JP3729598B2 - 感熱転写記録材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性、耐溶剤性、耐擦過性などの良好な印像を形成するための感熱転写記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の感熱転写記録材料は一般に、基材上にワックスをビヒクルの主成分とする感熱転写性インクを塗布したものや、表面平滑性に劣る紙にも良好な品質の印像を形成するため、あるいは堅牢度の良好な印像を形成するために、樹脂をビヒクルの主成分とする感熱転写性インクを塗布したものである。
【0003】
近年、製造工場における製造工程での部品、製品の管理、流通分野における商品管理、使用現場における物品管理などに使用されているバーコードなどを印字するのに、感熱転写記録材料を使用するバーコードプリンターやラベルプリンターが用いられるようになってきている。
【0004】
このようなバーコードを付する物品などの中にはバーコードを付した後に高温に曝されるものがあり、たとえば、プリント配線板の製造工程では180℃程度、半導体の検査工程では250℃程度の加熱処理が施される。したがって、このような用途の印像には高度な耐熱性が要求される。また製造工場などにおける製品管理に使用するバーコードなどの場合、溶剤、油などに接触する機会が多いから、良好な耐溶剤性が要求され、また流通分野などで使用するバーコードなどの場合、擦り作用を受ける機会が多いから、良好な耐擦過性が要求される。
【0005】
また、バーコードに限らず商業印刷分野では野外広告、選挙ポスター、一般ポスター、立看板、ステッカー、カタログ、パンフレット、カレンダー等、パッケージ分野では軽包装袋、食品、飲料、薬品、塗料等の容器ラベル、結束テープ等、衣料分野では品質表示ラベル、工程管理用ラベル、製品管理ラベル等の多品種少量生産のものには熱転写プリンターが用いられるようになってきており、これらにも同じく耐擦過性が要求されている。
【0006】
しかしながら、従来の感熱転写記録材料には、転写性が優れ、かつ耐熱性、耐溶剤性、耐擦過性を共に満足する印像を形成し得るものはなかった。
【0007】
すなわち、従来の、ワックスをビヒクルの主体とする感熱転写性インクを用いる感熱転写記録材料は、転写性は良好であるが、250℃程度の高温に曝されると分解され印像が崩れて読めなくなる場合があり、さらに耐溶剤性や耐擦過性も不充分である。またエチレン−酢酸ビニル共重合体などの樹脂をビヒクルの主体とするものは、耐熱性、耐溶剤性、耐擦過性は比較的優れているが、溶融粘度が高く転写性はワックス主体のものより劣る。またビスフェノールAジグリシジルエーテルをビヒクルとする感熱転写性インクを用いる感熱転写記録材料が提案されている(特公昭60−59159号公報)が、このビスフェノールA型エポキシ樹脂はカーボンブラックなどの顔料の分散性が悪く、そのため転写性が劣り、鮮明な印像が得られない傾向がある。感熱転写記録方式において転写性が劣るのは致命的欠点である。
【0008】
本出願人は、前記ビスフェノールAジグリシジルエーテルにかえて、4官能型エポキシ樹脂であるテトラフェノールエタンテトラグリシジルエーテルをビヒクルの主成分とする感熱転写性インクを用いる感熱転写記録材料を提案している(特開平9−20081号公報)。しかしながら、このものは転写性は良好であるものの、より厳しい条件下での耐溶剤性が必らずしも充分でなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記の点に鑑みて、転写性が良好で、かつ耐熱性、耐溶剤性、耐擦過性が良好で、なかんづく厳しい条件下での耐溶剤性が良好である印像を形成しうる感熱転写記録材料を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)基材上に、少なくとも、感熱転写性ビヒクルと着色剤とからなる感熱転写性インク層が設けられてなる感熱転写記録材料において、前記ビヒクルの70重量%以上がエポキシ樹脂からなり、該エポキシ樹脂中にテトラ(ジメチルフェノール)エタンテトラグリシジルエーテルが50重量%以上含有されていることを特徴とする感熱転写記録材料に関する。
【0011】
さらに本発明は、(2)感熱転写性インク層中における感熱転写性ビヒクルの含有率が40〜95重量%であることを特徴とする前記(1)項記載の感熱転写記録材料に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するテトラ(ジメチルフェノール)エタンテトラグリシジルエーテル(以下、TDMPETGEと略称する場合もある)は4官能型エポキシ樹脂の1種である。本発明においては、次式(I)で示される、ベンゼン環上の2つのメチル基がグリシドオキシ基に関してオルト位に置換しているTDMPETGEが好ましくは使用される。このものは通常約100℃の軟化点を有する。
【0013】
【化1】
Figure 0003729598
【0014】
本発明によれば、基材上に、少なくとも、感熱転写性ビヒクルと着色剤とからなる感熱転写性インク層が設けられてなる感熱転写記録材料において、前記ビヒクルの70重量%以上をエポキシ樹脂で構成し、該エポキシ樹脂中に前記TPDMETGEを50重量%以上含有させることによって、転写性がすぐれ鮮明な印像が得られ、かつ得られた印像の耐熱性、耐溶剤性、耐擦過性が良好であり、とくにより厳しい条件下における耐溶剤性が良好である。
【0015】
つぎに本発明を詳細に説明する。
【0016】
本発明における感熱転写性インクは、感熱転写性ビヒクルと着色剤とからなり、該ビヒクルが、TPMDETGEを50%(重量%、以下同様)以上、より好ましくは70%以上含むエポキシ樹脂からなるものである。
【0017】
本発明においては、ビヒクルのエポキシ樹脂成分全体をTPDMETGEで構成してもよいが、必らずしもその必要はなく、TPDMETGEを50%以上、なかんづく70%以上含むエポキシ樹脂成分であれば、所期の効果が得られる。全エポキシ樹脂中のTPDMETGEの含有量が前記範囲未満になると、耐溶剤性などの向上が充分でない傾向がある。
【0018】
またTPDMETGEを50%以上含むエポキシ樹脂成分は、ビヒクル中で70%以上、なかんづく80%以上を占めるのが好ましい。エポキシ樹脂成分のビヒクル中における含有量が前記範囲未満では所期の効果が奏されがたくなる。
【0019】
本発明においては、TPDMETGE以外の他のエポキシ樹脂を併用することができる。本発明でTPDMETGEと併用できるその他のエポキシ樹脂としては、たとえばつぎのものがあげられる。
【0020】
(1)グリシジルエーテル型
ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテルなどがあげられる。
【0021】
(2)グリシジルエーテル・エステル型
p−オキシ安息香酸グリシジルエーテル・エステルなどがあげられる。
【0022】
(3)グリシジルエステル型
フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステルなどがあげられる。
【0023】
(4)グリシジルアミン型
グリシジルアニリン、トリグリシジルイソシアヌレートなどがあげられる。
【0024】
(5)線状脂肪族エポキシ型
エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆油などがあげられる。
【0025】
(6)脂環族エポキシ型
3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルカルボキシレートなどがあげられる。
【0026】
前記その他のエポキシ樹脂は単独でまたは2種以上混合して使用できる。その他のエポキシ樹脂としては軟化温度が60℃以上のものが好ましいが、他のエポキシ樹脂やTPDMETGEと混合することでビヒクル全体の軟化温度が60℃以上になるものであれば、液状のエポキシ樹脂も使用可能である。
【0027】
前記ビヒクルには本発明の目的を損なわない範囲内でエポキシ樹脂以外の他の熱可塑性樹脂を配合してもよい。このような熱可塑性樹脂としては、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−アルキル(メタ)アクリレート共重合樹脂、フェノール樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などがあげられる。前記他の熱可塑性樹脂はビヒクル全量の30%以下、なかんづく15%以下で使用するのが好ましい。
【0028】
前記ビヒクルは感熱転写記録材料の保存安定性および転写性の点から軟化温度が60〜120℃の範囲が好ましい。
【0029】
前記ビヒクルの感熱転写性インク中における含有量は、転写性などの点から、40〜95%の範囲が適当である。
【0030】
本発明に用いる着色剤としては、カーボンブラックをはじめ、アゾ系顔料(不溶性アゾ、アゾレーキ、縮合アゾ顔料)、フタロシアニン系顔料、ニトロ系顔料、ニトロソ系顔料、アントラキノン系顔料、ニグロシン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チタンホワイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなど各種有機、無機の顔料や染料が使用できる。着色剤のインク層中における含有量は5〜60重量%の範囲が適当である。
【0031】
減法混色を利用して多色またはフルカラーの印像を形成する場合には、イエロー、マゼンタ、シアンの顔料、および要すればブラックの着色剤が使用される。イエロー、マゼンタ、シアンの着色剤としては透明性のものが好ましく用いられる。ブラックの着色剤は不透明性のものであってもよい。ここで、透明性顔料とは、透明なビヒクル中に分散させたとき、透明に着色されたインクを与える顔料をいう。
【0032】
イエローの着色剤としては、たとえばナフトールエローS、ハンザエロー5G、ハンザエロー3G、ハンザエローG、ハンザエローGR、ハンザエローA、ハンザエローRN、ハンザエローR、ベンジジンエロー、ベンジジンエローG、ベンジジンエローGR、パーマネントエローNCG、キノリンエローレーキなどの有機顔料やオーラミンなどの染料が使用できる。
【0033】
マゼンタの着色剤としては、たとえばパーマネントレッド4R、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントカーミンFB、リソールレッド、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、キナクリドンレッドなどの有機顔料やローダミンなどの染料が使用できる。
【0034】
シアンの着色剤としては、たとえばビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシニアニンブルー、フタロシニアニンブルー、フアストスカイブルーなどの有機顔料やビクトリアブルーなどの染料が使用できる。
【0035】
ブラックの着色剤としては、たとえばカーボンブラックなどの無機顔料、アニリンブラックなどの有機顔料やニグロシンなどの染料が使用できる。
【0036】
各着色インク層中における着色剤の含有量は通常5〜60%程度が適当である。
【0037】
本発明における感熱転写性インク層には前記成分の他に、分散剤などを適宜配合することができる。
【0038】
本発明における感熱転写性インク層は、前記ビヒクル成分を溶剤に溶解し、さらに顔料、その他の添加剤を溶解、分散させて塗工液を調製し、この塗工液を基材上に塗布し、乾燥することによって形成できる。
【0039】
本発明における感熱転写性インク層の塗布量(固形分換算、以下同様)は、通常0.02〜5g/m2、より好ましくは0.5〜3g/m2が適当である。
【0040】
前記基材としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルムなどのポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアミドフィルム、アラミドフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、変性ポリフェニレンエーテルフィルム、ポリアセタールフィルム、その他この種のインクリボンの基材用フィルムとして一般に使用されている各種のプラスチックフィルムが使用できる。またコンデンサーペーパーのような高密度の薄い紙も使用できる。基材の厚さは通常1〜10μm程度であり、熱拡散を小さくして解像度を高めうる点からは1〜6μmの範囲が好ましい。
【0041】
本発明の感熱転写記録材料をサーマルヘッドを備えた熱転写プリンターで使用する場合は、基材の背面(サーマルヘッドに摺接する側の面)にシリコーン樹脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース樹脂、あるいはこれらによって変性された、たとえばシリコーン変性ウレタン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂など各種の耐熱性樹脂、あるいはこれら耐熱性樹脂に滑剤を混合したものなどからなる、従来から知られているスティック防止層を設けるのが好ましい。
【0042】
本発明においては、基材と感熱転写性インク層との間に離型層を設けることができる。離型層としては、針入度が1以下のワックス層が好ましい。かかる構造の感熱転写記録材料を用いて得られた印像では、印像の表面が針入度1以下の硬い無着色のワックス層で覆われることになり、該ワックス層の表面の潤滑性と保護効果により、耐擦過性がより一層向上される。該ワックス層の針入度が1より大きいとかえって耐擦過性などがわるくなる傾向がある。
【0043】
前記ワックスとしては、カルナバワックス、ポリエチレンワックスなどの1種または2種以上からなる混合物があげられる。
【0044】
前記離型層はワックスの溶剤溶液、溶剤分散液または水性エマルジョンを基材上に塗布し、乾燥することにより形成することができる。またホットメルトコーティング法により形成することができる。
【0045】
前記離型層の塗布量は、通常0.01〜2.0g/m2、より好ましくは0.1〜1.0g/m2が適当である。離型層の塗布量が前記範囲未満では所期の効果が奏されにくい傾向があり、一方前記範囲より多いと転写性が悪くなる場合がある。
【0046】
本発明の感熱転写記録材料には、単色の印像を形成するための感熱転写記録材料と減法混色を利用して多色またはフルカラーの印像を形成するためのカラー用感熱転写記録材料が含まれる。
【0047】
単色の印像を形成するための感熱転写記録材料は、基材上に単色の感熱転写性インク層を設けたものである。感熱転写性インク層の色としては、黒、赤、青、緑、イエロー、マゼンタ、シアンなどがあげられる。
【0048】
多色またはフルカラーの印像を形成するためのカラー感熱転写記録材料の一つの実施態様のものは、単一の基材上に、イエローの感熱転写性インク層、マゼンタの感熱転写性インク層およびシアンの感熱転写性インク層、ならびに要すればブラックの感熱転写性インク層を並べて配置したものである。前記各色のインク層の配置方法としては種々の態様があげられ、プリンターの種類に応じて適宜選択される。前記実施態様の感熱転写記録材料の一実施例においては、単一の基材上に、一定の大きさを有するイエローの感熱転写性インク層、マゼンタの感熱転写性インク層およびシアンの感熱転写性インク層が、それらの一定順序の並びを1つの繰返し単位として基材の長手方向に繰返し並べて配置されている。繰返し単位における3色のインク層の並べ方の順序は各色の転写順序にしたがって適宜決められる。繰返し単位にはブラックのインク層を加えてもよい。
【0049】
多色またはフルカラーの印像を形成するためのカラー感熱転写記録材料の他の実施態様のものは、第1の基材上にイエローの感熱転写性インク層を設けた第1の感熱転写記録材料、第2の基材上にマゼンタの感熱転写性インク層を設けた第2の感熱転写記録材料、およびさらに第3の基材上にシアンの感熱転写性インク層を設けた第3の感熱転写記録材料、ならびに要すればさらに第4の基材上にブラックの感熱転写性インク層を設けた第4の感熱転写記録材料のセットからなるものである。
【0050】
本発明の感熱転写記録材料を用いて印像を形成するには、感熱転写記録材料のインク層を被転写体と重ね合せ、インク層に像状に熱エネルギーを与える。熱エネルギーを与える熱源としてはサーマルヘッドが一般的であるが、レーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなど公知のものがいずれも使用できる。
【0051】
被転写体がシート状物でない立体形状の場合、その表面が曲面である場合などにおいては、熱エネルギーの適用が容易な点から、レーザー光による熱転写が有利である。
【0052】
本発明の前記カラー画像形成用感熱転写記録材料を用いる多色またはフルカラーの画像の形成は、通常熱転写プリンタで多色のカラー画像の分解色信号、すなわちイエロー信号、マゼンタ信号、シアン信号にしたがって、イエローインクドット、マゼンタインクドット、シアンインクドットをそれぞれ所定の順序で順次重ね転写して受像体上にイエローの分解画像、マゼンタの分解画像、シアンの分解画像を形成することによって行なうことができる。イエローインクドット、マゼンタインクドット、シアンインクドットの転写順序は任意に選択できる。通常の多色またはフルカラー画像の場合は3色の色信号にしたがって3色の分解画像が形成されるが、2色の色信号しかない場合は対応する2色の分解画像が形成される。
【0053】
かくして、(A)イエロー、マゼンタおよびシアンのうちの少なくとも2種の減法混色により色が発現される領域、または(B)前記(A)の領域と、イエロー、マゼンタおよびシアンのうちの少なくとも1種からなる単色の領域との組合せからなる領域を含む多色のカラー画像が得られる。ここで、イエローインクドットとマゼンタインクドットの重ね合せ部分でレッド色が、イエローインクドットとシアンインクドットの重ね合せ部分でグリーン色が、マゼンタインクドットとシアンインクドットの重ね合せ部分でブルー色が、イエローインクドットとマゼンタインクドットとシアンインクドットの重ね合せ部分でブラック色が呈せられる。
【0054】
前記においてはブラック色をイエローインクドットとマゼンタインクドットとシアンインクドットの重ね合せで得ているが、3色のインクドットを使用せずに、ブラックインクドットのみでブラック色を得るようにしてもよい。
【0055】
なおブラックインクドットをイエローインクドット、マゼンタインクドット、シアンインクドットの少なくとも1種の上にまたは少なくとも2種が重ね合わされた上に重ね合せて、ブラック色を呈するようにしてもよい。
【0056】
本発明の感熱転写記録材料は、前記のごとく耐熱性のすぐれた印像を与えるので、150℃以上の温度で加熱処理を受ける被転写体に印像を形成するのに好適に使用される。被転写体の受ける加熱処理の温度が高すぎると、ビヒクル成分が分解し、印像としての形態が消失される傾向にあるので、被転写体の受ける加熱処理の温度は280℃程度以下であるのが好ましい。
【0057】
本発明の感熱転写記録材料を用いて印像を形成する場合、目的とする被転写体に直接印像を形成してもよいが、予めシート状の被転写体(受像体)に印像を形成したのち、この受像体を目的とする被転写体に耐熱性接着剤などの適宜の手段で貼付してもよい。
【0058】
前記シート状の受像体としては、各種の耐熱性シート状物が使用できるが、特開平8−2131号公報に開示されているものが好ましく使用される。このものは、基材の片面に、白色顔料と有機バインダーを必須成分とする受像層が設けられ、他面に耐熱性粘着層が設けられた受像体であって、前記有機バインダーがフェノキシ樹脂、またはフェノキシ樹脂と飽和ポリエステル樹脂とからなるものである。その他、ポリイミドなどの耐熱性樹脂のシート状物、ガラス繊維やセラミック繊維の布状物、これに耐熱性樹脂を塗布あるいは含浸させたもの、ガラスやセラミックスのシート状物、金属のシート状物などがあげられる。
【0059】
本発明の感熱転写記録材料を用いて被転写体上に形成された印像は熱処理を施すことによって耐熱性、耐溶剤、耐擦過性が大幅に向上される。
【0060】
熱処理は、印像を150〜250℃の雰囲気中で、15〜60分間加熱することによって行なうことができる。このような熱処理によって、エポキシ樹脂が架橋を起し、そのため堅牢度が向上するものと推定されている。
【0061】
プリント配線板や半導体など後工程で前記熱処理と同等な加熱処理を受ける物品に施される印像の場合は、前記熱処理を施す必要はとくにない。
【0062】
本発明の感熱転写記録材料は、耐熱性、耐溶剤性のすぐれた印像を与えるので、被転写体が、プリント配線板など製造工程において、半導体など検査工程において、150〜280℃程度の高温で加熱処理を受けるものに印像を形成するのにとくに好適に使用される。
【0063】
【実施例】
つぎに実施例をあげて本発明を説明する。
【0064】
実施例1〜4および比較例
厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にシリコーン樹脂からなる塗布量0.25g/m2のスティック防止層を形成し、その反対側に表1に示されるインク塗工液を塗布し、乾燥して、塗布量2g/m2の感熱転写性インク層を形成して感熱転写記録材料を得た。
【0065】
乾燥後の前記各インクについて耐熱性を評価した。
【0066】
[耐熱性]
乾燥後の各インクを約10mg電子天秤で秤量し、熱オーブン中で250℃で1時間加熱処理したのち重量を測定し、次式で示されるインク残分率(%)を求め、耐熱性を評価した。
【0067】
インク残分率(%)=(加熱処理後の重量/加熱処理前の重量)×100
さらに前記各感熱転写記録材料を用い、熱転写方式バーコードプリンタ((株)テック製B−30)で下記受像体上にバーコードのパターンを下記の条件下で印像し、得られた印像について、転写性、耐溶剤性、耐擦過性を評価した。結果を表2に示す。
【0068】
<印字条件>
印加エネルギー:22.6mJ/mm2
印字速度:2インチ/秒
プラテン圧:強(前記プリンタでの設定値)
印字パターン:バーコードパターン
【0069】
<受像体>
銀ネーマ((株)リンテック製受像体、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムのアルミニウム蒸着層側に粘着層を形成した構成のもの)
【0070】
[転写性]
銀ネーマ上に得られた印像についてRJS ENTERPRISES,INC製のバーコード読取機(コーダスキャンII)による読取り判定を行なった。バーコード読取機の判定基準はつぎのとおりである。
【0071】
A:読み取れる。
B:一部読み取れない場合がある。
C:読み取り不可。
【0072】
[耐溶剤性]
銀ネーマ上に得られた印像について下記に示す条件で摩擦試験を行い、試験後の印像について下記基準で評価した。
【0073】
試験機:アトラス エレクトリック デバイス社製
A.A.T.C.C.クロックメータモデルCM−1
摩擦材:綿布(各種溶剤含浸)
圧 力:500g/cm2
回 数:50回往復
A:印像が全くとれない。
B:印像がほとんどとれない。
C:印像が少しとれる。
D:印像がかなりとれる。
【0074】
[耐擦過性]
銀ネーマ上に得られた印像について下記に示す条件で摩擦試験を行い、試験後の印像について、前記耐溶剤性試験の場合と同じ基準で評価した。
【0075】
試験機:(株)安田精機製作所製ラブテスター
摩擦材:ダンボール
圧 力:250g/cm2
回 数:300回往復
【0076】
【表1】
Figure 0003729598
【0077】
【表2】
Figure 0003729598
【0078】
【発明の効果】
本発明の感熱転写記録材料を用いるときは、転写性が良好で鮮明な印像が得られ、かつ得られた印像は耐熱性、耐溶剤性および耐擦過性が良好である。

Claims (2)

  1. 基材上に、少なくとも、感熱転写性ビヒクルと着色剤とからなる感熱転写性インク層が設けられてなる感熱転写記録材料において、前記ビヒクルの70重量%以上がエポキシ樹脂からなり、該エポキシ樹脂中にテトラ(ジメチルフェノール)エタンテトラグリシジルエーテルが50重量%以上含有されていることを特徴とする感熱転写記録材料。
  2. 感熱転写性インク層中における感熱転写性ビヒクルの含有率が40〜95重量%であることを特徴とする請求項1記載の感熱転写記録材料。
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