121の2つの斜面123との接点P2までの距離h2を表す。ピッチPvが上記の範囲内である場合、光ファイバ130の外周面がV溝120の両側の斜面に接する点P1は、基板110の主面110tよりも低く、点P2は基板110の底面110bよりも高い位置にある。従って、光ファイバ130がV溝120および121の外に移動する(転がる)ことが効果的に防止される。
【0047】
また、毛細管現象によって接着剤がいきわたるように、間隙g2を2rcos{(π−θ)/2}よりも小さくすることが好ましく、0.2r以下とすることがより好ましい。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、多様で、且つ位置精度が高い2次元配列を有する2次元光ファイバアレイを提供することができる。特に、シフト量Sを自由に、且つ高い精度で設定することができる2次元光ファイバアレイが提供される。また、本発明による2次元光ファイバアレイはその製造工程において、熟練を要する作業を必要としないので、高い生産効率で製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による実施形態1の2次元光ファイバアレイ100Aを有するアレイ部品100を模式的に示す図であり、(a)はアレイ部品100の外観図であり、(b)は2次元光ファイバアレイ100Aの正面図である。
【図2】 2次元光ファイバアレイ100Aの光ファイバ130とV溝120の拡大断面図である。
【図3】 本発明による実施形態2の2次元光ファイバアレイ200Aの模式的な断面図である。
【図4】 従来の2次元光ファイバアレイ400の模式的な断面図である。
【図5】 2次元光ファイバアレイ100Aの光ファイバ130とV溝120および121の拡大断面図である。
【符号の説明】
10 ホルダ
100 アレイ部品
100A、200A 2次元光ファイバアレイ
110、210 基板
114、214 押さえ基板
120、121、220 V溝
122、123 斜面
130、230 光ファイバ
250 支持部材
250S 段差
Claims (2)
- y方向にピッチPvで互いに積層されたn枚の基板と、それぞれの端面がxy面内にn×m(n、m>2)のマトリクス状に配列されたn×m本の光ファイバとを有する2次元光ファイバアレイであって、
前記n枚の基板のそれぞれは、zx面に平行な主面と、前記主面に形成され、それぞれがz方向に延び、x方向にピッチPhで配列され、且つxy面内の断面形状がV字状のm本の溝とを有し、
前記n×m本の光ファイバのそれぞれは、前記n枚の基板のそれぞれの前記m本の溝のそれぞれ内に、前記m本の溝のそれぞれの斜面が、前記n×m本の光ファイバのそれぞれの断面の円の接線となるように、配置されており、
前記n×m本の光ファイバのそれぞれの半径をr、前記m本の溝のV字状断面形状の挟角をθ、前記n枚の基板のそれぞれの厚さをdとするとき、前記ピッチPvはd<Pv<d+r[1+cos{(π−θ)/2}]の関係を満足し、
前記n枚の基板のそれぞれの前記m本の溝のx方向における位置は、隣接する基板ごとに、一定のシフト量Sだけ異なっている2次元光ファイバアレイ。 - y方向にピッチPvで互いに積層されたn枚の基板と、それぞれの端面がxy面内にn×m(n、m>2)のマトリクス状に配列されたn×m本の光ファイバとを有する2次元光ファイバアレイであって、
前記n枚の基板のそれぞれは、zx面に平行な主面及び底面と、前記主面及び前記底面のそれぞれに形成され、それぞれがz方向に延び、x方向にピッチPhで配列され、且つxy面内の断面形状がV字状のm本の溝とを有し、
前記n×m本の光ファイバのそれぞれは、前記n枚の基板のそれぞれの主面の前記m本の溝のそれぞれとそれに対向する隣接基板底面の溝とによって上下から挟まれるように配置されており、
前記n×m本の光ファイバのそれぞれの半径をr、前記m本の溝のV字状断面形状の挟角をθ、前記n枚の基板のそれぞれの厚さをdとするとき、前記ピッチPvはd<Pv<d+2rcos{(π−θ)/2}]の関係を満足し、
前記n枚の基板の主面のそれぞれの前記m本の溝のx方向における位置は、隣接する基板ごとに、一定のシフト量Sだけ異なっている2次元光ファイバアレイ。
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CN102062904A (zh) * | 2010-12-07 | 2011-05-18 | 杭州梭钠科技有限公司 | 一种实现光纤密排线阵列中光点密接的方法及模块 |
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