JP3729874B2 - キサンチン誘導体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、アデノシンA1受容体拮抗作用を示し、利尿作用、腎保護作用、気管拡張作用、脳機能改善作用、抗痴呆作用等を有するキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩に関する。
【0002】
【従来の技術】
8 −(1−アダマンチル)−1,3,7−トリメチルキサンチンがテトラヘドロン・レターズ (Tetrahedron Lett.)、27巻、6337頁 (1986年) に記載されているが、その薬理作用については知られていない。
また、
【0003】
【化4】
【0004】
(式中、RA 及びRB は低級アルキルを表わし、YA は単結合またはアルキレンを表わし、na は0または1を表わす)で表されるキサンチン誘導体がアデノシンA1受容体に選択的な拮抗作用を示し、利尿作用、腎保護作用あるいは気管拡張作用等を有すること(特開平3-173889号公報)、また、脳機能改善作用を有すること(特開平4-270222号公報)、下式
【0005】
【化5】
【0006】
(式中、RC 及びRD はヒドロキシ等置換または非置換の低級アルキルを表わし、RE はC7 〜C12の置換もしくは非置換のトリシクロアルキルを表わす)で表されるキサンチン誘導体が抗潰瘍作用等を有すること(特開平5-58913 号公報)が知られているが、ヒドロキシ置換の具体的な化合物については開示されていない。
【0007】
また、下式
【0008】
【化6】
【0009】
[式中、RF 及びRG は同一または異なってヒドロキシ置換もしくは非置換の低級アルキルを表わし、RH はジヒドロキシアルキルまたは
【0010】
【化7】
【0011】
[式中、XはO、SまたはNRP(式中、RP は水素、低級アルキルまたは低級アシルを表わす)を表わし、ma 及びnb は同一または異なって1〜5の整数をを表わす]を表わす]で表されるキサンチン誘導体が中枢刺激作用を有すること(米国特許4755517 号公報)、下式
【0012】
【化8】
【0013】
(式中、RJ は、メチル、エチルまたはプロピルを表わし、RK は2−ヒドロキシプロピルを表わし、RL はメチルまたはプロピルを表わす)で表されるキサンチン誘導体が抗アレルギー作用を有すること(特開昭54-79296号公報)、もしくは、下式
【0014】
【化9】
【0015】
(式中、RM 及びRO のうち少なくとも1つは炭素数3〜8の(ω−1)−ヒドロキシアルキルを表わし、RM 及びRO のうちの一方のみが(ω−1)−ヒドロキシアルキルである場合には他方は水素または低級アルキルを表わし、RN は低級アルキルを表わす)で表される化合物が腎毒性を減少させる作用のあること(特開平3-90028 号公報)が知られている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アデノシンA1受容体拮抗作用を示し、利尿作用、腎保護作用、気管拡張作用、脳機能改善作用、抗痴呆作用等を有するキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(I)
【0018】
【化10】
【0019】
[式中、R1 及びR2 は同一または異なってヒドロキシ置換、オキソ置換もしくは非置換の低級アルキルを表わし、Yは単結合またはアルキレンを表わし、Qは
【0020】
【化11】
【0021】
(式中、R3 及びR4 は同一または異なって水素またはヒドロキシを表わし、nは0または1を表わし、R3 及びR4 が共に水素のとき、R1 及びR2 の少なくとも一つはヒドロキシ置換またはオキソ置換低級アルキルである)または
【0022】
【化12】
【0023】
(式中、nは前記と同義である)を表わす]で表わされるキサンチン誘導体[以下、化合物(I)という。他の式番号の化合物についても同様である]またはその薬理的に許容される塩に関する。
化合物(I)の定義において、低級アルキルとは、直鎖または分岐状の炭素数1〜6の、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシル等を意味し、アルキレンは、直鎖または分岐状の炭素数1〜4の、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、メチルメチレン、プロピレン、エチルエチレン等を包含する。R1 及びR2 におけるヒドロキシもしくはオキソ置換の数は1〜2で、置換位置は任意でよい。R1 及びR2 として好ましくは、2位または3位がヒドロキシ置換、オキソ置換もしくは非置換のプロピル等をあげることができる。Qの定義中、Yとの結合位置、およびヒドロキシもしくはオキソ置換の位置は任意でよい。Qとして好ましくは、9位または6位がヒドロキシ置換、オキソ置換もしくは非置換の3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル、あるいは3位がヒドロキシ置換もしくは非置換の1−トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル等をあげることができる。
【0024】
化合物(I)の薬理的に許容される塩は、薬理的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等を包含する。
化合物(I)の薬理的に許容される酸付加塩としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩等の有機酸塩があげられ、薬理的に許容される金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられ、薬理的に許容されるアンモニウム塩としてはアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられ、薬理的に許容される有機アミン付加塩としてはモルホリン、ピペリジン等の付加塩があげられ、薬理的に許容されるアミノ酸付加塩としてはリジン、グリシン、フェニルアラニン等の付加塩があげられる。
【0025】
次に、化合物(I)の製造法について説明する。
製造法1:
化合物(I)は、次の反応工程に従い製造することができる。
【0026】
【化13】
【0027】
(式中、R1 、R2 、Y及びQは前記と同義である)
工程1:
公知の方法(例えば、特開昭54-79296号公報)に準じて得られるウラシル誘導体(II)とカルボン酸(III)あるいはその反応性誘導体とを反応させることにより化合物(IV)を得ることができる。
【0028】
カルボン酸(III)のうちQ中のnが1である化合物は、例えば以下に示す公知の方法により合成することができる。
3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸:シンセティック・コミュニケーションズ (Syn. Commun.) 、18巻、1967頁 (1988年) 。
2−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸及び4−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸:ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー (J.
Org. Chem.)、38巻、3447頁 (1973年) 。
【0029】
2−オキソアダマンタン−1−カルボン酸:ザ・ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ・パーキンI (J. Chem. Soc. Perkin I) 、1893頁 (1976年) 。
4−オキソアダマンタン−1−カルボン酸:ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー (J. Org. Chem.)、48巻、1099頁 (1973年) 。
一方、カルボン酸(III)のうちnが0である化合物においては、以下の化合物についての合成法が知られている。
【0030】
9−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボン酸(9−ヒドロキシノルアダマンタン−3−カルボン酸):ザ・ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティ・パーキンI (J. Chem. Soc. Perkin I) 、1669頁 (1973年) 。
1−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボン酸:ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー (J. Org. Chem.)、48巻、5231頁 (1983年) 。
【0031】
2−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−2−カルボン酸:シンセシス (Synthesis)、74頁 (1980年) 。
9−オキソトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボン酸:ケミシェ・ベリヒテ (Chem. Ber.) 、103 巻、863 頁 (1970年) 。
9−オキソトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−1−カルボン酸:ザ・ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ (J. Am. Chem. Soc.)、113 巻、6607頁 (1991年) 。
【0032】
6−オキソトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボン酸は、参考例に示した方法により合成することができる新規化合物である。
ここで、カルボン酸(III)の反応性誘導体としては、酸クロリド、酸ブロミド等の酸ハライド類、p−ニトロフェニルエステル、N−オキシコハク酸イミド等の活性エステル類、市販の酸無水物類あるいは3−(3−ジメチルアミノプロピル)−1−エチルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミドを用い生成される酸無水物類、炭酸モノエチルエステル、炭酸モノイソブチルエステル等との混合酸無水物類等があげられる。
【0033】
反応は、カルボン酸(III)を用いる場合は、無溶媒、50〜200 ℃で行い、10分〜5時間で終了する。また、該工程にカルボン酸(III)の反応性誘導体を用いる場合は、ペプチド化学で常用される方法に準じて実施することができる。すなわち、化合物(II)を、カルボン酸(III)の反応性誘導体と、好ましくは添加剤または塩基の存在下に反応させることにより、化合物(IV)を得ることができる。反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エタン等のハロゲン化炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及び必要により水等が適宜選択され、添加剤としては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール等が、また塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、N−メチルモルホリン等があげられる。反応は、-80 〜50℃で行い、0.5 〜24時間で終了する。また、反応性誘導体は、反応系中に生成させた後単離せずに用いてもよい。
【0034】
工程2:
化合物(IV)を塩基の存在下(A法)、脱水剤での処理(B法)または加熱下(C法)反応させることにより化合物(I)を得ることができる。
A法では、塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、あるいは水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物が用いられ、反応溶媒としては、水、メタノール、エタノール等の低級アルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が単独もしくは混合して用いられる。反応は、0〜180 ℃で行い、10分〜6時間で終了する。
【0035】
B法では、脱水剤として、例えば塩化チオニル等のハロゲン化チオニル、オキシ塩化リン等のオキシハロゲン化リンが用いられ、反応溶媒としては、無溶媒、あるいは塩化メチレン、クロロホルム、二塩化エタン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の反応に不活性な溶媒が用いられる。反応は、0〜180 ℃で行い、0.5 〜12時間で終了する。
【0036】
C法では、反応溶媒として、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ダウサーモA(ダウケミカル社製)等の極性溶媒が用いられる。反応は、50〜200 ℃で行い、10分〜5時間で終了する。
【0037】
製造法2:
化合物(I)は、次の反応工程に従い製造することもできる。
【0038】
【化14】
【0039】
(式中、R5 及びR6 の少なくとも一つは低級アルケニルを表わし、他は低級アルキルを表わし、R1 、R2 、Y及びQは前記と同義である)
ここで、低級アルケニルは、直鎖または分岐状の炭素数2〜6の、例えばビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ヘキセニル等を表わし、低級アルキルは前記低級アルキルと同義である。
【0040】
先の製造法1の方法、公知の方法(例えば、特開平3-173889号公報)あるいはそれに準じて得られる化合物(V)に水和反応もしくは酸化反応を行うことにより化合物(I)を得ることができる。この水和反応は、以下の4つの方法により行うことができる。
方法A: 化合物(V)を、プロトン酸中、80〜120 ℃で1〜4日間加熱することにより、化合物(I)を得ることができる。プロトン酸としては、希硫酸の他、希硝酸、過塩素酸水溶液等が用いられる。
【0041】
方法B: 化合物(V)にヒドロボレーション(hydroboration) 反応を施し、次いで酸化反応を行うことにより、化合物(I)を得ることができる。ヒドロボレーション試薬としては、ジボラン(B2 H6 )、その錯体(テトラヒドロフラン錯体、ジメチルスルフィド錯体、トリエチルアミン錯体等)、ジイソアミルボラン、セキシルボラン、9−ボラビシクロ[3.3.1 ]ノナン(9−BBN)等が用いられる。このときの反応溶媒としては、ジグライム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類が用いられる。反応は、-30 〜50℃で行い、10分〜12時間で終了する。酸化反応は、例えばジグライム、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル類とアルカリ水溶液との混合溶媒中、0〜50℃で、10分〜4時間過酸化水素水を作用させればよい。
【0042】
方法C: 化合物(V)に酢酸水銀(II)等を作用させてオキシ水銀化反応(oxymercuration)を行い、次いで水素化ほう素ナトリウム等の水素化ほう素アルカリ金属で処理することにより、化合物(I)を得ることができる。オキシ水銀化反応においては、溶媒として、エーテル、テトラヒドロフランあるいはアセトンと水との混合溶媒が用いられる。反応は、0〜50℃で行い、10分〜12時間で終了する。オキシ水銀化反応終了後、反応系をアルカリ性とし、0〜30℃で水素化ほう素アルカリ金属を作用させることにより、10分〜12時間で化合物(I)を得ることができる。
【0043】
方法D:化合物(V)を触媒量のパラジウム及びその再酸化剤存在下、酸素雰囲気で反応させると化合物(I)が得られる。使用されるパラジウム触媒としては、塩化パラジウム、ビス(アセトニトリル)塩化パラジウム、硫酸パラジウムあるいはビス(アセトニトリル)ニトロ塩化パラジウム等が、再酸化剤としては、塩化第一銅、塩化第二銅、硝酸第二銅、酢酸第二銅、あるいはp−ベンゾキノン等が例示される。反応溶媒は、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、水が単独もしくは混合して用いられる。反応は、0〜180 ℃で行い、10分〜24時間で終了する。
【0044】
製造法3:
化合物(I)の中でQが
【0045】
【化15】
【0046】
(式中、R4 及びnは前記と同義である)
または
【0047】
【化16】
【0048】
(式中、nは前記と同義である)である化合物(I−1)は、次の反応工程に従い製造することができる。
【0049】
【化17】
【0050】
[式中、Qb は、Qの定義の中の
【0051】
【化18】
【0052】
(式中、nは前記と同義である)
を表わし、Qc は、Qの定義の中の
【0053】
【化19】
【0054】
(式中、R4 及びnは前記と同義である)
または
【0055】
【化20】
【0056】
(式中、nは前記と同義である)を表わし、R1 、R2 及びYは前記と同義である]
方法A: 化合物(I’)に適当な酸化剤を作用させ、位置あるいは立体特異的に水酸化またはカルボニル化することにより、化合物(I−1)を得ることができる。
【0057】
酸化剤としては、無水クロム酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素水、酸素、オゾン、硝酸、あるいはtert- ブチルヒドロペルオキシド、ジメチルジオキシラン等の有機過酸化物が用いられる。本酸化反応では、必要により、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、塩化ルテニウム等を適宜添加する。反応溶媒は、用いる酸化剤により異なるが、水、酢酸、無水酢酸、ピリジン、ベンゼン、アセトニトリル等が用いられる。反応は、-50 〜150 ℃で行い、10分〜96時間で終了する。
【0058】
方法B: 公知の方法[鎌滝哲也 他(1985)医薬品開発のためのファーマコキネティックス実験法 (Applied Pharmacokinetics−Theory and Experiments−) 、325 頁、花野 学ら編、ソフトサイエンス社、東京]により得られる肝ミクロゾームを中性のリン酸緩衝液に懸濁させ、これにジヒドロニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸(NADPH)あるいはこの生成系を加え、好ましくはウシ血清アルブミン及び安定化剤の存在下、化合物(I’)と共にインキュベーションすることにより、化合物(I−1)を得ることができる。
【0059】
肝ミクロゾームとしては、好ましくは、薬物代謝酵素の誘導薬[例えばフェノバルビタールナトリウム (Phenobarbital Sodium) 等]を処置したラットより調製した肝ミクロゾームが用いられる。NADPHの生成系としては、特に限定はないが、例えば、8mM β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸ナトリウム(β−NADP)、80mMグルコース 6−リン酸ナトリウム、10単位グルコース 6−リン酸デヒドロゲナーゼ(酵母由来;オリエンタル酵母社製)及び60mM塩化マグネシウムの混合液があげられる。安定化剤は、肝ミクロゾームの脂質過酸化を阻害して薬物代謝酵素を安定化できるものであればよく、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)等があげられる。インキュベーションは、30〜40℃、好ましくは37℃で行われ、反応は、10分〜24時間で終了する。
【0060】
製造法4:
化合物(I−1)は、次の反応工程に従い製造することもできる。
【0061】
【化21】
【0062】
(式中、R1 、R2 、Y、Qb 及びQc は前記と同義である)
工程1:
製造法1−工程1の方法に準じて得られる化合物(IV’)に製造法3と同様の酸化反応を施すことにより化合物(IV)の中でQがQc である化合物(IV−1)を得ることができる。
【0063】
工程2:
化合物(IV−1)に製造法1−工程2と同様の環化反応を施すことにより化合物(I−1)を得ることができる。
上述した製造法における目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。
【0064】
化合物(I)の塩を取得したいとき、化合物(I)が塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加え塩を形成させればよい。
また、化合物(I)及びその薬理的に許容される塩は、水あるいは各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これら付加物も本発明に包含される。
【0065】
なお、化合物(I)の中には光学異性体が存在し得るものもあるが、本発明は、全ての可能な立体異性体及びそれらの混合物も包含する。
化合物(I)の具体例を第1表に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
化合物(I)またはその薬理的に許容される塩は、アデノシンA1拮抗作用を有し、利尿作用、腎保護作用、抗健忘作用を示す。従って、化合物(I)またはその薬理的に許容される塩は、利尿剤及び利尿作用に由来する降圧剤、浮腫治療剤として、さらに腎毒性予防・治療剤、腎機能保護剤、腎炎予防・治療剤、ネフローゼ症候群予防・治療剤等の腎保護剤、あるいは抗痴呆剤として有用である。
【0069】
次に化合物(I)の薬理作用について試験例で説明する。
【0070】
試験例1 急性毒性試験
体重20±1gのdd系雄マウスを1群3匹用い、試験化合物を経口で投与した。投与7日後の死亡状況を観察し最小致死量(MLD)値を求めた。
試験化合物は、いずれもMLD>300mg/kgであり、毒性が弱く幅広い用量範囲で安全に用いることができる。
【0071】
試験例2 アデノシン受容体拮抗作用(アデノシンA1受容体結合試験)
Bruns らの方法[プロシーディングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス (Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)、77巻、5547頁 (1980年) ]に若干の改良を加えて行った。
ラット大脳を、氷冷した50mMトリスヒドロキシメチルアミノメタン塩酸(Tris HCl)緩衝液(pH7.7) 中で、ポリトロンホモジナイザー(Kinematica 社製) で懸濁した。懸濁液を遠心分離(50,000 ×g, 10分間) し、得られた沈澱に再び同量の50mM Tris HCl 緩衝液を加えて再懸濁し、同様の遠心分離を行った。得られた最終沈澱物に、100mg(湿重量)/mlの組織濃度になるように50mM Tris HCl 緩衝液を加え、懸濁した。この組織懸濁液を、アデノシンデアミナーゼ0.02ユニット/mg 組織(Sigma社製) の存在下、37℃で30分間保温した。次いで、この組織懸濁液を遠心分離 (50,000×g、10分間) し、得られた沈澱に、10mg (湿重量)/mlの濃度になるように50mM Tris HCl 緩衝液を加え、懸濁した。
【0072】
上記調製した組織懸濁液1mlに、トリチウムで標識したシクロヘキシルアデノシン(3H-CHA : 27キュリー/mmol ; New England Nuclear 社製) 50μl(最終濃度1.1nM)及び試験化合物50μl を加えた。混合液を25℃で90分間静置後、ガラス繊維濾紙(GF/C ; Whatman 社製) 上で急速吸引濾過し、ただちに氷冷した5mlの50mM Tris HCl 緩衝液で3回洗浄した。ガラス繊維濾紙をバイアルびんに移し、シンチレーター(EX-H ; 和光純薬工業社製) を加え、放射能量を液体シンチレーションカウンター(Packard社製) で測定した。
【0073】
試験化合物のA1受容体結合 (3H-CHA結合) に対する阻害率の算出は、次式により求め、表中の阻害定数(Ki値) は、Cheng-Prusoff の式より求めた。
【0074】
【数1】
【0075】
(注) 全結合量とは、試験化合物非存在下での3H-CHA結合放射能量である。
非特異的結合量とは、10μM N6-(L-2-フェニルイソプロピル) アデノシン(Sigma社製) 存在下での3H-CHA結合放射能量である。
薬物存在下での結合量とは、各種濃度の試験化合物存在下での3H-CHA結合放射能量である。
【0076】
試験結果を第2表に示す。
【0077】
【表3】
【0078】
試験例3 利尿作用
ウイスターラット(雄性; 150〜300g) を、摂食を遮断して18時間飢餓状態にした後使用した(n=4〜5)。試験化合物を静脈内投与(0.4%メタノール、1%ジメチルスルホキシド及び0.01N 水酸化ナトリウム/生理食塩水に溶解)した後生理食塩水(25ml/kg) をラットに経口投与するか、あるいは試験化合物を生理食塩水(25ml/kg) と共にラットに経口投与した。その後4時間採取した尿をメスシリンダーで計量し、尿中電解質(Na +及び K+ )を炎光光度計 (日立製775A) で測定した。
【0079】
試験結果を第3表及び第4表に示す。
【0080】
【表4】
【0081】
【表5】
【0082】
第3表及び第4表によれば、試験化合物は優れたNa利尿作用を示した。
【0083】
試験例4 腎保護作用(グリセロール誘発腎不全モデル)
腎機能が低下し、体液の恒常性が維持できなくなった状態が腎不全である。ラットにグリセロールを皮下または筋肉注射すると、尿細管障害を特徴とする急性腎不全が惹起されることが知られている[カナディアン・ジャーナル・オブ・フィジオロジィ・アンド・ファーマコロジィ (Can. J. Physiol. Pharmacol.)、65巻、42頁 (1987年) ]。
【0084】
ウィスターラット(雄性)を、摂水を遮断して18時間後に使用した。試験化合物を腹腔内投与 (投与量;0.1ml/100g) し、30分後ラットをエーテル麻酔し、背中の皮をつまんで50%グリセロール0.8ml/100gを皮下投与した。グリセロール投与24時間後、ラットをエーテル麻酔し、下行大動脈より5ml 採血した。採血したサンプルは、30分以上放置後、3,000rpm、10分間遠心分離し、得られた血清中のクレアチニン量、尿素窒素量を、共にオートアナライザー (オリンパスAU510)を用いて測定[クレアチニンテスト(Jaffe'法) 、尿素窒素テスト(酵素法)、共にオリンパスAU500/550 専用試薬「片山」を使用]した。
【0085】
なお、試験結果について、対照群と試験化合物群との間で統計処理[有意差検定Student's t-test(n=8〜10) ]を行った。
試験結果を第5表に示す。
【0086】
【表6】
【0087】
第5表によれば、試験化合物は、0.1mg/kgあるいはそれ以下の用量の腹腔内投与により、血清クレアチニン量及び血清尿素窒素量の上昇を有意に抑制した。
一方、10mg/kg 腹腔内投与により、アミノフィリンは弱い抑制傾向しか示さず、フロセミドは悪化傾向を示した。
【0088】
試験例5 (R)−PIA誘発健忘に対する作用
化合物(I)の抗痴呆効果は(R)−PIA[(R)−N6 −(2−フェニルイソプロピル)アデノシン]誘導痴呆モデルの系で測定した〔ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・ファーマコロジィ(Jpn. J. Pharmacol.)、52巻(Suppl. II)、107P頁(1990年)〕。実験動物には1群15匹のddY 系マウス(体重 20〜25g)を用いた。試験はStep-through受動的回避装置(明暗箱)を用いて行った。この明暗箱装置は4Wの白色蛍光灯で照明された15× 9×11cmの明室と15×14×18cmの暗室から構成されている。2つの部屋の床はステンレススチール製グリッド床になっており、暗室の床グリッドにのみ弱い電流(0.3mA;2秒間)が通電できる、また両部屋は、3 ×3 cmのギロチンドアで仕切られている。
【0089】
試験化合物を0.3%カルボキシメチルセルロース(CMC)に懸濁し、以下に述べる獲得試験の60分前に経口投与した(正常対照群および以下の健忘処理を行う健忘対照群には0.3%CMCのみを投与した)。試験化合物投与30分後に健忘処理として(R)−PIA0.3mg/kgを腹腔内に投与した[正常対照群は(R)−PIA無投与]。
【0090】
次に、学習を獲得するための訓練(獲得試行)を行った。マウスを明室に入れ、10秒後にギロチンドアを開放した。明室に入れられたマウスは速やかに暗室に移動するが、マウスの全身が完全に暗室にはいると同時にギロチンドアを閉めて、床のグリッドに0.3mAの電流を2秒間通電した(フットショック)。フットショックを受けた後、マウスを直ちに暗室より取り出した。
【0091】
獲得試行の翌日、記憶の保持・想起を調べるための試験(想起試行)を次のように行った。獲得試行24時間後のマウスを明室にいれ、ギロチンドア開放時からマウスが暗室に完全に入るまでの所要時間(潜時)を計測した。最大計測時間は 600秒とし、600 秒以上の潜時は 600秒として記録した。
抗痴呆効果は試験化合物投与群の反応潜時が健忘対照群の反応潜時に比べ有意に増加しているか否かで判定した。有意差検定は、Steel −testにより判定した。
【0092】
試験結果を第6表に示す。
【0093】
【表7】
【0094】
第6表によれば、試験化合物は、5mg/kgあるいはそれ以下の用量の経口投与により、抗痴呆作用を示した。
化合物(I)またはその薬理的に許容される塩はそのままあるいは各種の製薬形態で使用することができる。本発明の製薬組成物は、活性成分として、有効な量の化合物(I)またはその薬理的に許容される塩を薬理的に許容される担体と均一に混合して製造できる。これらの製薬組成物は、経口的または注射による投与に対して適する単位服用形態にあることが望ましい。
【0095】
経口服用形態にある組成物の調製においては、何らかの有用な薬理的に許容される担体が使用できる。例えば懸濁剤及びシロップ剤のような経口液体調製物は、水、シュークロース、ソルビトール、フラクトース等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を使用して製造できる。粉剤、丸剤、カプセル剤及び錠剤は、ラクトース、グルコース、シュークロース、マンニトール等の賦形剤、でん粉、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の表面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を用いて製造できる。錠剤及びカプセル剤は、投与が容易であるという理由で、最も有用な単位経口投与剤である。錠剤やカプセル剤を製造する際には固体の製薬担体が用いられる。
【0096】
また、注射剤は、蒸留水、塩溶液、グルコース溶液または塩水とグルコース溶液の混合物から成る担体を用いて調製することができる。この際、常法に従い適当な助剤を用いて、溶液、懸濁液または分散液として調製される。
化合物(I)またはその薬理的に許容される塩は、上記製薬形態で経口的にまたは注射剤として非経口的に投与することができ、その有効用量及び投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状等により異なるが、通常1日当り、1〜50mg/kg を3〜4回に分けて投与する。
【0097】
以下に、実施例、製剤例及び参考例によって本発明の態様を説明する。
【0098】
【実施例】
実施例1
8−(9−オキソ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン(化合物1)
参考例1で得られる化合物E,250mg(0.644 ミリモル) 及び水酸化カルシウム334mg(4.51ミリモル) の水4ml懸濁液を30分間加熱還流した。冷却後、反応液を濃塩酸でpH2に調節し、クロロホルムで3回抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をエタノール/水より再結晶し、化合物1,141mg(収率59%) を白色板状結晶として得た。融点:172.0-173.7 ℃
元素分析値:C20H26N4 O3
計算値(%):C 64.85,H 7.07 ,N 15.12
実測値(%):C 64.43,H 7.33 ,N 15.21
IR(KBr) νmax (cm-1) :1703, 1650, 1560, 1501.
NMR(270MHz;CDCl3) δ(ppm) :12.14(1H, brs), 4.12(2H, t, J=7.3Hz), 3.97(2H, t, J=7.6Hz), 3.16(1H, t, J=5.9Hz), 2.89(2H, brs), 2.60-2.53(2H, m), 2.34-2.23(4H, m), 1.98-1.93(2H, m), 1.90-1.60(4H, m), 0.98(3H, t, J=7.0Hz), 0.94(3H, t, J=7.3Hz).
MS(EI) m/e (相対強度) :370(100, M+ ), 328(53), 300(46), 286(54), 258(35), 256(37), 217(41).
【0099】
実施例2
8−(6−オキソ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン(化合物2)
化合物Eの代わりに参考例1で得られる化合物F,570mg(1.47ミリモル) を用いる以外は、実施例1とほぼ同様の操作により、化合物2,478mg(収率79%) を白色粉末として得た。
融点:162.8-164.1 ℃
元素分析値:C20H26N4 O3
計算値(%):C 64.85,H 7.07 ,N 15.12
実測値(%):C 64.56,H 7.28 ,N 15.21
IR(KBr) νmax (cm-1) :1751, 1703, 1648, 1556, 1508, 1502.
NMR(270MHz;CDCl3) δ(ppm) :12.18(1H, brs), 4.09(2H, t, J=7.2Hz), 4.02(2H, t, J=7.8Hz), 3.07(1H, dd, J=7.9, 1.7Hz), 2.68-2.60(1H, m), 2.60-1.85(9H, m), 1.80-1.60(4H, m), 0.97(6H, t, J=7.3Hz).
MS(EI) m/e (相対強度) :370(100, M+ ), 328(61), 300(51), 286(86), 258(39), 256(36), 217(13).
【0100】
実施例3
8−(トランス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン(化合物3)及び8−(シス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン(化合物4)
実施例1で得られた化合物1,70.0mg(0.189ミリモル) のエタノール3ml 溶液に、氷冷下、水素化ほう素リチウム9.2mg(0.378 ミリモル) を加え、室温で1.5 時間攪拌した。反応液を1N塩酸でpH3に調節し、クロロホルムで3回抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)[カラム:YMC-Pack, SH-365-10, S-10 [(株) ワイ・エム・シィ] 30mmi.d.×500mm ;溶出溶媒:50%アセトニトリル/水;流速:80ml/min]で精製し、化合物3,26.6mg (収率38%) 及び化合物4,11.5mg (収率16%) をそれぞれ白色粉末として得た。
【0101】
化合物3:
融点:224.9-225.3 ℃
元素分析値:C20H28N4 O3
計算値(%):C 64.49,H 7.58 ,N 15.04
実測値(%):C 64.74,H 7.37 ,N 15.15
IR(KBr) νmax (cm-1) :1696, 1653, 1555, 1508, 1495.
1H-NMR(270MHz ;CD3OD) δ(ppm) :4.07(2H, m), 3.95(2H, m), 3.89(1H, m), 2.62(1H, m), 2.34(2H, m), 2.17(2H, m), 2.10(2H, m), 1.98(2H, dd, J=10.9, 2.7Hz), 約1.81(2H, m), 1.77(2H, m), 1.66(2H, m), 0.95(3H, t, J=7.4Hz), 0.94(3H, t, J=7.4Hz).
13C-NMR(270MHz;CD3OD) δ(ppm) :161.8, 156.1, 153.0, 149.8, 108.4, 73.2, 49.5, 46.6, 46.3, 46.1, 44.9, 43.9, 39.7, 22.41, 22.36, 11.5, 11.4.
MS(EI) m/e (相対強度) :372(100, M+ ), 330(59), 302(27), 288(63), 258(17).
【0102】
化合物4:
融点:224.8-225.1 ℃
元素分析値:C20H28N4 O3
計算値(%):C 64.49,H 7.58 ,N 15.04
実測値(%):C 64.58,H 8.01 ,N 14.94
IR(KBr) νmax (cm-1) :1694, 1650, 1499.
1H-NMR(270MHz ;CD3OD) δ(ppm) :4.08(2H, m), 3.95(2H, m), 3.86(1H, m), 2.68(1H, bt, J=6.6Hz), 2.36(2H, m), 約2.35(2H, m), 2.01-1.90(4H, m), 1.78(2H, m), 1.66(2H, m), 約1.65(2H, m), 0.96(3H, t, J=7.4Hz), 0.94(3H, t, J=7.4Hz).
13C-NMR(270MHz;CD3OD) δ(ppm) :161.9, 156.1, 153.0, 149.8, 108.4, 72.7, 49.8, 46.1, 45.2, 45.1, 44.8, 43.9, 41.3, 22.41, 22.35, 11.5, 11.3.
MS(EI) m/e (相対強度) :372(100, M+ ), 330(26), 302(10), 288(44), 258(18).
【0103】
実施例4
8−(トランス−6−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン(化合物5)
実施例2で得られた化合物2,75.0mg(0.203ミリモル) を用い、実施例3とほぼ同様の操作を行った。得られた粗生成物をエタノール/水より再結晶し、化合物5,56.8mg (収率75%) を白色粉末として得た。
融点:192.8-193.5 ℃
元素分析値:C20H28N4 O3
計算値(%):C 64.49,H 7.58 ,N 15.04
実測値(%):C 64.78,H 7.81 ,N 15.20
IR(KBr) νmax (cm-1) :1703, 1654, 1553, 1500.
1H-NMR(270MHz ;CD3OD) δ(ppm) :4.22(1H, dd, J=6.9, 3.3Hz), 4.07(2H, m), 3.95(2H, m), 2.59(1H, tt, J=6.9, 1.3Hz), 2.51(1H, dd, J=11.4, 2.1Hz), 2.30(1H, m), 約2.18(2H, m), 2.10(1H, m), 約2.02(1H, m), 約1.97(1H, m), 1.91(1H, d, J=11.5Hz), 1.78(2H, m), 1.66(2H, m), 約1.55(1H, m), 約1.48(1H, m), 0.95(3H, t, J=7.4Hz), 0.94(3H, t, J=7.4Hz).
13C-NMR(270MHz;CD3OD) δ(ppm) :161.9, 156.1, 153.0, 149.8, 108.4, 76.5, 49.4, 49.3, 46.1, 43.9, 43.7, 41.9, 38.2, 34.1, 30.4, 22.4, 22.3, 11.5, 11.3.
MS(EI) m/e (相対強度) :372(100, M+ ), 370(81), 354(44), 330(50), 328(54), 288(81), 286(64).
【0104】
実施例5
8−(トランス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン(化合物3)
1)ラット肝ミクロゾームの調製
雄性ラット(SD系、SLC、200-220g)に1日1回80mg/kg のフェノバルビタールナトリウム(Phenobarbital Sodium;和光純薬工業社製)を計3日間腹腔内投与した。4日目に肝臓を摘出し、氷冷した肝臓重量の3倍容の1.15%塩化カリウム−0.01M リン酸緩衝液(pH7.4) 中で、テフロンホモジナイザーで懸濁した。懸濁液を遠心分離(10,000×g、10分間、4℃)し、上清をさらに遠心分離(105,000 ×g、60分間、4℃)した。得られた沈澱に、再び同量の1.15%塩化カリウム−0.01M リン酸緩衝液(pH7.4) を加えて再懸濁し、遠心分離(40,000×g、30分間、4℃)を行った。こうして得られた沈澱に、10mg (湿重量)/mlとなるように20%グリセロール、0.1mM エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)−0.01M リン酸緩衝液(pH7.4) を加えて再懸濁し、ラット肝ミクロゾームを得た。
【0105】
2)ラット肝ミクロゾームを用いた化合物3の合成
8−(3−ノルアダマンチル)−1,3−ジプロピルキサンチン[1,3−ジプロピル−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)キサンチン](特開平3-173889号公報)3.6mg(0.01ミリモル) をメタノール1ml に溶解し、これに先に得られたラット肝ミクロゾーム10ml、4%ウシ血清アルブミン(BSA)/0.2Mリン酸緩衝液(pH7.4)5ml、NADPH−生成系混液2ml[8mM β−ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸ナトリウム(β−NADP)、80mMグルコース 6−リン酸ナトリウム、10単位グルコース 6−リン酸デヒドロゲナーゼ(酵母由来;オリエンタル酵母社製) 及び60mM塩化マグネシウム]及び1mM EDTA,2ml を加え、37℃で1時間インキュベーションした。遠心分離(40,000×g、30分間、4℃)後、上清を採取し、得られた沈澱は0.2Mリン酸緩衝液に再懸濁させた。この懸濁液に再び4%ウシ血清アルブミン(BSA)/0.2Mリン酸緩衝液(pH7.4)5ml、NADPH−生成系混液2ml[8 mMβ−NADP、80mMグルコース 6−リン酸、10単位グルコース 6−リン酸デヒドロゲナーゼ(酵母由来;オリエンタル酵母社製)及び60mM塩化マグネシウム]及び1mM EDTA,2ml を加え、再度遠心分離(40,000×g、30分間、4℃)後、上清を採取した。この操作をさらに4回繰り返し、上清をすべて合わせ、2N水酸化ナトリウム水溶液600 μl 及び酢酸エチル20mlを加えて振盪・攪拌した。遠心分離(2500rpm ×5分間)により有機層を分離し、これを濃縮した。残渣をHPLC[カラム:YMC AM-312(ODS) 5μm [(株)ワイ・エム・シィ] 6mmi.d. ×150 mm;溶出溶媒:40%アセトニトリル/50mM酢酸アンモニウム水溶液;流速:1ml/min]で精製し、化合物3,約400 μg(収率約10%) を白色粉末として得た。
【0106】
実施例6
3−(3−ヒドロキシプロピル)−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1−プロピルキサンチン(化合物6)及び3−(2−ヒドロキシプロピル)−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1−プロピルキサンチン(化合物7)
参考例2で得られる化合物H,100mg(0.282 ミリモル) をテトラヒドロフラン1mlに溶解し、これに0℃でジボラン・ジメチルスルフィド錯体(10Mテトラヒドロフラン溶液、28μl 、0.28ミリモル) を滴下し、室温で1時間攪拌した。0℃に冷却後、エタノール1ml、2N水酸化ナトリウム水溶液330 μl 、次いで35%過酸化水素水250 μl を加え、再び室温で1時間攪拌した。反応液を中和し、クロロホルムで3回抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、化合物6及び化合物7の約6:4混合物106 mg (定量的) を白色粉末として得た。
【0107】
次いで、この混合物をHPLC [カラム:YMC Pack D-ODS-5[(株) ワイ・エム・シィ] 250mm ×20mm;溶出溶媒:50%アセトニトリル/水;流速:13ml/min]で精製し、化合物6,31.9mg及び化合物7,21.4mgをそれぞれ白色粉末として得た。
【0108】
化合物6:
融点:155.0-156.0 ℃(エタノール/水より再結晶)
元素分析値:C20H28N4 O3
計算値(%):C 64.49,H 7.58 ,N 15.04
実測値(%):C 64.56,H 7.76 ,N 14.73
IR(KBr) νmax (cm-1) :3400, 3180, 1700, 1653, 1506.
NMR(270MHz;CDCl3) δ(ppm) :11.79(1H, brs), 4.31(2H, t, J=5.4Hz), 4.00(2H, t, J=7.4Hz), 3.49(2H, t, J=5.4Hz), 2.78(1H, t, J=6.4Hz), 2.50-2.40(2H, m), 2.30-2.20(2H, m), 2.15-1.70(13H, m), 0.96(3H, t, J=7.4Hz).
【0109】
化合物7:
融点:220.0-222.0 ℃(メタノールより再結晶)
元素分析値:C20H28N4 O3
計算値(%):C 64.49,H 7.58 ,N 15.04
実測値(%):C 63.97,H 7.81 ,N 14.75
IR(KBr) νmax (cm-1) :3470, 3180, 1701, 1632, 1500.
NMR(270MHz;CDCl3) δ(ppm) :4.50-4.40(1H, m), 4.35-4.15(2H, m), 4.00(2H, t, J=7.4Hz), 2.78(1H, t, J=6.5Hz), 2.45-1.50(15H, m), 1.28(3H, d, J=6.0Hz), 0.96(3H, t, J=7.4Hz).
【0110】
実施例7
8−(3−ヒドロキシ−1−トリシクロ[3.3.1.13,7]デシル)−1,3−ジプロピルキサンチン(化合物8)
3−ヒドロキシ−1−アダマンタンカルボン酸(3−ヒドロキシ−1−トリシクロ[3.3.1.13,7]デカンカルボン酸)[シンセティック・コミュニケーションズ(Syn. Commun.)、18巻、1967頁 (1988年) ]1.10g(5.61ミリモル) の塩化メチレン10ml−ジメチルホルムアミド25ml溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.03g(6.73ミリモル) 及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド1.61g(8.42ミリモル) を加え、室温で30分間攪拌した。この反応液に、5,6−ジアミノ−1,3−ジプロピルウラシルの塩化メチレン15ml溶液を氷冷下攪拌しながら滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和重曹水50mlを加え、反応液をクロロホルムで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。得られた残渣及び水酸化カルシウム2.77g(37ミリモル) の水35ml懸濁液を3時間加熱還流した。冷却後、反応液を濃塩酸でpH2に調節し、クロロホルムで3回抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:4%メタノール/クロロホルム)で精製後、ヘキサン/トルエンより再結晶し、化合物8,680mg(収率33%) を白色板状結晶として得た。
融点:213.1-214.3 ℃
元素分析値:C21H30N4 O3
計算値(%):C 65.26,H 7.82 ,N 14.50
実測値(%):C 65.13,H 8.08 ,N 14.54
IR(KBr) νmax (cm-1) :3510, 3148, 2906, 1703, 1637, 1544, 1494.
NMR(270MHz;DMSO-d6) δ(ppm) :12.96(1H, brs), 4.56(1H, s), 3.94(2H, t, J=7.5Hz), 3.83(2H, t, J=7.3Hz), 2.19(2H, brs), 1.90-1.48(16H, m), 0.86(3H, t, J=7.4Hz), 0.85(3H, t, J=7.4Hz).
【0111】
実施例8
1−(2−オキソプロピル)−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチン(化合物9)
参考例3で得られた化合物I,1.70 g(4.38 ミリモル)を用い実施例1とほぼ同様の操作を行った。得られた粗生成物をアセトン/水より再結晶し、化合物9,874 mg (収率54%) を白色板状晶として得た。
融点:210.8-212.5 ℃
元素分析値:C20H26N4 O3
計算値(%):C 64.85,H 7.07 ,N 15.12
実測値(%):C 65.21,H 7.47 ,N 15.19
IR(KBr) νmax (cm-1) :1720(sh), 1700, 1655, 1553, 1499.
1H-NMR(270MHz ;CDCl3) δ(ppm) :4.83(2H, s), 4.09(2H, t, J=7.5Hz), 2.74(1H, t, J=6.9Hz), 2.39(2H, brs), 2.25(3H, s), 2.27-2.20(2H, m), 1.95-1.60(10H, m), 0.96(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e(相対強度): 370(M + , 100), 327(86).
【0112】
実施例9
1−(2−ヒドロキシプロピル)−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチン(化合物10)
実施例8で得られた化合物9,780 mg(2.11 ミリモル)を用い実施例3とほぼ同様の操作を行った。得られた粗生成物をアセトニトリルより再結晶し、化合物10,440 mg (収率56%) を白色プリズム状結晶として得た。
融点:194.7-196.9 ℃
元素分析値:C20H28N4 O3
計算値(%):C 64.49,H 7.58 ,N 15.04
実測値(%):C 64.59,H 7.84 ,N 15.07
IR(KBr) νmax (cm-1) :1703, 1655, 1553, 1497.
1H-NMR(270MHz ;CDCl3) δ(ppm) :10.84(1H, brs), 4.17-4.06(5H, m), 3.23(1H, d, J=4.9Hz), 2.76(1H, t, J=6.9Hz), 2.41(2H, brs), 2.22-2.18(2H, m), 2.05-1.68(10H, m), 1.26(3H, d, J=5.6Hz), 0.97(3H, t, J=7.4Hz).
13C-NMR(270MHz;CD3OD) δ(ppm) :162.4, 156.2, 153.3, 149.8, 108.2, 66.6, 50.7, 49.8, 48.9, 46.9, 46.0, 44.7, 39.0, 35.7, 22.4, 21.1, 11.4.
MS(EI) m/e(相対強度):372(M + , 12), 354(21), 328(19), 315(100), 279(22).
【0113】
実施例10
1−(3−オキソプロピル)−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチン(化合物11)
参考例4で得られた化合物J,35.0 mg(0.10ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド3ml 溶液を、塩化パラジウム3.6mg(0.02ミリモル)及び塩化第二銅2.7mg(0.02ミリモル)のN,N−ジメチルホルムアミド0.5ml −水0.5ml 溶液に滴下した。反応液を酸素雰囲気下で50℃で2時間撹拌後、20mlの氷水に注入した。クロロホルムで3回抽出し、抽出液を水、次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧下留去して得られる残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、1−(2−オキソプロピル)−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチン(化合物9)、10.4mg(収率28%)及び化合物11,9.9mg (収率27%)を白色粉末として得た。
融点:180.9-183.8 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1728(sh), 1699, 1657, 1554, 1495.
1H-NMR(270MHz ;CDCl3) δ(ppm) :11.40(1H, brs), 9.83(1H, s), 4.40(2H, t, J=7.0Hz), 4.09(2H, t, J=7.4Hz), 2.86-2.72(3H, m), 2.41(2H, brs), 2.22-2.18(2H, m), 2.05-1.65(12H, m), 0.97(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e:370(M + ).
【0114】
実施例11
8−(トランス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1−(2−オキソプロピル)−3−プロピルキサンチン(化合物12)、8−(シス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1−(2−オキソプロピル)−3−プロピルキサンチン(化合物14)、及び8−(トランス−6−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1−(2−オキソプロピル)−3−プロピルキサンチン(化合物16)
参考例5で得られた化合物P、化合物Q、及び化合物Rの約1:1:8混合物、208mg(0.515 ミリモル) を用い、参考例1とほぼ同様の操作を行った。得られた粗生成物をHPLC[カラム:YMC-Pack, SH-365-10, S-10 [(株) ワイ・エム・シィ] 30mmi.d.×500mm ;溶出溶媒:25%アセトニトリル/水;流速:40ml/min]で精製し、化合物12,12.9 mg(収率 6.5%) 、化合物14,9.3mg(収率4.7 %) 及び化合物16,90.4mg (収率46%)をそれぞれ白色粉末として得た。
【0115】
化合物12:
融点:254.8-256.8 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1720(sh), 1703, 1655, 1499.
1H-NMR(270MHz ;CD3OD) δ(ppm) :4.84(2H, s), 4.07(2H, t, J=7.4Hz), 3.89(1H, m), 2.63(1H, t, J=7.0Hz), 2.33(2H, m), 2.24(3H, s), 2.17(2H, m), 2.10(2H, m), 1.99(2H, dd, J=10.9, 2.8Hz), 1.85-1.70(4H, m), 0.95(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e:386(M + ).
【0116】
化合物14:
融点:238.1-241.8 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1718(sh), 1705, 1650, 1494.
1H-NMR(270MHz ;CD3OD) δ(ppm) :4.83(2H, s), 4.07(2H, t, J=7.4Hz), 3.86(1H, m), 2.68(1H, t, J=6.4Hz), 2.36(2H, m), 2.35(2H, m), 2.23(3H, s), 2.01-1.90(4H, m), 1.77(2H, m), 1.65(2H, dd, J=11.3, 2.9Hz), 0.95(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e:386(M + ).
【0117】
化合物16:
融点:214.6-215.7 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1720(sh), 1703, 1650, 1498.
1H-NMR(270MHz ;CD3OD) δ(ppm) :4.84(2H, s), 4.22(1H, dd, J=6.9, 3.0Hz), 4.07(2H, t, J=7.4Hz), 2.60(1H, t, J=6.7Hz), 2.51(1H, dd, J=11.3, 2.0Hz), 2.29(1H, m), 2.23(3H, s), 2.20(2H, m), 2.10(1H, m), 2.05-1.95(2H, m), 1.90(1H, d, J=11.9Hz), 1.77(2H, m), 1.60-1.52(1H, m), 1.48(1H, m), 0.95(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e:386(M + ).
【0118】
実施例12
1−(2−ヒドロキシプロピル)−8−(トランス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチン(化合物13)
実施例11で得られた化合物12,8.4mg(0.0218ミリモル) 、及び水素化ほう素ナトリウム1.0mg(0.0265ミリモル) を用い実施例3とほぼ同様の操作を行い、化合物13,7.4mg(収率88%)を白色粉末として得た。
融点:210.2-214.8 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1701, 1642, 1495.
1H-NMR(270MHz ;CD3OD) δ(ppm) :4.15-4.05(2H, m), 4.07(2H, t, J=7.4Hz), 3.95-3.86(1H, m), 3.88(1H, m), 2.61(1H, t, J=6.5Hz), 2.33(2H, m), 2.17(2H, m), 2.10(2H, m), 1.97(2H, dd, J=10.4, 2.6Hz), 1.85-1.70(4H, m), 1.18(3H, d, J=7.0Hz), 0.95(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e:388(M + ).
【0119】
実施例13
1−(2−ヒドロキシプロピル)−8−(シス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチン(化合物15)
実施例11で得られた化合物14,6.4mg(0.0167ミリモル) 、及び水素化ほう素ナトリウム1.0mg(0.0265ミリモル) を用い実施例3とほぼ同様の操作を行い、化合物15,5.2mg(収率80%)を白色粉末として得た。
融点:221.8-222.6 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1706, 1645, 1500.
1H-NMR(270MHz ;CD3OD) δ(ppm) :4.15-4.05(2H, m), 4.07(2H, t, J=7.4Hz), 3.94-3.85(1H, m), 3.86(1H, m), 2.67(1H, t, J=6.4Hz), 2.35(2H, m), 2.34(2H, m), 2.01-1.90(4H, m), 1.77(2H, m), 1.65(2H, dd, J=11.4, 3.0Hz), 1.18(3H, d, J=6.9Hz), 0.96(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e:388(M + ).
【0120】
実施例14
1−(2−ヒドロキシプロピル)−8−(トランス−6−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチン(化合物17)
実施例11で得られた化合物16,57.4mg(0.149ミリモル) 、及び水素化ほう素ナトリウム6.1mg(0.161 ミリモル) を用い実施例3とほぼ同様の操作を行い、化合物17,48.6 mg(収率84%)を白色粉末として得た。
融点:200.1-201.0 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1699, 1647, 1498.
1H-NMR(270MHz ;CD3OD) δ(ppm) :4.22(1H, dd, J=6.9, 3.3Hz), 4.15-4.05(2H, m), 4.07(2H, t, J=7.4Hz), 3.89(1H, m), 2.58(1H, t, J=6.9Hz), 2.51(1H, dd, J=11.3, 2.0Hz), 2.30(1H, m), 2.20(2H, m), 2.10(1H, m), 2.05-1.95(2H, m), 1.91(1H, d, J=11.4Hz), 1.77(2H, m), 1.60-1.52(1H, m), 1.48(1H, m), 1.18(3H, d, J=7.0Hz), 0.95(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e:388(M + ).
【0121】
製剤例1 錠剤
常法により次の組成からなる錠剤を作成した。
化合物1,40g 、ラクトース286.8g及び馬鈴薯でん粉60g を混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加えた。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とした。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mm の杵をもった打錠機(菊水社製RT-15 型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得た。
【0122】
【0123】
製剤例2 細粒剤
常法により次の組成からなる細粒剤を作成した。
化合物3,20g 、ラクトース655g及びとうもろこしでん粉285gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液400gを加えた。この混合物を常法により練合し、造粒した後乾燥させて、細粒剤(細粒剤1,000mg あたり活性成分20mgを含有する)を得た。
【0124】
【0125】
製剤例3 カプセル剤
常法により次の組成からなるカプセル剤を作成した。
化合物6,200g、アビセル995g及びステアリン酸マグネシウム5gを常法により混合した。この混合物をカプセル充填機(Zanashi社製、LZ-64 型)によりハードカプセル4号(1カプセルあたり120mg 容量)に充填して、カプセル剤(1カプセルあたり活性成分50mgを含有する)を得た。
【0126】
【0127】
製剤例4 注射剤
常法により次の組成からなる注射剤を作成した。
化合物7,1gを精製ダイズ油100gに溶解し、これに精製卵黄レシチン12g 及び注射用グリセリン25g を加えた。この混合物を常法により注射用蒸留水で1,000ml として練合・乳化した。得られた分散液を0.2 μm のディスポーザブル型メンブランフィルターを用いて無菌濾過後、ガラスバイアルに2ml ずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mg を含有する)を得た。
【0128】
【0129】
参考例1
6−アミノ−5−(9−オキソ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−1,3−ジプロピルウラシル(化合物E)及び6−アミノ−5−(6−オキソ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−1,3−ジプロピルウラシル(化合物F)
トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボン酸メチルエステル6.95g(38.6ミリモル)の無水酢酸175ml −氷酢酸70ml溶液に、氷冷下、無水クロム酸23.1g(231 ミリモル) の水35ml溶液を1時間かけて加え(内温:10〜15℃)、室温で3日間攪拌した。反応液を氷水3Lにあけ、エーテル200ml で3回抽出した。有機層を水次いで飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、9−オキソトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボン酸メチルエステル(化合物A)及び6−オキソトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボン酸メチルエステル(化合物B)の約1:2混合物1.64g(収率22%) を薄黄油状物質として得た。
NMR(270MHz;CDCl3) δ(ppm) :3.76(3×1/3H, s, CO2CH3 of A), 3.72(3 ×2/3H, s, CO2CH3 of B), 2.98(1 ×1/3H, t, J=6.3Hz, C7-H of A), 2.81-2.79(1 ×2/3H, m, C7-H of B), 2.79-2.76(2×1/3H, m, C1-H 及び C5-H of A ), 2.55-2.45(2 ×2/3H, m, C1-H 及び C5-H of B), 2.35-1.82(8H, m).
13C-NMR(270MHz;CDCl3) δ(ppm) :215.2(C=O of B), 212.2(C=O of A), 175.9(C * O2CH3 of A), 175.3(C* O2CH3 of B), 52.7(C3 of A), 52.1(C1 及び C5 of A), 52.1(CO2C* H3 of A), 52.0(CO2C * H3 of B), 51.9(C7 of B), 50.3(C3 of B), 48.0(C5 of B), 46.6(C2 及び C4 of A), 46.0(C4 of B), 45.2(C2 of B), 43.5(C6 及び C8 of A), 42.7(C7 of A), 39.4(C8 of B), 37.0(C9 of B), 36.3(C1 of B).
【0130】
上記化合物A及び化合物Bの約1:2混合物1.64g(8.45ミリモル) のメタノール30 ml 溶液に水酸化リチウム1.42g(33.8ミリモル) の水15ml溶液を加え、室温で2時間攪拌した。反応液を濃塩酸でpH3に調節し、エーテル20mlで4回抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、9−オキソトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボン酸(化合物C)及び6−オキソトリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボン酸(化合物D)の約1:2混合物1.38g(収率90%) を無色結晶性粉末として得た。
NMR(270MHz;CDCl3) δ(ppm) :3.04(1×1/3H, t, J=6.0Hz), 2.84-2.81(1×2/3H, m), 2.80-2.76(2 ×1/3H, m), 2.60-2.45(2 ×2/3H, m), 2.35-1.75(8H, m).
【0131】
上記化合物C及び化合物Dの約1:2混合物1.00g(5.56ミリモル) の塩化メチレン10ml−ジメチルホルムアミド25ml溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1.07g(7.00ミリモル) 及び1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド1.10g(8.34ミリモル) を加え、室温で30分間攪拌した。この反応液に、5,6−ジアミノ−1,3−ジプロピルウラシル1.20g(5.29ミリモル) の塩化メチレン15ml溶液を氷冷下攪拌しながら滴下し、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和重曹水50mlを加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で2回洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をHPLC[カラム:YMC-Pack, SH-365-10, S-10 [(株) ワイ・エム・シィ] 30mmi.d.×500mm ;溶出溶媒:27.5%アセトニトリル/10mM酢酸アンモニウム水溶液;流速:80ml/min]で精製し、化合物E,298mg(収率15%) 及び化合物F,655mg(収率32%) をそれぞれ白色粉末として得た。
【0132】
化合物E:
融点:125.6-127.1 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :3350(br), 1700, 1656, 1593, 1494.
NMR(270MHz;CDCl3) δ(ppm) :7.51(1H, brs), 5.54(2H, brs), 3.93-3.86(4H, m), 3.10(1H, t, J=6.2Hz), 2.84(2H, brs), 2.39-2.32(2H, m), 2.21-2.13(4H, m), 1.93-1.88(2H, m), 1.85-1.60(4H, m), 1.02(3H, t, J=7.3Hz), 0.94(3H, t, J=7.2Hz).
MS(EI) m/e (相対強度) :388(63, M + ), 225(100), 163(17).
HR-MS(m/e):計算値(C20H28N4 O4 )388.2111;実測値 388.2126
【0133】
化合物F:
融点:179.7-181.2 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :3320(br), 1741, 1699, 1619, 1509.
NMR(270MHz;CDCl3) δ(ppm) :7.41(1H, brs), 5.50(2H, brs), 3.92-3.85(4H, m), 2.92(1H, dd, J=8.0, 1.8Hz), 2.61(1H, brs), 2.54(1H, brs), 2.44-1.55(12H, m), 1.01(3H, t, J=7.4Hz), 0.93(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e (相対強度) :388(43, M + ), 370(16), 225(100), 183(18).
HR-MS(m/e):計算値(C20H28N4 O4 )388.2111;実測値 388.2119
【0134】
参考例2
3−アリル−1−プロピル−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)キサンチン(化合物H)
トリシクロ[3.3.1.03,7]ノナン−3−カルボン酸3.22g(19.4ミリモル) のピリジン80ml溶液に、氷冷下、塩化チオニル1.54ml(21.1 ミリモル) を滴下し、室温で50分間攪拌した。これに、1−アリル−5,6−ジアミノウラシル(米国特許2673848 号公報)3.21g(17.6ミリモル) を氷冷下ゆっくりと加え、室温で2時間攪拌した。反応液を減圧濃縮後、クロロホルム/メタノール(5:1)で5回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣に、ジオキサン30ml及び1N水酸化ナトリウム水溶液60mlを加え、反応液を30分間加熱還流した。冷却後、反応液を中和し、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去し、3−アリル−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)キサンチン(化合物G)4.92g(収率90%) を薄黄板状晶として得た。
融点:>270 ℃(エタノール/水より再結晶)
元素分析値:C17H20N4 O2
計算値(%):C 65.36,H 6.45 ,N 17.93
実測値(%):C 64.98,H 6.72 ,N 17.86
IR(KBr) νmax (cm-1) :1685, 1648, 1643, 1498, 1425.
NMR(90MHz ;CDCl3) δ(ppm) :12.10(1H, brs), 7.20(1H, s), 6.20-5.65(1H, m), 5.45-5.05(2H, m), 4.80-4.45(2H, m), 2.71(1H, m), 2.55-1.50(12H, m).化合物G,1.00g(3.21ミリモル) をジメチルホルムアミド30mlに溶解し、これに0℃で水素化ナトリウム256mg(60%、6.41ミリモル) をゆっくりと加えた。30分後、1−ヨードプロパン0.33ml(3.4ミリモル) を同温度でゆっくりと滴下し、室温で一晩攪拌した。反応液を水300ml にあけ、中和後、クロロホルム100ml で3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(溶出溶媒:30%酢酸エチル/ヘキサン)し、化合物H,225mg(収率20%) を無色針状晶として得た。
融点:196.2-197.1 ℃(エタノール/水より再結晶)
元素分析値:C20H26N4 O2
計算値(%):C 67.77,H 7.39 ,N 15.80
実測値(%):C 67.92,H 7.66 ,N 15.45
IR(KBr) νmax (cm-1) :1704, 1646, 1499.
NMR(270MHz;CDCl3) δ(ppm) :6.15-5.90(1H, m), 5.40-5.20(2H, m), 4.75(2H, d, J=6.0Hz), 4.00(2H, t, J=7.4Hz), 2.80(1H, t, J=6.5Hz), 2.45-2.35(2H, m), 2.30-2.20(2H, m), 2.10-1.85(4H, m), 1.75-1.55(6H, m), 0.95(3H, t, J=7.4Hz).
【0135】
参考例3
6−アミノ−3−(2−オキソプロピル)−5−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−1−プロピルウラシル(化合物I)
6−アミノ−5−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−1−プロピルウラシル(特開平3-173889号公報)2.20g(6.63ミリモル)のジメチルホルムアミド35ml溶液に、撹拌しながら炭酸セシウム3.24g(9.95ミリモル)次いでブロモアセトン1.23ml(13.3 ミリモル)を加えた。反応混合物を60℃で3時間半撹拌した。冷却後反応液を水100ml にあけ、クロロホルム30mlで3回抽出した。有機層を0.2Mチオ硫酸ナトリウム水溶液、水、次いで飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(溶出溶媒:2 %メタノール/クロロホルム)し、化合物I,1.70g(収率66%) を淡黄色粉末として得た。
IR(KBr) νmax (cm-1) :1725(sh), 1701, 1637, 1491.
1H-NMR(270MHz ;CDCl3) δ(ppm) :7.28(1H, brs), 5.68(2H, brs), 4.74(2H,s), 3.88(2H, t, J=7.4Hz), 2.74(1H, t, J=7.0Hz), 2.37(2H, brs), 2.23(3H, s), 2.12-2.08(2H, m), 1.92-1.55(10H, m), 1.00(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e(相対強度): 388(M + , 70), 149(100), 121(90).
【0136】
参考例4
1−アリル−8−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチン(化合物J)
6−アミノ−5−(3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−1−プロピルウラシル(特開平3-173889号公報)300mg(0.90ミリモル)と臭化アリル0.16ml(1.81 ミリモル)を用い参考例3とほぼ同様の操作を行った。得られた粗生成物を精製する事なく実施例1と同じ環化反応を施し化合物J,110mg(収率35%)を白色粉末として得た。
融点:190.8-191.5 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1703, 1651, 1553, 1500.
1H-NMR(270MHz ;CDCl3) δ(ppm) :11.5(1H, brs), 5.98-5.84(1H, m), 5.22-5.13(2H, m), 4.67-4.65(2H, m), 4.12(2H, t, J=7.4Hz), 2.78(1H, t, J=6.9Hz), 2.40(2H, brs), 2.27-2.23(2H, m), 2.06-1.64(10H, m), 0.97(3H, t, J=7.4Hz).
MS(EI) m/e:354(M + ).
【0137】
参考例5
6−アミノ−5−(トランス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−3−(2−オキソプロピル)−1−プロピルウラシル(化合物P)、6−アミノ−5−(シス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−3−(2−オキソプロピル)−1−プロピルウラシル(化合物Q)、及び6−アミノ−5−(トランス−6−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−3−(2−オキソプロピル)−1−プロピルウラシル(化合物R)
参考例1で得られた化合物Cと化合物Dの約1:4混合物613 mg(3.40 ミリモル)と5,6−ジアミノ−1−プロピルウラシル(特開平3-173889号公報)597mg(3.24ミリモル)を用い、参考例1とほぼ同様の操作を行った。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:10%メタノール/クロロホルム)で精製し、6−アミノ−5−(9−オキソ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−1−プロピルウラシル(化合物K)及び6−アミノ−5−(6−オキソ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−1−プロピルウラシル(化合物L)の約1:4混合物,923 mg( 収率82%)を白色粉末として得た。
融点:269.6-272.2 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1738, 1698, 1640, 1582, 1493.
MS(EI) m/e:346(M + ).
【0138】
化合物Kと化合物Lの約1:4混合物920 mg(2.66 ミリモル)及び水素化ほう素ナトリウム101 mg(2.66 ミリモル)を用い、実施例3とほぼ同様の操作を行った。得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:20%メタノール/クロロホルム)で精製し、6−アミノ−5−(トランス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−1−プロピルウラシル(化合物M)、6−アミノ−5−(シス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−1−プロピルウラシル(化合物N)、及び6−アミノ−5−(トランス−6−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニルカルボニルアミノ)−1−プロピルウラシル(化合物O)の約1:1:8混合物,698 mg( 収率75%)を白色粉末として得た。
融点:278.8-290.2 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1695, 1612, 1486.
MS(EI) m/e:348(M + ).
【0139】
化合物M、化合物N、及び化合物Oの約1:1:8混合物,696mg(1.98ミリモル)を用い、参考例3とほぼ同様の操作を行った。得られる粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:10%メタノール/クロロホルム)で精製し、化合物P、化合物Q、及び化合物Rの約1:1:8混合物,208 mg( 収率26%)を白色粉末として得た。
融点:120.7-123.2 ℃
IR(KBr) νmax (cm-1) :1730(sh), 1699, 1638, 1484.
MS(EI) m/e:404(M + ).
【0140】
【発明の効果】
本発明により、アデノシンA1受容体拮抗作用を示し、利尿作用、腎保護作用、気管拡張作用、脳機能改善作用、抗痴呆作用等を有するキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩が提供される。
Claims (8)
- R1がヒドロキシ置換、オキソ置換もしくは非置換のプロピル、R2 がヒドロキシ置換もしくは非置換のプロピル、Yが単結合である請求項1記載のキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩。
- R1がプロピル、2−ヒドロキシプロピル、2−オキソプロピルまたは3−オキソプロピル、R2がプロピル、2−ヒドロキシプロピルまたは3−ヒドロキシプロピルである請求項2記載のキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩。
- 8−(トランス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン、8−(シス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1,3−ジプロピルキサンチン、8−(トランス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−1−(2−オキソプロピル)−3−プロピルキサンチン及び1−(2−ヒドロキシプロピル)−8−(トランス−9−ヒドロキシ−3−トリシクロ[3.3.1.03,7]ノニル)−3−プロピルキサンチンからなる群より選択されるキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を含有してなるアデノシンA1受容体拮抗剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を含有してなる利尿剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を含有してなる腎保護剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のキサンチン誘導体またはその薬理的に許容される塩を含有してなる抗痴呆剤。
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